JP3966450B2 - アナログ・ディジタル変換器及び制御装置 - Google Patents

アナログ・ディジタル変換器及び制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アナログ入力信号の変化に対する追従性に優れ、アナログ・ディジタル変換精度の向上を図ったアナログ・ディジタル変換器と、アナログ・ディジタル変換器を有し追従性と安定性に優れ高精度の制御が可能な制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微小アナログ入力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器は、アナログ入力信号を直流増幅器で増幅し、その直流出力電圧をアナログ・ディジタル変換素子によってディジタル信号に変換して、微小アナログ入力信号のアナログ・ディジタル変換データを得ている。
【0003】
しかし直流増幅器の入力側には直流オフセット電圧が存在し、且つ直流オフセット電圧はドリフトする。この直流オフセット電圧は、直流増幅器の入力側でアナログ入力信号に加算され、アナログ入力信号と共に直流増幅器で増幅される。従って、上述のアナログ・ディジタル変換素子のディジタル信号出力は直流オフセット電圧による誤差を含むことになる。
【0004】
図10は、直流オフセット電圧による誤差をキャンセルできる従来のアナログ・ディジタル変換器(以下、「AD変換器」と称する)の例を示す。
このAD変換器では、アナログ入力信号(以下、「入力信号」と略す)は入力端1、2に入力され、入力端1はスイッチ72に接続されている。スイッチ72は、CPU78の制御によって入力信号と内部回路の基準電位(以下、「GND」と称する)とを選択的に切換えて直流増幅器(以下、「DCアンプ」と称する)13へ出力する。DCアンプ13の直流出力電圧(以下、「DC出力」と称する)はアナログ・ディジタル変換素子(以下、「AD変換素子」と称する)76に入力される。
【0005】
以上のように構成される従来のAD変換器70は以下のように動作する。
CPU78の制御によって、スイッチ72が入力信号をDCアンプ13に出力すると、AD変換素子76はDCアンプ13のDC出力をAD変換する。このときDCアンプ13のDC出力は入力信号と直流オフセット電圧(以下「オフセット」と略す)とを加算して増幅した電圧であり、AD変換素子76のディジタル信号出力は、入力信号をAD変換したディジタル信号とオフセットをAD変換したディジタル信号とを加算したものである。
【0006】
スイッチ72がGNDをDCアンプ13に出力したときには、DCアンプ13のDC出力はオフセットのみを増幅した電圧となり、このときのDC出力がAD変換素子76でAD変換されると、オフセットのみをAD変換したディジタル信号が得られる。
従って前者のディジタル信号から後者のディジタル信号を減算すれば、オフセットがキャンセルされ、入力信号のみをAD変換したディジタル信号が得られる。CPU78は、この減算を行うと共に、減算結果をAD変換器70のAD変換データとしてバスライン72に出力する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、従来のAD変換器は、オフセットをキャンセルし、それに伴いドリフトをもキャンセルすることができる。しかしGNDがDCアンプに入力されている間、AD変換器は入力信号をAD変換することができない。従って単位時間内に入力信号をAD変換できる回数が減少し、この結果、入力信号のAD変換周期が長くなる。
【0008】
入力信号のAD変換周期が長くなると、入力信号の変化に対するAD変換データの追従に遅れが生じると共に、この遅れに起因して、入力信号とAD変換データとの間のAD変換に伴う誤差(遅れに伴う誤差については後述する)が大きくなるという問題がある。
またAD変換器には、ノイズの影響による誤差を軽減してAD変換データの確からしさを向上し、高精度のAD変換を行うことが要請される。
【0009】
一般に、微小アナログ信号の伝送線路には、伝送線路の周辺に配置された機器等からの電磁誘導および静電誘導によってノイズ電圧が誘起される。従って、AD変換器に入力される入力信号にはノイズ電圧が重畳されている。ノイズを含む入力信号が高分解能(より多くのビット数のディジタル信号に変換すること)でAD変換されても、AD変換データにはノイズ成分が含まれているため、AD変換データの確からしさ(入力信号に対応して正しくAD変換を行うこと)がノイズの影響で阻害され、従って高分解能化によるAD変換精度の向上が望めない。
【0010】
通常、このノイズはホワイトノイズである。ホワイトノイズの影響は、連続する複数の時刻において入力信号をAD変換して得た複数のディジタル信号(複数のサンプル)の平均値を求めることで軽減される。ノイズの影響が軽減されると、高分解能のAD変換素子で得られたAD変換データの確からしさが向上し、高分解能化によるAD変換精度の向上が達成される。
【0011】
即ちAD変換データの確からしさと精度とを向上させるためには、入力信号をAD変換して得たディジタル信号のサンプル数増加が求められる。しかし従来のAD変換器では、前述のようなサンプル数が減少するという問題があった。
また、ある制御対象の物理量を制御する制御装置は、該物理量と制御目標値とを比較して制御対象の物理量をフィードバック制御する。一般に物理量を検出するセンサは微小出力であり(例えば温度センサである熱電対の起電力は数十μV/℃)、センサ出力は、制御目標値との比較手段に直接入力されることはなく、何らかの増幅手段を用いて比較手段に伝達され、この手段としてAD変換器が用いられている。そして、AD変換器は該物理量を比較手段に伝達すると共に表示手段にもAD変換データを伝達し、表示手段が該物理量を表示する(例えば温度を表示する)。
【0012】
しかしAD変換においてオフセットによる誤差が生じると制御精度が損なわれ、またAD変換における追従の遅れは、制御対象の制御に遅れを生じるだけでなく、制御系のフィードバックループに遅れを生じさせるので制御装置を不安定な状態にする。AD変換における追従の遅れは、AD変換の誤差をも生じさせ、この誤差が擾乱となってフィードバック制御系を更に不安定にする。加えてノイズの影響から、AD変換データの確からしさが望めず、制御の高精度化を阻害するという問題がある。