JP2002062654A - ポジ型フォトレジスト組成物 - Google Patents

ポジ型フォトレジスト組成物

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JP2002062654A
JP2002062654A JP2000246734A JP2000246734A JP2002062654A JP 2002062654 A JP2002062654 A JP 2002062654A JP 2000246734 A JP2000246734 A JP 2000246734A JP 2000246734 A JP2000246734 A JP 2000246734A JP 2002062654 A JP2002062654 A JP 2002062654A
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diazomethane
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JP2000246734A
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English (en)
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Kazuyoshi Mizutani
一良 水谷
Seiji Uno
誠次 宇野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体デバイスの製造において、矩形形状の
パターンを形成するフォトレジストを与え、ラインパタ
ーンのエッジラフネスが少なく、酸素プラズマエッチン
グ工程での下層へのパターン転写の際に寸法シフトが小
さいポジ型レジスト組成物をを提供すること。 【解決手段】 特定の構造単位を有する酸分解性ポリシ
ロキサンを含有することを特徴とするポジ型フォトレジ
スト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路素
子、集積回路製造用マスク、プリント配線板、液晶パネ
ル等の製造に用いるポジ型フォトレジスト組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体素子、磁気バブルメモリ、集積回
路等の電子部品を製造するためのパターン形成法として
は、従来より、紫外線又は可視光線に感光するフォトレ
ジストを利用する方法が幅広く実用に供されている。フ
ォトレジストには、光照射により被照射部が現像液に不
溶化するネガ型と、反対に可溶化するポジ型とがある
が、ネガ型はポジ型に比べて感度が良く、湿式エッチン
グに必要な基板との接着性及び耐薬品性にも優れている
ことから、近年までフォトレジストの主流を占めてい
た。
【0003】しかし、半導体素子等の高密度化・高集積
化に伴い、パターンの線幅や間隔が極めて小さくなり、
また、基板のエッチングにはドライエッチングが採用さ
れるようになったことから、フォトレジストには高解像
度及び高ドライエッチング耐性が望まれるようになり、
現在ではポジ型フォトレジストが大部分を占めるように
なった。特に、ポジ型フォトレジストの中でも、感度、
解像度、ドライエッチング耐性に優れることから、例え
ばジェー・シー・ストリエータ著、コダック・マイクロ
エレクトロニクス・セミナー・プロシーディングス、第
116頁(1976年)(J.C.Strieter,Kodak Micro e
lectronics Seminar Proceedings、116(1976
年)等に記載されているアルカリ可溶性のノボラック樹
脂をベースにしたアルカリ現像型のポジ型フォトレジス
トが現行プロセスの主流となっている。
【0004】しかしながら、近年電子機器の多機能化、
高度化に伴ない、さらに高密度化及び高集積化を図るべ
くパターンの微細化が強く要請されている。即ち、集積
回路の横方向の寸法の縮小に比べてその縦方向の寸法は
あまり縮小されていかないために、レジストパターンの
幅に対する高さの比は大きくならざるを得なかった。こ
のため、複雑な段差構造を有するウエハー上でレジスト
パターンの寸法変化を押さえていくことは、パターンの
微細化が進むにつれてより困難になってきた。さらに、
各種の露光方式においても、最小寸法の縮小に伴ない問
題が生じてきている。例えば、光による露光では、基板
の段差に基づく反射光の干渉作用が、寸法精度に大きな
影響を与えるようになり、一方電子ビーム露光において
は、電子の後方散乱によって生ずる近接効果により、微
細なレジストパターンの高さと幅の比を大きくすること
ができなくなった。
【0005】これらの多くの問題は多層レジストシステ
ムを用いることにより解消されることが見出された。多
層レジストシステムについては、ソリッドステート・テ
クノロジー、74(1981)[Solid State Technolog
y, 74 (1981)]に概説が掲載されているが、この他にも
このシステムに関する多くの研究が発表されている。一
般的に多層レジスト法には3層レジスト法と2層レジス
ト法がある。3層レジスト法は、段差基板上に有機平坦
化膜を塗布し、その上に、無機中間層、レジストを重
ね、レジストをパターニングした後、これをマスクとし
て無機中間層をドライエッチングし、さらに、無機中間
層をマスクとして有機平坦化膜をO2RIE(リアクテ
ィブイオンエッチング)によりパターニングする方法で
ある。この方法は、基本的には、従来からの技術が使用
できるために、早くから検討が開始されたが、工程が非
常に複雑である、あるいは有機膜、無機膜、有機膜と三
層物性の異なるものが重なるために中間層にクラックや
ピンホールが発生しやすいといったことが問題点になっ
ている。
【0006】この3層レジスト法に対して、2層レジス
ト法では、3層レジスト法でのレジストと無機中間層の
両方の性質を兼ね備えたレジスト、すなわち、酸素プラ
ズマ耐性のあるレジストを用いるために、クラックやピ
ンホールの発生が抑えられ、また、3層から2層になる
ので工程が簡略化される。しかし、3層レジスト法で
は、上層レジストに従来のレジストが使用できるのに対
して、2層レジスト法では、新たに酸素プラズマ耐性の
あるレジストを開発しなければならないという課題があ
った。
【0007】以上の背景から、2層レジスト法等の上層
レジストとして使用できる酸素プラズマ耐性に優れた、
高感度、高解像度のポジ型フォトレジスト、特に、現行
プロセスを変えることなく使用できるアルカリ現像方式
のレジストの開発が望まれていた。一方、ArFエキシ
マーレーザー光に透明な画像形成性部位を含有するポリ
シロキサンは、例えば特開平8−160623、特開平
10−324748、特開平11−60733、特開平
11−60734に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれらのレジス
トは、超微細パターンの加工にむけてのパターンの矩形
性、ならびにラインパターンのエッジラフネスが悪く、
さらには、2層レジストの上層レジストして使用した場
合、次の酸素プラズマ工程において、下層へのパターン
転写時に寸法シフトが大きくなるという問題点を有して
いた。本発明の目的は、半導体デバイスの製造におい
て、矩形形状のパターンを形成するフォトレジストを与
えるポジ型レジスト組成物を提供することである。本発
明の他の目的は、ラインパターンのエッジラフネスが少
ないポジ型レジスト組成物を提供することである。エッ
ジラフネスとは、レジストのラインパターンの頂部及び
底部のエッジが、レジストの特性に起因して、ライン方
向と垂直な方向に不規則に変動するために、パターンを
真上からみたときにエッジが凸凹して見えることをい
う。本発明のさらなる他の目的は酸素プラズマエッチン
グ工程での下層へのパターン転写の際に寸法シフトが小
さいポジ型レジスト組成物を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポジ型化
学増幅系におけるレジスト組成物について鋭意検討した
結果、特定の繰り返し単位を共重合した酸分解性樹脂を
用いることにより、本発明の目的が達せられることを見
出した。即ち、上記目的は、下記酸分解性樹脂を含有す
るポジ型フォトレジスト組成物を用いることにより達成
される。 (1) 下記(I)で示される構造単位を有する酸分解
性ポリシロキサンを含有することを特徴とするポジ型フ
ォトレジスト組成物。
【0010】
【化3】
【0011】L1は−A−OCO−、−A−COO−、
−A−NHCO−、−A−NHCOO−、−A−NHC
ONH−、−A−CONH−、−A−OCONH−、−
A−S−から選ばれる2価の連結基を表す。Aは単結
合、アリーレン基、または単環式あるいは有橋式の脂環
構造である2価の連結基を表す。M1は、メチリディ
ン、3価の単環式若しくは有橋式の脂環基、又は3価の
芳香環基を表す。nは1〜6の整数を表す。Qは、酸で
分解してカルボン酸を発生する基を表す。R'〜R'''は、
それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル基、トリアル
キルシリルオキシ基から選ばれる基を示す。 (2) 前記酸分解性ポリシロキサンが、一般式(II)
で示される繰り返し構造単位を有することを特徴とする
前記(1)に記載のポジ型フォトレジスト組成物。
【0012】
【化4】
【0013】L2は、単結合、−A1−OCO−、−A1
−COO−、−A1−NHCO−、−A1−NHCOO
−、−A1−NHCONH−、−A1−CONH−、−A
1−OCONH−、−A1−S−から選ばれる2価の連結
基を表す。A1は、単結合であるか、またはアルキレン
基、アリーレン基を表す。M2は、単結合であるか、単
