JP3970380B2 - 半導体レーザ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルビデオディスク等を始めとする高密度光記録再生装置に用いる光ピックアップの光源及び、信号検出用の受光素子を兼ね備えた光源として利用される半導体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来技術においては、光記録再生装置に用いる光ピックアップの光源等に用いられている半導体レーザ装置は、その中に1つのレーザチップを搭載しているものが多く実用化されている。ゆえに、1つの半導体レーザ装置からは単一波長のレーザ光が出射する(ここで、用いる「単一波長」とは、レーザチップを構成している結晶が有するバンドギャップで決定される波長を意味し、発振時の縦モードに関するシングルモード、及び自励発振型レーザにおけるマルチモードは、共に「単一波長」に含む。)。
【0003】
代表的な1例を、図33に示す。これは、従来技術の半導体レーザ装置全体構造を一部切り欠いて示した斜視図である。単一波長のレーザ光を出射するレーザチッブ100がステム101上の素子付け用ブロック101aに設置されている。レーザチップ100から出射した単一波長のレーザ光はステム101に設けた基準面101bに対し垂直な方向に進行し、半導体レーザ装置の上部に設けた出射窓102から出射する。また、レーザチップ100の後方に光出力モニタ用の受光素子100cが設置されている。矢印Cはレーザチップ100から出射したレーザ光が出射される様子を示す。 これらの部品が出射窓102を有するキャップ103で覆われ一つのパッケージに納まった半導体レーザ装置を構成していた。104は、リード端子を示す。
【0004】
他の、従来例としては、
1.複数のレーザチップをモノリシックに集積化したマルチビーム半導体レーザが特開平3−187285号公報に開示されている。
2.3つの半導体レーザを各々の発光点位置をずらしてサブマウント上にハイブリッドに集積化した半導体レーザ装置が特開平3−112184号公報に開示されている。
3.他、複数の半導体レーザの発光点を三次元的に配置することができる受発光素子が特開平6−350187号公報に開示されている。
【0005】
これらの内代表的な1例である特開平6−350187号公報に開示された従来例を、図34に示す。図34は、半導体基板111上に受光素子112a、112bと凹部113が形成され、その凹部113にレーザチップ115、116を設置したものである。レーザチップ115、116は互いに波長が異なるレーザであり、レーザチップ115、116から水平方向(紙面の下方から上方に向かう方向)に出射された光はそれぞれ、マイクロミラー114の斜面で反射されて、半導体基板111に対し垂直な方向(紙面裏側から表側に貫通する方向)に出射される。
【0006】
また、1つのレーザチップと光記録媒体からの反射光を受光する受光素子を同一パッケージ内に収納し、前反射光を回折する回折素子を具備する光ピックアップ装置が特公平5−9851号公報に開示されている。図35に、本光ピックアップ装置を集積化した1例である半導体レーザ装置の例を、一部切り欠いて示した斜視図に示す。
【0007】
同図では、単一波長のレーザ光を出射するレーザチップ120がステム121上の素子付け用ブロック121aに設置されている。レーザチップ120から出射した単一波長のレーザ光がステム121に設けた基準面121bに対し垂直な方向に進行し、半導体レーザ装置の上部に設けた回折素子125から出射する。素子付け用ブロック121aには光記録媒体からの反射光を受光する受光素子123が設置されてある。レーザチップ120の後方に光出力モニタ用の受光素子120cが設置されてある。光記録媒体からの反射光は、回折素子125により前記受光素子123方向に回折する。126は、リード端子を示す。矢印Cは、レーザチップ120から出射したレーザ光が、半導体レーザ装置の上部に設けた回折素子125から出射し,さらに光記録媒体で反射され半導体レーザ装置に戻って来る様子を示し、矢印Dは前記回折素子125による回折光が、受光素子123で受光される様子を示す。
【0008】
また、従来より、CD(コンパクトディスク)、ビデオディスク、光磁気ディスク等の光記録媒体はすべて厚さ1.2mmの基板を用いていた。一方、近年、より高密度化を図るために、半導体レーザからのレーザ光を光記録媒体に集光する対物レンズの開口数を大きくする技術が導入されている。対物レンズの大開口化により、光学的な分解能が向上し、高密度光記録に対して有効な手段となるが、集光スポットの収束性能が低下するという問題がある。
【0009】
すなわち、前述した1.2mm厚の基板を用いる光記録媒体の場合、その面振れ及びそれを取り付けるターンテーブルの面振れにより誘発する対物レンズの傾きによって、光スポットにコマ収差が発生し、良質の記録/再生信号を得ることが出来ない。そこで対物レンズの開口数を大きくしても光スポットのコマ収差が大きくならないように、基板厚の薄い光記録媒体を用いる方法がとられている。
【0010】
例えば高密度光記録装置として今後急速な普及が期待されるDVD(デジタルビデオディスク)装置では、前述の理由から0.6mm厚の基板の光記録媒体を用いている。しかし、基板厚を薄くした光記録媒体の記録/再生のために最適化された対物レンズでは、従来より用いられてきた1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しては、球面収差が大きくなり記録/再生が困難となる問題点がある。
【0011】
そのため従来の光記録媒体との互換性を保つために、異なる基板厚の光記録媒体に対し最適化された対物レンズを独立して用意する。或いは、特開平7−182690号公報には、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズと半導体レーザ装置との間に前記対物レンズの集光状態を変換し、1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑える変換レンズを設け、基板の厚さの違いに応じて前記変換レンズを出し入れする例が開示されている。
【0012】
図36に、本開示例を示す。図中131は半導体レーザ装置、132は前記半導体レーザ装置131から出射したレーザ光を光記録媒体140の記録面上に集光するための対物レンズ、133は前記半導体レーザ装置131から出射した発散光をほぼ平行光束に変換するためのコリメートレンズ、134は前記光記録媒体140で反射したレーザ光を検出するための検出光学系、135は前記光記録媒体140からの反射光を前記検出光学系134に分岐するためのビームスプリッタ、136は前記対物レンズ132と前記ビームスプリッタ135の間に設けられ、前記対物レンズ132に向かう光東の集光状態を変換するための変換レンズで、凹レンズである。137は光検出器である。また、図37(a)、(b)は光記録媒体と光スポットの収束状態を示す図で、140aは0.6mm厚の基板の光記録媒体、140bは1.2mm厚の基板の光記録媒体を示す。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一方、異なる波長のレーザ光を光源として記録/再生を行うことを必要とする異種の光記録媒体を一つの光記録再生装置で記録/再生する場合は、異なる波長のレーザ光を出射する別々の半導体レーザ装置を光ピックアップに搭載して光記録再生装置に組み込み、光記録媒体が必要とする波長に応じて、半導体レーザ装置の駆動を切り替える必要があった。すなわち、異なる波長の半導体レーザ装置を複数個搭載していた。
【0014】
具体例をあげるならば、前述のDVD用光記録媒体とCD−R用光記録媒体を記録/再生する場合は、光記録媒体の材料の違いにより用いる波長が異なる。DVD用光記録媒体は波長625〜660nm(中心波長650nmまたは、635nm)、CD−R用光記録媒体は波長780〜790nm(中心波長は材料により細かくは微妙に異なるが、ほぼ785nm付近である。)なる波長の半導体レーザを必要とした。このように、従来技術の半導体レーザ装置を用いた場合、少なくとも異なる波長の半導体レーザ装置それぞれを独立に搭載することになるため、部品点数が増加し、装置が大型化し、価格に影響を与えるという問題点があった。
