JP4714265B2 - ニューログロビン酵素免疫測定キット及びその使用 - Google Patents

ニューログロビン酵素免疫測定キット及びその使用 Download PDF

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Description

本発明は、免疫アッセイキット、特にニューログロビンを検出するためのニューログロビンの酵素免疫測定キット(NGB−ELISAキット)及びその使用に関する。
ニューログロビン(NGB)は、ヘモグロビン及びミオグロビンを除く第3種の酸素運搬タンパク質である。NGBタンパク質は神経系において特異的に発現し、脳に広く分布している。ミオグロビンと同様に、NGBタンパク質は非常に高い結合親和力で酸素と可逆的に結合することができる。正常な個体において検出される血清中のミオグロビンの濃度は非常に低く、心筋及び骨格筋が損傷すると、ミオグロビンは損傷細胞から血液中に放出され、その結果、血清中のミオグロビンタンパク質が大幅に増加することがよく知られている。したがって、血清中のミオグロビン(血清−ミオグロビン)の濃度は、心筋梗塞及び腎不全等の幾つかの重要な疾患に対する特異的で感度の高いバイオマーカーであると考えられている。興味深いことに、NGB及びMGBの特性は互いに非常に類似している。例えば、NGBタンパク質には151個のアミノ酸(aa)が存在し、MGBタンパク質には154個のaaが存在する。MGB及びNGBの分子量は共に17kDである。NGB及びMGBの機能は非常に類似しており(すなわち、MGBが心筋及び骨格筋の酸素供給に関与しているのに対し、NGBは脳の酸素供給に関与している)、且つこれらの両方が損傷細胞から血清中に放出され得るため、血清中のNGBタンパク質の濃度には、アルツハイマー病、脳卒中及び他の脳損傷等の神経系疾患を臨床診断するために潜在的価値があると推測することは合理的である。同じように、血中のNGBタンパク質の検出には、上記の神経系疾患の疾患段階を明らかにすることに関しても重要な価値がある。
現在、NGBタンパク質を検出する主な方法は、免疫ブロット分析である。詳細には、ユーザーは最初に試験サンプルについてSDS−PAGEを行い、それから抗NGB抗体でNGBタンパク質を検出した後に、特異的な酵素標識二次抗体を使用して反応させ、それからXフィルム上にバンドのシグナルを顕在化させる必要がある。最後に、ユーザーは、フィルムをコンピューターに取り込んで、試験サンプルにおけるNGBタンパク質のおおよそのレベルを測定するために、さらに画像分析を行う必要がある。この方法の最も大きな欠点は、NGBタンパク質の正確な濃度を得ることができないことである。
本発明の目的は、様々なサンプル中のNGBタンパク質の濃度を測定するためのNGB−ELISAキットを提供することである。
本発明のNGB−ELISAキットは、抗NGBモノクローナル抗体と、抗NGBポリクローナル抗体と、酵素標識二次抗体とを含み、該抗NGBモノクローナル抗体が、NGB抗原でマウスを免疫した後、細胞融合してハイブリドーマ細胞を産出すること、及びその後該ハイブリドーマ細胞を培養することによって得られ;該抗NGBポリクローナル抗体が、NGB抗原で動物を免疫すること、及びそれから該動物の血清から採取することによって得られる。
上記ニューログロビンタンパク質は、以下のようにして調製される:
1)ヒトNGB遺伝子のNGB配列を含む原核細胞発現ベクターを構築すること;
2)該構築された原核細胞発現ベクターを大腸菌株に形質転換して、陽性クローンをスクリーニングすること;
3)熱刺激によって該陽性クローンを培養して、発現産物を得ること;
4)該発現産物を精製して、上記NGB抗原を得ること。
より具体的には、上記原核細胞発現ベクターは、pBV220−rhNGBである。
陽性クローンを培養する条件は、80〜120μg/mlのアンピシリンを含むLB培養培地に上記大腸菌株を植菌すること、及び、28〜32℃で2〜3時間培養した後に、40〜44℃で振盪しながら培養して、rhNGBの発現を誘導することである。
本発明によるキットにおいては、上記酵素標識抗体は、代表的には、HRP標識ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンである。
一般的には、上記NGB−ELISAキットは、酵素標識プレート(enzyme−labeling plate)と、標準NGBタンパク質と、発色試薬とをさらに含む。本発明においては、発色試薬が、TMB(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン)である。
本発明の別の目的は、上記NGB−ELISAキットの使用を提供することである。
本発明のキットは、高い特異性と高い感度とを有する。したがって、該キットは、老年性認知症、脳梗塞、又は外傷性脳損傷等の神経系疾患の診断に使用され得る。
実施例1.NGB−ELISAキットの調製
I.NGB抗原の調製
1.大腸菌株pBV220−rhNGB/HB101の構築
