JP3969722B2 - カンジダの検出 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、カンジダ感染を診断する方法および手段に関する。特に本発明は、カンジダ感染の高感度かつ迅速な診断法に関する。
発明の背景
カンジダは、口腔または膣の鵞口瘡の最も一般的な原因菌である。しかし、過去数十年間にカンジダは、入院患者の生命を脅かす感染症の主な原因となっている。皮肉なことに、このような「侵襲性」または「全身性」のカンジダ感染の発生率の増加は現代医学においてさらに進んでいる。大きな外傷のある患者、癌患者、外科手術や臓器移植を受けた患者は、生命を脅かすカンジダ感染に脆弱である。米国では現在、カンジダは、病院における血液感染症の一般的な原因の第4位である。
全身性カンジダ感染に関する主な問題は、確定的な臨床徴候または症状がほとんどみられないことである。治療は、確定診断に基づくのではなく、手探り状態で進められることが多い。フルコナゾールなどの抗真菌薬が利用できる状況であっても、高い死亡率(30〜70%)が全身性カンジダ感染に結びつけられている。死亡率の高さは主に、感染の急激な進行と、速やかに進む致死的な転帰に起因する。正確な診断が得られない場合には、カンジダ感染は有効な治療が施せなくなるまで発見されないことが少なくない。このため医師は、カンジダ感染は通常、剖検時に診断されるものと考えている。したがって、カンジダ感染の早期診断を可能とし、適切な治療を実施することで死亡率を低下させるような迅速な診断アッセイ法が必要とされている。
カンジダ感染の診断における主な問題は、カンジダが共生菌であり、体表面または開口部からカンジダが単に単離されただけでは感染の診断が下されないことである。血液または組織深部に由来するカンジダの培養が、未だに全身性カンジダ感染の主流の診断法である。しかし、培養が陽性を示すまでには数日を要し、その時点では感染に対する有効な治療を実施ができない場合がある。また、身体表面部位の汚染が原因で偽陽性の結果が生じる場合がある。全身性カンジダ症であることが剖検で証明される事例の最大50%が、血液培養で陰性を示すこと、そしてこのために診断的価値がないことは、さらに重要である。
組織および器官におけるカンジダ感染の検出には、核磁気共鳴法(NMR)、および放射性同位元素を用いるスキャン法が使用されている。しかし、これらの方法は早期診断には有用でない。
最近、カンジダの代謝産物であるアラビニトールの分析が診断ツールとして提案されている。しかし、アラビニトールはヒトの身体から産生されるので、詳細な臨床試験での診断価値に疑問が投げかけられている。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)も侵襲性カンジダ感染の診断に用いられている。しかしPCRは、カンジダが普遍的に存在する微生物であって、体表面汚染が原因で偽陽性がみられるという、上記と同じ理由で、これ自体がカンジダの有用な診断法として確立していない。
免疫アッセイ法は、多くの種類の感染症の診断の確立された手法である。免疫アッセイ法には迅速であるという利点があり、またアッセイ法の標準フォーマットが存在する。免疫アッセイ法は、カンジダ抗原、またはカンジダ感染に対して反応する宿主抗体のいずれかを検出するように設計することができる。血清または他の体液中のカンジダ抗原の検出を目的とした、いくつかの免疫アッセイ法のキットが市販されている。しかし、このようなアッセイ法は、感度もしくは特異度のいずれか、または両方が十分でない。
免疫アッセイ法は、免疫優位なカンジダ抗原の検出法を元に開発されてきた。カンジダマンナンは免疫原性の高い細胞壁抗原の1つである。しかしカンジダは共生菌なので、大半の人はカンジダマンナンに対する抗体をもち、このため全身性の感染の診断における有用性は制限される。本出願人は今回驚くべきことに、従来のアッセイ法と比べてカンジダ識別力の大きいアッセイ法が、細胞質抗原の検出であることを見出した。この診断アッセイ法の利点は、細胞質抗原に対する抗体が、実際の感染に対する反応によってのみ産生される点にある。本出願人はさらに、細胞質抗原を他の抗原と組み合わせて使用することで、カンジダ感染を強く断定できることを明らかにした。
したがって本発明は、カンジダ感染の診断に通常ついてまわる問題を克服するか、または少なくとも小さくする。
発明の概要
最も一般的な側面において、本明細書に開示された発明は、カンジダ感染の簡便かつ迅速な診断法となる。カンジダ感染の診断法は、感染が疑われる多数の試料のスクリーニングに使用することができる。
したがって1つの局面では、本発明は、以下の段階を含む、カンジダ感染の診断法を提供する:
a)カンジダ感染のリスクのある被験者、またはカンジダ感染が疑われる被験者から生物試料を得る段階;および
b)生物試料中に存在するカンジダ細胞質抗原に対する抗体のレベルを測定する段階。
抗体のレベルは、酵素結合免疫アッセイ法(ELISAまたはEIA)、バイリガンド(biligand)結合法(サンドイッチ法)、蛍光定量アッセイ法、化学発光アッセイ法、免疫クロマトグラフィー、放射免疫拡散法、または放射性免疫アッセイ法(RIA)を含む、免疫学領域での既知の手法で測定することができる。ELISA、免疫クロマトグラフィー、または化学発光アッセイ法は、迅速、高感度、および高特異性であり、また大規模使用のために自動化が容易なことから特に好ましい。これらの方法は定量分析法としても用いられる。
このような診断法では、カンジダが発現する抗原、特に細胞質抗原を用いる。本明細書に記載された、カンジダから単離された抗原は、本発明の診断法のある態様では、不活性表面上に固定化したり、ゲル中に埋込んだりする場合があるほか、抗体に対する色、蛍光、または放射能を呈する分子に結合させる場合がある。
第2の局面では、本発明は、生物試料中のカンジダの細胞質抗原に対する抗体のレベルを測定する段階を含む、カンジダ感染の予後を評価する方法を提供する。
当業者であれば、本明細書に開示された手法が、任意の種類の生物試料に使用できることを理解するであろう。好ましい生物試料は、骨髄、血漿、髄液、リンパ液、および呼吸器、腸管、尿生殖路の皮膚の外部切片、涙液、唾液、乳汁、血液(全血と血清の両方)、血液細胞、腫瘍、ならびに器官からなる群より選択される。最も好ましくは、生物試料は血清である。
本発明の方法で解析可能な生物試料は、スワブやシャントなどによっても得られる。このような生物試料は直接解析することができるほか、例えば濃度またはpHを調整して処理してから検討することができる。
第3の局面では、本発明は、以下の段階を含む、カンジダ抗体の有無を判定する方法をさらに提供する:
a)カンジダ抗体を含む可能性がある生物試料を、単離された細胞質カンジダ抗原に曝露させる段階;および、
b)抗体と抗原の反応を検出する段階。
本発明の特に好ましい態様では、診断アッセイ法は、細胞質抗原と組み合わせて他のカンジダ抗原をさらに用いる。特に細胞壁抗原(マンノースを含む)、および/または精製された免疫優位な抗原(エノラーゼ)を用いる。
したがって本発明の第4の局面では、以下の段階を含む、カンジダ感染の診断法を提供する:
a)カンジダ感染のリスクのある被験者、またはカンジダ感染が疑われる被験者から生物試料を得る段階;および、
b)生物試料中に存在する、カンジダの細胞質抗原に対する抗体のレベルを、細胞壁抗原もしくは免疫優位な抗原(エノラーゼ)のいずれか、またはこの両方に対する抗体レベルの測定と組み合わせて測定する段階。
本発明の診断に用いる試薬および手法は、診断検査室で使用されるキットとして具体化される場合もあるほか、中心となる受け入れ施設における多数の試料の解析を目的として適合させたり自動化したりすることができる。
したがって第5の局面では、本発明は、以下を含む、生物試料中のカンジダ抗体の有無を判定する際に用いられるキットを提供する:
a)生物試料採取装置;
b)細胞質カンジダ抗原;および、
c)試料中における抗原と抗体の反応を検出する手段。
適切な緩衝剤およびイオン塩をキットに含めることもできる。
第6の局面では、本発明は、リポタンパク質をクロロホルム抽出法で除去する段階を含む、細胞質抗原を調製する方法を提供する。
使用する省略形
EDTA:エチレンジアミン四酢酸
EIA:酵素免疫アッセイ法
ELISA:酵素結合免疫吸着アッセイ法
RIA:放射性免疫アッセイ法
BSA:ウシ血清アルブミン
