JP2998794B2 - 周期性雑音除去装置および周期性雑音除去方法 - Google Patents
周期性雑音除去装置および周期性雑音除去方法Info
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、周期性雑音の重畳
した入力信号から周期性雑音成分を除去する装置および
方法に関し、特に、ハムを除去する装置および方法に関
する。
した入力信号から周期性雑音成分を除去する装置および
方法に関し、特に、ハムを除去する装置および方法に関
する。
【０００２】
【従来の技術】マイクロフォンにより収録された音声信
号やセンサによる計測信号に、商用電源から交流成分
（ハム）が混入する場合がある。この原因には、電源回
路における除去の不十分さや、ハイインピーダンスの伝
送系への空中からの飛び込みなどがある。また、同様に
測定系の近傍にモータなど機器がある場合、その影響に
よる周期性雑音が混入する場合がある。一般にこれらを
完全に除去するには高いコストがかかる。
号やセンサによる計測信号に、商用電源から交流成分
（ハム）が混入する場合がある。この原因には、電源回
路における除去の不十分さや、ハイインピーダンスの伝
送系への空中からの飛び込みなどがある。また、同様に
測定系の近傍にモータなど機器がある場合、その影響に
よる周期性雑音が混入する場合がある。一般にこれらを
完全に除去するには高いコストがかかる。
【０００３】従来から種々の周期性雑音除去装置が提案
されている。例えば、特開昭６１−８５０６３号公報
（以下、先行技術１と呼ぶ）には、センサによる計測装
置からフィルタによってハムの波形を得て、それを遅延
により同期させて計測信号より減算し、除去する方法が
開示されている。
されている。例えば、特開昭６１−８５０６３号公報
（以下、先行技術１と呼ぶ）には、センサによる計測装
置からフィルタによってハムの波形を得て、それを遅延
により同期させて計測信号より減算し、除去する方法が
開示されている。
【０００４】また、実開昭６３−１１１１０５号公報
（以下、先行技術２と呼ぶ）には、計測信号と並行して
商用電源の波形を直接抽出し、振幅と位相を制御して減
算する方法が開示されている。
（以下、先行技術２と呼ぶ）には、計測信号と並行して
商用電源の波形を直接抽出し、振幅と位相を制御して減
算する方法が開示されている。
【０００５】さらに、特開平５−３０３３８５号公報
（以下、先行技術３と呼ぶ）には、周期性雑音の周期の
概ね整数倍のサンプリング周波数で入力信号をサンプリ
ングし、蓄積、平均化して入力信号から減算して周期性
雑音を取り除く方法が開示されている。
（以下、先行技術３と呼ぶ）には、周期性雑音の周期の
概ね整数倍のサンプリング周波数で入力信号をサンプリ
ングし、蓄積、平均化して入力信号から減算して周期性
雑音を取り除く方法が開示されている。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上述した先行技術では
次に述べるような問題点がある。
次に述べるような問題点がある。
【０００７】先行技術１に開示されている方法によれ
ば、ハムの波形を得た時にそれ以外の信号が充分抑圧さ
れていれば、所期の効果を上げることができる。しかし
ながら、特に音声信号などのように、ハムの成分が必要
とする信号のスペクトルに含まれる場合には、信号中か
らハムの成分のみを抽出するもとは困難である。また、
計測信号中には周期性雑音の他に非周期性雑音も重畳し
ていることがあり、波形をそのまま用いると、そのよう
な非周期性雑音で信号を変調してしまう問題がある。更
に、波形を直接減算する方法では、周期性成分の振幅、
周波数などの各要素が変動する場合には、雑音成分を除
去し切れず、かえって余分な雑音成分を付加する結果に
なる。
ば、ハムの波形を得た時にそれ以外の信号が充分抑圧さ
れていれば、所期の効果を上げることができる。しかし
ながら、特に音声信号などのように、ハムの成分が必要
とする信号のスペクトルに含まれる場合には、信号中か
らハムの成分のみを抽出するもとは困難である。また、
計測信号中には周期性雑音の他に非周期性雑音も重畳し
ていることがあり、波形をそのまま用いると、そのよう
な非周期性雑音で信号を変調してしまう問題がある。更
に、波形を直接減算する方法では、周期性成分の振幅、
周波数などの各要素が変動する場合には、雑音成分を除
去し切れず、かえって余分な雑音成分を付加する結果に
なる。
【０００８】また、先行技術２に開示されている方法で
は、波形計測時に電源波形を同時に観測する必要があ
る。これは、計測時の負担が大きく、また電源波形の記
録の無い信号に対しては適用することができない。
は、波形計測時に電源波形を同時に観測する必要があ
る。これは、計測時の負担が大きく、また電源波形の記
録の無い信号に対しては適用することができない。
【０００９】さらに、先行技術３に開示さている方法で
は、雑音の周期が予め既知である必要がある。
は、雑音の周期が予め既知である必要がある。
【００１０】したがって、本発明の目的は、一つ或いは
複数の無信号区間を有し、周期性雑音の重畳した入力信
号から、周期性雑音を除去することができる周波数雑音
除去装置を提供することにある。
複数の無信号区間を有し、周期性雑音の重畳した入力信
号から、周期性雑音を除去することができる周波数雑音
除去装置を提供することにある。
【００１１】具体的には、交流電源のハムノイズの重畳
した音声信号から、ハムノイズを除去した音声信号を得
ることにある。
した音声信号から、ハムノイズを除去した音声信号を得
ることにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも一つの無信号区間を有し、かつ周期性雑音の重畳し
た入力信号から、前記周期性雑音を除去する周期性雑音
除去装置において、前記入力信号の有信号区間と前記無
信号区間とを判別する無信号区間検出部と、前記無信号
区間において前記入力信号に含まれる周期性雑音の雑音
モデルを仮定して該雑音モデルのパラメータを推定する
雑音推定部と、前記推定された雑音モデルのパラメータ
から周期性雑音を再生する雑音再生部と、前記入力信号
から前記再生された周期性雑音を減算する雑音除去部と
を有し、前記雑音推定部が、前記雑音モデルを複数の正
弦波の和として、各々の正弦波の周波数と位相と振幅と
を推定し、前記雑音推定部は、最初に一つの波形の基本
周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に対
しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍としてパラ
メータを推定することを特徴とする周期性雑音除去装置
が得られる。
とも一つの無信号区間を有し、かつ周期性雑音の重畳し
た入力信号から、前記周期性雑音を除去する周期性雑音
除去装置において、前記入力信号の有信号区間と前記無
信号区間とを判別する無信号区間検出部と、前記無信号
区間において前記入力信号に含まれる周期性雑音の雑音
