JP4750266B2 - 信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流信号に交流の雑音信号が重畳された信号から直流信号成分を高速に且つ高精度に検出するための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、物品の重量を測定する測定システムでは、物品の荷重に応じて電圧が変化する直流信号を出力するセンサを用い、このセンサの出力信号の電圧に基づいて物品の重量を求めるようにしている。
【0003】
ところが、このような測定システムのセンサから出力される信号は、完全な直流信号ではなく外来雑音(振動や電源変動等)による交流の雑音信号が重畳されており、高精度な測定を行うためには、この雑音信号成分を除去して、直流信号成分のみを抽出する必要がある。
【0004】
このように信号に含まれる直流信号成分を抽出するために、従来ではフィルタによって雑音信号成分の抑圧する方法と、センサと同一のダミーセンサを用いて雑音信号成分を相殺処理する方法とが用いられている。
【0005】
フィルタによって雑音信号成分の抑圧する場合、図14に示すように、センサ1から出力される信号Saに対して、その直流信号成分Dcは通過させ、交流の雑音信号成分Nは減衰させる低域通過フィルタ(以下LPFと記す)2を用いて信号Saの直流信号成分Dcのみを抽出する。
【0006】
また、雑音信号成分を相殺する場合には、図15に示すように、センサ1から出力される信号Saとダミーセンサ3から出力される信号Sbとを減算器4に入力して、Sa−Sbの減算処理を行い、信号Saに含まれる雑音信号成分Nと信号Sbに含まれる雑音信号成分Nとを相殺させて、信号Saに含まれる直流信号成分Dcを出力させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記したフィルタを用いる方法は、信号Saに含まれる雑音信号成分Nの周波数帯域が直流から大きく離れている場合には問題ないが、雑音信号成分Nの周波数帯域が直流に近い場合、LPF2の遮断周波数を直流に近づけなければならず、このようにLPF2の遮断周波数を直流に近づけると、物品の荷重等によるセンサ1の出力信号の直流信号成分Dcのレベル変化に対して、LPF2から出力される信号のレベル変化が大きく遅延し、直流信号成分が安定するまでに長時間を要してしまう。
【0008】
一方、ダミーセンサ3を用いて雑音信号成分を相殺する方法は、原理的に遅延が発生しないが、実際には両センサ1、3の特性の僅かな違いや設置環境の僅かな違い等により、雑音信号成分Nが完全に等しくならず、その誤差が出力されて精度が低下する。
【0009】
本発明は、この問題を解決して、直流信号に交流の雑音信号が重畳された信号から直流信号成分を高速に且つ高精度に検出できるようにした信号処理装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の信号処理装置は、
直流信号に交流の雑音信号が重畳した入力信号から直流信号成分を抽出するための信号処理装置において、
前記入力信号の一定期間毎のレベル変動量を求め、該レベル変動量が、前記雑音信号の予測される最大振幅より僅かに広く設定した範囲に入るか否かを判定し、該範囲内にある期間を、前記入力信号に含まれる直流信号のレベルが安定している安定期間として検出する安定検出手段と、
前記安定期間の初期または直前の前記入力信号の振幅値またはその振幅値から算出した値を基準レベルとし、前記安定期間中の前記入力信号の前記基準レベルに対する振幅変化を、前記入力信号に含まれる雑音信号成分として抽出する雑音信号抽出手段と、
前記雑音信号抽出手段によって抽出された雑音信号成分を前記入力信号から減じる減算手段とを備え、
前記減算手段の出力に基づいて、前記入力信号に含まれる直流信号成分を抽出することを特徴としている。
【0011】
また、本発明の請求項2の信号処理装置は、請求項1の信号処理装置において、
前記雑音信号抽出手段から出力される雑音信号成分に含まれる直流誤差を検出する直流誤差検出手段と、
前記減算手段の出力と前記直流誤差検出手段によって検出された直流誤差との演算によって前記入力信号に含まれる直流信号成分を算出する演算手段とを備えている。
【0012】
また、本発明の請求項3の信号処理装置は、請求項1または請求項2の信号処理装置において、
前記雑音信号抽出手段は、前記安定期間の初期の入力信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間値を前記基準レベルとして、前記雑音信号成分を抽出するように構成されている。
【0013】
