JP3909529B2 - ディジタルフィルタ - Google Patents
ディジタルフィルタ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3909529B2 JP3909529B2 JP2004246168A JP2004246168A JP3909529B2 JP 3909529 B2 JP3909529 B2 JP 3909529B2 JP 2004246168 A JP2004246168 A JP 2004246168A JP 2004246168 A JP2004246168 A JP 2004246168A JP 3909529 B2 JP3909529 B2 JP 3909529B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filter
- transfer function
- signal
- noise shaping
- output
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H17/00—Networks using digital techniques
- H03H17/02—Frequency selective networks
- H03H17/04—Recursive filters
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H17/00—Networks using digital techniques
- H03H17/02—Frequency selective networks
- H03H17/0294—Variable filters; Programmable filters
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Computer Hardware Design (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Compression, Expansion, Code Conversion, And Decoders (AREA)
Description
本発明は、ディジタル信号処理システムにおいて用いられるディジタルフィルタに関する。
近年、音声処理や画像処理、通信、自動制御等の分野では、ディジタル信号処理システムが適用され、ディジタル演算によって目的の信号処理を行うことが可能なディジタルフィルタが広く用いられている。
更に、処理すべき信号をナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングするオーバーサンプリング(over sampling)技術と、量子化雑音(quantumized error)等を減少させるノイズシェーピング(noise shaping)技術と、ΔΣ変調方式(ΣΔ変調方式とも称される)等が注目され、これらのディジタル信号処理技術を適用したディジタルフィルタが提案されている。
例えば、ディジタルオーディオの分野では、非特許文献1において、これらオーバーサンプリング技術とノイズシェーピング技術及びΔΣ変調方式を適用した、図1に示すような構成から成るディジタルオーディオフィルタが提案されている。
このディジタルオーディオフィルタ1は、図2(a)に示すような、入力信号Xに対して目的のフィルタ特性を施してゲイン(利得)や位相特性等を調整するためのオーディオフィルタ部2と、加算器3と、ノイズシェーピング部4及び量子化部5とを有する一般的なディジタルオーディオフィルタの構成を基にして、その構成を改良したものであり、ナイキスト周波数より高い周波数でオーバーサンプリングされたPWM(Pulse Width Modulation)変調波やPDM(Pulse Density Modulation)変調波から成る1ビットストリーム形式のディジタルオーディオ信号を入力信号(以下「1ビット入力信号」と称する)Xとして入力すると共に、所定のディジタルフィルタリングを施した後、1ビットストリーム形式のディジタルオーディオ信号に再量子化して、その再量子化した信号を1ビット出力信号Yとして出力する構成としたものである。
すなわち、図1に示すディジタルオーディオフィルタ1は、n次(nは任意の自然数)のディジタルフィルタとして構成することが可能であるが、一例として5次のディジタルフィルタとした場合について提案されたものである。そして、互いに直列接続された積分器IG0〜IG4及び加算器SM0〜SM5と、係数器a〜f,A〜E,α〜εとによって、図2(a)に示すオーディオフィルタ部2と加算器3とノイズシェーピング部4に相当する構成を実現し、更に図2(a)に示す量子化部5に相当する比較器CPを設けた構成となっている。
そして、主として係数器a〜f,A〜Eの各々の係数値を調整することで、1ビット入力信号Xに対するフィルタ特性を設定すると共に、主として係数器α〜εの各々の係数値を調整することで、オーディオ帯域より高い周波数域に量子化雑音等の雑音成分を追い遣ることが可能、すなわちノイズシェーピングを施した1ビット出力信号Yを比較器CPから出力するようになっている。したがって、オーディオ帯域の上限に高域カットオフ周波数を有するローパスフィルタに1ビット出力信号Yを通せば、量子化雑音等の雑音成分を除去することが可能となっている。
かかる構成を有する従来のディジタルオーディオフィルタ1によると、図1に示す係数器a〜fは、1ビットのデータ列から成る1ビット入力信号Xに対して、多ビット(以下「マルチビット」と称する)のデータから成る係数値を乗算すればよく、更に係数器A〜Eも同様に、1ビットのデータ列から成る1ビット出力信号Yに対して、マルチビットのデータから成る係数値を乗算すればよいことから、各々の係数器a〜f,A〜Eをマルチビットデータ同士の乗算処理を行う乗算器で構成する必要がなくなり、構成要素の低減化及び全体構成の簡素化を図ることが可能となっている。
そして、例えば、CD(Compact Disc)等のストレージ媒体から読み出される1ビットストリーム形式の1ビット入力信号Xや、ΔΣ変調方式の1ビットA/D変換器によってアナログディジタル変換された1ビット入力信号Xに対してディジタルフィルタリングを施し、更に比較器CPで再量子化した1ビット出力信号Yを出力することにより、入出力信号X,Yを共に1ビットストリーム形式のまま処理することが可能なディジタルオーディオ信号処理システムを構築することを可能にしている。
N.M.CASEY and JAMES A.S.ANGUS."One Bit Digital Processing Audio Signals"Proc.Audio Eng. 95th AES Convention 1993, New York.
