JP3968826B2 - 即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法に関する。具体的に言うと、即湯機能を備えた給湯装置において、即湯モードのときに給湯割込みし、その給湯が終了して即湯モードに戻る際の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
給湯装置の熱交換器とカラン等の給湯栓との間には、一般に相当の配管距離があるため、長く給湯停止状態が続くと、配管内の残水が放熱によって冷える。そのため給湯栓を開いて再出湯すると、出湯当初、配管内に残っていた残水が吐出され、設定温度よりも低温の冷水が出水される。
【0003】
このような使用感の悪さを改善するため、即湯機能(保温機能)を備えた給湯装置が提案されている。これは、熱交換器の流入口側と給湯栓付近とを即湯用配管で結んで熱交換器を一部に含んだ循環路を構成し、当該循環路に循環ポンプを設けたものであり(図1参照)、給湯停止後には、循環路に設けられた循環ポンプを運転して熱交換器等の配管内に残っている残水を循環させ、残水の温度が所定温度よりも低下するとガスバーナーに点火して残水温度を一定温度以上に保つものである。
【0004】
図12は従来の給湯装置における給湯終了時の処理方法を具体的に示すフロー図である。従来の給湯装置においては、即湯モードに設定されているとき、カラン等の給湯栓が開かれて給湯割込みが発生すると、熱交換器に流れる流量が最低作動流量を超えたときに(S51)通常の給湯燃焼状態に切り換わって給湯を開始し(S52)、給湯栓が閉じられて最低作動流量以下の流量になると(S53)、給湯が停止して即湯モードに戻る(S54)。こうして給湯が終了すると、ただちに循環ポンプが運転開始して(S55)循環路内の湯を30秒間循環させる(S56,S57)。この後は、循環路内を循環している湯の温度が、設定されている出湯温度(設定温度)よりも5℃以上低くなると(S58)、循環ポンプを運転してガスバーナーを即湯燃焼させ(S59,S60)、一定時間燃焼すると循環ポンプを停止すると共にガスバーナーの即湯燃焼を停止させる(S61,S62)。
【0005】
このような即湯機能を備えた給湯装置では、残水温度が一定温度(上記の場合では、設定温度よりも5℃低い温度)以上に保たれているので、給湯停止後長い時間経過して再び給湯栓を開いても低温の冷水が出湯されることがなく、再出湯時の出湯特性が改善される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、即湯機能を有する従来の給湯装置では、給湯停止後ただちに循環ポンプを運転して残水を循環させるようにしていた。そのため、給湯中の加熱によって高温となっている熱交換器内の高温の湯の塊がそのまま循環路内を移動し、出湯停止して短時間のうちに給湯栓を開いて再出湯すると、高温の湯が吐出される危険があった。特に、バイパスミキシング方式の給湯装置では、熱交換器内には設定温度よりも高温の湯が溜まっているため、この湯が水と混合されることなく循環路を循環することになり、危険性も高かった。
【0007】
なお、従来の即湯機能で、給湯停止後ただちに循環ポンプを運転して残水を循環させるようにしている理由は、給湯停止後時間が経過してから、循環ポンプを運転して循環路内の残水を循環させるようにすると、給湯停止直後には熱交換器内に残っている湯が熱交換器の残熱で加熱されてますます温度が高くなるため、時間を遅らせて循環ポンプを運転すると、給湯栓を開いたときに却って危険性が高くなるからである。
【0008】
また、給湯停止後、熱交換器部分に残っている残水が自然放熱して冷却されるのを待って循環ポンプを運転すると、残水を循環させるまでの時間が長くなり過ぎるので、熱交換器以外の部分に残っている湯の温度が下がり過ぎ、循環ポンプが運転されるよりも前に給湯栓が開かれると低温の冷水が吐出されてしまい即湯機能を果たさなくなる。
【0009】
本発明の目的とするところは、即湯機能を備えた給湯装置において、給湯停止後に熱交換器内の高温の湯が即湯のために配管内に流れ込まないようにすることにより、再出湯時に高温の湯や低温の湯が出湯されないようにすることにある。また、本発明は、複数の給湯端末を有する場合において、直前の出湯時に用いられなかった給湯端末に残っていた冷水が出湯停止直後の開栓時に出湯されるのを防ぐことを別な目的としている。
【0010】
【発明の開示】