DMSO:ジメチルスルホキシド
β-Me:β-メルカプトエタノール
TMB:3,3',5,5'-テトラメチル-ベンジジン
好ましい態様の詳細な説明
本発明の実施には、特に明記しない限り、当技術分野に含まれる従来の分子生物学、細胞生物学、および免疫アッセイ法の手法を使用する。このような手法は当業者に周知であり、文献で詳しく説明されている。例えばHarlowおよびLane、「Antibodies:A Laboratory Manual」(1988);Maniatis、FritschおよびSambrook、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」(1982);「Animal Cell Culture」(R.I. Freshney編、1986);「Immobilised Cells and Enzymes」(IRL Press、1986);B. Perbal、「A Practical Guide to Molecular Cloning」(1984);Sambrookら、「Molecular Cloning:a Laboratory Manual」(1989)、ならびにAusubel, F.ら、1989〜1999、「Current Protocols in Molecular Biology」(Green Publishing、New York)を参照されたい。
本発明を説明する際に、後述する定義にしたがって以下の用語を用いる。
本明細書で用いる「生物試料」は、骨髄、血漿、血清、髄液、リンパ液、および皮膚、呼吸器、腸管、尿生殖路の外部切片、涙液、唾液、乳汁、血液(全血と抗凝固全血の両方)、血液細胞、腫瘍、器官を含むがこれらに限定されない、個体から単離される組織または体液の試料を意味し、さらに細胞培地で細胞(カンジダ感染細胞、組換え細胞、および細胞成分と想定)を増殖させて得られる、ならし培地を含むがこれらに限定されない、インビボ細胞培養組成物の試料も含む。
「ヒト組織」はヒト細胞の集合体で、細胞塊を含む場合がある。この表現は、ヒト細胞(血液細胞など)、またはヒト細胞系列の懸濁物も含む。
本明細書の目的上、「〜を含む(comprising)」という表現が「〜を含むがこれらに限定されない(including but not limited to)」ことを意味し、また「〜を含む(comprise)」という表現が、対応する意味をもつことが明瞭に理解される。
いくつかの先行技術に関する出版物が本明細書で参照されるが、これは、該当する任意の文書が、オーストラリアや他の任意の国々において、当技術分野における共通の一般的な知識の一部を形成すると認められていることを意味しないと明らかに理解される。
当業者は、多種多様な免疫アッセイ法が本発明で使用可能なことを理解するであろう。例えば、本明細書で開示されるカンジダ抗原は、抗体捕捉アッセイ法、抗原捕捉アッセイ法(抗体/抗原複合体は「特別な」クラスの抗原を形成する)、または2抗体サンドイッチアッセイ法に使用することができる。
抗原の調製に使用される手法
本明細書で用いる「カンジダ抗原」という表現は、本発明で使用される異なる3種類のタイプのカンジダ抗原の任意の1つ、例えば細胞壁抗原(マンノースを含む)、総細胞質抗原(マンノースを含まない)、または精製された免疫優位な抗原(エノラーゼ)を意味する。「カンジダ抗原」という表現は、全3種類の抗原が関与するか、または使用される場合があることを意味する。カンジダ抗原は、生化学的抽出法、カラムクロマトグラフィー、ゲル分画、遺伝子クローニング、ディファレンシャル沈殿法(differential precipitation)、濾過、透析、または遠心法を含むいくつかの手法で調製することができる。しかし、好ましい手法は本明細書に開示された手法である。簡単に説明すると、この手法では、カンジダ細胞を機械的、化学的、または酵素学的溶解を含み、その後不可溶性の細胞壁を可溶性の細胞質画分から、遠心、濾過、および透析によって分離する。細胞壁画分を化学的に処理して細胞壁抗原を解離させた後、遠心および透析、可溶性細胞質細胞抽出物の濾過および有機抽出、ConAアフィニティクロマトグラフィーによるマンノタンパク質の分離、陰イオンおよび陽イオンアフィニティクロマトグラフィーによる、可溶性細胞質抽出物から免疫優位なエノラーゼ抗原の精製を行う。他の手法、または上記手法の修正もしくは変更が、本発明の精神に反する影響を及ぼすことなくなされる場合があることは、当業者に理解されるであろう。
抗体の調製および標識に使用される手法
本明細書に記載されたカンジダ抗原に対する抗血清は、ウサギまたはヒツジなどの宿主動物を用いて作ることができる。抗体を含む血清画分は、標準的な手法で単離することができる。これらの抗血清は、後述する本発明の複数の態様で使用することができるほか、より感度の高い、また特異度の高い抗体を、血清を電気泳動や高速遠心などでさらに精製することで得られる。最終的に、大量の高特異性のモノクローナル抗体を、当業者に周知の方法によるハイブリッド-ミエローマ法で作製することができる。
本発明のある態様では、セルロース、アガロース、セファデックス、もしくはガラスビーズ、または後の反応に干渉しない他の類似の不活性表面(金属、プラスチック、またはセラミックなど)上に固定されたカンジダ抗原に対する抗体を用いる。吸着、Br-CN活性化、または当技術分野で周知の他の手法で抗体を固定することができる。
本発明の他の態様では、(発色性が高い)発色性分子である、エンゾクロミック(enzochromic)分子(試薬を添加すると発色する酵素)、フルオロクロミック(fluorochromic)(蛍光)分子、またはルミノジェニック(luminogenic)(発光)分子を結合させたカンジダ抗原に対する抗体を用いる。
このような酵素の抗体との接合体は、当技術分野で周知の手法で作製される(参考文献として、Avrameas, S.およびUriel, J.、「Comptes Rendus Hebdomadaires des Seances de l'Academie des Sciences」、第262巻、p.2543、(1966);Nakane, P.K.およびPierce, G.B.、「Journal of Histochemistry and Cytochemistry」、第14巻、p.929、(1966);Nakane, P.K.、「Methods in Enzymology」、第37巻、p.133、(1975)を参照されたい)。
使用可能な発色性分子には2,3-ジニトロベンゼン(DNB)塩、ジニトロフェノール(DNP)、ならびにメチルオレンジおよびブチルオレンジがある。他の適切な発色剤は当技術分野で周知である。抗体に結合させることが可能なエンゾクロミック分子は、適切な試薬と反応して発色する酵素である。例として、ニトロフェニルリン酸(NPP)と反応して発色するアルカリホスファターゼ(ALP)、グルコースおよびD-ガラクトピラノシドと反応して発色するグルコースオキシダーゼなどがある。以上の例および他の例は当技術分野で周知である。蛍光発生剤の例には、2,4-ジニトロフルオロベンゼン、および「ピプシル(pipsyl)」誘導体がある。ルミノジェニック分子は、Branchiniらの方法(Biochem. Biophys. Res. Commun. 97、334 [1980])で抗体に結合可能である。以下、本明細書で用いる「発色性(chromophoric)」という表現は、「エンゾクロミック」分子、「フルオロクロミック」分子、および「ルミノジェニック」分子を含むことを意図する。
本発明のある態様では、放射性元素で標識したカンジダ抗体も使用する。クロラミン-T法で結合させるI125が一般的な例であるが、当技術分野で周知の他の方法を用いることもできる。
抗原の固定法および標識法
抗原分子は、共有結合カップリング、直接吸着、物理的トラップ(physical entrapment)、およびタンパク質コーティング表面への結合を含む、当技術分野で周知のさまざまな方法で固形担体上に固定化することができる。このような方法を説明した参考文献として、Silman, I.H.およびKatchalski, E.、「Annual Review of Biochemistry」、第35巻、p.873 (1966);Melrose, G.J.H.、「Review of Pure and Applied Chemistry」、第21巻、p.83、(1971);ならびにCuatrecasas, P.およびAnfinsen, C.B.、「Methods in Enzymology」、第22巻(1971)を参照されたい。
