JP3834421B2 - 一缶多水路型給湯機 およびその制御方法 - Google Patents

一缶多水路型給湯機 およびその制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶二水路型給湯機であって、給湯流路にだけ通水のある単独使用時にバーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、給湯流路と追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時にバーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一缶二水路型給湯機は、図6に示すように、浴槽702内の湯を追い焚きするための追い焚き流路703と給湯流路701とがフィンを共通にする1つの熱交換器704を通っており、これら2つの流路内の水を1つのバーナー705で加熱するようになっている。バーナー705に供給するガス量は、ガス供給管の途中に設けた比例弁706によって調整される。
【0003】
このような一缶二水路型給湯機では、給湯と追い焚きとを同時使用すると、バーナーからの熱が追い焚き流路内を循環する水にも奪われるため、その分、給湯側に回る熱量が低下する。そこで、給湯と追い焚きとが同時使用された場合であっても、給湯側の最大号数が、給湯単独使用の場合の最大号数と大きく変動しないように、給湯単独使用時にバーナーへ供給し得るガス量の最大値を器具の有する最大号数よりも小さく制限するようになっている。
【0004】
たとえば、器具の最大号数が20号の場合、給湯と追い焚きとの同時使用時には器具の最大号数に相当するガス量での燃焼を許容するが、給湯単独使用の場合には、バーナーへ供給するガス量を16号程度に相当するガス量に制限するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような一缶二水路型給湯機では、給湯単独使用のためにバーナーを燃焼させた場合であっても、少なくとも燃焼開始直後は、バーナーからの熱が、追い焚き流路のうち熱交換器を通っている部分やその内部に停留する水を加熱するために吸収される。特に、追い焚き流路内に冷めた水が停留している場合には、バーナーを点火した直後における追い焚き側の吸収量が大きい。
【0006】
しかしながら従来の一缶二水路型給湯機では、給湯単独使用の開始当初から、バーナーに供給し得る最大のガス量を器具の最大号数に相当するガス量よりも小さい値に制限しているので、特に冷えた状態から給湯単独使用を開始したとき、出湯温度が設定温度に達するまでに長い時間を要してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、給湯単独使用を開始した際に出湯温度を短時間で設定温度まで上昇させることのできる一缶多水路型給湯機を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
前記バーナー(12)への燃料の供給量を調整するための調整弁(14)と、前記調整弁(14)の開度を制御する開度制御手段(72)と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段(73)とを備え、
前記開度制御手段(72)は、前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナー(12)への燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
【0009】
[2]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
前記バーナー(12)への燃料の供給量を調整するための調整弁(14)と、前記調整弁(14)の開度を制御する開度制御手段(72)と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段(73)と、前記給湯流路(20)のうち前記熱交換器(11)によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段(27)とを備え、
前記開度制御手段(72)は、前記熱交内水温が所定温度よりも低い状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナー(12)への燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
【0010】
[3]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
前記バーナー(12)への燃料の供給量を調整するための調整弁(14)と、前記調整弁(14)の開度を制御する開度制御手段(72)と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段(73)と、前記熱交換器(11)を通じて加熱される前の前記給湯流路(20)内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段(24)と、前記給湯流路(20)のうち前記熱交換器(11)によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段(27)とを備え、
前記開度制御手段(72)は、前記熱交内水温と前記入水温度との温度差が所定値より小さい状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナー(12)への燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
【0011】
[4]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