また、本発明の請求項4の信号処理装置は、請求項1または請求項2または請求項3の信号処理装置において、
前記雑音信号抽出手段は、
前記入力信号を所定周期でサンプリングして得られるサンプリング値同士の差分を順次求める差分処理手段と、
前記差分処理手段と逆の処理を行う回復処理手段と、
前記安定期間が検出されていないときには零の値を前記回復処理手段に入力し、前記安定期間が検出されているときには前記差分処理手段の出力を前記回復処理手段に入力する切換手段とを有し、
前記安定期間に前記回復処理手段によって処理された信号を前記雑音信号成分として出力することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を実施した信号処理装置20の構成を示している。
【0015】
図1において、LPF21は、前記センサ1から出力される信号のように、直流信号Dcに交流の低周波の雑音信号Nが重畳されたアナログの信号Saを受けて、後続のディジタル処理による折り返し歪みを除くためにその高域成分(雑音信号Nより高い周波数成分)を除去して、A/D変換器22へ出力する。
【0016】
A/D変換器22は、LPF21から出力される信号Sbを、LPF21の遮断周波数の2倍以上の周波数のクロック信号fsに同期してサンプリングし、各サンプリング値をディジタル値x(k)に変換して、安定検出手段23、雑音信号抽出手段24および遅延手段30に出力する。
【0017】
安定検出手段23は、信号Sbに含まれる直流信号成分のレベルが安定している安定期間を検出するためのものであり、例えば図2に示すように、分周器23a、第1の記憶回路23b、第2の記憶回路23c、減算器23d、およびコンパレータ23eによって構成されている。
【0018】
分周器23aは、A/D変換器22のクロック信号fsをn分周(nは複数)して、第1の記憶器23b、第2の記憶器23cに出力する。なお、この分周比nは、分周信号fs′の周波数が入力信号に含まれる比較的大きいレベルの雑音信号Nの周波数と近くなるように設定されている。
【0019】
第1の記憶回路23bは、分周器23aから出力される分周信号fs′に同期して、A/D変換器22から出力されるサンプリング値x(k)をn個おきに一時記憶し、第2の記憶回路23cは、第1の記憶回路23bに記憶されているサンプリング値を分周信号fs′に同期して一時記憶する。
【0020】
減算器23dは、第1の記憶回路23bに記憶されたサンプリング値x(i)から第2の記憶回路23cに記憶されているサンプリング値x(i−n)を減じ、その減算結果g(i)をコンパレータ23eに出力する。
【0021】
コンパレータ23eは、減算器23dの出力g(i)が、信号Sbに含まれる雑音信号成分の予測される最大振幅Aに対して予め設定した上限値A+αと下限値−A−α(A>>α>0)の範囲に入るか否かを判定し、減算器23dの出力g(i)が上限値A+αと下限値−A−αの範囲内にあるときに安定期間を表すハイレベルとなり、範囲外のときに非安定期間を表すローレベルとなる信号Qを出力する。
【0022】
雑音信号抽出手段24は、A/D変換器22から出力されるサンプリング値x(k)に基づいて、安定期間に入力される信号Sbに含まれる雑音信号成分を抽出する。
【0023】
この雑音信号抽出手段24は、安定検出手段23によって安定期間が検出されたとき(直前および安定期間の初期も含む)の入力信号の振幅値あるいはその振幅値から求めた値を基準レベルとし、安定期間中の入力信号の基準レベルに対する振幅変化を、入力信号に含まれる雑音信号成分として抽出する。
【0024】
ここで、雑音信号抽出手段24は、例えば図3に示すように、差分処理手段25、切換手段26および回復処理手段27によって構成されている。
【0025】
差分処理手段25は、サンプリングされた時系列信号(サンプリング値の信号列)の時間的差分を順次求める。つまり、Z変換して伝達関数で表すと、
F=1−α−1−α−2−α−3−……
の差分処理を行うものであり、ここでは、最も次数の少ない差分処理
F=1−z−1
を行うものとする。
【0026】
この差分処理は、図4に示すように、A/D変換器22から出力されるサンプリング値x(k)をA/D変換器22のクロック信号fsに同期して一時記憶する記憶回路25aと、記憶回路25aに記憶されているサンプリング値x(k−1)をその次にA/D変換器22から出力されるサンプリング値x(k)から減じる減算器25bとによって実現することができ、A/D変換器22から出力されるサンプリング値同士の差分
y(k)=x(k)−x(k−1)
を順次求める。
【0027】
切換手段26は、安定検出手段23の出力信号Qが非安定期間を示している間は回復処理手段27に零を入力させ、安定期間を示している間は差分処理手段25から出力される差分値y(k)を回復処理手段27に入力させる。