環式あるいは有橋式の2価の脂環基又はアリーレン基若
しくはアラルキレン基を表す。R'〜R'''は、それぞれ独
立に、アルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、ア
ルコキシ基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシリ
ルオキシ基から選ばれる基を示す。 (3)(A)上記(1)又は(2)に記載の酸分解性ポ
リシロキサンと、(B)活性光線または放射線の照射に
より分解して酸を発生する化合物と、(C)有機塩基性
化合物と、(D)界面活性剤と、(E)上記(A)〜
(D)を溶解させることが可能な有機溶剤と、を含有す
ることを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の組成物に使用するポリシ
ロキサンについて説明する。一般式(I)において、L
1は−A−OCO−、−A−COO−、−A−NHCO
−、−A−NHCOO−、−A−NHCONH−、−A
−CONH−、−A−OCONH−、−A−S−から選
ばれる2価の連結基を表す。Aは、単結合、アリーレン
基、または2価の単環式あるいは有橋式の脂環式連結基
を表す。M1は、メチリディン(−CH=)、3価の有
橋式の脂環式基、又は3価の芳香環基を表す。nは1〜
6の整数を表す。上記A、M1において、アリーレン
基、あるいは3価の芳香環基の結合手の位置は、芳香環
を形成するいずれの位置の炭素原子上にあってもよい。
また上記AあるいはM1において、単環式あるいは有橋
式の脂環式基中の脂環構造としては、下記で示すもの等
が挙げられる。
【0015】
【化5】
【0016】
【化6】
【0017】好ましい有橋式の脂環式炭化水素の骨格と
しては、上記構造のうち、(5)、(6)、(7)、
(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、
(23)、(28)、(36)、(37)、(42)、
(47)が挙げられる。Qは水素原子または酸で分解し
てカルボン酸を発生する基を表す。ここで、酸で分解し
てカルボン酸を発生する基は具体的には、t−ブチル
基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル
基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1
−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエ
チル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチ
ル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、
テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフルフリル基、
トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基、
2−メチルーアダマンチル基、メバロニックラクトン残
基、2−(γ―ブチロラクトニルオキシカルボニル)−
2−プロピル基等を挙げることができる。
【0018】R'〜R'''は、それぞれ独立に、アルキル
基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ト
リアルキルシリル基、トリアルキルシリルオキシ基から
選ばれる基を示す。上記アルキル基としては、炭素数1
〜10の直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、より
好ましくは炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基
であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル
基、s−ブチル基、t−ブチル基である。ハロアルキル
基としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨード
メチル基が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数
1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更に好ま
しくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ
基、i−プロピルオキシ基、n−ブトキシ基、i−ブト
キシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、中でも特に
好ましいのはメトキシとエトキシ基である。
【0019】トリアルキルシリルのアルキル基としては
炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であり、更
に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i
−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチ
ル基、t−ブチル基、中でも最も好ましいのはメチル基
である。トリアルキルシリルオキシ基のアルキル基とし
ては炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基であ
り、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
−ブチル基、t−ブチル基であり、中でも最も好ましい
のはメチル基である。
【0020】一般式(II)において、L2は、単結合で
あるか、−A1−OCO−、−A1−COO−、−A1
NHCO−、−A1−NHCOO−、−A1−NHCON
H−、−A1−CONH−、−A1−OCONH−、−A
1−S−から選ばれる2価の連結基を表す。A1は、単結
合であるか、アルキレン基、アリーレン基を表す。M2
は、単結合であるか、アリーレン基、アラルキレン基ま
たは単環式あるいは有橋式の2価の脂環式基を表す。
【0021】上記A1において、アルキレン基は炭素数
1〜10の直鎖状、分岐状のアルキレン基が挙げられ
る。好ましくは炭素数1〜6の直鎖状、分岐状のアルキ
レン基であり、特に好ましくは、メチレン基、エチレン
基、プロピレン基である。同じくアリーレン基は、o−
フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基が
具体例として挙げられる。上記M2において、アリーレ
ン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、
p−フェニレン基が具体例として挙げられる。同じくア
ラルキレン基としてはフェニルメチレン基が挙げられ
る。上記M2の単環式あるいは有橋式の脂環式基の脂環
構造炭素骨格としては、M1の単環式あるいは有橋式の
脂環構造の炭素骨格の例と同様なものが挙げられる。R'
〜R'''は、それぞれ独立にアルキル基、ハロアルキル
基、ハロゲン原子、アルコキシ基、トリアルキルシリル
基、トリアルキルシリルオキシ基から選ばれる基を示
す。具体的には上記一般式(I)と同様なものが挙げら
れる。
【0022】本発明の酸分解性ポリシロキサンは、一般
式(I)で表される繰り返し単位をそれぞれのモノマー
で換算して全繰り返し単位に対して10〜100モル%
含有することが好ましく、30〜70モル%含有するこ
とがさらに好ましい。さらに本発明で用いる酸分解性ポ
リシロキサンでは、(II)の構造を全繰り返し単位に対
し、20〜80モル%含むことが好ましく、40〜60
モル%含むことがさらに好ましい。本発明の酸分解性ポ
リシロキサンにおいて、カルボキシル基が酸分解性基Q
で保護されている割合は、50〜100モル%が好まし
く、さらに好ましくは70〜100%、特に好ましくは
75〜95%である。
【0023】本発明の酸分解性ポリシロキサンは、溶剤
溶解性、アルカリ溶解性の調節のため、下記一般式(II
I)及び/又は(IV)の構造単位を共縮合されていても
よい。
【0024】
【化7】
【0025】ここで、W、W1、W2は、アルカリ溶解性
や酸分解性を有さない基を表す。具体的には、置換基を
有していてもよい炭素数1〜10の直鎖状、置換基を有
していてもよい炭素数3〜10の分岐状あるいは置換基
を有していてもよい炭素数6〜10の環状のアルキル
基;置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリー
ル基;又は置換基を有していてもよい炭素数7〜11の
アラルキル基を表す。これらの基の好ましい具体例とし
て、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n
−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n
−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニ
ル、n−デシル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチ
ル、ベンジル、ナフチルメチルを挙げることができる。
これらの基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1
〜6のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシル基等
が挙げられる。なおW1とW2とは同じであっても異なっ
ていてもよい。
【0026】上記一般式(I)で表される構造単位を有
する酸分解性ポリシロキサンは、以下の方法により製造
して得られる。エチレン性不飽和結合を有する脂環構造