ところで、図1に示した従来のディジタルオーディオフィルタ1は、上述したように図2(a)に示した一般的なディジタルオーディオフィルタに相当するフィルタ特性を発揮させるように、構成に改良を加えたものであることから、この一般的なディジタルオーディオフィルタの伝達関数で表されるものである。
すなわち、1ビット入力信号Xをz平面上のX(z)、1ビット出力信号YをY(z)、図2(a)に示したオーディオフィルタ部2を伝達関数G(z)、ノイズシェーピング部4を伝達関数H(z)、量子化部5で混入する量子化雑音をQ(z)とすると、1ビット入力信号X(z)に対する1ビット出力信号Y(z)の関係は、次式(1)で表される。
ここで、上記式(1)を見ると、右辺第1項における1ビット入力信号X(z)に対する伝達関数は、オーディオフィルタ部2の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)との乗算及び除算(割り算)の関係で表され、右辺第2項における量子化雑音Q(z)に対する伝達関数は、ノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)による除算の関係で表されている。
したがって、第2項のノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)を調整等すると、オーディオフィルタ部2の伝達関数G(z)がその伝達関数H(z)の影響を受けて実質的に変化して、1ビット入力信号X(z)に対するオーディオフィルタ特性が変化する関係にあることを示している。
そして、これら第1項と第2項の伝達関数を実現すべく、図1に示した係数器a〜f,A〜E,α〜εが設けられていることから、これらの係数器a〜f,A〜E,α〜εの各々の係数値は、オーディオフィルタ部2の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)との両者に複雑に影響を及ぼし合うという特徴を有している。
このため、係数器a〜f,A〜Eの係数値と係数器α〜εの係数値とを各々別個に調整したのでは、実際には、オーディオフィルタ部2とノイズシェーピング部4の各々のフィルタ特性(周波数に対するゲインと位相等の特性)を所望の特性となるように設定することが難しく、係数器a〜f,A〜E,α〜εの全ての係数値間での影響を考慮しつつ総合的に調整しなければならないことから、調整や設計等の作業が極めて煩雑となるという問題があった。
具体的事例を述べれば、図2(b)に模式的に示すような所望の低域阻止特性を発揮するノイズシェーピング部4を設計しようとした場合、ノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)を調整して低域阻止特性を変更等すると、上記式(1)の関係から、変更した伝達関数H(z)の影響がオーディオフィルタ部2の伝達関数G(z)に及ぶこととなって、例えばオーディオフィルタ部2とノイズシェーピング部4とのカットオフ周波数や遮断特性等が変化してしまい、1ビット入力信号Xに対して悪影響を及ぼすという問題があった。
また、伝達関数G(z),H(z)に相当する所望のフィルタ特性を設定すべく、コンピュータ処理によるシミュレーションを行って、係数器a〜f,A〜E,α〜εの係数値を決定しようとしても、伝達関数G(z),H(z)の両者に影響を及ぼし合うこれら多数の係数値について最適化を行うには、膨大且つ長時間の処理が必要となり、更に、周波数に対するゲインと位相との関係で安定性に優れたディジタルオーディオフィルタ1を実現するためには、更なる膨大且つ長時間の処理が必要となるという問題があった。
本発明は、こうした従来の問題点に鑑みて成されたものであり、目的のフィルタ特性とノイズシェーピングのためのフィルタ特性とを個別独立に調整、設計等をすることが可能なディジタルフィルタと、その設計方法等を提供することを目的とする。
また、目的のフィルタ特性とノイズシェーピングのためのフィルタ特性とを個別独立に調整、設計等することが可能な簡易な構成を有するディジタルフィルタと、その設計方法等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタであって、目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタ手段と、前記主フィルタ手段の出力を再量子化して出力信号を出力する量子化手段と、前記主フィルタ手段の前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ手段と、前記量子化手段で生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピング手段と、前記入力信号と前記ノイズシェーピング手段の出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタ手段に供給する第1演算手段と、前記主フィルタ手段に供給される前記加算信号と副フィルタ手段の出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピング手段に供給する第2演算手段と、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のディジタルフィルタにおいて、前記ノイズシェーピング手段は、着脱自在に接続されるユニットで形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のディジタルフィルタにおいて、前記低域阻止フィルタの伝達関数は、任意の自然数nを次数とし、極に相当する係数pとを有する、z平面上の伝達関数(z−1)n/(z−p)nで表される構成からなることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタリングの方法であって、目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタ工程と、前記主フィルタ工程で生成される出力を再量子化して出力信号を出力する量子化工程と、前記主フィルタ工程における前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ工程と、前記量子化工程で生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピング工程と、前記入力信号と前記ノイズシェーピング工程で生成される出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタ工程に供給する第1演算工程と、前記主フィルタ工程に供給される前記加算信号と副フィルタ工程で生じる出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピング工程に供給する第2演算工程と、を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタを実現するコンピュータプログラムであって、目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタステップと、前記主フィルタステップで生成される出力を再量子化して出力信号を出力する量子化ステップと、前記主フィルタステップにおける前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタステップと、前記量子化ステップで生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピングステップと、前記入力信号と前記ノイズシェーピングステップで生じる出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタステップに供給する第1演算ステップと、前記主フィルタステップに供給される前記加算信号と副フィルタステップで生じる出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピングステップに供給する第2演算ステップと、を