JP2018152637A - Δς変調器 - Google Patents

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忠義 奥田
Tadayoshi Okuda
忠義 奥田
康志 中嶋
Koji Nakajima
康志 中嶋
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Abstract

【課題】ポップノイズの発生を抑制できるΔΣ変調器を提供する。
【解決手段】ΔΣ変調器10は、オーディオ信号とフィードバック信号とを加算する加算部20と、加算部20が加算した信号を量子化する量子化部30と、加算部20が加算した信号から量子化部30が量子化した信号を減算することで量子化誤差を算出する減算部40と、量子化誤差を蓄積し、蓄積された信号をフィードバック信号として加算部20に出力するフィルター部50と、オーディオ信号の無信号状態を検出する無信号検出部60と、無信号検出部60が無信号状態を検出した場合に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするゲイン調整部と、を備える。
【選択図】図5

Description

本開示は、オーディオ信号出力装置に用いられるΔΣ変調器に関する。
近年、ΔΣ変調器を用いたオーディオ信号出力装置が開発されている。ΔΣ変調器は、オーバーサンプリングされたオーディオ信号をより小さい量子化数で再量子化し、再量子化の際に発生する量子化ノイズを高周波帯域へ追い出すことで、例えば可聴帯域である20kHz以下において量子化ノイズを小さくしている。
ところで、ΔΣ変調器を用いたオーディオ信号出力装置は、オーディオ信号が無音状態であってもΔΣ変調器の変調による残留ノイズが発生する。従来、ΔΣ変調器の出力に対して、ミュート回路によりミュート処理を行うことで、残留ノイズを抑制している(例えば、特許文献1)。
国際公開第2006−132202号
しかしながら、従来のΔΣ変調器では、残留ノイズを抑制する際に、ΔΣ変調器の出力に対して急峻なミュート処理が行われるため、ポップノイズが発生してしまう。
そこで、本開示は、ポップノイズの発生を抑制できるΔΣ変調器を提供する。
本開示におけるΔΣ変調器は、オーディオ信号とフィードバック信号とを加算する加算部と、前記加算部が加算した信号を量子化する量子化部と、前記加算部が加算した信号から前記量子化部が量子化した信号を減算することで量子化誤差を算出する減算部と、前記量子化誤差を蓄積し、蓄積された信号を前記フィードバック信号として前記加算部に出力するフィルター部と、前記オーディオ信号の無信号状態を検出する無信号検出部と、前記無信号検出部が前記無信号状態を検出した場合に、前記フィルター部の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするゲイン調整部と、を備える。
本開示におけるΔΣ変調器は、ポップノイズの発生を抑制できる。
図1は、比較例に係るオーディオ信号出力装置の一例を示す構成図である。 図2は、比較例に係るΔΣ変調器に入力される入力信号の波形の一例を示す図である。 図3は、比較例に係るΔΣ変調器から出力される出力信号の波形の一例を示す図である。 図4は、比較例に係るセレクタ回路から出力される出力信号の波形の一例を示す図である。 図5は、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置の一例を示す構成図である。 図6は、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置の他の一例を示す構成図である。 図7は、実施の形態1に係る無信号検出部の動作の一例を示すフローチャートである。 図8は、実施の形態1に係るゲイン調整指示部及びゲイン調整部の動作の一例を示すフローチャートである。 図9は、実施の形態1に係るΔΣ変調器から出力される出力信号の波形の一例を示す図である。 図10は、実施の形態2に係るオーディオ信号出力装置の一例を示す構成図である。 図11は、実施の形態2に係るゲイン調整指示部及びゲイン調整部の動作の一例を示すフローチャートである。 図12は、実施の形態3に係るオーディオ信号出力装置の一例を示す構成図である。 図13は、実施の形態3に係るゲイン調整指示部及びゲイン調整部の動作の一例を示すフローチャートである。
(本開示の基礎となった知見)
図1は、比較例に係るオーディオ信号出力装置1aの一例を示す構成図である。なお、図1には、オーディオ信号出力装置1aの他にスピーカ120が示されている。
オーディオ信号出力装置1aは、例えば、D級アンプであり、オーディオ信号として、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu−ray(登録商標) Disc)又はHDD(Hard Disc Drive)等の記録媒体等の例えばPCM(Pulse Code Modulation)フォーマットの信号(PCM信号)が入力される。そして、オーディオ信号出力装置1aは、入力されたオーディオ信号に対して、オーバーサンプリング、ΔΣ変調、パルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)及びアナログオーディオ信号への復調を行い、スピーカ120へ出力する。スピーカ120は、オーディオ信号出力装置1aから出力されるアナログオーディオ信号の電力を音響エネルギーに変換する。オーディオ信号出力装置1aは、ΔΣ変調器10a、オーバーサンプラ90、セレクタ回路200、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110を備える。
オーバーサンプラ90は、入力されたオーディオ信号のサンプリング周波数をより高い周波数(例えば8倍〜32倍等)に変換し(つまり、オーバーサンプリングを行い)、信号から折り返し成分を除去する。オーバーサンプラ90から出力された信号を入力信号u(k)とする。kはデジタル信号上の離散時間を表す。
ΔΣ変調器10aは、加算部20、量子化部30、減算部40、フィルター部50を備える。また、ΔΣ変調器10aは、無信号検出部60aを備える。
加算部20は、オーディオ信号(入力信号u(k))とフィードバック信号(フィルター部50から出力される信号)とを加算する。
量子化部30は、加算部20が加算した信号を量子化する。具体的には、量子化部30は、量子化数が例えば16〜24ビットの入力信号u(k)をより小さい量子化数(例えばPWM信号に対応する6ビット等の量子化数)で再量子化し、出力信号y(k)を出力する。なお、加算部20が加算した信号とは、オーディオ信号とフィードバック信号とが加算されることで得られる信号のことである。