1)プライマーの合成:NGB特異的プライマーpU及びpDは、ヒトNGB(hNGB)遺伝子の既知の配列に従って設計及び合成される。ここで、「pU」プライマーの5’末端がEcoRI制限部位及び開始コドンATGと組み合わされ、「pD」プライマーの5’末端がBamHI制限部位と組み合わされる。このプライマーはShanghai Boya Biotechnique Inc.により合成された。このプライマーの配列は、
pU:5’−CCggAATTCATggAgCgCCCggAg−3’
pD:5’−ggTggATCCTTACTCgCCATCCCAgCCTCg−3’
である。
2)PCR増幅:ヒトのニューログロビン遺伝子のcDNAフラグメント(すなわちニューロサービビン(NSV)、これはPCR技法によってヒトの胎児脳のcDNAライブラリーからこれまでに本発明者らの研究所で得られた)を鋳型として使用し、工程1)で合成したプライマーを用いてPCR増幅を行った(参考文献:Burmester T, Weich B, Reinhardt S, Hankeln T著「脳において発現した脊椎動物のグロビン(A vertebrate globin expressed in the brain)」 Nature. 2000; 407(6803): 520−523)。PCR条件は、95℃で5分間の変性、その後の94℃で45秒、60℃で45秒、及び72℃で45秒を30サイクル、それから72℃で5分間の伸長であった。反応後に、1.0%(w/v)アガロースゲルの電気泳動を行うことによって、5μlの増幅産物を検出し、NGB遺伝子のコード領域が首尾よく増幅されたか否かを確認した。結果を図1に示し、図中、レーンAはDNA Marker DL2000を示し、レーンBはNGBのcDNA配列の首尾よく増幅したフラグメント(約470bp)を示す。
3)発現プラスミドの構築:高効率の発現ベクターpBV220(Institute of Virology of Academy of Chinese Prevent Medical Science製)及び精製したPCR増幅産物の両方を、制限酵素EcoRI及びBamHIで同時に消化し、電気泳動によって回収した。それから、このフラグメントをTDNAリガーゼで結合し、発現プラスミドpBV220−rhNGBを得た。
4)工学的細菌(engineering bacteria)の構築:プラスミドpBV220−rhNGBをCaClで処理した大腸菌HB101のコンピテント細胞(Beijing Baiweisheing Inc.製)に形質転換させた。形質転換体を選択し、LB培養培地3mlに植菌し、30℃で一晩培養した。プラスミドDNAをPCRで同定した陽性クローンから再び抽出し、それからさらに制限分析により同定して、構造を確認した。結果を図2に示す。図2Aでは、レーンAはDNA Marker DL−2000を示し、レーンB〜GはPCRによるリコン(recons)の同定を示す。図2Bでは、レーンAはDNA Marker DL−2000を示し、レーンBは対照のpBV220空ベクターを示し、レーンC〜FはEcoRI及びBamHIを用いた二重制限酵素分析によるリコンの同定を示す。
この結果は、PCR並びにEcoRI及びBamHIの二重制限分析による同定後、全ての組み換えプラスミド中に、約470bpのDNAフラグメントが存在することを示唆し、これは、予測されるNGB遺伝子フラグメント(ニューロサービビン)に適合する。この陽性クローンを、pBV220−rhNGB/HB101と命名し、rhNGBタンパク質を発現する工学的株(engineering strain)として使用した。
2.遺伝的に修飾された工学的細菌の活性化
4℃で保存された細菌安定株5μlを使用して、100μg/mlのアンピシリンを含むLB培養培地5mlに植菌した後、30℃で8時間、200rpmで振盪しながら培養した。それから、1%(v/v)の培養物を培養フラスコに植菌した(培養培地は前と同じであった)。培養株を30℃で16時間、200rpmで振盪しながら培養するために維持し、種培養物を得た。
3.rhNGBの発現の誘導
種培養物を100μg/mlのアンピシリンを含むLB培養培地150mlに3%(v/v)で植菌し、30℃で2〜3時間、200rpmで振盪しながら培養した。OD600が0.3〜0.4に達した後、それから速やかに培養物を42℃の水浴に移し、5時間振盪しながら培養し続け、rhNGBの発現を誘導した。
4.細菌の回収、洗浄、及び凍結/解凍
4℃で15分間6000rpmでの遠心分離によって、誘導後の細菌を回収した。少量の細菌を使用して、SDS−PAGE分析によりrhNGBタンパク質の発現を検出した。TE緩衝液(25mMのTris−HCl(pH8.0)、1mMのEDTA)で細菌を3回洗浄した。その後、細菌を5分間液体窒素に入れ、それから氷浴中で解凍した。凍結/解凍手順は3回繰り返した。それから、10倍量のTE緩衝液(25mMのTris−HCl(pH8.0)、1mMのEDTA)を加え、細菌を懸濁した。
5.細菌溶解