【0015】
また、特開平3−187285号公報及び、特開平3−112184号公報に開示された従来例は、独立したレーザチップを横方向に配置している例であるが、レーザチップのストライプと平行な方向におよそレーザチップの横幅分の距離すなわち、少なくとも200μm程度発光点の間隔が開くことになる。特開平6−350187号公報に開示された従来例においても同様の問題が生じる。このように、発光点の間隔が開くとレンズの収差等の問題が発生し、特に高密度光記録システム等では使用困難が顕著になる。
【0016】
また、特公平5−9851号公報に開示された従来例では、1つのレーザチップと前記レーザチップの波長にあわせて設計された受光素子が同一パッケージに収納されてなる光ピックアップ装置を集積化した半導体レーザ装置であり、異なる波長のレーザ光を光源として記録/再生を行うことを必要とする異種の光記録媒体を、一つの光記録再生装置で記録/再生する場合は、異なる波長のレーザチップ及び、それらに応じ最適化した受光素子をそれぞれ1個ずつ搭載した別々の光ピックアップ装置を集積化した半導体レーザ装置を独立して搭載する必要があった。
【0017】
また、特開平7−182690号公報に開示された従来例では、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズと半導体レーザ装置との間に前記対物レンズの集光状態を変換し、1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑える変換レンズを設ける点、及び基板の厚さの違いに応じて前記変換レンズを出し入れする機構部分の必要性から、部品点数の増大、装置の大型化、コストアップなどの問題点があった。
【0018】
以上をまとめると、従来技術では異なる波長のレーザ光を光源として記録/再生を行うことを必要とする異種の光記録媒体を、一つの光記録再生装置で記録/再生する場合には、異なる波長のレーザチップまたは、異なる波長のレーザチップとそれらに応じて最適化した受光素子をそれぞれ1個ずつ搭載した、別々に集積化した半導体レーザ装置を独立に搭載することになるので、部品点数の増加、装置の大型化、コストアップなどの第一の問題点があった。
【0019】
また、複数のレーザチップを集積化した半導体レーザ装置では、発光点の間隔が開くことによりレンズの収差等の問題が発生するという、第二の問題点があった。
【0020】
さらに、基板厚の異なる光記録媒体に対し記録/再生を行う場合、球面収差の発生を抑えるための変換レンズを設ける点、及び基板の厚さの違いに応じて前記変換レンズを出し入れする機構部分の必要性から、部品点数の増加、装置の大型化、コストアップなどの第三の問題点があった。
【0021】
【問題を解決するための手段】
本発明に係る半導体レーザ装置は、異なる波長のレーザ光を出射する複数のレーザチップと、前記レーザ光の透過および反射により、透過レーザ光と反射レーザ光を同一光軸上に出射させる光軸調整用の光学素子と、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを一つのレーザパッケージ内に有し、かつ、該レーザパッケージに前記光記録媒体からの反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を備え、前記受光素子は異なる波長に応じそれぞれ反射光を受光する受光部を備えてなることを特徴とする半導体レーザ装置であって、前記受光素子は、波長に応じ最適化されたそれぞれ独立の受光部を有し、前記受光部は、受光領域の面積が、前記反射光の波長に応じて異なるとともに、受光領域における不純物の拡散深さが前記反射光の波長に応じて異なることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0022】
本発明に係る半導体レーザ装置は、それぞれ受光部が、その受光面が光軸方向に異なる高さに設定されてなることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0023】
本発明に係る半導体レーザ装置は、異なる波長のレーザ光を出射する複数のレーザチップと、前記レーザ光の透過および反射により、透過レーザ光と反射レーザ光を同一光軸上に出射させる光軸調整用の光学素子と、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを一つのレーザパッケージ内に有し、かつ、該レーザパッケージに前記光記録媒体からの反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を備え、前記受光素子は異なる波長に応じそれぞれ反射光を受光する受光部を備えてなることを特徴とする半導体レーザ装置であって、前記受光素子上には、前記波長に応じて異なる膜厚の誘電体膜が形成されており、それぞれ受光部はその受光面が光軸方向に異なる高さに設定されてなるとともに、受光領域における不純物の拡散深さが前記反射光の波長に応じて異なることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0024】
本発明に係る半導体レーザ装置は、前記受光素子は、波長に応じ最適化されたそれぞれ独立の受光部を有することを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0025】
本発明に係る半導体レーザ装置は、前記受光素子の受光面がステム基準面に対して傾斜して設けられていることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0026】
本発明に係る半導体レーザ装置は、前記光軸調整用の光学素子は、波長選択性光学素子、無偏光ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタの何れかからなることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0027】
本発明に係る半導体レーザ装置は、前記複数のレーザチップおよび前記光軸調整用の光学素子をL型ブロックを介して設置してなることを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0028】
本発明に係る半導体レーザ装置は、複数のレーザチップの一方と前記光軸調整用の光学素子との光路中に、レーザ光の波面を変換する波面変換手段を設けたことを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0029】
本発明に係る半導体レーザ装置は、複数のレーザチップの一方と前記光軸調整用の光学素子との光路中に、レーザ光の開口を制限する開口制限手段を設けたことを特徴とする半導体レーザ装置である。
【0030】
【発明の実施の態様】
本発明は1つの半導体レーザ装置のパッケージ内に互いに異なる波長のレーザチップを2つ内蔵することで、1つの半導体レーザ装置から、記録/再生する光記録媒体の必要とする波長のレーザ光が出射するものである。ただし、波長選択性光学素子、ビームスプリッタ、偏光分離等の光学素子を用いたレーザ光の透過と反射により、透過光と反射光が同一光軸上を通過するべく半導体レーザ装置から出射する位置関係に設置してなるものである。以上により、前述した第一、第二の問題点を同時に解決するものである。
【0031】
さらに、パッケージ内の前記レーザチップの内、1.2mm厚の基板の光記録媒体の記録/再生に利用するレーザチップと前記光学素子との間に、レーザ光の波面を変換する波面変換手段、または開口を制限する開口制限手段を設置することで、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズによる集光状態を変更することにより、1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、良質の記録/再生信号を得るものである。
