JP3969916B2 - ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体集積回路素子、集積回路製造用マスク、プリント配線板、液晶パネル等の製造に用いるポジ型フォトレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子、磁気バブルメモリ、集積回路等の電子部品を製造するためのパターン形成法としては、従来より、紫外線又は可視光線に感光するフォトレジストを利用する方法が幅広く実用に供されている。フォトレジストには、光照射により被照射部が現像液に不溶化するネガ型と、反対に可溶化するポジ型とがあるが、ネガ型はポジ型に比べて感度が良く、湿式エッチングに必要な基板との接着性及び耐薬品性にも優れていることから、近年までフォトレジストの主流を占めていた。
【0003】
しかし、半導体素子等の高密度化・高集積化に伴い、パターンの線幅や間隔が極めて小さくなり、また、基板のエッチングにはドライエッチングが採用されるようになったことから、フォトレジストには高解像度及び高ドライエッチング耐性が望まれるようになり、現在ではポジ型フォトレジストが大部分を占めるようになった。特に、ポジ型フォトレジストの中でも、感度、解像度、ドライエッチング耐性に優れることから、例えばジェー・シー・ストリエータ著、コダック・マイクロエレクトロニクス・セミナー・プロシーディングス、第116頁(1976年)(J.C.Strieter,Kodak Micro electronics Seminar Proceedings、116(1976年)等に記載されているアルカリ可溶性のノボラック樹脂をベースにしたアルカリ現像型のポジ型フォトレジストが現行プロセスの主流となっている。
しかしながら、近年電子機器の多機能化、高度化に伴ない、さらに高密度化及び高集積化を図るべくパターンの微細化が強く要請されている。
【0004】
即ち、集積回路の横方向の寸法の縮小に比べてその縦方向の寸法はあまり縮小されていかないために、レジストパターンの幅に対する高さの比は大きくならざるを得なかった。このため、複雑な段差構造を有するウエハー上でレジストパターンの寸法変化を押さえていくことは、パターンの微細化が進むにつれてより困難になってきた。
さらに、各種の露光方式においても、最小寸法の縮小に伴ない問題が生じてきている。例えば、光による露光では、基板の段差に基づく反射光の干渉作用が、寸法精度に大きな影響を与えるようになり、一方電子ビーム露光においては、電子の後方散乱によって生ずる近接効果により、微細なレジストパターンの高さと幅の比を大きくすることができなくなった。
これらの多くの問題は多層レジストシステムを用いることにより解消されることが見出された。多層レジストシステムについては、ソリッドステート・テクノロジー、74(1981)[Solid State Technology,74 (1981)]に概説が掲載されているが、この他にもこのシステムに関する多くの研究が発表されている。
一般的に多層レジスト法には3層レジスト法と2層レジスト法がある。3層レジスト法は、段差基板上に有機平坦化膜を塗布し、その上に、無機中間層、レジストを重ね、レジストをパターニングした後、これをマスクとして無機中間層をドライエッチングし、さらに、無機中間層をマスクとして有機平坦化膜をO2 RIE(リアクティブイオンエッチング)によりパターニングする方法である。この方法は、基本的には、従来からの技術が使用できるために、早くから検討が開始されたが、工程が非常に複雑である、あるいは有機膜、無機膜、有機膜と三層物性の異なるものが重なるために中間層にクラックやピンホールが発生しやすいといったことが問題点になっている。
【0005】
この3層レジスト法に対して、2層レジスト法では、3層レジスト法でのレジストと無機中間層の両方の性質を兼ね備えたレジスト、すなわち、酸素プラズマ耐性のあるレジストを用いるために、クラックやピンホールの発生が抑えられ、また、3層から2層になるので工程が簡略化される。しかし、3層レジスト法では、上層レジストに従来のレジストが使用できるのに対して、2層レジスト法では、新たに酸素プラズマ耐性のあるレジストを開発しなければならないという課題があった。
以上の背景から、2層レジスト法等の上層レジストとして使用できる酸素プラズマ耐性に優れた、高感度、高解像度のポジ型フォトレジスト、特に、現行プロセスを変えることなく使用できるアルカリ現像方式のレジストの開発が望まれていた。
【0006】
これに対し、従来のオルトキノンジアジド感光物に、アルカリ可溶性を付与したポリシロキサン、又はポリシルメチレン等のシリコンポリマーを組合せた感光性組成物、例えば特開昭61−144639号、同61−256347号、同62−159141号、同62−191849号、同62−220949号、同62−229136号、同63−90534号、同63−91654号、並びに米国特許第4722881号記載の感光性組成物、さらには特開昭62−136638号記載のポリシロキサン/カーボネートのブロック共重合体に有効量のオニウム塩を組合せた感光性組成物が提案されている。
【0007】
しかしながら、これらのシリコンポリマーは何れもフェノール性OH基又はシラノール基(≡Si−OH)導入により、アルカリ可溶性を付与するもので、フェノール性OH基導入によりアルカリ可溶性を付与する場合は、製造が著しく困難となり、またシラノール基によりアルカリ可溶性を付与する場合は経時安定性が必ずしも良好ではない、あるいは現像後の膜減りが大きく、矩形性状が得られないという問題点があった。
また、特許第2736939号、特開平9−274319号には、酸の作用により分解しうる基を分子中に持つポリシロキサンを含有するフォトレジストが開示されている。しかしながらこれらのフォトレジストにおいては解像力が低く、さらには矩形形状にならず、次の酸素プラズマ工程において下層へのパターン転写時に寸法シフトが大きくなるという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、半導体デバイスの製造において、高感度であって、0.2μm以下の高解像力を有し、しかも矩形形状を有するフォトレジストパターンを与えるポジ型フォトレジスト組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、二層レジストシステムの上層レジストとして使用した場合、酸素プラズマエッチング工程での下層へのパターン転写の際に寸法シフトが少ないポジ型フォトレジスト組成物を提供することにある。
本発明のさらなる他の目的は、ポジ型フォトレジスト組成物に上記の優れた特性を付与することができるポリシロキサンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、下記ポリシロキサン及びポジ型フォトレジスト組成物が提供されて、本発明の上記目的が達成される。
(1) 一般式(I)で示される繰り返し構造単位と、一般式(II)で示される繰り返し構造単位の両方を有する酸分解性ポリシロキサンを含有する事を特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
【0010】
【化4】
【0011】
Lは−A−NHCO−、−A−NHCOO−、−A−NHCONH−から選択される少なくとも1つの2価の連結基を表す。Aは単結合、アルキレン基またはアリーレン基を表す。Xは単結合または2価の連結基を表す。
Zは
【0012】
【化5】
【0013】
で表される基のいずれか一方を表す。