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、AD変換におけるオフセット及びドリフトをキャンセルすると共に、アナログ入力信号の変化に対する追従性に優れ、AD変換データの確からしさとAD変換精度の向上を図ったAD変換器と、AD変換器を有し追従性に優れ、制御装置の安定性及び高精度の制御が可能な制御装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明によれば、請求項1では、アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、切換器の出力を増幅する増幅器と、切換器の極性切換えに同期して、極性非反転時における増幅器の出力電圧を保持する第一のサンプル・ホールド回路と、切換器の極性切換えに同期して、極性反転時における増幅器の出力電圧を保持する第二のサンプル・ホールド回路と、第一のサンプル・ホールド回路に保持された電圧をディジタル信号に変換する第一のアナログ・ディジタル変換素子と、第一のアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換に同期して第二のサンプル・ホールド回路に保持された電圧をディジタル信号に変換する第二のアナログ・ディジタル変換素子と、第二のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号を反転するディジタル反転器と、第一のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号とディジタル反転器が出力するディジタル信号とを加算するディジタル加算器とを有し、ディジタル反転器の出力ディジタル信号が、第一のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号に対し、第二のアナログ・ディジタル変換素子の一アナログ・ディジタル変換周期前にアナログ・ディジタル変換され出力されたディジタル信号の反転出力であり、切換器の極性切換え周期が第一及び第二のアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短く、ディジタル加算器が、時間軸上で常に隣接するアナログ・ディジタル変換周期内においてアナログ・ディジタル変換素子でアナログ・ディジタル変換された2つのディジタル信号出力を加算することで、2つのディジタル信号出力の加算の際に生じるアナログ・ディジタル変換データのアナログ入力信号に対する時間遅れを軽減することができるAD変換器が提供される。
【0015】
このような構成であれば、第一のサンプル・ホールド回路の保持電圧は、極性が反転されないアナログ入力信号とオフセットとを加算したものに対応し、一方、第二のサンプル・ホールド回路の保持電圧は、極性反転されたアナログ入力信号とオフセットとを加算したものに対応している。
従って、第一のアナログ・ディジタル変換素子のディジタル信号出力から第二のアナログ・ディジタル変換素子のディジタル信号出力を減算することで、または、第二のアナログ・ディジタル変換素子のディジタル信号出力から第一のアナログ・ディジタル変換素子のディジタル信号出力を減算することで、両ディジタル信号出力に含まれているオフセット成分をキャンセルすることができる。
【0016】
また、両ディジタル信号出力は常にアナログ入力信号に対応しているので、アナログ入力信号の変化に対する追従性に優れたAD変換が行い得ると共に、アナログ入力信号に対応したディジタル信号のサンプル数が減少しない。
従って、オフセットをキャンセルしアナログ入力信号に良好に追従すると共に、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減してAD変換データの確からしさとAD変換精度を向上することができるAD変換器が提供される。
【0017】
請求項2では、アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、切換器の出力を増幅する増幅器と、切換器の極性切換えに同期して、増幅器のアナログ出力をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換素子と、アナログ・ディジタル変換素子が出力したディジタル信号を反転し出力するディジタル反転器と、アナログ・ディジタル変換素子が出力したディジタル信号とディジタル反転器が出力するディジタル信号とを加算するディジタル加算器とを有し、ディジタル反転器の出力ディジタル信号が、アナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号に対し、アナログ・ディジタル変換素子の一アナログ・ディジタル変換周期前にアナログ・ディジタル変換され出力されたディジタル信号の反転出力であり、切換器の極性切換え周期をアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短くし、ディジタル加算器が、時間軸上で常に隣接するアナログ・ディジタル変換周期内においてアナログ・ディジタル変換素子でアナログ・ディジタル変換された2つのディジタル信号出力を加算することで、2つのディジタル信号出力の加算の際に生じるアナログ・ディジタル変換データのアナログ入力信号に対する時間遅れを軽減することができるAD変換器が提供される。
【0018】
このような構成であれば、第一のディジタル信号は、極性が反転されないアナログ入力信号にオフセットが加算されたものに対応し、一方、第二のディジタル信号は、極性反転されたアナログ入力信号にオフセットが加算されたものに対応している。従って第一、第二のディジタル信号間の減算によって、DCオフセットをキャンセルすることができる。
【0019】
また、第一及び第二のディジタル信号は常にアナログ入力信号に対応しているので、アナログ入力信号の変化に対する追従性に優れたAD変換が行い得ると共に、アナログ入力信号に対応したディジタル信号のサンプル数が減少しない。
従って、オフセットをキャンセルしアナログ入力信号に良好に追従すると共に、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減してAD変換データの確からしさとAD変換精度を向上することができるAD変換器が提供される。
【0020】
請求項3では、アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、切換器の出力を増幅する増幅器と、切換器の極性切換えに同期して、極性非反転時における増幅器の出力電圧を保持する第一のサンプル・ホールド回路と、切換器の極性切換えに同期して、極性反転時における前記増幅器の出力電圧を保持する第二のサンプル・ホールド回路と、第一のサンプル・ホールド回路に保持された電圧と、第二のサンプル・ホールド回路に保持された電圧との差を求めるアナログ減算手段と、アナログ減算手段の出力電圧をアナログ・ディジタル変換するアナログ・ディジタル変換素子とを有し、切換器の極性切換え周期がアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短く、時間軸上で常に隣接するアナログ・ディジタル変換周期内において、第一のサンプル・ホールド回路で保持された電圧と、第二のサンプル・ホールド回路で保持された電圧とを、アナログ減算手段が減算して得た電圧をアナログ・ディジタル変換素子でアナログ・ディジタル変換することで、アナログ減算手段による減算で生じるアナログ・ディジタル変換データのアナログ入力信号に対する時間遅れを軽減することができるAD変換器が提供される。
【0021】
このような構成であれば、第一のサンプル・ホールド回路の保持電圧は、極性が反転されないアナログ入力信号にDCオフセットを加算したものに対応し、第二のサンプル・ホールド回路の保持電圧は、極性反転されたアナログ入力信号にオフセットを加算したものに対応している。
従って、第二のサンプル・ホールド回路の保持電圧の極性を反転した電圧と第一のサンプル・ホールド回路の保持電圧とをアナログ加算器で加算して前記減算手段を実現することで、オフセットをキャンセルすることができる。
【0022】
また、第一及び第二のサンプル・ホールド回路の保持電圧は常にアナログ入力信号に対応しているので、アナログ入力信号の変化に対する追従性に優れたAD変換が行い得ると共に、アナログ入力信号に対応したディジタル信号のサンプル数が減少しない。