Laiら(ドイツ公開広報第2,539,657号、米国特許第4,066,512号)では、タンパク質コーティング表面への結合法について開示されている。この方法では、細孔性膜の内表面および外表面を最初にゼイン、コラーゲン、フィブリノーゲン、ケラチン、グルテリン、ポリイソロイシン、ポリトリプトファン、ポリフェニルアラニン、ポリチロシン、またはロイシンとp-アミノフェニルアラニンの共重合体などの水に不溶性のタンパク質でコーティングする。このようなコーティングを行うことで、膜は、酵素、抗原、および抗体を含む、さまざまな生物学的に活性のあるタンパク質を固定できるようになる。細孔性構造は、総容積の50%を上回る構造が、25ナノメートル〜25マイクロメートル、好ましくは25ナノメートル〜14マイクロメートルの孔の状態であると定義される。25ナノメートル〜5マイクロメートルの範囲の大きさの孔を、本明細書に記載された多くの応用で用いる。コーティングされていない細孔性膜は、体積の70〜75%が空隙である。このような孔が存在することで、膜内を液体が流れることが可能となる。例えばゼインでコーティングすると空隙は5〜10%減少する。この結果、構造は、空隙として高い割合の体積を有し、孔中を液体が流れることが可能になるという本質的な性質が残る。このような構造では、孔中に含まれる任意の溶液と接触する表面積が大きい。
固定された抗原または抗体を有する、このようなコーティングされた膜は、固定された抗原または抗体に対する、緻密で扱いやすい担体となる。このような全体構造をとることで、結合状態の成分を、非結合状態の成分から単純な機械的な手法で除去することが可能となる。
非特異的な結合は、免疫化学的に中性のタンパク質をフィルターに固定する第2の固定段階を加えることで最小化することができる。したがって固定は、本発明の好ましい態様では2段階で進む。第1段階では、所望の免疫化学的成分を固定し、第2段階では、第1段階の完了後に、ウシ胎児血清やウシガンマグロブリンなどの免疫化学的に中性のタンパク質を続けて固定する。「免疫化学的に中性」という表現は、アッセイ法の特定の成分に関して定義される。アッセイ法の成分、または試薬の1種と免疫化学的に結合しない任意のタンパク質は、このようなタンパク質が別の系で免疫化学的に反応する場合であっても、免疫化学的に中性であるとみなされる。
検出対象物質が抗体の場合、接合体の免疫化学的に反応する部分は、検討対象の抗体と免疫化学的に結合する能力を有する抗体でなければならない。このような抗体は、検討対象抗体の由来する動物の血清の抗体すなわち免疫グロブリン画分で動物を免疫化することで得られる。例えば、検討対象の抗体がヒト抗体の場合、ヒト抗体に対するヤギ抗体をヒト免疫グロブリン(抗体)で免疫化したヤギの血清から得る。このような酵素部分は、当業者に任意の方法で検出可能で、また抗体を結合した後に活性を保持する、反応を触媒する能力を有する任意の酵素の場合がある。広範囲の応用に便利で適していることから、西洋ワサビペルオキシダーゼが好ましい。この酵素が、過酸化水素の存在下で、さまざまな有機化合物の酸化を触媒することはよく知られている。このような多くの有機基質は色を発する(酸化されて色が変化する)。
本発明では、接合体の形成に使用される酵素調製物の純度が、非特異的な結合の規模に影響することがわかっている。酵素調製物の純度が高くなるほど、非特異的な結合は少なくなる。部分的には、この低下は、必要な接合体タンパク質の総量が、酵素の特異的な結合の増大に伴って減少するために生じる。したがって、非特異的な結合が起こる機会も減少する。好ましい態様では、高度に精製されたペルオキシダーゼ調製物の使用は、対照試料で観察される発色反応量を、既知の陽性試料と比較して有意に減少させることがわかっている。
カンジダ抗体の検出法
抗体捕捉法
本明細書に開示された手法で調製したカンジダ抗原を、好ましくはPVC、紙、または類似の水分吸収性マットなどの不活性表面上に固定する。固定したカンジダ抗原を次に、カンジダ抗体を含むことが疑われる試料に接触させる。血液または尿などの水性試料の場合、この溶液に緩衝作用をもたせ、またイオン塩を、カンジダ抗体-カンジダ抗原の相互作用に最適な濃度で存在させることができる。例えばTRISまたはホウ酸緩衝リン酸(pH=7.5〜9.0、イオン強度=約0.010〜0.5)が適切な緩衝剤およびイオン塩である。次に、カンジダ抗原、またはカンジダ抗原-カンジダ抗体複合体が存在する不活性表面を、発色性分子を結合させたカンジダ抗原に対する抗体に接触させる。カンジダ抗原は好ましくは、pHが約7.5〜9.0でイオン濃度が約0.01 M〜約0.1 M NaClに相当する緩衝液中に溶解させる。水、またはTween 20などの適切な界面活性剤で慎重に洗浄して過剰な発色性抗体を除去した後に、不活性表面を対象に、色、蛍光、または発光を直接、または発色剤の添加後に調べる。不活性表面の発色は、固定されたカンジダ抗原-カンジダ抗体複合体の溶液中での相互作用を示す。色を比較するために、対照を処理するとよい。
この手法は、放射性元素の標識をつけたカンジダ抗原を用いることで、および溶液中における活性の消失、または固相支持体上における放射能の再取り込みのいずれかを観察することで、臨床使用に応用することができる。この態様は高感度かつ迅速で、多数の試料を扱う際に適している。
酵素結合免疫アッセイ法(ELISA)
カンジダ抗原とカンジダ抗体間の反応に適した発色用試薬、ならびに緩衝液、およびイオン塩によって発色する酵素を結合させたカンジダ抗体を含む溶液を、好ましくはPVC、紙片、またはガラスビーズなどの不活性表面上に固定されたカンジダ抗原に接触させることで反応させる。エンゾクロミック接合体であるカンジダ抗原の量は、固定された抗体上の反応部位の約50%を十分飽和させるものとする。抗体-カンジダ抗原酵素複合体が存在する不活性表面を、カンジダを含むことが疑われる、緩衝作用をもつ試料に接触させる(同試料は未知量のカンジダ抗体を含む)。発色用試薬の添加後に、結果として得られた、紙片上に固定された抗体-カンジダ抗原-酵素複合体の色を、カンジダ抗体を含む試料で処理していない対照紙片と比較して観察する。試料で処理した不活性表面の色が褪せていれば、未知試料中にカンジダ抗体が存在することがわかる。
本発明の方法は、試料および固定された状態の酵素を、好ましくは、遠心して分光光度計で発色を観察可能な試験管内で接触させることで臨床使用に応用することができる。この態様は、極めて高感度かつ迅速である。
放射免疫拡散法-沈殿反応
カンジダ抗原の1種を、寒天またはアガロースなどの軟化ゼラチン状培地中に、抗原-抗体相互作用を最適なものとするためにpHを約6.0〜9.0、およびイオン強度を約0.01 M〜0.5 Mに維持するための緩衝剤および塩類とともに懸濁する。米国特許第4,259,207号に記載された懸濁用培地は適切な例である。この混合物を試験プレート上に広げて固めるか、または好ましくはオクトロニー(Octolony)プレートなどの円盤型容器に注入する。少量の試料を、凝固したゲル上、好ましくは中央のウェルに配し、プレートまたはディスクを、好ましくは密封した状態で数時間静置する。周辺領域への試料の拡散は、この期間に生じる。カンジダ抗体が存在する場合、同抗体は、埋込まれた状態のカンジダ抗原と反応し、不透明な領域が、試料をアプライした点の周辺に放射状に現れる。比較目的で対照を処理することができる。試料中のカンジダ抗体量の検量線は、望ましい場合、温度、時間、および試料の大きさを調節し、結果として得られる放射状領域を既知濃度の1つと比較することで得られる。
放射性免疫アッセイ法
本発明のカンジダ抗原を、分離用カラム中でガラスビーズなどの不活性表面上に固定する。カンジダ抗原の一部に、放射性元素(好ましくはI125)を結合させて、結合部位の50%を飽和させるために十分な量の、固定された状態のカンジダ抗原と反応させる。固定された状態のカンジダ抗原-酵素複合体を、カンジダ抗体を含むことが疑われる試料に接触させる(同試料は、カンジダ抗原-抗体複合体の形成に最適な反応条件とするためにpH 6〜9で、総イオン塩が約0.05〜0.5 Mとなるように緩衝されている)。カンジダ抗体を抗原から溶離し、溶離液の放射能を測定する。対照と比較して活性が失われていれば、試料中にカンジダ抗体が存在することがわかる。