Yは水素原子を表すか、または、Yはアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。Yが示す原子団は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。Rは水素原子を表す。又は、Rは酸で分解する基を表す。lは1〜3の整数、mも1〜3の整数を表す。
【0014】
【化6】
【0015】
上記A’、X’、Z’はそれぞれ一般式(I)のA、X、Zが総称する範囲と同一の範囲を総称する。
(2) 前記一般式(I)において、Lが−(CH2)3−NHCO−である事を特徴とする上記(1)に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
(3) (a)上記(1)又は(2)に記載の酸分解性ポリシロキサンと、
(b)露光により分解して酸を発生する化合物と、
(c)上記(a)(b)を共に溶解させることが可能な溶剤と、を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
(4) 分子内に含まれるフェノール性水酸基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護されたフェノール性化合物を含有することを特徴とする上記(3)記載のポジ型フォトレジスト組成物。
(5) 分子内に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護された芳香族もしくは脂肪族カルボン酸化合物を含有することを特徴とする上記(3)記載のポジ型フォトレジスト組成物。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず本発明のポジ型フォトレジスト組成物で使用するポリシロキサンについて説明する。
一般式(I)において、Lは−A−NHCO−、−A−NHCOO−、又は−A−NHCONH−を表す。中でも−A−NHCO−が好ましい。
一般式(I)のA及び一般式(II)のA’は単結合又はアルキレン基またはアリーレン基を表す。なかでも炭素数1〜6のアルキレン基またはフェニレン基が好ましく、さらに好ましくはプロピレン基である。一般式(I)におけるX及び、(II)におけるX’は、単結合または2価の連結基を表す。2価の連結基の具体例としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖状のアルキレン基、炭素数1〜6の分岐状のアルキレン基、炭素数6〜10の脂環基、炭素数6〜10の芳香環基、炭素数7〜11のアラルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基、スルフォン基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の組み合わせからなる連結基が挙げられる。好ましくは単結合か、炭素数1〜6のアルキレン基であり、さらに好ましくは炭素数1〜4の直鎖状のアルキレン基である。
一般式(I)のZ及び一般式(II)のZは、
【0017】
【化7】
【0018】
で表される基のいずれか一方を表す。
Rは、酸で分解する基である。式Z中の−OR基で、Rが直結する酸素原子と共にエステル基などを形成し、それによって酸で分解性を構成してもよい。一部に酸分解性の原子団を含んで、それによって酸で分解する基を構成してもよい。
【0019】
上記アルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン等が好ましく挙げられる。上記脂環基としては、シクロヘキシレン基、ノルボルネン基等が好ましく挙げられる。上記芳香環基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく挙げられる。上記アラルキレン基としては、フェニレンメチレン基等が好ましく挙げられる。
【0020】
Yは、水素原子、アルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。上記アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状いずれであってもよい。アルキル基の炭素数は1〜10であることが好ましく、アリール基の炭素数は6〜10であることが好ましく、アラルキル基の炭素数は7〜11であることが好ましい。
Yの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フエネチル基、ナフチルメチル基等が挙げられる。なかでも、水素原子、メチル基が好ましい。
【0021】
lは1〜3、好ましくは1〜2の整数を表し、mは1〜3、好ましくは1〜2の整数を表す。
【0022】
一般式(I)で表される酸分解性ポリシロキサンの酸分解性基Rで示される基としては、−CR1R2(OR3)で示される基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基を挙げることができる。上記のR1、R2は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を示し、R3は、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。さらにR2とR3は結合して環構造、好ましくは環員数6の環構造を形成していてもよい。
好ましい酸分解性基の具体例としては、t−ブチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、エトキシメチル基、下記式で表される基等を挙げることができる。
【0023】
【化8】
【0024】
上記式のR4は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、又はt−ブチル基を表す。
一般式(II)で表される酸分解性ポリシロキサンの酸分解性基としては、−CR5R6(OR7)で示される基、t−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニルメチル基、t−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基を挙げることができる。上記のR5、R6は、同一又は異なって、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖状あるいは分岐状のアルキル基を示し、R7は、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル基である。さらにR6とR7が結合して環構造、好ましくは環員数6の環構造を形成していてもよい。
好ましい酸分解性基の具体例としては、t−ブトキシカルボニル基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、下記式で表される基等を挙げることができる。
【0025】
【化9】
【0026】
上記式のR8は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、又はt−ブチル基を表す。
【0027】
本発明の酸分解性ポリシロキサンは、(I)と(II)の構造を合わせて20〜100モル%含むことが好ましく、40〜100モル%含むことがさらに好ましい。(I)/(II)の含有比は80/20〜20/80が望ましい。
本発明の酸分解性ポリシロキサンにおいて、フェノール性OHが酸分解性基で保護されている割合は10〜90モル%であり、さらに好ましくは20〜80%、特に好ましくは40〜75%である。なお、この場合のモル%とは、ポリシロキサン中に含まれるフェノール性構造単位と、酸で分解してフェノール性OH基となる構造単位の合計を100%とし、その中に占められる酸で分解してフェノール性OH基となる構造単位のモル%を示す。
