JP3967489B2 - 重合粉体の流動性改良方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重合粉体の流動性改良方法に関し、さらに詳しくは、ポリオレフィンパウダーなどの重合粉体のパウダー流動環境場における流動性を改良する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
従来、モノマーなどを(共)重合する方法としては、液相重合や気相重合等、公知の様々な方法が利用されている。これらの重合方法のうち、気相重合では(共)重合体が粉体で得られ、液相重合においても取扱いのし易さから、得られた(共)重合体を粉体として回収することが多い。そして重合粉体は該重合粉体が存在する閉塞空間、例えば気相重合において重合粉体を製造する重合反応器、各配管、又は液相重合又は気相重合で得られた重合粉体を貯蔵しておく貯蔵庫等において流動性に優れることが求められる。
【0003】
ところで、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体などのポリオレフィンは、例えば固体状のチタン系触媒、担体担持型のメタロセン系触媒などの固体触媒の存在下に、オレフィンを(共)重合させることによって製造されている。上記固体触媒は、流動性が低いことが多く、重合器への供給が困難となることがあった。このような問題は、固体触媒に界面活性剤を担持させると、ある程度改善されるが、重合活性が低下するという問題がある。
【0004】
また、上記のような固体触媒の存在下にオレフィンを気相重合すると、流動床内でポリマー塊又はシート状物などが発生したり、ポリオレフィンパウダーの流動性が低下したりして、流動床内の混合状態が不均一となり、長期的に安定して運転することができなくなるなどの問題が発生することがあった。
【0005】
さらに、重合反応器に付属する配管、流動床反応器を用いた気相重合を多段で行う際の各段の重合器を連結している配管、その他重合体が移動する各種設備を上記固体触媒又は重合粉体が移動する時に、流動性が低下したり、各種設備での流動性が低下する場所、いわゆるデッドスペース等でポリマー塊を生成したり、シート状物に付着して、重合粉体の流動性を低下させ、最悪の場合には配管等が閉塞するという問題を生じていた。
【0006】
さらに加えて、最終的に得られた重合粉体を回収したり、該重合粉体を貯蔵する貯蔵庫などで、重合粉体の流動性が低下したために、重合粉体同士が結合して貯蔵庫内でブリッジが生成するなど、その後の様々な処理が滞るという問題も発生している。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであり、得られる重合粉体が流動性に優れ、重合時にヒートスポットが発生し難く、重合粉体が移動する配管や各種設備等におけるデッドスペースにおいても優れた流動性を確保することができ、該重合粉体がポリマー塊やシート状物を生成することがないような重合粉体の流動性改良方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る重合粉体の流動性改良方法は、モノマーの重合工程ないし得られた重合粉体の貯蔵工程であって、全気体中の水分含量が2ppm以下であるパウダー流動環境場に、一般式 ( m 2m+1 CO ) ( CH 2 CH 2 OH ) 2 (式中(C m 2m+1 )で示されるアルキル基の炭素原子数を示すmは6〜20である。)で表されるアルキルジエタノールアミドを該パウダー流動環境場中の重合粉体の重量に対して0.1〜400ppmの量で存在するように供給することを特徴としている。
【0009】
本発明では、前記アルキルジエタノールアミドを間歇的に供給することが好ましい。前記アルキルジエタノールアミドとしてはラウリルジエタノールアミドが好ましい。
前記アルキルジエタノールアミドは、通常炭素原子数が5〜12の脂肪族炭化水素で希釈してパウダー流動環境場に添加してもよい。
【0010】
本発明に係る重合粉体の流動性改良方法は、前記パウダー流動環境場がオレフィンの気相連続重合装置の重合反応器であり、重合粉体がポリオレフィンパウダーである場合に好適に適用される。オレフィンの気相連続重合装置としては、例えば固体触媒が流動状態に保持された流動床でオレフィンを重合する流動床反応器と、流動床反応器からガスを抜出す排出ガスラインと、排出ガスラインから抜出されたガスを再び流動床反応器に供給する循環ガスラインと、流動床反応器内の下部に設置され循環ガスラインから供給されるガスを分散する分散板とを有する気相流動床反応装置がある。
【0011】
本発明に係る重合粉体の流動性改良方法を気相流動床反応装置を用いたオレフィンの重合に適用する場合には、循環ガスラインを介して、分散板の下から流動床にアルキルジエタノールアミドを供給する方法、分散板よりも上部から流動床にアルキルジエタノールアミドを供給する方法などがある。
【0012】
前記ポリオレフィンパウダーとしては、エチレン単独重合体のパウダー又はエチレンと炭素原子数が3〜8のα−オレフィンとの共重合体のパウダーが挙げられ、前記オレフィンの気相連続重合工程で用いられる触媒としては例えば担体担持型のメタロセン系触媒が挙げられる。
【0013】
【発明の具体的説明】
以下、本発明に係る重合粉体の流動性改良方法について具体的に説明する。
本発明に係る重合粉体の流動性改良方法では、種々のモノマーを(共)重合する重合体の製造工程ないし貯蔵工程におけるパウダー流動環境場、例えば重合反応器及びこれに付属する配管、多段重合装置の重合反応器同士を連結する配管、得られた重合粉体を重合反応器から抜き出す抜き出しポット及びこれに付属する配管、重合体の貯蔵庫及びこれに付属する配管、その他の重合粉体輸送用配管などの重合粉体が存在する閉鎖空間に高級脂肪族アミドを供給することにより、これらのパウダー流動環境場における重合粉体の流動性を向上させる。
【0014】
本発明のパウダー流動環境場中に存在する重合粉体としては、液相重合、気相重合などの公知の様々な方法で得られる(共)重合体の粉体であれば特に制限はなく、例えば気相重合で得られたそのままの(共)重合体の粉体、また液相重合で得られた後、液相から回収された(共)重合体の粉体などが挙げられる。
【0015】
前記パウダー流動環境場では、全気体中の水分含量が2ppm以下、好ましくは0.5ppm以下あるいは水分が存在しないことが望ましい。全気体中の水分含量が2ppmを超えると重合活性が著しく低下し易い傾向にあり、余り好ましくない。
【0016】
また高級脂肪族アミドは、重合粉体の重量に対して0.1〜400ppm、好ましくは0.5〜350ppm、さらに好ましくは1.5〜300ppmの量で存在するようにパウダー流動環境場に供給される。高級脂肪族アミドの供給割合が上記範囲を超えると経済的に不利であり、あるいは重合活性が低下する場合があり、上記範囲より少なくなると重合粉体の流動性の改良効果が発現しない場合がある。
【0017】
高級脂肪族アミドは、パウダー流動環境場に連続的又は間歇的に供給されてよいが、特に間歇的に供給することが好ましい。また、高級脂肪族アミドは、1つのパウダー流動環境場に供給してもよく、複数のパウダー流動環境場に供給してもよい。
【0018】