請求項1に記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法は、熱交換器の入水側と出湯側の管路を配管で結んで構成された熱交換器と循環ポンプを含む循環路と、前記循環路に連通する複数の給湯端末と、前記熱交換器からの出湯温度を検出する温度センサと、循環路内の湯を加熱するための加熱手段と、熱交換器に送風して熱交換器内の湯を冷却するための送風装置とを有する即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法であって、給湯終了時に、前記送風装置を運転して熱交換器内の湯を安全な温度まで冷却する工程と、前記熱交換器内の湯を冷却する工程の後、前記循環ポンプを運転して循環路内の湯を循環させながら前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定する工程と、前記出湯温度を判定する工程において前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定された場合に、循環ポンプを運転したままで循環路内の湯を加熱する工程と、前記出湯温度を判定する工程において前記熱交換器からの出湯温度が所定温度以上であると判定された場合に、所定時間循環ポンプの運転を継続した後に循環ポンプを停止して前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定し、前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定されたときには循環ポンプを運転して循環路内の湯を加熱する工程とを備えたことを特徴としている。
【0011】
本発明にあっては、給湯が終了すると、送風装置を運転して熱交換器内の湯を安全な温度まで強制的に冷却しているので、この後に循環ポンプを運転して循環路の湯を循環させても高温の湯が熱交換器から出て循環路を移動することがなく、給湯栓が開かれても高温の湯が出湯される危険がない。また、熱交換器内の湯は送風装置によって強制的に冷却されているので、その間に他の部分の湯が過冷却となる恐れがない。従って、即湯モードで再出湯される場合の出湯特性を良好にすることができる。
しかも、本発明にあっては、前記熱交換器内の湯を冷却した後、前記循環ポンプを運転して循環路内の湯を循環させながら前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定しているので、カラン等の複数の給湯端末を有する場合、循環ポンプを運転して検出した熱交換器の出湯温度が一定温度よりも小さいことをもって下流側の給湯端末部分で残水が冷えきっていることを検知することができる。そして、前記出湯温度を判定したときに前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定された場合(残水が冷え切っていることを検知した場合)には、循環ポンプを運転したままで循環路内の湯を加熱するので、下流側の給湯端末付近で残水が冷えきっているときに加熱のタイミングを失することなく直ちに保温運転を行なわせることができ、下流側の給湯端末が開かれたときに冷水が吐出されるのを防ぐことができる。また、前記出湯温度を判定したときに前記熱交換器からの出湯温度が所定温度以上であると判定された場合には、所定時間循環ポンプの運転を継続した後に循環ポンプを停止して前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定し、前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定されたときには循環ポンプを運転して循環路内の湯を加熱するようにしているので、通常の即湯運転を行なうことができる。
【0012】
請求項2に記載の実施態様は、請求項1記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法において、熱交換器ないし送風装置の近傍に雰囲気温度を検出するための雰囲気温度センサを備え、前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、当該雰囲気温度センサにより検出した雰囲気温度に応じて前記送風装置の送風運転時間を可変にすることを特徴としている。
【0013】
この実施態様にあっては、熱交換器や送風機の近傍の雰囲気温度に応じて適切な送風運転時間(送風時間)を設定することができるので、熱交換器内の湯温が送風装置によって過冷却され、再出湯時にアンダーシュートを起こすのを防止できる。
【0014】