【0028】
本発明の酸分解性ポリシロキサンは、溶剤溶解性、アルカリ溶解性の調節のため、下記一般式(III)及び/又は(IV)の構造単位を共縮合されていてもよい。
【0029】
【化10】
【0030】
ここで、W、W1、W2は、アルカリ溶解性や酸分解性を有さない基を表す。具体的には、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、置換基を有していてもよい炭素数3〜10の分岐状あるいは置換基を有していてもよい炭素数6〜10の環状のアルキル基;置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基;又は置換基を有していてもよい炭素数7〜11のアラルキル基を表す。 これらの基の好ましい具体例として、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、ナフチルメチルを挙げることができる。
これらの基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシル基等が挙げられる。
なおW1、W2は同じであっても異なっていてもよい。
【0031】
上記一般式(I)又は(II)で表される構造単位を有する酸分解性ポリシロキサンは、まず末端にフェノール構造を有するアルカリ可溶性ポリシロキサンを合成した後、そのOH基を酸分解性基で保護することによって得ることかできる。
中間体となるアルカリ可溶性ポリシロキサンの合成は、フェノール構造を有するカルボン酸化合物と、末端にアミノ基を有する一置換トリアルコキシシランとをDCC法もしくは混合酸無水物法により、フェノール構造をトリアルコキシシラン構造にアミド連結化させた後、所望により上記一般式(III)〜(IV)で表される構造単位を与えるための一置換トリアルコキシシランまたは二置換ジアルコキシシランを加えた後、水および酸、または水および塩基触媒存在下で縮重合することにより得られる。
【0032】
ここで反応を高収率にするため、予めOH基が保護されたフェノール構造を有するカルボン酸化合物と、末端にアミノ基を有する一置換トリアルコキシシランとをDCC法もしくは混合酸無水物法により、フェノール構造をトリアルコキシシラン構造のアミド連結化を行い、その後保護基の脱保護ののち水および酸、または水および塩基触媒存在下で縮重合を実施するか、あるいはアミド化に続いて水および酸、または水および塩基触媒存在下で縮重合を実施した後、脱保護を実施しても良い。OHの保護基としては、t−ブトキシカルボニル(BOC)、アセチル、アルコキシ、ベンジルオキシカルボニル(Z)トリアルキルシリル等が使用できる。
次に得られたアルカリ可溶性ポリシロキサンについて、そのOH基を酸分解性基で保護する。
【0033】
上記酸分解性基の導入方法としては、酸分解性基に対応するビニルエーテル化合物との酸触媒反応や、二炭酸ジt−ブチル、トリメチルシリルクロリド、あるいはt−ブチルジメチルシリルクロリドとの塩基触媒反応等、それぞれ公知の反応を用いることにより得られる。
前記(III)または(IV)で示される構造単位を有するシロキサン単位の使用は、溶剤溶解性や感度、解像力、パターンの矩形性の点で好ましい。
本発明のポリシロキサン、即ち酸分解性ポリシロキサンの構成単位の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
本発明のポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法で測定されたポリスチレン換算値として、500〜100000が好ましく、さらに好ましくは700〜50000であり、特に好ましくは800〜20000である。
【0048】
次に本発明のポジ型フォトレジスト組成物について説明する。
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、
(a)上記ポリシロキサン、及び
(b)露光により分解して酸を発生する化合物(光酸発生剤)
を含有する。
【0049】
さらに、(d)(d1)分子内に含まれるフェノール性水酸基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護されたフェノール性化合物、又は(d2)分子内に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護された芳香族もしくは脂肪族カルボン酸化合物を含有してもよい。
【0050】
また、本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、本発明の酸分解性ポリシロキサンの酸分解性基すべてが酸分解で解離した構造と同一の構造のアルカリ可溶性ポリシロキサンを含んでいても良く、その含有量は好ましくは本組成物中の5〜50重量%の範囲であり、さらに好ましくは10〜30重量%である。
【0051】
本発明で用いられる(b)光酸発生剤は、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物である。
本発明で使用される活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
【0052】
また、その他の本発明に用いられる活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物としては、たとえば S.I.Schlesinger,Photogr. Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21, 423(1980)等に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、同27,992号、特開平3−140140号等に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p.478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055 号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J. V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.& Eng.News, Nov. 28, p.31(1988)、欧州特許第104,143 号、同339,049号、同410,201号、特開平2−150848号、特開平2−296514号等に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al, Polymer J. 17, 73(1985)、J.V.Crivello et al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17, 2877(1979)、欧州特許第370,693号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第3,902,114号、同4,933,377号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、特開平7−28237号、同8−27102号等に記載のスルホニウム塩、J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)等に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad.Curing ASIA,p.478 Tokyo, Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46−4605号、特開昭48−36281号、特開昭55−32070号、特開昭60−239736号、特開昭61−169835号、特開昭61−169837号、特開昭62−58241号、特開昭62−212401号、特開昭63−70243号、特開昭63−298339号等に記載の有機ハロゲン化合物、K. Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986)、T.P.Gill et al, Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,Acc.Chem.Res.,19(12), 377(1896)、特開平2−161445号等に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase et al,J.Polymer Sci.,25, 753(1987)、E.Reichmanis et al,J. Pholymer Sci.,Polymer Chem. Ed.,23, 1(1985)、Q.Q.Zhu et al,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、B.Amit et al,Tetrahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton et al,J.Chem Soc.,3571(1965)、P.M. Collins et al, J. Chem. Soc., Perkin I, 1695(1975)、M.Rudinstein et al,Tetrahedron Lett.,(17),1445(1975)、J.W.Walker et al J.Am.Chem.Soc.,110,7170(1988)、S.C.Busman et al,J.Imaging Technol.,11(4), 191(1985)、H.M.Houlihan et al, Macormolecules,21,2001(1988)、P. M. Collinsetal,J.Chem.Soc.,Chem.Commun., 532(1972)、S.Hayase et al,Macromolecules,18,1799(1985)、E.Reichmanis et al,J.Electrochem.Soc.,SolidState Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan et al,Macromolcules,21,2001(1988)、欧州特許第0290,750号、同046,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60−198538号、特開昭53−133022号等に記載のO−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA et al,Polymer Preprints Japan, 35(8)、G.Berner et al,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et al, Coating Technol.,55(697), 45(1983),Akzo、H.Adachi et al,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84,515号、同044,115号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605号、同4,431,774 号、特開昭64−18143号、特開平2−245756号、特開平3−140109号等に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物、特開昭61−166544 号、特開平2−71270号等に記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、同3−103856号、同4−210960号等に記載のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げることができる。
【0053】
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、M.E.Woodhouse et al,J.Am.Chem.Soc.,104, 5586(1982)、S.P.Pappas et al,J.Imaging Sci.,30(5), 218(1986)、S.Kondo et al,Makromol.Chem.,Rapid Commun.,9,625(1988)、Y.Yamadaet al,Makromol.Chem.,152,153, 163(1972)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,137号、獨国特許第3914407、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038 、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
【0054】
さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et al,Tetrahedron Lett., (47)4555(1971)、D.H.R.Barton et al,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0055】
上記活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられるものについて以下に説明する。
(1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0056】
【化24】
【0057】
式中、R201 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、R202 は置換もしくは未置換のアリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3を示す。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。
具体的には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0058】
【化25】
【0059】
【化26】
【0060】
【化27】
【0061】
(2)下記の一般式(PAG3)で表されるヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表されるスルホニウム塩。
【0062】
【化28】
【0063】
ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基としては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカプト基及びハロゲン原子が挙げられる。
【0064】