モデルを仮定して該雑音モデルのパラメータを推定する
雑音推定部と、前記推定された雑音モデルのパラメータ
から周期性雑音を再生する雑音再生部と、前記入力信号
から前記再生された周期性雑音を減算する雑音除去部と
を有し、前記雑音推定部が、前記雑音モデルを複数の正
弦波の和として、各々の正弦波の周波数と位相と振幅と
を推定し、前記雑音推定部は、最初に一つの波形の基本
周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に対
しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍としてパラ
メータを推定することを特徴とする周期性雑音除去装置
が得られる。
【００１３】また、本発明によれば、少なくとも一つの
無信号区間を有し、かつ周期性雑音の重畳した入力信号
から、前記周期性雑音を除去する周期性雑音除去方法に
おいて、前記入力信号の有信号区間と前記無信号区間と
を判別するステップと、前記無信号区間において前記入
力信号に含まれる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該
雑音モデルのパラメータを推定するステップと、前記推
定された雑音モデルのパラメータから周期性雑音を再生
するステップと、前記入力信号から前記再生された周期
性雑音を減算するステップとを含み、前記雑音を推定す
るステップが、前記雑音モデルを複数の正弦波の和とし
て、各々の正弦波の周波数と位相と振幅とを推定し、前
記雑音を推定するステップが、最初に一つの波形の基本
周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に対
しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍としてパラ
メータを推定することを特徴とする周期性雑音除去方法
が得られる。
無信号区間を有し、かつ周期性雑音の重畳した入力信号
から、前記周期性雑音を除去する周期性雑音除去方法に
おいて、前記入力信号の有信号区間と前記無信号区間と
を判別するステップと、前記無信号区間において前記入
力信号に含まれる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該
雑音モデルのパラメータを推定するステップと、前記推
定された雑音モデルのパラメータから周期性雑音を再生
するステップと、前記入力信号から前記再生された周期
性雑音を減算するステップとを含み、前記雑音を推定す
るステップが、前記雑音モデルを複数の正弦波の和とし
て、各々の正弦波の周波数と位相と振幅とを推定し、前
記雑音を推定するステップが、最初に一つの波形の基本
周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に対
しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍としてパラ
メータを推定することを特徴とする周期性雑音除去方法
が得られる。
【００１４】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【００１５】図１に本発明の第１の実施の形態による周
期性雑音除去装置の構成を示す。図示の周期性雑音除去
装置は、無信号区間推定部１１と、雑音推定部１２と、
雑音再生部１３と、波形減残部１４とを有する。
期性雑音除去装置の構成を示す。図示の周期性雑音除去
装置は、無信号区間推定部１１と、雑音推定部１２と、
雑音再生部１３と、波形減残部１４とを有する。
【００１６】無信号区間推定部１１は入力信号か無信号
区間を推定する。ここでいう「無信号区間」とは、信号
の振幅が０である区間を意味するものではなく、目的と
する信号の存在しない区間を指している。例えば、入力
信号が音声信号であれば、発生の行われていない、雑音
信号のみが存在する区間のことである。これには、入力
信号の短時間平均パワーが閾値を下回る部分を無信号区
間と推定するなどの方法がある。
区間を推定する。ここでいう「無信号区間」とは、信号
の振幅が０である区間を意味するものではなく、目的と
する信号の存在しない区間を指している。例えば、入力
信号が音声信号であれば、発生の行われていない、雑音
信号のみが存在する区間のことである。これには、入力
信号の短時間平均パワーが閾値を下回る部分を無信号区
間と推定するなどの方法がある。
【００１７】雑音推定部１２は、入力信号のうち、無信
号区間推定部１１で無信号区間であると推定された部分
列から、予め設定された雑音モデルに従って特性（パタ
メータ）を推定する。雑音モデルは単一の波形形状、ま
たはそれを表す数学モデルでも良いし、それらの複数の
うちから選択するようになっていても良い。複数から選
択する場合は、その選択項目自体のパラメータの一つと
なる。
号区間推定部１１で無信号区間であると推定された部分
列から、予め設定された雑音モデルに従って特性（パタ
メータ）を推定する。雑音モデルは単一の波形形状、ま
たはそれを表す数学モデルでも良いし、それらの複数の
うちから選択するようになっていても良い。複数から選
択する場合は、その選択項目自体のパラメータの一つと
なる。
【００１８】雑音再生部１３は、推定されたパタメータ
から、雑音モデルに従って周期性雑音を再生する。ここ
でパラメータとしては、例えば、基本周期（周波数）、
基本周期分の波形形状、振幅、位相を組にする。また、
別のパラメータの例として、基本周期、基本周期分の周
波数特性の時系列、振幅、位相の組でも良い。更に別の
パタメータの例として、基本的な波形形状の種類（正弦
波、矩形波、三角波など）、その形状の決めるパラメー
タ（例えば矩形波の場合はデューティ比）、基本周期、
振幅、位相の組を用いても良い。ここで再生された雑音
は、無信号区間推定部１１で有信号信区間であると推定
された部分に対しても継続して存在するものとする。
から、雑音モデルに従って周期性雑音を再生する。ここ
でパラメータとしては、例えば、基本周期（周波数）、
基本周期分の波形形状、振幅、位相を組にする。また、
別のパラメータの例として、基本周期、基本周期分の周
波数特性の時系列、振幅、位相の組でも良い。更に別の
パタメータの例として、基本的な波形形状の種類（正弦
波、矩形波、三角波など）、その形状の決めるパラメー
タ（例えば矩形波の場合はデューティ比）、基本周期、
振幅、位相の組を用いても良い。ここで再生された雑音
は、無信号区間推定部１１で有信号信区間であると推定
された部分に対しても継続して存在するものとする。
【００１９】波形減算部１４は、再生された雑音を入力
信号から減算することで、入力信号から周期性雑音成分
を除去する。
信号から減算することで、入力信号から周期性雑音成分
を除去する。
【００２０】図２に図１に示した周期性雑音除去装置の
各部の波形を示す。図１において、第１行目に入力信号
を図示している。無信号区間推定部１１は、この入力信
号から無信号区間を図２の第１行目に示すように推定す
る。図２の第２行目にその推定された無信号区間を拡大