従って、オフセットをキャンセルしアナログ入力信号に良好に追従すると共に、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減してAD変換データの確からしさとAD変換精度を向上することができるAD変換器が提供される。
【0023】
請求項4では、被制御対象の被制御物理量を検出するセンサ素子の出力をアナログ入力信号とし、入力信号をディジタル信号に変換するAD変換器と、被制御物理量の制御目標値を設定する手段と、AD変換器が出力したAD変換データと制御目標値との差を演算する演算手段と、演算手段の演算結果に基づき被制御対象の物理量を制御する制御手段を駆動する出力回路とを有する制御装置において、AD変換器のオフセットをキャンセルすると共に、入力信号に良好に追従するAD変換を行い、アナログ入力信号に対応したディジタル信号のサンプル数を減少させずにAD変換の精度と確からしさを向上させるAD変換器によって、アナログ入力信号に対するアナログ・ディジタル変換データの時間遅れを軽減して制御装置の追従性、安定性、制御の精度の向上を図った制御装置が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面により詳細に説明する。
図1は本発明に係るAD変換器の第一の実施形態を示す概略構成図で、図2はその動作を示す。
図1に示すAD変換器10は、熱電対TC1からの微小アナログ信号をAD変換するAD変換器であり、極性切換器(以下、「切換器」と略す)12、DCアンプ13、スイッチ14及び15、AD変換素子16及び17、演算・制御・記憶・通信機能を有するCPU18、ディジタル加算器19、ディジタル反転器20を有している。
【0025】
アナログ信号である熱電対TC1からの入力信号11は入力端1、2を介して切換器12に入力される。
切換器12は入力信号の極性を切換える。具体的には、制御端12cへ入力される制御信号3が「ハイレベル」のとき、切換器12は、入力信号11の極性を反転せずDCアンプ13へ出力し、一方、制御信号3が「ローレベル」のときには、入力信号11の極性を反転して、DCアンプ13へ出力する。
【0026】
DCアンプ13の電圧利得Avは、反転入力端に接続された抵抗R13aとR13bで設定される。なお、熱電対TC1の出力電圧(起電力)を入力信号とする場合、熱電対の出力電圧は熱電対の種類により異なるが約20〜70mVであり、一般に、電圧利得Avは30〜70倍程度に設定される。
更に、DCアンプ13のDC出力は2つサンプル・ホールド回路で保持される。第一のサンプル・ホールド回路は、スイッチ14、キャパシタC14及び抵抗R14からなり、第二のサンプル・ホールド回路は、スイッチ15、キャパシタC15及び抵抗R15からなる。
【0027】
具体的には、DCアンプ13のDC出力端はスイッチ14の入力端14aとスイッチ15の入力端15aとに接続されている。スイッチ14の出力端14bは抵抗R14を介してAD変換素子16の入力端16aへ接続され、入力端16aとGNDとの間にはキャパシタC14が接続されている。スイッチ15の出力端15bは抵抗R15を介してAD変換素子17の入力端17aへ接続され、入力端17aの入力とGNDとの間にはキャパシタC15が接続されている。
【0028】
スイッチ14は、その制御端14cに入力されるパルス4が、「ハイレベル」のときオンとなり、「ローレベル」のときオフとなる。従って、スイッチ14がオンのとき、DCアンプ13のDC出力は抵抗R14を介してキャパシタC14を充電する。抵抗R14とキャパシタC14の時定数(単位は秒)は後述するパルス4の幅(単位は秒)より小さいので、スイッチ14がオンされると、キャパシタC14の充電電圧は、直ぐにDCアンプ13のDC出力と等しくなる。スイッチ14がオフされると、キャパシタC14は、スイッチ14がオフされた直前のDCアンプ13のDC出力を保持する。
【0029】
従ってキャパシタC14は、DCアンプ13が非反転の入力信号11を増幅している時のDC出力を保持する。この保持を実現するため、パルス4の前縁(立ち上がり)の位相は制御信号3の前縁から僅かに遅れており、パルス4の後縁(立ち下がり)の位相は制御信号3の後縁より僅かに進んでいる。
なお抵抗R14とキャパシタC14はその時定数に応じた低域フィルタとして作用する。
【0030】
一方スイッチ15も、その制御端15cに入力されるパルス5で、同様にオン・オフの制御が行われる。スイッチ15がオンのとき、DCアンプ13のDC出力は抵抗R15を介してキャパシタC15を充電し、スイッチ15がオフとなっても、キャパシタC15の電圧は保持される。
キャパシタC15は、DCアンプ13が反転の入力信号11を増幅している時のDC出力を保持する。この保持を実現するため、パルス5の前縁の位相は制御信号3の後縁の位相から僅かに遅れており、パルス5の後縁の位相は制御信号3の前縁より僅かに進んでいる。
【0031】
AD変換素子16はキャパシタC14で保持された電圧をAD変換する。AD変換は、制御端16cに入力される制御信号6が「ローレベル」から「ハイレベル」に移行したタイミングで行われる。CPU18は、制御信号6をAD変換素子16へ伝達することでAD変換を制御する。AD変換素子17も同様にAD変換を行う。制御端16c、17cには、同一の制御信号6が入力されている。
【0032】
AD変換素子16がAD変換で得たディジタル信号出力はバスライン25aを介してディジタル加算器19に伝達される。一方、AD変換素子17のディジタル信号出力はバスライン25bを介してディジタル反転器20に伝達され、更に、ディジタル反転器20の出力はバスライン25cを介してディジタル加算器19へ伝達される。
【0033】
ディジタル反転器20は、入力された2進符号を表す数値に(−1)を乗算して出力する。
ディジタル加算器19は、AD変換素子16のディジタル信号出力とディジタル反転器20との出力を加算する。従って、ディジタル加算器19は、AD変換素子16のディジタル信号出力からAD変換素子17のディジタル信号出力を減算することとなる。ディジタル加算器19は、この減算で得たディジタル信号をバスライン25dを介してCPU18に伝達する。
【0034】
AD変換素子16、17のAD変換は、切換器12の切換えと同期して行われる必要はない。また、切換器12による入力信号11の極性の切換え周期はAD変換周期よりも短い周期であり、好ましくは、切換器12の切換え周期はAD変換周期の1/10程度、又は、それ以下の周期である。
次に、上述のように構成されるAD変換器10の動作を図1及び図2を用いて説明する。
【0035】
図2に示すように、入力信号11は、その直流電圧が時刻T1において電圧M1、時刻T2において電圧M2、時刻T3において電圧M3及び時刻T4において電圧M4と変化しているものとする。そしてAD変換は時刻T1、T2、T3及びT4で行われるものとする。
DCアンプ13のDC出力では、図2に示すように、切換器12で極性を切換えられた入力信号を増幅した成分とオフセットを増幅した成分(DC出力のオフセット成分)とが加算されている。DCアンプ13の入力側でのオフセットがerであるとすると、DC出力のオフセット成分は(Av×er)である。図2で示すDC出力の一点鎖線はDC出力のオフセット成分を示し、実線は0Vを示している。
【0036】
キャパシタC14の保持電圧をEaとし、キャパシタC15の保持電圧をEbとし、EaとEbを図2に示す。
