JP4259456B2 - データ記録装置及びデータ記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は、データ記録装置及びデータ記録方法に係り、特に、ノードの有する多種類のデータを記録するうえで好適なデータ記録装置及びデータ記録方法に関する。
従来より、車内LANを介して接続された複数の制御装置から出力されるデータを記録装置に記録するシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムにおいては、車両の走行が開始されると、以後、所定のタイミング(例えば定期的)で、エンジン制御装置やABS制御装置,ドア制御装置などの複数の制御装置から車内LANに対して記録装置宛てのデータが出力されて、記録装置がそれらのデータを記録する。
特開2002−330149号公報
しかしながら、上記の特許文献では、複数の制御装置から送られてきた複数種類のデータがどのようなルールに従って記録装置に記録されるのかについて何ら言及がなされていない。この点、例えば車両の故障診断を行うためにはほぼ同時期の複数種類のデータを収集する必要があるが、それにもかかわらず、各制御装置と記録装置との間でそれぞれ独自のルールが定められていると、収集ルールが煩雑化して、システムの汎用性が損われ、その結果として複数種類のデータの収集が困難となる不都合が生じてしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、複数種類のデータを収集するのに汎用的でかつ簡素なシステムにより構築したデータ記録装置及びデータ記録方法を提供することを目的とする。
上記の目的は、請求項1に記載する如く、ノードに多重通信線を介して接続され、該ノードの有する多種類のデータを記録するデータ記録装置であって、前記ノードは、予めデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDが付加されたデータを多重通信線へ送出すると共に、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて一時保管手段に一時保管する一時保管制御手段と、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して記録手段に格納する記録制御手段と、を備えるデータ記録装置により達成される。
また、上記の目的は、請求項4に記載する如く、ノードに多重通信線を介して接続され、該ノードの有する多種類のデータを記録するデータ記録方法であって、前記ノードは、予めデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDが付加されたデータを多重通信線へ送出すると共に、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて一時保管手段に一時保管させ一時保管制御ステップと、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して記録手段に格納させる記録制御ステップと、を備えるデータ記録方法により達成される。
本発明において、ノードから多重通信線へ送出されるデータには、予めデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDが付加されている。かかるデータがノードから多重通信線へ送出されると、そのデータに付加されているフレームIDが抽出されて特定され、そのデータがフレームIDごとに仕分けされて保管手段に保管される。かかるシステムにおいては、記録すべきデータにそのデータ種類ごとのフレームIDを付加することにより、保管手段にフレームIDごとに仕分けされたデータが保管されることとなるので、複数種類のデータを収集するうえでのルールが共通化され、汎用的でかつ簡素なシステムが構築されることとなる。
また、本発明において、一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータは、定期的に全フレームID分一括して記録手段に格納される。このため、同時期における複数種類のデータが纏めた状態で記録されることとなる。
この場合、請求項2に記載する如く、請求項1記載のデータ記録装置において、前記一時保管制御手段は、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて前記一時保管手段に上書きして保管すると共に、前記記録制御手段は、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して前記記録手段にコピーして纏めて格納することとすれば、また、請求項5に記載する如く、請求項4記載のデータ記録方法において、前記一時保管制御ステップは、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて前記一時保管手段に上書きして保管させると共に、前記記録制御ステップは、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して前記記録手段にコピーして纏めて格納させることとすれば、同時期における複数種類のデータを纏めた状態で記録することができる。
