JP3968781B2 - 窒素除去方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は窒素除去方法及び装置に係り、特に原水中のアンモニア性窒素を嫌気性アンモニア酸化法を用いて除去する窒素除去方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の硝化・脱窒法では、原水中のアンモニア性窒素を硝化菌により好気性条件下で亜硝酸を経て硝酸にまで酸化し、この硝酸を脱窒菌により嫌気性条件下で窒素ガスに変換することによって除去している。
【0003】
しかし、この方法は、脱窒処理時にメタノール等の水素供与体を添加する必要があるため、ランニングコストが増加するという欠点がある。
【0004】
水素供与体の添加を必要としない窒素除去方法として、嫌気性アンモニア酸化(Anaerobic Ammonium Oxidation :ANAMMOX)法と呼ばれる方法が提案されている。
【0005】
この方法では、亜硝酸イオンとアンモニウムイオンが化学的に略等当量溶解するように調製した液を反応タンクに供給し、液温30℃、pH8.0 の下、HRT を6`23 時間とする。その結果、嫌気性アンモニア酸化細菌の関与によって、液相中の亜硝酸アンモニウムが窒素ガスに変換され系外除去される。嫌気性アンモニア酸化細菌は独立栄養性であるため、通常の他栄養性脱窒とは異なり、脱窒のための水素供与体(例えば、メタノール)を必要としない。したがって、栄養源や酸素が不要であり、低コストで窒素成分を除去することができる。
【0006】
上記の嫌気性アンモニア酸化法において、嫌気性アンモニア酸化細菌の菌体合成も含めた物質収支式は下記の(1)式となる。
1NH4 + +1.31NO2 - +0.0425CO2→1.045N2+0.220NO3 - +1.870H2O+0.090OH - +0.0425CH2O …(1)式
(1)式から分かるように、嫌気性アンモニア酸化法では、原水のアンモニアと亜硝酸とのモル比が1:1.31に調製することが望ましい。
【0007】
このようなモル比の液を得る方法として、SHARON法と呼ばれる窒素除去法が利用されている。この方法は、汚泥の滞留機構を持たない連続攪拌タンクリアクターにおいて、温度を30〜40℃、pHを7 〜8 程度に保ち、エアレーションを行って1.5日滞留させる。その結果、アンモニア酸化細菌だけが増殖でき、亜硝酸酸化細菌は増殖できない環境が作り出される。これにより、アンモニアと亜硝酸が前記のモル比である液を得ることができる。
【0008】
しかし、SHARON法は、汚泥を滞留させる設備がないため、処置が不安定になるという問題がある。また、処理時間が制限されるため、アンモニアを完全に亜硝酸に変換することができない。さらに、液全体を高温にするために、多量の熱量が必要になるという問題がある。
【0009】
特許文献1には、アンモニアと亜硝酸のモル比が1:1.31の液を得るための別の方法が記載されている。この方法は、原水を分配し、その一方の原水を、亜硝酸酸化細菌阻害剤を添加した汚泥によって硝化処理した後、他方の原水と合流させる。この方法によれば、亜硝酸酸化細菌阻害剤を添加したことによって、汚泥に含まれる亜硝酸酸化細菌の成長が抑制され、汚泥中のアンモニア酸化細菌が優先的に生育するので、原水中のアンモニア性窒素を主に亜硝酸に変換することができる。したがって、この硝化処理液を他方の原水と合流させることによって、前記モル比の液を得ることができる。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−170684号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1は、亜硝酸酸化細菌阻害剤としてパラコートのように有害な物質を使用するため、現実的な方法ではない。
【0012】
また、特許文献1は、亜硝酸酸化細菌阻害剤を用いた培養設備が必要になるため、設備全体が大型化したり、ランニングコストが増加するという問題があった。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、嫌気性アンモニア酸化に適した液を簡単に得ることができ、嫌気性アンモニア酸化処理において窒素成分を効率よく除去できる窒素除去方法及び装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
請求項1に記載の発明は前記目的を達成するために、原水中に含まれるアンモニア性窒素を除去する窒素除去方法において、前記原水を二つに分配し、該分配された一方の原水を、40〜80℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した固定化微生物担体、または50〜90℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した活性汚泥を用いて硝化処理することにより、前記原水に含まれるアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換し、該硝化処理した硝化処理液を、前記分配された他方の原水と混和し、該混和液を嫌気性アンモニア酸化処理するとともに、前記硝化処理に用いた固定化微生物担体または活性汚泥を回収して前記加熱条件で加熱処理し、前記硝化処理に戻すことを特徴とする。