赤血球凝集
カンジダ抗体の存在は、感作剤として使用する抗体に対するカンジダ抗原を用いる標準的な赤血球凝集法で調べることができる。
発色用試薬を用いる、カンジダ抗体のアッセイ法に関して既に述べた方法は、具体的には、熟練者がおらず、また高性能の装置が使用できない状況において用いられることが理解される。しかし、このような方法は、多数の試料が発色性結合分子を放射性元素に置換することで調べられる臨床現場で使用する際に応用することができる。
「色」という表現は、電磁スペクトルの狭い可視領域に制限される表現とは解釈されず、分光光度計などの標準的なスペクトル測定装置、ならびに紫外光および赤外光の両方を対象とする、吸収および放出を測定する比色計によって測定可能な波長を含むことを意味することも理解される。
本発明の方法が生物学的流体そのものに応用されることが対象となるが、方法の感度および特異度は、好ましくは、カンジダ選択性培地上で試験前に流体を培養することで改善可能である。
感度は、等張液などの溶解剤、音波、またはリゾチームなどでカンジダ抗体を細胞外環境に放出し生物試料を事前処理して改善することもできる。例えば米国特許第4,166,765号では、細菌を含む生物試料の適切な溶解手順について開示されている。溶解剤は、後の酵素活性に干渉しない任意のものを用いることができる。
キットの状態で実施されるアッセイ法
本発明の診断法および手段は、自宅でカンジダの自己診断を行う場合に使用されるキットとして具体化される場合がある。
このキットは、試料採取手段、カンジダ抗体に対するカンジダ抗原、および試料とカンジダ抗原の反応を検出する手段を含む。
臨床応用に適合する態様では、産物と反応物間における大きさおよび電荷分布の両方の差を利用する、等電点電気泳動またはゾーン電気泳動などの電気泳動による分離法を、反応物から産物を分離するために同様に使用することができる。電気泳動で分離された産物は、標準と比較して特徴的な位置を元に検出することができるほか、色を指標として、または免疫化学的に同定することができる。荷電性表面をもつ樹脂ビーズを用いて産物と反応物を分離することもできる。
本発明の好ましい態様において、免疫アッセイ法の反応を検出する手段は、抗体に対するカンジダ抗原を再懸濁するゼラチン状培地である。ゼラチン状培地は、透明なガラス容器またはプラスチック容器内に収納され、カンジダ抗原-抗体複合体の形成に最適な条件とするための緩衝剤およびイオン塩を含む。反応は、試料をアプライした中心から放射状に拡がる透明な領域として認められる。
免疫アッセイ法を含む、別の好ましい態様で反応を検出する手段は、緩衝剤およびイオン塩を含む密封した無菌状態のパケット内で、発色団を結合させたカンジダ抗体に対するカンジダ抗原である。アッセイ法を行う際には、パケットの内容物を、キットに含まれる、印のついた試験管内において水で希釈する。この態様には、不活性表面に固定されたカンジダ抗体に対する抗原も含まれる。アッセイ法を行う際には、カンジダ抗原が固定された不活性表面に試料を接触させた後に、発色団を結合させたカンジダ抗IgA抗体、タンパク質A、またはタンパク質Gを含む溶液を接触させる。不活性表面について、カンジダの存在を示す色を調べる。
特に好ましい態様では、本発明のキットは、免疫クロマトグラフィーによるテストストリップ装置の状態で提供される。免疫クロマトグラフィーによるテストストリップ装置の開発および製造に大きな価値があると考えられる、いくつかの手法、フォーマット、試薬、および材料を対象とする多くの特許が存在する(例えば、米国特許第5,075,078号、国際特許出願第95/16207号、米国特許第5,654,162号、および欧州特許第0810436A1号)。これらの特許で開示された装置で行われるアッセイ法は本質的に変わらない。分析物に特異的なリガンド(通常は抗体[Ab]であるが、必ずしも抗体である必要はない)をニトロセルロースなどの膜に固定する。検出用試薬、典型的にはラテックスまたはコロイド状金属を結合させた抗体を、接合体パッド内に沈着させる(しかし未結合状態を維持する)。試料(尿、血漿、全血など)を試料パッドに添加する際は、接合体パッドを速やかに湿らせ、検出用試薬を溶解する。検出用試薬は、試料の流れとともに、膜ストリップの先端方向に動き始める。試料中に存在する分析物は、検出用試薬を結合させた抗体に結合することになる。捕捉用試薬が固定されている領域を試料が通り過ぎると、分析物検出用試薬の複合体が捕捉される。色は、試料中に存在する分析物の量に比例して現れる。
本発明の場合、上記の原理は変わらないが、分析物そのものを検出するのではなく、免疫クロマトグラフィーによるテストストリップ装置で抗体を検出する。このような状況では、抗体ではなく、本明細書に記載された抗原が、膜上、試料パッド、試薬パッド、および他の多孔質媒体に固定される。このような装置の開発に関しては、抗原-抗体をニトロセルロースなどに結合させる方法や、結合状態の材料を検出する方法などの多くの情報がある。これについては例えば、参照として全体が本明細書に組み入れられる、Towbinら、1979、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 76:4350を参照されたい。
本発明を、現時点で好ましい態様に関して説明したが、本発明の精神から逸脱することなく、さまざまな修正がなされる場合があると理解すべきである。また以下の実施例は、説明目的でのみ提供され、本発明をいかなる意味においても制限することを意図しない。本明細書に引用されるすべての特許および参考文献は特に組み入れられる。
実施例1
カンジダ抗原の調製
以下の3種類のカンジダ抗原を調製した:
1)細胞壁抗原(マンノースを含む);
2)総細胞質抗原(マンノースを含まない);および
3)精製された免疫優位な抗原(エノラーゼ)。
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)の臨床分離菌を、膣に鵞口瘡のある患者から得た。カンジダ種の確認は、API 20C Auxonagramストリップ(API System S.A.、France)を用いて行った。カンジダ・アルビカンスの単離菌をKEMH5と命名した。
200 mlのYEPD培地(1% 酵母エキス、2% ペプトン、2% D-グルコース)に単離菌をスターター培養として植菌し、24時間30℃で空気を送り込みながらインキュベートした。次にスターター培養を、23 LのBio-Flo Fermenter IV System(New Brunswick Scientific、Edison、NJ)中で同様の条件でインキュベートした10 LのYEPD培地に植菌した。
カンジダ培養物をBio-Flo発酵槽システムから回収し、Pellicon濾過カセット(Millipore、USA)を用いて培地から分離した。濃縮された細胞を、500 mlの遠心用フラスコ内で4℃で15分間、1,660×gで遠心して残存性培地から分離した。上清を捨て、ペレット状の細胞をタンパク質抽出用緩衝液(20 mM bis-Tris、pH 6.5)に再懸濁した。次に酵母細胞を上記の手順で遠心し、再懸濁し、後の処理用にプールした。
カンジダ細胞を、Dynomill(登録商標)(WAB、Switzerland)を用いて機械的に破壊した。摩砕は、99%の細胞が破壊されるまで続けた。溶解したカンジダ細胞抽出物を回収し、50 mlの遠心管に分注した。この抽出物を12時間、8,517×g、4℃で遠心し、不溶性の細胞壁を沈殿させた。可溶性の細胞質抗原画分を含む上清を回収し、0.45 μmのフィルターを通した。
次に濾液を、等容積の凍結クロロホルムで抽出した。4℃で15分間、1,036×gで遠心した後に、上方の水層を吸引し、透析チューブに移した。可溶性細胞質タンパク質画分を、カラム結合用緩衝液(20 mM Tris/HCl、pH 7.4、0.5 M NaCl、1 mM MnCl2.4H2O、1 mM CaCl2)中で12時間かけて透析し、クロマトグラフィーに用いた。
可溶性細胞質抗原画分から、混入している可溶性細胞壁マンノタンパク質をCon A-Sepharoseクロマトグラフィーで除いた。透析後の細胞質抗原画分を0.45 μmのフィルターで濾過した。50 mlの透析抽出物を、結合用緩衝液で平衡化したCon A-Sepharoseカラム(2.6×12.5 cm)に流速4 ml/分でアプライした。未結合状態のフロースルー画分(非グリコシル化タンパク質)を回収した。結合状態のマンノタンパク質を、結合用緩衝液に溶解した0.5 Mのα-メチルマンノシドで溶出した。この段階を実施してから次の処理を行い、カラムを清浄化して保存した。