更に、請求項3に記載する如く、請求項1又は2記載のデータ記録装置において、各ノードは、それぞれ予め設定されているタイミングで、記録すべきデータに該データのデータ種類に割り当てられている固有のフレームIDを付加したデータフレームを多重通信線へ送出することとすれば、また、請求項6に記載する如く、請求項4又は5記載のデータ記録方法において、各ノードは、それぞれ予め設定されているタイミングで、記録すべきデータに該データのデータ種類に割り当てられている固有のフレームIDを付加したデータフレームを多重通信線へ送出することとすれば、ノード側から自発的に記録装置側へデータの送信を行う単方向通信が実現されるので、記録装置側からノード側に対してデータの送信を要求する必要のある双方向通信に比べて、多重通信線上での通信量を削減することが可能となる
請求項1乃至6記載の発明によれば、複数種類のデータを収集するシステムを汎用的でかつ簡素に構築することができる。
図1は、本発明の一実施例であるシステムの構成図を示す。本実施例のシステムは、自動車の各種制御装置に設けられるコンピュータを主体に構成された電子制御ユニットであるECUやインテリジェントなセンサなどの複数のノード10と、これら複数のノード10を接続した多重通信線12と、更にこの多重通信線12に接続された記録装置14と、を備えている。このシステムは、車両の故障診断を行ううえで各ノード10の有するデータを記録装置14に収集するためのシステムである。
多重通信線12は、CAN(Controller Area Network)等のシングル線又はツイストペア線からなる共有バスであり、各ノード10から送出されるデータを所定の通信プロトコルに従って時分割多重で伝送(多重通信)することを可能としている。各ノード10から送出されたデータは、多重通信線12を介して他のノード10又は記録装置14へ送信される。
ノード10は、例えば、ステアリング舵角に応じた信号を出力する舵角センサ、車両の重心軸周りに生ずるヨーレートに応じた信号を出力するヨーレートセンサ、スロットル開度やアクセル開度,エンジン水温等に基づいてエンジン制御を行うエンジンECU、車輪速やヨーレート,ステアリング舵角等に基づいて車両の旋回挙動を安定化させるVSC(Vehicle Stability Control)−ECU、シフト操作位置等に基づいて車両のシフトポジションを制御するトランスミッションECU、ブレーキ踏力やステアリング舵角等に基づいて車両の制動力を制御するブレーキECU、ステアリング舵角等に基づいて操舵アシスト力を制御するパワーステアリングECU、エアコン操作スイッチや車内温等に基づいて車内のエアコンディションを制御するオートエアコンECU等である。
各ノード10はそれぞれ、コントローラを内蔵するマイクロコンピュータ(マイコン)と、このマイコンに接続する通信モジュールと、を有している。マイコンは、接続する多重通信線12の通信プロトコルに従ってコントローラを制御して、自ノード10から出力すべき出力データを多重通信線12を介して他のノード10へ送信すべくデジタル化し、また、他のノード10から多重通信線12を介して受信した入力データをデコードして自身での制御を実行する。また、通信モジュールは、コントローラにより制御され、他ノード10に自ノード10のデータを送信すると共に、他ノード10から自ノード10に送信されたデータを受信する。ノード10はそれぞれ、自ノード10に接続するセンサやスイッチの状態に基づいて或いは更に他ノード10から送信されるデータに基づいて自ノードにおける制御を行う。
すべてのノード10のうち特定のノード10は、他の特定のノード10との間で必要なデータを定期的(例えば50msごと)に送受信する。例えば、VSC−ECUとブレーキECUとエンジンECUとの間では、ブレーキECUで検出される車輪速の情報が共有されており、或いは、VSC−ECUで決定された旋回挙動を安定させるための駆動トルクや制動力の制御指令値が共有されている。また、エンジンECUとオートエアコンECUとの間では、エンジンECUで検出されるエンジン水温の情報が共有されている。これらの制御データは、検出したノード10からそのデータを共有するノード10へ送信されて、その送信先のノードにおける制御に利用される。
記録装置14もまた、コントローラを内蔵するマイコンと、マイコンに接続する通信モジュールと、を有している。記録装置14は、多重通信線12の通信プロトコルに従ってコントローラを制御して、各ノード10から多重通信線12へ自記録装置14宛てに送信されるデータを通信モジュールで受信し、そのデータを記録する。具体的には、記録装置14は、送信されてきたデータを一時的に保管する一時保管データテーブル14aと、一時保管データテーブル14aに保管されるデータを定期的に格納するハードディスクなどの定常用記録媒体14bと、を有しており、ノード10からのデータをまず一時保管データテーブル14aに一時保管した後に定常用記録媒体14bに格納する。各ノード10は、車両故障を診断するのに必要な記録装置14に記録すべきデータを多重通信線12を介して記録装置14へ送信する。