前記バーナー(12)への燃料の供給量を調整するための調整弁(14)と、前記調整弁(14)の開度を制御する開度制御手段(72)と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段(73)と、前記追い焚き流路(40)内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段(74、46)とを備え、
前記開度制御手段(72)は、前記追い焚き流路(40)内に水が存する状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナー(12)への燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
【0012】
[5]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
前記バーナー(12)への燃料の供給量を調整するための調整弁(14)と、前記調整弁(14)の開度を制御する開度制御手段(72)と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段(73)と、前記熱交換器(11)を通じて加熱される前の前記給湯流路(20)内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段(24)と、前記給湯流路(20)のうち前記熱交換器(11)によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段(27)と、前記追い焚き流路(40)内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段(74、46)とを備え、
前記開度制御手段(72)は、前記熱交内水温と前記入水温度との温度差が所定値より小さくかつ前記追い焚き流路(40)内に水が存する状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナー(12)への燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
【0013】
[6]前記熱交換器(11)を通じて加熱される前の前記給湯流路(20)内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段(24)と、前記給湯流路(20)のうち前記熱交換器(11)によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段(27)とを備え、前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量を前記過渡期用上限供給量に変更する前記所定期間の長さおよび前記過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、単独使用が開始される直前における前記入水温度と前記熱交内水温との温度が小さい程増加させることを特徴とする[1]、[3]、[4]または[5]記載の一缶多水路型給湯機。
【0014】
[7]前記追い焚き流路(40)内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段(74、46)を備え、前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量を前記過渡期用上限供給量に変更する際の前記所定期間の長さおよび前記過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、前記追い焚き流路(40)内に水が無いとき前記追い焚き流路(40)内に水が存する場合よりも減少させることを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]または[6]記載の一缶多水路型給湯機。
【0015】
[8]前記給湯流路(20)を通じて出湯される湯量を制限するための流量調整弁(14)と、前記流量調整弁(14)の開度を制御する流量制御手段とを備え、前記流量制御手段は、前記単独使用を開始した際に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量が前記過渡期用上限供給量に変更された場合も前記上限量が前記単独使用時最大供給量に制限されているものとして前記湯量を制限することを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]または[7]記載の一缶多水路型給湯機。
【0016】
[9]浴槽(60)内の水の循環する追い焚き流路(40)内の水と給水の通る給湯流路(20)内の水の双方にバーナー(12)からの熱を1つの熱交換器(11)で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路(20)と前記追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時に前記バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものを制御する一缶多水路型給湯機の制御方法において、
前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記バーナー(12)に供給する燃料の上限量を前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量に変更することを特徴とする一缶多水路型給湯機の制御方法。
【0017】
前記本発明は次のように作用する。
給湯流路(20)にだけ通水のある単独使用時にバーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、給湯流路(20)と追い焚き流路(40)の双方に通水のある同時使用時にバーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているが、開度制御手段(72)は、単独使用が開始された時点から所定期間が経過するまでの間は、単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内でバーナー(12)への燃料の供給量を制御する。なお、上記以外の期間では、単独使用の場合には単独使用時最大供給量の範囲内で、また同時使用のときは同時使用時最大供給量の範囲でバーナー(12)への燃料の供給量を制御する。