したものを示す。雑音推定部１２はこの無信号区間から
周期性雑音のパラメータを推定する。このパラメータに
基づいて、雑音再生部１３は図２の第３行目および第４
行目に示すように周期性雑音を再生する。波形減算部１
４は、図２の第４行目に示す再生された周期性雑音を図
２の第１行目に示す入力信号を減算して、図２の第５行
目に示すような、周期性雑音の除去された出力信号を得
る。
各部の波形を示す。図１において、第１行目に入力信号
を図示している。無信号区間推定部１１は、この入力信
号から無信号区間を図２の第１行目に示すように推定す
る。図２の第２行目にその推定された無信号区間を拡大
したものを示す。雑音推定部１２はこの無信号区間から
周期性雑音のパラメータを推定する。このパラメータに
基づいて、雑音再生部１３は図２の第３行目および第４
行目に示すように周期性雑音を再生する。波形減算部１
４は、図２の第４行目に示す再生された周期性雑音を図
２の第１行目に示す入力信号を減算して、図２の第５行
目に示すような、周期性雑音の除去された出力信号を得
る。
【００２１】本発明の第２の実施の形態では、雑音推定
部１２において、周期性雑音は正弦波であると仮定す
る。これは、電源ハムなどに特に有効な仮定である。
部１２において、周期性雑音は正弦波であると仮定す
る。これは、電源ハムなどに特に有効な仮定である。
【００２２】最初に、無信号区間の入力信号をｓ（ｎ）
（０≦ｎ≦Ｎ）とする。また、正弦波の角周波数の概略
値を既知として、ω0 とする。この値は、例えば、国内
の電源ハムの場合は５０Ｈｚまたは６０Ｈｚである。
（０≦ｎ≦Ｎ）とする。また、正弦波の角周波数の概略
値を既知として、ω0 とする。この値は、例えば、国内
の電源ハムの場合は５０Ｈｚまたは６０Ｈｚである。
【００２３】下記の数１に示す、角周波数の近傍二点ω
L ，ωU （ωL ＜ω0 ＜ωU ）を定める。この時、推定
したい周期性雑音を正弦波とみなした時の角周波数ωが
ωL＜ω＜ωU となるように、幅Δωを選ぶ。
L ，ωU （ωL ＜ω0 ＜ωU ）を定める。この時、推定
したい周期性雑音を正弦波とみなした時の角周波数ωが
ωL＜ω＜ωU となるように、幅Δωを選ぶ。
【００２４】
【数１】 角周波数ωL 、ω0 、ωU におけるコサインのフーリエ
係数Ａ（ωL ）、Ａ（ω0 ）、Ａ（ωU ）を下記の数２
に従って求める。
係数Ａ（ωL ）、Ａ（ω0 ）、Ａ（ωU ）を下記の数２
に従って求める。
【００２５】
【数２】 ωL 、ω0 、ωU 、Ａ（ωL ）、Ａ（ω0 ）、Ａ
（ωU ）から、下記の数３に示すように、ラグランジュ
の補間法を用いてＡ（ω）が最大値Ａ（ω1c）を取る角
周波数ω1cを求め、これを正弦波の角周波数の推定値と
する。
（ωU ）から、下記の数３に示すように、ラグランジュ
の補間法を用いてＡ（ω）が最大値Ａ（ω1c）を取る角
周波数ω1cを求め、これを正弦波の角周波数の推定値と
する。
【００２６】
【数３】 ここで、コサインのフーリエ係数の代わりに、下記の数
４で表される、サインのフーリエ係数Ｂ（ωL ）、Ｂ
（ω0 ）、Ｂ（ωU ）を用いて、Ｂ（ω）が最大値Ｂ
（ω1s）を取る角周波数ω1sを前記正弦波の角周波数の
推定値としても良い。
４で表される、サインのフーリエ係数Ｂ（ωL ）、Ｂ
（ω0 ）、Ｂ（ωU ）を用いて、Ｂ（ω）が最大値Ｂ
（ω1s）を取る角周波数ω1sを前記正弦波の角周波数の
推定値としても良い。
【００２７】
【数４】 また、入力が正弦波であるという仮定からずれている場
合、前述した角周波数ω1cとω1sは必ずしも一致しな
い。その場合、ω1cとω1sのどちらか一方、あるいはそ
れらの平均値ω1 を前記正弦波の角周波数の推定値とし
ても良い。以下では、このいづれを採用するかに関わら
ず、正弦波の角周波数の推定値としてω1の記法を用い
る。
合、前述した角周波数ω1cとω1sは必ずしも一致しな
い。その場合、ω1cとω1sのどちらか一方、あるいはそ
れらの平均値ω1 を前記正弦波の角周波数の推定値とし
ても良い。以下では、このいづれを採用するかに関わら
ず、正弦波の角周波数の推定値としてω1の記法を用い
る。
【００２８】次に、角周波数ω1 におけるコサインとサ
インのフーリエ係数Ａ（ω1 ）、Ｂ（ω1 ）を求める。
推定された周期性雑音の角周波数ω1 、コサインとサイ
ンのフーリエ係数Ａ（ω1 ）、Ｂ（ω1 ）から前記仮定
された正弦波は一意に決定できる。従って、本第２の実
施の形態では、雑音再生部１２は下記の数５にように雑
音ｎ（ｔ）を再生する。
インのフーリエ係数Ａ（ω1 ）、Ｂ（ω1 ）を求める。
推定された周期性雑音の角周波数ω1 、コサインとサイ
ンのフーリエ係数Ａ（ω1 ）、Ｂ（ω1 ）から前記仮定
された正弦波は一意に決定できる。従って、本第２の実
施の形態では、雑音再生部１２は下記の数５にように雑
音ｎ（ｔ）を再生する。
【００２９】
【数５】 図３を参照すると、本発明の第３の実施の形態に係る周
期性雑音除去装置は、波形形状入力部１５を有し、雑音
推定部および雑音再生部が後述するように変形されてい
る点を除いて、図１に示したものと同様の構成を有す
る。従って、雑音推定部および雑音再生部にそれぞれ参
照１２Ａおよび１３Ａを付すと共に、図１に示したもの
と同様の機能を有するものには同一の参照を付して、説
明の簡略化するためにそれらの説明を省略する。
期性雑音除去装置は、波形形状入力部１５を有し、雑音
推定部および雑音再生部が後述するように変形されてい
る点を除いて、図１に示したものと同様の構成を有す
る。従って、雑音推定部および雑音再生部にそれぞれ参
照１２Ａおよび１３Ａを付すと共に、図１に示したもの
と同様の機能を有するものには同一の参照を付して、説
明の簡略化するためにそれらの説明を省略する。
【００３０】波形形状入力部１５は波形形状を入力す
る。波形形状としては、正弦波、三角波、矩形波などの
波形の種類、もしくはその混合を与える。
る。波形形状としては、正弦波、三角波、矩形波などの
波形の種類、もしくはその混合を与える。
【００３１】雑音推定部１２Ａは、波形形状入力部１５
から入力された波形形状、およびパタメータ種別に基づ
いて、その波形で最適な波形の波形の周波数と振幅、位
相を最尤推定によって決定する。
から入力された波形形状、およびパタメータ種別に基づ
いて、その波形で最適な波形の波形の周波数と振幅、位
相を最尤推定によって決定する。
【００３２】波形形状入力部１５は、波形形状の他に、
波形の形状を決定するパラメータを同時に入力しても良
い。
波形の形状を決定するパラメータを同時に入力しても良
い。
【００３３】図４に波形形状入力部１５の入力画面を示
す。ここでは、波形形状として矩形波を入力し、また矩
形波のパラメータαとして０．３を入力している。この
パラメータαは、図５に示すように、矩形波のデューテ
ィ比を与える。雑音推定部１２Ａは、入力信号に基づい
て、波形形状入力部１５から入力された矩形波の周波
数、振幅、位相の最適な推定値を求める。雑音再生部１
３Ａは、波形形状入力部１５から入力されてれた波形形