本発明で用いられる高級脂肪族アミドは、一般的に非イオン系界面活性剤として用いられるものであり、従来公知の高級脂肪族アミドであれば何ら制限なく使用でき、室温で液体であるものが取扱い性の点で好ましい。
【0019】
高級脂肪族アミドとしては、
一般式 (Cm 2m+1 CO) N (CH2CH2OH)2
で表されるアルキルジエタノールアミドが好ましく挙げられる。
【0020】
上記一般式中(Cm2m+1)で示されるアルキル基の炭素原子数を示すmは、1〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは8〜18の範囲であることが望ましい。
【0021】
高級脂肪族アミドとして具体的には、例えばラウリルジエタノールアミド、セチルジエタノールアミド、ステアリルジエタノールアミド、オクチルジエタノールアミド、ノニルジエタノールアミド、sec-ラウリルジエタノールアミドなどが挙げられる。これらのなかではラウリルジエタノールアミドが好ましい。
【0022】
上記高級脂肪族アミドは、溶媒で希釈された状態のものを用いることができ、溶媒としては脂肪族炭化水素が好ましく、特にペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンなどの炭素原子数が5〜12の脂肪族炭化水素が好ましい。
【0023】
高級脂肪族アミドを脂肪族炭化水素で希釈する場合の濃度は、特に限定されないが、通常1〜80重量%の範囲であることが好ましい。
ここで希釈された状態のものとは、高級脂肪族アミドと脂肪族炭化水素とが混合された状態のもの又は分散された状態のものである。すなわち、溶液又は分散体であり、より具体的には、溶液、サスペンジョン(懸濁液)又はエマルジョン(乳濁液)である。
【0024】
本発明に係る重合粉体の流動性改良方法は、前記パウダー流動環境場がオレフィンの気相連続重合装置の重合反応器であり、重合粉体がポリオレフィンパウダーである場合に特に好適に適用される。
【0025】
ポリオレフィンパウダーとしては、炭素原子数が2〜20のα-オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;
炭素数が3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどのオレフィンから選ばれる少なくとも1種の(共)重合体のパウダーが挙げられる。本発明に係る重合粉体の流動性改良方法は、これらの中でも、特にエチレン単独重合体のパウダー又はエチレンと炭素原子数が3〜8のα−オレフィンとの共重合体のパウダーの流動性改良に好適である。
【0026】
本発明における気相連続重合プロセスとしては、後述するような固体触媒を用いて、例えば図1に示すような気相流動床反応装置を用いるプロセスがある。図1に気相流動床反応装置の一例の概略図を示す。
【0027】
気相流動床反応装置を用いてオレフィンを(共)重合するに際して、固体触媒は、例えば触媒供給ライン1を介して固体粉末状態で流動床反応器3に供給される。ガス状のオレフィンなどは、例えば供給ガスライン9から連続的に供給され、循環ガスブロワー7により、循環ガスライン6を介して流動床反応器3下方から多孔板などのガス分散板4を介して吹き込まれる。これにより、流動床(反応系)5は流動状態に保持される。このような固体触媒が流動状態に保持された流動床5に吹き込まれたオレフィンは、ここで重合反応して、重合粉体〔ポリオレフィンパウダー〕が生成する。生成したポリオレフィンパウダーは、重合体排出ライン10を介して流動床反応器3から連続的に抜き出される。流動床5を通過した未反応のガス状のオレフィンなどは、流動床反応器3上方に設けられた減速域3aで減速されて排出ガスライン2から流動床反応器3外に排出され、熱交換器8において重合熱が除去されて循環ガスライン6から再び流動床5に循環される。水素のような分子量調節剤は、気相流動床反応装置の任意の場所、例えば供給ガスライン9から供給することができる。
【0028】
このような気相流動床反応装置を用いたオレフィンの重合工程に本発明を適用する場合には、高級脂肪族アミドは気相流動床反応装置の任意の場所、例えば流動床反応器、供給ガスライン、循環ガスライン、排出ガスラインに供給することができる。
【0029】
本発明では、高級脂肪族アミドを気相流動床反応装置に供給する際には、循環ガスライン6を介して、分散板4の下から流動床反応器3内に連続的又は間歇的に供給するか、あるいは分散板4よりも上部から流動床反応器3内に連続的又は間歇的に供給することが好ましく、いずれの場合においても間歇的に供給することがより好ましい。
【0030】
このように高級脂肪族アミドを流動環境場に供給すれば、使用する高級脂肪族アミドの量が極く少量で十分な効果が得られ、非常に効率よく添加することができる。また添加量の定量性がよく、非常に定量的に添加することが可能となる。
【0031】
さらに流動環境場の状態を確認しつつ随時添加することができ、高級脂肪族アミドの添加による触媒活性低下などの重合状態への影響を瞬時に判断することが可能となる。また触媒活性の低下や、得られたポリオレフィンポウダーの物性等への影響がほとんどないか又は最小限に抑制することが可能となる。
【0032】
上記気相連続重合装置で用いられる固体触媒としては、具体的には、例えば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物及び有機アルミニウムオキシ化合物が粒子状担体に担持された担体担持型のメタロセン系触媒、固体状チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物とからなる固体状のチタン系触媒などが挙げられ、これらのうちでは担体担持型のメタロセン系触媒が好ましい。
【0033】
担体担持型のメタロセン系触媒は、
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物と、
(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、
(C)微粒子状担体とから形成されている。
【0034】
また、担体担持型のメタロセン系触媒は、予備重合されていてもよく、このような予備重合された担体担持型のメタロセン系触媒(以下、「予備重合メタロセン系触媒」という。)は、
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物と、
(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、
(C)微粒子状担体と、
(D)予備重合により生成するオレフィン重合体とから形成されている。
【0035】
以下、まず本発明に係るオレフィン重合用固体触媒及びオレフィン重合用予備重合触媒を形成する各成分について説明する。
(A)遷移金属化合物
(A)シクロペンタジエニル骨格を有する周期表第4族の遷移金属化合物としては、下記一般式(I)で表される化合物を例示することができる。
【0036】
MLX … (I)
式中、Mは周期表第4族から選ばれる1種の遷移金属原子を示し、好ましくはジルコニウム、チタン又はハフニウムである。
【0037】
xは、遷移金属の原子価であり、Lの個数を示す。