が連結されたトリアルコキシシランまたはトリクロロシ
ランを用いる。すなわち、塩化白金酸触媒存在下あるい
はラジカル反応開始剤存在下で、対応するR'〜R'''を有
する3置換シラン化合物をヒドロシリレーションする。
その後、次のどちらかの方法を選択することにより合成
することができる。 (1)末端にカルボキシル基を有するトリアルコキシシ
ランを、酸及び水、または塩基触媒及び水の存在下、加
熱によりポリシロキサン化した後、カルボキシル基を酸
分解性基で保護する。 (2)末端に酸分解性保護したカルボキシル基を有する
トリアルコキシシランを合成した後、塩基触媒と水を添
加し、加熱によりポリシロキサン化する。上記の(1)
(2)のいずれかを選択する方法でなく、別の方法もあ
る。つまり、例えば、エチレン性不飽和結合を有する脂
環構造が連結された酸分解性基ポリシロキサンを用い
る。塩化白金酸触媒存在下あるいはラジカル反応開始剤
存在下、対応するR'〜R'''を有する3置換シラン化合物
をヒドロシリレーションするという方法がある。
【0027】上記酸分解性基の導入方法としては、酸分
解性基に対応するビニルエーテル化合物との酸触媒反応
や、二炭酸ジt−ブチル、トリメチルシリルクロリド、
あるいはt−ブチルジメチルシリルクロリドとの塩基触
媒反応等、それぞれ公知の反応を用いることにより得ら
れる。また前記(III)または(IV)で示される構造単位を
有するシロキサン単位の使用は、溶剤溶解性や感度、解
像力、パターンの矩形性の点で好ましい。本発明のポリ
シロキサンについて、一般式(I)の構造単位の具体例
を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0028】
【化8】
【0029】
【化9】
【0030】一般式(I)の構造単位を含む樹脂の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0031】
【化10】
【0032】上記の酸分解性ポリシロキサンの重量平均
分子量は、GPC法によりポリスチレン換算値として、
好ましくは1,000〜200,000である。重量平
均分子量が1,000未満では耐熱性やドライエッチン
グ耐性の劣化が見られるため余り好ましくなく、20
0,000を越えると現像性が劣化したり、粘度が極め
て高くなるため製膜性が劣化するなど余り好ましくない
結果を生じる。本発明のポジ型フォトレジスト組成物に
おいて、上記の酸分解性ポリシロキサンの組成物全体中
の配合量は、全レジスト固形分中50〜99.9重量%
が好ましく、より好ましくは70〜99.0重量%であ
る。
【0033】次に、上記酸分解性ポリシロキサン以外の
本発明のポジ型フォトレジスト組成物の好ましい成分に
ついて説明する。本発明のポジ型フォトレジスト組成物
は、好ましくは以下の成分を含有する。 (A)上記酸分解性ポリシロキサンと、(B)活性光線
または放射線の照射により分解して酸を発生する化合物
と、(C)有機塩基性化合物と、(D)界面活性剤と、
(E)上記(A)〜(D)を溶解させることが可能な有
機溶剤と、を含有する。
【0034】(B)活性光線または放射線の照射により
酸を発生する化合物について説明する。本発明で使用さ
れる活性光線または放射線の照射により分解して酸を発
生する化合物としては、光カチオン重合の光開始剤、光
ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色
剤、あるいはマイクロレジスト等に使用される公知の光
(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好まし
くはg線、i線、KrFエキシマーレーザー光、 Ar
Fエキシマーレーザー光、電子線、X線、分子線または
イオンビームにより酸を発生させる化合物およびそれら
の混合物を適宜に選択して用いることができる。
【0035】上記活性光線または放射線の照射により分
解して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられ
るものについて以下に説明する。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体または一般式(PA
G2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0036】
【化11】
【0037】式中、R201は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換の
アリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3
をしめす。Yは塩素原子または臭素原子を示す。具体的
には以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定
されるものではない。
【0038】
【化12】
【0039】
【化13】
【0040】
【化14】
【0041】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、または一般式(PAG4)で表され
るスルホニウム塩。
【0042】
【化15】
【0043】ここで式Ar1、Ar2は各々独立に置換も
しくは未置換のアリール基を示す。好ましい置換基とし
ては、アルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、ニトロ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、ヒロドキシ基、メルカ
プト基およびハロゲン原子が挙げられる。
【0044】R203、R204、R205は各々独立に、置換
もしくは未置換のアルキル基、アリール基を示す。好ま
しくは、炭素数6〜14のアリール基、炭素数1〜8の
アルキル基およびそれらの置換誘導体である。好ましい
置換基としては、アリール基に対しては炭素数1〜8の
アルコキシ基、炭素数1〜8のアルキル基、ニトロ基、
カルボキシル基、ヒロドキシ基およびハロゲン原子であ
り、アルキル基に対しては炭素数1〜8のアルコキシ
基、カルボキシル基、アルコシキカルボニル基である。
【0045】Z-は対アニオンを示し、例えばBF4 -
AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、ClO4 -
CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン酸アニ
オン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオン、ナ
フタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核芳香族
スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸アニオ
ン、スルホン酸基含有染料等を挙げることができるがこ
れらに限定されるものではない。
【0046】またR203、R204、R205のうちの2つお
よびAr1、Ar2はそれぞれの単結合または置換基を介
して結合してもよい。
【0047】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0048】
【化16】
【0049】
【化17】
【0050】
【化18】
【0051】
【化19】
【0052】
【化20】
【0053】
【化21】
【0054】
【化22】
【0055】
【化23】
【0056】
【化24】
【0057】
【化25】
【0058】
【化26】
【0059】
【化27】
【0060】
【化28】
【0061】一般式(PAG3)、(PAG4)で示さ
れる上記オニウム塩は公知であり、例えばJ.W.Knapczyk
etal,J.Am.Chem.Soc.,91,145(1969)、A.L.Maycok eta
l, J.Org.Chem.,35,2532,(1970)、E.Goethas etal ,Bul
l.Soc.Chem.Belg.,73,546,(1964) 、H.M.Leicester、J.A
me.Chem.Soc.,51,3587(1929)、J.V.Crivello etal,J.Po
lym.Chem.Ed.,18,2677(1980)、米国特許第2,807,648 号
および同4,247,473号、特開昭53-101,331号等に記載の
方法により合成することができる。
【0062】(3)下記一般式(PAG5)で表される
ジスルホン誘導体または一般式(PAG6)で表される
イミノスルホネート誘導体。
【0063】
【化29】
【0064】式中、Ar3、Ar4は各々独立に置換もし
くは未置換のアリール基を示す。R 206は置換もしくは
未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換もし
くは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレ
ン基を示す。具体例として以下に示す化合物が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。
【0065】
【化30】
【0066】
【化31】
【0067】
【化32】
【0068】
【化33】
【0069】
【化34】
【0070】
【化35】
【0071】ジアゾジスルホン誘導体化合物としては、
下記一般式(PAG7)で示されるものが挙げられる。
【0072】
【化36】
【0073】ここでR21,R22は、それぞれ独立して、
置換基を有していても良いアルキル基、シクロアルキル
基、置換基を有していても良いアリール基を表す。ここ
でアルキル基としては、炭素数が1〜20までの直鎖状
または分岐状のアルキル基が好ましく、さらに好ましく
は炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が
好ましい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル
基もしくはシクロヘキシル基が好ましい。アリール基と
しては、炭素数6〜10の置換基を有していても良いア
リール基が好ましい。 ここで置換基としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル
基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデ
シル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、ハロゲン原
子、ニトロ基、アセチル基などが挙げられる。
【0074】ジアゾジスルフォン誘導体化合物の具体例
としては、下記化合物が挙げられる。ビス(メチルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(エチルスルホニル)ジア
ゾメタン、ビス(プロピルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、
ビス(ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メ
チルブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ヘプチル
スルホニル)ジアゾメタン、ビス(オクチルスルホニ
ル)ジアゾメタン、ビス(ノニルスルホニル)ジアゾメ
タン、ビス(デシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(ドデシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(トリフル
オロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘ
キシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(ベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(2−クロロベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(4−クロロベンジルスル
ホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジ
アゾメタン、ビス(4−メトキシフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(2−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(3−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)
ジアゾメタン、ビス(2、4−ジメチルフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン、ビス(2、5−ジメチルフェニル
スルホニル)ジアゾメタン、ビス(3、4−ジメチルフ
ェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2、4、6−
トリメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス
(4−フルオロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビ
ス(2,4−ジフルオロフェニルスルホニル)ジアゾメ
タン、ビス(2,4、6−トリフルオロフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタン、ビス(4−ニトロフェニルスルホ
ニル)ジアゾメタンジアゾケトスルホン誘導体化合物と
しては、下記一般式(PAG8)で示されるものが挙げ
られる。
【0075】
【化37】
【0076】ここでR21,R22は、上記(PAG7)の
21、R22と同義である。ジアゾケトスルフォン誘導体
化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
【0077】メチルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメ
タン、エチルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメタン、
メチルスルホニル−4−ブロモベンゾイル−ジアゾメタ
ン、エチルスルホニル−4−ブロモベンゾイル−ジアゾ
メタン、フェニルスルホニル−ベンゾイル−ジアゾメタ
ン、フェニルスルホニル−2−メチルフェニル−ジアゾ
メタン、フェニルスルホニル−3−メチルフェニル−ジ
アゾメタン、フェニルスルホニル−4−メチルフェニル
−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−3−メトキシフ
ェニル−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−4−メト
キシフェニル−ジアゾメタン、フェニルスルホニル−3
−クロロベンゾイル−ジアゾメタン、フェニルスルホニ
ル−4−クロロフェニル−ジアゾメタン、トリルスルホ
ニル−3−クロロベンゾイル−ジアゾメタン、トリルス
ルホニル−4−クロロフェニル−ジアゾメタン、フェニ
ルスルホニル−4−フルオロフェニル−ジアゾメタン、
トリルスルホニル−4−フルオロフェニル−ジアゾメタ
【0078】また、その他の本発明に用いられる活性光
線又は放射線の照射により酸を発生する化合物として
は、たとえば S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,3
87(1974)、T.S.Bal etal,Polymer,21,423(1980)等に記
載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,06
9,056号、同 Re 27,992号、特開平3-140140号等に記載
のアンモニウム塩、D.C.Necker etal,Macromolecules,1
7,2468(1984)、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curin
g ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055
号、同4,069,056号等に記載のホスホニウム塩、J.V.Cri
vello etal,Macromorecules,10(6),1307(1977) 、Chem.
&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143 号、
米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150,84
8号、特開平2-296,514 号等に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello etal,Polymer J.17,73 (1985)、J.V.Criv
ello etal.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt eta
l,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、
J.V.Crivello etal,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.
Crivello etal,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.
V.Crivello etal,J.PolymerSci.,Polymer Chem.Ed.,17,
2877(1979)、欧州特許第370,693 号、同161,811号、同4
10,201号、同339,049号、同233,567号、同297,443号、
同297,442号、米国特許第3,902,114号同4,933,377号、
同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国
特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号、
特開平7−28237号、同8−27102号等に記載
のスルホニウム塩、J.V.Crivello etal,Macromorecule
s,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSc
i.,Polymer Chem.Ed., 17,1047(1979)等に記載のセレノ
ニウム塩、C.S.Wen etal,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing AS
IA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等
のオニウム塩、米国特許第3,905,815号、特公昭46-4605
号、特開昭48-36281号、特開昭55-32070号、特開昭60-2
39736号、特開昭61-169835号、特開昭61-169837号、特
開昭62-58241号、特開昭62-212401号、特開昭63-70243
号、特開昭63-298339号等に記載の有機ハロゲン化合
物、K.Meier et al,J.Rad.Curing,13(4),26(1986) 、T.