減算部40は、加算部20が加算した信号から量子化部30が量子化した信号を減算することで、再量子化に伴い量子化レベル幅が大きくなることによる量子化誤差Nを算出する。なお、量子化部30が量子化した信号とは、加算部20が加算した信号が量子化されることで得られる信号のことである。
フィルター部50は、量子化誤差Nを蓄積し、蓄積された信号をフィードバック信号として加算部20に出力する。このとき、量子化部30に入力されるフィードバック信号によって、フィルター部50に蓄積された量子化誤差が0となるようにフィードバックが働いている。結果的に量子化誤差Nに対する期待値は0となり、ΔΣ変調器10aは入力信号u(k)と等しくなる。なお、フィルター部50は、遅延素子51a〜51n、乗算部52a〜52n、53a〜53n、加算部54、55a〜55n、56a〜56nを備え、量子化誤差Nに対する伝達関数Hq(z)は次式1で表すことができる。
Figure 2018152637
遅延素子51a〜51nは式1におけるz−1〜z−nに対応し、乗算部52a〜52nは式1における所定の係数(フィルタ係数)a〜aに対応し、乗算部53a〜53nは式1における所定の係数(フィルタ係数)b〜bに対応している。
以上により、ΔΣ変調器10aの入出力特性は次式2で表すことができる。
Figure 2018152637
伝達関数H(z)はハイパスフィルターの特性を有しており、量子化部30で発生する量子化誤差Nは高周波帯域側へシフトされ、信号帯域(例えば可聴帯域)での量子化誤差を低減することができる。ΔΣ変調のこの性質はノイズシェーピングと呼ばれ、信号帯域での量子化誤差を減少させることができ精度の良い演算が可能となる。なお、フィルター部50における遅延素子及び乗算部の段数(言い換えると、伝達関数における次数)を調整したり、所定の係数a〜a、b〜bを調整したりすることで、低周波帯域の量子化ノイズ特性及び高周波帯域の量子化ノイズ特性を調整することができる。
無信号検出部60aは、オーディオ信号(入力信号u(k))の無信号状態を検出する。無信号状態とは、例えば、オーディオ信号の再生が終了した状態、又は、再生中のオーディオ信号が無音期間になっている状態等のことである。無信号検出部60aは、入力信号u(k)の無信号状態を検出した場合、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号をセレクタ回路200に出力する。また、無信号検出部60aは、入力信号u(k)の無信号状態を検出しない場合、入力信号u(k)が無信号状態でないことを示す信号をセレクタ回路200に出力する。
セレクタ回路200は、パルス幅変調器100に出力する信号として、ΔΣ変調器10aから出力された信号と、ゼロレベルの信号とを切り替える。セレクタ回路200は、入力信号u(k)が無信号状態でないことを示す信号を受けた場合、ΔΣ変調器10aから出力された信号をパルス幅変調器100に出力する。また、セレクタ回路200は、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号を受けた場合、ゼロレベルの信号をパルス幅変調器100に出力する。
パルス幅変調器100は、パルス幅変調を行う。具体的には、パルス幅変調器100は、入力される信号を、当該信号の振幅レベルの階調をパルスの幅で表現する2値の信号(PWM信号)に変換する。
FETブリッジ110は、デジタルオーディオ信号をアナログオーディオ信号へ復調する。FETブリッジ110は、例えば、FETドライバ、プッシュプル回路及びローパスフィルタ等を備える。プッシュプル回路は、2つのスイッチングトランジスタを備える増幅回路であり、例えばハーフブリッジ回路である。FETドライバは、プッシュプル回路が備える2つのスイッチングトランジスタの一方にPWM信号を出力し、他方にPWM信号の反転信号を出力する。ローパスフィルタは、例えば、インダクタ及びコンデンサで構成され、プッシュプル回路で増幅されたPWM信号からパルス幅変調による高域キャリア信号を濾過しアナログオーディオ信号に復調する。これにより、PWM信号は増幅されアナログオーディオ信号に復調される。
ここで、ΔΣ変調器10aに入力される信号及びΔΣ変調器10aから出力される信号の波形について、図2及び図3を用いて説明する。
図2は、比較例に係るΔΣ変調器10a(加算部20)に入力される入力信号の波形の一例を示す図である。図3は、比較例に係るΔΣ変調器10a(量子化部30)から出力される出力信号の波形の一例を示す図である。
例えばオーディオ信号の再生が終了した状態、又は、再生中のオーディオ信号が無音期間になっている状態になり、入力信号u(k)は無信号状態になっているとする。入力信号u(k)は、例えば16〜24ビットの量子化数で量子化されているため、図2に示されるように、無信号状態の入力信号u(k)の信号レベルは、ほぼ0となっている。一方、出力信号y(k)は、ΔΣ変調器10aのノイズシェーピング特性により、高周波帯域側に量子化誤差が発生することで、残留ノイズが発生している。
そこで、無信号検出部60aが入力信号u(k)の無信号状態を検出した場合、セレクタ回路200は、残留ノイズが発生しているΔΣ変調器10aから出力される信号でなく、ゼロレベルの信号をパルス幅変調器100に出力する。
図4は、比較例に係るセレクタ回路200から出力される出力信号の波形の一例を示す図である。図4に示されるように、無信号検出部60aが入力信号u(k)の無信号状態を検出した場合、セレクタ回路200は、ゼロレベルの信号を出力するため、残留ノイズが抑制されることがわかる。しかし、ΔΣ変調器10aの出力に対して、急峻なミュート処理が行われるため、セレクタ回路200の出力がゼロレベルの信号に切り替えられた際に、ポップノイズが発生してしまう。
そこで、以下の実施の形態では、ポップノイズの発生を抑制できるΔΣ変調器について説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(実施の形態1)
以下、図5から図9を用いて、実施の形態1を説明する。
図5は、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置1の一例を示す構成図である。なお、図1には、オーディオ信号出力装置1の他にスピーカ120が示されている。
オーディオ信号出力装置1は、例えば、D級アンプであり、比較例に係るオーディオ信号出力装置1aと同じように、オーディオ信号として、例えばPCM信号が入力され、入力されたオーディオ信号に対して、オーバーサンプリング、ΔΣ変調、パルス幅変調及びアナログオーディオ信号への復調を行い、スピーカ120へ出力する。オーディオ信号出力装置1は、ΔΣ変調器10、オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110を備える。オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110については、比較例に係るものと同じであるため説明を省略する。