【0015】
請求項2に記載の発明は前記目的を達成するために、原水中に含まれるアンモニア性窒素を除去する窒素除去装置において、前記原水を第1送液ラインと第2送液ラインとに分配する分配槽と、前記第1送液ラインに配設され、40〜80℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した固定化微生物担体、または50〜90℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した活性汚泥によって硝化処理を行い、前記原水に含まれるアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する硝化槽と、前記硝化槽によって硝化処理した硝化処理液と、前記第2送液ラインを流れる原水とを混和する混和槽と、該混和槽で混和した混和液を嫌気性アンモニア酸化処理する嫌気性アンモニア酸化装置と、前記硝化槽の後段で回収された前記固定化微生物担体または活性汚泥を前記加熱条件で加熱処理して前記硝化槽に返送する加熱処理槽と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項1及び2に記載の発明によれば、原水を二つに分配し、分配した一方の原水を、所定の加熱条件で加熱処理した固定化微生物担体または活性汚泥で硝化処理することによってアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換し、さらに、この硝化処理液を分配した他方の原水に混和するようにしたので、原水の分配比を調節することによって簡単に、混和液中のアンモニアと亜硝酸の比を調節することができる。これにより、嫌気性アンモニア酸化に適した混和液を得ることができるので、嫌気性アンモニア酸化処理において、効率良く脱窒処理することができる。なお、請求項1及び2に記載の発明において、所定の加熱条件とは、微生物固定化担体の場合、加熱温度は30〜80℃、より好ましくは40〜70℃であり、加熱時間は1h以上、より好ましくは1日以上二週間以内である。また、活性汚泥の場合は、加熱温度は50〜90℃、より好ましくは60〜90℃であり、加熱時間は1h以上、より好ましくは1日以上1週間以内である。
【0017】
請求項3に記載の発明は、前記硝化槽で硝化処理した硝化処理液の亜硝酸濃度を測定する亜硝酸センサと、前記第2送液ラインを流れる原水のアンモニア濃度を測定するアンモニアセンサと、前記亜硝酸センサの測定値と前記アンモニアセンサの測定値に応じて、前記混和槽に流入する硝化処理液の流量と原水の流量との比を調整する流量調整手段と、を備えたことを特徴としている。したがって、請求項3に記載の発明によれば、原水のアンモニア濃度と、硝化処理液の亜硝酸濃度に応じて、混和される原水の流量と硝化処理液の流量との比を調節するので、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比を任意に調節することができる。したがって、嫌気性アンモニア酸化に適した比の混和液を確実に得ることができる。また、原水に含まれるアンモニア性窒素の濃度が経時的に変動した場合であっても、混和液におけるアンモニアと亜硝酸を所定の比に調整することができる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、前記第2送液ラインには、前記硝化槽と略同じ容積のタンクが設けられることを特徴としている。したがって、請求項4に記載の発明によれば、第2送液ラインを流れる原水は、タンクで滞留するようになり、その滞留時間は、硝化槽での滞留時間と略同一になる。このため、分配槽で同時刻に分配された原水は、混和槽に同じタイミングで流入するようになるので、原水のアンモニア性窒素濃度が変動しても、その影響を受けなくなる。これにより、混和液のアンモニアと亜硝酸の比が変動しなくなるので、嫌気性アンモニア酸化処理を安定して行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る窒素除去方法及び装置の好ましい実施形態について説明する。
【0020】
図1は本発明に係る窒素除去装置の第1の実施形態の構成を示す模式図である。
【0021】
図1に示すように、第1の実施形態の窒素除去装置10は主として、原水槽12、分配槽14、硝化槽16、加熱処理槽18、混和槽20、及び嫌気性アンモニア酸化装置22で構成され、原水槽12に貯留された原水は、分配層14に送液される。
【0022】
分配槽14には、第1送液ライン24と第2送液ライン26が接続されている。分配槽14は、この第1送液ライン24と第2送液ライン26に、原水を所定の流量比で分配して送液する。例えば、第1送液ライン24に流れる原水の流量と、第2送液ライン26に流れる原水の流量との比(以下、分配比という)が、1:1〜1:1.4程度になるように分配して送液する。
【0023】