この可溶性細胞質抗原画分を、20 mM Tris.Cl、pH 7.4を用いて一晩透析した。溶液中のタンパク質量の推定をBio-Rad(登録商標)(Bradford)マイクロアッセイ法により、製造業者の指示書通りに行った。細胞質抗原抽出物の一部をSDS-PAGEで解析した。
図1に示すように、大きさが約20 kDa〜最大約60 kDaの、いくつかの主要タンパク質のバンドが現れた。主要染色バンドは55 kDaに現れ、4本のバンドが35〜45 kDa領域、30 kDa、および20 kDaに現れた。これは、有機抽出およびCon A-Sepharoseクロマトグラフィーに先立つ、元の粗溶解物でみられる多数のクーマシーブルー染色バンドと極めて対照的であった。
エノラーゼ抗原の精製は、可溶性カンジダ細胞質抗原と同様に実施した。ただしCon A-Sepharoseクロマトグラフィーは実施しなかった。代わりに、透析、および0.20 μmのシリンジフィルター(セルロースアセテート)を用いた濾過の後に、濾過抽出物をPharmacia Biotech Source 15Q四級アンモニウム陰イオン交換体(Pharmacia LKB、Uppsala、Sweden)を充填したPharmacia Biotech XK 50/20クロマトグラフィーカラムにアプライした。このカラムを、カラム結合用緩衝液「A」(20 mM bis-Tris、pH 6.5)で平衡化してからクロマトグラフィーを行った。粗抽出物を対象とした陰イオン交換クロマトグラフィーは、Bio-Rad(登録商標)Econo(登録商標)システム(Bio-Rad Laboratories、USA)を用いて制御して記録した。結合状態のタンパク質を、緩衝液「B」(緩衝液「A」を溶媒とする1 M NaCl、pH 6.5)の塩勾配を利用してカラムから溶出した。回収した分画後のタンパク質を酵素活性アッセイ法で解析した。
活性酵素エノラーゼは、D(+)2-ホスホグリセリン酸(PGA)をホスホエノールピルビン酸(PEP)に加水分解する。PEPの産生は、分光光度計で240 nmの波長でモニタリングすることができる。20 μlのタンパク質溶液を、1 mlのエノラーゼ基質溶液(50 mM Tris-HCl pH 7.4、2.7 mM 酢酸マグネシウム、1.0 mM EDTA、1.2 mM D(+)2-ホスホグリセリン酸)と石英キュベット内で混合し、吸光度の変化を1分間隔で記録した。比活性は、1 mgのタンパク質あたり1 μmolのPGAが、PEPに1分間に変換される割合と定義した。溶液中のタンパク質量の推定は、Bio-Rad(登録商標)(Bradford)マイクロアッセイ法で行った。
エノラーゼ活性を含む溶出物画分を選択し、12時間かけて25℃でhpH2O中で透析を行った。透析後の画分を回収し、0.20 μmのシリンジフィルターで濾過した。濾液を、真空下で5時間かけて蒸発させて10倍に濃縮した。濃縮後の試料を、結合用緩衝液「A」(10 mM 酢酸ナトリウム、pH 4.7)で透析した直後に、メチルスルホン酸陽イオン交換体(Pharmacia LKB、Uppsala、Sweden)を充填したPharmacia Biotech Mono S HR10/10クロマトグラフィーカラムにアプライした。陽イオン交換クロマトグラフィーをBio-Rad(登録商標)Biologicシステムで行った。結合状態のタンパク質画分を、緩衝液「B」(緩衝液「A」、pH 4.7を溶媒とする1 M NaCl)の塩勾配を利用してカラムから溶出した。エノラーゼ活性を含む画分を、上記の酵素活性アッセイ法で同定した。
図2は、エノラーゼ抗原の推定サイズに相当する、クーマシーブルー染色で得られた48 kDaの1本のバンドを示す。解糖系酵素エノラーゼとして同定された48 kDaの抗原は、エノラーゼ活性アッセイ法で確認した。
細胞壁抗原の精製は以下の手順で行った。沈殿した不溶性細胞壁を上述の手順で遠心して回収した。細胞壁をhpH2Oで洗浄した後に、6,000 rpmで遠心して回収した。この段階を3回、または上清が清澄になるまで繰り返し行った。この操作を行うことで、残存する任意の可溶性細胞質抗原が、細胞壁調製物から除去された。次に、洗浄後の細胞壁ペレットを、1% v/v β-Meを含む10 mM リン酸緩衝液(pH 7.4)に再懸濁し、シェーカー内で37℃で30分間インキュベートして細胞壁抗原を可溶化した。この試料を次に8,000 rpmで5分間遠心し、ペレットを廃棄した。上清を新しいチューブに移して再び遠心した(8,000 rpmで5分間)。次に、可溶化した細胞壁抗原を含む上清を、hpH2O中で4℃で48時間(水を4回交換)、または匂いがしなくなるまで透析を行った。透析後に、試料を8,000 rpmで5分間、3回遠心して、残存する粒子状物質を除去した。
清澄化した後に、細胞壁抗原調製物をSDS-PAGEで解析した。結果として得られた、クーマシーブルーで染色したゲルを図3に示す。幅広く染色されたスミアが90 kDa〜200 kDaの領域にみられる。タンパク質の明瞭なバンドがみられないことはマンノタンパク質に典型的であり、タンパク質ベースに付加されたマンノース基の数に差があることから、さまざまな分子量を示す。
実施例2
酵素結合免疫吸着アッセイ法(ELISA)
血清パネルを1998〜2000年にさまざまなカンジダ感染患者から採取した。陰性対照(対照)の血清(n=20)は、赤十字血液バンク(Perth、Australia)から、また19〜25歳の健康男性集団から得た。再発性の外陰膣カンジダ症(VVC)患者の血清(n=13)は、King Edward Memorial Hospital(Perth、Australia)から得た。口腔カンジダ症患者の血清(n=108)は、Clinipath Ltd、およびUWA Dental School(Perth、Australia)から得た。全身性カンジダ症患者(n=28)の血清(n=39)は、Princess Margaret Hospital(Perth、Australia)、およびPrince of Wales Hospital(Sydney、Australia)から得た。
口腔および膣のカンジダ感染症の患者の場合、感染の確認は理学的検査、および関連身体部位に由来するカンジダ菌の培養により行った。全身性感染の患者の場合、感染の確認は、陽性血液培養または生検によって行った。いずれの場合も、患者の免疫状態は不明であった。
表在性カンジダ症または全身性カンジダ症の患者の血清のスクリーニングを、カンジダ細胞質抗原でコーティングしたトレイを用いたELISAで行った。各抗原調製物のタンパク質の量は、BSAを標準として市販のアッセイ法(BioRad)で決定した。一連のELISAを実施して、各抗原の最適なコーティング濃度を決定した(データ非提示)。最適なコーティング濃度は、陽性と陰性の対照血清を最も良く識別可能とする濃度とした。各抗原の最適コーティング濃度を2 μg/mlと決定した。
96ウェルのC8ストリップマイクロタイタープレート(Greiner GmbH、Germany)を、カンジダの細胞壁抗原、細胞質抗原、または精製されたエノラーゼ抗原のいずれかを用いて、実施例1で調製したようにコーティングした。抗原の50 μlの2.0 μg/ml溶液を、コーティング用緩衝液(0.1 M NaHCO3、pH 9.3)で希釈し、各ウェルに添加した。このプレートを4℃で12時間インキュベートした後に、室温になるまで放置した。プレートが室温と同じになったら、コーティング用溶液をデカントで廃棄し、プレートを軽く叩いて乾燥させた。プレートをペーパータオル上に逆さにして水分を除いた。あるいは過剰なコーティング用溶液は、自動プレート洗浄機(Dynatech Laboratories、Chantilly VA、USA)で吸引した。この段階でプレートを洗浄しないことが重要であった。