TE緩衝液(25mMのTris−HCl(pH8.0)、1mMのEDTA)で懸濁した細菌を20秒間隔で30秒間、氷浴中で超音波処理(400W)した。超音波処理は15回繰り返した。それから、サンプルを4℃で20分間、12000rpmで遠心分離した。上清を廃棄し、封入体を注意して回収した。
6.封入体の洗浄
封入体をトリス緩衝液(25mMのTris−HCl(pH8.0)、1MのNaCl)で洗浄し、4℃で20分間、12000rpmで遠心分離した。上清は取り除いた。沈殿物をTE緩衝液(25mMのTris−HCl(pH8.0)、1mMのEDTA)で2回洗浄した後、4℃で20分間、12000rpmでさらに遠心分離した。上清を廃棄し、封入体を回収した。
7.封入体の溶解
封入体を8mol/Lのカルバミドと1%(v/v)のメルカプトエタノールとを含むTE緩衝液で再懸濁し、20秒間隔で30秒間、超音波処理(400W)した。超音波処理は6回繰り返した。得られた処理物を100℃で5分間沸騰させた後、室温で5分間、12000rpmでさらに遠心分離した。上清を回収し沈殿物を廃棄した。
8.ゲルろ過
2mol/Lのカルバミドと0.1%(v/v)のメルカプトエタノールとを含むTE緩衝液で最初に平衡化したSephacryls−200クロマトグラフィーカラムをさらなる分析に使用した。工程7で調製したサンプルをクロマトグラフィーカラム上に充填し、2mol/Lのカルバミドと0.1%(v/v)のメルカプトエタノールとを含むTE緩衝液で洗い出し、それから溶出画分を回収した。その後、各チューブ中の溶出液をSDS−PAGE分析のために移し、より多くの標的タンパク質を含むサンプルを検出した。
9.アニオン交換クロマトグラフィー
強アニオン交換クロマトグラフィーカラム(Amersham Q Sepharose FF)を2mol/Lのカルバミドと0.1%(v/v)のメルカプトエタノールとを含むTE緩衝液で最初に平衡化した。より多くの標的タンパク質を含むサンプルを混合し、カラムに充填し、それぞれ0.05M、0.1M、0.15M、0.2M、0.5M、及び0.7M等の異なる濃度のNaClを含む平衡化緩衝液(2mol/Lのカルバミドと0.1%(v/v)のメルカプトエタノールとを含むTE緩衝液)で徐々に溶出させた。全ての溶離ピークを回収した。その後、カラムを1MのNaClを含む平衡化緩衝液で再生した。同時に、異なる濃度のNaClを含む溶出液のサンプルをSDS−PAGE分析により同定した。結果として、0.7MのNaClを含む平衡化緩衝液で溶出したサンプルが、標的タンパク質を含むことを見出した。
10.標的タンパク質rhNGBの再生及び脱塩化
溶媒耐性カラムSephadex G−50を0.1%(v/v)のSDSを含むTE緩衝液で最初に平衡化した。それから、標的タンパク質を含むサンプルをカラムに充填し、それからカラムを0.1%(v/v)のSDSを含むTE緩衝液で洗浄した。全ての溶出液を回収した。
分析後、培養培地におけるrhNGBの濃度は1.2g/Lであった。それから、回収したタンパク質rhNGBを同定し、免疫ブロット分析にかけた。
II.組み換え全長ヒトNGB(rhNGB)の同定
ヒトのニューログロビン遺伝子であるニューロサービビン(NSV)のコード領域には456bp存在することが知られており、これは151個のアミノ酸をコードし得る(参考文献:Burmester T, Weich B, Reinhardt S, Hankeln T著「脳において発現した脊椎動物のグロビン(A vertebrate globin expressed in the brain)」 Nature. 2000; 407(6803): 520−523)。核酸及びアミノ酸の配列はそれぞれ、配列番号1及び配列番号2に示した。
質量分析計によるrhNGBタンパク質サンプルの分析後、配列番号3に示されるとおりのアミノ酸配列を得た。NSVフラグメントと一致するアミノ酸は66個のアミノ酸であった。これは、全長ヒトニューログロビンタンパク質(151個のアミノ酸)の約43.7%である。したがって、本発明の方法で得られたサンプルは正しいと考えることができる。
さらに、491タンパク質配列分析機(ABI Company,USA、環境温度が20℃であり、相対湿度が28%であった)を使用して直接配列決定を行うことによって、rhNGBタンパク質のアミノ酸配列をシークエンシングした。この配列のN末端は、M−E−R−P−E−P−E−L−I−R−Q−S−W−R−A−Vであり、これはヒトNGBタンパク質のN末端と完全に一致する。したがって、本発明の方法で得られたサンプルは完全に正しいと考えることができる。
III.抗NGB抗体の調製
1.モノクローナル抗体の調製
1)実験動物:雌のBALB/cマウス、8〜12週齢、18〜20g重量(Animal Centre of Academy of Military Medical Sciences, People‘s Libration Army of Chinaから購入)。マウス由来の骨髄腫細胞SP2/0は、Chinese Academy of Sciences (Shanghai)のセルバンクから購入した。