【0018】
このように、給湯単独使用を開始してから所定期間が経過するまでの間、単独使用時最大供給量よりも多い過渡期上限供給量まで燃料供給量の上限を高めるので、追い焚き流路(40)側での吸熱分が補われ、出湯温度の上昇を早めることができる。
【0019】
また、給湯流路(20)のうち熱交換器(11)によって加熱される部分に存する水の温度である熱交内水温を熱交内水温検出手段(27)によって検出し、熱交内水温が所定温度よりも低い状態の下で単独使用が開始されたときだけ、その後所定期間が経過するまで、バーナー(12)への燃料供給量の上限値を過渡期用上限供給量まで高める。
【0020】
このように熱交換機が冷えているときだけ、過渡期用上限供給量までの燃料供給を許容するので、追い焚き側での吸熱量が少ないにもかかわらず単独使用開始時に多量の燃料をフィードフォワード制御等によって供給し、必要以上に高温の湯が出てしまうような事態を防止することができる。
【0021】
なお、熱交換器(11)を通じて加熱される前の給湯流路(20)内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段(24)と、給湯流路(20)のうち熱交換器(11)によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段(27)とを設け、熱交内水温と入水温度との温度差が所定値より小さい状態の下で単独使用が開始されたときだけ、その後所定期間が経過するまで、バーナー(12)への燃料供給量の上限値を過渡期用上限供給量まで許容するようにしてもよい。これにより、単独使用の開始当初における燃料供給量の上限を過渡期上限供給量まで増加させるべきか否かをより的確に判定することができる。
【0022】
また、追い焚き流路(40)内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段(74、46)を設け、開度制御手段(72)は、追い焚き流路(40)内に水が存する状態の下で単独使用が開始されたときだけ、その後所定期間が経過するまでの間、単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内でバーナー(12)への燃料の供給量を制御する。
【0023】
追い焚き流路(40)内に水が存在しない場合には、その分、追い焚き流路側の熱容量が小さくなるので、給湯流路(20)側での吸熱量の減少が少なくなる。また、追い焚き流路(40)内に水が無いにもかかわらず燃料の供給量が多くなると、追い焚き流路(40)が空焚きに近い状態になり好ましくない。そこで、追い焚き流路(40)内に水が存在するか否かを判別し、水のあるときだけ燃料供給量の上限を高めるので、追い焚き側の空焚きを防止しつつ出湯温度の迅速な立上げを実現することができる。
【0024】
さらに、熱交内水温と入水温度との温度差が所定値より小さくかつ追い焚き流路(40)内に水が存する状態の下で単独使用が開始されたときだけ、燃料供給量の上限を単独使用時最大供給量から過渡期用上限供給量に変更するものでは、燃料供給量の増加が必要か否かがより的確に判別されることになる。
【0025】
また、バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量を過渡期用上限供給量に変更する期間の長さおよび過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、単独使用が開始される直前における入水温度と熱交内水温との温度が小さい程増加させる。さらに、バーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量を過渡期用上限供給量に変更する際の期間の長さおよび過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、追い焚き流路(40)内に水が存する場合よりも追い焚き流路(40)内に水が無い場合に減少させる。
【0026】
このように、増大量自体や増大を許容する期間の長さを、追い焚き側の吸熱量の大小に応じて変更するので、一層適切な加熱を行うことができる。
【0027】
なお、単独使用を開始した際にバーナー(12)へ供給し得る燃料の上限量が過渡期用上限供給量に増大された場合であっても、給湯流路(20)を通じて出湯される湯量は、燃料供給量の上限が単独使用時最大供給量に設定されているものとして制限される。このように単独使用時最大供給量の燃料が燃焼した場合を基準として給湯側の出湯量を制限するので、燃料供給量の増加によって増えた熱量が湯温の上昇に回り、出湯温度を迅速に立ち上げることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示すように、本実施の形態にかかる一缶二水路型給湯機10は、給水を加熱するための給湯流路20と、浴槽60内の湯を追い焚きするための追い焚き流路40の双方が通る熱交換器11と、当該熱交換器11を加熱するためのバーナー12とを備えている。当該バーナー12には、燃焼ガスの供給路であるガス供給管13が接続されており、ガス供給管13の途中には、燃焼ガスの供給量を調整するためのガス量調整弁14(比例弁)が取り付けられている。
【0029】
給湯流路20は、熱交換器11のフィンプレートから受熱する配管部分である給湯系受熱管21と、給湯系受熱管21の入口部に通じ、給水の流れ込み側となる給水管22と、給湯系受熱管21の出口部から延びる給湯管23とから構成されている。給水管22には、流入する給水の温度(入水温度)を検知するための入水サーミスタ24と、通水量を検知するための流量センサー25が設けられている。
【0030】
また、給湯系受熱管21のうち、熱交換器11の外部で折り返すUベント部には、当該部分における水温を検知する水管サーミスタ26が設けてある。給湯系受熱管21の出口部近傍には、給湯系受熱管21で加熱された後の水温(熱交内水温)を検知する熱交サーミスタ27が配置されている。