Lは、遷移金属に配位する配位子又は基を示し、少なくとも1個のLは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、該シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLは、炭素原子数が1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、トリアルキルシリル基、SO3 R(ただし、Rはハロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素原子数が1〜8の炭化水素基)、ハロゲン原子、及び水素原子からなる群より選ばれる1種の基又は原子である。
【0038】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、例えばシクロペンタジエニル基、アルキル置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、アルキル置換インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などを例示することができる。これらの基はハロゲン原子、トリアルキルシリル基などが置換していてもよい。
【0039】
上記一般式(I)で表される化合物が、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上含む場合、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士は、アルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基、置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0040】
(A)遷移金属化合物としては、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個有する化合物が好ましく用いられ、Mがジルコニウムでありシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個有する化合物がより好ましく用いられる。
【0041】
(B)有機アルミニウムオキシ化合物
(B)有機アルミニウムオキシ化合物として具体的には、従来公知のアルミノキサン及び特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
【0042】
(C)微粒子状担体
(C)微粒子状担体として具体的には、SiO2 、Al23 、MgO、ZrO2 、TiO2 、B23 、CaO、ZnO、BaO、ThO2 など、もしくはこれらを含む混合物、例えばSiO2-MgO、SiO2-Al23 、SiO2-TiO2 、SiO2-V25 、SiO2-Cr23 、SiO2-TiO2-MgOなどの無機担体、又はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの有機担体が挙げられる。
【0043】
このような(C)微粒子状担体は、平均粒径が、1〜300μm、好ましくは10〜200μmの範囲にあることが望ましい。
(E)有機アルミニウム化合物
本発明で用いられる担体担持型のメタロセン系触媒及び予備重合メタロセン系触媒は、前記(A)遷移金属化合物、(B)有機アルミニウムオキシ化合物、(C)微粒子状担体を必須成分として含有しているが、必要に応じて(E)有機アルミニウム化合物を含有していてもよい。
【0044】
このような(E)有機アルミニウム化合物としては、例えば下記一般式(II)で表される有機アルミニウム化合物を例示することができる。
a nAlX3-n … (II)
(式中、Ra は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子又は水素原子を示し、nは1〜3である。)
このような(E)有機アルミニウム化合物として具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどが挙げられる。
【0045】
また(E)有機アルミニウム化合物として、下記一般式(III)で表される化合物を用いることもできる。
a nAlY3-n … (III)
(式中、Ra は上記式(II)と同様であり、Yは−ORb 基、−OSiRc 3 基、−OAlRd 2 基、−NRe 2 基、−SiRf 3 基又はN(Rg )AlRh 2 基を示し、nは1〜2であり、Rb 、Rc 、Rd 及びRh はメチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などを示し、Re は水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などを示し、Rf 及びRg はメチル基、エチル基などを示す。)
担体担持型メタロセン系触媒
本発明で用いられる担体担持型メタロセン系触媒は、前記(A)遷移金属化合物と、前記(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、前記(C)微粒子状担体とから形成されており、(A)遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)微粒子状担体とを混合接触させることにより調製することができる。
【0046】
各成分の接触順序は任意に選ばれるが、好ましくは、(A)遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)微粒子状担体とを不活性炭化水素溶媒中又はオレフィン媒体中で混合接触させることが選ばれる。なお、各成分を混合接触させる際には、さらに(E)有機アルミニウム化合物を添加することもできる。
【0047】
担体担持型のメタロセン系触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶媒として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0048】
担体担持型のメタロセン系触媒を調製するに際して、(A)遷移金属化合物(遷移金属原子換算)は、(C)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜1.0ミリモル、好ましくは0.005〜0.5ミリモルの量で用いられ、(B)有機アルミニウムオキシ化合物は、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.5〜20ミリモルの量で用いられる。(E)有機アルミニウム化合物を用いる場合は、(C)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜1000ミリモル、好ましくは2〜500ミリモルの量で用いられる。
【0049】
上記各成分を混合接触させる際の温度は、通常−50〜150℃、好ましくは−20〜120℃であり、接触時間は1〜1000分間、好ましくは5〜600分間である。
【0050】
このようにして得られる担体担持型のメタロセン系触媒は、(C)微粒子状担体1g当たり、(A)遷移金属化合物が遷移金属原子換算で約5×10-6〜10-3モル、好ましくは10-5〜3×10-4モルの量で担持され、(B)有機アルミニウムオキシ化合物がアルミニウム原子換算で約10-3〜10-1モル、好ましくは2×10-3〜5×10-2モルの量で担持されていることが望ましい。
【0051】
予備重合メタロセン系触媒
予備重合メタロセン系触媒は、前記(A)遷移金属化合物と、前記(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、前記(C)微粒子状担体と、(D)予備重合により生成するオレフィン重合体とから形成されている。
【0052】
このような予備重合メタロセン系触媒を調製する方法としては、例えば(A)遷移金属化合物と、(B)有機アルミニウムオキシ化合物と、(C)微粒子状担体とを不活性炭化水素溶媒中又はオレフィン媒体中で混合接触させて得られる固体触媒成分に、少量のオレフィンを予備重合する方法などがある。
【0053】
なお、固体触媒成分調製時及び/又は予備重合時に(E)有機アルミニウム化合物を用いることができる。
予備重合メタロセン系触媒の調製に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、前記担体担持型メタロセン系触媒を調製する際に用いられる不活性炭化水素溶媒と同様のものが挙げられる。
【0054】
予備重合メタロセン系触媒を調製するに際して、(A)遷移金属化合物(遷移金属原子換算)は、(C)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜1.0ミリモル、好ましくは0.005〜0.5ミリモルの量で用いられ、(B)有機アルミニウムオキシ化合物は、通常0.1〜100ミリモル、好ましくは0.5〜20ミリモルの量で用いられる。(E)有機アルミニウム化合物を用いる場合は、(C)微粒子状担体1g当り、通常0.001〜1000ミリモル、好ましくは0.01〜500ミリモルの量で用いられる。
【0055】
上記のようにして得られた予備重合メタロセン系触媒は、(C)微粒子状担体1g当たり、(A)遷移金属化合物が遷移金属原子換算で約5×10-6〜10-3モル、好ましくは10-5〜3×10-4モルの量で担持され、(B)有機アルミニウムオキシ化合物がアルミニウム原子換算で約10-3〜10-1モル、好ましくは2×10-3〜5×10-2モルの量で担持され、予備重合により生成するオレフィン重合体(D)が約0.1〜500g、好ましくは0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの量で担持されていることが望ましい。
【0056】
重合
担体担持型のメタロセン系触媒及び予備重合メタロセン系触媒を用いたオレフィンの重合は、通常気相重合により行われる。重合の際には、さらに(C)微粒子状担体に担持されていない(B)有機アルミニウムオキシ化合物及び/又は(E)有機アルミニウム化合物を用いることができる。
【0057】
気相重合を実施する際には、オレフィンの重合温度は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であることが望ましい。また、重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。
【0058】
担体担持型のメタロセン系触媒及び予備重合メタロセン系触媒により重合することができるオレフィンとしては、炭素数が2〜20のα-オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;
炭素数が3〜20の環状オレフィン、例えばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル-1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレンなどが挙げられる。さらにスチレン、ビニルシクロヘキサン、ジエンなどを用いることもできる。
【0059】
担体担持型のメタロセン系触媒及び予備重合メタロセン系触媒を用いたオレフィンの気相重合において、パウダー流動環境場に高級脂肪族アミドを上記した割合で添加すると、重合粉体の流動性が向上しポリマー塊を生成したり配管等が閉塞することがなく、しかも触媒活性の低下や、得られたポリオレフィンパウダーの物性等への影響がほとんどない。
【0060】
次に、固体状チタン系触媒について説明する。
本発明で用いられる固体状のチタン系触媒は、
(F)マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とする固体状チタン触媒成分(以下「チタン触媒成分」という。)と前記(E)有機アルミニウム化合物とからなる。
【0061】
(F)チタン触媒成分
(F)チタン触媒成分は、マグネシウム、チタン及びハロゲンを必須成分とし、さらに必要に応じて電子供与体を含有している。
【0062】
このような(F)チタン触媒成分は、下記のようなマグネシウム化合物及びチタン化合物、必要に応じて電子供与体を接触させることにより調製することができる。
【0063】
(F)チタン触媒成分の調製に用いられるチタン化合物として具体的には、例えば、次式で示される4価のチタン化合物が挙げられる。
Ti(OR)g 4-n
(式中、Rは炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、nは0≦n≦4である)
このようなチタン化合物として、具体的には、
TiCl4 、TiBr4 、TiI4 などのテトラハロゲン化チタン;
Ti(OCH3)Cl3 、Ti(OC25)Cl3 、Ti(O-n-C49)Cl3 、Ti(OC25)Br3 、Ti(O-iso-C49)Br3 などのトリハロゲン化アルコキシチタン;
Ti(OCH3)2 Cl2 、Ti(OC25)2Cl2 、Ti(O-n-C49)2Cl2 、Ti(OC25)2Br2 などのジハロゲン化ジアルコキシチタン;
Ti(OCH3)3Cl、Ti(OC25)3Cl、Ti(O-n-C49)3Cl、Ti(OC25)3Br などのモノハロゲン化トリアルコキシチタン;
Ti(OCH3)4 、Ti(OC25)4 、Ti(O-n-C49)4 、Ti(O-iso-C49)4 、Ti(O-2-エチルヘキシル)4 などのテトラアルコキシチタンなどを例示することができる。
【0064】
これらの中ではハロゲン含有チタン化合物が好ましく、さらにテトラハロゲン化チタンが好ましく、特に四塩化チタンが好ましい。これらチタン化合物は1種単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。さらにこれらのチタン化合物は、炭化水素化合物又はハロゲン化炭化水素化合物などに希釈されていてもよい。
【0065】
チタン触媒成分(F)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、還元性を有するマグネシウム化合物及び還元性を有しないマグネシウム化合物が挙げられる。
【0066】
ここで還元性を有するマグネシウム化合物としては、例えばマグネシウム−炭素結合又はマグネシウム−水素結合を有するマグネシウム化合物が挙げられる。このような還元性を有するマグネシウム化合物の具体的な例としては、ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジアミルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジデシルマグネシウム、エチル塩化マグネシウム、プロピル塩化マグネシウム、ブチル塩化マグネシウム、ヘキシル塩化マグネシウム、アミル塩化マグネシウム、ブチルエトキシマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、ブチルマグネシウムハイドライドなどが挙げられる。これらマグネシウム化合物は、単独で用いることもできるし、後述するような有機金属化合物と錯化合物を形成しているものを用いてもよい。また、これらマグネシウム化合物は、液体であってもよく、固体であってもよいし、金属マグネシウムと対応する化合物とを反応させることで誘導してもよい。さらに触媒調製中に上記の方法を用いて金属マグネシウムから誘導することもできる。
【0067】
還元性を有しないマグネシウム化合物の具体的な例としては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、フッ化マグネシウムなどのハロゲン化マグネシウム;メトキシ塩化マグネシウム、エトキシ塩化マグネシウム、イソプロポキシ塩化マグネシウム、ブトキシ塩化マグネシウム、オクトキシ塩化マグネシウムなどのアルコキシマグネシウムハライド;フェノキシ塩化マグネシウム、メチルフェノキシ塩化マグネシウムなどのアリロキシマグネシウムハライド;エトキシマグネシウム、イソプロポキシマグネシウム、ブトキシマグネシウム、n-オクトキシマグネシウム、2-エチルヘキソキシマグネシウムなどのアルコキシマグネシウム;フェノキシマグネシウム、ジメチルフェノキシマグネシウムなどのアリロキシマグネシウム;ラウリン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウムなどのマグネシウムのカルボン酸塩などを例示することができる。
【0068】
これら還元性を有しないマグネシウム化合物は、上述した還元性を有するマグネシウム化合物から誘導した化合物又は触媒成分の調製時に誘導した化合物であってもよい。
【0069】
還元性を有しないマグネシウム化合物を、還元性を有するマグネシウム化合物から誘導するには、例えば還元性を有するマグネシウム化合物を、ハロゲン、ハロゲン含有有機ケイ素化合物、ハロゲン含有アルミニウム化合物などのハロゲン化合物、アルコール、エステル、ケトン、アルデヒドなどの活性な炭素−酸素結合を有する化合物、ポリシロキサン化合物と接触させればよい。
【0070】
また、マグネシウム化合物は上記の還元性を有するマグネシウム化合物及び還元性を有しないマグネシウム化合物の外に、上記のマグネシウム化合物と他の金属との錯化合物、複化合物又は他の金属化合物との混合物であってもよい。さらに、上記の化合物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0071】
チタン触媒成分(F)の調製に用いられるマグネシウム化合物としては、上述した以外にも多くのマグネシウム化合物が使用できるが、最終的に得られるチタン触媒成分(F)中において、ハロゲン含有マグネシウム化合物の形をとることが好ましく、従ってハロゲンを含まないマグネシウム化合物を用いる場合には、調製の途中でハロゲン含有化合物と接触反応させることが好ましい。
【0072】
上述したマグネシウム化合物の中では、還元性を有しないマグネシウム化合物が好ましく、ハロゲン含有マグネシウム化合物がさらに好ましく、塩化マグネシウム、アルコキシ塩化マグネシウム、アリロキシ塩化マグネシウムが特に好ましい。
【0073】
チタン触媒成分(F)の調製には、電子供与体を用いることが好ましく、電子供与体としては、アルコール類、フェノール類、ケトン類、アルデヒド類、カルボン酸、酸ハライド類、有機酸又は無機酸のエステル類、エーテル類、酸アミド類、酸無水物、アンモニア、アミン類、ニトリル類、イソシアネート、含窒素環状化合物、含酸素環状化合物などが挙げられる。より具体的には、
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピルアルコール、イソプロピルベンジルアルコールなどの炭素原子数が1〜18のアルコール類;
トリクロロメタノール、トリクロロエタノール、トリクロロヘキサノールなどの炭素原子数が1〜18のハロゲン含有アルコール類;
フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、ナフトールなどの低級アルキル基を有してもよい炭素原子数が6〜20のフェノール類;
アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどの炭素原子数が3〜15のケトン類;
アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ナフトアルデヒドなどの炭素原子数が2〜15のアルデヒド類;
ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、γ-ブチロラクトン、δ-バレロラクトン、クマリン、フタリド、炭酸エチルなどの炭素原子数が2〜30の有機酸エステル類;
アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイル酸クロリド、アニス酸クロリドなどの炭素原子数が2〜15の酸ハライド類;
メチルエーテル、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエーテルなどの炭素原子数が2〜20のエーテル類;
酢酸N,N-ジメチルアミド、安息香酸N,N-ジエチルアミド、トルイル酸N,N-ジメチルアミドなどの酸アミド類;
メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどのアミン類;
アセトニトリル、ベンゾニトリル、トリニトリルなどのニトリル類;
無水酢酸、無水フタル酸、無水安息香酸などの酸無水物;
ピロール、メチルピロール、ジメチルピロールなどのピロール類;
ピロリン;ピロリジン;インドール;ピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ジメチルピリジン、エチルメチルピリジン、トリメチルピリジン、フェニルピリジン、ベンジルピリジン、塩化ピリジンなどのピリジン類;
ピペリジン類、キノリン類、イソキノリン類などの含窒素環状化合物;
テトラヒドロフラン、1,4-シネオール、1,8-シネオール、ピノールフラン、メチルフラン、ジメチルフラン、ジフェニルフラン、ベンゾフラン、クマラン、フタラン、テトラヒドロピラン、ピラン、ジテドロピランなどの含酸素環状化合物などが挙げられる。
有機酸エステルとしては、下記一般式で示される骨格を有する多価カルボン酸エステルを特に好ましい例として挙げることができる。
【0074】
【化1】
Figure 0003967489
【0075】
