JP3442280B2 - 追い焚き機能付給湯機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、風呂の追い焚き及び
給湯を行える追い焚き機能付給湯機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来よりこの種のものに於いては、給湯
口から給水された水道水を給湯機本体内でバーナの燃焼
により加熱された給湯用熱交換器で熱交換した後、ミキ
シング弁にて給水口からの水道水の一部を混合して設定
温度にして給湯口から出湯する給湯回路と、風呂の浴槽
内の水を循環ポンプにより給湯機本体内でバーナの燃焼
により加熱された風呂用熱交換器で熱交換した後、再び
浴槽内へ戻し、浴槽内から風呂用熱交換器に送られる浴
槽水の温度を風呂サーミスタが検知して、それが設定温
度に達すると循環ポンプを停止する風呂回路とを備えて
いた。

【０００３】そして、風呂回路の凍結防止としては、例
えば、給湯機本体内に設けた風呂サーミスタにより風呂
回路内の浴槽水の温度を検知しており、これが所定温度
以下になると循環ポンプを駆動して、浴槽水を風呂回路
内で循環させて凍結を防止していた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この従来の
ものでは、所定温度を風呂回路内に凍結が生じるおそれ
のある温度とし、風呂サーミスタの検知温度が所定温度
まで下がった場合は、その後更に温度が下がって凍結が
生じるものとしているため、所定温度まで下がった後、
所定温度より温度が上がるような場合でも、風呂回路内
に凍結が生じないにもかかわらず、一度所定温度まで下
がったその時点で循環ポンプを駆動して、無駄な凍結防
止運転を行ってしまうという問題があった。

【０００５】

【問題点を解決するための手段】本発明はこの点に着目
し上記欠点を解決する為、特にその構成を、浴槽から風
呂用熱交換器を経て再び浴槽に戻る途中に循環ポンプと
浴槽水の温度を検知する風呂サーミスタとを設けた風呂
回路と、前記風呂サーミスタの検知温度により循環ポン
プを動作させて凍結防止を行う制御部とを備えた追い焚
き機能付給湯機において、前記制御部はタイマを有し、
風呂サーミスタの検知温度が所定温度以下の時タイマを
スタートさせ、タイマの経過時間が所定時間経過した時
の検知温度が、凍結のおそれのある温度である上限温度
以下で且つすでに凍結の生じている温度である下限温度
より高い時は、循環ポンプを設定動作時間動作させて凍
結防止を行い、下限温度以下の時は循環ポンプを停止し
たままにするものである。

【０００６】

【作用】風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘが設定温度Ａ
以下の場合タイマ３３をスタートさせ、そのタイマ経過
時間が設定時間Ｔに達した時、風呂サーミスタ２５の検
知温度Ｘが設定温度Ａ以下なら、更にその風呂サーミス
タ２５の検知温度Ｘが下限温度Ｃより高いか判断し、下
限温度Ｃより高い場合は風呂回路２１内にまだ凍結が生
じていないと判断して、設定動作時間Ｍ循環ポンプ２６
を駆動させて風呂回路２１の凍結防止を行うので、無駄
な凍結防止運転を行わないようにすることができる。

【０００７】また、風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘが
下限温度Ｃより低い場合は、風呂回路２１内にすでに凍
結が生じていると判断して、循環ポンプ２６を駆動させ
ずに循環ポンプ２６の空運転を防ぎ、空運転による循環
ポンプの破損を防止することができる。

【０００８】

【実施例】次にこの発明にかかる追い焚き機能付給湯機
を図面に示された一実施例で説明する。１は追い焚き機
能付給湯機の本体枠で、内方には同一フィン２で一体に
構成された給湯用熱交換器３及び風呂用熱交換器４とを
上部に備えたドラム５が設けられている。