各ノード10が多重通信線12へ送信するデータは、予め所定の構成を有するデータフレームにより構成されている。このデータフレームは、例えば、データの始まりを示すスタートオブフレーム(SOF)と、送信データの種類すなわち他の送信データと区別するための識別情報(データ送信の優先順位をも示す)を示すフレームIDと、当該送信データの長さを示すデータ長コード(DLC)と、送信データ自体の内容(例えば、車輪速の情報や駆動トルクの制御指令値等)を示すフィールドと、伝送エラーをチェックするためのCRCフィールドと、正常に受信が完了したことを確認するためのフィールドと、データの終わりを示すエンドオブフレーム(EOF)と、から構成されている。
尚、本実施例のネットワークシステム10は、各ノード10が多重通信線12を介して他のノード10へ送信すべきデータを時分割多重で送信することが可能なシステムである。すなわち、各ノード10は、多重通信線12に他のデータが流れていない状態ではデータ送信を開始することができる一方、他の1以上のノード10から同時にデータ送信が開始されたときは送信優先順位に従ってデータ送信を行い、他のノード10からのデータ送信が行われているときは一定時間待機した後にデータ送信を行う。
図2は、本実施例のシステムにおける各ノード10の有するデータと、そのデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDとの関係を表した図を示す。尚、以下では適宜、本実施例のシステムが多重通信線12に接続する3つのノード10を有する場合について説明し、それらのノード10をそれぞれECU−A、ECU−B、及びECU−Cとする。
例えば図1及び図2に示す如く、本実施例において、ECU−Aは、記録装置14に記録すべきデータを一種類(例えば車速)だけ有しており、そのデータには、フレームID=“100”が割り当てられている。また、ECU−Bは、記録装置14に記録すべきデータを2種類(例えばエンジン回転数とスロットル開度)だけ有しており、それらのデータには、それぞれフレームID=“101”と“102”とが割り当てられている。更に、ECU−Cは、記録装置14に記録すべきデータを一種類(例えばヨーレート)だけ有しており、そのデータには、フレームID=“103”が割り当てられている。ECU−A、ECU−B、及びECU−Cはそれぞれ、予め定められている定期又は不定期の間隔で、記録装置14に記録すべきデータを、そのデータの種類に対して割り当てられているフレームIDのデータフレームにセットし、そのデータフレームを多重通信線12へ送出する。
以下、本実施例のシステムにおいて、ノード10から多重通信線12へ送出される記録装置14に記録すべきデータを記録装置14に記録する手法について説明する。図3は、本実施例のシステムにおいて一のデータがノード10から送出されてから記録装置14に格納されるまでの手順を表した図を示す。また、図4は、本実施例のシステムにおいて複数のノード10からそれぞれ送出されるデータを記録装置14に格納する手法を説明するための図を示す。
例えば図3に示す如く、ECU−Aは、記録装置14に記録すべきデータ(図3において“0X20”データ)を多重通信線12へ送出すべきタイミングに至ると、そのデータの種類に対して予め割り当てられたフレームIDを“100”とするデータフレームにそのデータをセットしたうえで、そのデータフレームを多重通信線12へ送出する。多重通信線12にかかるデータフレームが送出されると、記録装置14は、そのデータフレームに含まれるフレームIDを読み取り、そのフレームIDに基づいて自記録装置14宛てのデータが含まれると判断してそのデータを受信する。そして、記録装置14は、予め記録すべき全フレームIDのデータをそのフレームIDごとに仕分けて一時保管している一時保管データテーブル14a内で、当該フレームID“100”のデータを更新(上書き)して保管する。尚、この際、一時保管データテーブル14a内の他のフレームID(“101”〜“103”)のデータは、更新されずにそのまま維持される(図3においてフレームID“101”=“0X1A”,フレームID“102”=“0X80”)。
また、記録装置14は、上記した一時保管データテーブル14a内のデータ更新とは別に、その一時保管データテーブル14a内の全フレームIDのデータを一括して定期的(例えば1秒ごと)にコピーして、纏めて定常用記録媒体14bに格納する。この際、一時保管データテーブル14a内の全フレームIDのデータが全く更新されていなくても、定期的なコピー及び格納は実施される。尚、定常用記録媒体14bには、過去所定期間内に一時保管データテーブル14aからコピーされて格納されたすべてのデータが、その記録時刻又は記録順がわかるように格納される。
例えば図4に示す如く、多重通信線12に送出されたデータの順序が、ECU−AによるフレームID“100”のデータ(データ内容:A1)、ECU−BによるフレームID“101”のデータ(データ内容:B2)、ECU−BによるフレームID“102”のデータ(データ内容:b2)、ECU−AによるフレームID“100”のデータ(データ内容:A2)、及びECU−CによるフレームID“103”のデータ(データ内容:C2)の順であると、その順に記録装置14がデータを受信する。