請求項3に記載の実施態様は、請求項1記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法において、前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、前記熱交換器からの出湯温度を検出する温度センサによる検出温度が所定温度域になったときに前記送風装置の運転を停止させることを特徴としている。
【0015】
この実施形態にあっては、熱交換器内の湯温度が当該温度センサによる検出温度が所定温度域になったときに前記送風装置の運転を停止させているので、再出湯時に高温の湯が出湯される恐れがない。しかも、熱交換器内の湯温が送風装置によって過冷却され、再出湯時にアンダーシュートを起こすのも防止できる。
【0016】
請求項4に記載の実施態様は、請求項1記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法において、前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、前記熱交換器からの出湯温度の設定値に応じて、前記送風装置の送風運転時間を可変にすることを特徴としている。
【0017】
この実施形態にあっては、設定温度に応じて適切な送風運転時間を設定されるので、設定温度が高い場合に再出湯時にアンダーシュートを起こしたり、設定温度が低い場合に再出湯時にオーバーシュートを起こしたりすることがないようにできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は本発明の一実施形態による給湯装置1の構成を示す概略図である。缶体2内には熱交換器3が設けられており、熱交換器3の流入口は入水管4によって市水等の上水道と接続されている。この入水管4には、入水温度を検出するための入水温度センサ5、熱交換器3の通過水量を検出するための流量センサ6及び逆止弁7が設けられている。また、熱交換器3の流出口と湯水撹拌器8の入口との間には出湯管9が配管され、入水管4の逆止弁7よりも上流側と湯水撹拌器8の入口との間にはバイパス管10が配管され、湯水撹拌器8の出口とカラン等の給湯栓11との間にはミキシング管12が配管されている。出湯管9には、熱交換器3から出湯される湯の温度を検出するための出湯温度センサ13と流量調整弁14が設けられている。バイパス管10には、熱交換器3を通過することなく出湯側へ流れるバイパス水量を検出するための流量センサ15と、流量調整弁16が設けられている。ミキシング管12には、熱交換器3から出湯された湯とバイパス管10を通過した水の混合湯の温度(ミキシング温度)を検知するためのミキシング温度センサ17が設けられている。
【0021】
また、ミキシング管12の給湯栓11よりも上流側と入水管4の逆止弁7よりも下流側との間は、即湯用配管18によって接続されており、熱交換器3、入水管4、出湯管9、ミキシング管12、即湯用配管18によって閉じた循環路19が構成されている。即湯用配管18には、ミキシング管12から入水管4へのみ湯が流れるようにするための逆止弁20、循環ポンプ21、流量センサ22が設けられている。なお、各温度センサ5,13,17及び流量センサ6,15,22等の検知信号は、マイクロコンピュータ(CPU)とプログラムによって構成された制御装置23に送信されており、各流量調整弁14,16や循環ポンプ21は制御装置23からの制御信号によって制御されている。
【0022】
缶体2内の熱交換器3の下方にはガスバーナー24が配設され、缶体2の底面に開口されたエア吹出口25の下面にはシロッコファン型の送風ファン26が取り付けられ、缶体2上面には排気口27が開口している。ガスバーナー24には、元電磁弁28とガス比例弁29を介してガスが供給されており、制御装置23は、通常の給湯燃焼時には、ミキシング温度の設定値(設定温度)や入水温度、入水流量等の検出値、熱交換器3とバイパス管10との流量比等に応じてガス比例弁29をフィードフォワード(FF)制御すると共にミキシング温度の検出値に応じてガス比例弁29をフィードバック(FB)制御することにより、設定温度の湯を出湯するようガスバーナー24の燃焼力を調整している。なお、このガスバーナー24は電磁弁(図示せず)によって号数を切り換え可能になっている。
【0023】