R203 、R204 、R205は各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ましくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8のアルキル基及びそれらの置換誘導体である。好ましい置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、カルボキシル基、ヒロドキシ基及びハロゲン原子であり、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0065】
Z-は対アニオンを示し、例えばBF4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸 アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【0066】
またR203、R204、R205のうちの2つ及びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して結合してもよい。
【0067】
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0068】
【化29】
【0069】
【化30】
【0070】
【化31】
【0071】
【化32】
【0072】
【化33】
【0073】
【化34】
【0074】
【化35】
【0075】
【化36】
【0076】
【化37】
【0077】
【化38】
【0078】
【化39】
【0079】
【化40】
【0080】
【化41】
【0081】
【化42】
【0082】
【化43】
【0083】
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニウム塩は公知であり、例えばJ.W.Knapczyk et al,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969)、A.L.Maycok et al,J.Org. Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas et al,Bull.Soc.Chem.Belg.,73,546,(1964)、H.M.Leicester、J.Am.Chem.Soc.,51,3587(1929)、J.V.Crivello et al,J.Polym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号及び同4,247,473号、特開昭53−101,331号等に記載の方法により合成することができる。
【0084】
(3)下記一般式(PAG5)で表されるジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイミノスルホネート誘導体。
【0085】
【化44】
【0086】
式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基を示す。
具体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0087】
【化45】
【0088】
【化46】
【0089】
【化47】
【0090】
【化48】
【0091】
【化49】
【0092】
本発明において、(b)光酸発生剤が、オニウム塩、ジスルホン、4位DNQ(ジアゾナフトキノン)スルホン酸エステル、トリアジン化合物であることが好ましい。
【0093】
これらの(b)光酸発生剤の添加量は、本発明のポジ型フォトレジスト組成物の全重量(塗布溶媒を除く)を基準として通常0.001〜40重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.01〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化合物の添加量が、0.001重量%より少ないと感度が低くなり、また添加量が40重量%より多いとレジストの光吸収が高くなりすぎ、プロファイルの悪化や、プロセス(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。
【0094】
本発明に用いられる(d)分子内に含まれるフェノール性水酸基が、酸により分解する基(酸分解性基)で部分的にもしくは完全に保護されたフェノール性化合物、又は分子内に含まれるカルボキシル基が、酸により分解する基(酸分解性基)で部分的にもしくは完全に保護された芳香族もしくは脂肪族カルボン酸化合物としては、例えば2〜7個の芳香環を含有する分子量186〜1500の芳香族化合物、又はGPC法で測定された重量平均分子量が2000〜20000の範囲にあるヒドロキシスチレン共重合体から選ばれたフェノール性化合物の水酸基の20〜100%が酸分解性基で保護されている化合物等を挙げることができる。
【0095】
(d)成分の添加量としては、本発明のポリシロキサンに対して、2〜50重量%含有することが好ましく、さらに好ましくは、5〜40重量%であり、特に好ましくは10〜30重量%である。
(d)成分として、具体的には下記化合物が挙げられる。
【0096】
【化50】
【0097】
【化51】
【0098】
【化52】
【0099】
【化53】
【0100】
【化54】
【0101】
【化55】
【0102】
【化56】
【0103】
【化57】
【0104】
【化58】
【0105】
【化59】
【0106】
【化60】
【0107】
【化61】
【0108】
【化62】
【0109】
【化63】
【0110】
【化64】
【0111】
【化65】
【0112】
【化66】
【0113】
【化67】
【0114】
【化68】
【0115】
(化合物(1)〜(63)中のRは、水素原子又は、
【0116】
【化69】
【0117】
の中から選ばれる基である。
但し、少なくとも2個、もしくは構造により3個は水素原子以外の基であり、各置換基Rは同一の基でなくともよい。)
【0118】
【化70】
【0119】
【化71】
【0120】
【化72】
【0121】
【化73】
【0122】
本発明の組成物には、有機塩基性化合物を配合することができる。これにより、保存時の安定性向上及びPEDによる線巾変化が少なくなるため好ましい。本発明で用いることのできる好ましい有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)構造を挙げることができる。
【0123】
【化74】
【0124】
ここで、R250、R251及びR252は、同一又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結合して環を形成してもよい。
【0125】
【化75】
【0126】
上記式(E)中、R253、R254、R255及びR256は、同一又は異なり、炭素数1〜6のアルキル基を示す。
【0127】
さらに好ましい化合物は、一分子中に異なる化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換のアミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物もしくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好ましい具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換のアミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾール、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もしくは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノモルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0128】