【0031】
給湯管23のうち熱交サーミスタ27よりも下流側の所定箇所と給水管22のうち流量センサー25より上流側の所定箇所との間は、熱交換器11を介さずに給水を給湯管23へ送り込むためのバイパス通路28によって接続されている。また、当該バイパス通路28の途中には、熱交換器11を迂回させる給水の流量を調整するためのバイパス流量制御弁28aが設けられている。
【0032】
給湯管23には、バイパス通路28との接続位置よりも下流側の箇所に、熱交換器11で加熱された湯とバイパス通路28を通じて熱交換器11を迂回した給水とがミキシングされた後の水温(出湯温度)を検知するための出湯サーミスタ29が配置されている。また給湯管23には、バイパス通路28との接続位置よりも上流側の箇所に出湯量を調整するための流量制御弁30が設けられている。
【0033】
追い焚き流路40は、熱交換器11のフィンプレートから受熱する配管部分である追い焚き系受熱管41と、追い焚き系受熱管41の一端部(追い焚き循環時における入口側)と浴槽60との間を接続する追い焚き戻り管42と、追い焚き系受熱管41の他端部と浴槽60との間を接続する追い焚き往き管43とから構成されている。追い焚き戻り管42の途中には、浴槽60内の湯を追い焚き系受熱管41に向けて送る循環ポンプ44と、循環する水の温度を検出する風呂サーミスタ45と、循環ポンプ44を回した際に追い焚き戻り管42内を水が流れるか否かを検知する流水スイッチ46とが設けられている。
【0034】
追い焚き戻り管42のうち循環ポンプ44よりも追い焚き系受熱管41側の所定箇所と給湯管23のうち出湯サーミスタ29よりも下流側の所定箇所との間は、給湯管23内の水を追い焚き流路40に送り込むための連絡路50によって接続されている。また、連絡路50の途中には、給湯管23からの水を追い焚き戻り管42に流すか否かを切り替えるための切替弁51が設けられている。切替弁51を開くことにより、給湯流路20側で加熱された湯を浴槽60へ注ぎ込むことが可能になっている。
【0035】
一缶二水路型給湯機10は、給湯動作、注湯動作、追い焚き動作など各種の動作を制御するための制御部70を備えている。また制御部70には、出湯温度の設定や、風呂の追い焚き指示等を受け付けるためのリモコン80が接続されている。このリモコン80は浴室等に設置される。制御部70には、ガス量調整弁14、入水サーミスタ24、流量センサー25、水管サーミスタ26、熱交サーミスタ27、バイパス通路28、出湯サーミスタ29、循環ポンプ44、切替弁51等の各種の制御部品やセンサ類が電気的に接続されている。ここでは、制御部70のうち給湯単独使用を開始時にガス量調整弁14の開度を調整する機能を果たす回路部分を主として示してある。
【0036】
制御部70は、上記機能を果たす回路部分として流量制御手段71と、開度制御手段72と、使用状態判別手段73と、水有無判別手段74と、タイマ75とを備えている。使用状態判別手段73は、給湯のみを単独で使用する給湯単独使用状態にあるか、追い焚きのみを単独で使用する追い焚き単独使用状態にあるか、給湯と追い焚きとを同時に使用する同時使用状態にあるかを判別する回路部分である。使用状態判別手段73は、リモコン80からの追い焚き指示の有無、および流水スイッチ46のオンオフ状態および内部の動作フラグ等を基にして追い焚き動作中か否かを判別する。また流量センサー25のオンオフを基にして給湯側を使用しているか否かを判別するようになっている。
【0037】
水有無判別手段74は、追い焚き流路40内に水が存在するか否かを判別する回路部分である。本実施の形態にかかる一缶二水路型給湯機10では、底にある栓を抜いて浴槽60内の残り湯を排出した際に、使用者がリモコン80に配置された所定のスイッチを押下することによって追い焚き流路40内に残った湯を浴槽60側へ排出することが可能になっている。したがって、給湯使用時に追い焚き流路40内に水の存在しない状態が起こり得る。
【0038】
なお、追い焚き流路40内の湯の排出は、循環ポンプ44を駆動することによって行われる。このほか、追い焚き流路40内の水圧を検知する水圧センサを有する場合には、たとえば、風呂の自動運転停止後に、水圧が急激に低下したとき浴槽60の底の栓が抜かれたと判定し、循環ポンプ44を駆動して、追い焚き流路40内の水を自動的に排出するようにしてもよい。
【0039】
水有無判別手段74は、風呂の自動運転のオンオフ、および使用者による操作や自動処理によって追い焚き流路40内の湯の排出処理が行われたか否か等を基にして、現在、追い焚き流路40内に水が存在しているか否か判別するようになっている。なお、所定時間ごとに循環ポンプ44を駆動して流水スイッチ46がオンするか否かにより、追い焚き流路40内の水の有無を調べるようにしてもよい。
【0040】
開度制御手段72は、バーナー12での燃焼量を調整するためにガス量調整弁14の開度を制御する回路部分である。バーナー12へ供給し得る燃焼ガスの上限量は、一缶二水路型給湯機10が給湯のみの単独使用であるか、給湯と追い焚きとの同時使用であるか、追い焚きのみの単独使用であるかに応じてそれぞれ予め定められている。ここでは、図2に示すように、給湯単独使用中の上限量である単独使用時最大供給量を16号に相当するガス量に、同時使用中の上限量である同時使用時最大供給量を20号に相当するガス量に、それぞれ設定してある。この20号の値は、器具としての最大号数になっている。
【0041】
開度制御手段72は、給湯を単独で使用している間は、その単独使用開始後の所定期間を除き、バーナー12へ供給するガス量を単独使用時最大供給量(16号相当)の範囲内で制御する。また同時使用中は、バーナー12へ供給するガス量を同時使用時最大供給量(20号相当)の範囲内で制御するようになっている。さらに開度制御手段72は、所定条件が成立する状態の下で給湯単独使用が開始されたときには、その後の所定期間に限り、バーナー12へ供給するガス量の上限を給湯単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量まで増加させ、この範囲内で供給するガス量の制御を行うようになっている。すなわち、図2の矢印91で示す範囲のガス量についても供給可能となる。