P.Gill et al,Inorg.Chem.,19,3007(1980)、D.Astruc,A
cc.Chem.Res.,19(12),377(1896)、特開平2-161445号等
に記載の有機金属/有機ハロゲン化物、S.Hayase etal,
J.Polymer Sci.,25,753(1987)、E.Reichmanis etal,J.Ph
olymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,23,1(1985)、Q.Q.Zhu et
al,J.Photochem.,36,85,39,317(1987)、 B.Amit etal,Te
trahedron Lett.,(24)2205(1973)、D.H.R.Barton etal,
J.Chem Soc.,3571(1965)、P.M.Collins etal, J.Chem.So
C.,PerkinI,1695(1975)、M.Rudinstein etal,Tetrahedro
n Lett.,(17),1445(1975)、J.W.WalkeretalJ.Am.Chem.So
c.,110,7170(1988)、S.C.Busman etal,J.Imaging Techno
l.,11(4),191(1985)、H.M.Houlihan etal,Macormolecule
s,21,2001(1988)、 P.M.Collinsetal,J.Chem.Soc.,Chem.
Commun.,532(1972)、S.Hayase etal,Macromolecules,18,
1799(1985)、E.Reichman etal,J.Electrochem.Soc.,Soli
d State Sci.Technol.,130(6)、F.M.Houlihan etal,Macr
omolcules,21,2001(1988)、 欧州特許第0290,750号、同0
46,083号、同156,535号、同271,851号、同0,388,343号、
米国特許第3,901,710号、同4,181,531号、特開昭60-19
8538号、特開昭53-133022号等に記載の0−ニトロベン
ジル型保護基を有する光酸発生剤、M.TUNOOKA etal,Pol
ymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner etal,J.Rad.Cur
ing,13(4)、 W.J.Mijs etal,CoatingTechnol.,55(697),4
5(1983),Akzo、H.Adachi etal,Polymer Preprints,Japa
n,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同044,115
号、同618,564号、同0101,122号、米国特許第4,371,605
号、同4,431,774 号、特開昭64-18143号、特開平2-2457
56号、特開平3-140109号等に記載のイミノスルフォネ−
ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合
物、特開昭61-166544 号、特開平2−71270号等に
記載のジスルホン化合物、特開平3−103854号、
同3−103856号、同4−210960号等に記載
のジアゾケトスルホン、ジアゾジスルホン化合物を挙げ
ることができる。
【0079】また、これらの光により酸を発生する基、
あるいは化合物をポリマーの主鎖または側鎖に導入した
化合物、たとえば、M.E.Woodhouse etal,J.Am.Chem.So
c.,104,5586(1982)、S.P.Pappas etal,J.Imaging Sci.,
30(5),218(1986)、S.Kondoetal,Makromol.Chem.,Rapid
Commun.,9,625(1988)、Y.Yamadaetal,Makromol.Chem.,1
52,153,163(1972)、J.V.Crivello etal,J.PolymerSci.,
Polymer Chem.Ed.,17,3845(1979)、米国特許第3,849,13
7号、獨国特許第3914407、特開昭63-26653号、特開昭55
-164824号、特開昭62-69263号、特開昭63-146038 、特
開昭63-163452号、特開昭62-153853号、特開昭63-14602
9号等に記載の化合物を用いることができる。
【0080】さらにV.N.R.Pillai, Synthesis,(1),1(19
80)、A.Abad et al, Tetrahedron Lett.,(47)4555(197
1)、D.H.R.Barton et al, J.Chem.Soc.,(C),329(197
0)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に
記載の光により酸を発生する化合物も使用することがで
きる。
【0081】なかでも、活性光線または放射線の照射に
より分解して有機スルホン酸を発生する化合物が好適に
使用できる。この様な化合物としては、以下のものが挙
げられる。 (B1)有機スルホン酸アニオンをカウンターアニオン
として有するスルホニウム塩化合物 (B2)有機スルホン酸アニオンをカウンターアニオン
として有するヨードニウム塩化合物 (B3)有機ジスルホン誘導体化合物 (B4)イミノスルホネート誘導体化合物 (B5)ジアゾジスルホン誘導体化合物 (B6)ジアゾケトスルホン誘導体化合物
【0082】酸発生剤としては、活性光線または放射線
の照射により有機スルホン酸を発生する例として既に挙
げた(B3)〜(B6)化合物が、レジストパターンの
矩形性およびラインパターンのエッヂラフネスが良好な
ことから好ましく、特にフッ素化有機スルホン酸を発生
する(B3)〜(B6)化合物は感度が高く好ましい。
【0083】これらの(b)光酸発生剤の添加量は、本
発明のポジ型フォトレジスト組成物の全重量(塗布溶媒
を除く)を基準として通常0.001〜40重量%の範
囲で用いられ、好ましくは0.01〜20重量%、さら
に好ましくは0.1〜5重量%の範囲で使用される。活
性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する化
合物の添加量が、0.001重量%より少ないと感度が
低くなり、また添加量が40重量%より多いとレジスト
の光吸収が高くなりすぎ、プロファイルの悪化や、プロ
セス(特にベーク)マージンが狭くなり好ましくない。
【0084】次に、本発明に用いられる(C)有機塩基
性化合物について説明する。本発明の組成物には、有機
塩基性化合物を配合することができる。これにより、保
存時の安定性向上及びPEDによる線巾変化が少なくな
るため好ましい。本発明で用いることのできる好ましい
有機塩基性化合物とは、フェノールよりも塩基性の強い
化合物である。中でも含窒素塩基性化合物が好ましい。
好ましい化学的環境として、下記式(A)〜(E)構造
を挙げることができる。
【0085】
【化38】
【0086】ここで、R250、R251及びR252は、同一
又は異なり、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭
素数1〜6のアミノアルキル基、炭素数1〜6のヒドロ
キシアルキル基又は炭素数6〜20の置換もしくは非置
換のアリール基であり、ここでR251とR252は互いに結
合して環を形成してもよい。
【0087】
【化39】
【0088】上記式(E)中、R253、R254、R255
びR256は、同一又は異なり、炭素数1〜6のアルキル
基を示す。
【0089】さらに好ましい化合物は、一分子中に異な
る化学的環境の窒素原子を2個以上有する含窒素塩基性
化合物であり、特に好ましくは、置換もしくは未置換の
アミノ基と窒素原子を含む環構造の両方を含む化合物も
しくはアルキルアミノ基を有する化合物である。好まし
い具体例としては、置換もしくは未置換のグアニジン、
置換もしくは未置換のアミノピリジン、置換もしくは未
置換のアミノアルキルピリジン、置換もしくは未置換の
アミノピロリジン、置換もしくは未置換のインダゾー
ル、置換もしくは未置換のピラゾール、置換もしくは未
置換のピラジン、置換もしくは未置換のピリミジン、置
換もしくは未置換のプリン、置換もしくは未置換のイミ
ダゾリン、置換もしくは未置換のピラゾリン、置換もし
くは未置換のピペラジン、置換もしくは未置換のアミノ
モルフォリン、置換もしくは未置換のアミノアルキルモ
ルフォリン等が挙げられる。好ましい置換基は、アミノ
基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリ
ール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ
基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオ
キシ基、ニトロ基、水酸基、シアノ基である。
【0090】特に好ましい化合物として、グアニジン、
1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3−テトラ
メチルグアニジン、2−アミノピリジン、3−アミノピ
リジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリ
ジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミ
ノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミ
ノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリ
ジン、2−アミノ−5−メチルピリジン、2−アミノ−
6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−
アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラ
ジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2
−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペ
リジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチ
ル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチル
ピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリル
ピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5−メ
チルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジ
ン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリ
ン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン、N−
(2−アミノエチル)モルフオリン等が挙げられるがこ
れに限定されるものではない。
【0091】これらの含窒素塩基性化合物は、単独であ
るいは2種以上組み合わせて用いられる。含窒素塩基性
化合物の使用量は、レジスト組成物(溶媒を除く)10
0重量部に対し、通常、0.001〜10重量部、好ま
しくは0.01〜5重量部である。0.001重量部未
満では上記効果が得られない。一方、10重量部を超え
ると感度の低下や非露光部の現像性が悪化する傾向があ
る。
【0092】次に、本発明に用いられる(D)界面活性
剤について説明する。好適な界面活性剤は、具体的には
ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチ
レンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェノールエーテル等のポリオキシエチレンアルキ
ルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシ
プロピレンブロックコポリマー類、ソルビタンモノラウ
レート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタン
トリオレエート、ソルビタントリステアレート等のソル
ビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
パルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステ
アレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエー
ト、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート等
のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等の
ノニオン系界面活性剤、エフトップEF301,EF3
03,EF352(新秋田化成(株)製)、メガファッ
クF171,F173(大日本インキ(株)製)、フロ
ラードFC430,FC431(住友スリーエム(株)
製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−38
2,SC101,SC102,SC103,SC10
4,SC105,SC106(旭硝子(株)製)等のフ
ッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマーKP3
41(信越化学工業(株)製)やアクリル酸系もしくは
メタクリル酸系(共)重合ポリフローNo.75,N
o.95(共栄社油脂化学工業(株)製)等を挙げるこ
とができる。
【0093】これらの界面活性剤は単独で添加してもよ
いし、また、いくつかの組み合わせで添加することもで
きる。好ましい添加量は、組成物(溶媒を除く)100
重量部に対して、0.0005〜0.01重量部であ
る。本発明のポジ型フォトレジスト組成物には、必要に
応じて、さらに染料、顔料、可塑剤、光増感剤及び現像
液に対する溶解性を促進させるフェノール性OH基を2
個以上有する化合物等を含有させることができる。好適
な染料としては油性染料及び塩基性染料がある。具体的
にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#10
3、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラッ
クBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−50
5(以上オリエント化学工業株式会社製)、クリスタル
バイオレット(CI42555)、メチルバイオレット
(CI42535)、ローダミンB(CI45170
B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレ
ンブルー(CI52015)等を挙げることができる。
【0094】本発明のポジ型フォトレジスト組成物は、
上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体上に塗布す
るものであり、使用することのできる溶媒としては、エ
チレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタ
ノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエ
チルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、
エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシ
エチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテ
ート、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチ
ル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン
酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピル
ビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒド
ロフラン等が好ましく、これらの溶媒を単独あるいは混
合して使用する。
【0095】本発明のポジ型フォトレジスト組成物は精
密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シ
リコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター
等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通し
て露光し、べークを行い現像することにより良好なレジ
ストパターンを得ることができる。
【0096】本発明のポジ型フォトレジスト組成物の現
像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、リン酸ナト
リウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機
アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第
1アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等
の第2アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルア
ミン等の第3アミン類、ジメチルエタノールアミン、ト
リエタノールアミン等のアルコールアミン類、ホルムア
ミドやアセトアミド等のアミド類、テトラメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、トリメチル(2−ヒドロキシエチ
ル)アンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニ
ウムヒドロキシド、トリブチルメチルアンモニウムヒド
ロキシド、テトラエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、メチルトリエタノールアンモニウムヒドロキシド、
ベンジルメチルジエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、ベンジルジメチルエタノールアンモニウムヒドロキ
シド、ベンジルトリエタノールアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラブロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
ブチルアンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウ
ム塩、ピロール、ピペリジン等の環状アミン等のアルカ
リ類の水溶液等がある。また、本発明のポジ型フォトレ
ジスト組成物は、本発明のアルカリ可溶性(酸分解性)
ポリシロキサンの酸分解性基すべてがはずれたポリシロ
キサンを含んでいても良く、その含有量は好ましくは本
組成物中固形分全重量に対し、5〜50重量%の範囲で
あり、さらに好ましくは10〜30重量%である。
【0097】本発明のポジ型フォトレジスト組成物によ
るレジストを2層レジストの上層レジストとして使用す
る場合、上層レジストパターンを保護マスクとして下層
の有機高分子膜の酸素プラズマによるエッチングが行な
われるが、この上層レジストは酸素プラズマに対する十
分な耐性を有する。本発明のポジ型フォトレジスト組成
物の酸素プラズマ耐性は上層レジストのシリコン含有量
や、エッチング装置、及びエッチング条件にも依存する
が、エッチング選択比(下層と上層レジストとのエッチ
ング速度比)は10〜100と充分大きく取ることがで
きる。
【0098】また、本発明のポジ型フォトレジスト組成
物によるパターン形成方法においては、まず、被加工基
板上に有機高分子膜を形成する。この有機高分子膜は各
種公知のフォトレジストでよく、たとえば、フジフィル
ムオーリン社製FHシリーズ、FHiシリーズあるいは
オーリン社製OiRシリーズ、住友化学社製PFIシリ
ーズの各シリーズを例示することができる。この有機高
分子膜の形成は、これらを適当な溶剤に溶解させ、得ら
れる溶液をスピンコ一ト法、スプレイ法等により塗布す
ることにより行なわれる。次いで、上記有機高分子膜の
第1層上に、本発明のポジ型フォトレジスト組成物の膜
を形成する。これは第1層と同様にレジスト材料を適当
な溶剤に溶解させ、得られる溶液をスピンコート法、ス
プレイ法等により塗布することにより行なわれる。得ら
れた2層レジストは次にパターン形成工程に付される
が、その第1段階として、まず第2層、すなわち上層の
フォトレジスト組成物の膜にパターン形成処理を行な
う。必要に応じてマスク合わせを行ない、このマスクを
通して高エネルギー線を照射することにより、照射部分
のフォトレジスト組成物をアルカリ水溶液に可溶とし、
アルカリ水溶液で現像してパターンを形成する。
【0099】次いで、第2段階として有機高分子膜のエ
ッチングを行なうが、この操作は上記のレジスト組成物
の膜のパターンをマスクとして酸素プラズマエッチング
により実施し、アスペクト比の高い微細なパターンを形
成する。この酸素プラズマエッチングによる有機高分子
膜のエッチングは、従来のホトエッチング操作による基
板のエッチング加工の終了後に行なわれるレジスト膜の
剥離の際に利用されるプラズマアッシングとまったく同
一の技術である。この操作は、例えば円筒形プラズマエ
ッチング装置、平行平坂形プラズマエッチング装置によ
り、反応性ガス、すなわちエッチングガスとして酸素を
使用して実施することができる。さらに、このレジスト
パターンをマスクとして基板の加工が行なわれるが、加
工法としてはスパッタエッチング、ガスプラズマエッチ
ング、イオンビームエッチング等のドライエッチング法
を利用することができる。
【0100】本発明のレジスト膜を含む2層膜レジスト
法によるエッチング処理は、レジスト膜の剥離操作によ
って完了する。このレジスト層の剥離は単に第1層の有
機高分子材料の溶解処理によって実施することができ
る。この有機高分子材料は任意のフォトレジストであ
り、かつ、上記フォトエッチング操作においてなんら変
質(硬化等)されていないので、各公知のフォトレジス
ト自体の有機溶媒を使用することができる。あるいは、
プラズマエッチング等の処理により、溶媒を使用するこ
となく剥離することも可能である。
【0101】
【実施例】以下、合成例、実施例、および比較例を示す
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。 <合成例1(樹脂(1)の合成)>一般式(I)の構造
単位を含む樹脂の具体例として前記した樹脂1と構造式
が同一の樹脂を以下のようにして合成した。ノルボルネ
ンジカルボン酸無水物32.8gをTHF300mlに
溶かしたところへ、塩化白金酸400mgを添加し、そ
こへトリストリメチルシラン49.0gをゆっくり滴下
した。窒素下で12時間反応させた後、反応液をカラム
クロマトグラフィーにかけることにより、4−トリス
(トリメチルシリル)シリルノルボルナンジカルボン酸
無水物を得た。
【0102】上記酸無水物41.2gをt−ブタノール
16g、ジメチルアミノピリジン2gを乾燥したTHF
200mlに添加したのち、乾燥窒素雰囲気下60℃で
12時間反応させた。 生成物を再度カラムクロマトグ
ラフィーにより精製し、t−ブチルエステル化合物を合
成した。続いて、 上記t−ブチルエステル18.8g
にクロロプロピルトリメトキシシラン12.0gをトル
エン200mlに加え、そこへ、ジアザビシクロウンデ
セン9.5gを添加した。白色沈殿を濾別したのち、ト
ルエンを留去して、中間体(1)を得た。
【0103】
【化40】
【0104】上記中間体13.5gにシクロヘキシルト
リメトキシシラン14.7gをN,N−ジメチルアセト
アミド200mlへ添加し、さらに水20mlおよび4
−ジメチルアミノピリジン5gを添加した後、60℃で
3時間、さらに140℃で3時間反応させた。反応液を
室温に戻した後、蒸留水3L中に攪拌下投入して、白色
の粉体状ポリマーを得た。これをアセトン200mlに
溶解させた後、攪拌下蒸留水を添加することによりポリ
マーのオリゴマー成分を分別除去し、下層を蒸留水2L
中に再沈処理して白色のポリマーを得た。このポリマー
の平均分子量をGPC(ポリスチレン標準)で測定した
ところ、重量平均分子量5700であり、分子量が10
00以下の成分の含有量はGPC面積比で6%であっ
た。
【0105】<合成例2(樹脂(2)の合成)>一般式
(I)の構造単位を含む樹脂の具体例として前記した樹
脂2と構造式が同一の樹脂を以下のようにして合成し
た。4−トリス(トリメチルシリル)シリルノルボルナ
ンジカルボン酸無水物を41.0gおよび3−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン22.3gを乾燥したTHF
300mlに添加したのち、乾燥窒素雰囲気下40℃で
2時間反応させた。そこにシクロヘキシルトリメトキシ
シラン29.4gを添加し、さらに水20mlおよび4
−ジメチルアミノピリジン5gを添加した後、60℃で
3時間、さらに140℃で3時間反応させた。反応液を
室温に戻した後、蒸留水3L中に攪拌下投入して、白色
の粉体状ポリマーを得た。これをアセトン200mlに
溶解させた後、攪拌下蒸留水を添加することによりポリ
マーのオリゴマー成分を分別除去し、下層を蒸留水2L
中に再沈処理して白色のポリマーを得た。
【0106】このポリマーの平均分子量をGPC(ポリ
スチレン標準)で測定したところ、重量平均分子量58
00であり、分子量が1000以下の成分の含有量はG
PC面積比で4%であった。真空乾燥したポリマー20
gを、THF100mlに溶解させた後、テトラヒドロ
ピラニルエーテル8.0gとp−トルエンスルホン酸一
水和物20mgを加え、室温で10時間反応させた。ト
リエチルアミンを添加して反応をクエンチした後、蒸留
水2Lに添加してポリマーを析出させ、その後室温にて
真空乾燥し、目的の酸分解性ポリシロキサンを得た。N
MRにてOH基のエチルビニルエーテルによる保護率を
求めたところ、79%であった。このポリマーの重量平
均分子量をGPCにて求めたところ6500であった。
以下同様にして一般式(I)の構造単位を含む樹脂の具
体例として前記した樹脂3〜6と構造式が同一の樹脂
(3)〜(6)を合成した。
【0107】(実施例1)ポリシロキサン成分として既
に例示した樹脂1と構造式が同一の樹脂(1)を2g、
露光により酸を発生する化合物成分として、トリフェニ
ルスルホニウムパーフルオロオクタンスルホネート0.
12gおよびDBU0.012g、下記記載の界面活性
剤W−1をプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート19.2gに溶解し、0.1μmのメンブレン
フィルターで精密ろ過してレジスト液を調製した。
【0108】シリコンウエハーにFHi−028Dレジ
スト(フジフイルムオーリン社製、i線用レジスト)を
キャノン製コーターCDS−650を用いて塗布し、9
0℃、90秒ベークして膜厚0.83μmの均一膜を得
た。これをさらに200℃、3分加熱したところ膜厚は
0.71μmとなった。この上に上記で調整したシリコ
ン含有レジストを塗布、90℃、90秒ベークして0.