この場合、記録装置14は、ECU−A〜ECU−Cからのデータを受信するごとに、一時保管データテーブル14a内で、当該フレームのデータを更新(上書き)して保管する。例えば、ECU−AによるフレームID“100”のデータ(データ内容:A1)を受信すると、一時保管データテーブル14aのフレームID“100”のデータを“A1”へ更新し、その後、フレームID“100”のデータ(データ内容:A2)を受信すると、そのデータを“A1”から“A2”へ更新する。また、ECU−BによるフレームID“102”のデータ(データ内容:b2)を受信すると、一時保管データテーブル14aのフレームID“102”のデータを“b2”へ更新する。
また、記録装置14は、一時保管データテーブル14a内に保管されている、フレームID“101”のデータが“B1”であり、フレームID“102”のデータが“b1”であり、フレームID“103”のデータが“C1”である状況下、フレームID“100”のデータを“A1”へ更新した後に、定常用記録媒体14bへのデータコピーを行うべきタイミングに至ると、それら全フレームIDのデータを一括してコピーして定常用記録媒体14bに格納する。また、その後、一時保管データテーブル14a内のフレームID“101”のデータを“B2”へ更新した後に、定常用記録媒体14bへのデータコピーを行うべきタイミングに至ると、一時保管データテーブル14a内の全フレームIDのデータを一括してコピーして定常用記録媒体14bに格納する。一方、その格納後、ノード10からのデータを受信せず一時保管データテーブル14a内のデータ更新を一切行っていないときにも、定常用記録媒体14bへのデータコピーを行うべきタイミングに至ると、その時点での一時保管データテーブル14a内の全フレームIDのデータを一括してコピーして定常用記録媒体14bに格納する。以後、同様にして定期的に一時保管データテーブル14a内の全フレームIDのデータを一括してコピーして定常用記録媒体14bに連続的に格納する。
上記の如く記録装置14の定常用記録媒体14bに記憶され収集されたデータは、例えば車両事故後に車両故障の診断を行う際、事故時の車両挙動や操作状況を解析するのに用いられる。例えば定常用記録媒体14bに記憶された時刻から事故の日時が特定され、車速やヨーレートから事故時の車両状況が特定される。
このように、本実施例のシステムによれば、多重通信線12を介して複数のノード10及び記録装置14を接続させたネットワークにおいて、ノード10の有する複数種類のデータがそれぞれ、そのデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDを付加されて、ノード10から記録装置14宛てに多重通信線12へ送出され、記録装置14にフレームIDごとに仕分けされて記録される。尚、この記録されたデータは、同時期における複数種類のデータを纏めたものである。
この場合には、記録装置14にデータを記録するのに、データを送信する各ノード10は、そのデータをデータ種類ごとのフレームIDを有するデータフレームにセットして多重通信線12へ送出するだけでよく、また、記録装置14は、自己宛てに送られてきたデータをフレームIDごとに仕分けするだけでよく、その送信元のノード10を把握する必要はない。この点、かかる構成においては、記録装置14が複数種類のデータを記録するのに記録装置14と各ノード10との間で独自のルールを設ける必要はなく、共通のルールに従うこととなるので、ノード10や記録装置14の開発コストや負担を抑制でき、汎用的でかつ簡素なデータ記録システムを構築することが可能となる。
また、本実施例のシステムは車両に搭載されるシステムであるが、車両仕様の相違により、ある車種の車両では記録装置14に記録可能なデータを送信するすべてのノード10を有する一方で、他の車種の車両では記録装置14に記録可能なデータを送信するノード10のうちの一部しか有さないことがある。しかし、この場合にも、記録装置14は、定常用記録媒体14bへの記録タイミングごとに、一時保管データテーブル14a内の、対応するノード10が存在しないデータのフレームIDを含めて全フレームIDのデータを一括して定常用記録媒体14bに格納することとしても、データ更新が行われないデータのフレームIDについては初期データ値が継続して格納されるだけであるので、何ら問題は生じない。この点、本実施例のシステムによれば、車両の有するノード10のデータを記録装置14に記録するうえで、車種ごとにノード10や記録装置14の構成変更や設定変更を行う必要はなく、車種変更等に伴うノード10の増減に柔軟に対応したデータ記録を実現することが可能となっている。また、逆に、多重通信線12を介して接続させるノード10や記録装置14の増減に柔軟に対応できるので、その拡張性に優れたデータ記録システムを構築することが可能となる。
更に、本実施例のシステムにおいて、ノード10は、予め定められている定期又は不定期の間隔で自発的に、記録装置14に記録すべきデータを固有のフレームIDのデータフレームにセットして多重通信線12へ送出する。すなわち、かかる構成においては、データを記録装置14に記録するうえで、各ノード10は記録装置14へデータを送信するだけであり、かつ、記録装置14は各ノード10からのデータを受信するだけであって、ノード10と記録装置14との通信は単方向通信である。このため、本実施例のシステムによれば、記録装置14側からノード10側に対して記録すべきデータの送信を要求する必要のある双方向通信に比べて、多重通信線12上での通信量を削減することができ、また、その結果として、ノード10から記録装置14へのデータの送信頻度を多くすることができ、記録装置14における記録データの高密度化を図ることが可能となる。