【0032】
一方、レーザチップと、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子と、前記反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を同一装置に具備する半導体レーザ装置においては、前述した手段すなわち2つのレーザチップ及び光学素子を具備し、2つの波長のレーザ光が同一進行方向且つ、同一光軸上を通過する手段、及び、波面変換手段、または開口制限手段の他に、2つの波長のレーザ光を受光するために、前記受光素子の受光領域を回折方向に長くすることや、異なる波長に応じ受光位置や受光高さを変える、前記受光素子を傾斜して設置するあるいは異なる波長に応じた分光感度曲線を有する受光素子を与える等の手段を用いて異なる波長のどちらの場合においても、光記録媒体からの反射光を受光し、適切な信号検出を行う受光素子を具備した半導体レーザ装置を得る。
【0033】
本発明では前述した構成によって、2つのレーザチップから出射するレーザ光を光学レンズ等を介してモニタしながら、位置決めすることにより同一光軸上を出射させることができ、光記録媒体の必要とする波長に応じて、駆動するレーザチップを切り替えることで、1つの半導体レーザ装置から2種類の波長のレーザ光が必要に応じて出射する。
【0034】
また、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズを用いた光へツドで1.2mm厚の基板の光記録媒体を記録/再生する場合において、半導体レーザ装置に内蔵した波面変換手段または、開口制限手段により、一方のレーザ光の前記対物レンズでの集光状態を変更させ、半導体レーザ装置の外部(前記対物レンズと半導体レーザ装置との間)に変換レンズ等を設ける方法や、さらには基板の厚さの違いに応じて前記変換レンズを出し入れする機構を設けるなどの大がかりな方法を用いなくとも、球面収差の発生を抑え良質の記録/再生信号を得ることができる。
【0035】
さらには、レーザチップと光記録媒体からの反射光を受光する受光素子と、前記反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を同一装置に具備する半導体レーザ装置においては、前述した手段すなわち2つのレーザチップ及び光学素子を具備しながら、尚、2つの波長のレーザ光を受光するために前記受光素子の受光領域を回折方向に長くすることや、異なる波長で受光位置や受光高さを変える、あるいは異なる波長に応じた分光感度曲線を有する受光素子を与える等の方法で、異なる波長のどちらの場合においても、光記録媒体からの反射光を受光し、適切な信号検出を行う受光素子を具備した半導体レーザ装置を得る。
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明する。
【0037】
[実施例1]
図1は、半導体レーザ装置の全体構造を一部切り欠いて示した斜視図であり、図2は半導体レーザ装置の断面図である。
【0038】
異なる波長のレーザ光すなわち、波長650nmのレーザ光を出射するレーザチップ1、波長785nmのレーザ光を出射するレーザチップ2、及びレーザチップ1の波長を透過し、レーザチップ2の波長を反射する波長選択性光学素子3がそれぞれサブマウント部材4a、4b、4c上に取り付けられ、ステム5上に図2に示す位置関係に設置されている。この位置関係は、レーザチップ1の出射端面laがステム5に設けた基準面5bに平行で、レーザチップ2の出射端面2aが前記基準面5bに垂直で、波長選択性光学素子3が前記基準面5bに対して45゜となっている。
【0039】
このとき、サブマウント4bと共に先に位置決めされたレーザチップ2から出射し、前記波長選択性光学素子3により反射したレーザ光を光学レンズ等を介して平行光とし、前記平行光をモニタしながら、前記レーザチップ1を含むサブマウント4aをもう一方のレーザチップ1を発光しつつ動かしながら前記光学レンズ等を介して平行光にすることで、すでにモニタしている先に位置決めされたレーザチップ2の平行光と位置合わせを行う。これによって、レーザチップ1、2の光学上の発光点のずれを無くすことができる。このようにして、2つのレーザチップから出射するレーザ光を、同一光軸上を通過させることができ、半導体レーザ装置の上部に設けた出射窓8aから、共に基準面5bに対し垂直な方向に出射する。図1、図2上ではレーザチップ1から出射した波長650nmのレーザ光を実線で示し、レーザチップ2から出射した波長785nmのレーザ光を点線で示している。波長選択性光学素子3での透過及び反射の後は、両者は同一光軸上をとおるので、実線のみで示している。
【0040】
尚、レーザチッブ1、2の後方には光出力モニタ用の受光素子6a及び6bが設置されている。これらの部品が出射窓8aを有するキャップ8で覆われ一つのパッケージに納まった半導体レーザ装置を構成している。10は、リード端子を示す。
【0041】
図3は、図1、2における光軸調整用の波長選択性光学素子3に変えて無偏光ビームスプリッタ3aを用いたものである。
【0042】
異なる波長のレーザ光すなわち、波長650nmのレーザ光を出射するレーザチップ1、波長785nmのレーザ光を出射するレーザチップ2、無偏光ビームスプリッタ3aがそれぞれサブマウント部材4a、4b、4d上に取り付けられステム5上に図3に示す位置関係に設置されている。この位置関係は、レーザチップ1の出射端面laがステム5に設けた基準面5bに平行で、レーザチップ2の出射端面2aが前記基準面5bに垂直、無偏向ビームスプリッタ3aの反射面が前記基準面5bに対し45゜の傾きを有する構造となっている。
【0043】
図4は、光軸調整用の光学素子として偏光ビームスプリッタ3bを用いたものである。
【0044】
異なる波長のレーザ光すなわち、波長650nmのレーザ光を出射するレーザチップ1、波長785nmのレーザ光を出射するレーザチップ2、偏向ビームスプリッタ3bがそれぞれサブマウント部材4a、4e、4d上に取り付けられステム5上に図4に示す位置関係に設置されている。この位置関係は、レーザチップ1の出射端面laがステム5に設けた基準面5bに平行で、レーザチップ2の出射端面2aが前記基準面5bに垂直で、偏向ビームスプリッタ3bの張合せ面が前記基準面5bに対し45°となっている。なお、レーザチップ1、2の電界ベクトルの方向は図4の横に記す方向となっている。
【0045】
図3及び図4においても、図1、2の場合と同様に、サブマウント4eと共に先に位置決めされたレーザチップ2から出射し、偏向ビームスプリッタ3aにより反射したレーザ光を光学レンズ等を介して平行光とし、前記平行光をモニタしながら、前記レーザチップ1を含むサブマウント4aをもう一方のレーザチップ1を発光しつつ動かしながら前記光学レンズ等を介して平行光とすることで、すでにモニタしている先に位置決めされたレーザチップ2の平行光と位置あわせを行う。これによってレーザチップ1、2の光学上の発光点のずれを無くすことができる。このようにし、2つのレーザチップから出射するレーザ光を同一光軸上を通過させることができ、半導体レーザ装置の上部に設けた出射窓8aから、共に基準面5bに対し垂直な方向に出射する。
【0046】
[実施例2]
図5、6、7は、複数のレーザチップおよび前記光軸調整用の光学素子をL型ブロックを介して設置した実施例を示す断面図である。
【0047】
図5において、前記レーザチップ1、レーザチップ2、及び光軸調整用の光学素子(図5の実施例では波長選択性光学素子)3を取り付けたサブマウント4c’がL型ブロック4f上に取り付けられ、ステム5上に図2に示す位置関係に設置されている。この位置関係は、実施例1に示す位置関係と同様である。
【0048】
ところで、半導体レーザの活性層と垂直な方向のずれはレーザチップの基板(主にGaAs等で構成される)厚のばらつきによるので、その値は、±10μm程度である。このように、光学的な収差の無視できる範囲において、2つのレーザチップから出射するレーザ光を、同一光軸上を通過する様にし、半導体レーザ装置の上部に設けた出射窓8aから出射する。本実施例によれば、レーザチップ1、2を1つのL型ブロックに取り付けることによって、前記の組み立ての工数及び、発光点の調整の工数を効果的に削減できる。
