JP3872908B2 - 給湯機 - Google Patents

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  • Regulation And Control Of Combustion (AREA)
  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、次回の出湯開始当初から適温の湯を供給するために通水の無い状態でバーナを燃焼させて熱交換器内の滞留水を保温する即湯機能を備えた給湯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、給湯機では、その快適性をより向上させるため、出湯当初からほぼ設定温度の湯を出すべく、通水の無い状態で熱交換器内の湯を所定温度範囲に保温する機能を備えたものがある。かかる給湯機では、通常、熱交換器内に滞留する滞留水の湯温を温度センサで監視し、湯温が目標温度範囲内に収まるようにバーナの燃焼を制御している。
【0003】
通水の無い状態でバーナを点火すると、熱交換器内の滞留水が急速に温度上昇するので、バーナからの熱を直接受ける箇所での部分沸騰や、管内の温度ムラに起因して出湯開始直後に予期せぬ高温の湯が一時的に出てしまうことを低減するために、保温中は、適正に燃焼し得る範囲内の最小燃焼量でバーナを燃焼させている。さらに、当該最小燃焼量でも、また加熱量が大き過ぎるので、通常は、バーナを間欠的に燃焼させている。たとえば、目標温度範囲の下限まで湯温が低下するごとに、最小燃焼量で2秒程度の短時間だけバーナを燃焼させることを、保温中、間欠的に繰り返し行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1回の燃焼時間が2秒程度と短いので、バーナの点火回数が激増し、点火装置の耐久上、好ましくない。また最小燃焼量まで燃焼量を下げても、まだ、加熱量が大きく部分的な温度ムラが生じるので、加熱中等に開栓された場合に許容誤差範囲を越える高温の湯が出湯されて利用者に不快感を与えたり、熱交換器にひずみが生じ易く、耐久上の問題がある。
【0005】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、通水の無い状態でバーナを燃焼させて熱交換器内の滞留水を保温する際に、熱交換器内の温度ムラが少なくかつ1回当たりのバーナの燃焼時間を長くすることのできる給湯機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]次回の出湯開始当初から適温の湯を供給するために通水の無い状態でバーナ(12)を燃焼させて熱交換器(11)内の滞留水を保温する即湯機能を備えた給湯機において、
前記バーナ(12)の燃焼量と前記バーナ(12)への給気量とを制御する燃焼状態制御手段(82)を備え、
前記燃焼状態制御手段(82)は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際の空気比を通水のある状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際の空気比よりも前記熱交換器(11)での吸熱量が低下する位大きく設定することを特徴とする給湯機。
【0007】
[2]次回の出湯開始当初から適温の湯を供給するために通水の無い状態でバーナ(12)を燃焼させて熱交換器(11)内の滞留水を保温する即湯機能を備えた給湯機において、
前記バーナ(12)の燃焼をオンオフ制御するオンオフ燃焼制御手段(81)と、前記バーナ(12)の燃焼量と前記バーナ(12)への給気量とを制御する燃焼状態制御手段(82)と、前記滞留水の温度を検知する湯温検知手段(26)とを備え、
前記オンオフ燃焼制御手段(81)は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際に、前記滞留水が沸騰しないように前記湯温検知手段(26)の検知する湯温に基づいて前記バーナ(12)の燃焼をオンオフ制御し、
前記燃焼状態制御手段(82)は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際の空気比を通水のある状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際の空気比よりも前記熱交換器(11)での吸熱量が低下する位大きく設定することを特徴とする給湯機。
【0008】
[3]前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナ(12)を燃焼させる際の燃焼量を前記バーナ(12)が適正に燃焼し得る範囲内の最小燃焼量に設定することを特徴とする[1]または[2]記載の給湯機。
【0009】
前記本発明は次のように作用する。
燃焼状態制御手段(82)は、即湯機能のために通水の無い状態でバーナを燃焼させる際の空気比を、通水のある状態でバーナ(12)を燃焼させる際の空気比よりも大きくする。これにより、バーナ(12)からの発熱量が同一であっても、給排気量が増えるので、熱交換器(11)に吸収される熱量が低下する。
【0010】
たとえば、バーナ(12)に供給するガス量を最小燃焼量にしたままで、通常よりも空気比を大きくすれば(給気量を増やす)、熱交換器(11)での吸熱量がより一層減少し、バーナ(12)の燃焼時間を長くすることができる。これにより保温中の点火回数が減少し、点火装置の劣化低減を図ることができる。また管内の温度ムラが少なくなり、予期せぬ高温の湯が出てしまうことが防止されるとともに熱交換器(11)のひずみが少なくなる。
【0011】
なお、空気比を大きくすることで、熱交換器(11)の吸熱量が十分低下した場合には、即湯機能をオンにしている間、バーナ(12)を連続燃焼させるようにしてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
各図は本発明の一実施の形態を示している。
図1に示すように、本実施の形態にかかる給湯機10は、給水を加熱するための給湯流路20と、浴槽60内の湯を追い焚きするための追い焚き流路40の双方が共通の熱交換器11を通る、いわゆる一缶二水路型のものである。熱交換器11の下方には、これを加熱するためのバーナ12が配置してあり、バーナ12には、燃焼ガスの供給路であるガス供給管13が接続されている。またガス供給管13の途中には、燃焼ガスの供給量を調整するためのガス量調整弁14(比例弁)が取り付けられている。
【0013】
給湯流路20は、熱交換器11のフィンプレートから受熱する配管部分である給湯系受熱管21と、給湯系受熱管21の入口部に通じ、給水の流れ込み側となる給水管22と、給湯系受熱管21の出口部から延びる給湯管23とから構成されている。給水管22には、流入する給水の温度(入水温度)を検知するための入水サーミスタ24と、通水の通水量を検知するための流量センサー25が設けられている。
【0014】
また、給湯系受熱管21のうち、熱交換器11の外部で折り返すUベンド部には、当該部分における水温を検知する水管サーミスタ26が設けてある。給湯系受熱管21の出口部近傍には、給湯系受熱管21で加熱された後の水温(熱交内水温)を検知する熱交サーミスタ27が配置されている。
【0015】
給湯管23のうち熱交サーミスタ27よりも下流側の所定箇所と給水管22のうち流量センサー25より上流側の所定箇所との間は、熱交換器11を介さずに給水を給湯管23へ送り込むためのバイパス通路28によって接続されている。また、当該バイパス通路28の途中には、熱交換器11を迂回させる給水の流量を調整するためのバイパス流量制御弁28aが設けられている。
【0016】
給湯管23には、バイパス通路28との接続位置よりも下流側の箇所に、熱交換器11で加熱された湯とバイパス通路28を通じて熱交換器11を迂回した給水とがミキシングされた後の水温(出湯温度)を検知するための出湯サーミスタ29が配置されている。また給湯管23には、バイパス通路28との接続位置よりも上流側の箇所に出湯量を調整するための流量制御弁30が設けられている。
【0017】