状に基づいて、雑音推定部１２Ａで推定された周期性雑
音を再生する。
す。ここでは、波形形状として矩形波を入力し、また矩
形波のパラメータαとして０．３を入力している。この
パラメータαは、図５に示すように、矩形波のデューテ
ィ比を与える。雑音推定部１２Ａは、入力信号に基づい
て、波形形状入力部１５から入力された矩形波の周波
数、振幅、位相の最適な推定値を求める。雑音再生部１
３Ａは、波形形状入力部１５から入力されてれた波形形
状に基づいて、雑音推定部１２Ａで推定された周期性雑
音を再生する。
【００３４】図６を参照すると、本発明の第４の実施の
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、雑
音推定部と雑音再生部を並列に各々複数備えている点を
除いて、図１に示したものと同様の構成を有する。すな
わち、第４の実施の形態では、入力信号中の周期性雑音
が、数が既知の複数の波形の和であると仮定している。
但し、図示の例は、入力信号中の周期性雑音が２つの波
形の和であると仮定した例を示している。従って、第４
の実施の形態では、雑音推定部として第１および第２の
雑音推定部１２−１および１２−２を備え、雑音再生部
として第１および第２の雑音再生部１３−１および１３
−２を備えている。
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、雑
音推定部と雑音再生部を並列に各々複数備えている点を
除いて、図１に示したものと同様の構成を有する。すな
わち、第４の実施の形態では、入力信号中の周期性雑音
が、数が既知の複数の波形の和であると仮定している。
但し、図示の例は、入力信号中の周期性雑音が２つの波
形の和であると仮定した例を示している。従って、第４
の実施の形態では、雑音推定部として第１および第２の
雑音推定部１２−１および１２−２を備え、雑音再生部
として第１および第２の雑音再生部１３−１および１３
−２を備えている。
【００３５】第１の雑音推定部１２−１は、上述した第
１乃至第３の実施の形態で説明したいずれかの方法で、
入力信号から第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再
生部１３−１はこの第１の雑音推定部１２−１で推定さ
れた第１の周期性雑音を再生する。同様に、第２の雑音
推定部１２−２は、上述した第１乃至第３の実施の形態
で説明したいずれかの方法で、入力信号から第２の周期
性雑音を推定し、第２の雑音再生部１３−２はこの第２
の雑音推定部１２−２で推定された第２の周期性雑音を
再生する。ただし、第１の雑音推定部１２−１と第２の
雑音推定部１２−２で推定された第１および第２の周期
性雑音の周期は、それぞれ異なるものとする。波形減算
部１４は、入力信号から、第１および第２の雑音再生部
１３−１および１３−２で再生された第１および第２の
周期性雑音を減算する。
１乃至第３の実施の形態で説明したいずれかの方法で、
入力信号から第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再
生部１３−１はこの第１の雑音推定部１２−１で推定さ
れた第１の周期性雑音を再生する。同様に、第２の雑音
推定部１２−２は、上述した第１乃至第３の実施の形態
で説明したいずれかの方法で、入力信号から第２の周期
性雑音を推定し、第２の雑音再生部１３−２はこの第２
の雑音推定部１２−２で推定された第２の周期性雑音を
再生する。ただし、第１の雑音推定部１２−１と第２の
雑音推定部１２−２で推定された第１および第２の周期
性雑音の周期は、それぞれ異なるものとする。波形減算
部１４は、入力信号から、第１および第２の雑音再生部
１３−１および１３−２で再生された第１および第２の
周期性雑音を減算する。
【００３６】図７を参照すると、本発明の第５の実施の
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、雑
音推定部、雑音再生部および波形減算部を１つのユニッ
トとして複数段縦続接続した点を除いて、図１に示した
ものと同様の構成を有する。図示の例は、雑音推定部、
雑音再生部および波形減算部から成るユニットを２段縦
続接続した例を示している。従って、第５の実施の形態
では、雑音推定部として第１および第２の雑音推定部１
２−１および１２−２を備え、雑音再生部として第１お
よび第２の雑音再生部１３−１および１３−２を備え、
波形減算部として第１および第２の波形減算部１４−１
および１４−２を備えている。
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、雑
音推定部、雑音再生部および波形減算部を１つのユニッ
トとして複数段縦続接続した点を除いて、図１に示した
ものと同様の構成を有する。図示の例は、雑音推定部、
雑音再生部および波形減算部から成るユニットを２段縦
続接続した例を示している。従って、第５の実施の形態
では、雑音推定部として第１および第２の雑音推定部１
２−１および１２−２を備え、雑音再生部として第１お
よび第２の雑音再生部１３−１および１３−２を備え、
波形減算部として第１および第２の波形減算部１４−１
および１４−２を備えている。
【００３７】第１の雑音推定部１２−１は、上述した第
１乃至第３の実施の形態で説明したいずれかの方法で、
入力信号から第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再
生部１３−１はこの第１の雑音推定部１２−１で推定さ
れた第１の周期性雑音を再生する。第１の波形減算部１
４−１は、入力信号から、第１の雑音再生部１３−１で
再生された第１の周期性雑音を減算する。
１乃至第３の実施の形態で説明したいずれかの方法で、
入力信号から第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再
生部１３−１はこの第１の雑音推定部１２−１で推定さ
れた第１の周期性雑音を再生する。第１の波形減算部１
４−１は、入力信号から、第１の雑音再生部１３−１で
再生された第１の周期性雑音を減算する。
【００３８】引き続いて、第２の雑音推定部１２−２
は、上述した第１乃至第３の実施の形態で説明したいず
れかの方法で、第１の波形減算部１４−１の出力信号か
ら第２の周期性雑音を推定し、第２の雑音再生部１３−
２はこの第２の雑音推定部１２−２で推定された第２の
周期性雑音を再生する。第２の波形減算部１４−１は、
第１の波形減算部１４−１の出力信号から、第２の雑音
再生部１３−２で再生された第２の周期性雑音を減算す
る。
は、上述した第１乃至第３の実施の形態で説明したいず
れかの方法で、第１の波形減算部１４−１の出力信号か
ら第２の周期性雑音を推定し、第２の雑音再生部１３−
２はこの第２の雑音推定部１２−２で推定された第２の
周期性雑音を再生する。第２の波形減算部１４−１は、
第１の波形減算部１４−１の出力信号から、第２の雑音
再生部１３−２で再生された第２の周期性雑音を減算す
る。
【００３９】図８を参照すると、本発明の第６の実施の
