JP3968631B2 - 給湯システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、下部から取り出した湯水を例えばヒートポンプ等の外部熱源手段により加熱昇温させた高温湯を上部に戻して貯留槽に貯留しておき、この貯留槽から取り出した湯に水を混合することにより所定温度に温調してから給湯するための給湯方法及び給湯システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の給湯システムとしてヒートポンプを外部熱源として利用する貯湯式給湯システムが知られている。例えば図13に示すように、ヒートポンプ3の凝縮器に対し貯留槽2内の湯水を通過させて熱交換加熱することにより貯留槽2内の湯水を高温に加熱し、この高温湯を貯留槽2から出湯させて給湯に利用する給湯システムが知られている。このものにおいては、貯留槽2内の湯水をヒートポンプ3との間で循環させる循環路41及び循環ポンプ42からなる循環手段が設けられており、上記ヒートポンプ3及び循環ポンプ42を作動させて貯留槽2の下部から取り出した湯水を上記ヒートポンプ3の凝縮器で熱交換加熱して高温湯(例えば90℃の高温湯)にし、これを上記貯留槽2の上部に戻して貯留するようになっている。この際、ヒートポンプ3の成績係数(COP)向上のためや圧縮機の保護のために、加熱対象である貯留槽2内の湯水温度が所定温度(例えば40℃)以上になれば、すなわち凝縮器の入り側の温度センサ43による検出温度が上記所定温度になれば上記の循環による加熱を停止させるという制御が行われている。つまり、上記圧縮機の能力やヒートポンプ3内に循環される熱媒体(冷媒)の特性上より、所定量以上の温度差がなければ、熱交換加熱自体が不能となるためである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の給湯システムによると、貯留槽内の湯水の状態によっては加熱作動させても貯留槽内の湯水全量を高温に加熱し得ず、相対的に低温のままで加熱不能の残湯が生じてしまうことがある。このため、給湯装置としては上記残湯量を考慮して貯留槽の容量を増大させる必要が生じ、給湯装置全体が大きくなってしまうという不都合を招いている。
【0004】
すなわち、加熱停止後に給湯のために貯留槽2上部から出湯路50を通して出湯されこれに伴い貯留槽2下部に入水路6から入水されると、貯留槽2内の湯水は上半部が高温部分になり下半部が低温部分という温度差のある温度層に分かれた分布状態になる。ここで、図13の左半分に示す状態Aのように上半部に例えば40℃の残湯WRが分布し、下半部に例えば15℃の水WLが分布しているとすれば、この状態Aから循環ポンプ42を作動させてヒートポンプ3からの受熱により貯留槽2内の湯水の加熱を開始させると、下半部の水WLは上記ヒートポンプ3により熱交換加熱されて例えば90℃の高温湯WHとなって貯留槽2上部に戻される。この際、貯留槽2上部に戻される加熱後の高温湯WHと、上記残湯WRとの間の温度差が通常25℃以上あると、両者は互いに混ざり合わず、間に僅かな上下幅の混合層(境界層)WDを挟んで上下に分かれたままで、高温湯WH部分だけが順次増大することになる。そして、図13の右半分に示す状態Bのように上記の水WLが全て加熱されて貯留槽2の上部に戻されると、これに押し下げられて残湯WR部分が貯留槽2の下部に分布するようになる。この際、この残湯WRが加熱不能な上限温度以上であると加熱作動自体が停止されてしまうため、貯留槽2内は上半部に90℃の高温湯WHが分布し、下半部に上記の40℃の残湯WRが非加熱のまま残されてしまうことになる。
【0005】
そして、図13の状態Bにおいて給湯のために貯留槽2の上部から高温湯WHを出湯させるとそれに伴い入水路6から下部に入水され(同図の状態C参照)、この入水により残湯WRが押し上げられ高温湯WHが全て出湯されてしまうと、再び図13の状態Aとなる。
【0006】
一方、このような貯湯式給湯システムにおいては上記貯留槽2の上部に風呂追い焚き用の熱交換器を配設して上記高温湯WHからの熱交換加熱により追い焚きさせることも行われる場合がある。この場合では、たとえ給湯のために出湯が行われたとしても、貯留槽2の上部に高温湯WHをなるべく残しておくようにしたいという要求がある。しかしながら、上記の如く貯留槽2の上部に低温の残湯WRが充満した状態Aになると追い焚き不能という事態も発生し得る。このため、給湯使用されても高温湯WHが上部に残るように余裕代を持たせて貯留槽を大型化する必要が生じてしまう。
【0007】
以上のような不都合はヒートポンプ以外の外部熱源手段により貯留槽内の湯水を加熱する場合においても生じ得る。
【0008】
以上の不都合を解消させるために、給湯のために貯留槽2から出湯させる場合には貯留槽2の中段位置から残湯WR部分を先に出湯させ、その後に上部からの高温湯WHの出湯に切換えるという給湯方法が考えられる。しかしながら、給湯のために残湯WR部分の全てを出湯させて出湯温度が設定給湯温度近傍まで低下してから上部からの高温湯WHの出湯に切換えるようにすると給湯特性(給湯の出湯特性)の悪化を招くことになる一方、上記残湯部分WR部分の出湯を途中で止めて上部からの高温湯WHの出湯に切換えてしまうと程度の差はあるものの残湯WRが結局残り上記の如き不都合を招くことになる。
【0009】
すなわち、図14の左半分に示すように中段位置からのみの出湯を長く継続すると湯水混合手段に対する出湯温度(同図左半分の点線参照)は残湯WR部分の減少と共に下部から給水されて入水するため設定給湯温度(例えば38〜40℃)近傍まで低下し、この時点で上段位置からの高温湯WHの出湯に切換えると出湯温度はその中段から上段への切換えと同時に急激に上昇することになる。すると、湯水混合手段において設定給湯温度に温調するための水の混合比を瞬時に変更させることが必要となるものの、混合比の急変に湯水混合手段が追随し得ずに一時的に遅れが生じて給湯温度(同図左半分の実線参照)も一時的に大変動してしまい、給湯特性(給湯の出湯特性)も一時的に大変動してしまうことになる。
【0010】
一方、中段位置からの出湯(残湯WR部分の出湯)を途中で止めて上段に切換えるようにすると、図14の右半分に示すように切換による出湯温度(同図右半分の点線参照))の急上昇の程度は少なくなり、その分、給湯温度(同図右半分の実線参照)の変動の程度も少なくはなるものの、高温湯WHの消費に伴い、貯留槽2の上部に残湯WRが残ることになり、上述の不都合が結局生じてしまうことになる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、加熱上限温度以上の残湯を残すことなく給湯のために使用しつつも、給湯使用における出湯特性の悪化を招くことのないようにし得る給湯方法及び給湯システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
特許請求の範囲には含まれないが、第1の考え方の方法としては、加熱手段により加熱されて内部の貯湯が上下方向に温度差を有する層をなして貯留されている貯留槽から出湯させ、この出湯に湯水混合手段において水を混合することにより所定温度に温調してから給湯に利用する給湯方法を対象として、上記貯留槽の上下方向に互いに離れた2以上の各部位から貯湯を取り出して出湯させる取出口を個別に設定し、上記貯留槽から湯水混合手段への出湯に際し、上記2以上の取出口から同時に取り出した上記各部位の貯湯を混合比可変に混合することにより上記湯水混合手段が受ける入湯の入湯温度が略一定になるように上記混合比を変更制御するようにする。
【0013】