【0042】
給湯単独使用の開始時に、ガス供給量の上限を一時的に増加させるか否かの判定条件には、以下に示す2種のものがあり、これらのうちのいずれか一方または双方を設置時などに選択し得るようになっている。第1の判定条件は、給湯単独使用を開始する直前における熱交内水温(熱交サーミスタ27の検知する水温)と入水温度(入水サーミスタ24の検知する水温)との温度差が所定の基準値よりも少ないことである。
【0043】
すなわち、熱交換器11が冷えている場合には、追い焚き流路40も冷えた状態にあるので、給湯単独使用の開始時に多量の熱が追い焚き流路40側に吸熱される。一方、熱交換器11が既に暖まっている場合には追い焚き流路40側の吸熱量は少ない。そこで、これを判定条件に反映させ、追い焚き流路40の吸熱量が多い場合にのみ、それを補うために燃焼供給量の上限を増加させるようになっている。
【0044】
第2の判定条件は、追い焚き流路40内に水が存在することである。追い焚き流路40内に水が存在すれば、その分、追い焚き流路40側の熱容量が増えるので吸熱量も増加する。通常は、追い焚き流路40内に水が存在するか否かで熱交換器11の熱容量が10〜20パーセントも相違する。また追い焚き流路40内に水が無い状態で燃焼量を大きくし過ぎると、追い焚き流路40が空焚きに近い状態になる。そこで、追い焚き流路40内における水の有無をガス供給量の上限値を増加させるか否かの1つの判定条件に設定している。なお、いずれの判定条件も考慮しない無条件モードに設定し、給湯単独使用の開始時に常にガス供給量の上限を高めるようにすることも可能になっている。
【0045】
さらに、給湯単独使用の開始時におけるガス量の上限である過渡期用上限供給量の値および増加させる期間の長さをそれぞれ以下のうちのいずれかのモードに設定し得るようになっている。第1は固定モードであり、所定期間の長さおよび増加後のガス量の上限値を固定的に定めるものである。ここでは、固定モードにおける所定期間の長さを12秒に、上限の供給量を同時使用時最大供給量に等しい20号にそれぞれ設定してある。
【0046】
第2は温度差依存号数モードであり、給湯単独使用を開始する直前における熱交内水温と入水温度との温度差が小さいほど、ガス供給量の上限を増加させるものである。たとえば、温度差が10℃以下の場合には、過渡期用上限供給量を20号に相当するガス量に設定し、温度差が10℃以上で15℃以下の場合には過渡期用上限供給量を18号に設定するものである。
【0047】
第3は水有無依存号数モードであり、給湯単独使用開始時に追い焚き流路40内に水が存在するか否かによって供給し得るガス量の上限を変更するものである。ここでは、追い焚き流路40内に水が存在するときは上限を20号に、水が無いときは18号に設定するようになっている。
【0048】
第4は温度差依存期間モードであり、給湯単独使用を開始する直前における熱交内水温と入水温度との温度差が小さいほど、ガス供給量の上限を増加させる期間の長さを長くするものである。たとえば、温度差がある値よりも大きければ、通常12秒のところを8秒に減少させ、温度差がある値よりも小さい場合には、20秒まで延長される。
【0049】
第5は水有無依存期間モードであり、給湯単独使用開始時に追い焚き流路40内に水が存在するか否かによってガス量の上限を増加させる期間の長さを変更するものである。ここでは、追い焚き流路40内に水が存在するときは20号の上限を12秒間維持し、水が無いときは20号の上限を8秒間維持するように設定してある。
【0050】
さらに上記の各モードを任意に組み合わせることが可能になっている。たとえば、水有無依存号数モードと水有無依存期間モードとを組み合わせることにより、追い焚き流路40内に水があるときは、過渡期用上限供給量が20号であってその継続期間が12秒に設定され、水が無いときは18号を上限としその継続期間が8秒等に設定される。このほか、温度差に依存するモードと追い焚き流路40に水が存在するか否かに依存するモードとを組み合わせることも可能になっている。
【0051】
なお、開度制御手段72は、給湯動作中においては、出湯温度がリモコン80等を通じて使用者の設定した設定温度になるように、設定された上限量の範囲内でガス供給量を制御するようになっている。供給するガス量は、出湯開始時には、入水温度と設定温度との差などを基に演算で求めた値にフィードフォワード制御され、その後、実際の出湯温度と設定温度との差が小さくなるようにガス供給量を調整するフィードバック制御も加えるようになっている。
【0052】
流量制御手段71は、給湯側の出湯量(流量)を制限する流量制御弁30の開度を制御する回路部分である。流量制御手段71は、設定された上限のガス供給量を燃焼させても設定温度の湯を出湯することができないときに、出湯量を制限するものである。なお、給湯単独使用の開始時にガス供給量の上限が過渡期用上限供給量に変更されている期間であっても、流量制御手段71は、ガス供給量の上限が単独使用時最大供給量に設定されているものとして流量の制限を行う。
【0053】
すなわち、給湯単独使用開始時に20号までガス供給量の上限が増加された場合であっても、上限が16号である場合に許容される流量以上に流量制御弁30を開かないように制御する。具体的には、入水温度と設定温度との温度差と給湯単独使用時最大供給量である16号とから、16号の能力で設定温度の湯を出すことのできる最大流量を求め、流量センサー25の検出する流量がこれよりも多い場合には、求めた最大流量まで低下するように流量制御弁30の開度を絞るようになっている。
【0054】
なお、制御部70は、実際には、CPU(中央処理装置)とROM(リード・オンリ・メモリ)とRAM(ランダム・アクセス・メモリ)とを主要部とする回路によって構成されている。
【0055】
次に作用を説明する。