【0049】
図6は、前記L型ブロック4f上に、光軸調整用の光学素子(本実施例では波長選択性光学素子)3を位置決めし取り付けるための切欠き部4gを設けたものである。この切欠き部4gに光学素子3をはめ込むことにより、光学素子を精度良く取り付けることが容易になり、組み立て、調整の工数を削減し、コストダウンすることができる。
【0050】
図7は、前記L型ブロック4f上に、光軸調整用の光学素子(本実施例では、無偏向ビームスプリッタ)3aを位置決めして取り付けるための台座部4hを設けてある。この台座部4hに光学素子3aを取り付けることにより、光学素子を精度良く取り付けることが容易になり、組み立て、調整の工数を削減し、コストダウンすることができる。
【0051】
前述までの実施例での半導体レーザ装置は、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズを用いた光ヘッドでの光源として利用され、前記光ヘッドで1.2mm厚の基板の光記録媒体を記録/再生する場合においては、球面収差の発生を抑えるため、半導体レーザ装置の外部(前記対物レンズと半導体レーザ装置との間)に変換レンズ等の球面収差補償手段を設ける方法を用いる光ヘッドで利用される。
【0052】
[実施例3]
次の実施例は、上記の、変換レンズ等の球面収差補償手段をレーザパッケージ内に設けた例を示すものである。
【0053】
図8は、本実施例の半導体レーザ装置内部の光学系を拡大して示した図であり、図9は本半導体レーザ装置と外部の光ヘッドの光学系の概要を示した図である。
【0054】
レーザチップ1は、0.6mm厚の基板の光記録媒体11(例えばDVD用光記録媒体)に対し利用し、レーザチップ2は、1.2mm厚の基板の光記録媒体12(例えばCD−R用光記録媒体)に対して利用する。対物レンズ21は前記光記録媒体11の記録/再生に対し最適化されたレンズであり、前記光記録媒体11の情報信号面11aで最適に集光する。また、前記レーザチップ2と光軸調整用の光学素子(本実施例では波長選択性光学素子)3との間には、レーザチップ2から出射したレーザ光の波面を変換し、対物レンズ21に向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズ21による集光状態を変更する波面変換手段としての、凹レンズ14が設置してある。該凹レンズ14を通過したレーザ光は波面が変換されるため、点線で記した光路を進行し、前記対物レンズ21を介し1.2mm厚の基板の光記録媒体12に対しても球面収差の発生を抑えて、情報信号面12aに最適に集光する。
【0055】
なお、4fはL型ブロックであり、4iは波面変換手段としての、前記凹レンズ14を設置する部材である。22は前記光記録媒体11または12で反射したレーザ光を検出するための検出光学系、23は前記光記録媒体11または12で反射したレーザ光を前記検出光学系に分岐するためのビームスプリッタ、24は光検出器である。
【0056】
図10は、他の例を示す、半導体レーザ装置内部の光学系拡大図、図11は半導体レーザ装置と外部の光ヘッドの光学系の概要図である。
【0057】
図8、9の実施例と異なる点は、レーザ光の波面変換手段を用いる代りにレーザ光の開口制限手段を用いた点である。対物レンズ21は前記光記録媒体11の記録/再生に対し最適化されたレンズであり、前記光記録媒体11の情報信号面1laで最適に集光する。また、前記のレーザチップ2と光軸調整用の光学素子(本実施例では波長選択性光学素子)3との間には、レーザチップ2から出射したレーザ光の開口を制限し、対物レンズ21に向かうレーザ光の収束状態を制限し、対物レンズ21による集光状態を変更する開口制限手段としての、アパーチャ15が設置してある。前記アパーチャ15を通過したレーザ光は開口が制限されることにより、点線で記した光路を進行し、前記対物レンズ21を介し1.2mm厚の基板の光記録媒体12に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面12aで最適に集光する。開口径は約φ0.4mmとしている。本開口によるビームの広がりは、約0.45度となり、光学的に無視出来る。4fはL型ブロックであり、4iは開口制限手段としての、前記アパーチャ15を設置する部材である。
【0058】
図12はさらに他の例を示すものであり、レーザチップ2と光軸調整用の光学素子(本実施例では無偏向ビームスプリッタ)3aとの間に、レーザチップ2から出射したレーザ光の波面を変換し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズによる集光状態を変更する波面変換手段としての、凹レンズ14aを、前記光学素子3aに固定し設置している。前記凹レンズ14aが固定された前記光学素子3aは、L型ブロック4fに設置した台座4hに設置されている。
【0059】
前記凹レンズ14aを通過したレーザ光は波面が変換されることにより、対物レンズでの集光状態が変更され前記、1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。このように、波面変換手段を前記光学素子に固定し設置することで、波面変換手段を設置するための部材を用いる必要がなくなり、部品点数の削減ならびに、前記部材に関わる位置調整の時間も不要となる。
【0060】
図13は、アパーチャ15aを用いた場合であり、レーザチップ2と光学素子(本実施例では無偏向ビームスプリッタ)3aとの間に、レーザチップ2から出射したレーザ光の開口を制限し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズによる集光状態を変更する開口制限手段としての、アパーチャ15aを、前記光学素子3aに固定し設置している。前記アパーチャ15aが固定された前記光学素子3aは、L型ブロック4fに設置した台座4hに設置されている。
【0061】
前記アパーチャ15aを通過したレーザ光は開口が制限されることにより、対物レンズでの集光状態が変更され、前記1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。ここで、開口径は約φ0.6mmとしている。また、図12の例と同様に、開口制限手段を前記光学素子に固定し設置することで、開口制限手段を設置するための部材を用いる必要がなくなり、部品点数の削減ならびに、前記部材に関わる位置調整の時間も不要となる。
【0062】
[実施例4]
図14は、半導体レーザ装置のパッケージに光記録媒体からの反射光を回折する回折素子、及び該回折素子で回折された反射光を受光する受光素子とを備えた本半導体レーザ装置全体構造を一部切り欠いて示した斜視図である。
【0063】
波長650nmのレーザ光を出射するレーザチップ1、波長785nmのレーザ光を出射するレーザチップ2、及びレーザチップ1の波長を透過し、レーザチップ2の波長を反射する波長選択性光学素子3がステム9上の素子付け用ブロック9aに設置されている。この位置関係は、レーザチップ1の出射端面laがステム9に設けた基準面9bに平行で、レーザチップ2の出射端面2aが前記基準面9bに垂直で、波長選択性光学素子3が前記基準面9bに対し45゜となっている。
【0064】
また、素子付け用L型ブロック9aには光記録媒体からの反射光を受光する受光素子10が設置され、レーザチップ1、2の後方に光出力モニタ用の受光素子6a及び6bが設置されている。これらの部品がキャップ17で覆われてなり、キャップ17には光記録媒体からの反射光を、所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子16が設置されている。
【0065】
13はリード端子を示す。矢印Aは、2つのレーザチップ1、及び2から出射したレーザ光が、請求項1の実施例に記載した原理で同一進行方向、すなわち、共に基準面9bに対し垂直な方法に進行し、半導体レーザ装置の上部に設けた回折素子16から出射し、さらに光記録媒体で反射され半導体レーザ装置に戻つて来る様子を示す。矢印Bは前記回折素子16による回折光が、受光素子10に入射する様子を示す。