上記の第1の考え方の方法によれば、貯留槽内の貯湯が上段位置の高温湯と、それよりも下方位置の低温湯とに温度差を有する層に分かれた状態で、上下方向に離れた上記2以上の各部位の取出口から内部の貯湯が同時に取り出されて混合され、しかもその混合比が変更制御されるため、湯水混合手段に対する入湯温度が略一定にされる。このため、湯水混合手段での湯・水の混合により所定の温度(例えば設定給湯温度)に温調する際に、上記入湯温度の急変に起因する制御遅れを回避して、確実に設定給湯温度での給湯を行うことが可能になり、給湯使用における出湯特性の悪化の発生を回避することが可能になる。その上に、常に上記の下方位置にある低温湯が取り出されて消費され、給湯のための取り出し出湯が継続する限り、ついにはその低温湯の全てが消費されることになる。このため、加熱手段による加熱不能な低温湯の残留を回避して上部の高温湯以外の貯留層内の湯水が全て加熱手段により加熱可能となり、低温湯の残留を考慮した貯留層の容量増大化を回避して貯留層のコンパクト化が図られる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性の確保が図られることになる。
【0014】
又、同様に特許請求の範囲には含まれないが第2の考え方の方法としては、加熱手段により加熱されて内部の貯湯が上下方向に温度差を有する層をなして貯留されている貯留槽から出湯させ、この出湯に湯水混合手段において水を混合することにより所定温度に温調してから給湯に利用する給湯方法を対象として、上記貯留槽の上下方向に互いに離れた2以上の各部位から貯湯を取り出して出湯させる取出口を個別に設定し、上記貯留槽から湯水混合手段への出湯に際し、上記2以上の取出口の内の最下段の取出口からの出湯を優先させつつ上記2以上の取出口の内から選択した1又は2以上の取出口からの取り出しに順次切換えることにより、上記湯水混合手段が受ける入湯の入湯温度の温度変化を抑制するようにする。
【0015】
上記の第2の考え方の方法によれば、貯留槽内の貯湯が上段位置の高温湯と、それよりも下方位置の低温湯とに温度差を有する層に分かれた状態で、選択された1又は2以上の取出口から貯湯が取り出される。この際、下方位置の取出口からまず取り出すことにより上記低温湯が給湯のために出湯され、この取り出しに伴い取り出し湯温が順次低下すれば上方の取出口をも選択して併せて取り出すようにすることにより上記入湯温度の温度変化が抑制されるというように、貯湯を取り出す取出口が順次切換えられる。このため、湯水混合手段に対する入湯温度の温度変化が抑制されて、湯水混合手段での湯・水の混合により所定の温度(例えば設定給湯温度)に温調する際に、上記入湯温度の急変に起因する制御遅れを回避して、確実に設定給湯温度での給湯を行うことが可能になり、給湯使用における出湯特性の悪化の発生を回避することが可能になる。その上に、下方位置の取出口からの貯湯の取り出しを選択することにより貯留槽内の下方位置にある低温湯が取り出されて消費され、その取り出し湯温が低下しても、上記下方位置の取出口と併せてより上方位置の取出口からの取り出しも追加することにより入湯温度の温度変化を抑制しつつ上記低温湯の消費の促進が図られる。このため、加熱手段による加熱不能な低温湯の残留を可及的に回避することが可能になり、低温湯の残留を考慮した貯留層の容量増大化を回避して貯留層のコンパクト化が図られる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性の確保が図られることになる。
【0016】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明では、下部からの給水により充満状態に維持される貯留槽と、この貯留槽の下部から取り出した湯水を高温湯に加熱した後に上記貯留槽の上部に戻す加熱手段と、上記貯留槽から出湯される湯に水を混合することにより所定温度に温調してから給湯する湯水混合手段とを備えた給湯システムを対象として、上記貯留槽の上下方向に互いに離れた2以上の各部位から個別に貯湯を取り出し可能に設けられた2以上の取出口と、上記2以上の取出口から同時に出湯される上記各部位の貯湯を混合比可変に混合することにより上記湯水混合手段に入湯される入湯温度が略一定になるように湯温調整する湯温調整手段と、上記各取出口から取り出される貯湯の温度を検出する取出温度検出手段と、この取出温度検出手段により検出される各取出温度に基づいて上記湯温調整手段での混合比を変更制御する湯温制御手段と、上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段を備えることとする。そして、上記湯温制御手段として、上記湯温調整手段による温調後に上記湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定給湯温度との関係で設定した設定入湯温度になるように混合比を変更制御するように構成され、かつ、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては取出温度検出手段により検出される各取出温度の変化に応じて変更した混合比になるように湯温調整手段を予め変更作動しておく一方、出湯が開始されて出湯中においては上記入湯温度検出手段により検出される入湯温度が設定入湯温度になるように上記混合比を順次変更補正する構成とした。
【0017】
この請求項1の給湯システムによれば、上記の第1の考え方の方法を確実に実施し得ることになり、2以上の取出口から同時に取り出される貯留槽内の温度差を有する貯湯が湯温調整手段により混合比可変に混合されて、湯水混合手段に対し略一定の入湯温度に湯温調整された状態で入湯させることが可能になる。
【0018】
又、上記各取出口から取り出される貯湯の温度を検出する取出温度検出手段と、この取出温度検出手段により検出される各取出温度に基づいて上記湯温調整手段での混合比を変更制御する湯温制御手段とをさらに備えるようにしているため、湯温調整手段における混合比が湯温制御手段により自動的かつ確実に変更制御され、湯水混合手段に対する入湯温度を確実に一定に温調することが可能になる。
【0019】
加えて、上記の湯温制御手段として、湯温調整手段による温調後に湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定給湯温度との関係で設定した設定入湯温度になるように混合比を変更制御する構成としているため、湯水混合手段に対する入湯温度が設定給湯温度との関係で設定された設定入湯温度で略一定となり、湯水混合手段における湯・水混合による設定給湯温度への温調をより容易かつ確実に行い得ることになる。
【0020】
さらに、上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段を備え、上記湯温制御手段として、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては取出温度検出手段により検出される各取出温度の変化に応じて変更した混合比になるように湯温調整手段を予め変更作動しておく一方、出湯が開始されて出湯中においては上記入湯温度検出手段により検出される入湯温度が設定入湯温度になるように上記混合比を順次変更補正する構成としているため、再出湯待機時においても次回の給湯のための出湯開始に備えて湯温調整手段の混合比がそのときの検出取出温度に基づいて最適な混合比に逐次変更されるため、どの時点で次回の給湯のための出湯が開始されても、その出湯開始の最初から湯水混合手段に対する入湯温度を設定入湯温度にすることが可能になる。しかも、出湯が開始されると、その混合比が現実の検出入湯温度に基づいて逐次補正されるため、より一層確実に設定入湯温度で湯水混合手段に対し入湯させることが可能になる。これにより、出湯特性の悪化発生の回避等がより確実に得られるようになる。
【0021】