送風ファン26は制御装置23によって運転又は停止と回転数を制御されている。送風ファン26は、ガスバーナー24の通常燃焼中には、ガスバーナー24にエアを供給して完全燃焼させ、燃焼後の排ガスを排気口27から排出しており、さらに、ガスとエアとの混合比が理想空燃比となるよう送風量を制御されている。また、送風ファン26は、給湯装置1が即湯モードに設定されていない場合には、給湯燃焼を終了した後一定時間(30秒程度)ポストパージ運転され、缶体2内の排ガスを強制排気する。また、給湯装置1が即湯モードに設定されている場合には、給湯燃焼を終了した後、一定時間運転され、熱交換器3に残っている高温の残水を強制冷却する。この即湯モードにおける残水強制冷却のための送風運転は、通常の給湯終了時のポストパージ時間(30秒程度)よりも長時間で、缶体2内が十分に冷却するまでの一定時間であって、例えば4分程度である。また、送風時間だけでなく、即湯モードにおける残水強制冷却のための送風運転を行う場合には、通常のポストパージよりも送風ファン26の回転数を高くしてもよい。
【0024】
制御装置23には、台所等の遠隔に設置されたリモートコントローラ30から各種設定情報が送信される。図2に示すものは、リモートコントローラ30の構成を示す図である。リモートコントローラ30は、現在時刻又は設定時刻や設定温度等を表示するための表示部31と、湯温等の各種設定を行うためのスイッチパネル部32とを表面に備えている。このスイッチパネル部32には、即湯スイッチ33が設けられており、この即湯スイッチ33をオンにすることによって給湯装置1を即湯モードに設定でき、あるいは即湯スイッチ33をオフにすることによって通常モードに戻すことができる。又、即湯モードは、即湯予約設定のためのスイッチ34,35,…を操作することによって所定時間に即湯モードとなるようにもできる。
【0025】
しかして、この給湯装置1は、カラン等の給湯栓11が開かれると、図1に破線の矢印で示すように、入水管4に入水した水は所定の分配比で熱交換器3側とバイパス管10とに分岐し、熱交換器3に流れる流量が最低作動流量を超えると、ガスバーナー24が点火されて熱交換器3を通過する水が設定温度よりも高い温度に加熱される。熱交換器3で加熱された高温の湯とバイパス管10を通過した水とは、湯水撹拌器8において所定の分配比で混合され、設定温度の混合湯となって給湯栓11から出湯される。
【0026】
この給湯動作は、給湯装置1が即湯モードにある場合も、通常のモードにある場合も同じであるが、通常のモードにある場合には、給湯動作が終了すると、送風ファン26が30秒のポストパージを実行した後、再出湯まで動作を停止する。
【0027】
これに対し、給湯装置1が即湯モードに設定されている場合には、給湯栓11が開かれて給湯割込みが発生すると、給湯装置1は図3に示すフロー図に従って動作する。すなわち、給湯栓11が開かれて熱交換器3に流れる流量が最低作動流量を超えると(S1)給湯装置1は通常の給湯燃焼状態に切り換わって給湯を開始し(S2)、給湯栓11が閉じられて最低作動流量以下の流量になると(S3)、給湯が停止して即湯モードに戻る(S4)。こうして給湯が終了すると、一定時間、例えば4分間送風ファン26によりポストパージして(S5,S6)熱交換器3に残っている高温の残水を冷却させた後、循環ポンプ21が運転開始して(S7)循環路19内の湯を30秒間循環させる(S8,S9)。循環ポンプ21を運転すると、循環路19内の残水は、図1に実線の矢印で示すように循環路19内を循環して循環路19内の湯温は均一化する。なお、このときにはガスバーナー24は燃焼しない。
【0028】
この後は、循環路19内を循環している湯の温度を監視し、循環している湯の温度が設定されている出湯温度(設定温度)よりも5℃以上低くなると(S10)、循環ポンプ21を運転して図1に実線で示すように循環路19内で湯を循環させながらガスバーナー24を即湯燃焼させて(S11,S12)循環路19内の湯を加熱し、循環路19内の湯の温度が所定温度に達したら循環ポンプ21を停止すると共にガスバーナー24の即湯燃焼を停止させる(S13,S14)。また、循環している湯の温度を監視している間に、給湯栓11が開かれた場合には(S15)、給湯装置1には給湯割込みが発生してステップS2以降の給湯動作及び給湯終了の処理を実行する。
【0029】