【0066】
本実施例においても、2つのレーザチップから出射するレーザ光は、先に位置決めされたレーザチップ1から出射したレーザ光を光学レンズ等を介して平行光とし、前記平行光をモニタしながら、もう一方のレーザチップ2を発光しながら前記光学レンズ等を介して平行光とし、すでにモニタしている先に位置決めされたレーザチップ1の平行光と位置あわせを行うことで、レーザチップ1、2の発光点の活性層と平行な方向のずれを無くすることができる。また、活性層と垂直な方向の発光点のずれはレーザチップの基板(主にGaAs等で構成される)厚のぱらつきによるので、その値は、±10μm程度である。このように、光学的な収差の無視できる範囲において、2つのレーザチップから出射するレーザ光の光軸を、同一光軸上に合わせることができる。
【0067】
図15に図14の内部構成の拡大図を示し、図16に前記回折素子16、受光素子10、及び異なる波長の回折光を光記録媒体側から見た図を示す(以下の図では、特に指定しない限り、波長650nmのレーザ光を実線、波長785nmのレーザ光を点線で表す。また特に指定しない限り、回折光は一次回折光を意味する。)。
【0068】
レーザチップ1から出射した波長650nmのレーザ光及び、レーザチップ2から出射した波長785nmのレーザ光はそれぞれ、波長選択性光学素子3を透過及び反射し、同一光軸上を進行し回折素子16を通過して、光記録媒体で反射され、回折素子16で所定の波面を生成して回折し、前記受光素子10で受光される。回折素子16は3分割され16a、16e、16fの3領域から成り、各々の領域において波長650nmでの3つの回折光la、le、lf、波長785nmでの3つの回折光2a、2e、2fが発生する。
【0069】
回折光la、2aはフォーカスエラー信号検出用の回折光であり、その回折光とほぼ同じ方向の分割線により2分割された前記受光素子10の受光領域31a、31bの分割線32上に集光し、受光領域31a、31bの出力差によってフォーカス誤差信号を得る。回折光le、2e及び、lf、2fはトラッキング誤差信号検出用の回折光であり、それぞれ、前記受光素子10に形成された受光領域33及び、34で検出される。
【0070】
一般にレーザ光がある特定の格子定数の回折格子によって回折される場合、その回折角は波長が長いほど大きくなる。したがって、本実施例の場合、波長650nmのレーザ光の回折光la、le、lfは、受光領域31a、31b、33、34の中で光軸に近い側、すなわち紙面左側に集光する。一方、波長785nmのレーザ光の回折光2a、2e、2fは、受光領域31a、31b、33、34の中で光軸に遠い側、すなわち紙面右側に集光する。また、波長の温度変化により回折角が変化する。本実施例では、波長650nmのレーザ光が、温度変化等で625〜660nmの範囲で変化する場合、回折光la、le、1fの回折角は17.3〜18.2゜の範囲で変化する。一方、波長785nmのレーザ光が、温度変化等で770〜790nmの範囲で変化する場合、回折光2a、2e、2fの回折角は20.6〜21.9゜の範囲で変化する。前述の、異なる波長であることによる回折角の違い及び、温度変化などに伴う回折角変動によるスポット位置変動、及び部品公差、組み立て公差等による、フォーカスオフセットを考慮すると、前述の受光素子10に形成された受光領域31a、31b、33、34の回折方向の長さLは480μmとなった。
【0071】
また本実施例は、625〜660nm及び、780〜790nmの広範囲で変化する2つの波長に対し、1本の前記分割線50上でフォーカスエラー信号検出を行うが、前記分割線32の角度を、紙面x方向に対し0.74゜傾けることで、625〜660nm及び、770〜790nmの範囲で変化する2つの波長に対し、フォーカスオフセットを極めて少なくすることができる。波長650nmに対して、フォーカスオフセット量が0μmとなる特性を有する回折格子を設計すると、625nmで0.017μm、790nmで−0.077μmとなり、625nm〜790nmの範囲では、0.017μm〜−0.077μmの範囲の値をとる。このように極めて小さいフォーカスオフセット量となる結果を得た。
【0072】
本実施例における半導体レーザ装置は、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズを用いた光ヘッドでの光源として利用され、前記光ヘッドで1.2mm厚の基板の光記録媒体を記録/再生する場合においては、球面収差の発生を抑えるため、半導体レーザ装置の外部(前記対物レンズと半導体レーザ装置との間)に変換レンズ等の球面収差補償手段を設ける方法を用いる光ヘッドで利用される。
【0073】
図17、18は、上記実施例に波面変換素子としての凹レンズ14、または開口制限手段としてのアパーチャ15(実施例3)を追加したものである。
【0074】
図17は、半導体レーザ装置の前記レーザチップ2と光学素子(本実施例では波長選択性光学素子)3との間に、レーザチップ2から出射したレーザ光の波面を変換し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズによる集光状態を変更する波面変換手段としての、凹レンズ14が設置してある。該凹レンズ14を通過したレーザ光は波面が変換されることにより、点線で記した光路を進行し、対物レンズを介し1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。
【0075】
図18は、半導体レーザ装置の前記レーザチップ2と光学素子(本実施例では波長選択性光学素子)3との間に、レーザチップ2から出射したレーザ光の開口を制限し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を制限し、対物レンズによる集光状態を変更する開口制限手段としての、アパーチャ15を設置した。前記アパーチャ15を通過したレーザ光は開口が制限されることにより、点線で記した光路を進行し、対物レンズを介し1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。
【0076】
ここで、対物レンズとは0.6mm厚基板の光記録媒体の記録/再生に対し最適化されたレンズであり、レーザチップ1から出射したレーザ光は、前記光記録媒体の情報信号面で最適に集光するものとする。9aは素子付け用L型ブロックであり、4i(図17)、4j(図18)は、それぞれ前記凹レンズ14、アパーチャ15を設置する部材である。素子付け用ブロック9aには光記録媒体からの反射光を受光する受光素子10が設置されてなる。16は光記録媒体からの反射光を所定の波面を生成して前記受光素子10方向に回折する回折素子である。41、42はそれぞれ前記回折素子16で回折した650nm、785nmの回折光を示す。
【0077】
本実施例に示した構成により、2つのレーザチップと光記録媒体からの反射光を受光する受光素子を同一パッケージ内に収納し、前記反射光を受光素子方向に回折する回折素子を有する半導体レーザ装置においても、前記波面変換手段、または開口制限手段を同一パッケージに内蔵することにより、1つの半導体レーザ装置で球面収差の発生を抑え、良質の記録/再生信号を得ることができ、異なる2つの波長のどちらの場合においても光記録媒体からの反射光を受光し、適切な信号検出を行う受光素子を具備した、半導体レーザ装置を得る。
【0078】
図19、20は、レーザチップ2と光学素子(本実施例では無偏光ビームスプリッタ)3aとの間に、レーザチップ2から出射したレーザ光の波面を変換し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換して対物レンズによる集光状態を変更する、波面変換手段としての凹レンズ14aが前記光学素子3a、または、レーザチップ2から出射したレーザ光の開口を制限し、対物レンズに向かうレーザ光の収束状態を変換し、対物レンズによる集光状態を変更する開口制限手段としてのアパーチャ15a、を固定し設置した例を示すものである。
【0079】