【0028】
回復処理手段27は、その伝達関数Gが差分処理手段25の伝達関数Fの逆数1/Fに等しくなるような処理を行う。
【0029】
即ち、前記したように、差分処理手段25の伝達関数Fが、
F=1−z−1
の場合、回復処理手段27の伝達関数Gは、
G=1/F=1/(1−z−1
となる。
【0030】
この伝達関数Gを満たす回復処理手段27は、図5に示すように、加算器27aと、この加算器27aの出力をクロック信号fsに同期して一時記憶する記憶回路27bとからなり、差分処理手段25からの差分値y(k)(または零)と、記憶回路27bの記憶値u(k−1)とを加算器27aで加算して、その結果u(k)を出力する。
【0031】
このように構成された雑音信号抽出手段24の場合、非安定期間中の出力u(k)は常に零であり、安定期間になると回復処理手段27に差分値y(k)が入力されて、
u(k)=y(k)+0=x(k)−x(k−1)
が最初に出力される。
【0032】
そして、次のクロックタイミングにこのu(k)(=y(k))が記憶回路27bに記憶され、この記憶値u(k)と次の差分値y(k+1)とが加算されて、その加算結果u(k+1)が出力される。
【0033】
ここで、
u(k+1)=y(k+1)+u(k
であり、
y(k+1)=x(k+1)−x(k
u(k)=y(k)=x(k)−x(k−1)
であるから、
Figure 0004750266
となる。
【0034】
以下同様に、安定期間中の回復処理手段27の出力は、クロック信号fsの入力毎に、
u(k+2)=x(k+2)−x(k−1)
u(k+3)=x(k+3)−x(k−1)
u(k+4)=x(k+4)−x(k−1)
u(k+5)=x(k+5)−x(k−1)
………
と変化することになる。
【0035】
上記回復処理手段27の各出力u(k)、u(k+1)、…は、入力信号Sbの直流信号成分が安定したと判定された後の各サンプル値x(k)、x(k+1)、x(k+2)、……からその直前のサンプル値x(k−1)をそれぞれ減じたものであり、サンプル値x(k−1)を基準レベルとする雑音信号の振幅値を表している。以下、この雑音信号抽出手段24の出力を抽出雑音信号と記す。
【0036】
遅延手段30は、雑音信号抽出手段24の雑音信号抽出処理に必要な時間だけ入力信号を遅延するためのものであり、ここではA/D変換器22から出力されるサンプリング値x(k)を、雑音信号抽出手段24が入力されたサンプリング値x(k)に対応する抽出雑音信号u(k)を出力させるのに必要な時間(クロック信号fsのクロック数)だけ遅延する。
【0037】
この遅延手段30は、雑音信号抽出手段24の処理遅延時間が例えば零であれば不要であり、A/D変換器22からのサンプリング値x(k)を減算手段31に直接入力すればよい。
【0038】
また、前記したように雑音信号抽出手段24が差分処理や回復処理を行うように構成されている場合には、その遅延時間がクロック信号何個分に相当するかが既知であるので、そのクロック数分の段数を有するシフトレジスタを用い、このシフトレジスタにA/D変換器22からのサンプリング値を入力して、クロック信号fsによって順次シフトさせるようにすればよい。
【0039】
また、サンプリング値に対する遅延時間を雑音信号抽出手段24の遅延時間により厳密に合わせる必要がある場合には、図6に示す遅延手段30のように、雑音信号抽出手段24に用いた差分処理手段25と回復処理手段27と全く同一構成の遅延用差分処理手段30aと遅延用回復処理手段30bを用いて、サンプリング値x(k)を遅延させればよい。
【0040】
遅延手段30によって遅延されたサンプリング値x(k)は、雑音信号抽出手段24から出力される抽出雑音信号u(k)とともに減算手段31に入力される。
【0041】
減算手段31は、遅延手段30から出力されるサンプリング値x(k)から抽出雑音信号u(k)を減算する。
【0042】
ここで、抽出雑音信号u(k)が、入力信号に含まれる直流信号成分を基準レベルとする雑音信号成分を正確に表しているとすれば、この減算手段31の出力d(k)は入力信号に含まれる直流信号成分に一致するが、実際には安定期間が検出される直前のサンプリング値は、入力信号の直流信号成分に一致するとは限らず、雑音信号の振幅以内の直流誤差を持っている。
【0043】
したがって、減算手段31の出力d(k)は、入力信号Sbから、その入力信号Sbに含まれる雑音信号成分と直流誤差とを減じた結果に等しく、この直流誤差分だけ精度が低下する。
【0044】