ΔΣ変調器10は、加算部20、量子化部30、減算部40及びフィルター部50を備える。加算部20、量子化部30、減算部40及びフィルター部50は、比較例に係るものと同じであるため説明を省略する。また、ΔΣ変調器10は、無信号検出部60、ゲイン調整指示部70及び乗算部80を備える。
無信号検出部60は、オーディオ信号(入力信号u(k))の無信号状態を検出する。無信号状態とは、例えば、オーディオ信号の再生が終了した状態、又は、再生中のオーディオ信号が無音期間になっている状態等のことである。無信号検出部60は、入力信号u(k)の無信号状態を検出した場合、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号をゲイン調整指示部70に出力する。また、無信号検出部60は、入力信号u(k)の無信号状態を検出しない場合、入力信号u(k)が無信号状態でないことを示す信号をゲイン調整指示部70に出力する。無信号検出部60の動作については、後述する図7で詳細に説明する。
ゲイン調整指示部70は、無信号検出部60が無信号状態を検出した場合に、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号を無信号検出部60から受け、ゲイン調整部に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行わせる指示を出力する。本実施の形態では、ゲイン調整部は乗算部80である。ゲイン調整指示部70の動作については、後述する図8で詳細に説明する。
乗算部80は、減算部40とフィルター部50との間、又は、フィルター部50と加算部20との間に設けられ、入力される信号に所定の係数Gを乗じる演算器である。乗算部80は、図5に示されるように、例えばフィルター部50と加算部20との間に設けられる。乗算部80は、ゲイン調整指示部70からの指示に応じて、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。具体的には、所定の係数Gが0又は所定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数Gに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。乗算部80(ゲイン調整部)の動作については、後述する図8で詳細に説明する。
なお、乗算部80は、図6に示されるように、減算部40とフィルター部50との間に設けられてもよい。図6は、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置1の他の一例を示す構成図である。乗算部80は、図5に示されるように、フィルター部50と加算部20との間(フィルター部50の出力側)に設けられ、フィルター部50から出力される信号のレベルを調整してもよいし、図6に示されるように、減算部40とフィルター部50との間(フィルター部50の入力側)に設けられ、フィルター部50に入力される信号のレベルを調整してもよい。ΔΣ変調器10は、フィルター部50を通過するフィードバック回路から構成され、フィルター部50から出力される信号は、加算部20を通過し、再度フィルター部50に入力されることになる。したがって、乗算部80は、減算部40とフィルター部50との間に設けられてもよく、フィルター部50と加算部20との間に設けられてもよく、フィルター部50から出力される信号のレベル及びフィルター部50に入力される信号のレベルを共にフィルター部50の出力レベルと呼んでいる。
次に、無信号検出部60の動作について、図7を用いて説明する。
図7は、実施の形態1に係る無信号検出部60の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号であるか否かを判定する(ステップS11)。無信号検出部60は、入力信号u(k)の信号レベルを監視しており、信号レベルが規定値以下になったか否かにより、入力信号u(k)が無信号であるか否かを判定する。なお、例えば入力されるオーディオ信号がデジタル音源の場合は規定値を0としてもよいが、アナログ信号の場合は、信号ノイズも加味した規定値を設定する。
無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号であると判定した場合(ステップS11でYes)、カウンタをカウントアップし(ステップS12)、規定時間(例えば100us〜1ms等)のWait処理後に(ステップS13)、カウンタのカウンタ値が規定値以上であるか否かを判定する(ステップS14)。無信号検出部60は、カウンタ値が規定値以上でないと判定した場合(ステップS14でNo)、ステップS11からステップS14の処理を再度行う。つまり、無信号検出部60は、規定時間毎に入力信号u(k)の信号レベルが0であるか否かを判定し、カウンタ値が規定値以上になるまで入力信号u(k)の信号レベルが無信号を維持しているか否かを判定する。言い換えると、無信号検出部60は、規定値に対応する時間(例えば5ms等)の間、入力信号u(k)の信号レベルが無信号を維持しているか否かを判定する。
無信号検出部60は、カウンタ値が規定値以上であると判定した場合(ステップS14でYes)、ゲイン調整指示部70へのミュート指示を実行する(ステップS15)。例えば、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号をゲイン調整指示部70に出力し、ゲイン調整指示部70は、ミュート処理を実行する。
一方、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号でないと判定した場合(ステップS11でNo)、ゲイン調整指示部70へのミュート指示を解除する(ステップS16)。例えば、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号状態でないことを示す信号をゲイン調整指示部70に出力し、ゲイン調整指示部70は、ミュート解除処理を実行する。