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、波
形形状入力部、雑音推定部および雑音再生部を並列に各
々複数備えている点を除いて、図３に示したものと同様
の構成を有する。すなわち、第６の実施の形態では、入
力信号中の周期性雑音が、数が既知の複数の波形の和で
あると仮定している。但し、図示の例は、入力信号中の
周期性雑音が２つの波形の和であると仮定した例を示し
ている。従って、第６の実施の形態では、波形形状入力
部として第１および第２の波形形状入力部１５−１およ
び１５−２を備え、雑音推定部として第１および第２の
雑音推定部１２Ａ−１および１２Ａ−２を備え、雑音再
生部として第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１およ
び１３Ａ−２を備えている。
形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、波
形形状入力部、雑音推定部および雑音再生部を並列に各
々複数備えている点を除いて、図３に示したものと同様
の構成を有する。すなわち、第６の実施の形態では、入
力信号中の周期性雑音が、数が既知の複数の波形の和で
あると仮定している。但し、図示の例は、入力信号中の
周期性雑音が２つの波形の和であると仮定した例を示し
ている。従って、第６の実施の形態では、波形形状入力
部として第１および第２の波形形状入力部１５−１およ
び１５−２を備え、雑音推定部として第１および第２の
雑音推定部１２Ａ−１および１２Ａ−２を備え、雑音再
生部として第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１およ
び１３Ａ−２を備えている。
【００４０】第１および第２の波形形状入力部１５−１
および１５−２は、それぞれ、第１および第２の波形形
状を入力する。第１および第２の雑音推定部１２Ａ−１
および１２Ａ−２は、ぞれぞれ、入力された第１および
第２の波形形状に従って雑音のパラメータを推定する。
第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１および１３Ａ−
２は、それぞれ、第１および第２の波形形状入力部１５
−１および１５−２から入力された第１および第２の波
形形状に基づいて、第１および第２の雑音推定部１２Ａ
−１および１２Ａ−２で推定された第１および第２の周
期性雑音を再生する。波形減算部１４は、入力信号か
ら、第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１および１３
Ａ−２で再生された第１および第２の周期性雑音を減算
する。
および１５−２は、それぞれ、第１および第２の波形形
状を入力する。第１および第２の雑音推定部１２Ａ−１
および１２Ａ−２は、ぞれぞれ、入力された第１および
第２の波形形状に従って雑音のパラメータを推定する。
第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１および１３Ａ−
２は、それぞれ、第１および第２の波形形状入力部１５
−１および１５−２から入力された第１および第２の波
形形状に基づいて、第１および第２の雑音推定部１２Ａ
−１および１２Ａ−２で推定された第１および第２の周
期性雑音を再生する。波形減算部１４は、入力信号か
ら、第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１および１３
Ａ−２で再生された第１および第２の周期性雑音を減算
する。
【００４１】図９に上記第６の実施の形態における実際
の波形の関係を示す。ここでは、第１の波形形状入力部
１５−１において入力された第１の波形形状を、図９の
第２行目の如く、入力された波形１で図示し、第２の波
形形状入力部１５−２において入力された第２の波形形
状を、図９の第４行目の如く、入力された波形２で図示
している。第１の雑音推定部１２Ａ−１は、入力された
波形１に対して、推定したい第１の雑音波形にフィット
する最適な基本周期、振幅、位相を前述した第３の実施
の形態と同様に求め、第１の雑音再生部１３Ａ−１は図
９の第３行目に示すような雑音１を再生する。同様に、
第２の雑音推定部１２Ａ−２は、入力された波形２に対
して、推定したい第２の雑音波形にフィットする最適な
基本周期、振幅、位相を前述した第３の実施の形態と同
様に求め、第２の雑音再生部１３Ａ−２は図９の第５行
目に示すような雑音２を再生する。波形減算部１４は、
入力信号から、これら２つの雑音１および雑音２（すな
わち、図９の第１行目に図示した推定したい雑音波形）
を減算する。
の波形の関係を示す。ここでは、第１の波形形状入力部
１５−１において入力された第１の波形形状を、図９の
第２行目の如く、入力された波形１で図示し、第２の波
形形状入力部１５−２において入力された第２の波形形
状を、図９の第４行目の如く、入力された波形２で図示
している。第１の雑音推定部１２Ａ−１は、入力された
波形１に対して、推定したい第１の雑音波形にフィット
する最適な基本周期、振幅、位相を前述した第３の実施
の形態と同様に求め、第１の雑音再生部１３Ａ−１は図
９の第３行目に示すような雑音１を再生する。同様に、
第２の雑音推定部１２Ａ−２は、入力された波形２に対
して、推定したい第２の雑音波形にフィットする最適な
基本周期、振幅、位相を前述した第３の実施の形態と同
様に求め、第２の雑音再生部１３Ａ−２は図９の第５行
目に示すような雑音２を再生する。波形減算部１４は、
入力信号から、これら２つの雑音１および雑音２（すな
わち、図９の第１行目に図示した推定したい雑音波形）
を減算する。
【００４２】図１０を参照すると、本発明の第７の実施
の形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、
波形形状入力部、雑音推定部、雑音再生部および波形減
算部を１つのユニットとして複数段縦続接続した点を除
いて、図３に示したものと同様の構成を有する。図示の
例は、波形形状入力部、雑音推定部、雑音再生部および
波形減算部から成るユニットを２段縦続接続した例を示
している。従って、第５の実施の形態では、波形形状入
力部として第１および第２の波形形状入力部１５−１お
よび１５−２を備え、雑音推定部として第１および第２
の雑音推定部１２Ａ−１および１２Ａ−２を備え、雑音
再生部として第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１お
よび１３Ａ−２を備え、波形減算部として第１および第
２の波形減算部１４−１および１４−２を備えている。
の形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、
波形形状入力部、雑音推定部、雑音再生部および波形減
算部を１つのユニットとして複数段縦続接続した点を除
いて、図３に示したものと同様の構成を有する。図示の
例は、波形形状入力部、雑音推定部、雑音再生部および