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタであって、入力される信号に対し目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有する主フィルタ手段と、前記主フィルタ手段の出力を再量子化して出力信号を出力する量子化手段と、前記出力信号をフィルタリングして出力する副フィルタ手段と、前記主フィルタ手段に入力される信号と前記フィルタ手段の出力との差を演算して差信号を出力する演算手段と、前記差信号をフィルタリングして出力するノイズシェーピング手段と、前記ノイズシェーピング手段の出力と前記入力信号とを加算して前記主フィルタ手段に供給する他の演算手段とを有するディジタルフィルタの設計方法において、前記主フィルタ手段の前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ手段を作成するステップと、量子化誤差を含む雑音成分が生じる周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を適宜に決定し、該低域阻止フィルタの伝達関数を1から減算することで前記ノイズシェーピング手段の伝達関数を作成するステップと、を備えることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のディジタルフィルタ設計方法において、前記ノイズシェーピング手段は、着脱自在に接続されるユニットで形成することを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項6または7に記載のディジタルフィルタ設計方法において、前記低域阻止フィルタの伝達関数は、任意の自然数nを次数とし、極に相当する係数pとを有する、z平面上の伝達関数(z−1)n/(z−p)nで表される構成からなることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のディジタルフィルタ設計方法において、前記低域阻止フィルタの伝達関数(z−1)n/(z−p)nを1から減算した形態の伝達関数K(z)に基づいて開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))を作成し、該開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))内の係数pをパラメータとして−1から+1の範囲内で変化させ、周波数に対するゲインと周波数に対する位相との関係に基づいて、位相余裕を有する前記開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))における係数pを決定し、該決定した係数pを適用して前記低域阻止フィルタの伝達関数を決定するステップを更に有することを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のディジタルフィルタ設計方法において、前記決定した低域阻止フィルタの伝達関数についての周波数に対するゲインの関係に基づいて、前記量子化誤差を含む雑音成分が生じる周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を決定するステップを更に有することを特徴とする。
発明を実施するための実施形態について、図3を参照して説明する。
図3は、この実施形態に係るディジタルフィルタの構成を表したブロック図である。
図3は、この実施形態に係るディジタルフィルタの構成を表したブロック図である。
同図において、このディジタルフィルタ10は、加算器11と、入力信号Xに対して目的のフィルタ特性を施すための伝達関数を有する主フィルタ部12と、量子化部13と、主フィルタ部12の逆伝達関数を有する副フィルタ部14と、減算器15と、ノイズシェーピング部16とを有して構成されている。
加算器11は、入力信号Xとノイズシェーピング部16から出力される帰還信号D5とを加算し、その加算した加算信号D1を主フィルタ部12と減算器15に供給する。
主フィルタ部12は、加算信号D1に対し、上述の伝達関数に基づいてディジタルフィルタリングを行うことにより、入力信号Xに対して目的のフィルタ特性を施した信号(以下「主フィルタ信号」と称する)D2を生成して出力する。
すなわち、主フィルタ部12は、入力信号Xに対して目的のフィルタ特性を施すための主たるフィルタであり、例えば入力信号Xに対して周波数特性を様々に調整しようとする場合にはイコライザによって形成され、また、入力信号Xをその周波数帯域において通過させようとする場合にはバンドパスフィルタによって形成され、入力信号Xの所定の高域成分を通過させようとする場合にはハイパスフィルタによって形成され、また、入力信号Xの所定の低域成分を通過させようとする場合にはローパスフィルタによって形成される等、設計仕様等の目的に合ったフィルタで形成されるものである。また、それらのフィルタの構成も適宜に決められるものである。
量子化部13は、主フィルタ信号D2を再量子化し、その再量子化した信号を出力信号Yとして出力する。
副フィルタ部14は、主フィルタ部12の逆伝達関数を有し、その逆伝達関数に基づいて出力信号Yをディジタルフィルタリングした信号(以下「副フィルタ信号」と称する)D3を出力する。
すなわち、主フィルタ部12の伝達関数をz平面上のG(z)で表すものとすると、副フィルタ部14は伝達関数G-1(z)を有するフィルタで形成され、この伝達関数G-1(z)に基づいて出力信号Y(z)をディジタルフィルタリングすることにより、Y(z)G-1(z)で表される副フィルタ信号D3(z)を出力する。
減算器15は、加算信号D1と副フィルタ信号D3との差を演算し、その差信号D4をノイズシェーピング部16に供給する。
ノイズシェーピング部16は、後述する所定の伝達関数K(z)を有しており、該伝達関数K(z)に基づいて差信号D4を演算処理することによって帰還信号D5を生成し、その帰還信号D5を加算器11へ帰還して入力信号Xと加算させる。なお、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)の詳細については、後述することとする。
そして、かかる構成を有するディジタルフィルタ10において、ナイキスト周波数より高い周波数fsでオーバーサンプリングされた入力信号Xが加算器11に供給されると、加算器11と主フィルタ部12、量子化部13、副フィルタ部14、減算器15及びノイズシェーピング部16は、オーバーサンプリングのサンプリング周期Ts(周波数fsの逆数)に同期してディジタル演算処理を行い、主フィルタ部12の伝達関数に基づいて入力信号Xに目的のフィルタリングを施して量子化部13から再量子化した出力信号Yを出力する。
更に、ノイズシェーピング部16によって所謂ノイズシェーピング機能が発揮されることにより、ノイズシェーピングを施した出力信号Yを量子化部13から出力させる。
すなわち、図2(b)を参照して説明すれば、主フィルタ部12によって例えばオーディオ帯域を通過帯域とするフィルタ特性を設定し、ノイズシェーピング部16によって所望の低域阻止特性を有するフィルタ特性を設定しておくと、量子化部13からは、量子化誤差等の雑音成分がオーディオ帯域より高い周波数域に追い遣られることとなる出力信号Yが出力される。したがって、オーディオ帯域の上限に高域カットオフ周波数を有するローパスフィルタ等に出力信号Yを通すと、量子化誤差等の雑音成分を除去したオーディオ信号を生成することができる。
次に、本実施形態のディジタルフィルタ10の特徴を説明する。
入力信号Xをz平面上のX(z)、出力信号YをY(z)、ノイズシェーピング部16から出力される帰還信号D5をD5(z)、主フィルタ部12の伝達関数をG(z)、量子化部13で混入する量子化雑音をQ(z)、副フィルタ部14の伝達関数をG-1(z)、ノイズシェーピング部16の伝達関数をK(z)で表すものとすると、出力信号Y(z)は次式(2)、帰還信号D5(z)は次式(3)で夫々表される。