300 μlのブロッキング溶液(PBS、pH 7.3、2%(w/v)BSA(ICN、Australia)、0.01% (w/v) Tween 20)を各ウェルにアプライし、25℃で90分間インキュベートした。ブロッキング溶液をデカントで廃棄し、プレートを軽く叩いて乾燥させた。プレートをペーパータオル上に逆さにして、軽く少し叩いて乾燥させた。この段階でプレートを直ちに使用するか、または乾燥させて保存した。乾燥させるプレートを、シリカゲル乾燥剤の袋とともに、プラスチック製の食品用容器などの密封可能な容器内に逆さにして48時間静置した。6枚のコーティング済みのELISAマイクロウェルトレイの乾燥には、約20包の小さな乾燥剤の袋の使用が適切であった。乾燥後のプレートを、熱でシールしたパケット内に1包みの乾燥剤の袋とともに密封してラベルを貼り付けた。プレートは必要になるまで4℃で保存した。プレートを含むパケットを室温になるまで放置してから開封した。
ブロッキング溶液で100分の1に希釈したヒト検査用血清を、50 μlのアリコートとなるようにウェル中に分注し、37℃で30分間インキュベートした。一次抗体溶液を吸引し、ウェルをPBS-Tween 20で6回洗浄した。このプレートをペーパータオル上に逆さにして、10分間かけて水分を除いた。次にプレートを軽く叩いて乾燥させた。
ブロッキング溶液で1/10,000に希釈した、100 μlの西洋ワサビペルオキシダーゼ抗ヒトIgG接合体を各ウェルに分注した。二次抗体溶液を37℃で30分間インキュベートした。二次抗体溶液を吸引し、ウェルをPBS-Tween 20で6回洗浄した。プレートをペーパータオル上に逆さにして10分間かけて水分を除いた後に、軽く叩いて乾燥させた。プレートをペーパータオル上に少しの間逆さにし、5分間かけて水分を除いた。次にプレートを軽く叩いて乾燥させた。残存する接合体が結果の差を生じる主な因子となるので、微量の二次接合体溶液がすべて確実に除去されるように特に注意を払った(Dynatech Laboratories Inc、USA)。
100 μlのTMB液体基質溶液を各ウェルに分注し、25℃で10分間かけて反応させた。反応は、100 μlの1 M リン酸、または1 M H2SO4を添加して終了させた。各ウェルの吸光度を、MRX自動プレートリーダーで450 nmで測定した(参考波長620 nm)。
個々の免疫アッセイ法を3回実施して吸光度の平均値を得た。吸光度は図4に散布図で示す。3群のカンジダ感染患者集団を解析した。第1の集団は全身性カンジダ症患者(全身性)で構成され、第2の集団は口腔カンジダ症患者(口腔)で構成され、また第3の集団は外陰膣カンジダ症患者(VVC)で構成される。検出されないカンジダ感染、または無症状性カンジダ感染のリスクが低い19〜25歳の男性集団に由来する血液バンクの血清(対照)を対照として用いた。カットオフ吸光度(OD450=0.22)は、陰性対照血清の平均値とした。これらのデータから、細胞質抗原を対象としたELISAの感度が89%で特異度が95%であることがわかった。これは、他のカンジダ血清学的検査で報告された値よりも高い(Zollerら、1991、J. Clin. Micro. 29:1860〜1867)。
カンジダを対象としたELISAの感度をさらに高めるために複数の抗原を用いた。具体的には、細胞壁、細胞質、および天然のエノラーゼ(上述)を用いた。
複数の抗原を使用することで、カンジダを対象としたELISAの感度が上昇した。表在性感染と全身性感染との間の識別もより明瞭になった。6つの陰性対照血清(19〜25歳の健康男性集団から得られた血清)を3種類のカンジダ抗原で個別にコーティングしたマイクロタイタートレイのウェルを使用するELISAに用いた。各血清について、それぞれ3種類の抗原に対する抗体価は、カットオフラインに満たなかった(図5)。このラインは、対照患者の血清とカンジダ症患者の血清の平均抗体価の比較を元に割り当てられたカットオフ値である。グラフのy軸にプロットした値は、検査対象の血清の吸光度をカットオフ吸光度で割った比である。
次に、6人の表在性カンジダ症患者から得た血清をELISAで反応させた。この場合も、各血清の吸光度をカットオフ吸光度で割った(図6)。表在性カンジダ症患者の血清の特徴的な抗体反応は、細胞壁抗原調製物に対する高い力価であった(カットオフ値の1.5〜2倍)。完全な細胞質抗原調製物に対する抗体反応性は多くの場合に陽性であった(カットオフ値の1〜1.5倍)。これに対して、エノラーゼ抗原に対する抗体価は、カットオフ値に満たないか同等であった。内部カンジダ抗原(細胞質およびエノラーゼ)に対する抗体価と、表在性感染の重症度との間には相関がみられる(データ非提示)。しかし、解析した6人の患者の感染の重症度は不明であった。
全身性カンジダ症患者(血液培養陽性で確認)から採取した6つの血清をELISAで解析した。結果を図7に示す。全身性カンジダ症患者の場合、細胞壁抗原調製物に対する抗体反応は陽性であった(カットオフ値の1.5〜2倍)。また内部カンジダ抗原(細胞質およびエノラーゼ)に対する抗体価も陽性であった(カットオフ値の1.5〜2.5倍)。
結論
本明細書で開示した、カンジダマンナンを含まない細胞質抗原調製物を用いて、カンジダ感染患者を同定することができる。同抗原でコーティングしたマイクロタイタートレイを用いるELISAの感度および特異度は、他のカンジダ診断検査で得られる感度および特異度より大きい。また本明細書で開示されたELISAアッセイ法のフォーマットは実施しやすく、他の利用可能なカンジダ診断アッセイ法で用いられるフォーマットより確実かつ迅速である。ELISAフォーマットには、定量が可能であるという利点もある。この利点により、記録対象のカンジダ抗原に対する抗体反応の時間および力価の変化に関して患者のモニタリングが可能となる。本発明の試験法が、カンジダ抗原に対する抗体価を時間的にモニタリング可能だという点は、抗真菌薬に対する患者の反応の測定に関して、また患者の総生存率の予測に関して予後予測価値がある。細胞質抗原調製物を用いることの別の利点は、抗原を産生するように開発された方法が、他の利用可能な手順と比べて単純で迅速な点である(例えば、上記のZollerら、1991に記載された手順と比較されたい)。
実施例3
フランスにおける臨床評価
実施例1および2に記載された、3種抗原検査キットの臨床評価が、グルノーブル大学医学部寄生虫学科および医科菌類学科(グルノーブル、フランス)において保存血清を用いて実施された。
血液培養陽性を示した集団と、血液培養陰性を示した集団の2つの患者集団の血清が解析された。可能であれば、血液培養が陽性を示す初日の時点の前に、または後に採取された血清が採取された。血液培養陰性集団は3つの下位集団(カンジダのコロニーを形成して血清学的検査で陽性を示した患者集団、カンジダのコロニーを形成して血清学的検査で陰性を示した患者集団、およびカンジダのコロニーを形成せず血清学的検査で陰性を示した患者集団)に分けられた。血清は、1998〜2000年に入院していた患者から得られた。
3種抗原ELIZA検査(「本出願人による抗原検査法」)が、実施例2の手順にしたがって実施された。カットオフ標準血清は、カンジダ感染歴のない19〜25歳の男性集団から採取された血清をプールすることで得られた。
表1に、本出願人による抗原検査法で、血液培養陽性患者の19人中15人が陽性を示したことを示す。
(表1)フランスにおける研究で用いられた本出願人による3種抗原検査
Figure 0003969722
Figure 0003969722
凡例:
Figure 0003969722
最初に血液培養が陽性を示した当日、またはこれより前に血清が採取された12人の患者のうち、8人が陽性結果(または低い陽性結果)を示した。フランスの集団によって用いられた他の血清学的検査と比較すると、患者19人中12人が免疫蛍光(IFI)血清学的検査で陽性を示した。これらの1人を除く全員が、本出願人による抗原検査法で陽性を示した。1人の患者は本出願人による抗原検査法で陽性を示したがIFIでは陰性を示した。IEP Pasteur、IEP FSK、またはAg-emie血清学的検査で陽性を示した5人の患者の全員も、本出願人による抗原検査法で陽性を示した。
本出願人による検査とIFI検査法の両方で陰性を示した患者の一部が、中心静脈カテーテルの汚染に起因する一過性のカンジダ血症である可能性がある。
コロニーが形成されたことが判明したが、血清学的検査で陰性を示した患者11人中6人は、本出願人による抗原検査法で陽性を示した。陽性を示した患者のうち2人はIFIでも陽性を示した。コロニーを形成せず血清学的検査で陰性を示した入院患者10人中6人が本出願人による抗原検査法で陽性を示し、これらの陽性患者のうち2人はIFIでも陽性であった。コロニーを形成して血清学的検査で陽性を示した全9人の患者は、本出願人による抗原検査法で陽性を示した。以上のデータは、IFIで陽性を示した患者9人中8人と比較した。唯一のIFI陰性試料は、本出願人による抗原検査法で低い陽性を示した。