図3は、ガス供給量の上限を過渡期用上限供給量に増加させるか否かを第1の判定条件に従って判定し、変更後の動作を固定モードで行う場合の処理の流れを示している。通水の無い状態から給湯単独使用が開始されると(ステップS101;Y)、開度制御手段72は、熱交サーミスタ27の検出する熱交内水温と入水サーミスタ24の検出する入水温度との温度差が10℃以下か否かを調べる(ステップS102)。温度差が10℃以下の場合には(ステップS102;Y)、ガス供給量の上限を過渡期用上限供給量(20号)に設定し(ステップS103)、タイマ75により給湯単独使用開始後の経過時間を計測する(ステップS104)。
【0056】
そして、所定期間(ここでは12秒)が経過したとき(ステップS105;Y)、ガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量である16号に戻す(ステップS106)。一方、熱交内水温と入水温度との温度差が10℃以上あるときは(ステップS102;N)、給湯単独使用の開始当初からガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量である16号に設定する(ステップS106)。なお、流量制御手段71は、ガス供給量の上限が過渡期用上限供給量に設定されているか否かにかかわらず、ガス供給量の上限が16号に設定されているものとして流量の制限を行う。
【0057】
このように、熱交換器11が冷えている状態の下で給湯単独使用が開始されたとき、その後、所定期間が経過するまでの間、ガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量(16号)よりも多い過渡期用上限供給量(20号)に設定するので、追い焚き流路40側に吸熱される熱量を補うことができ、出湯温度を速やかに設定温度まで立ち上げることができる。また、熱交換器11が暖かい場合には、追い焚き流路40側に吸熱される熱量が少ないので、給湯単独使用の開始当初からガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量に制限し、出湯温度が一時的に設定温度よりも高くなるオーバーシュート現象の発生等を防止している。
【0058】
なお、バーナー12へのガス供給量は、給湯単独使用の開始当初は、設定した上限値になる傾向にあるが、出湯温度が設定温度に近づくにつれて、ガス供給量は次第に減少する。またガス供給量の上限が給湯単独使用時最大供給量に制限されているものとして流量制御手段71が出湯量を制限するので、出湯温度が設定温度と一致した時点では、ガス供給量は16号の範囲内に自ずと収まることになる。したがって、給湯単独使用を開始してから12秒間、ガス供給量の上限を20号に設定した後、16号まで急激に上限値を下げても、バーナー12に供給されるガス量が急激に変化して出湯温度が大きく変動するようなことはない。
【0059】
図4は、追い焚き流路40に水が存在するか否かによって過渡期用上限供給量の値または過渡期用上限供給量に設定する期間の長さを変更する場合における処理の流れを示している。通水の無い状態から給湯単独使用が開始され(ステップS201;Y)かつそのときの熱交内水温と入水温度との温度差が10℃以下のとき(ステップS202;Y)、開度制御手段72は、追い焚き流路40内の水の有無を、水有無判別手段74の現時点における判別結果を参照して調べる(ステップS203)。
【0060】
追い焚き流路40内に水が存在する場合には、ガス供給量の上限である過渡期用上限供給量を20号に設定するとともに、ガス供給量を20号に維持する期間の長さを12秒に設定する(ステップS204)。一方、追い焚き流路40内に水が存在しない場合には(ステップS203;N)、ガス供給量の上限である過渡期用上限供給量を20号に設定しかつその号数に上限量を維持する期間の長さを8秒に設定するか、あるいは過渡期用上限供給量を18号に設定しかつその号数に上限を維持する期間の長さを12秒にするかのいずれかに設定する(ステップS205)。なお、いずれに設定するかは設置時等に選択されたモードに従うことになる。
【0061】
その後、設定された時間の経過がタイマ75によって計時されたとき(ステップS206、ステップS207;Y)、ガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量である16号に戻す(ステップS208)。一方、熱交内水温と入水温度との温度差が10℃以上あるときは(ステップS202;N)、給湯単独使用の開始当初からガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量の16号に設定する(ステップS208)。
【0062】
このように、追い焚き流路40内に水がないときには、ガス供給量の上限をある程度抑えた値にするか上限量を増やしている期間を短くするので、追い焚き流路40が空焚きに近い状態になることを適切に防止することができる。
【0063】
図5は、熱交内水温と入水温度との差が大きくなるほどガス供給量の上限を一時的に増加させる期間の長さを短くするという温度差依存期間モードで動作する際の流れを示している。通水の無い状態から給湯単独使用が開始されると(ステップS301;Y)、そのとき熱交内水温と入水温度との温度差が5℃以下か否かを判別する(ステップS302)。
【0064】
温度差が5℃以下の場合には(ステップS302;Y)、ガス供給量の上限である過渡期用上限供給量を20号に設定するとともに、ガス供給量を20号に維持する期間の長さを20秒に設定する(ステップS303)。温度差が5℃以上であって10℃以下の場合には(ステップS304;Y)、ガス供給量の上限を20号に設定し、それを維持する期間の長さを12秒に設定する(ステップS305)。また温度差が10℃以上であって15℃以下の場合には(ステップS306;Y)、ガス供給量の上限を20号に設定し、それを維持する期間の長さを8秒に設定する(ステップS307)。
【0065】
その後、設定した期間が経過したとき(ステップS308、ステップS309;Y)、ガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量である16号に戻す(ステップS310)。また、熱交内水温と入水温度との温度差が15℃以上あるときは(ステップS306;N)、給湯単独使用の開始当初からガス供給量の上限を給湯単独使用時最大供給量の16号に設定する(ステップS310)。