特に好ましい化合物として、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−(2−アミノエチル)モルフオリン等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【0129】
これらの含窒素塩基性化合物は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性化合物の使用量は、感光性樹脂組成物(溶媒を除く)100重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未満では上記効果が得られない。一方、10重量部を超えると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向がある。
【0130】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物には、必要に応じて、さらに界面活性剤、染料、顔料、可塑剤、光増感剤及び現像液に対する溶解性を促進させるフェノール性OH基を2個以上有する化合物等を含有させることができる。
【0131】
好適な界面活性剤は、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタントリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等のノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF303,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファックF171,F173(大日本インキ(株)製)、フロラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382,SC101,SC102,SC103,SC104,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくはメタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,No.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げることができる。
【0132】
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。好ましい添加量は、組成物(溶媒を除く)100重量部に対して、0.0005〜0.01重量部である。好適な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、ローダミンB(CI45170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0133】
さらに、下記に挙げるような分光増感剤を添加し、使用する光酸発生剤が吸収を持たない遠紫外より長波長領域に増感させることで、本発明の化学増幅型ポジレジストをi又はg線に感度を持たせることができる。好適な分光増感剤としては、具体的にはベンゾフェノン、p,p′−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、p,p′−テトラエチルエチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アントロン、9−エトキシアントラセン、アントラセン、ピレン、ペリレン、フェノチアジン、ベンジル、アクリジンオレンジ、ベンゾフラビン、セトフラビン−T、9,10−ジフエニルアントラセン、9−フルオレノン、アセトフェノン、フェナントレン、2−ニトロフルオレン、5−ニトロアセナフテン、ベンゾキノン、2−クロロ−4−ニトロアニリン、N−アセチル−p−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、N−アセチル−4−ニトロ−1−ナフチルアミン、ビクラミド、アントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−tert−ブチルアントラキノン、1,2−ベンズアンスラキノン、3−メチル−1,3−ジアザ−1,9−ベンズアンスロン、ジベンザルアセトン、1,2−ナフトキノン、3,3′−カルボニル−ビス(5,7−ジメトキシカルボニルクマリン)及びコロネン等であるがこれらに限定されるものではない。
【0134】
現像液に対する溶解性を促進させるフェノール性水酸基を2個以上有する化合物としては、ポリヒドロキシ化合物が挙げられ、好ましくはポリヒドロキシ化合物には、フェノール類、レゾルシン、フロログルシン、フロログルシド、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、α,α′,α″−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンがある。
【0135】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、(c)上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布するものであり、使用することのできる溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの(c)溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0136】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、べークを行い現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。
【0137】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物の現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、ホルムアミドやアセトアミド等のアミド類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシド、メチルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベンジルメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベンジルジメチルエタノールアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、テトラブロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン等のアルカリ類の水溶液等がある。
【0138】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、基本的に既述の成分(a)及び(b)、さらには成分(c)で構成されるが、さらに皮膜性、耐熱性等を向上させるため、アルカリ可溶性樹脂を添加してもよい。このようなアルカリ可溶性樹脂としては、好ましくは、フェノール性水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基、イミド基、スルホンアミド基、N−スルホニルアミド基、N−スルホニルウレタン基、活性メチレン基等のpKaが11以下の酸性水素原子を有するポリマーである。