そして、無信号検出部60は、カウンタをリセットする。例えば、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号になった後カウンタ値が規定値以上になる前に、入力信号u(k)が無信号ではなくなった場合、カウントアップしたカウンタをリセットする(ステップS17)。これにより、無信号検出部60は、再度、入力信号u(k)が無信号になったときに、規定値に対応する時間の間、入力信号u(k)の信号レベルが無信号を維持しているか否かを判定することができる。なお、無信号検出部60は、ゲイン調整指示部70へのミュート指示を実行した後も、入力信号u(k)を監視しており、入力信号u(k)が無信号になった場合には、ゲイン調整指示部70へのミュート指示を解除する。
次に、ゲイン調整指示部70及びゲイン調整部(乗算部80)の動作について、図8を用いて説明する。
図8は、実施の形態1に係るゲイン調整指示部70及びゲイン調整部(乗算部80)の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ゲイン調整指示部70は、無信号検出部60からミュート指示(入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号)を受けたか否かを判定する(ステップS21)。
ゲイン調整指示部70は、無信号検出部60からミュート指示を受けたと判定した場合(ステップS21でYes)、入力される信号に所定の係数Gを乗じる乗算部80に対して、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするように指示する。これにより、乗算部80は、所定の係数Gをα(0<α<1)倍する(ステップS22)。なお、αは、0より大きく1より小さい値のうちの任意の値であり、例えば、0.9等である。
そして、乗算部80は、所定の時間(例えば100us〜1ms等)のWait処理(ステップS23)後に、所定の係数Gが0又は規定値以下であるか否かを判定する(ステップS24)。乗算部80は、所定の係数Gが0又は規定値以下でないと判定した場合(ステップS24でNo)、ステップS22からステップS24の処理を再度行う。つまり、乗算部80(ゲイン調整部)は、所定の係数Gが0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数Gに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
例えば、乗算部80(ゲイン調整部)は、所定の時間毎に所定の係数Gに任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。乗算部80は、所定の時間毎に互いに同じ値0.9を所定の係数Gに乗じていく場合、所定の係数Gはαが乗じられる前の値に対して所定の時間毎に0.9倍、0.81倍、0.729倍、・・・と対数的に緩やかに小さくなっていく。したがって、フィルター部50の出力レベルは、所定の係数Gが小さくなっていくにつれて徐々に小さくなっていく。なお、所定の係数Gが規定値以下になるとは、例えば、所定の係数Gが1LSB(Least Significant Bit)以下の値になることである。また、所定の係数Gが0になるとは、例えば、所定の係数Gが固定小数点数で表されるときに、α倍された値が切り捨てられて0になることである。なお、所定の係数Gは所定の時間毎に0.9倍、0.8倍、0.7倍、・・・と線形的に緩やかに小さくなるように実装してもよい。
一方、ゲイン調整指示部70は、無信号検出部60からミュート指示を受けていないと判定した場合(ステップS21でNo)、乗算部80に対して、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする指示を解除する。所定の係数Gが初期値よりも小さくさせられているときには、ΔΣ変調器10のノイズシェーピングの機能が損なわれており、オーディオ信号が無信号状態でない場合、所定の係数Gを1(初期値)にする必要があるためである。したがって、乗算部80(ゲイン調整部)は、無信号検出部60が無信号状態を検出しない場合、所定の係数Gを1にする(ステップS25)。
このようにして、フィルター部50の出力レベルは、徐々に小さくなっていく。このときのΔΣ変調器10から出力される信号の波形について、図9を用いて説明する。
図9は、実施の形態1に係るΔΣ変調器10(量子化部30)から出力される出力信号y(k)の波形の一例を示す図である。
図4に示されるように、比較例に係るΔΣ変調器10aから出力される出力信号y(k)は、セレクタ回路200によって急峻なミュート処理が行われる。これに対して、実施の形態1では、フィルター部50の出力レベルが徐々に小さくなっていくため、図9に示されるように、ΔΣ変調器10から出力される出力信号y(k)に発生する残留ノイズが徐々に小さくなっていく。
[効果等]
以上のように、本実施の形態において、ΔΣ変調器10は、オーディオ信号とフィードバック信号とを加算する加算部20と、加算部20が加算した信号を量子化する量子化部30と、加算部20が加算した信号から量子化部30が量子化した信号を減算することで量子化誤差を算出する減算部40と、量子化誤差を蓄積し、蓄積された信号をフィードバック信号として加算部20に出力するフィルター部50と、を備える。また、ΔΣ変調器10は、オーディオ信号の無信号状態を検出する無信号検出部60と、無信号検出部60が無信号状態を検出した場合に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするゲイン調整部と、を備える。
これにより、ΔΣ変調器10は、オーディオ信号が無信号状態の場合に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間(例えば100us〜1ms等)毎に徐々に0に向けて小さくする。したがって、オーディオ信号が無信号状態になった際に、ΔΣ変調器10から出力される出力信号y(k)に発生する残留ノイズに対して急峻なミュート処理がされず、徐々に小さくされるため、ポップノイズの発生を抑制できる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部は、減算部40とフィルター部50との間、又は、フィルター部50と加算部20との間に設けられ、入力される信号に所定の係数Gを乗じる乗算部80である。ゲイン調整部(乗算部80)は、所定の係数Gが0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数Gに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