請求項2に係る発明では、下部からの給水により充満状態に維持される貯留槽と、この貯留槽の下部から取り出した湯水を高温湯に加熱した後に上記貯留槽の上部に戻す加熱手段と、上記貯留槽から出湯される湯に水を混合することにより所定温度に温調してから給湯する湯水混合手段とを備えた給湯システムを対象として、上記貯留槽からの出湯のために内部の貯湯を取り出す取出口を上下方向に互いに離れた2以上の各部位に設定し、この2以上の取出口の内の下位側の取出口からの取り出しを優先させつつ上記2以上の取出口の内の1又は2以上から選択的に取り出した貯湯を上記湯水混合手段に入湯させる構成とした。
【0022】
加えて、請求項2に係る発明では、上記2以上の取出口からの2以上の取出管にそれぞれ介装されて各取出口からの貯湯の取り出しを個別に開閉切換えする開閉弁と、この2以上の開閉弁を選択的に開閉切換制御することにより湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定入湯温度以上になるように湯温調整する湯温制御手段と、上記各取出口から取り出される各貯湯の取出温度を検出する取出温度検出手段と、上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段とを備えることとし、上記湯温制御手段として、最下位の取出口の検出取出温度が設定入湯温度以上であることを条件にまず最下位の取出口の開閉弁のみを開き、上記入湯温度検出手段による検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上位側の取出口の開閉弁をも併せて開き、さらに上記検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上記最下位の取出口の開閉弁を閉じるように構成される一方、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては、取出温度検出手段による各検出取出温度に基づいて湯水混合手段に対する入湯温度を予測し、この予測温度が設定入湯温度以上となる開閉状態になるよう各開閉弁を予め切換作動しておく構成とした。
【0023】
上記請求項2の給湯システムにおいては、上記の第2の考え方の方法を核に実施し得る他、上記2以上の取出口に接続された2以上の取出管にそれぞれ介装されて各取出口からの貯湯の取り出しを個別に開閉切換えする開閉弁と、この2以上の開閉弁を選択的に開閉切換制御することにより湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定入湯温度以上になるように湯温調整する湯温制御手段とを備えるようにしているため、湯温制御手段により上記2以上の開閉弁が選択的に開閉切換制御されることで、2以上の取出口の内の1又は2以上からの選択的な取り出しが可能となる一方、その選択的な開閉切換制御により湯水混合手段に対する入湯温度が設定入湯温度以上になるように湯温調整されるため、その入湯温度の温度変化の抑制も図られることになる。
【0024】
又、上記各取出口から取り出される各貯湯の取出温度を検出する取出温度検出手段と、上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段とをさらに備え、上記湯温制御手段として、最下位の取出口の検出取出温度が設定入湯温度以上であることを条件にまず最下位の取出口の開閉弁のみを開き、上記入湯温度検出手段による検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上位側の取出口の開閉弁をも併せて開き、さらに上記検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上記最下位の取出口の開閉弁を閉じる構成としているため、次の作用が得られることになる。
【0025】
すなわち、湯水混合手段に対する入湯温度の温度変化が、最下位の取出口から上位側の取出口へ単純に開閉切換えだけで最下位及び上位側の両開閉弁の同時開状態を間に介在させない場合と比べて小さくなる。このため、上記開閉切換制御の切換時における上記湯水混合手段での混水のための混合比の変更度合を小さくすることが可能になり、湯水混合後に給湯される給湯温度の乱れの程度が上記の同時開状態を間に介在させない場合と比べて大幅に小さくなって出湯特性の向上が図られることになる。
【0026】
さらに、上記湯温制御手段として、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては、取出温度検出手段による各検出取出温度に基づいて湯水混合手段に対する入湯温度を予測し、この予測温度が設定入湯温度以上となる開閉状態になるよう各開閉弁を予め切換作動しておく構成としているため、次回の給湯のための出湯が開始される時点には既に所定の開閉状態に切換えられた状態になっているため、出湯開始の最初から湯水混合手段に対する入湯温度が所定のものとなり、出湯特性がより向上することになる。
【0027】
以上の請求項2の給湯システムにおける湯温制御手段として、出湯開始時及びいずれかの開閉弁の開閉切換時には、次回のいずれかの開閉弁の開閉切換を行うか否かについての設定入湯温度を基準とする温度条件の判定の実行を所定の設定時間が経過するまで遅延させる構成を付加するようにしてもよい(請求項3)。このようにすることにより、貯留槽から取り出された湯が湯水混合手段にまで到達するのにある時間を要すること、つまり取出温度検出手段により検出された時点とその検出された取出温度の湯が入湯温度検出手段に到達して入湯温度として検出される時点との間に時間差(タイムラグ)のあることに起因する不都合の発生を回避し得ることになる。取り出し湯温の低下により他の開閉弁の追加の開作動等の開閉切換を行って湯水混合手段への入湯温度を上昇させる処理を実行したにも拘わらず、上記のタイムラグに起因して切換え前の低温の入湯温度を入湯温度検出手段が検出してしまい次の処理に進んでしまうという事態が発生することを回避することが可能になる。
【0028】
なお、上記のタイムラグ分を考慮した設定時間の遅延処理においては、そのタイムラグ自体が流路抵抗等に起因する流量変化によっても変化するため、遅延させる設定時間を貯留槽から湯水混合手段まで出湯される流量の如何に応じて変更設定するようにしてもよい(請求項4)。
【0029】
また、以上の請求項2〜請求項4のいずれかの給湯システムにおいて、2以上の開閉弁の開閉切換タイミングの判定基準温度である設定入湯温度をいかに設定するかについては、例えば設定給湯温度に基づいて設定したり、予め定めた固定温度値を設定したりすることもできるが、次のように湯水混合手段の弁位置作動上の制御特性との関係で設定するようにしてもよい。すなわち、湯水混合手段として混合弁位置を変更作動することにより湯・水の混合比が変更される構成とし、湯温制御手段として、上記湯水混合手段への入湯温度及び入水温度と、上記湯水混合手段による温調後の設定給湯温度とにより表される上記混合弁位置についての関係式に基づいて比例定数が変化しない領域の限界の混合弁位置に対応する限界入湯温度を演算により求め、得られた限界入湯温度を設定入湯温度として設定する構成の採用も考えられる。
【0030】
このような構成を採用することにより、弁位置の変化を比例定数が変化しないで済む領域での変更にとどめるようにすることが可能になる。つまり、湯水混合手段が混合弁位置の変更により混合比が変更されるものである場合に、その混合弁位置の制御特性をも加味して設定給湯温度への的確な温調が図られ、これにより、出湯特性のより高度な向上が図られることになる。すなわち、設定入湯温度が比較的高い固定値に設定されていたりすると、入水温度の季節変化による変動の影響を受けて混合弁位置と混合比との対応関係における比例定数が互いに異なる領域に跨って混合弁位置の変更が行われることが起こり得る。このため、比例定数が変化する限界の混合弁位置に対応する限界入湯温度を設定入湯温度として設定することにより、上記の如き比例定数が互いに異なる領域に跨って混合弁位置の変更が行われることが回避され、より精度の高い混合比制御が可能になる。
【0031】