この給湯装置1にあっては、即湯モードに設定されている場合には、循環路19内の湯の温度が所定温度以下に下がった場合には、循環ポンプ21を運転して循環路19内の湯を加熱するようにしているので、再出湯時に低温の冷水が吐出されるのを防止することができる。また、給湯終了直後には、熱交換器3から湯水攪拌器までの間には熱交換器3で加熱された高温(50℃〜80℃)の湯が溜まっており、従来のように給湯終了直後に循環ポンプ21を運転すると、この高温の湯の塊が循環路19を移動し、短時間のうちに再度給湯栓11が開かれると、設定温度よりもはるかに高温の湯が給湯栓11から出湯される恐れがある。しかし、本発明の給湯装置1では、給湯終了直後に送風ファン26を長時間(例えば、4分程度)運転して熱交換器3付近の残水を冷却した後、循環ポンプ21を運転するようにしているので、循環ポンプ21を運転したときに高温の湯が熱交換器3から送り出されることがなく、短時間のうちに給湯栓11が開かれても高温の湯が吐出される危険がない。しかも、熱交換器3の高温の湯は、送風ファン26によって強制的に冷却させているので、熱交換器3内の高温の湯が冷却する間に他の部分の温水が放熱によって過冷却されるのを防止できる。
【0030】
(第2の実施形態)
図4は本発明の別な実施形態による給湯装置41の構成を示す概略図である。この給湯装置41にあっては、熱交換器3の下方近傍にサーミスタ等の雰囲気温度センサ42が設けられている。また、制御装置23は、雰囲気温度センサ42によって検出されている缶体2内の雰囲気温度から適切なファン回転時間(送風運転時間)を算出するための回転時間算出テーブル43を備えている。
【0031】
図5はこの給湯装置41の即温モードにおける動作を示すフロー図である。このフロー図によれば、即湯モードにおいて、給湯割込みが発生し、その給湯が終了すると(S1〜S4)、雰囲気温度センサ42によって缶体2内の雰囲気温度が検出される(S16)。ついで、制御装置23は、回転時間算出テーブル43を用いて適切なファン回転時間を算出し(S17)、送風ファン26を回転させてポストパージを行ない(S18)、算出したファン回転時間が経過したら(S19)送風ファン26を停止してポストパージを終了する。この後、循環ポンプ21を30秒間運転して(S7〜S9)循環路19内で残水を循環させた後、循環路19内の湯温を所定温度以上に保つ保温動作に入る(S10〜S15)。
【0032】
第1の実施形態では、給湯終了時のポストパージを一定時間(4分程度)に固定していたので、外気温度や缶体2内部の温度によっては熱交換器3内の湯が過冷却となったり、十分に湯温が下がらなかったりする恐れがある。特に、ポストパージによって過冷却となった場合には、循環ポンプ21の運転後、保温動作が行なわれる前に給湯栓11が開かれると、図6に示すように給湯栓11から出湯される湯のミキシング温度がアンダーシュートする恐れがある。
【0033】
そこで、この実施形態では、雰囲気温度センサ42によって缶体2内の雰囲気温度(送風温度)を検出し、この検出温度に応じてファン回転時間(送風運転時間)を変化させるようにした。この結果、ポストパージによって熱交換器3内の湯温を適温まで確実に下げることができ、冷水や高温湯が給湯栓11から吐出される危険を小さくできるようになる。
【0034】
ここで、熱交換器3内の湯温の低下は、送風ファン26のファン回転数、ファン回転時間、送風温度が重要な要素となるが、ファン回転数は再出湯の関係上変更することが困難であるため、送風温度に応じてファン回転時間を変化させるようにしている。そして、湯温を適温まで低下させるためのファン回転数を送風温度の関数
ファン回転時間=f(送風温度)
として実験的に求め、これをテーブル形式で制御装置23内に格納している。なお、上記ファン回転時間は、送風温度と出湯センサで検出された湯温の関数としてもよい。
【0035】
(第3の実施形態)
次の実施形態による給湯装置は、即湯モードにおいては、給湯終了後ただちにポストパージを行ない、出湯温度センサ13によって熱交換器3の湯温を常時監視しておき、この湯温が適当な温度THSまで下がるとポストパージを停止するようにしたものである。なお、この給湯装置の構成は、図1と同じであるので、図示は省略する。
【0036】
図7はこの給湯装置の即湯モードにおける動作を実現するための手順を説明するフロー図である。この手順をフロー図に従って説明する。即温モードにおいて発生した給湯割込みが終了すると(S1〜S4)、出湯温度センサ13によって熱交換器3内の湯温を検出して温度THS以下か否か判定し(S20)、当該湯温が適当な温度THS以下になっていれば循環ポンプ21を30秒間運転して(S7〜S9)循環路19内で残水を循環させた後、循環路19内の湯温を所定温度以上に保つ保温動作に入る(S10〜S15)。給湯終了時に、出湯温度センサ13によって検出した熱交換器3内の湯温が温度THSよりも高ければ、湯温が温度THS以下になるまで送風ファン26を運転してポストパージした(S20,S21)後、循環ポンプ21を30秒間運転して(S7〜S9)循環路19内で残水を循環させた後、循環路19内の湯温を所定温度以上に保つ保温動作に入る(S10〜S15)。