波形減算部から成るユニットを２段縦続接続した例を示
している。従って、第５の実施の形態では、波形形状入
力部として第１および第２の波形形状入力部１５−１お
よび１５−２を備え、雑音推定部として第１および第２
の雑音推定部１２Ａ−１および１２Ａ−２を備え、雑音
再生部として第１および第２の雑音再生部１３Ａ−１お
よび１３Ａ−２を備え、波形減算部として第１および第
２の波形減算部１４−１および１４−２を備えている。
【００４３】すなわち、この第７の実施の形態は、図７
を参照して説明した第５の実施の形態と同様に、推定し
た雑音を順に消去しながら、複数（図示の例では２つ）
の波形形状にかかるパラメータを推定している。
を参照して説明した第５の実施の形態と同様に、推定し
た雑音を順に消去しながら、複数（図示の例では２つ）
の波形形状にかかるパラメータを推定している。
【００４４】図１１を参照すると、本発明の第８の実施
の形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、
第１および第２の雑音推定部が変形された点を除いて図
７に示したもとの同様の構成を有する。したがって、第
１および第２の雑音推定部にそれぞれ参照符号１２Ｂ−
１および１２Ｂ−２を付してある。ここでは例として、
入力信号中の周期性雑音が２つの波形の和であると仮定
している。
の形態に係る周期性雑音除去装置は、後述するように、
第１および第２の雑音推定部が変形された点を除いて図
７に示したもとの同様の構成を有する。したがって、第
１および第２の雑音推定部にそれぞれ参照符号１２Ｂ−
１および１２Ｂ−２を付してある。ここでは例として、
入力信号中の周期性雑音が２つの波形の和であると仮定
している。
【００４５】第１の雑音推定部１２Ｂ−１は、上述した
第１乃至第３の実施の形態で述べた方法で、入力信号か
ら第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再生部１３−
１は第１の雑音推定部１２Ｂ−１で推定された周期性雑
音を再生する。ここで、第１の雑音推定部１３Ｂ−１で
推定された第１の周期性雑音の波形の角周波数ω1 を、
推定すべき波形の基本角周波数とする。
第１乃至第３の実施の形態で述べた方法で、入力信号か
ら第１の周期性雑音を推定し、第１の雑音再生部１３−
１は第１の雑音推定部１２Ｂ−１で推定された周期性雑
音を再生する。ここで、第１の雑音推定部１３Ｂ−１で
推定された第１の周期性雑音の波形の角周波数ω1 を、
推定すべき波形の基本角周波数とする。
【００４６】第２の雑音推定部１２Ｂ−２は、上記推定
された基本角周波数ω1 の、予め決められた整数係数倍
ｎω1 を角周波数とし、それ以外は上述した第１乃至第
３の実施の形態で述べた方法で、第１の波形減算部１４
−１の出力信号から、第１の周期性雑音の角周波数ω1
以外の第２の周期性雑音のパラメータを推定する。第２
の雑音再生部１３−２は第２の雑音推定部１２Ｂ−２で
推定された第２の周期性雑音を再生する。第２の波形減
算部１４−２は、第１の波形減算部１４−１の出力信号
から、第２の雑音再生部１３−２で再生された第２の周
期性雑音を減算する。
された基本角周波数ω1 の、予め決められた整数係数倍
ｎω1 を角周波数とし、それ以外は上述した第１乃至第
３の実施の形態で述べた方法で、第１の波形減算部１４
−１の出力信号から、第１の周期性雑音の角周波数ω1
以外の第２の周期性雑音のパラメータを推定する。第２
の雑音再生部１３−２は第２の雑音推定部１２Ｂ−２で
推定された第２の周期性雑音を再生する。第２の波形減
算部１４−２は、第１の波形減算部１４−１の出力信号
から、第２の雑音再生部１３−２で再生された第２の周
期性雑音を減算する。
【００４７】図１２および図１３を参照して、本発明の
第９の実施の形態に係る周期性雑音除去装置について説
明する。第９の実施の形態では、無信号区間推定部１１
において、無信号区間を二箇所検出する。この時の波形
を図１２に示す。ここで、検出された二つの無信号区間
を、それぞれ、図１２に示す時刻ｔ1 とｔ2 で代表する
（ｔ1 ＜ｔ2 ）。前述したように、周期性雑音を規定す
る角周波数は一定ではなく、時間とともに変動すると考
えられる。ここでは、時刻ｔ1 とｔ2 で代表される無信
号区間において、上述した実施の形態で説明した方法で
推定された雑音波形の角周波数をそれぞれω（ｔ1 ）、
ω（ｔ2 ）とする。この時、図１３に示すように、時刻
ｔにおける周期性雑音の角周波数ω（ｔ）を滑らかに補
間する。具体的には下記の数６に従って直線補間を行
う。
第９の実施の形態に係る周期性雑音除去装置について説
明する。第９の実施の形態では、無信号区間推定部１１
において、無信号区間を二箇所検出する。この時の波形
を図１２に示す。ここで、検出された二つの無信号区間
を、それぞれ、図１２に示す時刻ｔ1 とｔ2 で代表する
（ｔ1 ＜ｔ2 ）。前述したように、周期性雑音を規定す
る角周波数は一定ではなく、時間とともに変動すると考
えられる。ここでは、時刻ｔ1 とｔ2 で代表される無信
号区間において、上述した実施の形態で説明した方法で
推定された雑音波形の角周波数をそれぞれω（ｔ1 ）、
ω（ｔ2 ）とする。この時、図１３に示すように、時刻
ｔにおける周期性雑音の角周波数ω（ｔ）を滑らかに補
間する。具体的には下記の数６に従って直線補間を行
う。
【００４８】
【数６】 本発明は上述した実施の形態に限定せず、本発明の趣旨
を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能である。
例えば、入力信号に無信号区間が三箇所以上存在する場
合も、同様に代表する点を取って補間できる。また直線
補間でなく、スプライン補間を用いることも可能であ
る。さらに、推定された周期性雑音の角周波数だけでな
く、振幅、位相などの推定されたパラメータも同様に補
間することができる。
を逸脱しない範囲内で種々の変更・変形が可能である。
例えば、入力信号に無信号区間が三箇所以上存在する場
合も、同様に代表する点を取って補間できる。また直線
補間でなく、スプライン補間を用いることも可能であ
る。さらに、推定された周期性雑音の角周波数だけでな
く、振幅、位相などの推定されたパラメータも同様に補
間することができる。
【００４９】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、入力
信号から一つあるいは複数の無信号区間を判別し、判別
した無信号区間の入力信号から周期性雑音を推定し、推
定した周期性雑音を再生しているので、周期性雑音の重
畳した入力信号から周期性雑音を除去することが可能と
なる。このような入力信号には、例えば交流電源のハム
ノイズが重畳した音声信号があり、音声を収録する段階
でハムノイズを完全に除去できなかった場合でも、その
後の処理でハムノイズを実質的に完全に除去することが
可能となる。
信号から一つあるいは複数の無信号区間を判別し、判別
した無信号区間の入力信号から周期性雑音を推定し、推
定した周期性雑音を再生しているので、周期性雑音の重