以上のデータの統計解析の結果を図8と表2に示す。
(表2)
Figure 0003969722
a.p = 0.71
b.p. = 0.58
c および d.p <0.01
カンジダに対する血液培養が陽性を示したカンジダ血症患者では、本出願人による抗原検査法で検出されたカンジダ抗体レベルの平均は21.79であった(16.25〜27.33、95%CI)。独立試料 T検定を用いると、カンジダ血症集団と、コロニーを形成して血清学的検査でカンジダに対して陰性を示した集団間のp値は0.71であった。カンジダ血症集団と、カンジダ血清学的検査で陰性を示した非コロニー形成集団の平均間のp値は0.58であった。
血液培養で陰性を示した患者の場合、カンジダ血清学的検査に陰性を示した集団に属する患者は一般に、本出願人による抗原検査法で検出されるカンジダ抗体レベルが低かった。平均抗体レベルは、コロニー形成集団では14.55単位であり(9.67〜19.42、95%CI)、また非コロニー形成集団では14.2単位であった(10.68〜17.72、95%CI)。これらのレベルは、カンジダコロニー形成培養結果が陽性で、カンジダ血清学的検査で陽性を示した患者集団の平均抗体レベル(平均27.27;23.12〜31.43、95%CI)と比べて有意に低かった(p<0.01)。これらは図8のエラーバーで明瞭に認められる。
本出願人による抗原検査法と、使用された他の検査法との間には、全体的に良好な相関が認められた。また本出願人による抗原検査法で検出された抗体価と、他の検査法で陽性を示すレベルにも良好な相関が認められた。すなわち、本出願人による抗原検査法で高い陽性結果を示した患者は、使用した他の検査法(例えば、患者のAMI、COM、DA SI、FON、PAS、およびRAM)でも同等の結果を示した。同様に、本出願人による抗原検査法で陰性、または低い陽性を示した患者は、他の検査法(例えば、患者のBRIG、FER、HEN、LON、およびMAN)でも陰性、または低い陽性を示した。血液培養陰性患者の一部が、本出願人による抗原検査法で陽性を示すことがわかっており、これは本出願人による抗原検査法の感度が極めて高いことを意味する。
実施例4
スペインにおける臨床評価
実施例3で行われた評価と同様の臨床評価が、パイスバスコ(Pais Vasco)大学医学部の免疫学、微生物学、および寄生虫学科(Bilbao、Spain)のキンドス(Guillermo Quindos)教授(MD、PhD)、モラゲス(Maria Dolores Moragues)教授(PhD)、およびポントン(Jose Ponton)教授(PhD)によって実施された。
この後ろ向き試験では、血液培養の結果が陽性であること、または組織学的検査および組織生検が陽性であることによって判定された侵襲性カンジダ症患者11人から血清が得られた(表3、患者1.1〜1.32)。「血液培養陰性」集団は、侵襲性カンジダ症のリスクがあるが血液培養の結果は陰性である患者を元に選択された患者12人の血清からなる(表4、患者2.2〜2.53)。患者1人あたり3〜5サンプルの血清が検討された。微生物学検査でカンジダ症であることが証明された患者の場合、血清は、血液培養が陽性を示す前、示した時点、および示した後に採取された。血液培養陰性集団の場合、血清は、入院中のさまざまな時点で採取された。入院患者の血清に加えて、3人の健康な血液ドナーの血清も検討された(表5)。また新鮮な血清が採取された集団も、5人の患者を対象に前向き試験が行われ、2人が血液培養でカンジダ陽性を示し、3人が陽性を示さなかった(表5)。
(表3)血液培養で陽性を示した患者
Figure 0003969722
Figure 0003969722
スコアリング:
Figure 0003969722
(表4)血液培養で陰性を示した患者
Figure 0003969722
Figure 0003969722
スコアリング:
Figure 0003969722
(表5)新しい患者および血液ドナー対照
Figure 0003969722
凡例:
Figure 0003969722
表6に、2つの患者集団(血液培養陽性集団と血液培養陰性集団)に分けた、スペインで得られた原データを要約した。血液培養陽性集団のうち、血液培養で陽性であることが判明する前に、本出願人による抗原検査法で11人中8人の患者が陽性と同定された。最終的に11人中10人の患者が、本出願人による抗原検査法で陽性を示した。1人の患者(1.32)のみ陰性のままであった。この患者は、スペインにおけるジャームチューブ(germ tube)抗体検査法でも陰性を示しており、Platelia(BioRad)マンナン抗原検査法では一過的に陽性を示しただけであった。この患者は一過性のカンジダ血症であったと考えられる。
(表6)スペインで得られたデータの要約
Figure 0003969722
本出願人による抗原検査法では、全12人の血液培養陰性患者集団が、カンジダ抗体に対して陽性を示すことがわかった。これに対してPlateliaマンナン抗原検査法では、12人中9人の患者が陽性であることがわかった(スペインにおけるジャームチューブ抗体検査法では11人中5人が陽性であった)。血液培養陰性患者集団にみられる主な問題は、他の診断法で確認されない点であった。
全体として、本出願人による抗原検査法で得られた結果と、スペインの研究グループにより用いられた他の血清学的検査法で得られた結果の間には良好な相関がみられた。本出願人による抗原検査法で患者が強い陽性を示した(患者1.11、1.17、1.18、および1.31)場合、他の検査法でも強い陽性を示した。また本出願人による抗原検査法で血清が陰性、または低い陽性を示した場合、他の検査法でも通常、陰性、または弱い陽性を示した(例えば、患者1.19、1.22、1.25、1.26、1.32、2.18、2.26、2.49、2.50、2.51、2.52、および2.53)。
新鮮な血清を解析した場合(表5)、本出願人による抗原検査法と、血清が血液培養で陽性または陰性の結果のいずれかを示したことの間には完全な相関がみられた。
以上のデータの統計解析の結果を図9および表7に示す。図9のエラープロットダイアグラムから、血液培養陽性患者集団で、集団として血液培養陰性患者(平均17.30、95%CI:13.42〜21.19)と比較して、Syscan3で高いカンジダ抗体レベルが検出されたことが明らかである(平均25.86、95%CI:16.28〜35.44)。独立試料 T検定を用いたときに得られた平均値と比較して、2つの集団間の差は統計学的に有意である(p=0.087)。
(表7)本出願人による抗原検査法で得られた平均スコアの平均および95%信頼区間
Figure 0003969722
* p = 0.087
実施例5
オーストラリアにおける臨床評価
侵襲性カンジダ症患者から採取された血清が、オーストラリアの病院(1997〜1998)から得られた(患者は血液癌の患者であった;n=24)。対照血清は、カンジダ感染歴のない18〜25歳の男性(n=20)から採取された。患者の血清は、実施例2に記載されているように、本出願人による抗原検査法で調べられた。各血清は3回試験され、測定値の平均が用いられた。各血清の平均吸光度の測定値を、本出願人による抗原検査法で提供される「カットオフ」キャリブレーター血清の測定値で割り、次に、この値に10を乗じて任意の単位の値が得られた。
20単位という値(カットオフキャリブレーター血清値の2倍)、またはこれ以上の値を用いて陽性試料であると判定された、本出願人による抗原検査法で得られた結果を表8に示す。
(表8)本出願人による抗原検査法で得られた結果(カットオフ値=20単位)
Figure 0003969722
カットオフ値として20単位を用いた本出願人による抗原検査法では、検査法の特異度は100%であり、感度は83.3%であった。陽性適中率は83.3%であり、陰性適中率は100%であった。陽性とみなされた検査値を10単位、またはカットオフ血清吸光度の値の1倍とすると、この検査法の特異度は低下したが感度は上昇した(表9)。特異度は90%であり、感度は87.5%であった。陽性予測因子は91.3%に上昇し、陰性予測因子は85.7%に低下した。