上記式中、R11は置換又は非置換の炭化水素基を示し、R12、R15、R16は、水素原子又は置換もしくは非置換の炭化水素基を示し、R13、R14は水素原子又は置換もしくは非置換の炭化水素基を示し、好ましくはその少なくとも一方が置換又は非置換の炭化水素基である。またR13とR14とは互いに連結されて環状構造を形成していてもよい。炭化水素基R11〜R16が置換されている場合の置換基は、N、O、Sなどの異原子を含み、例えば、C−O−C、COOR、COOH、OH、SO3H、−C−N−C−、NH2 などの基を有する。
【0076】
このような多価カルボン酸エステルとしては、具体的には、
コハク酸ジエチル、コハク酸ジブチル、メチルコハク酸ジエチル、α-メチルグルタル酸ジイソブチル、メチルマロン酸ジエチル、エチルマロン酸ジエチル、イソプロピルマロン酸ジエチル、ブチルマロン酸ジエチル、フェニルマロン酸ジエチル、ジエチルマロン酸ジエチル、ジブチルマロン酸ジエチル、マレイン酸モノオクチル、マレイン酸ジオクチル、マレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジブチル、ブチルマレイン酸ジエチル、β-メチルグルタル酸ジイソプロピル、エチルコハク酸ジアルリル、フマル酸ジ-2-エチルヘキシル、イタコン酸ジエチル、シトラコン酸ジオクチルなどの脂肪族ポリカルボン酸エステル;
1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジエチル、1,2-シクロヘキサンカルボン酸ジイソブチル、テトラヒドロフタル酸ジエチル、ナジック酸ジエチルなどの脂環族ポリカルボン酸エステル;
フタル酸モノエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸メチルエチル、フタル酸モノイソブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸エチルイソブチル、フタル酸ジn-プロピル、フタル酸ジイソプロピル、フタル酸ジn-ブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジn-ヘプチル、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、フタル酸ジn-オクチル、フタル酸ジネオペンチル、フタル酸ジデシル、フタル酸ベンジルブチル、フタル酸ジフェニル、ナフタリンジカルボン酸ジエチル、ナフタリンジカルボン酸ジブチル、トリメリット酸トリエチル、トリメリット酸ジブチルなどの芳香族ポリカルボン酸エステル;
3,4-フランジカルボン酸などの異節環ポリカルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0077】
また多価カルボン酸エステルの他の例として、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジn-ブチル、セバシン酸ジn-オクチル、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシルなどの長鎖ジカルボン酸のエステルなどが挙げられる。
【0078】
チタン系触媒成分(F)の調製には、さらに電子供与体として、下記一般式(II-1)又は(II-3)で表される有機ケイ素化合物、下記一般式(III)で表されるポリエーテル化合物などを用いることもできる。
【0079】
p n−Si−(ORq4-n … (II-1)
(式中、nは1、2又は3であり、nが1のとき、Rp は2級又は3級の炭化水素基を示し、nが2又は3のとき、Rp の少なくとも1つは2級又は3級の炭化水素基を示し、他は炭化水素基を示し、複数のRp は同一であっても異なっていてもよく、Rq は炭素数1〜4の炭化水素基であって、4−nが2又は3であるとき、Rq は互いに同一でも異なっていてもよい。)
この式(II-1)で示される有機ケイ素化合物において、2級又は3級の炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換基を有するこれらの基又はSiに隣接する炭素が2級又は3級である炭化水素基が挙げられる。
【0080】
これらのうち、ジメトキシシラン類、特に下記一般式(II-2)で示されるジメトキシシラン類が好ましい。
【0081】
【化2】
Figure 0003967489
【0082】
(式中、Rp 及びRs は、それぞれ独立に、シクロペンチル基、置換シクロペンチル基、シクロペンテニル基、置換シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、又はSiに隣接する炭素が2級炭素又は3級炭素である炭化水素基を示す。)
前記一般式(II-2)で表される有機ケイ素化合物として具体的には、ジシクロペンチルジメトキシシラン、ジ-t-ブチルジメトキシシラン、ジ(2-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ(3-メチルシクロペンチル)ジメトキシシラン、ジ-t-アミルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0083】
有機ケイ素化合物としては、下記一般式(II-3)で表される有機ケイ素化合物を用いることもできる。
n−Si−(OR')4-n … (II-3)
(式中、R及びR' は、アルキル基、アリール基、アルキリデン基などの炭化水素基であり、0<n<4である。)
このような一般式(II-3)で示される有機ケイ素化合物として具体的には、ジフェニルジメトキシシラン、ジイソプロピルジメトキシシラン、ジn-プロピルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n-プロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。
【0084】
さらに前記一般式(II-3)で示される有機ケイ素化合物に類似する化合物として、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、クロルトリエトキシシラン、ケイ酸エチル、ケイ酸ブチル、ビニルトリス(β−メトキシエトキシシラン)、ビニルトリアセトキシシラン、ジメチルテトラエトキシシロキサンなども挙げられる。
【0085】
なお前記一般式(II-3)で示される有機ケイ素化合物には、前記一般式(II-1)で示される有機ケイ素化合物が含まれる場合がある。前記有機ケイ素化合物は、1種単独で又は2種以上組合わせて用いることができる。
【0086】
ポリエーテル化合物としては、例えば下記一般式(III)で示される化合物が挙げられる。
【0087】
【化3】
Figure 0003967489
【0088】
式中、nは2≦n≦10の整数であり、R1 〜R26は炭素、水素、酸素、ハロゲン、窒素、硫黄、リン、ホウ素及びケイ素から選択される少なくとも1種の元素を有する置換基を示し、任意のR1 〜R26、好ましくはR1 〜R2nは共同してベンゼン環以外の環を形成していてもよく、主鎖中に炭素原子以外の原子が含まれていてもよい。
【0089】