さらに、以上の請求項2〜請求項4のいずれかの給湯システムにおいて、上記湯水混合手段が混合弁位置を変更作動することにより湯・水の混合比が変更される構成の場合には、さらに湯水混合手段における混合比を変更制御する混水制御手段を備えるようにし、上記混水制御手段として、単一の取出口からの取り出し状態と、上下2つの両取出口からの同時取り出し状態との少なくとも2種類の各取り出し状態における混合弁位置と混合比との対応関係についての情報が予め記憶設定され、現在の取り出し状態に応じて選択した上記対応関係に基づいて混合比の変更制御を行う構成にすることができる(請求項5)。
【0032】
この場合には、上記の如き複数種類の対応関係を開閉状態の如何に応じて使い分けるようにしているため、より精度の高い混合比制御を行うことが可能になり、湯水混合手段における圧力バランスや抵抗の変化に基づく出湯特性の乱れを防止して出湯特性の向上が図り得ることになる。
【0033】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1の給湯システムによれば、湯水混合手段に対する入湯温度を略一定にすることができ、湯水混合手段での湯・水の混合により所定の温度に温調する際に、湯水混合手段への入湯温度の急変に起因する制御遅れを回避して、確実に設定給湯温度での給湯を行うことができ、給湯使用における出湯特性の悪化の発生を確実に回避することができる。その上に、給湯のための取り出し出湯があれば、常に貯留槽内の下方位置にある低温湯が取り出されて消費され、出湯が継続する限りその低温湯の全てを消費することができる。このため、加熱手段による加熱不能な低温湯の残留を回避して上部の高温湯以外の貯留層内の湯水の全てを加熱手段により加熱することができ、低温湯の残留を考慮した貯留層の容量増大化を回避して貯留層のコンパクト化を図ることができる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性の確保を図ることができることになる。
【0035】
加えて、湯温調整手段における混合比を湯温制御手段により自動的かつ確実に変更制御することができ、湯水混合手段に対する入湯温度を確実に一定に温調することができるようになる。
【0036】
又、湯水混合手段に対する入湯温度を設定給湯温度との関係で設定された設定入湯温度で略一定とすることができ、湯水混合手段における湯・水混合による設定給湯温度への温調をより容易かつ確実に行うことができることになる。
【0037】
さらに、再出湯待機時からどの時点で次回の給湯のための出湯が開始されても、その出湯開始の最初から湯水混合手段に対する入湯温度を設定入湯温度にすることができる。しかも、出湯が開始されると、混合比が現実の検出入湯温度に基づいて逐次補正されるため、より一層確実に設定入湯温度で湯水混合手段に対し入湯させることができ、出湯特性の悪化発生の回避等をより確実に得ることができるようになる。
【0038】
請求項2の給湯システムによれば、湯水混合手段に対する入湯温度の温度変化を抑制することができ、湯水混合手段での湯・水の混合により所定の温度に温調する際に、入湯温度の急変に起因する制御遅れを回避して、確実に設定給湯温度での給湯を行うことができ、給湯使用における出湯特性の悪化の発生を確実に回避することができる。その上に、下方位置の取出口からの貯湯の取り出しを選択することにより、上記の如く入湯温度の温度変化を抑制しつつ貯留槽内の下方位置にある低温湯の消費を促進させることができる。このため、加熱手段による加熱不能な低温湯の残留を可及的に回避することができ、低温湯の残留を考慮した貯留層の容量増大化を回避して貯留層のコンパクト化を図ることができる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性を確保することができることになる。
【0039】
又、湯水混合手段に対する入湯温度の温度変化をより小さくすることができ、開閉切換制御の切換時における湯水混合手段での混水のための混合比の変更度合を小さくすることができる。このため、湯水混合後に給湯される給湯温度の乱れの程度を複数の開閉弁の同時開状態を間に介在させない場合と比べて大幅に小さくして出湯特性の向上を図ることができることになる。
【0040】
さらに、次回の給湯のための出湯が開始される時点には既に所定の開閉状態に切換えられた状態になっているため、出湯開始の最初から湯水混合手段に対する入湯温度が所定のものとなり、出湯特性をより向上させることができる。
【0041】
請求項3によれば、以上の請求項2の給湯システムにおいて、貯留槽から取り出された湯が湯水混合手段にまで到達するのにある時間を要することに起因する温度検出のタイムラグをも制御に加味して、より的確な開閉弁の開閉切換制御を行うことができ、これにより、より的確な湯温調整を行うことができる。また、請求項4によれば、貯留槽から湯水混合手段まで出湯される流量の如何をも加味して、より一層的確な開閉切換制御及び湯温調整を行うことができる。
【0043】
請求項5によれば、以上の請求項2〜請求項4のいずれかの給湯システムにおいて、複数種類の対応関係を開閉状態の如何に応じて使い分けることにより、より精度の高い混合比制御を行うことができ、湯水混合手段における圧力バランスや抵抗の変化に基づく出湯特性の乱れを防止して出湯特性のより一層の向上を図ることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0045】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る給湯システムを示す。この給湯システムは外部熱源利用の貯湯式給湯システムであり、同図中2は貯留槽、3は加熱手段(外部熱源手段)としてのヒートポンプ、4は加熱回路、5aは出湯回路、6は入水路としての入水管、7は湯水混合手段としての混水回路、8は給湯回路、9は上記貯留槽2内の貯湯との熱交換により風呂の追い焚きを行う追い焚き回路、10aは温度制御手段等を含み給湯制御や加熱制御等を行うコントローラである。
【0046】
上記貯留槽2は例えばステンレス製等の圧力容器により構成され、その下部に連通接続された入水管6から水道水等の給水圧に基づく入水を受けて充満状態にされ、その水が上記ヒートポンプ3により所定温度以上の高温湯に熱交換加熱されて貯湯されるようになっている。そして、上記給湯回路8の下流端の図示省略のカラン等の開操作、又は、他の給湯器等からの入湯要求により、貯留槽2内の貯湯が上記給水圧に基づき上記出湯回路5aから給湯のために出湯され、この出湯が混水回路7により水との混合により設定給湯温度に温調された上で給湯回路8を通して上記カラン等に給湯されるようになっている。また、上記貯留槽2には上記出湯回路5aの後述の取出口に対応した各位置の貯湯の温度を直接又は間接に検出するための取出温度検出手段としての取出温度センサが配設されている。図例のものでは貯留槽2の上段位置に第1取出温度センサ21が配設され、中段位置に第2取出温度センサ22が配設されている。
【0047】
上記ヒートポンプ3は、循環媒体(冷媒)の循環路31に対し圧縮機32と膨張弁33とが介装されており、圧縮機32により圧縮されて高温・高圧とされた循環媒体が凝縮器34において上記加熱回路4の後述の循環路41内の湯水を熱交換加熱するようになっている。そして、膨張弁33により膨張されて低温・低圧とされた循環媒体が蒸発器35において外気との熱交換により吸熱した後に、上記圧縮機32において再度圧縮されて高温・高圧となるようになっている。このヒートポンプ3の運転作動により、上記循環路41に通される湯水を熱交換加熱して所定の高温湯(例えば90℃の高温湯)に変換させるようになっている。つまり、上記の高温側の循環媒体を外部熱源として高温湯に変換されるようになっている。
【0048】