これにより、ゲイン調整部として、入力される信号に所定の係数Gを乗じる乗算部80は、オーディオ信号が無信号状態の場合に、所定の係数Gを徐々に小さくする。したがって、乗算部80は、小さくなっていく所定の係数Gをフィルター部50の出力に乗じることで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に徐々に0に向けて小さくすることができる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部(乗算部80)は、所定の時間毎に所定の係数Gに任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。
例えば、人は、対数的に緩やかに小さくなっていく音を線形的に小さくなっていくように感じる。したがって、所定の係数Gに所定の時間毎に同じ値が乗じられることで、所定の係数Gは対数的に小さくなっていき、人は、残留ノイズの大きさが線形的に小さくなっていくように感じることができる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部(乗算部80)は、無信号検出部60が無信号状態を検出しない場合、所定の係数Gを1にする。
これにより、オーディオ信号が無信号状態でない場合には、乗算部80は、フィルター部50の出力レベルに影響を与えないため、ΔΣ変調器10は、ノイズシェーパとしての機能を発揮することができる。
(実施の形態2)
次に、図10及び図11を用いて、実施の形態2を説明する。
図10は、実施の形態2に係るオーディオ信号出力装置2の一例を示す構成図である。なお、図10には、オーディオ信号出力装置2の他にスピーカ120が示されている。
オーディオ信号出力装置2は、例えば、D級アンプであり、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置1と同じように、オーディオ信号として、例えばPCM信号が入力され、入力されたオーディオ信号に対して、オーバーサンプリング、ΔΣ変調、パルス幅変調及びアナログオーディオ信号への復調を行い、スピーカ120へ出力する。オーディオ信号出力装置2は、ΔΣ変調器11、オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110を備える。オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110については、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。
ΔΣ変調器11は、加算部20、量子化部30、減算部40及びフィルター部50を備える。加算部20、量子化部30及び減算部40は、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。また、ΔΣ変調器10は、無信号検出部60及びゲイン調整指示部71を備える。無信号検出部60は、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。
フィルター部50は、実施の形態1におけるものと同じ構成を有するが、乗算部52a〜52n及び53a〜53nがゲイン調整指示部71から指示を受け付ける点が実施の形態1におけるものと異なる。その他の点は、実施の形態1におけるものと同じであるため、説明を省略する。
ゲイン調整指示部71は、無信号検出部60が無信号状態を検出した場合に、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号を無信号検出部60から受け、ゲイン調整部に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行わせる指示を出力する。本実施の形態では、ゲイン調整部は乗算部52a〜52n及び53a〜53nである。ゲイン調整指示部71の動作については、後述する図11で詳細に説明する。
乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、フィルター部50を構成し、入力される信号に所定の係数a〜a及びb〜bを乗じる演算器である。乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、ゲイン調整指示部71からの指示に応じて、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。具体的には、所定の係数a〜a及びb〜bが0又は所定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数a〜a及びb〜bに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。乗算部52a〜52n及び53a〜53n(ゲイン調整部)の動作については、図11で詳細に説明する。
図11は、実施の形態2に係るゲイン調整指示部71及びゲイン調整部(乗算部52a〜52n及び53a〜53n)の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ゲイン調整指示部71は、無信号検出部60からミュート指示(入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号)を受けたか否かを判定する(ステップS31)。
ゲイン調整指示部71は、無信号検出部60からミュート指示を受けたと判定した場合(ステップS31でYes)、入力される信号に所定の係数a〜a及びb〜bを乗じる乗算部52a〜52n及び53a〜53nに対して、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするように指示する。これにより、乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、所定の係数a〜a及びb〜bをα(0<α<1)倍する(ステップS32)。なお、αは、0より大きく1より小さい値のうちの任意の値であり、例えば、0.9等である。
そして、乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、所定の時間(例えば100us〜1ms等)のWait処理(ステップS33)後に、所定の係数a〜a及びb〜bが0又は規定値以下であるか否かを判定する(ステップS34)。乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、所定の係数a〜a及びb〜bが0又は規定値以下でないと判定した場合(ステップS34でNo)、ステップS32からステップS34の処理を再度行う。つまり、乗算部52a〜52n及び53a〜53n(ゲイン調整部)は、所定の係数a〜a及びb〜bが0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数a〜a及びb〜bに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