上記のようなポリエーテル化合物としては、1,3-ジエーテル類が好ましく用いられ、特に、2,2-ジイソブチル-1,3-ジメトキシプロパン、2-イソプロピル-2-イソペンチル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ジシクロヘキシル-1,3-ジメトキシプロパン、2,2-ビス(シクロヘキシルメチル)-1,3-ジメトキシプロパン、9,9-ジメトキシメチルフルオレンが好ましく用いられる。
【0090】
これらの電子供与体は、1種単独で又は2種以上組み合せて用いられる。
また上記のようなチタン化合物、マグネシウム化合物及び電子供与体を接触させる際に、前記のような粒子状担体(C)を用い、担体担持型のチタン触媒成分(F)を調製することもできる。
【0091】
チタン触媒成分(F)は、上記したようなチタン化合物及びマグネシウム化合物、必要に応じて電子供与体を接触させることにより製造することができ、公知の方法を含むあらゆる方法により製造することができる。なお上記の成分は、例えばケイ素、リン、アルミニウムなどの他の反応試剤の存在下に接触させてもよい。
【0092】
これらチタン触媒成分(F)の具体的な製造方法を数例挙げて以下に簡単に述べる。なお以下に説明するチタン触媒成分(F)の製造方法では、電子供与体を用いる例について述べるが、この電子供与体は必ずしも用いなくてもよい。
(1) マグネシウム化合物、電子供与体及び炭化水素溶媒からなる溶液を、有機金属化合物と接触反応させて固体を析出させた後、又は析出させながらチタン化合物と接触反応させる方法。
(2) マグネシウム化合物と電子供与体からなる錯体を有機金属化合物と接触、反応させた後、チタン化合物を接触反応させる方法。
(3) 無機担体と有機マグネシウム化合物との接触物に、チタン化合物及び好ましくは電子供与体を接触反応させる方法。この際、あらかじめ該接触物をハロゲン含有化合物及び/又は有機金属化合物と接触反応させてもよい。
(4) マグネシウム化合物、電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機又は有機担体との混合物から、マグネシウム化合物の担持された無機又は有機担体を得、次いでチタン化合物を接触させる方法。
(5) マグネシウム化合物、チタン化合物、電子供与体、場合によっては更に炭化水素溶媒を含む溶液と無機又は有機担体との接触により、マグネシウム、チタンの担持された固体状チタン触媒成分を得る方法。
(6) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有チタン化合物と接触反応させる方法。このとき電子供与体を1回は用いる。
(7) 液状状態の有機マグネシウム化合物をハロゲン含有化合物と接触反応後、チタン化合物を接触させる方法。このとき電子供与体を1回は用いる。
(8) アルコキシ基含有マグネシウム化合物をハロゲン含有チタン化合物と接触反応する方法。このとき電子供与体を1回は用いる。
(9) アルコキシ基含有マグネシウム化合物及び電子供与体からなる錯体をチタン化合物と接触反応する方法。
(10)アルコキシ基含有マグネシウム化合物及び電子供与体からなる錯体を有機金属化合物と接触後チタン化合物と接触反応させる方法。
(11)マグネシウム化合物と、電子供与体と、チタン化合物とを任意の順序で接触、反応させる方法。この反応は、各成分を電子供与体及び/又は有機金属化合物やハロゲン含有ケイ素化合物などの反応助剤で予備処理してもよい。なお、この方法においては、上記電子供与体を少なくとも一回は用いることが好ましい。
(12)還元能を有しない液状のマグネシウム化合物と液状チタン化合物とを、好ましくは電子供与体の存在下で反応させて固体状のマグネシウム・チタン複合体を析出させる方法。
(13) (12)で得られた反応生成物に、チタン化合物をさらに反応させる方法。
(14) (11)又は(12)で得られる反応生成物に、電子供与体及びチタン化合物をさらに反応させる方法。
(15)マグネシウム化合物と好ましくは電子供与体と、チタン化合物とを粉砕して得られた固体状物を、ハロゲン、ハロゲン化合物及び芳香族炭化水素のいずれかで処理する方法。なお、この方法においては、マグネシウム化合物のみを、又はマグネシウム化合物と電子供与体とからなる錯化合物を、又はマグネシウム化合物とチタン化合物を粉砕する工程を含んでもよい。また、粉砕後に反応助剤で予備処理し、次いでハロゲンなどで処理してもよい。反応助剤としては、有機金属化合物又はハロゲン含有ケイ素化合物などが挙げられる。
(16)マグネシウム化合物を粉砕した後、チタン化合物と接触・反応させる方法。この際、粉砕時及び/又は接触・反応時に電子供与体や、反応助剤を用いることが好ましい。
(17)上記(11)〜(16)で得られる化合物をハロゲン又はハロゲン化合物又は芳香族炭化水素で処理する方法。
(18)金属酸化物、有機マグネシウム及びハロゲン含有化合物との接触反応物を、好ましくは電子供与体及びチタン化合物と接触させる方法。
(19)有機酸のマグネシウム塩、アルコキシマグネシウム、アリーロキシマグネシウムなどのマグネシウム化合物を、チタン化合物及び/又はハロゲン含有炭化水素及び好ましくは電子供与体と反応させる方法。
(20)マグネシウム化合物とアルコキシチタンとを少なくとも含む炭化水素溶液と、チタン化合物及び/又は電子供与体とを接触させる方法。この際ハロゲン含有ケイ素化合物などのハロゲン含有化合物を共存させることが好ましい。
(21)還元能を有しない液状状態のマグネシウム化合物と有機金属化合物とを反応させて固体状のマグネシウム・金属(アルミニウム)複合体を析出させ、次いで、電子供与体及びチタン化合物を反応させる方法。
【0093】
チタン触媒成分(F)を調製する際に用いられる上記各成分の使用量は、調製方法によって異なり一概に規定できないが、例えばマグネシウム化合物1モル当り、電子供与体は0.01〜20モル、好ましくは0.1〜10モルの量で用いられ、チタン化合物は0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜200モルの量で用いられる。
【0094】
このようにして得られるチタン触媒成分(F)は、マグネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分とし、必要に応じて電子供与体を含有している。
このチタン触媒成分(F)において、ハロゲン/チタン(原子比)は約2〜200、好ましくは約4〜100であり、前記電子供与体/チタン(モル比)は約0.01〜100、好ましくは約0.2〜10であり、マグネシウム/チタン(原子比)は約1〜100、好ましくは約2〜50であることが望ましい。
【0095】
上記のような固体状のチタン系触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、チタン触媒成分(F)は、反応容積1リットル当り、チタン原子に換算して通常10-8〜10-3モル、好ましくは10-7〜10-4モルとなるような量で用いられる。有機アルミニウム化合物(E)は、成分(E)と、成分(F)中のチタン原子(Ti)とのモル比〔(E)/Ti〕が、通常0.01〜5000、好ましくは0.05〜2000となるような量で用いられる。
【0096】