2)免疫:100μg、125μg及び150μgの精製rhNGBを抗原として使用し、3つの群に分けた。それぞれの群では、rhNGBをそれぞれ等量の完全フロインドアジュバントと混合し、完全に乳化させた。それから、複数の部位での腹腔内注射及び皮下注射によって、混合物を3匹のマウスに注射した。3週間後、同じ量の抗原を等量の不完全フロインドアジュバントと混合し、複数の部位での腹腔内注射及び皮下注射によってマウスに注射した。免疫を4週間間隔で2回繰り返した。それぞれの免疫の15日後に、血清を回収することによって効力を測定した。効力がより高いマウスに抗原100μgを腹腔内注射して、細胞融合の3日前に免疫を追加した。
3)支持細胞の調製:細胞融合の1日前に、1匹の正常な昆明マウスに頚椎脱臼を行い、5分間70%のエタノールに浸した。その後、クリーンベンチで腹部の皮膚を切り出し、腹膜を露出した。5mlのGKN溶液(11mMのd−グルコースと、5.5mMのKClと、137mMのNaClと、25mMのNaHPOと、5.5mMのNaHPOとを補充したPBSで構成されている)をシリンジで腹腔に注射した。それから、腹部を繰り返し圧迫することによって腹水を回収し、それから遠心分離チューブに移し、5分間1000rpmで遠心分離した。上清を廃棄した後、HAT培養培地を加え、細胞を懸濁した。それから、支持細胞を96ウェルプレートに移し、37℃で一晩、5%COの培養器で培養した。
4)細胞融合:血清を調製するために免疫が追加されたマウスを使用した。詳細には、マウスの眼球を取り除き、血液を採取して、血清を調製し、それを低温で保存した。それから、マウスに頚椎脱臼を行い、5分間70%のエタノールに浸した。その後、クリーンベンチでマウスの脾臓を取り出し、これをさらに粉砕して、細胞懸濁液を調製した。それから、得られた懸濁液を室温で10分間、1000rpmで遠心分離した。上清を廃棄した後、細胞を2回GKN溶液で洗浄し、GKN溶液中で再懸濁した。0.2mlの溶液を取り出して、顕微鏡下で細胞計測した。
50mlの円錐の遠心分離チューブ中で脾臓細胞をSP2/0細胞と10:1の比で混合し、37℃で10分間、1500rpmで遠心分離した。上清を完全に廃棄して、細胞沈殿物をチューブの底を軽く叩くことにより遊離させた。遠心分離チューブを37℃の水浴に置いて、1分間振盪しながら50%のポリエチレングリコール(PEG)溶液1mlを滴下した。1分間静置した後、10mlのGKN溶液(最初の2mlを1分、最後の8mlを2〜3分)を加え、細胞融合を停止させた。さらに1分間静置した後、得られた結果物を10分間1000rpmで遠心分離した。上清を廃棄し、ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン(HAT)培養培地を加えた。それから、サッカーでゆっくりと攪拌し、均質な懸濁液を調製した。細胞を支持細胞でプレコーティングした96ウェルプレートに植菌し、37℃で、5%のCOの培養器で培養した。培養培地を3日ごとに交換し、6日後にヒポキサンチン−チミジン(HT)培養培地に変えた。
5)陽性クローンのスクリーニング:変法dot−ELISA技法を使用して、抗rhNGB抗体を分泌することができる陽性ハイブリドーマ細胞に関してスクリーニングした。詳細には、ニトロセルロース膜(NCフィルター)を15〜30分間、0.01mol/LのPBS(pH7.4)に浸し、それからろ紙で乾燥させた。rhNGBタンパク質を0.01mol/LのPBS(pH7.4)で50μg/mlまで希釈し、NCフィルター上に液滴当たり1μlで滴下し、室温で乾燥させた。それから、振盪しながら30分間、この膜をブロッキング緩衝液中に置いた。この膜を3分間3回、洗浄緩衝液で洗浄した。ろ紙で乾燥させた後、この膜を培養したハイブリドーマ細胞の上清(SP2/0細胞の上清を対照として使用した)中に室温で1時間置いた。それから、この膜を3分間3回、洗浄緩衝液で洗浄して、室温で30分間振盪しながら、HRP標識二次抗体の使用液(working solution)に浸した。この膜に洗浄緩衝液を用いた3分間の洗浄を4回行った。その後、このニトロセルロース膜を3,3−ジアミノベンジジン(DAB)溶液に入れ、15分間振盪した。得られた膜を数分間水で洗浄し、それから蒸留水中に入れ、反応を停止させた。それからこの膜を室温で乾燥させた。
6)ハイブリドーマ細胞のサブクローニング:限界希釈法でサブクローニングを行った。陽性シグナルを有するプレートで得られた細胞を計測した後、4.6ml当たり230個の細胞濃度を有する懸濁液をHT培養培地で1ウェル当たり2〜5×10個の支持細胞を含む96ウェルプレートにおいて再懸濁した。それぞれ0.1mlを含む36個のウェルが存在する。残った1.0mlをHT培養培地4mlに加え、それから別の36個のウェルに1ウェル当たり0.1ml加えた。残った1.4mlをHT培養培地1.4mlに加え、残りの24個のウェルに1ウェル当たり0.1ml植菌した。したがって、細胞計測比が5:1:0.5である3つの群が存在することになる。4日間CO培養器で培養した後、HT培養培地100μlをそれぞれのウェルに加えた。ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)の培養培地を9日目に加え、それから細胞の増殖を検出し、抗体の効力を測定した。陽性率が100%になるまで、抗体の効力がより高い1〜2個のウェルをサブクローニングに使用した。全ての他のクローンを回収し、液体窒素中で保存した。