尚、上記の実施例においては、記録装置14が特許請求の範囲に記載した「データ記録装置」に、一時記憶データテーブル14aが特許請求の範囲に記載した「保管手段」に、定常用記録媒体14bが特許請求の範囲に記載した「記録手段」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の実施例においては、複数のノード10(ECU−A、ECU−B、及びECU−C)から送信される多種類のデータを、記録装置14に記録すべきデータとしているが、一のノード10から多種類のデータを送信させたうえで、その多種類のデータのみを記録装置14に記録すべきデータとすることとしてもよい。
また、上記の実施例においては、記録装置14の定常用記録媒体14bに過去所定期間内のすべてのデータが格納されるが、新しいデータを格納すべき状況下でその定常用記録媒体14bがそのデータ容量分だけの残存容量を有していないときは、最も古いデータから順に消去して新しいデータを格納することとすればよい。
更に、上記の実施例においては、ネットワークシステム10を、自動車の有する各種の電子制御ユニットを多重通信線14を介して接続させたものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、自動車以外に搭載されて、電子制御装置を多重通信線を介して接続させたものであってもよい。
本発明の一実施例であるシステムの構成図である。 本実施例のシステムにおける各ノードの有するデータと、そのデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDとの関係を表した図である。 本実施例のシステムにおいて一のデータがノードから送出されてから記録装置に格納されるまでの手順を表した図である。 本実施例のシステムにおいて複数のノードからそれぞれ送出されるデータを記録装置に格納する手法を説明するための図である。
符号の説明
10 ノード
12 多重通信線
14 記録装置
14a 一時保管データテーブル
14b 定常用記録媒体

Claims (6)

  1. ノードに多重通信線を介して接続され、該ノードの有する多種類のデータを記録するデータ記録装置であって、
    前記ノードは、予めデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDが付加されたデータを多重通信線へ送出すると共に、
    前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて一時保管手段に一時保管する一時保管制御手段と、
    前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して記録手段に格納する記録制御手段と、
    を備えることを特徴とするデータ記録装置。
  2. 前記一時保管制御手段は、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて前記一時保管手段に上書きして保管すると共に、
    前記記録制御手段は、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して前記記録手段にコピーして纏めて格納することを特徴とする請求項1記載のデータ記録装置。
  3. ノードは、それぞれ予め設定されているタイミングで、記録すべきデータに該データのデータ種類に割り当てられている固有のフレームIDを付加したデータフレームを多重通信線へ送出することを特徴とする請求項1又は2記載のデータ記録装置。
  4. ノードに多重通信線を介して接続され、該ノードの有する多種類のデータを記録するデータ記録方法であって、
    前記ノードは、予めデータ種類ごとに割り当てられている固有のフレームIDが付加されたデータを多重通信線へ送出すると共に、
    前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて一時保管手段に一時保管させ一時保管制御ステップと、
    前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して記録手段に格納させる記録制御ステップと、
    を備えることを特徴とするデータ記録方法。
  5. 前記一時保管制御ステップは、前記ノードから多重通信線を介して送信されるデータをフレームIDごとに仕分けて前記一時保管手段に上書きして保管させると共に、
    前記記録制御ステップは、前記一時保管手段にフレームIDごとに仕分けて一時保管されたデータを、定期的に全フレームID分一括して前記記録手段にコピーして纏めて格納させることを特徴とする請求項4記載のデータ記録方法。
  6. ノードは、それぞれ予め設定されているタイミングで、記録すべきデータに該データのデータ種類に割り当てられている固有のフレームIDを付加したデータフレームを多重通信線へ送出することを特徴とする請求項4又は5記載のデータ記録方法。
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