JP3969129B2 - ゲートウェイおよび通信データの中継方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信データの中継を行うゲートウェイおよび通信データの中継方法に関するもので、例えば車内LANに用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信ネットワークにおいては、ネットワークの肥大化および通信プロトコルの多様化に対応するために、ネットワークに接続するノード、すなわち端末間の通信を中継し、プロトコル変換等を行うゲートウェイと呼ばれる装置が用いられている。
【0003】
例えば車両内においては、車内LANと呼ばれる通信ネットワークを介して車両の各部のECUが端末として通信を行っている。この車内LANは通信プロトコル毎に異なるバスによって構成されており、複数のバスに跨る通信はゲートウェイによって中継されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような、ゲートウェイが通信の中継を行う通信ネットワークにおいては、通信データの集合であるデータフレームのバス占有率、すなわちバス負荷が大きくなった場合には、データ伝達遅延現象が頻発し、最悪の場合データフレームの不達、すなわちフレーム抜けが発生するおそれがある。このため、バス負荷を低く抑えることが通信の信頼性を向上させるための重要な要素となる。
【0005】
一般的なネットワークの設計手法では、例えば同じ通信プロトコルで複数のバスを使用する等、バスの数を増やすことによって1つのバス当たりの端末の数を減らすことが可能となる。このようにすることでバス負荷の低減には繋がるが、一方でバスが増えることによるネットワークの複雑化や肥大化およびコストアップを招くこととなってしまう。
【0006】
本発明は上記したような背景に鑑みて、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークにおいて、バス負荷を低減することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、請求項1に記載の発明は、複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行うバス手段と、通信バスを介して受信したデータの宛先となる端末を検知する宛先検知手段と、複数の通信バスのうち、受信したデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみ、データを送出するデータ送出手段と、通信バスを介して受信するデータの集合であるデータフレームの識別子と、データフレーム中の各データの宛先となる端末との対応が記録される記録手段とを備え、宛先検知手段は、受信した前記データフレームの識別子を読みとり、この識別子と前記記録手段の記録に基づいてデータフレーム中の各データの宛先となる端末を検知することを特徴とするゲートウェイである。
【0008】
これにより、複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行うゲートウェイが、通信バスを介して受信したデータの宛先となる端末を検知し、このデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみデータを送出するので、通信バスに不要なデータが送出されることがない。したがって、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークにおいて、バス負荷を低減することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のゲートウェイにおいて、データ送出手段は、通信バスを介して受信したデータを、それぞれのデータの宛先となる端末に基づき、データの集合であるデータフレームとして纏めた後に、データフレームを当該通信バスに送出することを特徴としている。
【0011】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のゲートウェイにおいて、宛先検知手段は、通信バスを介して受信するデータ中に記録されている送信先の端末を示す情報を読みとり、この送信先の端末を示す情報に基づいてデータの宛先となる端末を検知することを特徴としている。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行い、かつ、通信バスを介して受信するデータの集合であるデータフレームの識別子と、データフレーム中の各データの宛先となる端末との対応を記録しているゲートウェイにおいて、通信バスを介して受信したデータフレームの識別子を読みとり、この識別子と記録している前記対応に基づいてデータフレーム中の各データの宛先となる端末を検知し、複数の通信バスのうち、受信したデータフレーム中のデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみ、データを送出する通信データの中継方法である。
【0013】
これにより、複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行うゲートウェイが、通信バスを介して受信したデータの宛先となる端末を検知し、このデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみデータを送出するので、通信バスに不要なデータが送出されることがない。したがって、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークにおいて、バス負荷を低減することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1に、本実施形態に係る車内LAN1の構成を示す。車内LAN1は、ゲートウェイ2、バスA〜D、ノードA1〜A4、ノードB1〜B4、ノードC1〜C4、ノードD1〜D4から構成されている。ノードとは、端末のことであり、本実施形態においては車内のECUとして実現されている。
【0015】
バスAは、車内の走行系のECUのための通信プロトコル、例えばCANによって通信が行われるバスである。このバスAにはノードA1、ノードA2、ノードA3、ノードA4が接続している。またバスAは、これらノードA1〜A4とゲートウェイ2とのデータの授受を仲介している。これらのノード、すなわち端末としては、例えばエンジンECU、エアサスECU、ブレーキECU等がある。エンジンECUは、エンジンの状態を検知してバスAに送出し、またバスAからの信号を受信してエンジンを制御するECUである。エアサスECUは、エアサスペンションの状態を検知してバスAに送出し、またバスAからの信号を受信してエアサスペンションを制御するECUである。ブレーキECUは、ブレーキの状態を検知してバスAに送出し、またバスAからの信号を受信してブレーキを制御するECUである。
【0016】
バスBおよびバスCは、ボデー系のECUのための通信プロトコル、例えばBEAN(Body Electrons Area Network)によって通信が行われるバスである。このバスBにはノードB1、ノードB2、ノードB3、ノードB4が接続しており、バスCにはノードC1、ノードC2、ノードC3、ノードC4が接続している。またバスBは、ノードB1〜B4とゲートウェイ2とのデータの授受を仲介しており、バスCは、ノードC1〜C4とゲートウェイ2とのデータの授受を仲介している。これらのノード、すなわち端末としては、例えばドアECU、ワイパーECU、パワーウィンドウECU、ライトECU、各種スイッチECU、ホーンECU等である。これらのECUは、それぞれドア、ワイパー、パワーウィンドウ、ライト、各種スイッチ、ホーンの状態を検知してバスBまたはバスCに送出し、またバスBまたはバスCからの信号を受信してそれぞれの機器を制御するECUである。
【0017】
バスDは、車内の情報系のECUのための通信プロトコル、例えばAVC−LANによって通信が行われるバスである。このバスDにはノードD1、ノードD2、ノードD3、ノードD4が接続している。またバスDは、これらノードD1〜D4とゲートウェイ2とのデータの授受を仲介している。これらのノード、すなわち端末としては、例えばカーナビECU、オーディオECU、無線電話ECU等がある。カーナビECUは、バスDからの制御信号を受信することによりGPSを利用して車両の現在位置を取得し、また車両の現在位置情報をバスDに送出するECUである。オーディオECUは、オーディオ機器の状態を検知してバスDに送出し、またバスDからの制御信号を受信してオーディオ機器を制御するECUである。無線電話ECUは、バスDからの制御信号および無線通信データを受信して無線通信を行い、また無線通信によって得たデータをバスDに送出するECUである。
【0018】
図2は、ゲートウェイ2の構成を示すブロック図である。ゲートウェイ2は、CPU21、ROM22、RAM23、LANコントローラ24A〜24D、およびドライバ25A〜25Dから構成されている。
【0019】
ドライバ25Aは、バスAからのデータを受信し、LANコントローラ24Aに出力するようになっており、またLANコントローラ24Aからのデータを受信してバスAへ出力するようになっている。
【0020】
ドライバ25Bは、バスBからのデータを受信し、LANコントローラ24Bに出力するようになっており、またLANコントローラ24Bからのデータを受信してバスBへ出力するようになっている。
【0021】
ドライバ25Cは、バスCからのデータを受信し、LANコントローラ24Cに出力するようになっており、またLANコントローラ24Cからのデータを受信してバスCへ出力するようになっている。
【0022】
ドライバ25Dは、バスDからのデータを受信し、LANコントローラ24Dに出力するようになっており、またLANコントローラ24Dからのデータを受信してバスDへ出力するようになっている。すなわちドライバ25A〜25Dは通信インターフェースである。