【0066】
このように、温度差に応じてガス供給量の上限を増やしている期間の長さを増減させるので、温度差の大小にかかわらず出湯温度を迅速に設定温度まで高めることができる。
【0067】
これらのほか、給湯単独使用の開始時に、ガス供給量の上限を一時的に増加させるか否かの判定条件を第2の判定条件(追い焚き流路40内に水があるか否か)または第1の判定条件(熱交内水温と入水温度との温度差が所定値以下か否か)と第2の判定条件との双方の併用としてもよい。また過渡期用上限供給量の値およびその号数を維持する期間の長さは、先に説明した温度差依存号数モード、水有無依存号数モード、温度差依存期間モード、水有無依存期間モードのいずれかまたはこれらの組み合わせにより適宜設定することができる。
【0068】
以上説明した実施の形態では、熱交内水温と入水温度との温度差によって熱交換器11が冷えているか否かを判定しているが、これに比して精度は劣るものの、熱交内水温の絶対値のみを基準に判定するようにしてもよい。また、実施の形態で示した過渡期用上限供給量の号数やそれを維持する期間の長さは例示でありこれに限るものではない。このほか実施の形態では、熱交サーミスタ27によって熱交内水温を測定し熱交換器11が冷えているか否かを検出したが、水管サーミスタ26を用いてもよい。
【0069】
また実施の形態では、2種の判定条件と各種のモードとを具備し、これらの中から適宜のものを設置時等に選択するようにしたが、これら全ての判定条件やモードを備える必要はなく、予めいずれかのものに固定的に定めてもよい。
【0070】
さらに実施の形態では一缶二水路の給湯と追い焚きの例を示したが、これに限定されず、給湯と他の流路、たとえば、暖房でもかまわない。したがって、給湯と追い焚きと暖房の各流路を共通の熱交換器で加熱する一缶多水路型給湯機でも本願は有効である。なお、バーナーへ供給する燃料はガス以外に石油等であってもかまわない。また、石油等ではガンタイプバーナーのようなバーナーレスタイプなどでもよい。
【0071】
【発明の効果】
本発明にかかる一缶二水路型給湯機およびその制御方法によれば、給湯単独使用を開始してから所定期間が経過するまでの間、単独使用時最大供給量よりも多い過渡期上限供給量まで燃料供給量の上限を高めるので、追い焚き流路側での吸熱分が補われ、出湯温度の上昇を早めることができる。
【0072】
また、熱交換機が冷えているときだけ燃料供給量の上限を高めるものでは、追い焚き側での吸熱量が少ないにもかかわらず単独使用の開始時に多量の燃料を供給し、必要以上に高温の湯が出てしまうような事態を防止することができる。
【0073】
さらに、追い焚き流路内に水が存在するときだけ燃料供給量の上限を高めるものでは、追い焚き側の空焚きを防止しつつ出湯温度の迅速な立上げを実現することができる。
【0074】
また、上限供給量の増大量自体や増大を許容する期間の長さを、追い焚き流路内の水の有無や熱交換機の冷え具合に応じて変更するものでは、出湯温度を迅速に高めるために必要な量の燃料を過不足なく適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る一缶二水路型給湯機の概略構成を示す説明図である。
【図2】給湯単独使用時最大供給量と同時使用時最大供給量の関係を示す説明図である。
【図3】ガス供給量の上限を過渡期用上限供給量に増加させうるか否かを第1の判定条件に従って判定し、変更後の動作を固定モードで行う場合の処理の流れを示す流れ図である。
【図4】追い焚き流路に水が存在するか否かによって過渡期用上限供給量の値または過渡期用上限供給量に設定している期間を変更する場合における処理の流れを示す流れ図である。
【図5】熱交内水温と入水温度との差が大きくなるほどガス供給量の上限を一時的に増加させる期間の長さを短くする温度差依存期間モードで動作する際の流れを示す流れ図である。
【図6】従来から使用されている一缶二水路型給湯機の概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
10…一缶二水路型給湯機
11…熱交換器
12…バーナー
14…ガス量調整弁
20…給湯流路
24…入水サーミスタ
25…流量センサー
27…熱交サーミスタ
30…流量制御弁
40…追い焚き流路
44…循環ポンプ
46…流水スイッチ
60…浴槽
70…制御部
71…流量制御手段
72…開度制御手段
73…使用状態判別手段
74…水有無判別手段
75…タイマ
80…リモコン

Claims (9)

  1. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
    前記バーナーへの燃料の供給量を調整するための調整弁と、前記調整弁の開度を制御する開度制御手段と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段とを備え、
    前記開度制御手段は、前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナーへの燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
  2. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
    前記バーナーへの燃料の供給量を調整するための調整弁と、前記調整弁の開度を制御する開度制御手段と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段と、前記給湯流路のうち前記熱交換器によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段とを備え、
    前記開度制御手段は、前記熱交内水温が所定温度よりも低い状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナーへの燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