入力信号Xをz平面上のX(z)、出力信号YをY(z)、ノイズシェーピング部16から出力される帰還信号D5をD5(z)、主フィルタ部12の伝達関数をG(z)、量子化部13で混入する量子化雑音をQ(z)、副フィルタ部14の伝達関数をG-1(z)、ノイズシェーピング部16の伝達関数をK(z)で表すものとすると、出力信号Y(z)は次式(2)、帰還信号D5(z)は次式(3)で夫々表される。
したがって、次式(2)(3)を纏めて帰還信号D5(z)の項を消去すると、入力信号X(z)に対する出力信号Y(z)の関係、すなわちディジタルフィルタ10の伝達関数は次式(4)で表される。
ここで、上記式(4)を見ると、右辺第1項に示されているように、入力信号X(z)には主フィルタ部12の伝達関数G(z)だけが乗算され、更に右辺第2項に示されているように、量子化雑音Q(z)にはノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)が乗算されている。
つまり、入力信号X(z)に対して所望のフィルタ特性を施すための主フィルタ部12の伝達関数G(z)と、量子化雑音Q(z)等の雑音成分をノイズシェーピングするためのノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)とがはっきり分かれており、このため、主フィルタ部12とノイズシェーピング部16を別個独立に調整、設計等することが可能となっている。
そして、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を決定する際、除去すべき量子化雑音Q(z)の生じる周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタを適宜に設計した後、その設計した低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を用いて、次式(5)の関係に基づいて、1からその伝達関数W(z)を減算することで得られる伝達関数(1−W(z))をノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)とするだけで、容易にノイズシェーピング部16を設計等することが可能である。
このように、本実施形態のディジタルフィルタ10は、主フィルタ部12の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を別個独立に設計等することができる構成となっているため、各々の伝達関数G(z),K(z)の次数や係数等のパラメータ相互間での影響を考慮する必要が無い。このため、従来技術で述べたような煩雑で手間のかかる設計等を行う必要が無くなり、容易に目的のフィルタ特性を有するディジタルフィルタを設計等することができる。
また、従来技術のディジタルフィルタ1では、前記式(1)で表したように、ノイズシェーピング部4の伝達関数H(z)とオーディオフィルタ部の伝達関数G(z)とを独立に分離できないことから、フィルタ特性が固定したディジタルフィルタを作成することはできても、入力信号Xに対して適宜にゲイン調整等を行うための所謂イコライザ等を実現することは困難であった。
これに対し、本実施例のディジタルフィルタ10では、主フィルタ部12の伝達関数G(z)と副フィルタ部13の伝達関数G-1(z)が、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)から独立した関係にあることから、それらの伝達関数G(z)とG-1(z)を調整さえすれば、所望のイコライザ特性を発揮させることができる。 このことから、本実施例のディジタルフィルタ10は、設計が容易というだけでなく、完成した後にフィルタ特性を適宜に調整することを可能とする所謂可変ディジタルフィルタとしても優れた機能を発揮するものである。
また、本実施例のディジタルフィルタ10は、主フィルタ部12の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)は、互いに独立の関係にあることから、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)だけを変更等するだけで、量子化雑音等の雑音成分に対するノイズシェーピングの特性を変更することができるという優れた機能を発揮するものである。
更に、以上の説明では入力信号Xと出力信号Yが、PWM変調波やPDM変調波から成る1ビットストリーム形式の信号であるか、マルチビットのデータ列から成る信号であるか述べていないが、本実施形態のディジタルフィルタ10は、入力信号Xと出力信号Yが共にマルチビットデータの信号または1ビットストリーム形式の信号である場合や、入力信号Xと出力信号Yの一方がマルチビットデータの信号で、他方が1ビットストリーム形式の信号である場合にも、適用可能である。
すなわち、加算器11、主フィルタ部12、量子化部13、副フィルタ部14、減算部15及びノイズシェーピング部16の各々の内部構成のうち、1ビットストリーム形式の信号をそのまま演算処理することが可能な構成部分については、1ビットストリーム形式の信号を演算する構成とし、マルチビットデータ同士を乗算などする必要がある構成部分については、いわゆる丸め誤差等が生じないようにビット長の長いデータを演算処理する構成とすればよい。
したがって、本実施形態のディジタルフィルタ10は、入力信号Xと出力信号Yが、PWM変調波やPDM変調波から成る1ビットストリーム形式の信号であるか、マルチビットデータであるかを問わず、適用可能である。
また、本実施形態のディジタルフィルタ10は、いわゆるディスクリート回路や集積回路装置(IC)を使用したハードウェア回路で実現することが可能であり、また、ディジタル演算を行うディジタルシグナルプロセッサ(DSP)やマイクロコンピュータシステムによって実現することも可能である。
次に、本実施形態のディジタルフィルタ10の設計方法について説明する。
なお、コンピュータシステムを使用してディジタルフィルタ10を設計する方法について説明することとする。
まず、図3に示した目的の伝達関数G(z)を有する主フィルタ部12を設計する。
次に、主フィルタ部12の伝達関数G(z)から、伝達関数G-1(z)を有する副フィルタ部14を設計する。
次に、主フィルタ部12の伝達関数G(z)から、伝達関数G-1(z)を有する副フィルタ部14を設計する。
次に、前記式(4)の右辺第2項に示した伝達関数(1−K(z))に相当する低域阻止フィルタを設計する。別言すると、例えば図2(b)に示したような低域阻止特性を発揮する低域阻止フィルタを実現しようとする場合、低域阻止特性を発揮し得るフィルタの構成を適宜に決めておき、そのフィルタの次数や係数などのパラメータを最適化すべくシミュレーションを行うことにより、目的の低域阻止特性を発揮する低域阻止フィルタを設計する。
そして、前記式(5)の関係に基づいて、その設計した低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を1から減算することにより、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)、すなわち、1−W(z)となる伝達関数K(z)を決定する。
次に、以上に説明した工程によって決定した伝達関数G(z),G-1(z),K(z)に基づいて、図3に示したように、主フィルタ部12と副フィルタ部14及びノイズシェーピング部16を実際の電子回路などで形成すると共に、加算器11と量子化部13及び減算器15を含めた配線などを行うことで、本実施形態のディジタルフィルタ10を完成する。
また、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)やマイクロコンピュータシステム等を用いて本実施形態のディジタルフィルタ10を実現する場合や、マイクロコンピュータシステム等に実行させるための所謂実行プログラムを実現する場合には、決定した伝達関数G(z),G-1(z),K(z)に基づいて、図3に示したブロック構成に相当するコンピュータプログラムを作成する。
このように、本実施形態のディジタルフィルタ10によれば、主フィルタ部12の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を別個独立に設計することができることから、設計方法も極めて容易で簡単にすることができる。