【０００９】６は前記ドラム５の下部に備えられた石油
気化式のバーナ７と、該バーナ７に燃焼用空気を送風す
る送風機８と、バーナ７に燃油を供給する燃料供給手段
として燃料ポンプ９を備えた燃焼部で、バーナ７での燃
焼及び燃焼ガスの熱により給湯用熱交換器３及び風呂用
熱交換器４とを加熱するものである。

【００１０】１０は給水口１１から給湯用熱交換器３を
経て給湯口１２に至る給湯回路で、水道管に直結してい
る給水口１１から給水された水道水をフローセンサ１３
により空焚き防止のため通水検知し、給水サーミスタ１
４にてその温度を検知し、給湯用熱交換器３にて熱交換
した後、設定温度になるようにミキシング弁１５にて給
水口１１から給水された水道水の一部を混合し、給湯サ
ーミスタ１６で出湯水の温度を検知して、給湯口１２か
ら該給湯口１２に接続されている水栓（図示せず）に向
けて出湯するもので、更にミキシング弁１５の下流側に
は断続して給湯した場合の湯温ムラを防ぐための水比例
弁１７を設け、又、給湯口１２の上流側には給湯回路１
０内の圧力が異常に高くなった時、その圧力を逃がす過
圧逃がし弁１８を備えたものである。

【００１１】１９は給湯用熱交換器３に取り付けられて
いる凍結防止ヒータで、給湯用熱交換器３に設けた熱交
サーミスタ２０で検知される給湯用熱交換器３の温度
や、給水サーミスタ１４で検知される給水温度が、凍結
のおそれのある温度まで低下したとき通電されて給湯用
熱交換器３を加温することにより、給湯回路１０内で凍
結が発生するのを防止するものである。

【００１２】２１は浴槽２２と風呂用熱交換器４とを結
ぶ往管２３と復管２４とからなる風呂回路で、浴槽２２
から往管２３を通って風呂用熱交換器４に流入する浴槽
水の温度を検知する風呂サーミスタ２５と、往管２３と
風呂用熱交換器４との間に位置して風呂回路２１内に浴
槽水を循環させる自吸式の循環ポンプ２６と、風呂用熱
交換器４と復管２４との間に位置して、空焚き防止のた
め浴槽水の水流を検知する流水スイッチ２７とを備えた
ものである。

【００１３】２８はマイコン２９を中心とした各種駆動
回路３０、電源回路３１、メモリ３２、タイマ３３など
からなる制御部で、リモコン等の操作部３４の給湯スイ
ッチ（図示せず）の設定による給湯運転や、その他のス
イッチの設定による風呂の沸き上げ及び追い焚き運転を
行うと共に、前記各運転動作が行われない場合、また
は、操作部３４の凍結防止スイッチ（図示せず）による
凍結防止運転の設定時には、給湯回路１０や風呂回路２
１が凍結しないように凍結防止制御を行うものである。

【００１４】そして、給湯運転を行う場合は、操作部３
４の設定温度と給湯サーミスタ１６の検知温度に応じて
バーナ７による燃焼量が決定され、それに基づいてバー
ナ７への燃料供給量及び送風機８による燃焼用空気供給
量が調節され、給湯口１２の先に接続されている水栓が
開くことにより給湯回路１０に生じる水道水の水流をフ
ローセンサ１３により通水検知して、それによりバーナ
７を着火して燃焼を開始し、水栓が閉じることによりフ
ローセンサ１３が通水停止検知して、バーナ７を消火す
るものである。

【００１５】また、風呂の沸き上げ及び追い焚き運転を
行う場合は、操作部３４の設定温度と風呂サーミスタ２
５の検知温度に応じてバーナ７による燃焼量が決定さ
れ、それに基づいてバーナ７への燃料供給量及び送風機
８による燃焼用空気供給量が調節され、循環ポンプ２６
の駆動により風呂回路２１に生じる浴槽水の水流を水ス
イッチ２７により通水検知して、それによりバーナ７を
着火して燃焼を開始し、風呂サーミスタ２５の検知温度
が操作部３４の設定温度に達するとバーナ７を消火する
ものである。

【００１６】また、主に冬における凍結防止のため、給
湯運転や風呂の沸き上げ及び追い焚き運転が行われてい
ない時、または、凍結防止運転の設定時には、給湯回路
１０では、給湯用熱交換器３に取り付けた熱交サーミス
タ２０又は給湯回路１０内の給水サーミスタ１４や給湯
サーミスタ１６の検知温度が、凍結のおそれのある温度
まで低下すると、凍結を防止するため給湯用熱交換器３
に取り付けた凍結防止ヒータ１９に通電して給湯回路１
０を温め、熱交サーミスタ２０又は給水サーミスタ１４
や給湯サーミスタ１６の検知温度が、凍結のおそれのな
い温度まで上昇すると、凍結防止ヒータ１９の通電を停
止するもので、凍結防止ヒータ１９だけでは給湯回路１
０の凍結が防止しきれないような時は、給湯スイッチオ
フ状態で給湯回路１０内に水道水を少量通水させること
により、凍結を防止するものである。

【００１７】また、風呂回路２１では、風呂サーミスタ
２５の検知温度が凍結のおそれのある温度まで低下する
と、凍結を防止するため循環ポンプ２６を駆動させて、
風呂回路２１内の浴槽水を循環させるもので、以下図３
のフローチャートに従って説明する。

【００１８】まず、風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘ
が、風呂回路２１内の温度が凍結のおそれのある温度で
あって且つバーナ７の燃焼による熱の影響を風呂サーミ
スタ２５が受けた場合の風呂サーミスタ２５が検知する
温度である所定温度Ｘ’より低いか否かを判断する。
（Ｓ１）

【００１９】本実施例では、所定温度Ｘ’＝７℃に設定
しており、風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘが７℃より
低い場合、次に操作部３４の操作により凍結防止モード
が設定されているか、または、給湯スイッチがオフにな
っているかを判断する。（Ｓ２）

【００２０】これにより、風呂サーミスタ２５がバーナ
の燃焼による熱の影響を受けていても、所定温度Ｘ’が
それを考慮して高めに設定されているので、風呂サーミ
スタの検知温度が実際の風呂回路内の温度より高くて
も、凍結防止制御を行って風呂回路の凍結を防止するこ
とができるものである。

【００２１】そして、凍結防止モードが設定、または、
給湯スイッチがオフになっている場合は、バーナ７が燃
焼することがない状態、つまりバーナ７の燃焼による熱
の影響を給湯機本体内に配置されている風呂サーミスタ
２５が受けることがない状態なので、通常設定として、
設定温度Ａ＝ａ、上限温度Ｂ＝ｂ、設定時間Ｔ＝ｔ、下
限温度Ｃ＝ｃ、設定動作時間Ｍ＝ｍというように通常設
定値を設定する。（Ｓ３） 本実施例ではａ＝４℃、ｂ＝４℃、ｔ＝１０分、ｃ＝−
５℃、ｍ＝１分に設定している。

【００２２】また、凍結防止モードが設定されておら
ず、且つ、給湯スイッチがオンの場合は、バーナ７が燃
焼することがある状態、つまりバーナ７の燃焼による熱
の影響を、給湯機本体内に配置されている風呂サーミス
タ２５が受けることがある状態なので、補正設定とし
て、設定温度Ａ＝ａ’、上限温度Ｂ＝ｂ’、設定時間Ｔ
＝ｔ’、下限温度Ｃ＝ｃ’、設定動作時間Ｍ＝ｍ’とい
うように補正設定値を設定する。（Ｓ４） 本実施例ではａ’＝７℃、ｂ’＝７℃、ｔ’＝５分、
ｃ’＝−３℃、ｍ’＝２分に設定している。

【００２３】そして次に、風呂サーミスタ２５の検知温
度Ｘが設定温度Ａ以下か否か判断し（Ｓ５）、設定温度
Ａ以下なら凍結のおそれがあるとして、制御部２８内の
タイマ３３をスタートさせる。（Ｓ６）

【００２４】そして、タイマ３３の経過時間がに達する
と（Ｓ７）、その時の風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘ
が上限温度Ｂ以下か判断し（Ｓ８）、上限温度Ｂより高
ければ（Ｓ１）に戻り、上限温度Ｂ以下ならば更に風呂
サーミスタ２５の検知温度Ｘが下限温度Ｃより高いか判
断する。（Ｓ９）

【００２５】そして（Ｓ９）で、風呂サーミスタ２５の
検知温度Ｘが、下限温度Ｃ以下ならばすでに風呂回路２
１内で凍結が発生しており、この状態で循環ポンプ２６
を駆動させると、循環ポンプ２６が空運転となると判断
して循環ポンプ２６を駆動させずに（Ｓ１）へと戻り、
風呂サーミスタ２５の検知温度Ｘが下限温度Ｃより高け
れば、まだ風呂回路２１内には凍結が発生していないと
判断して、循環ポンプ２６を駆動させて風呂回路２１の
凍結防止すると同時に制御部２８内のタイマ３３をスタ
ートさせる。（Ｓ１０）

【００２６】そしてタイマ３３の経過時間が設定動作時
間Ｍに達すると（Ｓ１１）、循環ポンプ２６を停止して
（Ｓ１２）、再び（Ｓ１）へと戻るものである。

【００２７】また、（Ｓ７）でタイマ３３の経過時間が
設定時間Ｔに達する前に、例えば給湯運転によりバーナ
７が着火されて燃焼が行われた場合、バーナ７の燃焼に
よる熱の影響を風呂サーミスタ２５が受けて、検知温度
Ｘが正確ではないと判断して（Ｓ１３）、（Ｓ１０）へ
と進んで循環ポンプ２６を駆動させて風呂回路２１の凍
結防止すると同時に制御部２８内のタイマ３３をスター
トさせるものである。

【００２８】これによりタイマ３３の経過時間が設定時
間Ｔに達する前にバーナ７が燃焼して、その熱により風
呂サーミスタ２５の検知温度Ｘが風呂回路２１内の実際
の温度より高い温度になっても、バーナ７が燃焼した時
点で循環ポンプ２６を駆動させて風呂回路２１内に浴槽
水を循環させるので、風呂回路２１内に凍結が発生する
のを防止できるものである。

【００２９】なお、本実施例では設定温度Ａと上限温度
Ｂを同じ温度にしたがこれに限定されず、設定温度Ａに
対して上限温度Ｂを低く、又は、上限温度Ｂに対して温
度Ａを高く設定しても構わないものである。また、給湯
回路１０の凍結防止のため、凍結防止ヒータ１９の通電
による熱の影響を考慮した第２の補正設定値を設けても
よく、この場合、（Ｓ７）でタイマ３３の経過時間が設
定時間Ｔに達する前に凍結防止ヒータ１９が通電された
時、凍結防止ヒータ１９による熱の影響を風呂サーミス
タ２５が受けて、検知温度Ｘが正確ではないと判断して
（Ｓ１３）、（Ｓ１０）へと進んで循環ポンプ２６を駆
動させて凍結防止を行ってもよい。

【００３０】

【発明の効果】以上のようにこの発明は、浴槽から風呂
用熱交換器を経て再び浴槽に戻る途中に循環ポンプと浴
槽水の温度を検知する風呂サーミスタとを設けた風呂回
路と、前記風呂サーミスタの検知温度により循環ポンプ
を動作させて凍結防止を行う制御部とを備えた追い焚き
機能付給湯機において、前記制御部はタイマを有し、風
呂サーミスタの検知温度が所定温度以下の時タイマをス
タートさせ、タイマの経過時間が所定時間経過した時の
検知温度が、凍結のおそれのある温度である上限温度以
下で且つすでに凍結の生じている温度である下限温度よ
り高い時は、循環ポンプを設定動作時間動作させて凍結
防止を行い、下限温度以下の時は循環ポンプを停止した
ままにするもので、風呂回路に凍結が生じないのに循環
ポンプを駆動させるという無駄な凍結防止運転を行わな
いようにすることができるものである。

【００３１】また、風呂サーミスタの検知温度が下限温
度より低い場合は、風呂回路内にすでに凍結が生じてい
ると判断して、循環ポンプを駆動させないので、風呂サ
ーミスタの検知温度が設定温度以下の時から設定時間経
過するまでの間に急激に温度が低下して風呂回路に凍結
が生じてしまった場合、その状態で循環ポンプを駆動さ
せず、風呂回路内凍結時の空運転による循環ポンプの破
損を防止できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を付した追い焚き機能付給
湯機を示す全体構成図。

【図２】同ブロック図。

【図３】同風呂回路の凍結防止のための制御を示すフロ
ーチャート図。

【符号の説明】

４ 風呂用熱交換器 ２１ 風呂回路 ２２ 浴槽 ２５ 風呂サーミスタ ２６ 循環ポンプ ２８ 制御部 ３３ タイマ

フロントページの続き (56)参考文献 特開 平７−229648（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−118664（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−42761（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−131948（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−59032（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F24H 1/00 602

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽から風呂用熱交換器を経て再び浴槽
   に戻る途中に循環ポンプと浴槽水の温度を検知する風呂
   サーミスタとを設けた風呂回路と、前記風呂サーミスタ
   の検知温度により循環ポンプを動作させて凍結防止を行
   う制御部とを備えた追い焚き機能付給湯機において、前
   記制御部はタイマを有し、風呂サーミスタの検知温度が
   所定温度以下の時タイマをスタートさせ、タイマの経過
   時間が所定時間経過した時の検知温度が、凍結のおそれ
   のある温度である上限温度以下で且つすでに凍結の生じ
   ている温度である下限温度より高い時は、循環ポンプを
   設定動作時間動作させて凍結防止を行い、下限温度以下
   の時は循環ポンプを停止したままにすることを特徴とす
   る追い焚き機能付給湯機。
2. 【請求項２】 浴槽から風呂用熱交換器を経て再び浴槽
   に戻る途中に循環ポンプと浴槽水の温度を検知する風呂
   サーミスタとを設けた風呂回路と、給水口から給湯用熱
   交換器を経て給湯口に至る給湯回路と、前記風呂用熱交
   換器と給湯用熱交換器とを加熱する燃焼部と、給湯運転
   スイッチを設けた操作部と、タイマを有する制御部とを
   備えた追い焚き機能付給湯機において、前記制御部は、
   風呂サーミスタの検知温度が所定温度以下の時、更にそ
   の検知温度が所定温度より低温である設定温度以下かを
   判断し、検知温度が設定温度以下の時タイマをスタート
   させ、タイマの経過時間が設定時間経過した時の検知温
   度が、凍結のおそれのある温度である上限温度以下で且
   つ凍結の生じている温度である下限温度より高い時、循
   環ポンプを設定動作時間動作させて風呂回路の凍結防止
   を行い、下限温度以下の時は循環ポンプを停止したまま
   にすると共に、前記設定温度、設定時間、上限温度、設
   定動作時間、下限温度の各設定値は、風呂サーミスタの
   検知温度が所定温度以下の時、給湯運転スイッチオフの
   場合は通常設定値を設定し、給湯運転スイッチオンの場
   合は補正設定値を設定することを特徴とする追い焚き機
   能付給湯機。
3. 【請求項３】 制御部は、風呂サーミスタの検知温度が
   設定温度以下に低下した時から設定時間経過するまでの
   間に燃焼部の燃焼があった場合、直ちに循環ポンプを設
   定動作時間動作させて風呂回路の凍結防止を行うことを
   特徴とする請求項２項記載の追い焚き機能付給湯機。