7)モノクローン(monoclone)株:スクリーニング及びサブクローニングの後、抗NGBハイブリドーマ細胞を安定して分泌することができる4個の株を得た。これらをそれぞれ、4G7、4H1、3E6及び2E11と命名した。
8)腹水の調製:サブクローニングで得られたモノクローナルハイブリドーマ細胞の懸濁液を5分間1000rpmで遠心分離した。上清を廃棄し、無血清培養培地で細胞を1回洗浄した。再び、無血清培養培地を加え、それから3日後にさらなる使用のために上清を回収した。マウスに1匹あたり0.5mlの液体パラフィンを腹腔内注射した。7日後、マウスに1匹あたり5×10個のハイブリドーマ細胞懸濁液を腹腔内注射した。7〜10日後、マウスの腹部が膨らんでいたことを観察した。腹水を回収し、−20℃で保存した。
2.ポリクローナル抗体の調製
2匹の若くて健常な雌のウサギを使用して、抗NGBポリクローナル抗体を調製した。最初に、ウサギに400μgの精製したrhNGBタンパク質(同量の完全フロインドアジュバントと事前に混合した)を筋肉注射、及び背中の複数の部位では皮下注射した。4週間後、免疫を追加するために、同じ用量(同量のフロインド不完全アジュバントと事前に混合した)を注射した。2週間後、ウサギの頚動脈から血液を得ることによって、ウサギの血清を回収した。詳細な手順は、Zhu Zhiping, Chen Xueqing.著「免疫学における一般的な実験方法(Common Experimental Methods in Immunology)」(Beijing: People‘s Surgeon Publishing House, 2000)に記載されている。
3.抗体の精製
得られたマウスの腹水(モノクローナル抗体)及びウサギの血清(ポリクローナル抗体)を遠心分離、沈殿、脱塩化して、未精製の抗体を得た。それから、Protein Gカラムで抗体を精製し、精製モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体を得た。詳細な手順は、Zhu Zhiping, Chen Xueqing.著「免疫学における一般的な実験方法(Common Experimental Methods in Immunology)」(Beijing: People‘s Surgeon Publishing House, 2000)に記載されている。
4.抗体の品質管理
1)モノクローナル抗体の同定
A.特異性の同定:免疫ブロット分析を使用して、モノクローナル抗体の特異性を試験した。抗体2E11の同定の結果を図3に示す。図中、レーン1はrhNGBタンパク質を発現する大腸菌株pBV220−rhNGB/HB101の溶解物の上清を示し、レーン2は陰性対照としてのミオグロビンを示し、レーン3は大腸菌株pBV220−rhNGB/HB101の封入体を示し、レーン4は陰性対照としてのヘモグロビンを示し、レーンMは低分子量のタンパク質マーカーを示す。モノクローナル抗体は特異性が高く、ミオグロビン及びヘモグロビン等の他のグロビンと交差反応せずにrhNGBタンパク質を認識することが示唆される。
B.抗体のサブクラスの同定:抗体のサブクラスの同定キット(Roche, German)を使用して、モノクローナル抗体のサブクラスを検出した。具体的には、0.01mol/LのPBS(pH7.4)で希釈した150μlの無血清培養培地を反応チューブに滴下し、室温で30秒間インキュベートした。チューブを一時的に軽く叩いて、底のゲルを完全に再懸濁させた。サブクラスの同定試験紙を10分間反応チューブに入れ、バンドを読み取り、モノクローナル抗体のサブクラスを求めた。結果を図4に示す。図4は、抗NGBモノクローナル抗体の重鎖はIgG1である(図4A)一方で、軽鎖はк鎖である(図4B)ことを示している。
2)ポリクローナル抗体の同定
免疫ブロット分析をポリクローナル抗体の同定に使用した。原核生物又は真核生物のいずれかによって発現したrhNGBタンパク質を認識する抗体の能力を試験した。
具体的には、原核細胞によって発現したrhNGBタンパク質を認識するポリクローナル抗体の能力の同定において、本発明者らは、熱誘導に上記の工学的株pBV220−rhNGB/HB101及びpBV220空ベクターを含む大腸菌HB101株を使用した。発現産物の電気泳動後に、これらを免疫ブロット分析で試験した。結果を図5Aに示す。図中、レーン1は、ウサギ抗rhNGBポリクローナル抗体が工学的株pBV220−rhNGB/HB101の発現産物に含まれるrhNGBタンパク質(約17kDa)を認識することができることを示唆し、レーン2はウサギ抗rhNGBポリクローナル抗体がpBV220空ベクターを含む大腸菌HB101株の発現産物のいずれのバンドも認識することができないことを示唆する陰性対照を示す。