固体状のチタン系触媒にはオレフィンが予備重合されていてもよい。予備重合で生成するオレフィン重合体は、チタン触媒成分1g当り、0.1〜500g、好ましくは0.3〜300g、特に好ましくは1〜100gの量で担持されていることが望ましい。予備重合は、不活性炭化水素媒体にオレフィン及び上記の触媒成分を加え、温和な条件下に行うことが好ましい。予備重合に用いられる不活性炭化水素溶媒としては、前記担体担持型メタロセン系触媒を調製する際に用いられる不活性炭化水素溶媒と同様のものが挙げられる。
【0097】
重合
固体状のチタン系触媒を用いたオレフィンの重合は、通常気相重合により行われる。
【0098】
気相重合を実施する際には、オレフィンの重合温度は、通常0〜120℃、好ましくは20〜100℃の範囲であることが望ましい。また、重合圧力は、通常、常圧〜100kg/cm2 、好ましくは常圧〜50kg/cm2 の条件下であり、重合反応は、回分式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行うことができる。
【0099】
上記のような固体状のチタン系触媒により重合することができるオレフィンとしては、上述と同様のオレフィンが挙げられる。
固体状のチタン系触媒を用いたオレフィンの気相重合において、パウダー流動環境場に高級脂肪族アミドを上記した割合で添加すると、重合粉体の流動性が向上しポリマー塊を生成したり配管等が閉塞することがなく、しかも触媒活性の低下や、得られたポリオレフィンパウダーの物性等への影響がほとんどない。
【0100】
【発明の効果】
本発明によれば、重合粉体が流動性に優れ、重合時にヒートスポットが発生し難く、重合粉体が移動する配管や各種設備等でのデッドスペースにおいても優れた流動性を確保することができ、重合粉体からポリマー塊や、シート状物を生成することがない。また、供給方法に自由度が高く、簡便で経済的な方法で供給することができる。さらに、気相重合中に塊が生成しないために、重合粉体の抜き出しが容易であり、よって生産性が向上する。
【0101】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0102】
【実施例1】
流動層型気相重合反応器を用いて、エチレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。重合圧力を20kg/cm2 G、重合温度を80℃、重合反応器中のエチレン組成を57モル%とした。触媒としてジルコニウムを用いたメタロセン触媒を使用し、0.55mmol/hrで重合反応器中に供給した。循環ガスライン中にラウリルジエタノールアミド(商品名:ケミスタット2500、三洋化成(株)製)を重合体の重量に対して50ppmの量で存在するように間歇的に供給した。オレフィンはエチレンを73Nm3 /hr、ヘキセンを12リットル/hrで供給量を一定とし、80kg/hrの割合で重合体を生成した。このときのポリマー密度は0.920g/cm3 、メルトフローレートは4.0g/10分であった。なお、メルトフローレートは、ASTM D1238-65Tに従い、190℃、2.16kg加重の条件下で測定した。
【0103】
この条件で16時間運転を実施したが、重合器や配管等、全ての箇所にヒートスポットの発生はみられず、安定した重合が実施できた。
【0104】
【比較例1】
メタロセン触媒の供給量を0.50mmol/hrとし、ラウリルジエタノールアミドを供給しなかったこと以外は実施例1と同様にして、80kg/hrの割合で重合体を生成した。この条件で運転した結果、重合器等にヒートスポットが発生し4時間で運転が継続できなくなった。
【0105】
【実施例2】
実施例1で用いたのもと同様の重合反応器を用いて、エチレンと1-ヘキセンとの共重合を行った。重合圧力、重合温度、重合反応器中のエチレン組成は実施例1と同様とし、メタロセン触媒を0.58mmol/hrで重合反応器中に供給して、88kg/hrの割合で重合体を生成した。ラウリルジエタノールアミド(商品名:ケミスタット2500、三洋化成(株)製)は重合体の重量に対して50ppmの量で存在するように反応器内に直接、間歇的に供給した。
【0106】
この条件で16時間運転を実施したが、重合器や配管等、全ての箇所にヒートスポットの発生はみられず、安定した重合が実施できた。
【0107】
【比較例2】
メタロセン触媒の供給量を0.53mmol/hrとし、ラウリルジエタノールアミドを供給しなかったこと以外は実施例1と同様にして、88kg/hrの割合で重合体を生成した。この条件で運転した結果、重合器等にヒートスポットが発生し4時間で運転が継続できなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 気相流動床反応装置の一例を示す概略図である。

Claims (10)

  1. モノマーの重合工程ないし得られた重合粉体の貯蔵工程であって、全気体中の水分含量が2ppm以下であるパウダー流動環境場に、一般式 ( m 2m+1 CO ) ( CH 2 CH 2 OH ) 2 (式中(C m 2m+1 )で示されるアルキル基の炭素原子数を示すmは6〜20である。)で表されるアルキルジエタノールアミドを該パウダー流動環境場中の重合粉体の重量に対して0.1〜400ppmの量で存在するように供給することを特徴とする重合粉体の流動性改良方法。
  2. 前記アルキルジエタノールアミドを間歇的に供給する請求項1に記載の重合粉体の流動性改良方法。
  3. 前記アルキルジエタノールアミドがラウリルジエタノールアミドである請求項1又は2に記載の重合粉体の流動性改良方法。
  4. 前記アルキルジエタノールアミドを炭素原子数が5〜12の脂肪族炭化水素で希釈してパウダー流動環境場に供給する請求項1〜3のいずれかに記載の重合粉体の流動性改良方法。
  5. 前記パウダー流動環境場が、オレフィンの気相連続重合装置の重合反応器であり、重合粉体がポリオレフィンパウダーである請求項1〜4のいずれかに記載の重合粉体の流動性改良方法。
  6. 前記気相連続重合装置が、固体触媒が流動状態に保持された流動床でオレフィンを重合する流動床反応器と、流動床反応器からガスを抜出す排出ガスラインと、排出ガスラインから抜出されたガスを再び流動床反応器に供給する循環ガスラインと、流動床反応器内の下部に設置され循環ガスラインから供給されるガスを分散する分散板とを有する気相流動床反応装置である請求項5に記載の重合粉体の流動性改良方法。
  7. 循環ガスラインを介して、分散板の下から流動床にアルキルジエタノールアミドを供給する請求項6に記載の重合粉体の流動性改良方法。
  8. 分散板よりも上部から流動床にアルキルジエタノールアミドを供給する請求項6に記載の重合粉体の流動性改良方法。
  9. 前記ポリオレフィンパウダーが、エチレン単独重合体のパウダー又はエチレンと炭素原子数が3〜8のα−オレフィンとの共重合体のパウダーである請求項5〜8のいずれかに記載の重合粉体の流動性改良方法。
  10. 前記気相連続重合装置で用いられる触媒が担体担持型のメタロセン系触媒である請求項5〜9のいずれかに記載の重合粉体の流動性改良方法。
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