上記加熱回路4は、貯留槽2の下部に上流端が連通接続され、途中に上記ヒートポンプ3の凝縮器34を通過して下流端が上記貯留槽2の上部に連通接続された循環路41と、この循環路41を通して貯留槽2内の湯水を強制循環させるための循環ポンプ42とを備えている。また、上記凝縮器34の入り側の循環路41には、凝縮器34に流入される貯留槽2からの湯水の温度を検出する入り側温度センサ43が介装され、この入り側温度センサ43が所定の加熱上限温度(例えば40℃)を検出すると、上記コントローラ10aにより加熱作動を強制停止する制御が行われるようになっている。
【0049】
上記出湯回路5aは、上記貯留槽2内の貯湯を上段位置から取り出す上段取出管51と、同様に中段位置から取り出す中段取出管52と、両取出管51,52の下流端に接続されて両取出管51,52から取り出される各貯湯を所定の混合比で混合して温調するための湯温調整手段としての湯温調整弁53とを備えている。上記上段及び中段の両取出管51,52の上流端が本発明の取出口を構成する。また、上記湯温調整弁53は上記コントローラ10aにより作動制御され、上記両取出管51,52からの各取り出し流量を変更調整することにより所定の混合比で混合して所定の湯温になるように構成されている。
【0050】
上記混水回路7は湯水混合弁71を備えており、この湯水混合弁71は上記湯温調整弁53により温調された後の湯を入湯路72を通して受ける一方、上記入水管6から分岐した分岐入水管73を通して水道水の入水を受け、これらの湯と水とを所定の混合比で混合することにより、給湯側の例えばリモコン等に設定された設定給湯温度になるように温調した上で給湯回路8に給湯するようになっている。上記入湯路72には湯水混合弁71に入湯される温度を検出する入湯温度検出手段としての入湯温度センサ74が配設され、また、上記分岐入水管73の上流位置には入水温度を検出する入水温度センサ61が配設されている。
【0051】
上記追い焚き回路9は往き管路91と、貯留槽2内の上部位置に配設された熱交換器92と、戻り管路93とを備えており、図示省略の循環ポンプの作動により浴槽内の湯水を戻り管路93、熱交換器92及び往き管路91に循環させながら上記熱交換器92において高温湯により熱交換加熱して追い焚きさせるようになっている。
【0052】
なお、図1中81は給湯回路8に配設された給湯温度センサである。
【0053】
上記コントローラ10aはMPUやメモリを備えたマイコンにより構成され、報知手段としても機能する図示省略のリモコンからの出力信号や上記の各種温度センサ21,22,43,61,74,81からの検出信号等に基づき、予め搭載された所定のプログラムに従って加熱制御や給湯制御等の各種制御を行うようになっている。
【0054】
上記コントローラ10aは、図2に示すように入り側温度センサ43等に基づき循環ポンプ42やヒートポンプ3の作動制御を行うことにより加熱制御する加熱制御部11と、取出温度センサ21,22に基づき湯温調整弁53の混合比制御を行う湯温制御手段としての湯温制御部12aと、リモコン101等から出力される設定給湯温度や、入湯温度センサ74、入水温度センサ61及び給湯温度センサ81からの各検出温度に基づき湯水混合後の給湯温度が設定給湯温度になるように湯水混合弁71の混合比制御を行う混水制御部13aとを備えている。上記の湯温制御部12a及び混水制御部13aによる各制御により給湯制御の主要制御が行われる。
【0055】
上記湯温制御部12aは、図3に示すように出湯中(給湯使用中)でなければ、つまり次回の給湯使用が発生するまでの再出湯待機時であれば(ステップSA1でNO)、混合比の設定を行い(ステップSA2)、設定された混合比になるように湯温調整弁53の弁位置を変更設定する(ステップSA3)。一方、出湯中であれば(ステップSA1でYES)、入湯温度センサ74により検出される検出入湯温度に基づきそれまでに設定されている湯温調整弁53の弁位置(混合比)の補正を行う(ステップSA4)。
【0056】
上記の混合比の設定は次のようにして行う。すなわち、湯温調整後の目標温度(湯水混合弁71へ入湯させる目標温度)として設定入湯温度を設定し、上段取出温度センサ21及び中段温度センサ22により検出される現在の両取出温度の各湯を混合した後の湯温が上記設定入湯温度になるように演算により混合比を求める。上記設定入湯温度としては、リモコン101に設定された設定給湯温度よりも所定温度だけ高温側の温度値を設定すればよい。例えば、設定給湯温度に対し、下流側で実行される混水制御部13aによる湯水混合に基づく温調分を考慮して所定の温度値γ(例えば10℃)を加えたものとすればよい。また、上記の混合比の補正(ステップSA4)は、上記検出入湯温度が設定入湯温度になるようにFB制御を行うようにすればよい。
【0057】
以上によれば、貯留槽2から上段位置の高温湯(例えば90℃程度)と中段位置の低温湯(例えば40℃以上)との温度差のある湯を取り出して出湯させながらも、湯温制御部12による湯温調整により湯水混合弁71に供給される入湯温度をほぼ一定にすることができるようになる。このため、湯水混合弁71の混合比制御において入湯温度の急変に起因する制御遅れを回避して、給湯回路8に対し確実に一定温度(設定給湯温度)での給湯を行うことができ、給湯使用における出湯特性の悪化の発生を回避することができる。また、上記の湯温調整の際に、再出湯待機時においても次回の給湯のための出湯開始に備えて湯温調整弁53の弁位置を所定の混合比を実現するように逐次変更設定しているため、どの時点で次回の給湯のための出湯が開始されても、その出湯開始の最初から湯水混合弁71に対する入湯温度を設定入湯温度にすることができる。これにより、上記の出湯特性の悪化発生の回避等の効果をより確実に得ることができるようになる。
【0058】
加えて、貯留槽2内の上段位置の高温湯のみならず中段位置の低温湯をも給湯に使用することができ、低温湯の消費により加熱回路4での加熱不能な低温湯が貯留槽2内に残留することを防止することができる。設定給湯温度が例えば38℃であれば設定入湯温度は38+10=48℃となり、湯温調整弁53での混合比設定においては中段取出管52からの低温湯の取り出し量が上段取出管51からの高温湯の取り出し量よりもかなり多くなる。そして、上記中段取出管52からの取出温度は低温湯の減少に伴い入水管6から入水されるため徐々に低下し、このため、上段取出管51からの取り出し量が徐々に増加され中段取出管52からの取り出し量が徐々に減少する。つまり、給湯使用が継続すればするほど、貯留層2内の低温湯が消費されてついには全て消費されることになる。これにより、加熱不能な低温湯の残留を回避して上部の高温湯以外の貯留層2内の湯水を全て加熱回路4により加熱することができるようになり、低温湯の残留を考慮した貯留層2の容量増大化を回避して貯留層2のコンパクト化を図ることができる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性の確保を図ることができる。
【0059】
また、給湯のために貯留槽2の上段位置からの高温湯の取り出しのみにより出湯させる場合と比べ高温湯の消費を低減・抑制させることができ、高温湯を貯留槽2内になるべく残留させることにより追い焚き回路9による追い焚きがいつ実行されても、その追い焚きを確実に実行させることができるようになる。これにより、高温湯の殆ど全てが消費されてしまって追い焚きの実行が不能又は追い焚き能力が低下するような事態の発生を防止して、利便性の向上を図ることができる。
【0060】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係る給湯システムを示す。この第2実施形態はその出湯回路5bの構成が第1実施形態の出湯回路5aと異なる点、及び、その相違に対応してコントローラ10bの一部構成が第1実施形態のコントローラ10aと異なる点を除き、他の構成は第1実施形態と同じである。このため、第1実施形態と同様構成要素については第1実施形態と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