畳した入力信号から周期性雑音を除去することが可能と
なる。このような入力信号には、例えば交流電源のハム
ノイズが重畳した音声信号があり、音声を収録する段階
でハムノイズを完全に除去できなかった場合でも、その
後の処理でハムノイズを実質的に完全に除去することが
可能となる。
【図１】本発明の第１の実施の形態による周波数雑音除
去装置を示すブロック図である。
去装置を示すブロック図である。
【図２】図１に図示した周波数雑音除去装置の各部の信
号波形を説明する波形図である。
号波形を説明する波形図である。
【図３】本発明の第３の実施の形態による周波数雑音除
去装置を示すブロック図である。
去装置を示すブロック図である。
【図４】図３に図示した周波数雑音除去装置に使用され
る波形形状入力部の入力画面例を示す図である。
る波形形状入力部の入力画面例を示す図である。
【図５】図４に図した波形パラメータを説明するための
図である。
図である。
【図６】本発明の第４の実施の形態による周波数雑音除
去装置を示すブロック図である。
去装置を示すブロック図である。
【図７】本発明の第５の実施の形態による周波数雑音除
去装置を示すブロック図である。
去装置を示すブロック図である。
【図８】本発明の第６の実施の形態による周波数雑音除
去装置を示すブロック図である。
去装置を示すブロック図である。
【図９】図８に図示した周波数雑音除去装置の動作を説
明するための各部の波形を示した波形図である。
明するための各部の波形を示した波形図である。
【図１０】本発明の第７の実施の形態による周波数雑音
除去装置を示すブロック図である。
除去装置を示すブロック図である。
【図１１】本発明の第８の実施の形態による周波数雑音
除去装置を示すブロック図である。
除去装置を示すブロック図である。
【図１２】本発明の第９の実施の形態による周波数雑音
除去装置における、波形と無信号区間を代表する時刻と
の関係を説明するための図である。
除去装置における、波形と無信号区間を代表する時刻と
の関係を説明するための図である。
【図１３】本発明の第９の実施の形態による周波数雑音
除去装置における、時刻と角周波数との関係を説明する
ための図である。
除去装置における、時刻と角周波数との関係を説明する
ための図である。
１１ 無信号区間推定部 １２，１２Ａ，１２−１，１２−２，１２Ａ−１，１２
Ａ−２，１２Ｂ−１，１２Ｂ−２ 雑音推定部 １３，１３Ａ，１３−１，１３−２，１３Ａ−１，１３
Ａ−２ 雑音再生部 １４，１４−１，１４−２ 波形減算部 １５，１５−１，１５−２ 波形形状入力部
Ａ−２，１２Ｂ−１，１２Ｂ−２ 雑音推定部 １３，１３Ａ，１３−１，１３−２，１３Ａ−１，１３
Ａ−２ 雑音再生部 １４，１４−１，１４−２ 波形減算部 １５，１５−１，１５−２ 波形形状入力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) H04B 1/10 - 1/12 H04B 15/00 - 15/06
Claims (10)
- 【請求項１】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去装置において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別する無信号区間
検出部と、前記無信号区間において前記入力信号に含ま
れる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルの
パラメータを推定する雑音推定部と、前記推定された雑
音モデルのパラメータから周期性雑音を再生する雑音再
生部と、前記入力信号から前記再生された周期性雑音を
減算する雑音除去部とを有し、 前記雑音推定部が、前記雑音モデルを複数の正弦波の和
として、各々の正弦波の周波数と位相と振幅とを推定
し、 前記雑音推定部は、最初に一つの波形の基本周波数と位
相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に対しては前記
一つの波形の基本周波数の整数倍としてパラメータを推
定することを特徴とする周期性雑音除去装置。 - 【請求項２】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去装置において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別する無信号区間
検出部と、前記無信号区間において前記入力信号に含ま
れる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルの
パラメータを推定する雑音推定部と、前記推定された雑
音モデルのパラメータから周期性雑音を再生する雑音再
生部と、前記入力信号から前記再生された周期性雑音を
減算する雑音除去部とを有し、 波形形状を入力するための入力部を更に備え、前記雑音
推定部が、前記入力部から入力された波形を前記雑音モ
デルとしてパラメータを推定することを特徴とする周期
性雑音除去装置。 - 【請求項３】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去装置において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別する無信号区間
検出部と、前記無信号区間において前記入力信号に含ま
れる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルの
パラメータを推定する雑音推定部と、前記推定された雑
音モデルのパラメータから周期性雑音を再生する雑音再
生部と、前記入力信号から前記 再生された周期性雑音を
減算する雑音除去部とを有し、 複数の波形形状を入力するための入力部を更に備え、前
記雑音推定部が、前記雑音モデルを前記入力部から入力
された複数の波形形状の和として、各々のパラメータを
推定することを特徴とする周期性雑音除去装置。 - 【請求項４】 前記雑音推定部は、最初に一つの波形の
基本周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数
に対しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍として
パラメータを推定することを特徴とする、請求項３に記
載の周期性雑音除去装置。 - 【請求項５】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去装置において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別する無信号区間
検出部と、前記無信号区間において前記入力信号に含ま
れる周期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルの
パラメータを推定する雑音推定部と、前記推定された雑
音モデルのパラメータから周期性雑音を再生する雑音再
生部と、前記入力信号から前記再生された周期性雑音を