図19では、凹レンズ14aを通過したレーザ光は波面が変換されることにより、対物レンズでの集光状態が変更され、前記1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。図20では、該アパーチャ15aを通過したレーザ光は開口が制限されることにより、対物レンズでの集光状態が変更され前記、1.2mm厚の基板の光記録媒体に対しても球面収差の発生を抑え、その情報信号面で最適に集光する。
【0080】
本実施例に示した例により、1つの半導体レーザ装置で、球面収差の発生を抑え良質の記録/再生信号を得ることが出来、異なる2つの波長のどちらの場合においても、光記録媒体からの反射光を受光し、適切な信号検出を行う受光素子を具備した半導体レーザ装置を得る。かつ、波面変換手段または開口制限手段を前記光学素子に固定し設置することで、波面変換手段を設置するための部材を用いる必要がなくなり、部品点数の削減ならびに、前記部材に関わる位置調整の時間も不要となる。
【0081】
[実施例5]
図21は回折素子16、受光素子50、波長650nm及び、785nmのレーザ光の回折光を、光軸方向の光記録媒体側から見た図を示している。
【0082】
波長650nmのレーザ光の回折光の内、laは前記受光素子50に形成された受光領域51a、51bの分割線52上で集光し、le、lfは53a、53b上で集光する。
【0083】
同様に波長785nmのレーザ光の回折光の内、2aは前記受光素子50に形成された受光領域54a、54bの分割線55上で集光し、2e、2fは56a、56b上で集光する。フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号の検出方法は前述した実施例4の場合と同様である。
【0084】
さらに本実施例では、高密度光記録媒体用として用いられる波長650nmのレーザ光の回折光用の受光領域51a、51b、53a、53bの面積を、波長785nmのレーザ光の回折光用の受光領域54a、54b、56a、56bに比べ小さくすることで、受光領域51a、51b、53a、53bの応答速度を、受光領域54a、54b、56a、56bの応答速度より向上している。このように、回折光の波長に応じて受光領域を分離形成し、受光領域の面積を変えることで、応答速度を向上することが出来る。
【0085】
16は3領域16a、16e、16fを有する回折素子、各々の領域における波長650nmの回折光をla、le、lf、波長785nmの回折光2a、2e、2fとする。
【0086】
図22は、図21で示した受光素子における2つの分割線の角度rl、r2を、波長に応じて別々に設計したものである。
【0087】
フォーカス誤差信号検出用の受光領域61a、61b及び64a、64bのそれぞれの分割線62、65の角度rl、r2を紙面x方向に対しそれぞれ、0.78°、0.83°傾けて形成している。これによって、波長650nmの場合は、625〜660nmの範囲でフォーカスオフセット量は−0.001〜0μm、波長785nmの場合は、780〜790nmの範囲で、フォーカスオフセット量は−0.010〜0.007μmとなり、波長変動によるフォーカスオフセットの発生をさらに小さくすることができる。
【0088】
63a、63b、66a、66bはトラッキング誤差信号検出用の受光領域である。
【0089】
[実施例6]
本実施例は、受光するレーザ光の波長に応じ、別々の材料で受光素子を作製し搭載したものである。図23、図24により説明する。
【0090】
受光素子として多く用いられているSiフォトダイオードは、図24中のアに示す様な分光感度曲線を有し、一般に波長800〜900nmの範囲でピーク感度を持つ。785nmのレーザ光に対しては、前記の様な受光素子が多く用いられており、図23の受光素子70bは、図24中のアに示す様な分光感度曲線を有するものを用いている。
【0091】
ところが前記図24中のアの場合、650nmのレーザ光では785nmのレーザ光に比べ受光感度が20%以上低下するため、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号等の信号レベルが同様に低下することになる。このため本実施例では、GaAsPなる材料を用いて、図24中のイに示す様な分光感度曲線を有する受光素子70aを650nmのレーザ光の受光素子として用いた。以上のような異なる材料の受光素子70a、70bを2つ搭載することで、650nm、785nmのどちらの場合でも適切な信号出力を得ることができる。16は3領域16a、16e、16fを有する回折素子、各々の領域における波長650nmの回折光をla、le、lf、波長785nmの回折光2a、2e、2fとする。信号検出の方式等はこれまでの実施例の場合と同様である。
【0092】
図25は、同一の材料(例えばシリコーンSi)を用いて、受光領域における不純物の拡散深さを違えることで、レーザ光の波長付近でピーク感度となる分光感度曲線を有する受光素子80a、80bを同一装置内に搭載したものである。
【0093】
図25において、波長650nm用の受光素子80aは不純物の拡散領域が81aで示されており、その拡散深さは約1μmであり、図24中のイに示す様な分光感度曲線を有する。波長785nm用の受光素子80bは不純物の拡散領域が81bで示されており、その拡散深さは約1.2μmであり、図24中のアに示す様な分光感度曲線を有する。以上のような受光素子80a、80bを2つ搭載することで、650nmの場合でも適切な信号出力を得ることが出来る。信号検出の方式等はこれまでの実施例と同様である。41、42はそれぞれ650nm、785nmの回折光を示す。
【0094】
図26、27は、本実施例は、受光素子上に受光するレーザ光の波長に応じて、異なる膜厚の誘電体膜を形成したものである。650nm用及び、785nmのレーザ光用の受光素子をそれぞれ82a、82bとする。
【0095】
図26では、前記受光素子82a、82b上にSiO,SiO2なる2層の誘電体膜がλ/4なる厚さに施してある。それぞれの屈折率が1.75、1.45であることから、前記受光素子82aの場合、SiO膜83aは112.lnm、SiO2膜84aは92.6nmであり、前記受光素子82bの場合、SiO膜83bは135.3nm、SiO2膜84bは112.lnmとなっている。
【0096】
さらに、図27では、前記受光素子82a、82b上にAl2O3,ZrO2,MgF2なる3層の誘電体膜がそれぞれλ/4、λ/2、λ/4なる厚さに施してある例を示す。すなわち、それぞれの屈折率が1.60、2.00、1.28であることから、膜厚は前記受光素子82aの場合、それぞれAl2O3膜85aは101.6nm、ZrO2膜86aは162.5nm、MgF2膜87aは127.0nmであり、前記受光素子82bの場合、それぞれAl2O3膿85bは122.7nm、ZrO2膜86bは196.3nm、MgF2膜87bは153.3nmとなる。
【0097】
このように、受光する波長に応じて、実際の膜厚を違えることで、波長に応じた高透過率の誘電体膜を得るとともに、受光素子表面での回折光の反射を抑制でき、それによって装置内部での迷光の発生も抑制できる。
【0098】
以上のような高透過率の誘電体膜を施した受光素子82a、82bを2つ搭載することで、650nm、785nmのどちらの場合でも適切な信号出力を得ることができる。41、42はそれぞれ650nm、785nmの回折光を示す。
【0099】
[実施例7]
一般に、ある格子定数に対して長波長の回折光は短波長の回折光に比べ回折角が大きいため、受光素子の受光面に対しビームウエスト位置が高くなる。したがって、どちらか一方の波長のビームウエスト位置に受光面を合わせると、他方の波長のレーザ光は、その受光面位置ではビームにぼけが生じフォーカスオフセットの原因となる。
【0100】
図21の実施例は、受光素子88a、88bの受光面位置を相対的に違えることで、波長の違いによるビームのぼけを防止している。具体的には、受光素子88a、88bの設置場所9Cを段構造とし、段差30μmを設けた。これにより、波長785nmレーザ光用の前記受光素子88bは、波長650nmレーザ光用の前記受光素子88aに対し、30μm程高い位置に受光面が設置される。これらの位置関係の前記受光素子88a、88bを同一の装置内に搭載する。これにより、波長650nmの回折光41、波長785nmの回折光42は、ともにそのビームウエストが受光素子88a、88bの受光面に位置する構造となり、ビームにぼけが生じず、波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなる。この時、波長650nmの場合は、625〜660nmの範囲でフォーカスオフセット量は−0.001〜0μm、波長785nmの場合は、780〜790nmの範囲で、フォーカスオフセット量は−0.023〜0.008μmとなり、波長変動によるフォーカスオフセットの発生を極めて小さくすることができる。
【0101】
分割線の角度は0.78°とした。
【0102】
図29は、回折素子16と対向する面に段差30μmの段構造を有する1つの受光素子89を設けたものである。段差で分離された一方の面(回折素子16から遠い側の面)には波長650nm用の受光領域89aが、他方の面(回折素子16から近い側の面)には波長780nm用の受光領域89bが形成される。これにより、波長785nmレーザ光用の前記受光領域89bは、波長650nmレーザ光用の前記受光素子89aに対し、相対的に30μm程高い位置に受光面が設置される。したがって、波長650nmの回折光41、波長785nmの回折光42は、ともにそのビームウエストが受光領域89a、89bの受光面に位置する構造となり、ビームにぼけが生ぜず、波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなる。
【0103】
図30は、図29で示した受光素子が有する段差で分離された受光領域の不純物の拡散深さを違えた受光素子90の例であり、その断面図を示す。
【0104】
すなわち、段差で分離された一方の面(回折素子16から遠い側の面)に形成された波長650nm用の受光領域には不純物の拡散領域90aがあり、その拡散深さは約1μmであり、図24中のイに示す様な分光感度曲線を有する。他方の面(回折素子16から近い側の面)に形成された波長785nm用の受光領域には不純物の拡散領域90bがあり、その拡散深さは約1.2μmであり、図24中のアに示す様な分光感度曲線を有する。このように、段差で分離されたそれぞれの面に異なる波長に応じた分光感度曲線を有する受光領域を形成することで、波長650nmの回折光41、波長785nmの回折光42は、ともにそのビームウエストが受光領域の受光面に位置する構造となり、ビームにぼけが生じず、波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなり、且つ両波長において共に良好な信号レベルが得られる。
【0105】
図31は、図29、図30で示した受光素子が有する段差で分離された受光面に、膜厚の異なる誘電体膜を別々に形成し同一装置内に搭載したものである。
【0106】
受光素子91には段差で分離された2つの受光領域、すなわち650nm用及び、785nmのレーザ光用の受光領域91a、91bがある。図31では、前記受光領域91a、91b上にAl2O3,ZrO2,MgF2なる3層の誘電体膜がそれぞれλ/4、λ/2、λ/4なる厚さにて施してある例を示す。すなわち、それぞれの屈折率が1.60、2.00、1.28であることから、膜厚は前記受光領域91aの場合それぞれAl2O3膜92aは101.6nm、ZrO2膜93aは162.5nm、MgF2膜94aは127.0nmであり、前記受光領域91bの場合、それぞれAl2O3膜92bは121.8nm、ZrO2膜93bは195.0nm、MgF2膜94bは152.3nmとなっている。
【0107】
このように、受光する波長に応じて膜厚を違えることで、波長に応じた高透過率の誘電体膜を得る、とともに受光素子表面での回折光の反射を抑制でき、それによって装置内部での迷光の発生も抑制できる。以上のように波長に応じた高透過率の誘電体膜を施した受光素子91を搭載することで、650nm、785nmのどちらの場合でも信号レベル低下を防止し、適切な信号出力を得ることが出来る。ここで用いる誘電体膜はSiO,SiO2なる2層の誘電体膜でも構わない。
【0108】
また、必要に応じて、図30で示したように、受光素子が有する段差で分離された受光領域の不純物の拡散深さを違える方法も利用して構わない。このように、段差で分離されたそれぞれの面に異なる波長に応じた分光感度曲線を有する受光領域を形成し、かつ波長に応じた高透過率の誘電体膜を施したことで、波長650nmの回折光41、波長785nmの回折光42は、ともにそのビームウエストが受光領域9la、9lbの受光面に位置する構造となり、ビームにぼけが生じず、波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなり、且つ両波長において共に良好な信号出力が得られる。
【0109】
図32は、受光素子10の設置場所9dを傾斜構造とし、受光素子10の受光面がステム基準面9bに対し、5〜6°傾斜している。
【0110】
これにより、波長650nmの回折光41、波長785nmの回折光42は、ともにそのビームウエストが受光素子10の受光面に位置する構造となり、ビームにぼけが生じず、波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなる。この時、波長650nmの場合は、625〜660nmの範囲でフォーカスオフセット量は−0.001〜0μm、波長785nmの場合は、780〜790nmの範囲で、フォーカスオフセット量は−0.008〜0.008μmとなり、波長変動によるフォーカスオフセットの発生を極めて小さくすることができる。分割線の角度は0.78°とした。
【0111】
本実施例については、傾斜構造は受光素子10を必要な傾斜を有する台座上に設置する方法、または受光素子自身に傾斜を持たせる方法等がある。また、必要に応じて受光素子10の代わりに、実施例16、17で用いた受光素子50または60を用いて構わない。また、図25、図26、図27等で示した手法等を用いて構わない。
【0112】
本発明の図14ないし図32で用いた受光素子の材料は、必要に応じて、Ge,GaP,GaAs,GaASP,AIGaAs,AIGalnP等を用いても構わない。
【0113】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、1つの半導体レーザ装置のパッケージ内に異なる波長のレーザチップと波長選択性光学素子を内蔵することで、異なる波長のレーザ光を同一光軸上に精度良く出射することができる半導体レーザ装置を提供し得る。異なる波長のレーザ光を必要とする異種の光記録媒体を記録/再生する場合に、本半導体レーザ装置を用いることにより、異なる波長のレーザ光を出射する別々の半導体レーザ装置を2つ搭載する必要がなくなり、部品点数の削減、装置の小型化、それらに伴うコストダウン等の効果を得る。
【0114】
また、複数のレーザチップを1つのL型ブロックに設置することで組立ての工数及び、発光点の調整の工数を削減することが出来る。
【0115】
さらに、一方のレーザチップと光学素子との光路中にレーザ光の波面を変換する波面変換手段や、レーザ光の開口を制限する開口制限手段を設置することによって、例えば、0.6mm厚の基板の光記録媒体に対し最適化された対物レンズを用いた光ヘッドで、例えば1.2mm厚の基板の光記録媒体を記録/再生する場合において、一方のレーザ光の前記対物レンズでの集光状態を変更することが可能となり、半導体レーザ装置の外部(前記対物レンズと半導体レーザ装置との間)に変換レンズ等を設ける方法や、さらには基板の厚さの違いに応じて前記変換レンズを出し入れする機構を設けるなどの大がかりな方法を用いなくとも、球面収差の発生を抑え良質の記録/再生信号を得ることが出来る。すなわち、基板厚が異なる光記録媒体の記録/再生に関して互換性を容易に与えることが可能になる。
【0116】
また、レーザチップと、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子と、前記反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を、同一装置に具備する半導体レーザ装置において、異なる波長のどちらの場合においても、光記録媒体からの反射光を受光し適切な信号検出を行う受光素子を具備することにより、異なる波長のレーザ光を必要とする異種の光記録媒体を一つの光記録再生 装置で記録/再生する場合に、適切な信号検出を行う受光素子を具備した半導体レーザ装置を得る。
【0117】
またさらに、波長に応じ独立した受光素子を光軸方向に異なる高さに設置することで、2つの波長ともにそのビームウエストが受光素子の受光面に位置することになり、ビームにぼけが生じず波長変動によるフォーカスオフセットの発生が小さくなる半導体レーザ装置を得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を説明する斜視図である。
【図2】図1の断面図である。
【図3】本発明の実施例1の他の構成例を示す断面図である。
【図4】本発明の実施例1をさらに他の構成例を示す断面図である。
【図5】本発明の実施例2を説明する断面図である。
【図6】本発明の実施例2の他の構成例を示す断面図である。
【図7】本発明の実施例2のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図8】本発明の実施例3を説明する内部光学系の拡大図である。
【図9】本発明の実施例3の半導体レーザ装置と外部の光ヘッドの光学系の概要を示す断面図である。
【図10】本発明の実施例3の内部光学系の他の構成例を示す拡大図である。
【図11】本発明の実施例3の半導体レーザ装置と外部の光ヘッドの光学系の他の概要例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施例3のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図13】本発明の実施例3のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図14】本発明の実施例4を説明する斜視図である。
【図15】本発明の実施例4の内部構成例を示す拡大図である。
【図16】本発明の実施例4における、回折素子、受光素子、及び異なる波長の回折光を光記録媒体側からた図である。
【図17】本発明の実施例4の他の内部構成例を示す断面図である。
【図18】本発明の実施例4のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図19】本発明の実施例4のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図20】本発明の実施例4のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図21】本発明の実施例5における、回折素子、受光素子、及び異なる波長の回折光を光記録媒体側から見た図である。
【図22】本発明の実施例5の他の例における、回折素子、受光素子、及び異なる波長の回折光を光記録媒体側から見た図である。
【図23】本発明の実施例6における、回折素子、受光素子、及び異なる波長の回折光を光記録媒体側から見た図である。
【図24】分光感度曲線を示す図である。
【図25】本発明の実施例6における受光素子の構成例を示す断面図である。
【図26】本発明の実施例6における受光素子の他の構成例を示す断面図である。
【図27】本発明の実施例6における受光素子のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図28】本発明の実施例7を説明する断面図である。
【図29】本発明の実施例7の他の構成例を示す断面図である。
【図30】本発明の実施例7における受光素子の構成例を示す断面図である。
【図31】本発明の実施例7における受光素子の他の構成例を示す断面図である。
【図32】本発明の実施例7における受光素子のさらに他の構成例を示す断面図である。
【図33】従来技術を説明する斜視図である。
【図34】他の従来技術を説明する上面図である。
【図35】さらに他の従来技術を説明する斜視図である。
【図36】従来技術の光学系を説明する構成図である。
【図37】図37の動作を説明する図である。
【符号の説明】
1、2 レーザチッブ
3 波長選択性光学素子
3a ビームスプリッタ
3b 偏向分離素子
14、14b 波面変換手段
15、15a 開口制限手段
4f、9a L型ブロック
24 光検出器
10、50、60、70a、70b、80a、80b、82a、82b、88a、88b、89、90、91 受光素子
16 回折素子
Claims (9)
- 異なる波長のレーザ光を出射する複数のレーザチップと、前記レーザ光の透過および反射により、透過レーザ光と反射レーザ光を同一光軸上に出射させる光軸調整用の光学素子と、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを一つのレーザパッケージ内に有し、かつ、該レーザパッケージに前記光記録媒体からの反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を備え、前記受光素子は異なる波長に応じそれぞれ反射光を受光する受光部を備えてなることを特徴とする半導体レーザ装置であって、
前記受光素子は、波長に応じ最適化されたそれぞれ独立の受光部を有し、
前記受光部は、受光領域の面積が、前記反射光の波長に応じて異なるとともに、受光領域における不純物の拡散深さが前記反射光の波長に応じて異なることを特徴とする半導体レーザ装置。 - それぞれ受光部は、その受光面が光軸方向に異なる高さに設定されてなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
- 異なる波長のレーザ光を出射する複数のレーザチップと、前記レーザ光の透過および反射により、透過レーザ光と反射レーザ光を同一光軸上に出射させる光軸調整用の光学素子と、光記録媒体からの反射光を受光する受光素子とを一つのレーザパッケージ内に有し、かつ、該レーザパッケージに前記光記録媒体からの反射光を所定の波面を生成して前記受光素子方向に回折する回折素子を備え、前記受光素子は異なる波長に応じそれぞれ反射光を受光する受光部を備えてなることを特徴とする半導体レーザ装置であって、
前記受光素子上には、前記波長に応じて異なる膜厚の誘電体膜が形成されており、それぞれ受光部は、その受光面が光軸方向に異なる高さに設定されてなるとともに、受光領域における不純物の拡散深さが前記反射光の波長に応じて異なることを特徴とする半導体レーザ装置。 - 前記受光素子は、波長に応じ最適化されたそれぞれ独立の受光部を有することを特徴とする請求項3に記載の半導体レーザ装置。
- 前記受光素子の受光面はステム基準面に対して傾斜して設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
- 前記光軸調整用の光学素子は、波長選択性光学素子、無偏光ビームスプリッタ、偏光ビームスプリッタの何れかからなることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の半導体レーザ装置。
- 前記複数のレーザチップおよび前記光軸調整用の光学素子をL型ブロックを介して設置してなることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の半導体レーザ装置。
- 複数のレーザチップの一方と前記光軸調整用の光学素子との光路中に、レーザ光の波面を変換する波面変換手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の半導体レーザ装置。
- 複数のレーザチップの一方と前記光軸調整用の光学素子との光路中に、レーザ光の開口を制限する開口制限手段を設けたことを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の半導体レーザ装置。
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