追い焚き流路40は、熱交換器11のフィンプレートから受熱する配管部分である追い焚き系受熱管41と、追い焚き系受熱管41の一端部(追い焚き循環時における入口側)と浴槽60との間を接続する追い焚き戻り管42と、追い焚き系受熱管41の他端部と浴槽60との間を接続する追い焚き往き管43とから構成されている。追い焚き戻り管42の途中には、浴槽60内の湯を追い焚き系受熱管41に向けて送る循環ポンプ44と、循環する水の温度を検出する風呂サーミスタ45と、循環ポンプ44を回した際に追い焚き戻り管42内を水が流れるか否かを検知する流水スイッチ46とが設けられている。
【0018】
追い焚き戻り管42のうち循環ポンプ44よりも追い焚き系受熱管41側の所定箇所と給湯管23のうち出湯サーミスタ29よりも下流側の所定箇所との間は、給湯管23内の水を追い焚き流路40に送り込むための連絡路50によって接続されている。また、連絡路50の途中には、給湯管23からの水を追い焚き戻り管42に流すか否かを切り替えるための切替弁51が設けられている。切替弁51を開くことにより、給湯流路20側で加熱された湯を浴槽60へ注ぎ込むことが可能になっている。
【0019】
排気通路内には、燃焼ファン17が配置されており、バーナ12への給気および排気の排出は、当該燃焼ファン17によって排気側から空気を吸い出すことで行われるようになっている。
【0020】
給湯機10は、給湯動作、注湯動作、追い焚き動作など各種の動作のほか、次回の出湯開始当初から設定温度に近い温度の湯をすぐに出湯するために、通水の無い状態でバーナ12を燃焼させて給湯流路20内に滞留する水(滞留水)を所定の目標温度範囲内に保温する即湯機能の実行(即湯運転)を制御するための制御部80を備えている。
【0021】
制御部80には、出湯温度の設定や、風呂の追い焚き指示あるいは即湯機能をオンにするか否かの指示等を入力するためのリモコン90が接続されている。このリモコン90は浴室等に設置されるものである。制御部80には、ガス量調整弁14、入水サーミスタ24、流量センサー25、水管サーミスタ26、熱交サーミスタ27、出湯サーミスタ29、循環ポンプ44、切替弁51、燃焼ファン17等の各種の制御部品やセンサ類が電気的に接続されている。
【0022】
制御部80は、オンオフ燃焼制御手段81と、燃焼状態制御手段82と、使用状態判別手段83とを備えている。このうち、使用状態判別手段83は、給湯のみを単独で使用する給湯単独使用の状態にあるか否か、追い焚きのみを単独で使用する追い焚き単独使用の状態にあるか、給湯と追い焚きとを同時に使用する同時使用の状態にあるか、あるいは、追い焚きも給湯も無く次回の出湯を待機する待機状態にあるか否かを判別する回路部分である。使用状態判別手段83は、リモコン90からの追い焚き指示の有無や流水スイッチ46のオンオフ状態および内部の動作フラグ等を基にして追い焚きが動作中か否かを判別し、流量センサー25のオンオフを基にして給湯側を使用しているか否かを判別するようになっている。
【0023】
オンオフ燃焼制御手段81は、バーナ12の燃焼のオンオフ制御を行う回路部分である。オンオフ燃焼制御手段81は、即湯運転中は、水管サーミスタ26の検知する給湯系受熱管21内の湯温に基づいてバーナ12の燃焼をオンオフ制御するようになっている。より具体的には、予め定めた燃焼オフ温度(たとえば、85℃)を越えたときバーナ12の燃焼をオフにし、水管サーミスタ26の検知する温度が、予め定めた燃焼オン温度(たとえば、84℃)よりも低下したときバーナ12の燃焼をオンにすることを繰り返すようになっている。
【0024】
燃焼状態制御手段82は、バーナ12の燃焼量とバーナ12への給気量を調整することで所望の値に空気比を制御する回路部分である。燃焼量は、ガス量調整弁14の開度(実際には、ガス量調整弁14に供給する比例弁電流の値)によって制御し、給気量は、燃焼ファン17の回転数によって制御する。なお、即湯運転中にバーナ12を燃焼させる際の燃焼量は、予め定めた最小燃焼量に固定的に設定される。一方、出湯中の燃焼量は、給水温度と設定温度等に基づくフィードフォワード制御に出湯サーミスタ29の検知する出湯温度を基準としたフィードフォワード制御を加えた形態で制御される。
【0025】