また、以上に説明した設計方法では、主フィルタ部12の伝達関数G(z)と副フィルタ部14の伝達関数G-1(z)を決定した後、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を決定することとしたが、そもそも本実施形態のディジタルフィルタ10は、伝達関数G(z),K(z)を別個独立に設計することを可能にする構成とした点に優れた特徴を有することから、これら伝達関数G(z),G-1(z)とK(z)の設計順序を問うものではなく、適宜の順序で設計することができる。
更に、電子機器に利用されるディジタルフィルタを設計する場合には、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を最初に設計しておけば、その後主フィルタ部12と副フィルタ部14の特性を変更したり調整などを行う場合でも、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を設計し直す必要がないという効果が得られる。
また、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を設計し直す必要がないことから、ノイズシェーピン部16を集積回路装置(IC)等で別個に形成して、いわゆるユニット化しておき、主フィルタ部12のフィルタ特性が異なる種々のディジタルフィルタを作成等する際に、そのユニット化したノイズシェーピン部16を加算器11と減算器15との間に接続するようにしてもよい。
このように、ノイズシェーピン部16をユニット化しておけば、ディジタルフィルタを設計するための汎用性に富んだ電子素子として、提供することが可能である。
次に、より具体的な実施例について、図4ないし図10を参照して説明する。なお、図4は、本実施例のオーディオ用ディジタルフィルタの構成を表したブロック図であり、図3と同一または相当する部分を同一符号で示している。
また、このディジタルフィルタ10は、所謂オーディオ用グラフィックイコライザであり、CDやDVD(Digital Versatil Disc)等のストレージ媒体から読み出された1ビットストリーム形式のディジタルオーディオ信号(1ビット入力信号)Xを入力し、目的のフィルタ特性を施した後、再量子化して1ビットストリーム形式の1ビット出力信号Yを出力する構成となっており、CDプレーヤや、DVDプレーヤや、D級アンプ等を介してスピーカを鳴動させるディジタルオーディオ機器等への利用が可能である。
図4を参照して、このディジタルフィルタ10の構成を説明すると、図3に示したディジタルフィルタと同様に、加算器11、主フィルタ部12、量子化部13、副フィルタ部14、減算器15及びノイズシェーピング部16とを有して構成されている。
ここで、加算器11は、1ビット入力信号Xとノイズシェーピング部16からのマルチビットの帰還信号D5とを加算し、マルチビットの加算信号D1を出力する。このように、加算器11は、1ビットストリーム形式の信号とマルチビットの信号を加算するだけなので、簡単な構成とすることができ、ディジタルフィルタ10の構成を簡素化するのに寄与している。
主フィルタ部12は、1ビット入力信号Xに対して目的のフィルタ特性を施すべく、次式(6)で表される伝達関数G(z)を有しており、加算信号D1を入力して主フィルタ信号D2を出力する。
なお、本実施例では、主フィルタ部12をグラフィックイコライザとしているが、設計仕様等に応じて、ローパスフィルタや、バンドパスフィルタや、ハイパスフィルタその他の各種のフィルタとすることは可能である。
量子化部13は、所定の閾値THDと主フィルタ信号D2とを比較する比較器で形成されており、閾値THDに対する主フィルタ信号D2のレベルの大小に応じて、論理値を“1”または“0”とする2値レベルから成る1ビットストリーム形式の1ビット出力信号Yを出力する。
副フィルタ部14は、伝達関数G(z)の逆伝達関数G-1(z)を有し、1ビット出力信号Yをフィルタリングして、副フィルタ信号D3を出力する。すなわち、副フィルタ部14は、次式(7)で表される伝達関数G-1(z)を有している。
ここで、上記式(7)の係数b1,b2,a0h,a1h,a2hは、伝達関数G(z)から逆伝達関数G-1(z)を算出する際に生じる係数値となっている。
減算器15は、加算信号D1から副フィルタ信号D3を減算し、その差信号D3をノイズシェーピング部16へ供給する。
ノイズシェーピング部16は、前記式(5)を参照して説明したのと同様の伝達関数K(z)を有し、その伝達関数K(z)に基づいて差信号D3をフィルタリングすることで帰還信号D1を生成して、加算器11に供給する。
ここで、伝達関数K(z)は、次のようにして決められている。
まず、実施形態で述べたように、低域阻止フィルタの伝達関数W(z)は、量子化雑音Q(z)に対する出力信号Y(z)の伝達関数であり、1から伝達関数K(z)を減算した形態で表される。その低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を、次式(8)で表される簡易な伝達関数と決める。
まず、実施形態で述べたように、低域阻止フィルタの伝達関数W(z)は、量子化雑音Q(z)に対する出力信号Y(z)の伝達関数であり、1から伝達関数K(z)を減算した形態で表される。その低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を、次式(8)で表される簡易な伝達関数と決める。
そして、量子化雑音等を除去するためのカットオフ周波数における遮断特性が設計仕様等の目的に合うように、その伝達関数W(z)の次数nを決定する。例えば、急峻な遮断特性にする場合には、次数nを大きくする。したがって、低域阻止フィルタを4次のフィルタとする場合には、その伝達関数W(z)は、次式(9)で表される。
そして、上式(9)中の係数pは、伝達関数W(z)の極となるパラメータであり、この係数pの値を所謂最適化することで、周波数に対するゲインと位相との関係で位相余裕の有る安定性の得られる低域阻止フィルタを決定している。そして、安定性が得られる伝達関数W(z)の係数pの値が決まると、4次の低域阻止フィルタの場合には、上記式(9)の関係から、次式(10)で表される伝達関数K(z)を有するノイズシェーピング部16が決められている。
以上に説明した構成を有するディジタルフィルタ10において、ナイキスト周波数より高い周波数fsでオーバーサンプリングされた1ビット入力信号Xが加算器11に供給されると、加算器11と主フィルタ部12、量子化部13、副フィルタ部14、減算器15及びノイズシェーピング部16は、オーバーサンプリングのサンプリング周期Ts(周波数fsの逆数)に同期してディジタル演算処理を行い、主フィルタ部12の伝達関数G(z)に基づいて1ビット入力信号Xにフィルタリングを施して量子化部13から再量子化した1ビット出力信号Yを出力する。更に、ノイズシェーピング部16の機能によって、ノイズシェーピングが施された1ビット出力信号Yが量子化部13から出力される。
次に、本実施例のディジタルフィルタ10の設計方法について説明する。
なお、コンピュータシステムを使用してディジタルフィルタを設計する方法について説明することとする。更に、説明の便宜上、上記式(9)で表される4次の低域阻止フィルタからノイズシェーピング部16を設計する場合について説明する。
なお、コンピュータシステムを使用してディジタルフィルタを設計する方法について説明することとする。更に、説明の便宜上、上記式(9)で表される4次の低域阻止フィルタからノイズシェーピング部16を設計する場合について説明する。
まず、図4に示した伝達関数G(z)を有する主フィルタ部12を設計しておき、次に、主フィルタ部12の逆伝達関数G-1(z)を、副フィルタ部14の伝達関数にする。したがって、前記式(7)に示した伝達関数G-1(z)が決まることになる。
次に、前記式(9)に示した簡易型の低域阻止フィルタの伝達関数W(z)をシミュレーションによって設計する。