このため、この実施形態の信号処理装置20では、抽出雑音信号u(k)に含まれる直流誤差Eを直流誤差検出手段32によって検出し、その検出した直流誤差Eと減算手段31の出力d(k)とをこの実施形態の演算手段としての加算手段33によって加算することにより直流誤差を補正して、直流信号成分を正確に求めている。
【0045】
なお、この直流誤差検出手段32は、例えばFIR型のLPFによって構成されているが、この直流誤差検出手段32に入力される信号は雑音信号と僅かな直流誤差のみなので、直流信号の大きなレベル変化にもとなう応答遅れは発生せず、その出力は速やかに収束する。
【0046】
次に、この実施形態の信号処理装置20の動作を説明する。
例えば図7の(a)に示す直流信号成分Dcと図7の(b)に示す交流の低周波の雑音信号成分Nとが重畳された図7の(c)に示す信号SbがA/D変換器22に入力されたとする。
【0047】
このとき、安定検出手段23は、図7の(c)に示しているように、信号Sbのサンプリング値x(k)のうち、雑音信号成分Nの周波数に近い周期のサンプリング値x(i)、x(i+n)、x(i+2n)、……を順次抽出し、抽出したサンプリング値同士の差g(i)、g(i+n)、g(i+2n)、……を図7の(d)のように順次検出し、その差が上限値A+αと下限値−A−αの範囲に入るか否かを判定する。
【0048】
そして、図7の(d)に示しているように差g(i+3n)が所定範囲内に入ったt1時から差g(j+n)が所定範囲を超えたt2時までの期間を安定期間であると判定し、図7の(e)のように、この安定期間だけハイレベルとなる信号Qを雑音信号抽出手段24に出力する。
【0049】
このハイレベルの信号Qを受けた雑音信号抽出手段24は、前記したように、安定期間が検出される直前のサンプリング値をx(k−1)と基準レベルとする抽出雑音信号u(k)を次のように出力する。
【0050】
u(k)=x(k)−x(k−1)
u(k+1)=x(k+1)−x(k−1)
u(k+2)=x(k+2)−x(k−1)
u(k+3)=x(k+3)−x(k−1)
………
【0051】
したがって、安定期間中に減算手段31から出力される値d(k)は、
d(k)=x(k)−u(k)=x(k−1)
d(k+1)=x(k+1)−u(k+1)=x(k−1)
d(k+2)=x(k+2)−u(k+2)=x(k−1)
d(k+3)=x(k+3)−u(k+3)=x(k−1)
………
となる。
【0052】
この出力値d(k)=x(k−1)は、図8の(a)に示すように、入力信号Sbの直流信号成分が安定期間に入ったと判定される直前に入力されたサンプリング値であり、このとき、雑音信号抽出手段24から出力される抽出雑音信号u(k)は、図8の(b)のように、零ボルトからこの直流誤差分Eだけずれたレベルを基準として変化している。即ち、抽出雑音信号u(k)は、入力信号に含まれる雑音信号成分Nと直流誤差Eの和になる。
【0053】
この抽出雑音信号u(k)に含まれる直流誤差Eは、直流誤差検出手段32によって検出され、減算手段31の出力d(k)とともに加算手段33に入力される。
【0054】
したがって、加算手段33の出力は、
Sb−(N+E)+E
=(Dc+N)−(N+E)+E=Dc
となり、入力信号Sbの直流信号成分Dcが出力される。
【0055】
このように、実施形態の信号処理装置20では、入力信号の直流信号成分が安定している安定期間を検出し、その安定期間中に入力信号に含まれる雑音信号成分を抽出し、その抽出した雑音信号成分を入力信号から減じて、入力信号に含まれる直流信号成分を抽出するようにしている。
【0056】
このため、入力信号をLPFに直接入力して直流信号成分を抽出する従来の方法に比べて、直流信号成分の大きなレベル遷移に対する応答遅れがなく、高速に直流信号成分を抽出することができる。
【0057】
また、抽出した雑音信号成分に含まれる直流誤差を検出して補正するようにしているので、誤差の少ない直流抽出が行える。
【0058】
なお、この実施形態の雑音信号抽出手段24では、安定期間が検出される直前のサンプリング値x(k−1)を基準レベルとして雑音の振幅成分を抽出していたが、安定期間が検出されたときに入力されていたサンプリング値x(k)やその次のサンプリング値x(k+1)を基準レベルとして雑音の振幅成分を抽出してもよい。
【0059】
また、この基準レベルとして、入力信号に含まれる直流信号成分に近い振幅値を選択したり算出して、直流誤差Eを減らすこともできる。
【0060】
例えば、図9に示す雑音信号抽出手段24のように、安定検出手段23からの信号Qが安定期間を示してから入力されるサンプリング値に基づいて、そのサンプリング値が直流信号成分にほぼ等しくなるタイミングをタイミング予測手段40によって予測する。
【0061】