上記出湯回路5bは、上記貯留槽2内の貯湯を上段位置から取り出す上段取出管51と、同様に中段位置から取り出す中段取出管52と、上記上段取出管51に介装されて上段取出管51からの貯湯の取り出しを開閉切換えするための上段開閉弁54と、同様に上記中段取出管52に介装されて中段取出管52からの貯湯の取り出しを開閉切換えするための中段開閉弁55とを備えている。そして、上記両取出管51,52が下流側で合流されて湯水混合弁71に入湯されるように接続されており、この湯水混合弁71への入湯側に入湯温度センサ74が介装されている。なお、第1実施形態と同様に、上記上段及び中段の両取出管51,52の上流端が本発明の取出口を構成する。また、この第2実施形態の場合、上記上段及び中段の双方の開閉弁54,55が共に開作動されて双方の取出管51,52から貯湯が取り出されると、両取出管51,52からの取り出し流量はほぼ1:1(同量)となる。
【0062】
上記コントローラ10bは、図5に示すように入り側温度センサ43等に基づき循環ポンプ42やヒートポンプ3の作動制御を行うことにより加熱制御する加熱制御部11と、取出温度センサ21,22に基づき上段開閉弁54及び中段開閉弁55の開閉切換制御を行うことにより湯水混合弁71への入湯温度変化の抑制等を行う湯温制御手段としての湯温制御部12bと、リモコン101等から出力される設定給湯温度や、入湯温度センサ74、入水温度センサ61及び給湯温度センサ81からの各検出温度に基づき湯水混合後の給湯温度が設定給湯温度になるように湯水混合弁71の混合比制御を行う混水制御部13bとを備えている。この第2実施形態の場合も、上記の湯温制御部12b及び混水制御部13bによる各制御により給湯制御の主要制御が行われる。
【0063】
上記湯温調整制御部12bは図6に示すように次回の給湯使用が発生するまでの再出湯待機時の処理と、図7に示すように出湯中の処理とを行うようになっている。
【0064】
再出湯待機時には、まず、リモコン101等に設定された設定給湯温度Tsに付加温度値αを加えた温度値が予め定めた入湯用の固定温度値βよりも高いか否かを比較し(ステップS1)、高い方の温度値を設定入湯温度Tnとして設定する。すなわち、Ts+αの方が高ければこれをTnとして設定し(ステップS1でYES、ステップS2)、βの方が高ければこれをTnとして設定する(ステップS1でNO、ステップS3)。高い方の温度値を採用する理由は下流側の湯水混合弁71での混水の余裕代を付与するためである。なお、上記のαの値としては例えば10℃、βの値としては例えば50℃をそれぞれ採用すればよい。
【0065】
次に、中段取出温度センサ22による検出取出温度Tmが上記入湯設定温度Tnよりも高いか否かを判定し(ステップS4)、Tmの方が高ければ次回給湯使用時に備えて中段取出管52からの取り出しのみとなるように中段開閉弁55のみを開状態にしておく(ステップS4でYES、ステップS5)。逆にTmの方が低ければ中段取出管52からのみの取り出しでは設定入湯温度に満たないため、さらに中段取出温度センサ22による検出取出温度Tm及び上段取出温度センサ21による検出取出温度Tuの平均温度が上記入湯設定温度Tnよりも高いか否かを判定する(ステップS6)。上記平均温度の方が高ければ、次回給湯使用時に備えて中段開閉弁55に加えて上段開閉弁54をも開状態にしておく(ステップS6でYES、ステップS7)。逆に上記平均温度の方が低ければ、上段及び中段の双方の取出管51,52から取り出して合流させても設定入湯温度に満たないため、次回の給湯使用時に備えて上段開閉弁54のみを開状態にしておく(ステップS6でNO、ステップS8)。
【0066】
一方、出湯中(図7参照)には、まず現在の両開閉弁54,55の状態を判定し、その状態で入湯温度センサ74による検出入湯温度Tdの如何に応じてさらに開閉切換を行うようになっている。すなわち、中段開閉弁55のみが開状態である場合には(ステップS11でYES、ステップS12でNO)、上記検出入湯温度Tdが設定入湯温度Tnよりも高い状態である限り中段開閉弁54のみの開状態を継続し(ステップS13でNO)、TdがTnよりも低い状態(Td<Tn)になれば中段開閉弁55に加えて上段開閉弁54をも開状態にしてステップS15に進む(ステップS13でYES、ステップS14)。この際に、上記のTd<Tnである状態がごく短い判定時間(例えば1秒以上)だけ継続して安定したことを条件に上段開閉弁54の追加開作動を行う。これは貯留槽2内の僅かな湯温の乱れによるハンチングを排除するためである。
【0067】
上記の中段開閉弁55のみが開状態である場合には図8に示すように貯留槽2内の低温湯の消費されるに従い入水管6からの入水量が増加して中段取出温度センサ22の検出取出温度Tmは徐々に低下し、この低下と共に検出入湯温度Tdも同様に低下する(同図に「中段」と表示した範囲参照)。そして、上段開閉弁54の追加開作動により貯留槽2内の高温湯が上段取出管1から取り出されて合流されるため上記検出入湯温度Tdはその分高くなり、その後、取り出しの継続(時間経過)に従い中段取出管52から取り出される湯温(Tm)がさらに低下するため、検出入湯温度Tdは再び徐々に低下傾向となる(図8に「中段+上段」と表示した範囲参照)。
【0068】
中段開閉弁55及び上段開閉弁54が共に開状態である場合には(ステップS11でYES、ステップS12でNO、及び、ステップS14の実行後)、検出入湯温度Tdが設定入湯温度Tnよりも高い状態である限り上段及び中段の両開閉弁54,55を開状態に維持し(ステップS15でNO)、Td<Tn状態になれば中段開閉弁55を閉作動して上段開閉弁54のみを開状態に維持してステップS17に進む(ステップS15でYES、ステップS16)。この際にも、上記と同様にハンチング防止のためにTd<Tnである状態がごく短い判定時間だけ継続することを条件に中段開閉弁55の閉作動を行う。
【0069】
上記の中段及び上段の両開閉弁55,54が共に開状態のまま維持されると(図8に「中段+上段」と表示した範囲参照)、中段取出管52からの取出温度(Tm)のさらなる低下により検出入湯温度Tdが徐々に低下し、上記の中段開閉弁55が閉作動されると、貯留槽2からの取り出しは上段取出管51からの高温湯のみとなるため、検出入湯温度Tdはその分上昇する(図8に「上段」と表示した各範囲参照)。
【0070】
上段開閉弁54のみが開状態である場合には(ステップS11でNO、及び、ステップS16の実行後)、検出入湯温度Tdが設定入湯温度Tnよりも高い状態である限り上段開閉弁54を開状態に維持して高温湯の取り出しを継続し(ステップS17でNO)、Td<Tn状態になれば貯留槽2内には給湯のために出湯し得る湯はないため、リモコン101等の報知手段による音声案内、文字表示及び警告灯の点滅等の1種以上により湯切れである旨をユーザに報知する(ステップS17でYES、ステップS18)。この際にも、上記と同様にハンチング防止のためにTd<Tnである状態がごく短い判定時間だけ継続することを条件にステップS18の湯切れ警告を行う。
【0071】
以上の湯温制御部12bによる処理によれば、中段取出温度Tmが設定入湯温度Tn以上である限り、まずは中段取出管52からのみの取り出し、次に中段及び上段の両取出管52,51の双方からの取り出し、最後に上段取出管51からのみの取り出しというように中段及び上段の両開閉弁55,54が開閉切換制御されることになる。これにより、湯水混合弁71に対する入湯温度の温度変化を、単純に中段から上段への開閉切換えだけで中段及び上段の同時開状態を間に介在させない場合(図14の左半分参照)と比べて小さくすることができ、かつ、上記温度変化を設定入湯温度に基づき所定範囲に抑制することができる。このため、上記開閉切換制御の切換時における上記湯水混合弁71での混水のための混合比の変更度合を小さくすることができ、後述の混水制御部13bによる処理と相俟って給湯回路8に給湯される給湯温度Ta(図8参照)の乱れの程度を上記の中段及び上段の同時開状態を間に介在させない場合(図14の左半分参照)と比べて大幅に小さくして出湯特性の向上を図ることができる。