【0023】
LANコントローラ24Aは、ドライバ25Aから受信したバスAの通信プロトコルに則ったデータを受信し、これをCPU21が扱えるデータに変換し、CPU21に出力するものである。またLANコントローラ24Aは、CPU21からデータを受信し、それをバスAの通信プロトコルに則ったデータに変換し、バスAに出力するものである。
【0024】
LANコントローラ24Bは、ドライバ25Bから受信したバスBの通信プロトコルに則ったデータを受信し、これをCPU21が扱えるデータに変換し、CPU21に出力するものである。またLANコントローラ24Bは、CPU21からデータを受信し、それをバスBの通信プロトコルに則ったデータに変換し、バスBに出力するものである。
【0025】
LANコントローラ24Cは、ドライバ25Cから受信したバスCの通信プロトコルに則ったデータを受信し、これをCPU21が扱えるデータに変換し、CPU21に出力するものである。またLANコントローラ24Cは、CPU21からデータを受信し、それをバスCの通信プロトコルに則ったデータに変換し、バスCに出力するものである。
【0026】
LANコントローラ24Dは、ドライバ25Dから受信したバスDの通信プロトコルに則ったデータを受信し、これをCPU21が扱えるデータに変換し、CPU21に出力するものである。またLANコントローラ24Dは、CPU21からデータを受信し、それをバスDの通信プロトコルに則ったデータに変換し、バスDに出力するものである。
【0027】
CPU21は、ROM22から処理のための所定のソフトウェアを読み出し、それに基づいた処理を行うようになっている。その処理によって、LANコントローラ24A〜24Dからデータを受信し、これらのデータを所定の処理に従って再編し、LANコントローラ24A〜24Dに出力するようになっている。この受信、再編、および出力の処理の詳細については後述する。
【0028】
ROM22は不揮発性メモリより成る読み出し専用のメモリである。このROM22には、CPU21が処理を行うための所定のソフトウェア、および後述する変換テーブルと送信周期テーブルとが記録されている。
【0029】
RAM23は、読み出し、書き込み両用のメモリである。またRAM23は、CPU21が受信したデータを一時的に格納するためのバッファ領域である。またRAM23は、CPU21がデータを再編し、所定のタイミングで送出するために、送信データを一時的に格納するバッファ領域である。
【0030】
このような構成のゲートウェイ2によって、1つのバスからこのゲートウェイ2が受信したデータは、ドライバ→LANコントローラ→CPU21へと渡され、CPU21によって再編されたデータは、CPU21→LANコントローラ→ドライバへと渡されて、所定のバスへ出力されるようになる。
【0031】
また、このような構成の車内LAN1においては、データの集合体であるデータフレームを単位として端末間の通信が行われる。すなわち、端末はデータフレームという形でデータを送信し、データフレームという形でデータを受信するようになっている。データフレームには、先頭にそのデータフレームの種類を特定するための識別子であるIDが格納されており、そしてそのIDに続いてデータが複数格納されている。端末から送信される1つのデータフレーム中には、宛先の端末が異なるデータが混在している。
【0032】
データフレーム中のどの位置にあるデータがどの端末を宛先としているかは、そのデータフレームのIDによってあらかじめ一意に規定されている。各端末は、この規定に従ったデータフレームを送出する。車内LAN1において端末から送信されるデータフレームのIDと、各IDを有するデータフレーム中のデータの位置毎の送信先の端末との対応を示すテーブル、すなわち変換テーブル、の一部を図3に示す。この図3によれば、例えば002のIDを有するデータフレームにおいては、最初のデータはノードB2、ノードB3宛、2番目のデータはノードC2宛、3番目のデータはノードB3宛、4番目のデータはノードD3宛、…となっている。この変換テーブルは、上記したROM22に記録されている。
【0033】
本実施形態ではゲートウェイ2が、各端末から受信したデータをこの変換テーブルに基づいて再編し、それによって1つの端末宛のデータのみが格納されたデータの集合をデータフレームとして纏め、そのデータフレームを当該端末に送信するという作動を行う。
【0034】
図4に、この車内LAN1の作動におけるデータの流れを模式的に示す。ゲートウェイ2に接続したバスA、バスB、バスC上の横長の矩形は、各バス上の端末から送信されたデータフレームである。このデータフレーム中の各データは縦長の矩形で表されている。各データ中、黒く塗りつぶされた矩形がノードD1宛のデータである。これらのデータフレームはゲートウェイ2によって受信され、ノードD1宛のデータが1つのデータフレームとなるよう纏められ、それがバスDに向けて送信される。図中バスD上の横長の矩形がこのデータフレームに対応する。このデータフレーム中、黒く塗りつぶされた部分が纏められたノードD1宛のデータである。またそれ以外の部分はデータフレーム中の空き領域である。