そして、この予測したタイミングになったときに、切換遅延手段41からの信号Pにより、切換手段26を差分処理手段25側へ切り換えるようにすれば、この雑音信号抽出手段24から出力される抽出雑音信号u(k)の基準レベルを入力信号の直流信号成分にほぼ等しくすることができ、直流誤差Eを格段に少なくすることができる。
【0062】
このように、抽出雑音信号u(k)の直流誤差Eを小さくすれば、前記したようにLPF型の直流誤差検出手段32の出力は、入力する信号に含まれる直流レベルの絶対値が小さい分だけさらに短時間に収束して、より高速に直流信号成分を抽出することができる。
【0063】
なお、このタイミング予測手段40は、例えば図10に示すように、安定期間に入ってから入力信号が最初にピークレベルLpに対するタイミングtpと最初にボトムレベルLbに達するタイミングtbとを求め、これらのタイミングから、入力信号がピークレベルLpとボトムレベルLbの中間値となるタイミングtcを、
tc=tb+(tb−tp)/2
の演算で求める。
【0064】
そして、この求めたタイミングtcに最も近いサンプリングタイミングまたはその次のサンプリングタイミングを切換手段26の切換タイミングとする。
【0065】
また、前記説明では雑音信号抽出手段24が差分処理と回復処理とを行って雑音信号成分を抽出する場合について説明したが、図11に示す雑音信号抽出手段24のように、安定検出手段23からの信号Qが安定期間を示したときに入力されているサンプリング値、あるいは前記した切換遅延手段41からの信号Pが予測タイミングに到達したことを示したときに入力されているサンプリング値を基準レベルとして基準レベル記憶回路45に記憶し、減算器47によって、その安定期間中に入力されるそれ以後のサンプリング値から基準レベル記憶回路45に記憶されている基準レベルを減じれば、入力信号に含まれる雑音信号成分を前記同様に抽出することができる。
【0066】
なお、この場合、切換手段46は、非安定期間中の減算器47の出力が零となるようにその入力を切り換える。
【0067】
また、図12に示す雑音信号抽出手段24のように、安定期間の初期にピークボトム検出手段51によって入力信号のピークレベルLpとボトムレベルLbを検出し、その中間値Rを中間値算出手段52によって算出し、この算出した中間値Rを基準レベルとして基準レベル記憶回路45に記憶してもよい。この場合、切換遅延手段53は、中間値算出手段52によって基準レベルが基準レベル記憶回路45に記憶されたときに切換手段46が減算器47の入力を基準レベル記憶回路45側に切り換えるようにする。
【0068】
また、前記した信号処理装置20では、直流誤差検出手段32によって雑音信号抽出手段24が抽出した雑音信号に含まれる直流誤差を検出し、減算手段31の出力に加算して直流信号成分を求めていたが、前記した図11、図12のように直流誤差の小さい雑音信号成分を抽出する雑音信号抽出手段24を用いる場合には、図13に示す信号処理装置20′のように、直流誤差検出手段32と加算手段33とを省略することもできる。
【0069】
また、図11や図12のように処理遅延がない雑音信号抽出手段24を用いた場合には、遅延手段30を省略して、図13に示しているように、A/D変換器22からのサンプリング値を減算手段31に直接入力してもよい。
【0070】
また、上記説明では、アナログの入力信号をA/D変換器22によってサンプリングしてディジタル値に変換していたが、A/D変換器22を省略するとともに、前記各手段をアナログ構成にして、入力信号をアナログ信号のまま処理してもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1の信号処理装置は、
直流信号に交流の雑音信号が重畳した入力信号から直流信号成分を抽出するための信号処理装置において、
前記入力信号の一定期間毎のレベル変動量を求め、該レベル変動量が、前記雑音信号の予測される最大振幅より僅かに広く設定した範囲に入るか否かを判定し、該範囲内にある期間を、前記入力信号に含まれる直流信号のレベルが安定している安定期間として検出する安定検出手段と、
前記安定期間の初期または直前の前記入力信号の振幅値またはその振幅値から算出した値を基準レベルとし、前記安定期間中の前記入力信号の前記基準レベルに対する振幅変化を、前記入力信号に含まれる雑音信号成分として抽出する雑音信号抽出手段と、
前記雑音信号抽出手段によって抽出された雑音信号成分を前記入力信号から減じる減算手段とを備え、
前記減算手段の出力に基づいて、前記入力信号に含まれる直流信号成分を抽出することを特徴としている。
【0072】
このため、LPFによって直流成分を直接抽出する方法に比べて、格段に高速に直流成分を抽出することができる。
【0073】
また、本発明の請求項2の信号処理装置は、請求項1の信号処理装置において、