  3. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
    前記バーナーへの燃料の供給量を調整するための調整弁と、前記調整弁の開度を制御する開度制御手段と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段と、前記熱交換器を通じて加熱される前の前記給湯流路内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段と、前記給湯流路のうち前記熱交換器によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段とを備え、
    前記開度制御手段は、前記熱交内水温と前記入水温度との温度差が所定値より小さい状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナーへの燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
  4. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
    前記バーナーへの燃料の供給量を調整するための調整弁と、前記調整弁の開度を制御する開度制御手段と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段と、前記追い焚き流路内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段とを備え、
    前記開度制御手段は、前記追い焚き流路内に水が存する状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナーへの燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
  5. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものにおいて、
    前記バーナーへの燃料の供給量を調整するための調整弁と、前記調整弁の開度を制御する開度制御手段と、少なくとも前記単独使用中か否かを判別する使用状態判別手段と、前記熱交換器を通じて加熱される前の前記給湯流路内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段と、前記給湯流路のうち前記熱交換器によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段と、前記追い焚き流路内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段とを備え、
    前記開度制御手段は、前記熱交内水温と前記入水温度との温度差が所定値より小さくかつ前記追い焚き流路内に水が存する状態の下で前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量の範囲内で前記バーナーへの燃料の供給量を制御することを特徴とする一缶多水路型給湯機。
  6. 前記熱交換器を通じて加熱される前の前記給湯流路内の水の温度である入水温度を検出する入水温度検出手段と、前記給湯流路のうち前記熱交換器によって加熱される部分の中に存する水の温度である熱交内水温を検出する熱交内水温検出手段とを備え、前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量を前記過渡期用上限供給量に変更する前記所定期間の長さおよび前記過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、単独使用が開始される直前における前記入水温度と前記熱交内水温との温度が小さい程増加させることを特徴とする請求項1、3、4または5記載の一缶多水路型給湯機。
  7. 前記追い焚き流路内に水が存するか否かを判別する水有無判別手段を備え、前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量を前記過渡期用上限供給量に変更する際の前記所定期間の長さおよび前記過渡期用上限供給量の値のうちのいずれか一方または双方を、前記追い焚き流路内に水が無いとき前記追い焚き流路内に水が存する場合よりも減少させることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の一缶多水路型給湯機。
  8. 前記給湯流路を通じて出湯される湯量を制限するための流量調整弁と、前記流量調整弁の開度を制御する流量制御手段とを備え、前記流量制御手段は、前記単独使用を開始した際に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量が前記過渡期用上限供給量に変更された場合も前記上限量が前記単独使用時最大供給量に制限されているものとして前記湯量を制限することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の一缶多水路型給湯機。
  9. 浴槽内の水の循環する追い焚き流路内の水と給水の通る給湯流路内の水の双方にバーナーからの熱を1つの熱交換器で伝える一缶多水路型給湯機であって、前記給湯流路にだけ通水のある単独使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である単独使用時最大供給量と、前記給湯流路と前記追い焚き流路の双方に通水のある同時使用時に前記バーナーへ供給し得る燃料の上限量である同時使用時最大供給量とが予め定められているものを制御する一缶多水路型給湯機の制御方法において、
    前記単独使用が開始されたとき、その後所定期間が経過するまでの間、前記バーナーに供給する燃料の上限量を前記単独使用時最大供給量よりも多い過渡期用上限供給量に変更することを特徴とする一缶多水路型給湯機の制御方法。
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