例えば、乗算部52a〜52n及び53a〜53n(ゲイン調整部)は、所定の時間毎に所定の係数a〜a及びb〜bに任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、所定の時間毎に互いに同じ値0.9を所定の係数a〜a及びb〜bに乗じていく場合、所定の係数a〜a及びb〜bはαが乗じられる前の値に対して所定の時間毎に0.9倍、0.81倍、0.729倍、・・・と対数的に緩やかに小さくなっていく。したがって、フィルター部50の出力レベルは、所定の係数a〜a及びb〜bが小さくなっていくにつれて徐々に小さくなっていく。なお、所定の係数a〜a及びb〜bが規定値以下になるとは、例えば、所定の係数a〜a及びb〜bが1LSB以下の値になることである。また、所定の係数a〜a及びb〜bが0になるとは、例えば、所定の係数a〜a及びb〜bが固定小数点数で表されるときに、α倍された値が切り捨てられて0になることである。なお、所定の係数a〜a及びb〜bは所定の時間毎に0.9倍、0.8倍、0.7倍、・・・と線形的に緩やかに小さくなるように実装してもよい。
一方、ゲイン調整指示部71は、無信号検出部60からミュート指示を受けていないと判定した場合(ステップS31でNo)、乗算部52a〜52n及び53a〜53nに対して、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする指示を解除する。所定の係数a〜a及びb〜bが初期値よりも小さくさせられているときには、ΔΣ変調器11のノイズシェーパとしての機能が損なわれており、オーディオ信号が無信号状態でない場合、所定の係数a〜a及びb〜bを元に戻す必要があるためである。したがって、乗算部52a〜52n及び53a〜53n(ゲイン調整部)は、無信号検出部60が無信号状態を検出しない場合、所定の係数a〜a及びb〜bを元の状態(任意の値αを乗じ始める前の値)に戻す(ステップS35)。
このようにして、フィルター部50の出力レベルは、徐々に小さくなっていく。
以上のように、本実施の形態において、ゲイン調整部は、フィルター部50を構成し、入力される信号に所定の係数a〜a及びb〜bを乗じる乗算部52a〜52n及び53a〜53nである。ゲイン調整部(乗算部52a〜52n及び53a〜53n)は、所定の係数a〜a及びb〜bが0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に所定の係数a〜a及びb〜bに0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
これにより、ゲイン調整部として、フィルター部50を構成し、入力される信号に所定の係数a〜a及びb〜bを乗じる乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、オーディオ信号が無信号状態の場合に、所定の係数a〜a及びb〜bを徐々に小さくする。したがって、乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、小さくなっていく所定の係数a〜a及びb〜bを、フィルター部50を通過する信号に乗じることで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に徐々に0に向けて小さくすることができる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部(乗算部52a〜52n及び53a〜53n)は、所定の時間毎に所定の係数a〜a及びb〜bに任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。
これにより、所定の係数a〜a及びb〜bに所定の時間毎に同じ値が乗じられることで、所定の係数a〜a及びb〜bは対数的に小さくなっていき、人は、残留ノイズの大きさが線形的に小さくなっていくように感じることができる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部(乗算部52a〜52n及び53a〜53n)は、無信号検出部60が無信号状態を検出しない場合、所定の係数a〜a及びb〜bを、任意の値αを乗じ始める前の値に戻す。
これにより、オーディオ信号が無信号状態でない場合には、乗算部52a〜52n及び53a〜53nは、所定の係数a〜a及びb〜bを、低周波帯域の量子化ノイズ特性及び高周波帯域の量子化ノイズ特性を調整するための値に戻すため、ΔΣ変調器10は、ノイズシェーパとしての機能を発揮することができる。
(実施の形態3)
次に、図12及び図13を用いて、実施の形態3を説明する。
図12は、実施の形態3に係るオーディオ信号出力装置3の一例を示す構成図である。なお、図12には、オーディオ信号出力装置3の他にスピーカ120が示されている。
オーディオ信号出力装置3は、例えば、D級アンプであり、実施の形態1に係るオーディオ信号出力装置1と同じように、オーディオ信号として、例えばPCM信号が入力され、入力されたオーディオ信号に対して、オーバーサンプリング、ΔΣ変調、パルス幅変調及びアナログオーディオ信号への復調を行い、スピーカ120へ出力する。オーディオ信号出力装置3は、ΔΣ変調器12、オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110を備える。オーバーサンプラ90、パルス幅変調器100及びFETブリッジ110については、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。
ΔΣ変調器12は、加算部20、量子化部30、減算部40及びフィルター部50を備える。加算部20、量子化部30及び減算部40は、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。また、ΔΣ変調器12は、無信号検出部60及びゲイン調整指示部72を備える。無信号検出部60は、実施の形態1におけるものと同じであるため説明を省略する。
フィルター部50は、実施の形態1におけるものと同じ構成を有するが、遅延素子51a〜51nがゲイン調整指示部72から指示を受け付ける点が実施の形態1におけるものと異なる。その他の点は、実施の形態1におけるものと同じであるため、説明を省略する。
ゲイン調整指示部72は、無信号検出部60が無信号状態を検出した場合に、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号を無信号検出部60から受け、ゲイン調整部に、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行わせる指示を出力する。本実施の形態では、ゲイン調整部は遅延素子51a〜51nである。ゲイン調整指示部72の動作については、後述する図13で詳細に説明する。