前記雑音信号抽出手段から出力される雑音信号成分に含まれる直流誤差を検出する直流誤差検出手段と、
前記減算手段の出力と前記直流誤差検出手段によって検出された直流誤差との演算によって前記入力信号に含まれる直流信号成分を算出する演算手段とを備えている。
【0074】
このため、入力信号に含まれる直流信号成分をさらに高精度に抽出することができる。
【0075】
また、本発明の請求項3の信号処理装置は、請求項1または請求項2の信号処理装置において、
前記雑音信号抽出手段は、前記安定期間の初期の入力信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間値を前記基準レベルとして、前記雑音信号成分を抽出するように構成されている。
【0076】
このため、入力信号に含まれる直流信号成分をより高精度に且つ高速に抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示すブロック図
【図2】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図3】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図4】実施形態の要部の動作を説明するための図
【図5】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図6】実施形態の要部の構成例を示すブロック図
【図7】実施形態の要部の動作を説明するための図
【図8】実施形態の要部の動作を説明するための図
【図9】本発明の要部の他の構成例を示す図
【図10】図9の構成の動作を説明するための図
【図11】本発明の要部の他の構成例を示す図
【図12】本発明の要部の他の構成例を示す図
【図13】本発明の他の実施形態の構成を示すブロック図
【図14】従来装置の構成を示すブロック図
【図15】従来装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
20、40、50 信号処理装置
21 LPF
22 A/D変換器
23 安定検出手段
24 雑音信号抽出手段
25 差分処理手段
26 切換手段
27 回復処理手段
30 遅延手段
31 減算手段
32 直流誤差検出手段
33 加算手段

Claims (4)

  1. 直流信号に交流の雑音信号が重畳した入力信号から直流信号成分を抽出するための信号処理装置において、
    前記入力信号の一定期間毎のレベル変動量を求め、該レベル変動量が、前記雑音信号の予測される最大振幅より僅かに広く設定した範囲に入るか否かを判定し、該範囲内にある期間を、前記入力信号に含まれる直流信号のレベルが安定している安定期間として検出する安定検出手段と、
    前記安定期間の初期または直前の前記入力信号の振幅値またはその振幅値から算出した値を基準レベルとし、前記安定期間中の前記入力信号の前記基準レベルに対する振幅変化を、前記入力信号に含まれる雑音信号成分として抽出する雑音信号抽出手段と、
    前記雑音信号抽出手段によって抽出された雑音信号成分を前記入力信号から減じる減算手段とを備え、
    前記減算手段の出力に基づいて、前記入力信号に含まれる直流信号成分を抽出することを特徴とする信号処理装置。
  2. 前記雑音信号抽出手段から出力される雑音信号成分に含まれる直流誤差を検出する直流誤差検出手段と、
    前記減算手段の出力と前記直流誤差検出手段によって検出された直流誤差との演算によって前記入力信号に含まれる直流信号成分を算出する演算手段とを備えたことを特徴とする請求項1記載の信号処理装置。
  3. 前記雑音信号抽出手段は、前記安定期間の初期の入力信号のピークレベルとボトムレベルのほぼ中間値を前記基準レベルとして、前記雑音信号成分を抽出するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の信号処理装置。
  4. 前記雑音信号抽出手段は、
    前記入力信号を所定周期でサンプリングして得られるサンプリング値同士の差分を順次求める差分処理手段と、
    前記差分処理手段と逆の処理を行う回復処理手段と、
    前記安定期間が検出されていないときには零の値を前記回復処理手段に入力し、前記安定期間が検出されているときには前記差分処理手段の出力を前記回復処理手段に入力する切換手段とを有し、
    前記安定期間に前記回復処理手段によって処理された信号を前記雑音信号成分として出力することを特徴とする請求項1または請求項2または請求項3記載の信号処理装置。
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