切換器12の切換周期が十分短く、この切換周期内において入力信号11の変化が十分少ない場合には、時刻T1において、キャパシタC14が保持する電圧(Ea1とする)は、非反転の入力信号11の電圧M1にオフセットerが加算されてDCアンプ13で増幅された電圧であり、キャパシタC15が保持する電圧(Eb1とする)は、反転された入力信号11の電圧M1にオフセットerが加算されてDCアンプ13で増幅された電圧である。
【0037】
従って、
Figure 0003966450
である。
【0038】
以上から、
(Ea1−Eb1)/2=Av×M1・・(3)
を得る。
時刻T1において、AD変換素子16はEa1をAD変換し、AD変換素子17もEb1をAD変換する。図2において、Da1はEa1をAD変換したAD変換素子16のディジタル信号出力であり、Db1はEb1をAD変換したAD変換素子17のディジタル信号出力であるとする。
【0039】
そして、Da1とDb1から下記(4)式でDs1を得る。
(Da1−Db1)/2=Ds1・・(4)
(3)(4)式から、Ds1は、DCアンプ13で電圧M1を増幅して得られる電圧(Av×M1)をAD変換したものである(DC出力のオフセット成分はキャンセルされている)。
【0040】
即ち、時刻T1におけるAD変換素子16のディジタル信号出力Da1から時刻T1におけるAD変換素子17のディジタル信号出力Db1を減算して、1/2を乗じれば、AD変換におけるオフセットの影響はキャンセルされ、入力信号の電圧M1に対応したAD変換データDs1が得られる。
そしてDa1とDb1との減算は、ディジタル反転器20によって得られた(−Db1)とDa1をディジタル加算器19で加算することによって行われる。従って、CPU18は、ディジタル加算器19から伝達されたディジタル信号に1/2を乗じることで、AD変換データDs1を得ることができる。AD変換データDs1は、バスライン29を介してAD変換器10の外部へ伝達される。
【0041】
ここで、ディジタル加算器19、ディジタル反転器20及びCPU18の演算時間がAD変換周期(AD変換周期はT1−T2に等しい)に比べ十分短いので(4)式の演算による遅れ(Da1、Db1に対するDs1の遅れ)を無視できる。
以下、AD変換素子16のディジタル信号出力は、時刻T2でDa2、時刻T3でDa3、そして時刻T4でDa4となり、AD変換素子17のディジタル信号出力は、時刻T2でDb2、時刻T3でDb3、そして時刻T4でDb4となる。従って、CPU18は、時刻T2における電圧M2に対応するAD変換データDs2を得、以下同様に、AD変換データDs3、Ds4を得る。
【0042】
以上説明したAD変換器10は、2つのAD変換素子16,17が、サンプル・ホールド回路で保持された極性反転されない入力信号と極性反転された入力信号とを、同時にAD変換するので、2つのAD変換素子のディジタル信号出力は常に入力信号に対応している。従って、AD変換器10は、入力信号に良好に追従したAD変換データを得ることができると共に、入力信号に対応したAD変換データのサンプル数を減少させない。
【0043】
このようなAD変換器10は、AD変換素子16及び17で得られたディジタル信号間の差を求めてオフセットをキャンセルすると共に、入力信号の変化に対する追従性に優れ、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減し、AD変換データの確からしさとAD変換精度を向上させることができる。
なお、上記の実施形態では、AD変換器10は、AD変換素子16のディジタル信号出力からAD変換素子17のディジタル信号出力を減算するが、AD変換素子17のディジタル信号出力からAD変換素子16のディジタル信号出力を減算しても同様の効果が得られる。
【0044】
この場合、CPU18は、時刻T1における(4)式を、
(Db1−Da1)(−1/2)=Ds1
として、ディジタル加算器19から伝達されたディジタル信号に(−1/2)を乗ずる。
また、第一の実施形態では、CPUは、ディジタル加算器19から伝達されたディジタル信号に1/2を乗じたが、この乗算を行わなくてもよい。このとき時刻T1における(4)式は、
(Db1−Da1)=2Ds1
となるが、2Ds1が時刻T1における入力信号M1をAD変換したAD変換データであるとすればよい。即ち、ディジタル加算器19から伝達されたディジタル信号に乗ずる係数は適宜設定される。
【0045】
なお、AD変換器10は、ディジタル加算器19、ディジタル反転器20を使用せず、CPU18による演算でAD変換素子17のディジタル信号を符号反転させると共にこれを、AD変換素子16のディジタル信号と加算してもよい。
なお、切換器12の切換え周波数(切換え周期の逆数)はAD変換周波数(AD変換周期の逆数)の10倍程度、又はそれ以上として説明したが、切換器12の切換え周波数はAD変換周波数の2倍以上であればよい。切換器12によって極性が切り替えられた入力信号11は、DCアンプ13で増幅され後、切換器12に同期したサンプル・ホールド回路で保持されてAD変換素子16及び17でAD変換されるが、AD変換素子16及び17が、それぞれ1回のAD変換を行う間に、スイッチ14及び15は各々最低1回はオンする必要があるため、切換器12の切換えが最低限2回以上行われる必要があるからである。
【0046】
図3は、本発明に係るAD変換器の第二の実施形態を示す。
なお第一の実施形態と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付して図示し、その動作説明を省略する。
図3に示すAD変換器30は、切換器12、DCアンプ13、AD変換素子16’、CPU18’、ディジタル加算器19’及びディジタル信号の遅延機能を有するディジタル反転器20’を有している。このAD変換器30は熱電対TC1からの微小アナログ信号をAD変換する。AD変換器30では、AD変換と入力信号11の極性の切換とが同期している。
【0047】
次に、上述のように構成されるAD変換器30の動作を図3及び図4を用いて説明する。
熱電対TC1からの入力信号11は、入力端1、2に入力され、切換器12で極性が切換えられる。切換器12の出力は、DCアンプ13で増幅され、AD変換素子16’の入力端16a’に入力される。AD変換は制御端16c’に入力される制御信号6’によって行われる。CPU18’は、制御信号6’をAD変換素子16’へ伝達することでAD変換を制御する。
【0048】
AD変換素子16’のディジタル信号出力は、バスライン25a’を介してディジタル加算器19’及びディジタル反転器20’に伝達される。
ディジタル反転器20’は、AD変換素子16’のディジタル信号出力を読み込み、AD変換の周期だけ遅延し、且つ入力された2進符号を表す数値に(−1)を乗算してバスライン25b’を介しディジタル加算器19’へ伝達する。
【0049】
次に、上述のように構成されるAD変換器30の動作を図3及び図4を用いて説明する。
制御信号3’は入力信号の極性を切換える切換器12を制御する。制御信号3’は、時刻T1からT2の間及び時刻T3からT4の間、「ハイレベル」であり、時刻T2からT3の間及び時刻T4からT5の間、「ローレベル」であるとする。
【0050】
時刻T1において、入力信号が切換器12で極性を反転されていないとき、DCアンプ13のDC出力は、入力信号11の電圧M1とオフセットerとが加算されて増幅されたものとなる(Ec1とする)。時刻T2において、入力信号が切換器12で極性反転されているとき、DC出力は、入力信号11の電圧M2が極性反転されオフセットerと加算されて増幅されたものとなる(Ed2とする)。