遅延素子51a〜51nは、フィルター部50を構成し、入力される信号を遅延させる。遅延素子51a〜51nは、ゲイン調整指示部72からの指示に応じて、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。具体的には、遅延素子51a〜51nに格納された信号が0又は所定値以下になるまで、所定の時間毎に遅延素子51a〜51nに格納された信号に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行う。遅延素子51a〜51n(ゲイン調整部)の動作については、図13で詳細に説明する。
図13は、実施の形態3に係るゲイン調整指示部72及びゲイン調整部(遅延素子51a〜51n)の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、ゲイン調整指示部72は、無信号検出部60からミュート指示(入力信号u(k)が無信号状態であることを示す信号)を受けたか否かを判定する(ステップS41)。
ゲイン調整指示部72は、無信号検出部60からミュート指示を受けたと判定した場合(ステップS41でYes)、遅延素子51a〜51nに対して、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするように指示する。これにより、遅延素子51a〜51nは、遅延素子51a〜51nに格納された信号(値)をα(0<α<1)倍する(ステップS42)。なお、αは、0より大きく1より小さい値のうちの任意の値であり、例えば、0.9等である。
そして、遅延素子51a〜51nは、所定の時間(例えば100us〜1ms等)のWait処理(ステップS43)後に、遅延素子51a〜51nに格納された値が0又は規定値以下であるか否かを判定する(ステップS44)。遅延素子51a〜51nは、遅延素子51a〜51nに格納された値が0又は規定値以下でないと判定した場合(ステップS44でNo)、ステップS42からステップS44の処理を再度行う。つまり、遅延素子51a〜51n(ゲイン調整部)は、遅延素子51a〜51nに格納された値が0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に遅延素子51a〜51nに格納された値に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
例えば、遅延素子51a〜51n(ゲイン調整部)は、所定の時間毎に遅延素子51a〜51nに格納された値に任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。遅延素子51a〜51nは、所定の時間毎に互いに同じ値0.9を遅延素子51a〜51nに格納された値に乗じていく場合、遅延素子51a〜51nに格納された値はαが乗じられる前の値に対して所定の時間毎に0.9倍、0.81倍、0.729倍、・・・と対数的に緩やかに小さくなっていく。したがって、フィルター部50の出力レベルは、遅延素子51a〜51nに格納された値が小さくなっていくにつれて徐々に小さくなっていく。なお、遅延素子51a〜51nに格納された値が規定値以下になるとは、例えば、遅延素子51a〜51nに格納された値が1LSB以下の値になることである。また、遅延素子51a〜51nに格納された値が0になるとは、例えば、遅延素子51a〜51nに格納された値が固定小数点数で表されるときに、α倍された値が切り捨てられて0になることである。なお、遅延素子51a〜51nに格納された値は所定の時間毎に0.9倍、0.8倍、0.7倍、・・・と線形的に緩やかに小さくなるように実装してもよい。
このようにして、フィルター部50の出力レベルは、徐々に小さくなっていく。
以上のように、本実施の形態において、ゲイン調整部は、フィルター部50を構成し、入力される信号を遅延させる遅延素子51a〜51nである。ゲイン調整部(遅延素子51a〜51n)は、遅延素子51a〜51nに格納された信号が0又は規定値以下になるまで、所定の時間毎に遅延素子51a〜51nに格納された信号に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値αを乗じていくことで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする。
これにより、ゲイン調整部として、フィルター部50を構成し、入力される信号に所定の係数a〜a及びb〜bを乗じる遅延素子51a〜51nは、オーディオ信号が無信号状態の場合に、遅延素子51a〜51nに格納された信号を徐々に小さくする。したがって、遅延素子51a〜51nは、フィルター部50を通過する際に遅延素子51a〜51nに格納される信号を小さくすることで、フィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に徐々に0に向けて小さくすることができる。
また、本実施の形態において、ゲイン調整部は、所定の時間毎に遅延素子51a〜51nに格納された信号に任意の値αとして互いに同じ値を乗じていく。
これにより、遅延素子51a〜51nに格納された信号に所定の時間毎に同じ値が乗じられることで、遅延素子51a〜51nに格納された信号は対数的に小さくなっていき、人は、残留ノイズの大きさが線形的に小さくなっていくように感じることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適応可能である。また、上記実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
例えば、上記実施の形態では、所定の係数G、所定の係数a〜a及びb〜b、並びに、遅延素子51a〜51nに格納された信号(値)に、所定の時間毎に互いに同じ値αが乗じられたが、これに限らない。例えば、所定の係数G、所定の係数a〜a及びb〜b、並びに、遅延素子51a〜51nに格納された信号(値)には、0より大きく1より小さい値であれば、所定の時間毎に互いに異なる値が乗じられてもよい。例えば、所定の係数G、所定の係数a〜a及びb〜b、並びに、遅延素子51a〜51nに格納された信号(値)に、所定の時間毎に前回乗じた値よりも小さい値が乗じられていってもよい。これにより、これらの信号(値)を線形的に小さくしていくことができる。
また、例えば、上記実施の形態では、ΔΣ変調器は、ゲイン調整指示部を備えたが、備えていなくてもよい。例えば、無信号検出部60は、入力信号u(k)が無信号状態であることを示す情報をゲイン調整部に出力し、ゲイン調整部は当該情報に基づいてフィルター部50の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくする処理を行ってもよい。