【0037】
このような方法によれば、出湯温度センサ13によって熱交換器3内の湯温が安全な温度THS以下に下がっていることを確認した後、循環ポンプ21を運転することができるので、再出湯時に高温の湯が吐出されることがなく、安全性が向上する。しかも、温度THSを低過ぎない適当な温度に設定すれば、外気温度の影響などがあっても、熱交換器3の湯が過冷却となることもなく、図8に示すように再出湯時に給湯栓11から吐出される湯のミキシング温度がアンダーシュート(図6参照)することもなくなり、再出湯時に良好な出湯特性を得ることができる。
【0038】
上記目標温度THSは、給湯栓11からの出湯温度に与える影響が実使用に影響がなく、熱交換器3内の湯が給湯栓11から出湯されてもやけどの恐れのない安全な温度で、かつ低過ぎない適当な温度でよいが、この温度THSは経験的又は実験的にに決定すればよい。
【0039】
(第4の実施形態)
第1の実施形態のように送風ファン26のファン回転時間を常に一定にしていると、設定温度(ミキシング温度の設定値)が低い場合には、ポストパージによって設定温度と比較してあまり低い温度まで冷却されなくても、出湯温度の設定値が高温の場合には、ポストパージによって設定温度に比べて非常に低い温度まで冷却され、再出湯時に大きなアンダーシュートが発生する恐れがある。
【0040】
つぎに説明する実施形態による給湯装置は、このように設定温度が高温の場合でも再出湯時にアンダーシュートが発生しにくいようにしたものである。給湯装置の構成は、図1と同じであるから、その説明は省略する。
【0041】
この実施形態では、設定温度によって送風ファン26のファン回転時間を異ならせており、図9のフロー図に示すように、設定温度が低温(例えば、48℃以下)の場合(ステップS22で YES の場合)には、ポストパージの時間を長くし(4分程度)(ステップS23)、設定温度が高温(例えば、60℃、75℃)の場合(ステップS23で NO の場合)には、ポストパージの時間を短く(30秒程度)している(ステップS24)。従って、高温設定時でも湯温が過冷却となるのを防止することができ、再出湯時のアンダーシュートをなくすことができる。
【0042】
なお、図10では、ポストパージのファン回転時間を2段階に分けているが、3段階以上に分けても差し支えない。
【0043】
(第5の実施形態)
図10は本発明の一実施形態による給湯装置51の構成を示す概略図である。この給湯装置51は、上流側の給湯栓11aと下流側の給湯栓11bとを備えている。このように上流側と下流側にそれぞれ給湯栓11a,11bを備えている場合、上流側の給湯栓11aだけが長時間にわたって使用されると、下流側の給湯栓11bが冷えきってしまうことがある。その場合でも、従来例の給湯装置では、循環ポンプが30秒運転された後でなければ循環路内の湯が加熱されないので(図12のS55〜S60参照)、保温運転のタイミングが遅れ、下流側の給湯栓11bが開かれると冷水が出る恐れがある。
【0044】
図11に示す処理方法は、このような場合に対する対処方法も考慮したものである。すなわち、この実施形態にあっては、即湯モードに設定されている場合において、割込んだ給湯が終了すると(S1〜S4)、ただちに送風ファン26によってポストパージし(S25)、熱交換器24内の湯温を強制的に下げる。ここでのポストパージは上記のいずれの実施形態によるものであってもよい。
【0045】
ポストパージが終了すると、下流側の給湯栓11bの近傍が冷えきった状態になっていないか否かを判定する。この判定は、循環ポンプを運転した(S26)後、出湯温度センサ13によって熱交換器3の出湯温度を検出し、この出湯温度が所定時間(例えば10秒間)連続して設定温度よりも所定値(例えば、5℃)以上低い温度であるか否かによって行なう(S27)。下流側が冷えきっている場合には、循環路19内の湯を循環させると湯温が低下するので、設定温度よりも所定値以上低い温度である場合には、下流側の給湯栓11bの付近が冷えきっていると判断し、直ちにガスバーナーを燃焼させて保温動作させる(S12〜S14)。
【0046】
これに対し、湯温が設定温度よりも所定値以下に下がらなかった場合には、通常の動作を行なう。すなわち、循環ポンプ21を30秒間運転した(S28〜S29)後、出湯温度センサで検出している湯温が5℃以上低下したときに保温動作する(S30〜S32,S12〜S14)。
【0047】
従って、この処理方法によれば、下流側の給湯栓11bの付近が冷えきっている場合には、直ちに保温動作に移行させることができる。
【0048】
なお、循環ポンプの運転時間や送風ファンのファン回転時間等の数値はいずれも一例であって、各数値に限定されるものでないことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による給湯装置の構成を示す概略図である。
【図2】同上の給湯装置に用いられているリモートコントローラの正面図である。
【図3】同上の給湯装置における即湯モードにおける動作を説明するフロー図である。
【図4】本発明の別な実施形態による給湯装置の構成を示す概略図である。
【図5】同上の給湯装置における即湯モードにおける動作を説明するフロー図である。
【図6】第1の実施形態において発生する可能性のあるアンダーシュートを示す図である
【図7】本発明のさらに別な実施形態による給湯装置の即湯モードにおける動作を説明するフロー図である。
【図8】同上の動作を説明する図である。
【図9】本発明のさらに別な実施形態による給湯装置の即湯モードにおける動作を説明するフロー図である。
【図10】本発明のさらに別な実施形態による給湯装置の構成を示す概略図である。
【図11】同上の給湯装置における即湯モードにおける動作を説明するフロー図である。
【図12】従来の即湯機能を有する給湯装置の即湯モードにおける動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
3 熱交換器
11,11a,11b 給湯栓
18 即湯用配管
19 循環路
21 循環ポンプ
23 制御装置
24 ガスバーナー
26 送風ファン
Claims (4)
- 熱交換器の入水側と出湯側の管路を配管で結んで構成された熱交換器と循環ポンプを含む循環路と、前記循環路に連通する複数の給湯端末と、前記熱交換器からの出湯温度を検出する温度センサと、循環路内の湯を加熱するための加熱手段と、熱交換器に送風して熱交換器内の湯を冷却するための送風装置とを有する即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法であって、
給湯終了時に、前記送風装置を運転して熱交換器内の湯を安全な温度まで冷却する工程と、
前記熱交換器内の湯を冷却する工程の後、前記循環ポンプを運転して循環路内の湯を循環させながら前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定する工程と、
前記出湯温度を判定する工程において前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定された場合に、循環ポンプを運転したままで循環路内の湯を加熱する工程と、
前記出湯温度を判定する工程において前記熱交換器からの出湯温度が所定温度以上であると判定された場合に、所定時間循環ポンプの運転を継続した後に循環ポンプを停止して前記熱交換器からの出湯温度を検出し、当該出湯温度が所定温度以上であるか否かを判定し、前記熱交換器からの出湯温度が所定温度よりも低いと判定されたときには循環ポンプを運転して循環路内の湯を加熱する工程と、
を備えたことを特徴とする即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法。 - 熱交換器ないし送風装置の近傍に雰囲気温度を検出するための雰囲気温度センサを備え、
前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、当該雰囲気温度センサにより検出した雰囲気温度に応じて前記送風装置の送風運転時間を可変にすることを特徴とする、請求項1に記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法。 - 前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、前記熱交換器からの出湯温度を検出する温度センサによる検出温度が所定温度域になったときに前記送風装置の運転を停止させることを特徴とする、請求項1に記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法。
- 前記熱交換器内の湯を冷却する工程においては、前記熱交換器からの出湯温度の設定値に応じて、前記送風装置の送風運転時間を可変にすることを特徴とする、請求項1に記載の即湯機能を備えた給湯装置の給湯終了時処理方法。
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