【0051】
従って、
Figure 0003966450
である。
【0052】
なお、DCアンプ13のDC出力は、以下同様に、時刻T3で電圧Ec3、T4でEd4、T5でEc5とする。
時刻T1における制御信号6’の立上がりのタイミングで、AD変換素子16’は、Ec1をAD変換し、AD変換の直後にディジタル信号Dc1を出力する。ディジタル信号Dc1はディジタル加算器19’とディジタル反転器20’に伝達される。ディジタル反転器20’は制御信号6’の立下りの(時刻T1より制御信号6’の幅だけ遅れた)タイミングでディジタル信号Dc1を読み込む(図4「ディジタル反転器20’の読み込みタイミング」参照)。
【0053】
次に時刻T2における制御信号6’の立上がりのタイミングで、AD変換素子16’は、Ed2をAD変換し、ディジタル信号Dd2を出力する。ディジタル信号Dd2はディジタル加算器19’とディジタル反転器20’に伝達される。ディジタル反転器20’は、先に読み込んであったディジタル信号Dc1を、制御信号6’の立上がりのタイミングで(−Dc1)としてバスライン25b’に出力する。その後、ディジタル反転器20’は制御信号6’の立下りのタイミングでディジタル信号Dc2読み込む。
【0054】
従って、時刻T2において、ディジタル加算器19’は、AD変換素子16’のディジタル信号出力Dd2にディジタル反転器20’のディジタル信号出力(−Dc1)を加算し(Dd2−Dc1)を出力する。そして時刻T2からT3までの間、ディジタル加算器19’は、(Dd2−Dc1)を出力する。
ところで(Dd2−Dc1)は(Ed2−Ec1)の減算に対応している。そして、(5)(6)式から
(Ed2−Ec1)=−Av(M1+M2) ・・(7)
である。
【0055】
即ち、(Dd2−Dc1)は、−(M1+M2)をDCアンプ13で増幅したDC出力をAD変換したディジタル信号に相当し、オフセットerはキャンセルされている。
CPU18’は、(Dd2−Dc1)を読み込むと、これに(−1/2)を乗じてDs12得る(下記)。
【0056】
−(Dd2−Dc1)/2=(Dc1−Dd2)/2=Ds12 ・・(8)
即ち、Ds12は、(M1+M2)/2のAD変換データに相当する。時刻T2の直後、CPU18’は、上記演算を行いAD変換データDs12をバスライン29に出力する。
時刻T3において、AD変換素子16’はEc3をAD変換してディジタル信号Dc3を得る。このときディジタル反転器19’はバスライン25b’に(−Dd2)を出力するので、時刻T3からT4までの時間、ディジタル加算器19’は(Dc3−Dd2)を出力する。この(Dc3−Dd2)は(Ec3−Ed2)に対応している。
【0057】
そして、(5)式においてEc1をEc3、M1をM3とし、
Ec3=Av(M3+er)
を得る。
これと(6)式から、
(Ec3−Ed2)=Av(M2+M3) ・・(9)
を得る。
【0058】
即ち、(Dc3−Dd2)は、(M2+M3)をDCアンプ13で増幅したDC出力をAD変換したディジタル信号に相当し、オフセットerはキャンセルされている。
CPU18’は(Dc3−Dd2)を読み込むと、これに(1/2)を乗じてDs23を得る(下記)。
(Dc3−Dd2)/2=Ds23 ・・(10)
Ds23は、(M2+M3)/2のAD変換データに相当する。
【0059】
CPU18’は、極性が反転された入力信号11に対応するディジタル信号から極性が反転されない入力信号11に対応するディジタル信号を減算したディジタル信号を、ディジタル加算器19’から得たときには、この信号に負の定数(−1/2)を乗じる(例えば(8)式の場合)。一方、CPU18’は、極性が反転されない入力信号11に対応するディジタル信号から極性が反転された入力信号11に対応するディジタル信号を減算したディジタル信号を、ディジタル加算器19’から得たときには、この信号に正の定数(1/2)を乗じる(例えば(10)式の場合)。
【0060】
以下、同様にして、AD変換器30はディジタル信号Dd4、AD変換データDs34、ディジタル信号Dc5及びAD変換データDs45を得る。AD変換器30のAD変換データは、時刻T2からAD変換データDs12となり、時刻T3でAD変換データDsS23、T4でDs34及びT5でDs45となる。
このように構成されるAD変換器30と従来のAD変換器70との追従性、及び追従性の相違によって生ずる誤差について比較する(図5、6)。
【0061】
図5は、従来のAD変換器70と第2の実施形態のAD変換器30との追従性を比較したものであり、縦軸は入力電圧を示し(単位はmV)、横軸は時間軸である。図5の実線E1は入力信号11’を示している。入力信号11’は時刻t2までは0mVであるが、その後増加し、時刻t14では100mVまで増加して、その後は100mVで一定であるとする。時刻tnにおける入力信号11’の電圧をEnとする(nは1、2・・15とする)。
【0062】
図5の実線(細い実線)EanはAD変換器70のAD変換データのアナログ換算電圧を示し、図5の一点鎖線EsnはAD変換器30のAD変換データのアナログ換算電圧を示し、図5の破線EdnはAD変換器70のAD変換データの1次遅れ(以下、「AD変換器70の1次遅れ」と略する。1次遅れについては後述する)のアナログ換算電圧を示している。
【0063】
図6は、従来のAD変換器70と第二の実施形態のAD変換器30との追従性の遅れによって生じる誤差をアナログ電圧に換算して比較したものであり、縦軸は誤差電圧を示し(単位はmV)、横軸は時間軸である。
図6の実線E1’は入力信号11’の変化分を示している。例えば時刻t7における入力信号11’の変化分は、時刻t7における入力信号11’の電圧E7から時刻t6における入力信号11’の電圧E6を減じたものである。
【0064】
図6の実線Ean’(細い実線で略三角波状の変化を示している)は、AD変換器70の追従性の遅れによって生じる誤差であり、入力信号11’に対するAD変換データのアナログ換算電圧の誤差である。図6の一点鎖線Esn’は、入力信号11’に対するAD変換器30の追従性の遅れによって生じる誤差である。図6の破線Edn’は、入力信号11’に対するAD変換器70の1次遅れの場合の追従性の遅れによって生じる誤差である。
【0065】
ここで、AD変換器70のAD変換データのアナログ換算電圧Ean(以下、「アナログ電圧Ean」とする)は、時刻t2、t4・・t14において入力信号11’に一致しているが、しかし時刻t3、t5・・t13において入力信号11’に対し大きな追従性の遅れと誤差を生じている。そして図5から、アナログ電圧Eanは、略階段状に変化し、入力信号11’に対して不自然な追従をしていることがわかる。アナログ電圧Eanの誤差Ean’についても、極性が逆だが、その最大値は、入力信号11’の変化分E1’に一致し、且つ時間軸上で略三角波状に激しく変化している。
【0066】
ここで、アナログ電圧Eanが、時刻t2、t4・・t14で入力信号11’において入力信号11’と一致するのは、例えば時刻t4において、AD変換器70が、時刻t4おける入力信号11’の電圧E4をAD変換したディジタル信号から、時刻t3におけるオフセットerをAD変換したディジタル信号を減算し、オフセットをキャンセルしたAD変換データとして出力するからである。