【0139】
好適なアルカリ可溶性ポリマーとしては、ノボラックフェノール樹脂、具体的にはフェノールホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂、キシレノール−ホルムアルデヒド樹脂、もしくはこれらの共縮合物等がある。さらに、特開昭50−125806公報に記載されている様に、下記のようなフェノール樹脂と共に、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の様な、炭素数3〜8のアルキル基で置換されたフェノールもしくはクレゾールとホルムアルデヒドとの縮合物とを併用してもよい。また、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミドのようなフェノール性ヒドロキシ基含有モノマーを共重合成分とするポリマー、p−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−イソプロペニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール等の、単独もしくは共重合のポリマー、さらに又はこれらのポリマーを部分エーテル化、部分エステル化したポリマーも使用できる。
【0140】
本発明のポジ型フォトレジスト組成物によるレジストを2層レジストの上層レジストとして使用する場合、上層レジストパターンを保護マスクとして下層の有機高分子膜の酸素プラズマによるエッチングが行なわれるが、この上層レジストは酸素プラズマに対する十分な耐性を有する。本発明のポジ型フォトレジスト組成物の酸素プラズマ耐性は上層レジストのシリコン含有量や、エッチング装置、及びエッチング条件にも依存するが、エッチング選択比(下層と上層レジストとのエッチング速度比)は10〜100と充分大きく取ることができる。
【0141】
また、本発明のポジ型フォトレジスト組成物によるパターン形成方法においては、まず、被加工基板上に有機高分子膜を形成する。この有機高分子膜は各種公知のフォトレジストでよく、たとえば、フジフィルムオーリン社製FHシリーズ、FHiシリーズあるいはオーリン社製OiRシリーズ、住友化学社製PFIシリーズの各シリーズを例示することができる。この有機高分子膜の形成は、これらを適当な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコ一ト法、スプレイ法等により塗布することにより行なわれる。次いで、上記有機高分子膜の第1層上に、本発明のポジ型フォトレジスト組成物の膜を形成する。これは第1層と同様にレジスト材料を適当な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコート法、スプレイ法等により塗布することにより行なわれる。
得られた2層レジストは次にパターン形成工程に付されるが、その第1段階として、まず第2層、すなわち上層のフォトレジスト組成物の膜にパターン形成処理を行なう。必要に応じてマスク合わせを行ない、このマスクを通して高エネルギー線を照射することにより、照射部分のフォトレジスト組成物をアルカリ水溶液に可溶とし、アルカリ水溶液で現像してパターンを形成する。
【0142】
次いで、第2段階として有機高分子膜のエッチングを行なうが、この操作は上記のレジスト組成物の膜のパターンをマスクとして酸素プラズマエッチングにより実施し、アスペクト比の高い微細なパターンを形成する。この酸素プラズマエッチングによる有機高分子膜のエッチングは、従来のホトエッチング操作による基板のエッチング加工の終了後に行なわれるレジスト膜の剥離の際に利用されるプラズマアッシングとまったく同一の技術である。この操作は、例えば円筒形プラズマエッチング装置、平行平坂形プラズマエッチング装置により、反応性ガス、すなわちエッチングガスとして酸素を使用して実施することができる。
さらに、このレジストパターンをマスクとして基板の加工が行なわれるが、加工法としてはスパッタエッチング、ガスプラズマエッチング、イオンビームエッチング等のドライエッチング法を利用することができる。
【0143】
本発明のレジスト膜を含む2層膜レジスト法によるエッチング処理は、レジスト膜の剥離操作によって完了する。このレジスト層の剥離は単に第1層の有機高分子材料の溶解処理によって実施することができる。この有機高分子材料は任意のフォトレジストであり、かつ、上記フォトエッチング操作においてなんら変質(硬化等)されていないので、各公知のフォトレジスト自体の有機溶媒を使用することができる。あるいは、プラズマエッチング等の処理により、溶媒を使用することなく剥離することも可能である。
【0144】
【実施例】
〔合成例1〕
<ポリシロキサン(1’)の合成>
【0145】
【化76】
【0146】
ジフェノール酸28.7gおよびトリエチルアミン10.0gを乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド200mlに添加したのち、−20℃に冷却し、そこへクロロギ酸イソブチル13.7gを2時間かけて滴下した。乾燥窒素雰囲気下0℃で2時間反応させた。そこへ3−アミノプロピルトリメトキシシラン20gを2時間かけて滴下した。その後、乾燥窒素雰囲気下室温で5時間反応させた(これを反応液Aとする)これとは別に、クロロメチルトリメトキシシラン17.2gを乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド200mlに添加した後、4−ヒドロキシフェニル酢酸15.2g、ヨウ化カリウム3.0g、及びDBU(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)16.0gを添加した。乾燥窒素雰囲気下70〜90℃で5時間反応させた(これを反応液Bと呼ぶ)。B液を室温に戻したのち、上記A液を添加したのち、ジメチルアミノピリジン2gと蒸留水15gを添加し50℃で3時間、次いで130〜140℃で12時間反応させた。反応液を希塩酸で中和した後、蒸留水3L中に撹拌下投入して、白色の粉体状ポリマーを得た。これをアセトン200mlに溶解させた後、撹拌下蒸留水を添加することによりポリマーのオリゴマー成分を分別除去し、下層を蒸留水2L中に再沈処理して白色のポリマ一を得た。このポリマーの平均分子量をGPC(ポリスチレン標準)で測定したところ、重量平均分子量5300であり、分子量が1000以下の成分の含有量はGPC面積比で5%であった。
【0147】
<ポリシロキサン(1)の合成>
【0148】
【化77】
【0149】
真空乾燥したポリシロキサン(1’)20gをTHF100mlに溶解させた。二炭酸t−ブチル4.8gを加えた後、トリエチルアミン2.8gを1時間かけて滴下し、さらに室温で10時間反応させた。蒸留水2Lに拌下投入してポリマーを析出させ、その後室温にて真空乾燥し、目的の酸分解性ポリシロキサン18gを得た。
NMRにてOH基のエチルビニルエーテルによる保護率を求めたとこる、58%であった。このポリマーの重量平均分子量をGPCにて求めたところ6100であった。
以下同様にして下記記載のポリシロキサンを合成した。
【0150】
【化78】
【0151】
【化79】
【0152】
〔実施例1〕