(表9)本出願人による抗原検査法で得られた結果(カットオフ値=10単位)
Figure 0003969722
侵襲性カンジダ症患者の血清を対象に、本出願人による抗原検査法で得られた結果を表10に示す。陰性結果の1例のみが、血液培養で陽性を示した患者に由来するものであった。4つの陰性試料のうち、2つは中心静脈路が汚染された患者に由来するものであった。4つの陰性検査結果のうち3つは、カンジダ・パラプシローシス(C. parapsilosis)感染患者に由来するものであり、残りはカンジダ・アルビカンス(C. albicans)感染患者に由来するものであった。
(表10)本出願人による抗原検査法による侵襲性カンジダ症患者の血清検査
Figure 0003969722
侵襲性カンジダ症集団および健康な対照を対象として、本出願人による抗原検査法で得られたデータを図10と表11にエラーバーダイアグラムで示した。図10では、侵襲性カンジダ症集団の平均値は、健康血液ドナー集団(7.52単位)より高い(31.45単位)。この差は、統計学的に有意であった(p<0.01)。平均値の95%信頼区間の範囲も、健康ドナー集団(6.92〜8.12単位)と比較して、侵襲性カンジダ症集団で高かった(23.57〜39.33単位)。
(表11)侵襲性カンジダ症患者および健康血液ドナーの平均値の平均および95%信頼区間
Figure 0003969722
本研究では、本出願人による抗原検査法を用いて、侵襲性カンジダ症患者、表在性カンジダ症(口腔または膣の鵞口瘡)患者、および健康男性対照の血清を調べた。共生者として健康な個人は、カンジダ抗原に対して測定可能な抗体価を示す場合がある。正常な抗体レベルと、感染に関連した抗体レベルを区別するためにカットオフキャリブレーター血清を導入した。試験対象の血清の吸光度を、カットオフキャリブレーター血清の吸光度で割り、10を乗じて任意の単位の値を得た。陽性の指標として20単位またはこれ以上の値を検査に用いることで、侵襲性カンジダ症患者集団と健康対照を極めて明瞭に識別することができた(陽性適中率=83%、陰性適中率=100%)。試料が陽性であるとみなされた値が10単位(カットオフキャリブレーター値)より低い場合、陽性適中率はわずかに上昇して87.5%になったが、陰性適中率は90%に低下した。
血液培養が陽性を示した患者のうち1人だけが、本出願人による抗原検査法で陰性を示した。4例の陰性血清のうち2例が、中心静脈カテーテルに汚染のみられた患者に由来するものであった。したがってこれは、抗体反応を引き起さない場合がある、これらの患者における一過性の感染を反映している可能性がある。4例の陰性結果のうち3例がカンジダ・パラプシローシスの感染によるものであったことは注目に値する。この菌は、宿主の免疫応答に対して障壁となる場合があるバイオフィルムに関連することが多い。
結論として、本出願人による抗原検査法は、迅速で信頼性が高く、また容易に実施可能な検査法である。本出願人による抗原検査法は、侵襲性カンジダ感染および重度の表在性カンジダ感染の診断において、感度および特異度が優れていることがわかった。
クーマシーブルーで染色したSDS-PAGE。カンジダの細胞質抗原画分の主要なタンパク質バンドが55 kDa、35〜45 kDa領域、30 kDa、および20 kDaにみられる。 予測される大きさのエノラーゼ抗原に相当する48 kDaの1本のクーマシーブルー染色バンド。 清澄化した細胞壁抗原調製物のクーマシーブルー染色ゲル。幅広い染色スミアが90 kDa〜200 kDaの大きさの領域にみられる。 カンジダの細胞質抗原調製物のスクリーニング対象の血清の数。 陰性対照血清を用いた、3種類のカンジダ抗原(細胞質、細胞壁、および免疫優位な抗原)に対する抗体反応性。 表在性カンジダ症患者の血清を用いた、3種類のカンジダ抗原(細胞質、細胞壁、および免疫優位な抗原)に対する抗体反応性。 全身性カンジダ症患者の血清を用いた、3種類のカンジダ抗原(細胞質、細胞壁、および免疫優位な抗原)に対する抗体反応性。 血液培養を行ったさまざまな患者を対象に、本出願人による抗原検査法で得られた値のエラーバー(95%CI)。 血液培養が陽性および陰性を示した患者集団の両方を対象に、本出願人による抗原検査法で測定した平均カンジダ抗体価のエラープロット(95%信頼区間)。 侵襲性カンジダ症患者および健常対照者を対象に、本出願人による抗原検査法で得られたデータのエラーバーのグラフ。

Claims (18)

  1. 以下の段階を含む、カンジダ抗体を検出する方法:
    a) マンノースを含まず、カンジダ症に対する抗体を検出する抗原であって、分子量55kDa、30kDa、および20kDaの抗原を含む、可溶性細胞質抗原調製物を含む抗原組成物を調製する段階;
    b) 該抗原組成物をカンジダ感染のリスクのある被験者、またはカンジダ感染の疑いがある被験者から得られた生物試料と接触させる段階;および
    c) 検出系を使用し、生物試料由来の抗体が、抗原/抗体反応により該抗原組成物と結合するかどうかを決定する段階。
  2. 抗原組成物が、細胞壁およびエノラーゼ抗原からなる群より選択される1つまたは複数の抗原をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 段階cが、酵素結合免疫アッセイ法(ELISAまたはEIA)、バイリガンド結合法(サンドイッチ法)、蛍光定量アッセイ法、化学発光アッセイ法、放射免疫拡散法、および放射性免疫アッセイ法(RIA)からなる群より選択される検出系である、請求項1記載の方法。
  4. 段階cが、ELISAまたは化学発光アッセイ法による、請求項1記載の方法。
  5. 抗原組成物が、吸着性結合、共有結合性結合、または既に固相に結合したリガンドを介するいずれかによって固相に結合する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  6. 生物試料中に存在するカンジダに対する抗体を検出するための、二次的な標識化された抗体を使用する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  7. 二次抗体を、蛍光色素、放射性同位元素、および酵素、またはその組み合わせからなる群より選択される標識で標識化する段階をさらに含む、請求項6記載の方法。
  8. 二次抗体が結合したリガンドを介して標識化される、請求項7記載の方法。
  9. 検出系における検出が、発色、化学発光、蛍光、および放射能、またはその組み合わせからなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  10. 質的検出および量的検出、またはその組み合わせからなる群より選択される方法により抗体を検出を実行する段階をさらに含む、請求項1記載の方法。
  11. 二次抗体を直接的に標識化する段階をさらに含む、請求項7記載の方法。
  12. 二次抗体を間接的に標識化する段階をさらに含む、請求項7記載の方法。
  13. 抗原組成物が、不活性表面に固定されているか、ゲル中に埋込まれているか、または色、蛍光、もしくは放射能を抗原に加える分子に結合されたかのいずれかである、請求項1記載の方法。
  14. 生物試料が、骨髄、血漿、髄液、リンパ液、および呼吸器、腸管、尿生殖路の皮膚の外部切片、涙液、唾液、乳汁、血液(全血と血清の両方)、血液細胞、腫瘍、ならびに器官からなる群より選択される、請求項1記載の方法。
  15. 生物試料が血清である、請求項14記載の方法。
  16. 以下を含む、生物試料中のカンジダ抗体の有無の判定に使用されるキット:
    a) 生物試料採取装置;
    b) マンノースを含まず、カンジダ症に対する抗体を検出する抗原であって、分子量55kDa、30kDa、および20kDaの抗原を含む、可溶性細胞質抗原調製物を含む抗原組成物;
    c) 試料中における抗体と抗原組成物との反応を検出する手段。
  17. 緩衝剤およびイオン塩をさらに含む、請求項16記載のキット。
  18. マンノースを含まず、カンジダ症に対する抗体を検出する抗原であって、分子量55kDa、30kDa、および20kDaの抗原を含む、可溶性細胞質抗原調製物を含む抗原組成物。
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