【0067】
アナログ電圧Eanが、時刻t3、t5、t7・・t13で入力信号11’ に対し大きな誤差を生じているのは、例えば時刻t7において、AD変換器70はオフセットerをAD変換しており、従って時刻t7おける入力信号11’の電圧E7はAD変換されず、その代わりにAD変換器70は時刻t6におけるAD変換データを出力するからである。
【0068】
他の時刻についても同様である。
即ち、AD変換器70のAD変換データは、AD変換を行った時刻の入力信号11’のすべての成分を含む場合と全く含まない場合の2つの場合があるため、図5のような追従性を示し、図6のような略三角波状の誤差を生じてしまう。
一方、AD変換器30のAD変換データのアナログ換算電圧Esn(以下、「アナログ電圧Esn」とする)は、時刻t3、t4・・t15において、入力信号11’に対して若干遅れているが、入力信号11’の変化に近似して変化していることがわかる。また、誤差Esn’についても、極性は逆だが、入力信号11’の変化分E1’に対して略1/2である。
【0069】
上記アナログ電圧Esnの追従性と誤差Esn’は以下のようにして理解できる。
ここでAD変換器30のAD変換データをDsmnとする(但しm=n−1である)。
例えば(7)(8)式から、時刻t2におけるAD変換データDs12は時刻T1における入力信号11の電圧M1と時刻T2における電圧M2の平均値に対応している。この関係を図5、6に当てはめると、例えば、時刻t7におけるAD変換データDs67は、時刻t6における入力信号11’の電圧E6と時刻t7における入力信号11’の電圧E7の平均値に対応することになる。
【0070】
このようにAD変換器30のAD変換データDsnmは、常にAD変換を行った時刻の入力信号11’の成分の1/2を含んでいるため、追従性が良好で誤差の発生も少ない。
一方、従来のAD変換器70の1次遅れのアナログ換算電圧(以下、「アナログ電圧Edn」とする)を求めた場合には、アナログ電圧Ednは時刻t3、t4・・t15において、入力信号11’の変化に近似して変化しているが、入力信号11’に対して大きく遅れていることがわかる。そして、アナログ電圧Ednの誤差Edn’を示す曲線は、アナログ電圧Eanの誤差Ean’の略包絡線となっており、図6のなかで最も大きな誤差を生じている。
【0071】
上記のようなアナログ電圧Ednの追従性と誤差Edn’は以下のようにして理解できる。
AD変換器70が時刻tnにおいて出力する「1次遅れのAD変換データ」をDLnとし、時刻t(n−1)におけるAD変換データをD(n−1)、時刻tnにおけるAD変換データをDnとすると、
DLn=(Dn+D(n−1))/2
である。
【0072】
従来のAD変換器70では、例えば、時刻t7における「1次遅れのAD変換データ」DL7は、時刻t6におけるAD変換データD6と時刻t7におけるAD変換データD7との平均値になる。しかし、前述したように、時刻t7において、AD変換素子76はオフセットerをAD変換しており、時刻t7おける入力信号11’の電圧E7はAD変換されず、代わりにAD変換器70は時刻t6におけるAD変換データD6をD7としている。
【0073】
従って、
DL7=(D6+D7)/2=(D6+D6)/2=D6
となる。
このように時刻t7におけるアナログ電圧Ed7は、時刻t7における入力信号11’の電圧E7の成分を全く含んでおらず、代わりに時刻t6における入力信号11’の電圧E6の成分(1回前のAD変換でAD変換された成分)だけであるため追従性が悪く、大きい誤差を生じる。
【0074】
次に、時刻t8では、時刻t7において、D7=D6としたので、「1次遅れのAD変換データ」DL8は、
DL8=(D7+D8)/2=(D6+D8)/2
となる。
従って、時刻t8におけるアナログ電圧Ed8は、時刻t6における入力信号11’の電圧E6と時刻t8における入力信号11’の電圧E8に対応している。即ち、時刻t8において、時刻t6における入力信号11’の電圧E6の成分(2回前のAD変換でAD変換された成分)を含んでいるため追従性が悪く、大きい誤差を含んでいる。
【0075】
以上説明したAD変換器30では、AD変換素子16’が極性反転されない入力信号と極性反転された入力信号とを交互にAD変換するので、各時刻におけるAD変換データはAD変換が行われた時刻の入力信号に対応した成分を含んでいる。従って、AD変換器30は、入力信号に良好に追従したAD変換データを得ることができると共に、入力信号に対応したAD変換データのサンプル数を減少させない。
【0076】
このようなAD変換器30は、AD変換素子16’で得られたディジタル信号の減算からオフセットをキャンセルすると共に、入力信号の変化に対する追従性に優れ、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減し、AD変換データの確からしさとAD変換精度を向上させることができる。
なお、ディジタル加算器19’、ディジタル反転器20’を使用せず、CPU18’の記憶回路で、AD変換素子16’のディジタル信号をAD変換周期だけ遅延させ(−1)を乗算し、これを遅延していないAD変換素子16’のディジタル信号と加算してもよい。
【0077】
図7は、本発明に係るAD変換器の第3の実施形態を示す。
なお第一の実施形態と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付して図示し、その動作説明を省略する。
このAD変換器40は、切換器12、DCアンプ13、スイッチ14、スイッチ15、反転アンプ20''、アナログ加算器19''、AD変換素子16''及びCPU18''を有している。このAD変換器40のAD変換は、入力信号の極性切換えに同期する必要はない。
【0078】
キャパシタC14はアナログ加算器19''の第一の入力端19''aとGNDとの間に接続されている。キャパシタC15は反転アンプ20''の入力端20a''とGNDとの間に接続されている。入力端19''aと入力端20a''とは共に高入力インピーダンスである。反転アンプ20''の電圧利得は(−1)であり、その出力端は、アナログ加算器19''の第二の入力端19b''に接続されている。アナログ加算器19''は、第一の入力端19a''の入力電圧と第二の入力端19b''の入力電圧との加算電圧を出力し、その出力電圧はAD変換素子16''の入力端16a''へ入力される。
【0079】
次に、上述のように構成されるAD変換器40の動作を図7及び図8を用いて説明する。
入力信号11は、時刻T1で電圧がM1、時刻T2で電圧がM2、以下、時刻T4で電圧がM4と変化するものとする。
第一の実施形態の場合と同様に、切換器12は、制御信号3(図8参照)によって入力信号11の極性を切換えてDCアンプ13へ出力する。
【0080】
更に、DCアンプ13のDC出力は、キャパシタC14等からなる第一のサンプル・ホールド回路と、キャパシタC15等からなる第二のサンプル・ホールド回路で保持される。
キャパシタC14は、DCアンプ13が非反転の入力信号11を増幅している時のDC出力を保持する。一方、キャパシタC15は、DCアンプ13が反転の入力信号11を増幅している時のDC出力を保持する。
【0081】
キャパシタC15の保持電圧は、反転アンプ20''で極性反転される。そして、アナログ加算器20''で、キャパシタC14の保持電圧と加算される。アナログ加算器20''の出力電圧はAD変換素子16''の入力端16a''へ入力される。