燃焼状態制御手段82は、給湯動作など通水のある状態でバーナ12を燃焼させる際の空気比が1.9になるように、また即湯運転中に通水の無い状態でバーナ12を燃焼させる際の空気比が2.5になるように、ガス供給量と給気量とを調整するようになっている。
【0026】
図2は、二酸化炭素と一酸化炭素濃度比率と空気比との関係を示している。給湯動作や追い焚き動作あるいは同時運転中など、通水のある状態でバーナ12を燃焼させる際には、熱交換器11の吸熱効率が高くかつ燃焼ファン17の騒音レベルが下がるように、比較的低い空気比(図中の点101の近傍領域102で、ここでは、空気比1.9)で燃焼が行われる。一方、即湯運転中は、CO濃度が許容範囲値103以下に収まる中で比較的高い空気比(図中の点104の近傍領域105で、ここでは、空気比2.5)で燃焼が行われる。
【0027】
次に作用を説明する。
図3は、給湯機10の行う動作の流れを示している。ここでは、即湯機能をオンに設定した場合には、通水の停止後、45分間、バーナ12内の滞留水を保温するようになっている。まず、運転状態に入った後、通水が有るか否かを判定し(ステップS201)、通水が無い場合は(ステップS201;Y)、即湯機能がオンであることと、済みフラグがセットされていないことの確認を行う(ステップS202;Y、S203;N)。
【0028】
ここで、即湯機能がオフの場合は(ステップS202;N)、バーナ12内の滞留水を保温する旨の指示を受け付けていないので、ステップS201へ戻る。また、済みフラグは、前回の通水停止から45分間に渡る即湯運転の実行が既に終了しているか否かを示すものであり、セット状態にあるとき、実行済みであることを示している。したがって、済みフラグがセットされている場合も(ステップS203;Y)、ステップS201に戻り、以後は、即湯運転を行うことなく次回の通水を待つことになる。
【0029】
即湯機能がオンで(ステップS202;Y)かつ済みフラグが未セットの場合には(ステップS203;N)、45分間のタイマがセット済みか否かを調べ(ステップS204)、未セットの場合には、タイマのセットを行う(ステップS205)。
【0030】
次に、空気比の指示値を2.5に設定し(ステップS206)、燃焼量の指示値を予め定めた最小燃焼量(逆火が起こらずに適正な燃焼状態が得られる範囲内の最小燃焼量)に設定する(ステップS207)。そして、水管サーミスタ26の検出する滞留水の温度が予め定めた燃焼オン温度以下の場合には、バーナ12を上述の最小燃焼量で燃焼させるとともに、空気比が2.5になるように燃焼ファン17の回転数を設定する(ステップS209)。
【0031】
水管サーミスタ26の検出する温度が、燃焼オン温度以上であって(ステップS208;Y)予め定めた燃焼オフ温度以下の場合には(ステップS210;Y)、バーナ12の燃焼をオフにするとともに燃焼ファン17を停止させる(ステップS211)。水管サーミスタ26の検出する湯温が燃焼オン温度と燃焼オフ温度の間にあるときは(ステップS210;N)、バーナ12の燃焼をそのまま維持する。
【0032】
ここで、即湯運転を開始してから45分が経過して規定時間がタイムアップしているときは(ステップS212;Y)、バーナ12をオフにするとともに(ステップS213)済みフラグをセットし(ステップS214)、ステップS201に戻る。これにより、次回の通水開始し、それが終了するまでは即湯運転が行われなくなる。
【0033】
タイムアップしていないときは、そのままステップS201に戻る。これにより、即湯機能がオンに設定されたままで通水が開始しなければ、45分間に渡って即湯運転が継続することになる。この即湯運転中にバーナ12を燃焼させる際には、上述のように空気比が2.5と通水のある場合の空気比1.9よりも大きく設定されるので、給排気量が通常よりも増加し、熱交換器11を通る給湯系受熱管21の吸熱量が低下する。その結果、滞留水の温度上昇勾配が緩やかになり、1回当たりのバーナ12の燃焼時間が長くなって、即湯運転中の点火回数が減少し、点火装置の劣化低減を図ることができる。
【0034】
また吸熱量が少なくかつ長い時間に渡って加熱されるので、給湯系受熱管21内での温度ムラが少なくなる。このため、バーナ12の燃焼中に通水が開始されても、部分的に高温になっている箇所が無いかあるいはその温度ムラが少ないので、予期せぬ高温の湯が一時的に出てしまうことが防止されるとともに熱交換器のひずみが少なくなり、耐久上好ましい状態となる。
【0035】
通水が開始された場合には(ステップS201;Y)、空気比の指示値を1.9に設定し(ステップS215)、通水が停止するまで、設定温度の湯が出湯されるようにバーナ12を燃焼させる(ステップS216、S217;N)。このときの燃焼量は、設定温度等に応じて設定され、給気量は当該燃焼量に対して空気比が1.9になるように調整される。
【0036】
その後、通水が停止すると(ステップS217;Y)、バーナ12をオフにし(ステップS218)、済みフラグをリセットして(ステップS219)、ステップS201に戻る。これにより、即湯機能がオンになっていれば、先に説明したように、通水の停止後、45分間、熱交換器11内の滞留水が所定の温度範囲に保温されることになる。
【0037】
このように、バーナ12には、これ以上下げることのできない最小燃焼量が存在するが、空気比を大きくすることで、熱交換器11の吸熱量を下げることができるので、実質的にバーナ12の燃焼量を最小燃焼量よりもさらに低下させた場合と同様の効果を得ることができる。たとえば、インプット4500Kcalで熱交換器11に吸熱される効率が0.8の場合、アウトプットは3600kcalになるが、空気比を大きくして効率が0.6に下がれば、アウトプットは2700Kcalに低下することになる。
【0038】
なお、空気比を大きくして、熱交換器11の吸熱量を下げることは、特に、コールドスタート時に有効である。たとえば、冬の朝一番に運転スイッチをオンにして即湯機能を働かせる場合には、初回の出湯前に熱交換器11内の湯を目標温度まで加熱するために、ほぼ外気温度と等しい水温まで冷えきった熱交換器11内の滞留水を出湯に必要な温度まで通水の無い状態で加熱する必要がある。
【0039】
この加熱を大きな燃焼量で行うと、バーナ12によって直接的に加熱される箇所の水温が、部分的に高温になって沸騰してしまうので、バーナ12をしばらくオフにし、対流によって熱交換器11内の水温が平均化されるのを待つことになる。すなわち、燃焼量が大きいほど、急速に部分沸騰が起こるので、バーナ12のオン時間の占める割合が低下する。このため、熱交換器11内の滞留水全体を目標温度に加熱するまでに長い時間を要してしまう。
【0040】
一方、空気比を大きくして熱交換器11の吸熱量を下げれば、部分沸騰が起こり難くなるので、1回当たりのバーナ12のオン時間が長くなり、オン時間の占める割合が増加する。ところで、バーナ12をオンオフ燃焼させた場合に、単位時間当たりにおける熱交換器11の吸熱量(アウトプット)は、以下のように表すことができる。
【0041】
アウトプット=燃焼量Q×効率W×燃焼オン時間の比率J
ここでは 燃焼量Qは、バーナ12を連続燃焼させた際の単位時間当たりの燃料量であり、効率Wは、バーナ12のオン中の燃焼量と熱交換器11の吸熱量との比率を示している。燃焼オン時間の比率Jは、オン時間/(オン時間+オフ時間)で表される。したがって、空気比を高めることによって効率Wが低下するが、それ以上に燃焼オン時間の比率Jが上昇するので、結果的にアウトプットが増大し、短時間のうちに、目標温度まで滞留水を加熱することが可能になる。
【0042】
さらに、滞留水の加熱が緩やかに行われるので、部分的に高温に成り難く、熱交換器11内の水温分布のムラが少なくなる。このため、加熱中等に開栓されても、予期しない高温の湯が出湯され、利用者に不快感を与えるようなことがない。また、緩やかに加熱が成されるので、熱交換器が大きくひずむようなことがない。
【0043】
また、部分的に高温にならないので、故障の原因になる水中に含まれるカルシウムの析出が起こり難い。
【0044】
以上説明した実施の形態では、即湯運転中に滞留水の温度に基づいてバーナ12をオンオフ燃焼させるようにしたが、空気比を大きくすることで熱交換器11の吸熱量が十分下がれば、連続燃焼させるようにしてもよい。
【0045】
また実施の形態では、即湯機能のために通水の無い状態でバーナ12を燃焼させる際の空気比を2.5に設定したが、空気比の値はこれに限らず、3ないし4まで増大させるようにしてもよい。
【0046】
また実施の形態では一缶二水路型の給湯と追い焚きの例を示したが、これに限定されず、たとえば追い焚き機能を具備しない一缶一水路型の給湯器であってもよい。また、給湯と追い焚きと暖房の各流路を共通の熱交換器で加熱する一缶多水路型給湯機であってもよい。なお、バーナへ供給する燃料はガス以外に石油等であってもかまわない。また、石油等ではガンタイプバーナのようなバーナレスタイプなどでもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明の給湯機によれば、即湯機能のために通水の無い状態でバーナを燃焼させる際の空気比を、通水のある状態でバーナを燃焼させる際の空気比よりも大きくするので、熱交換器の吸熱量が低下し、滞留水の部分沸騰や温度分布のムラが生じ難くなる。その結果的、1回当たりのバーナの燃焼時間を長くすることができ、保温中の点火回数が減少し、点火装置の劣化低減を図ることができる。
【0048】
また管内の温度ムラが少なくなるので、予期せぬ高温の湯が出てしまうことが防止されるとともに熱交換器のひずみが少なくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る給湯機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】空気比と一酸化炭素濃度との関係を示す説明図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る給湯機の行う動作の流れを示す流れ図である。
【符号の説明】
10…給湯機
11…熱交換器
12…バーナ
14…ガス量調整弁
17…燃焼ファン
20…給湯流路
21…給湯系受熱管
26…水管サーミスタ
29…出湯サーミスタ
40…追い焚き流路
41…追い焚き系受熱管
80…制御部
81…オンオフ燃焼制御手段
82…燃焼状態制御手段
83…使用状態判別手段

Claims (3)

  1. 次回の出湯開始当初から適温の湯を供給するために通水の無い状態でバーナを燃焼させて熱交換器内の滞留水を保温する即湯機能を備えた給湯機において、
    前記バーナの燃焼量と前記バーナへの給気量とを制御する燃焼状態制御手段を備え、
    前記燃焼状態制御手段は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナを燃焼させる際の空気比を通水のある状態で前記バーナを燃焼させる際の空気比よりも前記熱交換器での吸熱量が低下する位大きく設定することを特徴とする給湯機。
  2. 次回の出湯開始当初から適温の湯を供給するために通水の無い状態でバーナを燃焼させて熱交換器内の滞留水を保温する即湯機能を備えた給湯機において、
    前記バーナの燃焼をオンオフ制御するオンオフ燃焼制御手段と、前記バーナの燃焼量と前記バーナへの給気量とを制御する燃焼状態制御手段と、前記滞留水の温度を検知する湯温検知手段とを備え、
    前記オンオフ燃焼制御手段は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナを燃焼させる際に、前記滞留水が沸騰しないように前記湯温検知手段の検知する湯温に基づいて前記バーナの燃焼をオンオフ制御し、
    前記燃焼状態制御手段は、前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナを燃焼させる際の空気比を通水のある状態で前記バーナを燃焼させる際の空気比よりも前記熱交換器での吸熱量が低下する位大きく設定することを特徴とする給湯機。
  3. 前記即湯機能のために通水の無い状態で前記バーナを燃焼させる際の燃焼量を前記バーナが適正に燃焼し得る範囲内の最小燃焼量に設定することを特徴とする請求項1または2記載の給湯機。
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