また、例えば、上記実施の形態では、無信号検出部60は、オーディオ信号(入力信号u(k))の信号レベルを監視することでオーディオ信号が無信号状態になったか否かを検出したが、これに限らない。例えば、無信号検出部60は、外部から、オーディオ信号が無信号状態になっていることを示す情報を受けることで、オーディオ信号が無信号状態になったか否かを検出してもよい。
また、本開示は、ΔΣ変調器として実現できるだけでなく、ΔΣ変調器を構成する構成要素が行うステップ(処理)を含む方法として実現できる。
例えば、それらのステップは、コンピュータ(コンピュータシステム)によって実行されてもよい。そして、本開示は、それらの方法に含まれるステップを、コンピュータに実行させるためのプログラムとして実現できる。さらに、本開示は、そのプログラムを記録したCD−ROM等である非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体として実現できる。
例えば、本開示が、プログラム(ソフトウェア)で実現される場合には、コンピュータのCPU、メモリおよび入出力回路等のハードウェア資源を利用してプログラムが実行されることによって、各ステップが実行される。つまり、CPUがデータをメモリまたは入出力回路等から取得して演算したり、演算結果をメモリまたは入出力回路等に出力したりすることによって、各ステップが実行される。
また、上記実施の形態のΔΣ変調器に含まれる構成要素は、集積回路(IC:Integrated Circuit)であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。
また、集積回路はLSIに限られず、専用回路または汎用プロセッサで実現されてもよい。プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、または、LSI内部の回路セルの接続および設定が再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサが、利用されてもよい。
さらに、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて、ΔΣ変調器に含まれる構成要素の集積回路化が行われてもよい。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。
したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、ポップノイズの抑制が要求されるΔΣ変調器に適用可能である。具体的には、音響機器、テレビ、PC(Personal Computer)、携帯機器等の音を再生する装置に、本開示は適用可能である。
1〜3、1a オーディオ信号出力装置
10〜12、10a ΔΣ変調器
20 加算部
30 量子化部
40 減算部
50 フィルター部
51a〜51n 遅延素子(ゲイン調整部)
52a〜52n、53a〜53n 乗算部(ゲイン調整部)
54、55a〜55n、56a〜56n 加算部
60、60a 無信号検出部
70〜72 ゲイン調整指示部
80 乗算部(ゲイン調整部)
90 オーバーサンプラ
100 パルス幅変調器
110 FETブリッジ
120 スピーカ

Claims (9)

  1. オーディオ信号とフィードバック信号とを加算する加算部と、
    前記加算部が加算した信号を量子化する量子化部と、
    前記加算部が加算した信号から前記量子化部が量子化した信号を減算することで量子化誤差を算出する減算部と、
    前記量子化誤差を蓄積し、蓄積された信号を前記フィードバック信号として前記加算部に出力するフィルター部と、
    前記オーディオ信号の無信号状態を検出する無信号検出部と、
    前記無信号検出部が前記無信号状態を検出した場合に、前記フィルター部の出力レベルを所定の時間毎に0に向けて小さくするゲイン調整部と、を備える、
    ΔΣ変調器。
  2. 前記ゲイン調整部は、
    前記減算部と前記フィルター部との間、又は、前記フィルター部と前記加算部との間に設けられ、入力される信号に所定の係数を乗じる乗算部であり、
    前記所定の係数が0又は規定値以下になるまで、前記所定の時間毎に前記所定の係数に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、前記出力レベルを前記所定の時間毎に0に向けて小さくする、
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  3. 前記ゲイン調整部は、前記所定の時間毎に前記所定の係数に前記任意の値として互いに同じ値を乗じていく、
    請求項2に記載のΔΣ変調器。
  4. 前記ゲイン調整部は、前記無信号検出部が前記無信号状態を検出しない場合、前記所定の係数を1にする、
    請求項2又は3に記載のΔΣ変調器。
  5. 前記ゲイン調整部は、
    前記フィルター部を構成し、入力される信号に所定の係数を乗じる乗算部であり、
    前記所定の係数が0又は規定値以下になるまで、前記所定の時間毎に前記所定の係数に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、前記出力レベルを前記所定の時間毎に0に向けて小さくする、
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  6. 前記ゲイン調整部は、前記所定の時間毎に前記所定の係数に前記任意の値として互いに同じ値を乗じていく、
    請求項5に記載のΔΣ変調器。
  7. 前記ゲイン調整部は、前記無信号検出部が前記無信号状態を検出しない場合、前記所定の係数を、前記任意の値を乗じ始める前の値に戻す、
    請求項5又は6に記載のΔΣ変調器。
  8. 前記ゲイン調整部は、
    前記フィルター部を構成し、入力される信号を遅延させる遅延素子であり、
    前記遅延素子に格納された信号が0又は規定値以下になるまで、前記所定の時間毎に前記遅延素子に格納された信号に0より大きく1より小さい値のうちの任意の値を乗じていくことで、前記出力レベルを前記所定の時間毎に0に向けて小さくする、
    請求項1に記載のΔΣ変調器。
  9. 前記ゲイン調整部は、前記所定の時間毎に前記遅延素子に格納された信号に前記任意の値として互いに同じ値を乗じていく、
    請求項8に記載のΔΣ変調器。
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