第2送液ライン26は、混和槽20に直接接続される。一方、第1送液ライン24は、硝化槽16に接続され、この硝化槽16が硝化処理液ライン30を介して混和槽20に接続される。
【0024】
硝化槽16には、固定化微生物担体(以下、担体という)が投入されている。この担体は、微生物を固定化するためのモノマまたはプレポリマの何れかを、湖沼や河川や海の底泥、地表の土壌、または下水処理場の活性汚泥の何れかの汚泥の存在下で、30〜80℃で加熱処理しながら重合することによって製造される。このように製造された担体には、アンモニア性窒素を亜硝酸まで硝化するアンモニア酸化細菌が優先的に集積されるとともに、亜硝酸を硝酸まで硝化する亜硝酸酸化細菌の集積が抑制される。なお、担体製造時の加熱温度は、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がさらに好ましい。また、担体製造時の加熱時間は、1時間以上が好ましく、1日以上2週間以内が好ましい。加熱時間が短いと、アンモニア酸化細菌を優先的に集積する効果が小さいためである。また、2週間を超えて加熱しても集積効果が殆ど変わらないため、2週間以内の加熱時間とすることが好ましい。
【0025】
硝化槽16の流出口には担体の回収装置28が設置されている。回収装置28で回収された担体は、担体運搬ライン32を介して加熱処理槽18に運搬される。加熱処理槽18は、担体を加熱処理する装置であり、その加熱条件としては、前記担体製造時と同じ加熱条件であることが好ましい。すなわち、加熱温度は、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。また、加熱時間は、1時間以上が好ましく、1日以上2週間以内がより好ましい。このような加熱条件で担体を加熱処理することによって、担体は、亜硝酸酸化細菌の集積が抑制され、且つ、アンモニア酸化細菌が効率良く集積される。すなわち、担体による亜硝酸生成性能を復活させることができる。
【0026】
加熱処理槽18で加熱処理された担体は、担体返送ライン34を介して硝化槽16に返送される。これにより、硝化槽16において、原水中のアンモニア性窒素を硝酸にまで変換することなく、主に亜硝酸に変換することができる。なお、担体の加熱温度を50〜70℃とした際は、硝化処理液に含まれる亜硝酸と硝酸の濃度比が30程度になり、亜硝酸型反応率(=亜硝酸/(亜硝酸+硝酸)×100)が97%になり、略100%近い亜硝酸型の硝化反応が行われる。
【0027】
硝化槽16で硝化処理された硝化処理液は、硝化処理液ライン30を介して混和槽20に送液される。この硝化処理液は、混和槽20において、第2送液ライン26から直接送液された原水と混和される。すなわち、混和槽20では、亜硝酸を含む硝化処理液と、アンモニアを含む原水とが混和されるので、混和液には、アンモニアと亜硝酸が含まれる。混和液に含まれるアンモニアと亜硝酸の比は、硝化槽16でアンモニアが略完全に亜硝酸に変換されることから、分配槽14での分配比(すなわち、第1送液ライン24の流量と第2送液ライン26の流量との比)に略比例する。したがって、分配比を1:1〜1:1.4に調節することによって、アンモニアと亜硝酸のモル比が1:1.31に近い混和液を作成することができる。
【0028】
混和槽20の混和液は、嫌気性アンモニア酸化装置22に送液される。嫌気性アンモニア酸化装置22は、液温30℃、pH8.0 の下、滞留時間を6`23 時間とすることによって、アンモニアを水素供与体として、窒素成分が除去される。
【0029】
次に上記の如く構成された窒素除去装置10の作用について説明する。
【0030】
図2は、混和液の成分と嫌気性アンモニア酸化装置22の窒素除去率との関係を示す図である。
【0031】
同図に示すように、嫌気性アンモニア酸化装置22は、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比が0.9〜1.4の範囲である場合に、高い除去率が得られる。このため、混和液のアンモニアと亜硝酸の比を0.9〜1.4に制御することが必要である。
【0032】
本実施の形態では、原水を分配槽14によって第1送液ライン24と第2送液ライン26とに分配して送液し、第1送液ライン24の原水のアンモニア性窒素を亜硝酸に変換して、第2送液ライン26の原水と混和するように構成したので、分配槽14における分配比を調整することによって簡単に、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比を調整できる。したがって、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比を上記の範囲に調整することができ、嫌気性アンモニア酸化装置22における脱窒処理を効率良く行うことができる。
【0033】
図3は第2の実施形態の窒素除去装置36の構成を示す模式図である。
【0034】
図3に示す窒素除去装置36は、図1に示した第1の実施形態の窒素除去装置10と比較して、硝化処理液ライン30に亜硝酸センサ38が設けられている点と、第2送液ライン26にアンモニアセンサ40が設けられている点で異なっている。亜硝酸センサ38は、硝化処理液中の亜硝酸濃度を計測する計測器であり、例えばブラウンルーベが使用される。アンモニアセンサ40は、第2送液ライン26を流れる原水中のアンモニア濃度を計測する計測器であり、例えばイオン電極が使用される。
【0035】
分配槽14は、亜硝酸センサ38の測定値とアンモニアセンサ40の測定値に応じて、第1送液ライン24と第2送液ライン26との分配比を調節する。そして、混和槽20内のアンモニアに対する亜硝酸の比が0.9〜1.4になるように制御する。
【0036】
次に上記の如く構成された第2の実施形態の作用について説明する。
【0037】
第1送液ライン24を流れる原水は、硝化槽16で硝化処理されるのに対し、第2送液ライン26を流れる原水は直接、混和槽20の送液される。したがって、第1送液ライン24を流れる原水の方が、硝化槽16での滞留時間の分だけ、混和槽20に遅れて流入される。このため、原水に含まれるアンモニアの濃度が変動すると、混和時のアンモニアと亜硝酸の比が大きく変動するおそれがある。例えば、原水のアンモニア濃度が大きく低下した場合、第2送液ライン26から混和槽20に流入する原水のアンモニア濃度がすぐに低下するのに対して、硝化処理液ライン30から混和槽20に流入する硝化処理液の亜硝酸濃度は遅れて低下する。したがって、原水のアンモニア濃度が低下した直後、混和液は、アンモニアに対する亜硝酸の比が大きくなるおそれがある。
【0038】
そこで、第2の実施形態では、亜硝酸センサ38の測定値とアンモニアセンサ40の測定値に応じて、分配槽14による分配比を調整している。例えば、前記の如く原水のアンモニア濃度が低下した場合には、第1送液ライン24の流量に対して第2送液ライン26の流量が増加するようにする。これにより、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比が変動することを抑制することができる。
【0039】
また、第2の実施形態によれば、硝化槽16での硝化効率が変動した場合においても同様に、分配槽14による分配比を調整することによって、混和液のアンモニアと亜硝酸の比の変動を抑制することができる。
【0040】
このように第2の実施形態によれば、分配槽14による分配比を調節することによって、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比を任意に調節することができる。したがって、原水のアンモニア濃度が変動した場合や処理槽16の硝化効率が変動した場合であっても、混和液のアンモニアと亜硝酸の比を確実に0.9〜1.4の範囲に制御することができる。これにより、嫌気性アンモニア酸化装置22における脱窒効率を向上させることができる。
【0041】
なお、上述した第2の実施形態では、分配槽14における分配比を調整するようにしたが、第1送液ライン24(または硝化処理液ライン30)を流れる流量と、第2送液ライン26を流れる流量との比を調整すればよいので、第1送液ライン24(または硝化処理液ライン30)や第2送液ライン26に流量調整弁を設けてもよい。
【0042】
図4は第3の実施形態の窒素除去装置42の構成を模式的に示す図である。
【0043】
図4に示す第3の実施形態の窒素除去装置42は、図1に示した第1の実施形態の窒素除去装置10と比較して、第2送液ライン26にバッファタンク44が設けられている点で異なっている。このバッファタンク44は、硝化槽16と略同じ容積になるように構成されている。したがって、硝化槽16での滞留時間とバッファタンク44での滞留時間が略等しくなる。このため、分配槽14で同時刻に第1送水ライン24と第2送水ライン26とに分配された原水は、略同時刻に混和槽20に流入される。したがって、原水のアンモニア濃度が変動した場合であっても、混和液の成分はその影響を受けなくなり、混和液におけるアンモニアと亜硝酸の比は常に略一定になる。これにより、嫌気性アンモニア酸化装置22において安定した脱窒処理を行うことができる。
【0044】
なお、上述した第3の実施形態では、バッファタンク44の容積を硝化槽16の容積と略同一としたが、これに限定するものではない。硝化槽16の容積とバッファタンク44の容積の比を、分配槽14による分配比に一致させると、硝化槽16での滞留時間とバッファタンク44での滞留時間を同一にすることができる。
【0045】
図5は第4の実施形態の窒素除去装置46の構成を模式的に示す図である。
【0046】
図5に示す窒素除去装置46の硝化槽16は、活性汚泥によって硝化処理を行っている。硝化槽16の後段には、沈殿槽48が設けられ、この沈殿槽48によって、硝化槽16から流出した活性汚泥が沈殿回収される。沈殿槽48に沈殿した活性汚泥は、一部が汚泥引き抜きライン52によって引き抜かれ、余剰汚泥として定期的に取り除かれる。また、残りの活性汚泥は、汚泥運搬ライン54によって加熱処理槽50に運搬され、加熱処理槽50において加熱処理される。加熱処理された活性汚泥は汚泥返送ライン56によって硝化槽16に返送される。
【0047】
加熱処理槽50における加熱条件としては、加熱温度が50〜90℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。また、加熱時間が1h以上が好ましく、1日〜1週間がより好ましい。このような加熱条件の下で加熱処理を行うことによって、活性汚泥中の亜硝酸酸化細菌の生育を抑制しつつ、アンモニア酸化細菌を優先的に生育させることができる。したがって、加熱処理した活性汚泥を用いて硝化処理を行うことによって、原水中のアンモニア性窒素は硝酸まで硝化されずに、亜硝酸に変換される。
【0048】
上記の如く構成された第4の実施形態によれば、硝化槽16においてアンモニアを略完全に亜硝酸に変換させることができるので、混和液のアンモニアと亜硝酸の比を簡単に調節することができ、嫌気性アンモニア酸化処理に適した混和液を得ることができる。
【0049】
なお、上述した第4の実施形態においても、硝化処理液ライン30に亜硝酸センサを配設するとともに第2送液ライン26にアンモニアセンサを配設したり、或いは、硝化槽16と略同容積のバッファタンクを第2送液ライン26に配設したりしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る窒素除去方法及び装置によれば、原水を二つに分配し、その一方の原水中のアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換した後に、分配した他方の原水と混和するようにしたので、亜硝酸とアンモニアを所定の比に調整した液を簡単に得ることができ、嫌気性アンモニア酸化処理において窒素を効率良く除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窒素除去装置の第1の実施形態の構成を示す模式図
【図2】混和液の成分比と嫌気性アンモニア酸化処理の窒素除去率との関係を示す図
【図3】本発明に係る窒素除去装置の第2の実施形態の構成を示す模式図
【図4】本発明に係る窒素除去装置の第3の実施形態の構成を示す模式図
【図5】本発明に係る窒素除去装置の第4の実施形態の構成を示す模式図
【符号の説明】
10…窒素除去装置、12…原水槽、14…分配槽、16…硝化槽、18…加熱処理槽、20…混和槽、22…嫌気性アンモニア酸化装置、24…第1送液ライン、26…第2送液ライン、28…回収装置、30…硝化処理液ライン、32…担体運搬ライン、34…担体返送ライン、36…窒素除去装置、38…亜硝酸センサ、40…アンモニアセンサ、42…窒素除去装置、44…バッファタンク、46…窒素除去装置、48…沈殿槽、50…加熱処理槽、52…汚泥引き抜きライン、54…汚泥運搬ライン、56…汚泥返送ライン
Claims (4)
- 原水中に含まれるアンモニア性窒素を除去する窒素除去方法において、
前記原水を二つに分配し、
該分配された一方の原水を、40〜80℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した固定化微生物担体、または50〜90℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した活性汚泥を用いて硝化処理することにより、前記原水に含まれるアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換し、
該硝化処理した硝化処理液を、前記分配された他方の原水と混和し、
該混和液を嫌気性アンモニア酸化処理するとともに、
前記硝化処理に用いた固定化微生物担体または活性汚泥を回収して前記加熱条件で加熱処理し、前記硝化処理に戻すことを特徴とする窒素除去方法。 - 原水中に含まれるアンモニア性窒素を除去する窒素除去装置において、
前記原水を第1送液ラインと第2送液ラインとに分配する分配槽と、
前記第1送液ラインに配設され、40〜80℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した固定化微生物担体、または50〜90℃、1時間以上の加熱条件で加熱処理した活性汚泥によって硝化処理を行い、前記原水に含まれるアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に変換する硝化槽と、
前記硝化槽によって硝化処理した硝化処理液と、前記第2送液ラインを流れる原水とを混和する混和槽と、
該混和槽で混和した混和液を嫌気性アンモニア酸化処理する嫌気性アンモニア酸化装置と、
前記硝化槽の後段で回収された前記固定化微生物担体または活性汚泥を前記加熱条件で加熱処理して前記硝化槽に返送する加熱処理槽と、を備えたことを特徴とする窒素除去装置。 - 前記硝化槽で硝化処理した硝化処理液の亜硝酸濃度を測定する亜硝酸センサと、
前記第2送液ラインを流れる原水のアンモニア濃度を測定するアンモニアセンサと、
前記亜硝酸センサの測定値と前記アンモニアセンサの測定値に応じて、前記混和槽に流入する硝化処理液の流量と原水の流量との比を調整する流量調整手段と、
を備えたことを特徴とする請求項2に記載の窒素除去装置。 - 前記第2送液ラインには、前記硝化槽と略同じ容積のタンクが設けられることを特徴とする請求項2に記載の窒素除去装置。
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