減算する雑音除去部とを有し、 前記無信号区間検出部において少なくとも二箇所の分離
した無信号区間が検出された場合において、前記雑音推
定部は前記少なくとも二箇所の無信号区間において推定
したパラメータを滑らかに補間することを特徴とする周
期性雑音除去装置。 - 【請求項６】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去方法において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別するステップ
と、前記無信号区間において前記入力信号に含まれる周
期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルのパラメ
ータを推定するステップと、前記推定された雑音モデル
のパラメータから周期性雑音を再生するステップと、前
記入力信号から前記再生された周期性雑音を減算するス
テップとを含み、 前記雑音を推定するステップが、前記雑音モデルを複数
の正弦波の和として、各々の正弦波の周波数と位相と振
幅とを推定し、 前記雑音を推定するステップが、最初に一つの波形の基
本周波数と位相と振幅とを推定し、他の波形の周波数に
対しては前記一つの波形の基本周波数の整数倍としてパ
ラメータを推定することを特徴とする周期性雑音除去方
法。 - 【請求項７】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去方法において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別するステップ
と、前記無信号区間において前記入力信号に含まれる周
期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルのパラメ
ータを推定するステップと、前記推定された雑音モデル
のパラメータから周期性雑音を再生するステップと、前
記入力信号から前記再生された周期性雑音を減算するス
テップとを含み、 波形形状を入力するためのステップを更に備え、前記雑
音を推定するステップが、前記波形形状入力ステップか
ら入力された波形を前記雑音モデルとしてパラメータを
推定することを特徴とする周期性雑音除去方法。 - 【請求項８】 少なくとも一つの無信号区間を有し、か
つ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑音
を除去する周期性雑音除去方法において、前記入力信号
の有信号区間と前記無信号区間とを判別するステップ
と、前記無信号区間において前記入力信号に含まれる周
期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルのパラメ
ータを推定するステップと、前記推定された雑音モデル
のパラメータから周期性雑音を再生するステップと、前
記入力信号から前記再生された周期性雑音を減算するス
テップとを含み、 複数の波形形状を入力するためのステップを更に備え、
前記雑音を推定するステップが、前記雑音モデルを入力
された複数の波形形状の和として、各々のパラメータを
推定することを特徴とする周期性雑音除去方法。 - 【請求項９】 前記雑音を推定するステップは、最初に
一つの波形の基本周波数と位相と振幅とを推定し、他の
波形の周波数に対しては前記一つの波形の基本周波数の
整数倍としてパラメータを推定することを特徴とする、
請求項８に記載の周期性雑音除去方法。 - 【請求項１０】 少なくとも一つの無信号区間を有し、
かつ周期性雑音の重畳した入力信号から、前記周期性雑
音を除去する周期性雑音除去方法において、前記入力信
号の有信号区間と前記無信号区間とを判別するステップ
と、前記無信 号区間において前記入力信号に含まれる周
期性雑音の雑音モデルを仮定して該雑音モデルのパラメ
ータを推定するステップと、前記推定された雑音モデル
のパラメータから周期性雑音を再生するステップと、前
記入力信号から前記再生された周期性雑音を減算するス
テップとを含み、 前記無信号区間を判別するステップにおいて少なくとも
二箇所の分離した無信号区間が検出された場合におい
て、前記雑音を推定するステップは前記少なくとも二箇
所の無信号区間において推定したパラメータを滑らかに
補間することを特徴とする周期性雑音除去方法。
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|---|---|---|---|
| JP1429497A JP2998794B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 周期性雑音除去装置および周期性雑音除去方法 |
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|---|---|---|---|
| JP1429497A JP2998794B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 周期性雑音除去装置および周期性雑音除去方法 |
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| JPH10209889A JPH10209889A (ja) | 1998-08-07 |
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| JP1429497A Expired - Fee Related JP2998794B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 周期性雑音除去装置および周期性雑音除去方法 |
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Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| KR102207144B1 (ko) * | 2014-02-04 | 2021-01-25 | 한국전자통신연구원 | 통계적 기법을 이용하는 실환경 잡음 재생 방법 및 장치 |
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-
1997
- 1997-01-28 JP JP1429497A patent/JP2998794B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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| US7940863B2 (en) | 2005-09-26 | 2011-05-10 | Panasonic Electric Works Co., Ltd. | Radio receiving apparatus and radio receiving method |
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