真核細胞で発現されたNGBタンパク質の認識における抗NGBポリクローナル抗体の能力を同定する場合、本発明者らは、NGB真核細胞発現ベクターpcDNA3.1/V5/6×His/NGB(フォワードプライマーの5’−ggATCCgCATggAgCgCCCggAg−3’及びリバースプライマーの5’−CTCgAgCTCgCCATCCCAgCCTCg−3’を使用して、ベクターpcDNA3.1/V5/6×His(Invitrogen Inc.)の制限部位BamHIとXhoIとの間にNGB遺伝子配列を挿入することによって構築され、得られた組み換えベクターを細胞に形質転換した後、真核細胞で発現したNGBタンパク質を得ることができる)及び空ベクターpcDNA3.1/V5/6×Hisを使用し、それぞれCOS−7細胞に導入した。48時間後、細胞を回収し、細胞中のタンパク質を全て免疫ブロット分析のために抽出した。結果を図5Bに示す。図中、レーン3は、ウサギ抗NGBポリクローナル抗体がNGBタンパク質を認識することができることを示唆し、レーン4はLacZ−6×Hisタンパク質(市販のベクターpcDNA3.1/V5−His/lacZ(Invitrogen, U.S.)を導入することによって、LacZ−6×Hisタンパク質を得た)を抗6×Hisモノクローナル抗体によって検出することができることを示す陽性対照を示す。これは、ウサギ抗NGBポリクローナル抗体が、真核細胞で発現したNGBタンパク質を認識することができることを示唆している。
ウサギ抗NGBポリクローナル抗体をさらに使用して、スナネズミの脳におけるNGBタンパク質の分布を検出した。図6に示されるように、NGB免疫反応の陽性細胞が、大脳皮質(図6A)並びに海馬の錐体細胞及び軸索(図6B)に広く分布していたことがわかる。
この結果は、本発明により調製された抗NGBポリクローナル抗体がNGBタンパク質を特異的に認識することができることを示している。
IV.NGB−ELISAキット
1.以下の反応試薬をNGB−ELISAキットに使用した。
1)コーティング希釈緩衝液(0.85Mの炭酸緩衝液(pH9.5)):NaCO 1.59g、NaHCO 2.93g。2回蒸留した水を1000mlまで加えた。
2)洗浄緩衝液(PBS(pH7.4)):KHPO 0.2g、KCl 0.2g、NaHPO・12HO 2.9g、NaCl 8.0g、Tween−20 0.5ml。2回蒸留した水を1000mlまで加えた。
3)サンプルの希釈緩衝液:0.1g BSA、洗浄緩衝液を100mlまで加えた。
4)ブロッキング緩衝液(1.5%のカゼイン、作用濃度:0.05%):カゼイン 36g、NaOH 2.4g、水600mlに溶解した。約1800mlのPBSを2400mlの容量を満たすまで加えた。
5)基質緩衝液(クエン酸リン酸緩衝液(pH5.0)):0.2MのNaHPO(28.4g/L) 25.7ml、0.1Mのクエン酸(19.2g/L) 24.3ml、2回蒸留した水を50ml加えた。
6)TMB基質希釈緩衝液:3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)(1mg/ml)1.0ml、基質希釈緩衝液 10ml、30%のH 7μl。
7)停止緩衝液(2MのHSO):178.3mlの水に21.7mlの濃縮硫酸を滴下した。
本発明のNGB−ELISAキットは、標準NGBタンパク質及び上記の反応試薬と共に、上記で調製した抗NGBモノクローナル抗体及びポリクローナル抗体から作られる。
2.NGB−ELISAキットを使用するプロトコル
a)コーティング:コーティング緩衝液(0.85Mの炭酸緩衝液(pH9.6))で抗NGBモノクローナル抗体を1:1000まで希釈した。96ウェルの酵素標識プレートを4℃で一晩、1ウェル当たり100μlでコーティングした。
b)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
c)ブロッキング:1ウェル当たり125μlのブロッキング緩衝液(0.05%のカゼイン)を使用して、ウェルを室温で4時間又は4℃で一晩ブロッキングした。
d)サンプルの充填:ブランク及び陰性対照用のウェルを設けた(各群に2つのウェル)。標準曲線を得るために、異なる濃度のrhNGB標準をウェルに加えた(それぞれの濃度に2つのウェル)。測定サンプルを加えた。全てのウェルで、サンプルの容量は、1ウェル当たり100μlである。37℃の水浴で1時間インキュベートした。
e)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
f)ポリクローナル抗体の添加:ポリクローナル抗体を1ウェル当たり100μlのPBS(0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で1:1500に希釈した。37℃の水浴で1時間インキュベートした。
g)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
h)二次抗体の添加:HRP標識ヤギ抗ウサギIgGを1ウェル当たり100μlのブロッキング緩衝液(1%のカゼイン)で1:5000に希釈した。37℃の水浴で30分間インキュベートした。
i)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
j)発色:1ウェル当たり100μlの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)で現像した。37℃の水浴で10〜20分間インキュベートした。
k)停止:1ウェル当たり100μlの停止緩衝液(2MのHSO)で反応を停止させた。
l)検出:酵素免疫アッセイ機器でOD450の吸光を検出した。
m)標準曲線の獲得:標準タンパク質の濃度をX軸に適用し、OD450nmをY軸に適用して、標準曲線を引いた。結果を図7に示す。NGBタンパク質の濃度の検出可能な領域は、150ng/ml〜18μg/mlであることがわかる。
n)算出:ユーザーは、標準曲線に基づいて、サンプルにおけるNGB濃度を得ることができる。希釈倍数を乗じた後、サンプルにおけるNGBの正確な濃度を得ることができる。
実施例2.NGB−ELISAキットの適用
脳虚血後の血清におけるNGBタンパク質の動的変化は、動物モデルの血清におけるNGBタンパク質の濃度を検出することによって、明らかにすることができる。スナネズミの脳の虚血再かん流モデルを使用し、20分の虚血発作に続く再かん流後、2時間、8時間、16時間、24時間、48時間、及び72時間で血清を回収した。最初に、本発明の抗NGBポリクローナル抗体を免疫組織化学的方法により使用することによって、虚血再かん流モデルにおける組織の変化を検出し、この結果を図8及び図9に示す。ここで、図8A及び図8Bは、正常なスナネズミの海馬のCA及びCA領域におけるNGB免疫反応陽性ニューロンの正常な分布を示し、図9A及び図9Bは、再かん流の72時間後のスナネズミの海馬のCA及びCA領域におけるNGB免疫反応陽性ニューロンの分布を示す。比較すると、虚血再かん流損傷した神経細胞が破壊され、それらの多数が死滅していることがわかる。
本発明のキットを使用することによって、NGBの血清学的動的変化を検出し、それを脳切片と比較した。血清におけるNGBの変化を表1及び図10に示す。スナネズミの脳の虚血再かん流損傷の8時間後に、血清におけるNGB濃度が有意に(P<0.05)且つ徐々に増大し、48時間でピークに達したことが分かる。NGBの血清学的レベルは、虚血再かん流モデルにおける脳損傷の程度に明らかに関連する。したがって、NGBの血清学的レベル及びNGBの動的変化の検出により、脳損傷の程度を明らかにすることができることを結論付けることができる。この結果は、脳梗塞後の血清におけるNGBタンパク質の変化パターンを研究するのに、本発明のNGB−ELISAキットを使用することができることをはっきりと示している。同時に、脳梗塞の発生及び進行を評価するのに、この結果をさらに使用することができる。
実施例3.虚血関連血管疾患を患う患者及びラットの虚血再かん流損傷モデルの血清サンプルにおけるNGBタンパク質濃度の検出
NGB−ELISAキットを使用して、虚血関連血管疾患を患う患者及びラットの虚血再かん流損傷モデルの血清サンプルにおけるNGBタンパク質濃度を検出した。詳細なプロトコルは、以下のとおりであった。
a)コーティング:コーティング緩衝液(0.85Mの炭酸緩衝液(pH9.6))で抗NGBモノクローナル抗体を1:1000まで希釈した。96ウェルの酵素標識プレートを4℃で一晩、1ウェル当たり100μlでコーティングした。
b)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
c)ブロッキング:1ウェル当たり125μlのブロッキング緩衝液(0.05%のカゼイン)を使用して、ウェルを室温で4時間又は4℃で一晩処理した。
d)サンプルの充填:ブランク及び陰性対照用のウェルを設けた(各群に2つのウェル)。
(i)標準曲線を得るために、異なる濃度のrhNGBタンパク質をウェルに加えた(それぞれの濃度に2つのウェル)、
(ii)ラットの虚血モデル(20分の虚血の後、48時間の再かん流)の血清を加えた、
(iii)虚血関連血管疾患を患う患者の血清(病院番号307から購入、手術前に回収し、患者は特別な薬物のいかなる治療も受けなかった。血液のルーチン試験は正常である)を加えた、
(iv)全てのウェルで、サンプルの容量は、1ウェル当たり100μlである。37℃の水浴で1時間インキュベートした。
e)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
f)ポリクローナル抗体の添加:ポリクローナル抗体を1ウェル当たり100μlのPBS(0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で1:1500に希釈した。37℃の水浴で1時間インキュベートした。
g)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
h)二次抗体の添加:HRP標識ヤギ抗ウサギIgGを1ウェル当たり100μlとなるようにブロッキング緩衝液(1%のカゼイン)で1:5000に希釈した。37℃の水浴で30分間インキュベートした。
i)洗浄:洗浄緩衝液PBST(0.05%のTween−20を含む0.01Mのリン酸緩衝液(pH7.4))で3回洗浄した。
j)発色:1ウェル当たり100μlの3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)で現像した。37℃の水浴で10〜20分間インキュベートした。
k)停止:1ウェル当たり100μlの停止緩衝液(2MのHSO)で反応を停止させた。
l)検出:酵素免疫アッセイ機器でOD450の吸光を検出した。
m)標準曲線の獲得
n)標準曲線に基づくと、血清におけるNGB濃度は、患者では13μg/mlであり、20分間の虚血発作後、48時間の再かん流を行ったラットモデルでは11μg/mlである。
この結果は、本発明のNGB−ELISAキットを、患者又はラットのいずれかの血清における正確なNGB濃度を検出するのに使用することができることを示唆している。
本発明のNGB−ELISAキットは、様々なサンプルにおけるNGBタンパク質濃度を検出するのに十分な感度があり、老年性認知症、脳梗塞、又は外傷性脳損傷等のニューロン損傷及び変性疾患に関連する多くの疾患の臨床診断のための潜在的なガイドラインとして使用することができ、これらの疾患の進行を追跡するのを助ける。
図1は、PCR技法により得られたrhNGBの増幅産物の電気泳動図を示す図である。 図2はそれぞれ、PCR及び制限酵素法による同定後におけるrhNGB陽性クローンの制限酵素地図を示す図である。 図3は、得られたモノクローナル抗体の免疫ブロット分析を示す図である。 図4は、得られたモノクローナル抗体のサブクラスの同定を示す図である。 図5は、得られたポリクローナル抗体の免疫ブロット分析を示す図である。 図6は、得られたポリクローナル抗体によって検出された成体スナネズミの脳におけるNGBタンパク質の分布を示す図である。 図7は、本発明のキットによって検出されたNGBタンパク質の標準曲線を示す図である。 図8は、スナネズミの海馬におけるNGB陽性ニューロンの分布を示す図である。 図9は、虚血再かん流損傷後72時間の脳におけるNGB陽性ニューロンの分布を示す図である。 図10は、虚血再かん流後2〜72時間のスナネズミの脳におけるNGBの血清学的変化を示す図である。

Claims (7)

  1. 抗NGBモノクローナル抗体と、抗NGBポリクローナル抗体と、酵素標識抗体と、標準NGBタンパク質とを含むNGB−ELISAキットであって、
    該抗NGBモノクローナル抗体が、NGB抗原でマウスを免疫した後、細胞融合してハイブリドーマ細胞を産出すること、及びその後該ハイブリドーマ細胞を培養することによって得られ;
    該抗NGBポリクローナル抗体が、NGB抗原で動物を免疫すること、及びそれから該動物の血清から採取することによって得られ、
    該標準NGBタンパク質が、NGB抗原であって、
    該NGB抗原が、以下の工程によって得られる、NGB−ELISAキット:
    1)全長ヒトNGBcDNA配列を含む原核細胞発現ベクターを構築する工程と、
    2)該構築された原核細胞発現ベクターを大腸菌HB101株に形質転換して、次いで陽性クローンをスクリーニングする工程と、
    3)熱刺激によって該NGBの発現を誘導して、発現産物を得る工程と、
    4)該発現産物をゲルろ過し、次いでアニオン交換クロマトグラフィーすることにより、該NGB抗原を得る工程。
  2. 前記原核細胞発現ベクターがpBV220−rhNGBである、請求項に記載のNGB−ELISAキット。
  3. 前記陽性クローンを培養する条件が、80〜120μg/mlのアンピシリンを含むLB培養培地に前記大腸菌株を植菌すること、及び、28〜32℃で2〜3時間培養した後に、40〜44℃で振盪しながら培養して、rhNGBの発現を誘導することである、請求項に記載のNGB−ELISAキット。
  4. 前記酵素標識抗体が、HRP標識ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンである、請求項1〜のいずれか1項に記載のNGB−ELISAキット。
  5. 酵素標識プレートと、発色試薬とをさらに含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のNGB−ELISAキット。
  6. 前記発色試薬が、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMB)である、請求項に記載のNGB−ELISAキット。
  7. 老年性認知症、脳梗塞、又は外傷性脳損傷の臨床診断の支援における、請求項1に記載のNGB−ELISAキットの使用。
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