ここで、良好な安定性を発揮する伝達関数W(z)を設計するために、次式(11)で表される開ループの伝達関数OP(z)について最適な係数pの値をシミュレーションによって解析し決定する。
例えば、主フィルタ部12と量子化器13との接続を切って、量子化器13の入力端から主フィルタ部12の出力端までの開ループの伝達関数OP(z)についてシミュレーションを行う。
かかるシミュレーションを行って解析結果をディスプレイ等に表示すると、図5に示すような、係数pをパラメータとする伝達関数OP(z)の周波数対ゲイン特性が得られ、また、図6に示すような、係数pをパラメータとする伝達関数OP(z)の周波数対位相特性が得られる。更に、係数pを実数値−1から+1の範囲内で変化させたときの低域阻止フィルタの伝達関数W(z)における周波数に対するゲイン特性をシミュレーションしてディスプレイ等に表示すると、図7に示すような結果が得られる。
そこで、これら伝達関数OP(z)の周波数対ゲイン特性(図5参照)と周波数対位相特性(図6参照)と、伝達関数W(z)の周波数に対するゲイン特性(図7参照)とを解析し、先ず図5及び図6の伝達関数OP(z)において十分な位相余裕が得られ安定性を確保し得る条件での係数pを選択した後、その選択した係数pを伝達関数W(z)に適用したときに所望の低域阻止特性を示す周波数対ゲイン特性となっているか確認して決めることで、安定性に優れ且つ所望の低域阻止特性を示す伝達関数W(z)を決定する。
ちなみに、図5、図6及び図7の特性を見ると明らかなとおり、係数pの値を0.7とすると、十分な位相余裕を有し且つ目的の周波数対ゲイン特性の条件を満たした低域阻止フィルタを実現することが可能であることが解る。
図8は、図7に示した低域阻止フィルタの伝達関数W(z)の特性から、係数pの値を0.7とした場合での周波数対ゲイン特性を抜粋して表した図であり、かかる周波数対ゲイン特性が目的の低域阻止特性と合っていることを調べるだけで、簡単に低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を決定することが可能である。
次に、低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を用いて、前記式(9)の関係から、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を導出することにより、前記式(10)に示した伝達関数K(z)を決定する。
次に、以上に説明した工程によって決定した伝達関数G(z),G-1(z),K(z)に基づいて、図4に示したディジタルフィルタ10を形成し、ディジタルフィルタ10の設計を完了する。
次に、本実施例のディジタルフィルタ10の特徴を説明する。
本実施例のディジタルフィルタ10も、図3に示した実施形態のディジタルフィルタと同様に、主フィルタ部12の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を別個独立に設計等することができる構成となっているため、上記式(7)(8)に示した各々の係数a0,a1,a2,b1,b2,a0h,a1h,a2hを、ノイズシェーピング部16とは別個独立に調整、設計等することができる。このため、目的のフィルタ特性を有するディジタルフィルタをより精度良く且つ容易に設計等することができる。
本実施例のディジタルフィルタ10も、図3に示した実施形態のディジタルフィルタと同様に、主フィルタ部12の伝達関数G(z)とノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を別個独立に設計等することができる構成となっているため、上記式(7)(8)に示した各々の係数a0,a1,a2,b1,b2,a0h,a1h,a2hを、ノイズシェーピング部16とは別個独立に調整、設計等することができる。このため、目的のフィルタ特性を有するディジタルフィルタをより精度良く且つ容易に設計等することができる。
更に、ノイズシェーピング部16の伝達関数K(z)を導出するための低域阻止フィルタの伝達関数W(z)を、上記式(8)に示したパラメータ(すなわち、係数pと次数n)の少ない簡素な構成としたため、本ディジタルフィルタ10の位相余裕等の安定性を確認、解析等する際に、容易にシミュレーションを行うことができ、また、ディスプレイ等に表示することで、簡単に解析等を行うことができるため、設計等の容易化を実現することができる。
また、本実施例のディジタルフィルタ10においても、主フィルタ部12及び副フィルタ部14と、ノイズシェーピング部16とのいわゆる独立性が確保されることから、ノイズシェーピン部16を集積回路装置(IC)等で別個に形成して、いわゆるユニット化しておき、加算器11と減算器15との間に接続することも可能である。
また、本実施例のディジタルフィルタ10は入出力信号X,Yを共に1ビットストリーム形式の信号として処理することが可能であるため、ΔΣ変調方式を用いたディジタルシステム等に用いることで、SN比の向上等を図ることができる等、優れた効果を発揮する。
また、本実施例のディジタルフィルタ10は、次に述べる解析結果から、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いて形成するのに適している。
つまり、図9は、ディジタルフィルタ10の開ループ伝達関数に時間遅延が無いものとして、入力信号に対する出力信号をシミュレーションし、便宜上、各々の信号をアナログ信号としてディスプレイ表示したものである。
図10は、ディジタルフィルタ10の開ループ伝達関数に、遅延時間がサンプリング周期Tsの100分の1の時間存在するものとして、入力信号を入力したときの出力信号をシミュレーションし、便宜上、各々の信号をアナログ信号としてディスプレイ表示したものである。
これら図9と図10の各々の信号の波形を対比してみると、遅延時間を0.01Tsとした場合でも、入力信号に対する出力信号の過渡応答時における波形に歪み等が生じることなく安定しており、更に過渡応答時から定常状態に移行した後の出力信号の波形にも歪み等が生じることなく安定していることが解る。
この結果、本実施例の設計方法が簡易な設計方法であっても、ディジタルフィルタ10に十分な位相余裕を持たせるように設計することができ、その結果、閉ループに遅れ時間が有っても不安定となることなく、しかも遅れが無いときとほぼ同様の応答特性が得られるという結論を導き出すことができる。
このことは、本実施例のディジタルフィルタ10が、ディジタル演算を行うのに時間を要するディジタルシグナルプロセッサ(DSP)への実装に適していることを意味している。
そして、ディジタルシグナルプロセッサに実装するのに適するという効果が得られることで、本実施例のディジタルフィルタ10は、多種多様な電子機器への利用を可能にするものである。
例えば、CDプレーヤやDVDプレーヤ等に限らず、ディジタル放送を受信するディジタルチューナにおいて中間周波信号や復調信号や検波信号をディジタルフィルタリングするためのディジタルフィルタ等の通信分野への利用も可能である。
また、本実施例のディジタルフィルタ10に限らず、前述の実施形態のディジタルフィルタも、通信分野への利用が可能であり、更に自動制御分野においても利用可能である。
また、実施形態と実施例で述べたディジタルフィルタ10は、主フィルタ部12及び副フィルタ部13と、ノイズシェーピング部16との独立性が保たれるため、主フィルタ部12及び副フィルタ部13の各係数を可変とするグラフィックイコライザとしての利用も可能である。
このように、実施形態と実施例で述べたディジタルフィルタ10は、極めて優れた汎用性を有し、ディジタル信号処理システムへの広範な利用を可能とするものである。
10…ディジタルフィルタ
11…加算部
12…主フィルタ部
13…量子化部
14…副フィルタ部
15…減算部
16…ノイズシェーピング部
X…入力信号
Y…出力信号
Q(z)…量子化誤差
11…加算部
12…主フィルタ部
13…量子化部
14…副フィルタ部
15…減算部
16…ノイズシェーピング部
X…入力信号
Y…出力信号
Q(z)…量子化誤差
Claims (10)
- ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタであって、
目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタ手段と、
前記主フィルタ手段の出力を再量子化して出力信号を出力する量子化手段と、
前記主フィルタ手段の前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ手段と、
前記量子化手段で生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピング手段と、
前記入力信号と前記ノイズシェーピング手段の出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタ手段に供給する第1演算手段と、
前記主フィルタ手段に供給される前記加算信号と副フィルタ手段の出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピング手段に供給する第2演算手段と、
を備えることを特徴とするディジタルフィルタ。 - 前記ノイズシェーピング手段は、着脱自在に接続されるユニットで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のディジタルフィルタ。
- 前記低域阻止フィルタの伝達関数は、任意の自然数nを次数とし、極に相当する係数pとを有する、z平面上の伝達関数(z−1)n/(z−p)nで表される構成からなることを特徴とする請求項1または2に記載のディジタルフィルタ。
- ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタリングの方法であって、
目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタ工程と、
前記主フィルタ工程で生成される出力を再量子化して出力信号を出力する量子化工程と、
前記主フィルタ工程における前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ工程と、
前記量子化工程で生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピング工程と、
前記入力信号と前記ノイズシェーピング工程で生成される出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタ工程に供給する第1演算工程と、
前記主フィルタ工程に供給される前記加算信号と副フィルタ工程で生じる出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピング工程に供給する第2演算工程と、
を備えることを特徴とするディジタルフィルタリングの方法。 - ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタを実現するコンピュータプログラムであって、
目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングする主フィルタステップと、
前記主フィルタステップで生成される出力を再量子化して出力信号を出力する量子化ステップと、
前記主フィルタステップにおける前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタステップと、
前記量子化ステップで生じる量子化誤差を含む雑音成分の所定の周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を、1から減算することで作成される伝達関数を有し、入力される信号を該伝達関数に基づいてフィルタリングするノイズシェーピングステップと、
前記入力信号と前記ノイズシェーピングステップで生じる出力とを加算し、該加算信号を前記主フィルタステップに供給する第1演算ステップと、
前記主フィルタステップに供給される前記加算信号と副フィルタステップで生じる出力との差を演算し、該差信号を前記ノイズシェーピングステップに供給する第2演算ステップと、
を備えることを特徴とするコンピュータプログラム。 - ナイキスト周波数より高い周波数でサンプリングされた入力信号に対して目的のフィルタ特性を施して出力するディジタルフィルタであって、
入力される信号に対し目的のフィルタ特性を発揮する伝達関数を有する主フィルタ手段と、前記主フィルタ手段の出力を再量子化して出力信号を出力する量子化手段と、前記出力信号をフィルタリングして出力する副フィルタ手段と、前記主フィルタ手段に入力される信号と前記フィルタ手段の出力との差を演算して差信号を出力する演算手段と、前記差信号をフィルタリングして出力するノイズシェーピング手段と、前記ノイズシェーピング手段の出力と前記入力信号とを加算して前記主フィルタ手段に供給する他の演算手段とを有するディジタルフィルタの設計方法において、
前記主フィルタ手段の前記伝達関数に対する逆伝達関数を有し、該逆伝達関数に基づいて前記出力信号をフィルタリングする副フィルタ手段を作成するステップと、
量子化誤差を含む雑音成分が生じる周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を適宜に決定し、該低域阻止フィルタの伝達関数を1から減算することで前記ノイズシェーピング手段の伝達関数を作成するステップと、
を備えることを特徴とするディジタルフィルタ設計方法。 - 前記ノイズシェーピング手段は、着脱自在に接続されるユニットで形成することを特徴とする請求項6に記載のディジタルフィルタ設計方法。
- 前記低域阻止フィルタの伝達関数は、任意の自然数nを次数とし、極に相当する係数pとを有する、z平面上の伝達関数(z−1)n/(z−p)nで表される構成からなることを特徴とする請求項6または7に記載のディジタルフィルタ設計方法。
- 前記低域阻止フィルタの伝達関数(z−1)n/(z−p)nを1から減算した形態の伝達関数K(z)に基づいて開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))を作成し、該開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))内の係数pをパラメータとして−1から+1の範囲内で変化させ、周波数に対するゲインと周波数に対する位相との関係に基づいて、位相余裕を有する前記開ループの伝達関数K(z)/(1−K(z))における係数pを決定し、該決定した係数pを適用して前記低域阻止フィルタの伝達関数を決定するステップを更に有することを特徴とする請求項8に記載のディジタルフィルタ設計方法。
- 前記決定した低域阻止フィルタの伝達関数についての周波数に対するゲインの関係に基づいて、前記量子化誤差を含む雑音成分が生じる周波数帯域において低域阻止特性を有する低域阻止フィルタの伝達関数を決定するステップを更に有することを特徴とする請求項9に記載のディジタルフィルタ設計方法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004246168A JP3909529B2 (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | ディジタルフィルタ |
EP05774563A EP1786102A1 (en) | 2004-08-26 | 2005-08-26 | Digital filter |
PCT/JP2005/015564 WO2006022382A1 (ja) | 2004-08-26 | 2005-08-26 | ディジタルフィルタ |
US11/661,088 US20080089454A1 (en) | 2004-08-26 | 2005-08-26 | Digital Filter |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004246168A JP3909529B2 (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | ディジタルフィルタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006067150A JP2006067150A (ja) | 2006-03-09 |