酸分解性ポリシロキサン((a)成分)としてポリシロキサン(1)2g及び露光により酸を発生する化合物((b)成分)としてトリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホネート0.08g及びトリフェニルイミダゾール0.012gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート19.2gに溶解し、0.1μmのメンブレンフィルターで精密ろ過した。
シリコンウエハーにFHi−028Dレジスト(フジフイルムオーリン社製、i線用レジスト)をキャノン製コーターCDS−650を用いて塗布し、90℃、90秒ベークして膜厚0.83μmの均一膜を得た。これをさらに200℃、3分加熱したところ膜厚は0.71μmとなった。この上に上記で調整したシリコン含有レジストを塗布、90℃、90秒ベークして0.20μmの膜厚で塗設した。
こうして得られたウェハーをキャノン製KrFエキシマレーザーステッパーFPA−3000EX3に解像力マスクを装填して露光量と焦点を変化させながら露光した。その後クリーンルーム内で120℃、90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド現像液(2.38%)で60秒間現像し、蒸留水でリンス、乾燥してパターンを得た。走査型電子顕微鏡で観察したところ、感度32mJ/cm2で0.15μmのライン/スペースが解像していた。断面の矩形性は評価Aであった。
なお、断面の矩形性は次のようにして3段階評価にて比較した。すなわち、基板とレジストパターンの側壁との角度を測定し、80°以上90°以下をA評価、70°以上80°未満のものをB評価、70°未満のものをC評価とした。さらに上記ウエハーをアルバック製平行平板型リアクティブイオンエッチング装置を用い、エッチングガスを酸素とし、圧力20ミリトール、印加パワー100mW/cm2の条件で15分間エッチング処理した。その結果を走査型電子顕微鏡で観察した。0.15μmパターンの寸法シフトは0.007μmであった。
【0153】
〔実施例2〜14〕
実施例1における酸分解性ポリシロキサン(a)成分および酸発生剤(b)成分のかわりにそれぞれ表1記載の(a)成分および(b)成分を用いた以外は実施例1と同様にして、ポジ型フォトレジストを調製し、実施例1と同様にして露光、現像、エッチング処理を行った。結果を表2にまとめた。
【0154】
【表1】
【0155】
【表2】
【0156】
〔実施例15〕
酸分解性シロキサン((a)成分)としてポリシロキサン(1)1.9g、酸発生化合物((b)成分)としてトリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホネート0.12g、トリフェニルイミダゾール0.012g及び化合物例(18)(ここでR=−CH2COOC(CH3)3)0.19gを(c)成分として用い、これ以外は実施例1と全く同様にしてポジ型フォトレジストを調製した。さらに実施例1と同様にして塗布、露光、現像、エッチング処理を行い、結果を走査型電子顕微鏡で観察した。調製したレジストを表3に、評価結果を表4にそれぞれ示す。
【0157】
【表3】
【0158】
【表4】
【0159】
〔実施例16〜28〕
実施例15における酸分解性ポリシロキサン(a)成分および酸発生剤(b)成分、溶剤(c)成分のかわりにそれぞれ表3記載の(a)成分および(b)成分、(c)成分を用いた以外は実施例15と同様にして、ポジ型フォトレジストを調製し、実施例15と同様にして露光、現像、エッチング処理を行った。結果を表4にまとめた。
【0160】
〔比較例1〕
実施例1のポリシロキサンの代わりに下記ポリシロキサンD−1(Mw=13800)を用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型フォトレジストを調製し、実施例1と同様にして露光、現像、エッチング処理を行い、次いで実施例1と同様に走査型電子顕微鏡で観察した。結果を表5に示した。
【0161】
〔比較例2〕
実施例1のポリシロキサンの代わりに下記ポリシロキサンD−2(Mw=10300)を用いた以外は実施例1と同様にしてポジ型フォトレジストを調製し、実施例1と同様にして露光、現像、エッチング処理を行い、次いで実施例1と同様に走査型電子顕微鏡で観察した。結果を表5に示した。
【0162】
〔比較例3〕
実施例15のポリシロキサンの代わりに下記ポリシロキサンD−2(Mw=10300)を用いた以外は実施例15と同様にしてポジ型フォトレジストを調製し、実施例1と同様にして露光、現像、エッチング処理を行い、次いで実施例1と同様に走査型電子顕微鏡で観察した。結果を表5に示した。
【0163】
【表5】
【0164】
上記比較例で使用したポリシロキサンは、下記の通りである。
【0165】
【化80】
【0166】
表1〜5に示される結果から、以下のことが明らかである。
本発明のポリシロキサンを用いた本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、解像力が高く、矩形性が良好で、しかもエッチング後の寸法シフトが小さいレジストを与え、これらの特性のバランスが良い。
一方、本発明のポリシロキサンを用いていない比較例1〜3の場合、上記特性のバランスに劣る。
【0167】
【発明の効果】
本発明のポリシロキサンを用いた本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、高感度かつ高解像力で矩形形状のレジストが得られる。さらに二層レジストシステムの上層レジストとして使用した場合、酸素系プラズマエッチング工程を用いて下層にパターン転写する際、寸法シフトが少なく高アスペクト比の微細パターンを形成することができる。
Claims (6)
- 一般式(I)で示される繰り返し構造単位と、一般式(II)で示される繰り返し構造単位の両方を有する酸分解性ポリシロキサンを含有する事を特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
一般式(I)
Zは
Yは水素原子を表すか、または、Yはアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を示す。Yが示す原子団は、直鎖状でもよく、分岐状でもよく、環状でもよい。Rは水素原子を表す。又は、Rは酸で分解する基を表す。lは1〜3の整数、mも1〜3の整数を表す。
一般式(II)
- 前記一般式(I)において、Lが−(CH2)3−NHCO−である事を特徴とする請求項1記載のポジ型フォトレジスト組成物。
- (a)請求項1又は2に記載の酸分解性ポリシロキサンと、
(b)露光により分解して酸を発生する化合物と、
(c)上記(a)(b)を共に溶解させることが可能な溶剤と、を含有することを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。 - 分子内に含まれるフェノール性水酸基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護されたフェノール性化合物を含有することを特徴とする請求項3記載のポジ型フォトレジスト組成物。
- 分子内に含まれるカルボキシル基の少なくとも一部が、酸分解性基で保護された芳香族もしくは脂肪族カルボン酸化合物を含有することを特徴とする請求項3記載のポジ型フォトレジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポジ型フォトレジスト組成物によりレジスト膜を形成し、当該レジスト膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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