第一の実施形態と同様に、キャパシタC14の保持電圧をEaとし、キャパシタC15の保持電圧をEbとする。
【0082】
ここで、切換器12の切換周期が十分短く、切換周期内において、入力信号11の変化が少なくなるように切換周期を設定すると、時刻T1において、キャパシタC14が保持する電圧(Ea1とする)は、(M1+er)をDCアンプ13で増幅した電圧である。そしてキャパシタC15が保持する電圧(Eb1とする)は、(−M1+er)をDCアンプ13で増幅した電圧である。
【0083】
従って、
Figure 0003966450
である。
【0084】
そしてアナログ加算器19''は反転アンプ20''で極性反転されて(−Eb1)となった電圧にEa1を加算するので、アナログ加算器19''の出力電圧は、(Ea1−Eb1)=2Av×M1 ・・(13)
である。
即ち、アナログ加算器19''の出力電圧は、電圧M1に対応しているが、オフセットの成分erを含んでいない。
【0085】
そして時刻T1において、AD変換素子16''は、(2Av×M1)をAD変換し、直ちに電圧M1に対応したディジタル信号De1をバスライン25a''へ出力する。以下同様に、時刻T2においてディジタル信号De2を、時刻T3においてディジタル信号De3を、時刻T4においてディジタル信号De4を出力する。
【0086】
CPU18''は、ディジタル信号De1〜De4を電圧M1〜M4に対応するように演算して(例えば、1/2を乗じてM1を算出する)、AD変換データDs1''〜Ds4''としてバスライン29へ出力する。
ここで、AD変換は切換器12によるDC信号の極性切換えに同期せずに行われており、好ましくは、極性の切換え周波数は、第一の実施形態の場合と同様にAD変換周波数の10倍程度、又はそれ以上に設定される。
【0087】
なお、反転アンプ20''及びアナログ加算器19''の入力においても、それぞれのオフセットが存在するが、これらのオフセットはDCアンプ13の入力側に換算されて評価される。DCアンプ13の電圧利得は、前述のように30〜70倍と比較的高利得であり、反転アンプ20''及びアナログ加算器19''のオフセットがDCアンプ13の入力側に換算されると、これらオフセットは30〜70分の一となり(1/(DCアンプ13の電圧利得))、DCアンプ13のオフセットに比較して極めて小さいものとなる。従って、反転アンプ20''及びアナログ加算器19''のオフセットを無視することができる。
【0088】
なお、電圧利得は30〜70倍に限定されるものではなく、反転アンプ20''及びアナログ加算器19''のオフセットが、DCアンプ13の入力側において、DCアンプ13のオフセットに対し、無視できる程度に小さくなることが実現される電圧利得であればよい。
以上説明したAD変換器40においては、2つのサンプル・ホールド回路が保持する極性が非反転の入力信号と極性反転された入力信号とを、反転アンプ20''で入力信号の極性を一致させたうえで、アナログ加算器19''で加算するので、オフセット成分がキャンセルされる。従ってAD変換器素子16のディジタル信号出力は常に入力信号に対応しているので、AD変換器40は、入力信号に良好に追従したAD変換データを得ることができると共に、入力信号に対応したAD変換データのサンプル数を減少させない。
【0089】
このようなAD変換器40は、オフセットがキャンセルされ且つ入力信号に良好に追従したAD変換データを得ることができる。また入力信号に対応したAD変換データのサンプル数を減少させることがなく、多くのサンプルから平均値を算出してノイズの影響の軽減し、AD変換データの確からしさとAD変換精度を向上させることができる。
【0090】
なお、反転アンプ20''が第一のサンプル・ホールド回路の電圧を反転し、アナログ加算器19''が、第二のサンプル・ホールド回路の電圧と反転アンプ20''の出力電圧を加算する構成であってもよい。
図9は、本発明に係る追従性に優れ、高精度で制御対象を制御することができる制御装置の一つの実施形態を示す。
【0091】
図9の制御装置60は制御対象65の温度を制御する。この制御装置60はAD変換器50、演算回路61、出力回路62及び温度設定回路63を有し、制御装置60と制御対象65とはフィードバック制御系を形成している。
AD変換器50には、制御対象65に設置されたセンサ素子である温度センサTC66からのアナログ信号が入力される。AD変換器50には、AD変換器10、30または40の何れかのAD変換器が使用される。
【0092】
演算回路61は、温度設定回路63から入力された制御対象65の設定温度データとAD変換器50から得られた温度センサTC66が検出した制御対象65の温度データとを比較し、制御対象65の温度制御を行うために必要な演算を行い、制御データを出力回路62に伝達する。
即ち演算回路61は、制御対象65の設定温度データを基準とし、AD変換器50のAD変換データがこの基準値と等しくなるように制御対象65の温度を制御する。
【0093】
例えば、センサTC66の検出温度が設定温度よりも低いとき、演算回路61は、出力回路62を介してヒータ67に電力を供給し又は供給電力を増やして、制御対象65の温度を上昇させる。検出温度が設定温度よりも高いときには、演算回路61は、出力回路62を介してヒータ67への電力を遮断し又は供給電力を減らして、制御対象65の温度を低下させる。
【0094】
出力回路62は、演算回路61から伝達された制御データによって、ヒータ67へ供給される電流を制御したり、オン/オフしたりする。
ここで、AD変換器50は、制御対象65の温度を検出して演算回路61へフィードバックするフィードバックループの一部を形成している。フィードバックループの信号伝達の遅れは、フィードバック制御系を不安定にするが、入力信号に対し良好に追従するAD変換器10、30及び40は、従来のAD変換器70に比べ良好な追従性を有しており、フィードバック制御系の安定度向上に寄与する。
【0095】
またAD変換器50の追従の遅れで生じる誤差は、擾乱としてフィードバック制御系を不安定にする。更にAD変換器50のAD変換データに含まれるノイズも擾乱となってフィードバック制御系を不安定にする。
即ち、上述のように構成された制御装置60は、制御系のフィードバックループを形成するAD変換器の遅れを改善し、AD変換器の追従性に起因して生じる誤差を軽減し、ノイズを軽減し、もって制御系の安定度を改善することができる。
【0096】
また、AD変換データの確からしさを向上させることができるAD変換器は、制御系の高精度な制御を可能とする。
なお、制御装置は、センサ素子に温度センサを使用した温度制御の場合を例示したが、他の物理量を制御するものであってもよい。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のAD変換器によれば、AD変換におけるオフセット及びドリフトがキャンセルされると共に、アナログ入力信号に対して良好な追従性を確保したAD変換が可能となり、AD変換データの精度と確からしさとが向上し、また本発明の制御装置によれば、制御装置の追従性、安定性、制御の精度の向上が実現できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAD変換器の第一の実施形態の概略構成を示す図である。