【0035】
また、データを受信する側の端末においては、一般的にデータの受信によって所有する情報を更新する。情報によっては、短い時間周期で更新しなければならないものもあれば、比較的長い時間周期で更新すればよいものもある。このように、端末からゲートウェイ2を介して送信されるデータには、それぞれ送信されなければならない時間周期が決められている。そこで本実施形態においては、ゲートウェイ2が作成して送信するデータフレームの形式の種類をあらかじめ決めておく。そして、1つの端末に送信するためのデータを更に送信周期によって分類し、この分類毎に格納先のデータフレームの種類を設けておく。すなわち、端末から送出される個々のデータには、それぞれゲートウェイ2において再編される際に格納されるべき先のデータフレームが1つ対応することになる。
【0036】
図5は、このようにして設けられるデータフレームの各種類について、それぞれ送信先端末、データフレームのID、および送信周期を対応づけたテーブルの一部である。この送信周期は、各データフレーム中のデータの更新必要な周期のうち、最も短いものである。以後このテーブルを送信周期テーブルと記す。この送信周期テーブルは、上記したROM22に記録されている。
【0037】
また、ROM22には、各データと、そのデータが格納されるべきゲートウェイ2が送信するデータフレームのIDとの対応もあらかじめ決められて記録されている。
【0038】
図6は、このような構成の車内LAN1において、あるバス内の端末がゲートウェイ2を介して別のバスの端末にデータを送信する時に、ゲートウェイ2のCPU21が行う処理の手順を示すフローチャートである。この図に従ってゲートウェイ2のデータの受信、再編、送信の作動を説明する。
【0039】
まずステップ600においてゲートウェイ2が起動すると、CPU21が初期化される。そしてCPU21はROM22から所定のソフトウェアを読みとり、このソフトウェアに基づく処理を開始する。
【0040】
次に処理はステップ610に移り、CPU21は各バスからデータフレームを新たに受信したか否かを判定する。
【0041】
受信したと判定すれば、処理はステップ620に移り、CPU21はROM22に記録されている変換テーブルを読みとり、受信したデータフレームのIDから、このデータフレーム中の各データの宛先となる端末を参照して検知する。また、各データを格納すべきデータフレームのIDをROM22から参照して検知する。そしてステップ630で、参照して検知した情報に基づき、RAM23中にバッファデータとして格納されている送信用のデータフレームに当該データを書き込む。また、もし当該データが格納されるべきデータフレームがRAM23中に存在しなければ、それを作成する。そして処理はステップ640に移る。
【0042】
また、ステップ610にて新たに受信したデータフレームがないと判定すれば、処理はステップ640に移る。
【0043】
そしてステップ640では、CPU21はROM22に記録されている送信周期テーブルを読み込む。そしてステップ650において、このテーブル中に記載されている各データフレームの送信周期と、このデータフレームが最後に送信されてから経過した時間とを比較し、経過時間が送信周期以上となっているデータフレームがあるか否かを判定する。
【0044】
あると判定すれば、CPU21はそのデータフレームを宛先の端末が存在するバスにのみ向けて送出する。これによってこのデータフレームはLANコントローラ、ドライバを経て所定のバスへと出力され、最終的に所定の端末によって受信される。そして処理は610に戻る。
【0045】
ないと判定すれば、処理は610に戻り、再び新たに受信したフレームがあるか否かの判定を行う。
【0046】
CPU21がこのような処理を行うことで、ゲートウェイ2が、バスA〜Dを介して受信したデータフレーム中のデータの宛先となる端末を検知し、データの再編をすることによって、このデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみデータを送出するので、通信バスに不要なデータが送出されることがない。したがって、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークにおいて、バス負荷を低減することができる。
【0047】
(第2実施形態)
ここで、本発明の第2実施形態として、第1実施形態で説明したものと同等の構成を有する車内LAN1において、ゲートウェイ2が受信するデータの宛先となる端末を検知する別の方法について説明する。
【0048】
本実施形態においては、ゲートウェイ2のRAM23、LANコントローラ24A〜24D、ドライバ25A〜25D、およびバスA〜Dは、第1実施形態と構成、作動を同じくするので、それらの説明については省略する。
【0049】
またCPU21およびROM22についても、第1実施形態と構成を同じくするので、それらの説明については省略する。ただし、ROM22は、第1実施形態において説明した変換テーブルを有しない。
【0050】
本実施形態において端末から送信されるデータフレームの構造を図7に示す。データの集合体であるデータフレームには、先頭にそのデータフレームの種類を特定するための識別子であるIDが格納されており、そしてそのIDに続いてデータが複数格納されている。端末から送信される1つのデータフレーム中には、宛先の端末が異なるデータが混在している。なお、各データの後部には、そのデータの宛先となる端末を示す情報が格納されている。データフレーム中のどの位置にあるデータがどの端末を宛先としているかは、そのデータに続く情報によって決められる。
【0051】
本実施形態ではゲートウェイ2が、各端末から受信したデータを、このデータに続く宛先となる端末を示す情報によって再編し、それによって1つの端末宛のデータのみが格納されたデータの集合をデータフレームとして纏め、そのデータフレームを当該端末に送信するという作動を行う。
【0052】
図8は、このような構成の車内LAN1において、あるバス内の端末がゲートウェイ2を介して別のバスの端末にデータを送信する時に、ゲートウェイ2のCPU21が行う処理の手順を示すフローチャートである。この図に従ってゲートウェイ2のデータの受信、再編、送信の作動を説明する。ただし、このフローチャートにおいて第1実施形態として図6で示したフローチャートと同等の処理については、説明を簡略化したものに止める。
【0053】
まずステップ800およびステップ810までの、初期化および受信フレーム有り無しの判定は、図6のステップ500および510の処理と同等である。
【0054】
ステップ810において受信したと判定すれば、処理はステップ820に移り、CPU21は受信したデータフレーム中のデータと、それに続く送信先の端末を示す情報を読みとって各データの宛先の端末を検知する。また、各データを格納すべきデータフレームのIDを、ROM22の記録を参照することで検知する。そしてステップ830において、この検知した情報に基づき、RAM23中にバッファデータとして格納されている送信用のデータフレームに当該データを書き込む。また、もし当該データが格納されるべきデータフレームがRAM23中に存在しなければ、それを作成する。そして処理はステップ840に移る。
【0055】
また、ステップ810にて新たに受信したデータフレームがないと判定すれば、処理はステップ840に移る。
【0056】
ステップ840、850、860の送信周期経過判定、送信等の処理は、図6におけるステップ640、650、660の処理と同等である。
【0057】
CPU21がこのような処理を行うことで、ゲートウェイ2が、バスA〜Dを介して受信したデータフレーム中のデータの宛先となる端末を検知し、データの再編をすることによって、このデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみデータを送出するので、通信バスに不要なデータが送出されることがない。したがって、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークにおいて、バス負荷を低減することができる。
【0058】
なお、本発明の第1および第2実施形態においては、CPU21とバスAとの間でデータの受け渡しを行うLANコントローラ24A〜24Dおよびドライバ25A〜25Dが、バス手段を構成する。ただし、バス手段はこのように複数のハードウェア装置によって実現されている必要はなく、複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行うものであればどのようなものでもよい。例えば、1つの汎用処理装置が複数の通信バスとの通信処理を行うような機能を有することによって、ソフトウェア的に実現されていてもよい。
【0059】
また、本発明の第1実施形態においては、CPU21のステップ620の変換テーブルから宛先端末を参照して検知する処理が宛先検知手段を構成する。また、第2実施形態においては、CPU21のステップ820のデータフレーム中から宛先の端末を検知する処理が宛先検知手段を構成する。ただし、宛先検知手段はこのようにソフトウェア的に実現されている必要はなく、通信バスを介して受信したデータの宛先となる端末を検知すればよい。例えば、専用のハードウェアによって宛先となる端末を検知するものによって実現されていても良い。
【0060】