【0072】
しかも、中段取出温度Tmが設定入湯温度Tn以上である限り中段取出管52からのみの取り出しが継続されるため、設定入湯温度Tn以上の低温湯を全て給湯のために消費して貯留槽2内から消滅させることができる。これにより、加熱不能な低温湯の残留を回避して上部の高温湯以外の貯留層2内の湯水を全て加熱回路4により加熱することができるようになり、低温湯の残留を考慮した貯留層2の容量増大化を回避して貯留層2のコンパクト化を図ることができる一方、そのようにしても高温湯の湯切れ発生という事態の発生を回避して給湯使用上の利便性の確保を図ることができる。
【0073】
加えて、中段取出管52からの低温湯が消費され、さらに上段取出管51からの高温湯を合流・混合させても湯水混合弁71に対し設定入湯温度以上の入湯温度を確保し得ない段階になって初めて上段取出管51からの高温湯のみの取り出しに切換えられるため、貯留槽2内の高温湯の消費を貯留槽2の上段位置からの高温湯の取り出しのみにより出湯させる従来の場合と比べ大幅に低減・抑制させることができる。このため、高温湯を貯留槽2内になるべく残留させることにより追い焚き回路9による追い焚きがいつ実行されても、その追い焚きを確実に実行させることができるようになる。これにより、高温湯の殆ど全てが消費されてしまって追い焚きの実行が不能又は追い焚き能力が低下するような事態の発生を防止して、利便性の向上を図ることができる。
【0074】
さらに、再出湯待機時においても次回の給湯のための出湯開始に備えて両開閉弁54,55を既に開閉切換えした状態に制御しているため、どの時点で次回の給湯のための出湯が開始されても、その出湯開始の最初から貯留槽2内の所定の位置の貯湯を取り出すことができる。これにより、上記の出湯特性の悪化発生の回避等の効果をより確実に得ることができるようになる。
【0075】
一方、上記混水制御部13bによる湯水混合弁71の混合比制御は次のようにして行われる。すなわち、入湯温度センサ74による検出入湯温度と、入水温度センサ61による検出入水温度とに基づいて混水後の温度が設定給湯温度となる混合比を演算により求め、得られた混合比になるように湯水混合弁71の弁位置を変更制御(FF制御)する。そして、給湯温度センサ81による検出給湯温度を監視し、この検出給湯温度が設定給湯温度になるように上記弁位置のFB制御を行う。なお、この弁位置の変更制御は弁を作動するためのステッピングモータのステップ数の変更制御により行われる。
【0076】
加えて、上記弁位置の変更制御は予め記憶設定された弁位置(ステッピングモータのステップ数)と混合比との3種類の対応関係式に基づいて行われる。すなわち、中段開閉弁55のみが開状態の場合と、中段及び上段の両開閉弁55,54が同時開状態の場合と、上段開閉弁54のみが開状態の場合との3種類の湯水混合弁71に対する入湯状態のそれぞれについて、上記混合比と、この混合比を実現する弁位置との対応関係式が予め試験等により定められている。そして、現在の入湯状態(開閉弁54,55の開閉状態)についての情報を上記湯温制御部12bから受けて、その入湯状態に対応した対応関係式を適用して上記弁位置の変更制御が行われるようになっている。
【0077】
このような3種類の対応関係式を開閉弁54,55の開閉状態に応じて使い分けることにより、次の作用効果を得ることができる。すなわち、貯留槽2からの出湯取り出しが貯留槽2の上部からのみである従来の場合には湯水混合弁71に入湯する際の入湯側と入水側との圧力バランスや抵抗は単一の状態になり、この場合には弁位置に対する混合比特性も単一のものとなる。これに対し、本第2実施形態では、貯留槽2からの取り出しが上段及び中段取出管51,52の2位置から行われ、かつ、中段開閉弁55のみ又は上段開閉弁54のみが開状態にされる場合と両開閉弁55,54が同時に開状態にされる場合とに切換えられるため、この切換え毎に上記湯水混合弁71に入湯する際の上記圧力バランスや抵抗が変化して同一の混合比が実現される弁位置も変化してしまうことになる。例えば図9に示すように、中段開閉弁55のみが開状態にされた場合(同図の実線参照)と、中段及び上段の両開閉弁55,54が同時に開状態にされた場合(同図の一点鎖線参照)とでは、同じ水・湯混合比を実現するステッピングモータのステップ数がδだけずれてしまうことになる(同図の点線の矢印参照)。そこで、上記の如き3種類の対応関係式を開閉状態の如何に応じて使い分けることにより、より正確に混合比制御を行うことができ、上記の圧力バランスや抵抗の変化に基づく出湯特性の乱れを防止して出湯特性の向上を図ることができるようになる。
【0078】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記第1及び第2実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、
(1).上記第1及び第2実施形態では、貯留槽2の上下方向に上段と中段との2本の取出管51,52を設定した例を示したが、これに限らず、3本以上にしてもよい。この場合には、上記の第1又は第2の実施形態と同様の考え方を適用して貯湯の取り出し及び湯水混合弁71に対する湯温調整を行うようにすればよい。
【0079】
(2).上記第2実施形態の湯温制御部12bによる処理(図6及び図7参照)に対し、貯留槽2から取り出された湯が湯水混合弁71にまで到達するのにある時間を要すること、つまり取出温度センサ21,22により検出された時点とその検出された取出温度の湯が入湯温度センサ74に到達して入湯温度として検出される時点との間に時間差(タイムラグ)のあることを加味した処理を付加するようにしてもよい。つまり、いずれかの開閉弁54,55の開閉切換を行った場合には、その直後の検出温度について判定を上記タイムラグ分の時間値t秒(例えば1〜5秒という数秒間)だけ遅延させるようにしてもよい。例えば図10にステップS20として示すように、前段階で開閉弁54,55のいずれかの開閉切換が行われた場合(ステップS5,S7,S8)には、t秒の経過を待ってから次の温度判定を行うようにする。また、図11にステップS21又はステップS22として示すように検出入湯温度Tdの高低判定をする前にt秒の経過を待つようにする。
【0080】
これにより、開閉弁54,55の開閉切換えを行って湯水混合弁71への入湯温度を上昇させる処理を実行したにも拘わらず、切換え前の低温の入湯温度を入湯温度センサ74が検出してしまい次のステップの処理に進んでしまうという事態が発生することを回避することができる。なお、上記時間値t秒の設定はタイムラグ分を考慮して設定すればよいため、開閉弁54,55の各開閉切換状態毎における貯留槽2から湯水混合弁71までの流路抵抗等に起因する流量変化に応じて上記t秒の時間値を変更設定するようにしてもよい。
【0081】
(3).上記第2実施形態では開閉弁54,55の開閉切換タイミングの判定基準温度である設定入湯温度Tnとして、設定給湯温度に基づく(Ts+α)及び固定温度値βの内のいずれか高温側の温度値を設定するようにしているが、これに限らず、湯水混合弁71の弁位置作動上の制御特性との関係で設定するようにしてもよい。
【0082】
例えば上記設定入湯温度としてβ=50℃という比較的高い固定値を設定してしまうと、分岐入水管73からの入水温度の季節変動に起因する混合比(弁位置;弁作動用のステッピングモータのステップ数)のFF制御値の変動により、その収束位置が図12の下半部に示すようなFB制御が主体となる領域に入ってしまうことがある。このため、開閉弁54,55の開閉切換えに伴い弁位置が大比例定数の領域と小比例定数の領域との間を跨って変更されてしまうことがある。こうなると、設定給湯温度への的確な温調が阻害されて出湯特性の悪化を招くことになる。そこで、上記の大比例定数の領域と小比例定数の領域との境界のステップ数Bに基づいて湯水混合弁71への入湯限界温度を定め、この入湯限界温度を設定入湯温度として設定することにより、弁位置の変化を比例定数が変化しないで済む領域での変更にとどめるようにすることができる。
【0083】
上記の入湯限界温度は次のようにして定める。すなわち、湯水混合弁71の混合比を実現する弁位置であるステッピングモータのステップ数f(s)は次式の関数により表される。
【0084】
f(s)=a・s+b
但し、a及びbはそれぞれ定数であり、aには混合比を整数値に変換するための係数値等が含まれる。また、sは次式により表される。
【0085】
s=(Td−Ts)/(Ts−Tw)
ここで、Tdは検出入湯温度、Tsは設定給湯温度、Twは検出入水温度である。
【0086】
上記のsとして上記の境界ステップ数Bを代入してTdについて求めると、次式が得られる。
【0087】
Td=(Ts−Tw)・(B−b)/a+Ts
この式により得られるTdを設定入湯温度として設定し、図6及び図7に示す処理を実行させればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の給湯システムを示す模式図である。
【図2】第1実施形態のコントローラの内容を示すブロック図である。
【図3】上記コントローラによる制御を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態の給湯システムを示す模式図である。
【図5】第2実施形態のコントローラの内容を示すブロック図である。
【図6】上記コントローラによる再出湯待機時の処理を示すフローチャートである。
【図7】上記コントローラによる出湯中の処理を示すフローチャートである。
【図8】開閉弁の開閉切換に伴う各種温度変化と時間との関係図である。
【図9】弁のステップ数と水・湯混合比との関係図である。
【図10】再出湯待機時の他の実施形態による処理を示す図6対応図である。
【図11】出湯中の他の実施形態による処理を示す図7対応図である。
【図12】弁のステップ数と水・湯混合比との関係図及びその部分拡大図である。
【図13】従来の貯留槽内の状態の変化を説明するための模式図である。
【図14】本発明の前段階で考えられた技術を適用した場合の各種温度変化と時間との関係図である。
【符号の説明】
2 貯留槽
3 ヒートポンプ(加熱手段)
4 加熱回路(加熱手段)
5a,5b 出湯回路
6 入水管(入水路)
7 混水回路(湯水混合手段)
12a,12b 湯温制御部(湯温制御手段)
21 上段取出温度センサ(取出温度検出手段)
22 中段取出温度センサ(取出温度検出手段)
51 上段取出管(取出口)
52 中段取出管(取出口)
53 湯温調整弁(湯温調整手段)
54 上段開閉弁(開閉弁)
55 中段開閉弁(開閉弁)
74 入湯温度センサ(入湯温度検出手段)
Claims (5)
- 下部からの給水により充満状態に維持される貯留槽と、この貯留槽の下部から取り出した湯水を高温湯に加熱した後に上記貯留槽の上部に戻す加熱手段と、上記貯留槽から出湯される湯に水を混合することにより所定温度に温調してから給湯する湯水混合手段とを備えた給湯システムにおいて、
上記貯留槽の上下方向に互いに離れた2以上の各部位から個別に貯湯を取り出し可能に設けられた2以上の取出口と、
上記2以上の取出口から同時に出湯される上記各部位の貯湯を混合比可変に混合することにより上記湯水混合手段に入湯される入湯温度が略一定になるように湯温調整する湯温調整手段と、
上記各取出口から取り出される貯湯の温度を検出する取出温度検出手段と、
この取出温度検出手段により検出される各取出温度に基づいて上記湯温調整手段での混合比を変更制御する湯温制御手段と、
上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段を備え、
上記湯温制御手段は、上記湯温調整手段による温調後に上記湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定給湯温度との関係で設定した設定入湯温度になるように混合比を変更制御するように構成され、かつ、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては取出温度検出手段により検出される各取出温度の変化に応じて変更した混合比になるように湯温調整手段を予め変更作動しておく一方、出湯が開始されて出湯中においては上記入湯温度検出手段により検出される入湯温度が設定入湯温度になるように上記混合比を順次変更補正するように構成されている、
ことを特徴とする給湯システム。 - 下部からの給水により充満状態に維持される貯留槽と、この貯留槽の下部から取り出した湯水を高温湯に加熱した後に上記貯留槽の上部に戻す加熱手段と、上記貯留槽から出湯される湯に水を混合することにより所定温度に温調してから給湯する湯水混合手段とを備えた給湯システムにおいて、
上記貯留槽からの出湯のために内部の貯湯を取り出す取出口を上下方向に互いに離れた2以上の各部位に設定し、この2以上の取出口の内の下位側の取出口からの取り出しを優先させつつ上記2以上の取出口の内の1又は2以上から選択的に取り出した貯湯を上記湯水混合手段に入湯させるように構成され、
上記2以上の取出口からの2以上の取出管にそれぞれ介装されて各取出口からの貯湯の取り出しを個別に開閉切換えする開閉弁と、
この2以上の開閉弁を選択的に開閉切換制御することにより湯水混合手段に入湯される入湯温度が設定入湯温度以上になるように湯温調整する湯温制御手段と、
上記各取出口から取り出される各貯湯の取出温度を検出する取出温度検出手段と、
上記湯水混合手段に入湯される入湯温度を検出する入湯温度検出手段と
を備え、
上記湯温制御手段は、最下位の取出口の検出取出温度が設定入湯温度以上であることを条件にまず最下位の取出口の開閉弁のみを開き、上記入湯温度検出手段による検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上位側の取出口の開閉弁をも併せて開き、さらに上記検出入湯温度が設定入湯温度まで低下すれば上記最下位の取出口の開閉弁を閉じるように構成される一方、出湯が停止されて次回の出湯まで待機している再出湯待機時においては、取出温度検出手段による各検出取出温度に基づいて湯水混合手段に対する入湯温度を予測し、この予測温度が設定入湯温度以上となる開閉状態になるよう各開閉弁を予め切換作動しておくように構成されている、
ことを特徴とする給湯システム。 - 請求項2に記載の給湯システムであって、
上記湯温制御手段は、出湯開始時及びいずれかの開閉弁の開閉切換時には、次回のいずれかの開閉弁の開閉切換を行うか否かについての設定入湯温度を基準とする温度条件の判定の実行を所定の設定時間が経過するまで遅延させるように構成されている、給湯システム。 - 請求項3に記載の給湯システムであって、
上記湯温制御手段は、遅延させる設定時間を貯留槽から湯水混合手段まで出湯される流量の如何に応じて変更設定するように構成されている、給湯システム。 - 請求項2〜請求項4のいずれかに記載の給湯システムであって、
湯水混合手段における混合比を変更制御する混水制御手段をさらに備え、
上記湯水混合手段は混合弁位置を変更作動することにより湯・水の混合比が変更されるように構成され、
上記混水制御手段は、単一の取出口からの取り出し状態と、上下2つの両取出口からの同時取り出し状態との少なくとも2種類の各取り出し状態における混合弁位置と混合比との対応関係についての情報が予め記憶設定され、現在の取り出し状態に応じて選択した上記対応関係に基づいて混合比の変更制御を行うように構成されている、給湯システム。
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