20μmの膜厚で塗設した。
【0109】こうして得られたウェハーをArFステッ
パーに解像力マスクを装填して露光量と焦点を変化させ
ながら露光した。その後クリーンルーム内で120℃、
90秒加熱した後、テトラメチルアンモニウムヒドロオ
キサイド現像液(2.38%)で60秒間現像し、蒸留
水でリンス、乾燥してパターンを得た。走査型電子顕微
鏡で観察したところ、感度30mJ/cm2で0.15
μmのライン/スペースが解像していた。断面の矩形性
は評価Aであった。
【0110】なお、断面の矩形性は次のようにして3段
階評価にて比較した。すなわち、基板とレジストパター
ンの側壁との角度を測定し、80°以上90°以下であ
ればA評価、70°以上80°未満であればB評価、7
0°未満であればC評価とした。さらに上記ウエハーを
アルバック製平行平板型リアクティブイオンエッチング
装置を用い、エッチングガスを酸素とし、圧力20ミリ
トール、印加パワー100mW/cm2の条件で15分
間エッチング処理した。その結果を走査型電子顕微鏡で
観察した。0.16μmパターンの寸法シフトは0.0
05μmであった。
【0111】ラフネスは、0.15μmのラインアンド
スペースパターン(上層パターン)におけるラインエッ
ジ部分のラフネスの大きさをSEMにて観察して目視評
価した。良好な方から順にA,B,Cの3段階で評価
し、ラインエッジにラフネス(凹凸)が殆ど見られない
ものをAとし、ラインエッジにラフネス(凹凸)が少し
見られるものをBとし、ラインエッジにラフネス(凹
凸)が明らかに見られるものをCとした。
【0112】溶剤 PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート EL:乳酸エチル 有機塩基化合物 DMAP:4−ジメチルアミノピリジン TPI:2,4,5−トリフェニルイミダゾール DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−
ウンデセン また、界面活性剤としては、 W−1:メガファックF176(大日本インキ(株)
製)(フッ素系) W−2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)
(フッ素及びシリコーン系) W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化
学工業(株)製) W−4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル を表す。
【0113】〔実施例2〜12〕実施例1におけるポリ
シロキサン(a)成分および酸発生剤(b)成分のかわ
りにそれぞれ表1記載の(a)成分および(b)成分を用
いた以外は実施例1と同様にして、表1記載のポジ型フ
ォトレジストを調製し、実施例1と同様にして露光、現
像、エッチング処理を行った。結果を表2にまとめた。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】<合成例(3) (下記(R1)の合成)
【0117】
【化41】
【0118】2−シアノエチルトリクロロシラン18
8.5g(1.0mol)をトルエン200gに溶解
し、水500g中へ室温で撹拌しながら滴下添加した。
滴下終了後、反応溶液の還流温度で、5時間撹拌熟成を
行った。冷却後、反応混合物より酸性水層を分離し、次
いで水1リットルで有機層を水洗し、水層が中性になっ
てから更に2回水洗を行った。有機層を分離し、濾過を
行った後にトルエンをエバポレーターを用いてストリッ
プしたところ、無色の油状物が得られたが、これを水中
で晶出し、濾過、乾燥を行い、ポリ(2−ヒドロキシカ
ルボニルエチル)シロキサンを収量102.5g(収
率:82%)で得た。
【0119】得られたポリマーのIRにおいて、シアノ
基特有の2,200cm-1付近の吸収ピークがなく、カ
ルボン酸特有の1,650cm-1に吸収ピークがみられ
ることと、13C−NMRにおいても未反応のシアノ基が
検出されなかったことにより、クロロシランの加水分解
時に生じた塩酸酸性雰囲気下において、シアノ基は定量
的にカルボン酸へ変換されていることがわかった。ま
た、得られたポリマーの重量平均分子量は、6,250
であった。
【0120】〔比較例1〕実施例1におけるポリシロキ
サンの代わりに、上記(R1)を用いた以外は、実施例
1と全く同じにしてポジ型フォトレジストを調整し、実
施例1と同様にして露光、現像、エッチング処理を行っ
た。得られた性能について表3に示した。
【0121】
【表3】
【0122】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成でなるか
ら、半導体デバイスの製造において、矩形形状のパター
ンを形成するフォトレジストを与えるポジ型レジスト組
成物を提供することができる。ラインパターンのエッジ
ラフネスが少ないポジ型レジスト組成物を提供すること
ができる。酸素プラズマエッチング工程での下層へのパ
ターン転写の際に寸法シフトが小さいポジ型レジスト組
成物を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 503 G03F 7/004 503A 7/075 511 7/075 511 H01L 21/027 H01L 21/30 502R Fターム(参考) 2H025 AA03 AB16 AC04 AD03 BE00 BE07 BE10 BG00 CB33 CB34 CB43 CC03 CC04 CC20 FA17 4J002 CP071 EA059 EB029 EB116 ED029 ED038 EE039 EH039 EH048 EH058 EL069 EN007 EP019 ER027 ES006 EU027 EU029 EU047 EU127 EU137 EU147 EU186 EU226 EV209 EV236 EV296 GP03 HA05 4J035 BA12 CA071 CA101 CA182 CA212 CA25M CA25U LB16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(I)で示される構造単位を有する
    酸分解性ポリシロキサンを含有することを特徴とするポ
    ジ型フォトレジスト組成物。 【化1】 1は−A−OCO−、−A−COO−、−A−NHC
    O−、−A−NHCOO−、−A−NHCONH−、−
    A−CONH−、−A−OCONH−、−A−S−から
    選ばれる2価の連結基を表す。Aは単結合、アリーレン
    基、または単環式あるいは有橋式の脂環構造である2価
    の連結基を表す。M1は、メチリディン、3価の単環式
    若しくは有橋式の脂環基、又は3価の芳香環基を表す。
    nは1〜6の整数を表す。Qは、酸で分解してカルボン
    酸を発生する基を表す。R'〜R'''は、それぞれ独立にア
    ルキル基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ
    基、トリアルキルシリル基、トリアルキルシリルオキシ
    基から選ばれる基を示す。
  2. 【請求項2】 前記酸分解性ポリシロキサンが、一般式
    (II)で示される繰り返し構造単位を有することを特徴
    とする請求項1に記載のポジ型フォトレジスト組成物。 【化2】 2は、単結合、−A1−OCO−、−A1−COO−、
    −A1−NHCO−、−A1−NHCOO−、−A1−N
    HCONH−、−A1−CONH−、−A1−OCONH
    −、−A1−S−から選ばれる2価の連結基を表す。A1
    は、単結合であるか、またはアルキレン基、アリーレン
    基を表す。M2は、単結合であるか、単環式あるいは有
    橋式の2価の脂環基又はアリーレン基若しくはアラルキ
    レン基を表す。R'〜R'''は、それぞれ独立に、アルキル
    基、ハロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、ト
    リアルキルシリル基、トリアルキルシリルオキシ基から
    選ばれる基を示す。
  3. 【請求項3】(A)請求項1又は2に記載の酸分解性ポ
    リシロキサンと、(B)活性光線または放射線の照射に
    より分解して酸を発生する化合物と、(C)有機塩基性
    化合物と、(D)界面活性剤と、(E)上記(A)〜
    (D)を溶解させることが可能な有機溶剤と、を含有す
    ることを特徴とするポジ型フォトレジスト組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015118385A (ja) * 2015-01-15 2015-06-25 Jsr株式会社 液浸露光用感放射線性樹脂組成物、硬化パターン形成方法及び硬化パターン

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