また、第1実施形態においては、CPU21のステップ630〜660における、フレームの再編から送信までの処理がデータ送出手段を構成する。また、第2実施形態においては、CPU21のステップ830〜860における、フレームの再編から送信までの処理がデータ送出手段を構成する。ただし、データ送出手段はこのようにソフトウェア的に実現されている必要はなく、複数の通信バスのうち、受信したデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみデータを送出するものであればよい。例えば、専用のハードウェアによって同等の処理機能が構成されていても良い。
【0061】
また、第1および第2実施形態においては、ゲートウェイ2が送出するデータフレームには、必ず単一の端末宛のデータのみが含まれるようになっているが、かならずしもこのようになっている必要はなく、各データフレームは、通信バスのうち、ゲートウェイが受信したデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみ、データを送出するように作成されていればよい。例えば、ノードD2とノードD3宛のデータが1つのデータフレームとして纏られ、その上でバスDにこのデータフレームが送出されるようになっていてもよい。
【0062】
また、第1および第2実施形態においては、変換テーブルが記録される不揮発性のROM22が記録手段を構成する。ただし、記録手段は、通信バスを介して受信するデータの集合であるデータフレームの識別子と、データフレーム中の各データの宛先となる端末との対応が記録されるようになっていればどのようなものでもよく、このように不揮発性メモリから成る必要はない。例えばバックアップ電源を有する揮発性メモリにより構成されていてもよい。
【0063】
また、第1実施形態において説明した通信ネットワークは車内LAN1であるが、本発明の適用範囲は車内LANに限るものではなく、複数通信バス間の通信を中継するゲートウェイを有する通信ネットワークであれば、どのようなものでもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車内LAN1を示す構成図である。
【図2】ゲートウェイ2の構成を示すブロック図である。
【図3】ROM22が有する変換テーブルの一部を示す図である。
【図4】車内LAN1の作動におけるデータの流れを模式的に示す図である。
【図5】ROM22が有する送信周期テーブルの一部を示す図である。
【図6】ゲートウェイ2を介した端末間の通信において、CPU21が行う処理を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態において、端末から送信されるデータフレームの構造を示す図である。
【図8】ゲートウェイ2を介した端末間の通信において、CPU21が行う処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…車内LAN、2…ゲートウェイ、21…CPU、22…ROM22、
23…RAM、24A〜24D…LANコントローラ、
25A〜25D…ドライバ。
Claims (4)
- 複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行うバス手段と、
前記通信バスを介して受信したデータの宛先となる端末を検知する宛先検知手段と、
前記複数の通信バスのうち、前記受信したデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみ、前記データを送出するデータ送出手段と、
前記通信バスを介して受信するデータの集合であるデータフレームの識別子と、前記データフレーム中の各データの宛先となる端末との対応が記録される記録手段とを備え、
前記宛先検知手段は、受信した前記データフレームの識別子を読みとり、この識別子と前記記録手段の記録に基づいて前記データフレーム中の各データの宛先となる端末を検知することを特徴とするゲートウェイ。 - 前記データ送出手段は、前記通信バスを介して受信したデータを、それぞれのデータの宛先となる端末に基づき、データの集合であるデータフレームとして纏めた後に、前記データフレームを当該通信バスに送出することを特徴とする請求項1に記載のゲートウェイ。
- 前記宛先検知手段は、前記通信バスを介して受信するデータ中に記録されている送信先の端末を示す情報を読みとり、この送信先の端末を示す情報に基づいて前記データの宛先となる端末を検知することを特徴とする請求項1または2に記載のゲートウェイ。
- 複数の通信バスを介して端末とデータの授受を行い、かつ、前記通信バスを介して受信するデータの集合であるデータフレームの識別子と、前記データフレーム中の各データの宛先となる端末との対応を記録しているゲートウェイにおいて、
前記通信バスを介して受信した前記データフレームの識別子を読みとり、この識別子と記録している前記対応に基づいて前記データフレーム中の各データの宛先となる端末を検知し、
前記複数の通信バスのうち、前記受信したデータフレーム中のデータの宛先となる端末が接続している通信バスにのみ、前記データを送出する通信データの中継方法。
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