【図2】第一の実施形態のAD変換器の動作を示す図である。
【図3】本発明に係るAD変換器の第二の実施形態の概略構成を示す図である。
【図4】第二の実施形態のAD変換器の動作を示す図である。
【図5】第二の実施形態のAD変換器と従来のAD変換器との入力信号に対するAD変換データの追従性の相違を比較する図である。
【図6】第二の実施形態のAD変換器と従来のAD変換器との入力信号に対するAD変換データの追従性の相違で生ずる誤差を比較する図である。
【図7】本発明に係るAD変換器の第三の実施形態の概略構成を示す図である。
【図8】第三の実施形態のAD変換器の動作を示す図である。
【図9】本発明に係る制御装置の一実施形態の概略構成を示す図である。
【図10】従来のAD変換器の概略構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10、30、40、50 AD変換器
12 切換器
13 DCアンプ
14、15 スイッチ
C14、15キャパシタ
16、16’、16'' AD変換回路
18、18’、18'' CPU
19、19’ディジタル加算器
19'' アナログ加算器
20、20’ディジタル反転器
20'' 反転アンプ
60 制御装置
61 演算回路
62 出力回路
63 温度設定回路
65 制御対象

Claims (4)

  1. アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、
    該切換器の出力を増幅する増幅器と、
    前記切換器の極性切換えに同期して、極性非反転時における前記増幅器の出力電圧を保持する第一のサンプル・ホールド回路と、
    前記切換器の極性切換えに同期して、極性反転時における前記増幅器の出力電圧を保持する第二のサンプル・ホールド回路と、
    前記第一のサンプル・ホールド回路に保持された電圧をディジタル信号に変換する第一のアナログ・ディジタル変換素子と、
    前記第一のアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換に同期して前記第二のサンプル・ホールド回路に保持された電圧をディジタル信号に変換する第二のアナログ・ディジタル変換素子と、
    前記第二のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号を反転するディジタル反転器と、
    前記第一のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号と前記ディジタル反転器が出力するディジタル信号とを加算するディジタル加算器とを有し、
    前記ディジタル反転器の出力ディジタル信号、前記第一のアナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号に対し、前記第二のアナログ・ディジタル変換素子の一アナログ・ディジタル変換周期前にアナログ・ディジタル変換され出力されたディジタル信号の反転出力であり、
    前記切換器の極性切換え周期前記第一及び第二のアナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短くし、
    前記ディジタル加算器が、時間軸上で常に隣接する前記アナログ・ディジタル変換周期内において前記第一及び第二のアナログ・ディジタル変換された2つのディジタル信号出力を加算することで、前記2つのディジタル信号出力の加算の際に生じるアナログ・ディジタル変換データの前記アナログ入力信号に対する時間遅れを軽減することを
    を特徴とするアナログ・ディジタル変換器。
  2. アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、
    該切換器の出力を増幅する増幅器と、
    前記切換器の極性切換えに同期して、前記増幅器のアナログ出力をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換素子と、
    前記アナログ・ディジタル変換素子が出力したディジタル信号を反転し出力するディジタル反転器と、
    前記アナログ・ディジタル変換素子が出力したディジタル信号と前記ディジタル反転器が出力するディジタル信号とを加算するディジタル加算器とを有し、
    前記ディジタル反転器の出力ディジタル信号が、前記アナログ・ディジタル変換素子が出力するディジタル信号に対し、前記アナログ・ディジタル変換素子の一アナログ・ディジタル変換周期前にアナログ・ディジタル変換され出力されたディジタル信号の反転出力であり、
    前記切換器の極性切換え周期を前記アナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短くし、
    前記ディジタル加算器が、時間軸上で常に隣接する前記アナログ・ディジタル変換周期内において前記アナログ・ディジタル変換素子でアナログ・ディジタル変換された2つのディジタル信号出力を加算することで、前記2つのディジタル信号出力の加算の際に生じるアナログ・ディジタル変換データの前記アナログ入力信号に対する時間遅れを軽減すること、
    を特徴とするアナログ・ディジタル変換器。
  3. アナログ入力信号の極性を切換える極性切換器と、
    該切換器の出力を増幅する増幅器と、
    前記切換器の極性切換えに同期して、極性非反転時における前記増幅器の出力電圧を保持する第一のサンプル・ホールド回路と、
    前記切換器の極性切換えに同期して、極性反転時における前記増幅器の出力電圧を保持する第二のサンプル・ホールド回路と、
    前記第一のサンプル・ホールド回路に保持された電圧と、前記第二のサンプル・ホールド回路に保持された電圧との差を求めるアナログ減算手段と、
    該アナログ減算手段の出力電圧をアナログ・ディジタル変換するアナログ・ディジタル変換素子とを有し、
    前記切換器の極性切換え周期前記アナログ・ディジタル変換素子のアナログ・ディジタル変換周期より短くし、
    時間軸上で常に隣接する前記アナログ・ディジタル変換周期内において、前記第一のサンプル・ホールド回路で保持された電圧と、前記第二のサンプル・ホールド回路で保持された電圧とを、前記アナログ減算手段が減算して得た電圧を前記アナログ・ディジタル変換素子でアナログ・ディジタル変換することで、前記アナログ減算手段による減算で生じるアナログ・ディジタル変換データの前記アナログ入力信号に対する時間遅れを軽減すること、
    を特徴とするアナログ・ディジタル変換器。
  4. 被制御対象の被制御物理量を検出するセンサ素子の出力をアナログ入力信号とし、該入力信号をディジタル信号に変換するアナログ・ディジタル変換器と、
    前記被制御物理量の制御目標値を設定する手段と、
    前記アナログ・ディジタル変換器が出力したアナログ・ディジタル変換データと前記制御目標値との差を演算する演算手段と、
    該演算手段の演算結果に基づき被制御対象の物理量を制御する制御手段を駆動する出力回路とを有する制御装置において、
    前記アナログ・ディジタル変換器が請求項1ないし3の何れかに記載のアナログ・ディジタル変換器であって、前記アナログ入力信号に対するアナログ・ディジタル変換データの時間遅れを軽減することができることを特徴とする制御装置。
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