JP3909529B2 true JP3909529B2 (ja) | 2007-04-25 |
Family
ID=35967584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004246168A Expired - Fee Related JP3909529B2 (ja) | 2004-08-26 | 2004-08-26 | ディジタルフィルタ |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20080089454A1 (ja) |
EP (1) | EP1786102A1 (ja) |
JP (1) | JP3909529B2 (ja) |
WO (1) | WO2006022382A1 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103762958B (zh) * | 2014-01-07 | 2016-09-28 | 南京信息工程大学 | 一种改进的仿射组合自适应滤波方法 |
US9684292B1 (en) | 2014-09-05 | 2017-06-20 | Textron Innovations Inc. | Conditional switch rate low pass filter |
CN104953985B (zh) * | 2015-06-24 | 2018-01-30 | 青岛鼎信通讯股份有限公司 | 一种应用于长线传输系统中的数字滤波电路 |
EP3350985B1 (en) * | 2015-09-18 | 2022-04-20 | Teledyne Flir, LLC | High dynamic range radiometric thermal video over low bitrate interface |
CN109798885A (zh) * | 2019-02-27 | 2019-05-24 | 中国科学院光电技术研究所 | 一种基于闭环融合的传感器数据融合最优化设计方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH061904B2 (ja) * | 1984-12-29 | 1994-01-05 | ソニー株式会社 | 信号伝送装置 |
GB8507903D0 (en) * | 1985-03-26 | 1985-05-01 | Tomlinson M | Noise-reduction signal processing arrangement |
JP3136797B2 (ja) * | 1992-08-31 | 2001-02-19 | カシオ計算機株式会社 | 音データ処理方法および音データ処理装置 |
JP4209035B2 (ja) * | 1999-05-28 | 2009-01-14 | 株式会社ルネサステクノロジ | Δςモジュレータ、daコンバータ、および、adコンバータ |
-
2004
- 2004-08-26 JP JP2004246168A patent/JP3909529B2/ja not_active Expired - Fee Related
-
2005
- 2005-08-26 US US11/661,088 patent/US20080089454A1/en not_active Abandoned
- 2005-08-26 WO PCT/JP2005/015564 patent/WO2006022382A1/ja active Application Filing
- 2005-08-26 EP EP05774563A patent/EP1786102A1/en not_active Withdrawn
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2006022382A1 (ja) | 2006-03-02 |
JP2006067150A (ja) | 2006-03-09 |
US20080089454A1 (en) | 2008-04-17 |
EP1786102A1 (en) | 2007-05-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9407236B2 (en) | System and method for processing a signal with a filter employing FIR and IIR elements | |
US7058464B2 (en) | Device and method for signal processing | |
US7116721B1 (en) | Delta-sigma modulators with integral digital low-pass filtering | |
US8346542B2 (en) | Apparatus and method for widening audio signal band | |
US7062340B2 (en) | Audio data processing systems and methods utilizing high oversampling rates | |
WO2006022382A1 (ja) | ディジタルフィルタ | |
JPH09266447A (ja) | 語長変換装置及びデータ処理装置 | |
US20040190728A1 (en) | Noise-shapers and filters with noise shaping quantizers and systems and methods using the same | |
JPWO2004036747A1 (ja) | デジタルフィルタの設計方法および装置、デジタルフィルタ設計用プログラム、デジタルフィルタ | |
JP3845505B2 (ja) | デルタ−シグマ変調装置 | |
JPH10107638A (ja) | デジタル/アナログ変換装置 | |
JPWO2004036746A1 (ja) | デジタルフィルタの設計方法および装置、デジタルフィルタ設計用プログラム、デジタルフィルタ | |
JP2001237707A (ja) | デジタル信号処理装置及び方法、並びにδς変調器 | |
JP2006503472A (ja) | データコンバータ | |
JP4194268B2 (ja) | ディジタル信号処理装置及び音声再生装置 | |
JP5540211B2 (ja) | 1ビットオーディオ信号用イコライズ装置 | |
KR100878250B1 (ko) | 시그마-델타 펄스 폭 변조기 및 시그마-델타 변조기 | |
KR100878248B1 (ko) | 디지털 오디오 디코더 | |
JP2003229769A (ja) | デルタシグマ変調型ノイズシェーパ回路 | |
Malmström | Designing and Evaluating a Delta-Sigma DAC for Hi-Fi Audio: To be used in an FPGA implementation | |
JP2004080430A (ja) | Δς変換回路 | |
JP2007243394A (ja) | 信号処理装置 | |
JPH04150416A (ja) | ディジタル・アナログ変換器 | |
JP2018152637A (ja) | Δς変調器 | |
JP2005151184A (ja) | デジタル信号処理回路及び音声信号記録再生装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070112 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070116 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |