JP2005329399A - 窒素除去方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】嫌気性アンモニア酸化法におけるBOD成分阻害の課題と、アンモニアと亜硝酸の比率調整の課題を同時に解決できると共に、嫌気性アンモニア酸化法の性能を向上させることができ、しかも装置を大型化することもない窒素除去方法及び装置を提供する。
【解決手段】廃水からアンモニア性窒素を除去する窒素除去方法。分配器12により廃水を所定の分配比で2つに分配し、分配された一方の廃水を亜硝酸型硝化槽14で硝化させ、硝化させた処理水と、分配された他方の廃水とを、微好気槽16に送水して合流させ、合流水を嫌気性アンモニア酸化槽18に送水して嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒する。
【選択図】 図1
【解決手段】廃水からアンモニア性窒素を除去する窒素除去方法。分配器12により廃水を所定の分配比で2つに分配し、分配された一方の廃水を亜硝酸型硝化槽14で硝化させ、硝化させた処理水と、分配された他方の廃水とを、微好気槽16に送水して合流させ、合流水を嫌気性アンモニア酸化槽18に送水して嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、窒素除去方法及び装置に係り、特に廃水中にBOD成分が含有されるアンモニア性廃水から窒素を嫌気性アンモニア酸化法により除去する窒素除去方法及び装置に関する。
下水や産業廃水に含有する窒素成分は、湖沼の富栄養化の原因になること、河川の溶存酸素の低下原因になること等の理由から、窒素成分を除去する必要がある。下水や産業廃水に含有する窒素成分は、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素、有機性窒素が主たる窒素成分である。
従来、この種の廃水は、窒素濃度が低濃度であれば、イオン交換法での除去や塩素、オゾンによる酸化も用いられているが、中高濃度の場合には生物処理が採用されており、一般的には以下の条件で運転されている。
生物処理では好気硝化と嫌気脱窒による硝化・脱窒処理が行われており、好気硝化では、アンモニア酸化細菌(Nitrosomonas,Nitrosococcus,Nitrosospira,Nitrosolobusなど)と亜硝酸酸化細菌(Nitrobactor,Nitrospina,Nitrococcus,Nitrospira など)によるアンモニア性窒素や亜硝酸性窒素の酸化が行われる一方、嫌気脱窒では、従属栄養細菌(Pseudomonas denitrificans など)による脱窒が行われる。
また、好気硝化を行う硝化槽は負荷0.2〜0.3kg−N/m3 /日の範囲で運転され、嫌気脱窒の脱窒槽は負荷0.2〜0.4kg−N/m3 /日の範囲で運転される。下水の総窒素濃度30〜40mg/Lを処理するには、硝化槽で6〜8時間の滞留時間、脱窒槽で5〜8時間が必要であり、大規模な処理槽が必要であった。また無機質だけを含有する産業廃水では、硝化槽や脱窒槽は先と同様の負荷で設計されるが、脱窒に有機物が必要で、窒素濃度の3〜4倍濃度のメタノールを添加していた。このためイニシャルコストばかりでなく、多大なランニングコストを要するという問題もある。
これに対し、最近、嫌気性アンモニア酸化法による窒素除去方法が注目されている(例えば特許文献1)。この嫌気性アンモニア酸化法は、アンモニアを水素供与体とし、亜硝酸を水素受容体として、嫌気性アンモニア酸化細菌によりアンモニアと亜硝酸とを以下の反応式により同時脱窒する方法である。
(化1)
1.0 NH4 +1.32NO 2 +0.066HCO 3 +0.13H+ →1.02N 2 +0.26NO 3 +0.066CH2 O 0.5 N 0.15+2.03H2 O
この方法によれば、アンモニアを水素供与体とするため、脱窒で使用するメタノール等の使用量を大幅に削減できることや、汚泥の発生量を削減できる等のメリットがあり、今後の窒素除去方法として有効な方法であると考えられている。
(化1)
1.0 NH4 +1.32NO 2 +0.066HCO 3 +0.13H+ →1.02N 2 +0.26NO 3 +0.066CH2 O 0.5 N 0.15+2.03H2 O
この方法によれば、アンモニアを水素供与体とするため、脱窒で使用するメタノール等の使用量を大幅に削減できることや、汚泥の発生量を削減できる等のメリットがあり、今後の窒素除去方法として有効な方法であると考えられている。
また、特許文献2に記載の提案は、廃水を2系統に分岐させ、分岐させた廃水を亜硝酸により酸化させることにより、アンモニアと亜硝酸との比率を調整する手法を採用し、上記問題に対処している。
特開2001−37467号公報
特開2001−170684号公報
しかしながら、嫌気性アンモニア酸化法を利用した窒素除去装置を実装置として実現化するには、以下に示す解決すべき課題がある。
(1) 嫌気性アンモニア酸化法におけるBOD成分阻害(以下、第1課題という)
嫌気性アンモニア酸化法はBOD成分阻害により効率が低下することが知られている。即ち、BOD成分の存在は、嫌気性アンモニア酸化反応ではなく通常の脱窒反応を生じさせてしまうと共に、嫌気性アンモニア酸化を担う嫌気性アンモニア酸化細菌の増殖を阻害するという問題がある。
嫌気性アンモニア酸化法はBOD成分阻害により効率が低下することが知られている。即ち、BOD成分の存在は、嫌気性アンモニア酸化反応ではなく通常の脱窒反応を生じさせてしまうと共に、嫌気性アンモニア酸化を担う嫌気性アンモニア酸化細菌の増殖を阻害するという問題がある。
(2) アンモニア(NH4 )と亜硝酸(NO2 )の比率調整(以下、第2課題という)
嫌気性アンモニア酸化法は、廃水中のアンモニアの一部を亜硝酸に酸化し、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する方法である。従って、効率的な嫌気性アンモニア酸化を行うには上記反応式から分かるように、アンモニアと亜硝酸を1:1.32に調整する必要があるが、この比率に精度良く制御することが難しい。例えば、廃水全量を処理する際の硝化率を制御することでアンモニアと亜硝酸の比率を調整する方法も提案されているが、廃水の濃度変動などにより硝化率が大きく変動する可能性があり難しい。
嫌気性アンモニア酸化法は、廃水中のアンモニアの一部を亜硝酸に酸化し、アンモニアと亜硝酸とを嫌気性アンモニア酸化細菌により同時脱窒する方法である。従って、効率的な嫌気性アンモニア酸化を行うには上記反応式から分かるように、アンモニアと亜硝酸を1:1.32に調整する必要があるが、この比率に精度良く制御することが難しい。例えば、廃水全量を処理する際の硝化率を制御することでアンモニアと亜硝酸の比率を調整する方法も提案されているが、廃水の濃度変動などにより硝化率が大きく変動する可能性があり難しい。
そして、アンモニアと亜硝酸との比率調整が良好になされず、高濃度の亜硝酸の部分が存在した場合、この亜硝酸により局所的に嫌気性アンモニア酸化細菌の失活を生じさせ、硝化率が大きく低下することとなる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、上記第1の課題及び第2の課題を同時に解決できると共に、嫌気性アンモニア酸化法の性能を向上させることができ、しかも装置を大型化することもない窒素除去方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、廃水から窒素を除去する窒素除去方法において、前記廃水を所定の分配比で2つに分配し、前記分配された一方の廃水を亜硝酸型硝化槽で硝化させ、硝化させた該処理水と、前記分配された他方の廃水とを、微好気槽に送水して合流させ、該合流水を嫌気性アンモニア酸化槽に送水して嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒することを特徴とする。
また、本発明の請求項3は前記目的を達成するために、廃水から窒素を除去する窒素除去装置において、前記廃水を2つに分配する分配器と、前記分配された一方の廃水を硝化処理する亜硝酸型の硝化槽と、前記硝化槽からの処理水と、前記分配された他方の廃水とを合流させる微好気槽と、前記合流水を嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、廃水を分配器で所定の分配比に2つに分配し、分配された一方の廃水中のアンモニアを亜硝酸型の硝化槽において亜硝酸に硝化させた後に、分配された他方の廃水と微好気槽において合流させて嫌気性アンモニア酸化槽に送水するようにした。このように微好気槽を設けることにより、嫌気性アンモニア酸化槽に入る前に、確実に両水を混合処理できるだけでなく、好気処理水から持ち込まれた酸素により、原廃水中のBOD濃度を低下させることが可能となる。また、同時に溶存酸素(以下、DOという)も除去され、後段の嫌気性アンモニア酸化槽の活性を維持することが可能となる。
更に、微好気槽は、硝化槽で生成した亜硝酸とアンモニアを混合する槽にもなる。即ち、攪拌が不十分であると、局所的に高濃度の亜硝酸が残存してしまい、この亜硝酸により、後段の嫌気性アンモニア酸化槽内において、局所的な亜硝酸阻害が生じるが、この構成であればこのような不具合を防止することが可能である。
これにより、本発明は上記第1の課題及び第2の課題を同時に解決できると共に、嫌気性アンモニア酸化法の性能を向上させることができ、しかも装置構成をシステマチックに構成したので、装置が大型化することもない。
請求項2は請求項1において、前記微好気槽にDOセンサ及び曝気装置を設け、該DOセンサ及び曝気装置により前記微好気槽内のDO値を0.1〜2.0mg/Lに制御することを特徴とする。
また、請求項4は請求項3において、前記微好気槽にDOセンサ及び曝気装置が設けられており、該DOセンサ及び曝気装置により前記微好気槽内のDO値が0.1〜2.0mg/Lに制御できるようになっていることを特徴とする。
上記微好気槽において、反応時間を長く取ると、DOが消費され嫌気条件下となり、亜硝酸の脱窒を生じさせることとなる。この場合、後段の嫌気性アンモニア酸化反応に必要な亜硝酸が不足し、処理効率が低下することとなる。また、DOが2.0mg/Lを超えると、NO2 →NO3 の亜硝酸の酸化が生じることや、後段の嫌気性アンモニア酸化槽へのDOの持ち込みにより性能が低下する。そのため、この微好気槽においてDOを制御できるようにすべく、DOセンサ及び曝気装置を設けた。そして、微好気槽内のDO値を0.1〜2.0mg/Lの範囲に制御可能とした。
これにより、微好気槽において脱窒反応を阻害させることができる。また、曝気装置により、攪拌効果も得られる。したがって、アンモニアと亜硝酸との混合も促進され、後段の嫌気性アンモニア酸化槽における高濃度の亜硝酸による局所的な嫌気性アンモニア酸化細菌の失活を防止することが可能になる。
なお、微好気槽内のDO値は、0.1〜1.0mg/Lに制御することが、より好ましい。
以上説明したように、本発明に係る窒素除去方法及び装置によれば、嫌気性アンモニア酸化法におけるBOD成分阻害、アンモニア(NH4 )と亜硝酸(NO2 )との比率調整の課題を同時に解決できると共に、嫌気性アンモニア酸化法の性能を向上させることができ、しかも装置を大型化することもない。
以下、添付図面に従って、本発明に係る窒素除去方法及び装置の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明の窒素除去装置の全体構成を説明する構成図である。
図1に示すように、本発明の窒素除去装置10は、主として、分配器12と、亜硝酸型の硝化槽14と、微好気槽16と、嫌気性アンモニア酸化槽18とを、装置10が大型化しないようにシステマチックに配管で接続することにより構成されている。
原水配管20を流れるアンモニア性廃水は、原水ポンプ22により分配器12に送水され、分配器12で所定の分配比で2つに分配されるようになっている。なお、アンモニア性廃水とは、窒素成分としてアンモニアを主成分とする廃水を言い、以下同様である。
分配された一方の廃水は第1配管24を介して亜硝酸型の硝化槽14に送水され、分配された他方の廃水は第2配管26を介して微好気槽16に送水されるようになっている。硝化槽14で処理された第1の処理水は、第3配管28を介して微好気槽16に送水されるようになっている。
微好気槽16には、DOセンサ30及び曝気装置(エア配管32のみ図示される)が設けられており、DOセンサ30及び曝気装置により微好気槽16内のDO値が所望の値になるように制御可能となっている。即ち、DOセンサ30及び曝気装置は図示しない制御装置に接続されており、DOセンサ30で検出したDO値と所望のDO値との偏差が所定の値以下になるように、制御装置が曝気装置を制御するようになっている。
この所望のDO値としては、0.1〜2.0mg/Lの範囲が好ましく、0.1〜1.0mg/Lの範囲がより好ましい。
DOセンサ30としては、公知の各種酸素濃度計が採用できる。曝気装置としては、エア配管32より供給されるエアが微好気槽16の液体に混入できる構成のものであれば、公知の各種構成(例えば、バブリング装置)が採用できる。
微好気槽16において処理された処理水は、第4配管34を介して嫌気性アンモニア酸化槽18に送水されるようになっている。
嫌気性アンモニア酸化槽18において、槽内の嫌気性アンモニア酸化細菌によって、処理水中に含まれるアンモニアと亜硝酸とが同時脱窒されるようになっている。
嫌気性アンモニア酸化細菌(Planctomycete など報告されているが十分解明されていない)は、増殖速度が0.001h-1とかなり遅いことが報告されており(例えば、Strous,M.et al.:Nature,400,446(1999)参照)、嫌気性アンモニア酸化細菌を固定化した固定化担体を嫌気性アンモニア酸化槽18内に配設又は投入することが好ましい。固定化方法としては特に限定はしないが、不織布やプラスチックなどの付着固定化材料に付着固定する方法、ゲル材内に包括固定する方法、PVAゲルやポリエチレン等のプラスチック担体に生物膜を形成させて固定化する方法や、グラニュールとして使用することが可能である。尚、固定化する嫌気性アンモニア酸化細菌は、活性汚泥等の微生物から分離したものでも、嫌気性アンモニア酸化細菌を含有する活性汚泥でもよい。
嫌気性アンモニア酸化槽18において処理された廃水は、処理水配管36から排出されるようになっている。
次に、本発明の窒素除去装置10の作用について説明する。
原水配管20を流れるアンモニア性廃水は、原水ポンプ22により分配器12に送水され、分配器12で所定の分配比で2つに分配される。分配された一方の廃水は第1配管24を介して亜硝酸型の硝化槽14に送水され、分配された他方の廃水は第2配管26を介して微好気槽16に送水される。
この分配器12による所定の分配比は、前述の1.0 NH4 +1.32NO 2 +0.066HCO 3 +0.13H+ →1.02N 2 +0.26NO 3 +0.066CH2 O 0.5 N 0.15+2.03H2 O の式から計算してもよく、予め予備試験等により把握してもよい。この場合、分配器12により硝化槽14へ分配する分配比は少なくとも57%以上であることが好ましい。
原水配管20を流れるアンモニア性廃水(原水)のBOD濃度は、100mg/L以下が好ましく、40mg/L以下がより好ましい。即ち、微好気槽16においては、DOが2.0mg/L以下になるように制御される。このため、BODが100mg/L以上であると、BODが処理されず、この後段の嫌気性アンモニア酸化槽18において阻害を起こすこととなる。したがって、BODが高濃度状態にある排水に対しては、前処理装置としてBOD酸化槽を上流側に設置する必要がある。
亜硝酸型の硝化槽14には、第1配管24により分配器12で分配された一方の廃水が流入し、この一方の廃水中に含有されるアンモニアがアンモニア酸化細菌により亜硝酸に酸化される。この硝化槽14は、アンモニアを亜硝酸に酸化するアンモニア酸化細菌の増殖を促進すると共に、亜硝酸を硝酸に酸化する亜硝酸酸化細菌の増殖を抑えるように構成されている。
例えば、DO制御により硝化槽14内のDOを所望の範囲に制御する方法や、硝化槽14内の活性汚泥或いは担体を加熱処理することで亜硝酸酸化細菌を殺菌する方法を好適に採用することができる。例えば活性汚泥等の微生物をゲル材料に包括固定化した包括担体を加熱処理する場合には、50〜90°Cの範囲で、好ましくは60〜80°Cの範囲で20分から2週間の範囲で加熱処理するとよい。また、活性汚泥の場合には、50〜90°Cの範囲で、好ましくは60〜90°Cの範囲で20分〜1週間の範囲で加熱処理するとよい。
微好気槽16には、第3配管28から硝化槽14で処理された処理水が流入すると共に、第2配管26からアンモニアとBOD成分を含有する廃水が流入してくる。これらの処理水及び廃水を微好気槽16内で混合し、アンモニアと亜硝酸が混合されることにより、この後段の嫌気性アンモニア酸化槽18へ、局所的に高濃度となる亜硝酸を流入することを防止すると同時に、硝化工程を経ていない廃水中にある微量のBOD成分を除去することが可能となる。
また、微好気槽16にはDOセンサ30及び曝気装置が設けられているので、脱窒反応を阻害させることができると同時に、曝気による攪拌効果が得られる。これらの効果により、アンモニアと亜硝酸との混合が促進され、後段の嫌気性アンモニア酸化槽18における局所的に高濃度となる亜硝酸阻害を防止することが可能となる。
微好気槽16におけるDO値としては、2.0mg/L以下とするのが好ましく、1.0mg/L以下とするのがより好ましい。DO値をこのような範囲に制御する理由は、後段の嫌気性アンモニア酸化槽18内の活性を維持するためである。
また、微好気槽16におけるDO値としては、下限値である0.1mg/L以上とすることも重要である。完全にDOが無くなると、脱窒反応が早い速度で生じてしまい、不具合となるからである。
嫌気性アンモニア酸化槽18には、微好気槽16からの処理水が流入する。そして、嫌気性アンモニア酸化槽18内の嫌気性アンモニア酸化細菌によって、処理水中に含まれるアンモニアと亜硝酸とが同時脱窒される。この際に上記した硝酸がアンモニア1モルに対して0.26モル生成される。
尚、図1では、分配器12、硝化槽14、微好気槽16、嫌気性アンモニア酸化槽18を基本構成として説明したが、この基本構成に、既述したBOD酸化槽や他の付加設備を備えるようにしてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示した本発明の窒素除去装置10を用いて廃水処理試験を行った。
図1に示した本発明の窒素除去装置10を用いて廃水処理試験を行った。
(供試廃水)
試験に供した廃水は、下水汚泥の消化脱離液の希釈廃水を用い、アンモニア性窒素濃度(NH4 −N)が300mg/LになるようにNH4 −N源として硫酸アンモニウムを添加してアンモニア性窒素濃度を調整した。尚、調整した廃水のBOD成分濃度は82mg/Lであり、亜硝酸(NO2 )濃度及び硝酸(NO3 )濃度は5mg/L以下であった。
試験に供した廃水は、下水汚泥の消化脱離液の希釈廃水を用い、アンモニア性窒素濃度(NH4 −N)が300mg/LになるようにNH4 −N源として硫酸アンモニウムを添加してアンモニア性窒素濃度を調整した。尚、調整した廃水のBOD成分濃度は82mg/Lであり、亜硝酸(NO2 )濃度及び硝酸(NO3 )濃度は5mg/L以下であった。
(処理条件)
・分配器12の分配比率は、第1配管24:第2配管26=65:35とした。
・各槽14、16、18の容積負荷については、廃水濃度(NH4 −N)=300mg/Lから決定し、硝化槽14の容積負荷は0.6kg−N/m3 /日とした。
・嫌気性アンモニア酸化槽の窒素負荷は3.0kg−N/m3 /日とした。
・運転は約2カ月の馴養期間を行って処理水配管36から排出される最終処理水の水質が安定した後、本運転を2カ月間行って試験データとした。
・分配器12の分配比率は、第1配管24:第2配管26=65:35とした。
・各槽14、16、18の容積負荷については、廃水濃度(NH4 −N)=300mg/Lから決定し、硝化槽14の容積負荷は0.6kg−N/m3 /日とした。
・嫌気性アンモニア酸化槽の窒素負荷は3.0kg−N/m3 /日とした。
・運転は約2カ月の馴養期間を行って処理水配管36から排出される最終処理水の水質が安定した後、本運転を2カ月間行って試験データとした。
[比較例1]
実施例1の窒素除去装置10に微好気槽16を設けなかった以外は、実施例1と同様の運転条件で行った。
実施例1の窒素除去装置10に微好気槽16を設けなかった以外は、実施例1と同様の運転条件で行った。
(処理結果)
・運転は約2カ月の馴養期間を行って処理水配管36から排出される最終処理水の水質が安定した後、本運転を1カ月間行って試験データとした。
・運転は約2カ月の馴養期間を行って処理水配管36から排出される最終処理水の水質が安定した後、本運転を1カ月間行って試験データとした。
実施例1と比較例1との最終処理水の水質を表1に示す。( )内は平均値である。
なお、実施例1においては、微好気槽16において若干の脱窒反応が確認されたが、後段の嫌気性アンモニア酸化槽18では、亜硝酸はほぼ除去されており、高い活性を維持できることが確認された。
10…窒素除去装置、12…分配器、14…硝化槽、16…微好気槽、18…嫌気性アンモニア酸化槽、20…原水配管、22…原水ポンプ、24…第1配管、26…第2配管、28…第3配管、30…DOセンサ、32…エア配管、34…第4配管、36…処理水配管
Claims (4)
- 廃水から窒素を除去する窒素除去方法において、
前記廃水を所定の分配比で2つに分配し、
前記分配された一方の廃水を亜硝酸型硝化槽で硝化させ、硝化させた該処理水と、前記分配された他方の廃水とを、微好気槽に送水して合流させ、
該合流水を嫌気性アンモニア酸化槽に送水して嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒することを特徴とする窒素除去方法。 - 前記微好気槽にDOセンサ及び曝気装置を設け、該DOセンサ及び曝気装置により前記微好気槽内のDO値を0.1〜2.0mg/Lに制御することを特徴とする請求項1の窒素除去方法。
- 廃水から窒素を除去する窒素除去装置において、
前記廃水を2つに分配する分配器と、
前記分配された一方の廃水を硝化処理する亜硝酸型の硝化槽と、
前記硝化槽からの処理水と、前記分配された他方の廃水とを合流させる微好気槽と、
前記合流水を嫌気性アンモニア酸化細菌により脱窒する嫌気性アンモニア酸化槽と、を備えたことを特徴とする窒素除去装置。 - 前記微好気槽にDOセンサ及び曝気装置が設けられており、該DOセンサ及び曝気装置により前記微好気槽内のDO値が0.1〜2.0mg/Lに制御できるようになっていることを特徴とする請求項3の窒素除去装置。
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