JP4769161B2 - エコーキャンセラ装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 - Google Patents

エコーキャンセラ装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体 Download PDF

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Description

この発明は、例えば、TV会議や音声会議などハンズフリー通信のエコーキャンセラ装置、その方法、そのプログラム、およびその記録媒体に関する。
エコーが伝達する未知の系をディジタルフィルタでモデル化し、受話信号と収音信号を用いてエコーの伝達系を推定する基本的な技術として適応フィルタを用いるものがある。適応フィルタによりエコー伝達系を推定する際にエコー伝達系の推定精度を大きく劣化させる要因として収音信号に含まれる雑音が挙げられる。特に、音響および回線エコーキャンセラ装置等で同時通話あるいはダブルトークと呼ばれるエコーへの話者からの送話音声の混入は、混入するまで持っていたディジタルフィルタの推定精度を大きく低下させ、エコーキャンセラ装置等がエコー伝達を推定するため、何らかの対策が必要となる。以下、適応フィルタを用いた従来のエコーキャンセラ装置、その従来のダブルトーク対策について説明する。
図1に従来のエコーキャンセラの機能構成例を示す。図1において、受話信号をx(k)、エコー推定信号をy(k)、収音信号をd(k)、誤差信号をe(k)、適応フィルタの係数からなるベクトルをh(k)とし、kは離散的時刻を表す。
図示しない遠端話者からの音声信号が、受話信号x(k)として、エコーキャンセラ10を通じて再生手段4に入力される。エコーキャンセラ10は推定信号生成部11と、フィルタ係数更新部12と、減算部13と、適応フィルタ係数レジスタ14と、により構成されており、受話信号x(k)はフィルタ係数更新部12と推定信号生成部11とに入力される。
推定信号生成部11で、受話信号x(k)を適応フィルタ係数レジスタ14よりの適応フィルタ係数h(k)でフィルタ処理することでエコー推定信号y(k)を生成する。エコー推定信号y(k)を生成する手段は様々であるが、一時刻分のエコー推定信号y(k)を生成する場合には、受話信号x(k)から成るベクトルと適応フィルタ係数のベクトルh(k)の内積により生成し、つまりy(k)は、以下の式(1)で表すことができる。
y(k)=[x(k−L+1)、x(k−L+2)、...、x(k)]h(k) (1)
ただし、Lは推定信号生成部11を構成する適応フィルタの係数の数(タップ数)を表す。一般の適応フィルタにおいて、複数の時刻分の推定信号を生成する場合には、演算量低減のために周波数領域で行うことが多いが、その詳細は非特許文献1に記載されている。減算部13では、収音手段6で収音された収音信号d(k)からエコー推定信号y(k)を減算して誤差信号e(k)求める。つまり、減算部13で、以下の式(2)を計算する。
e(k)=d(k)−y(k) (2)
フィルタ係数更新部12では誤差信号e(k)と受話信号x(k)から適応アルゴリズムにより適応フィルタ係数修正量Δhを求める。そして、適応フィルタ係数修正量Δhに修正量を調節するステップサイズμを乗算して、1時刻前の適応フィルタ係数h(k−1)に加算することで、適応フィルタ係数レジスタ14内の適応フィルタ係数を更新する。つまり、このフィルタ係数の更新は、以下の式(3)で表すことができる。
h(k)=h(k−1)+μΔh(k) (3)
適応フィルタ係数修正量Δhは、適応アルゴリズムにより誤差信号e(k)のパワーが減少するように求められる。なお、代表的な適応アルゴリズムとしては、学習同定(NLMS:NormalizedLeast−Mean−Squares)アルゴリズム、もしくは逐次最小二乗(RecursiveLeastSquare)アルゴリズム、もしくはLMS(LeastMeanSquare)アルゴリズム等が用いられる。
減算部13で収音信号d(k)からエコー推定信号y(k)が除去され、送話信号として、受話信号x(k)の送信側に送信される。
<ダブルトーク対策手段>
図2に従来のFG/BG方式を用いて構成されたFG/BGエコーキャンセラ20の機能構成例を示す。図1と同一の機能構成部分には同一参照番号を付けて重複説明を省略する。このことは以下の説明においても同様である。
FG/BGエコーキャンセラ20では、まず、BGフィルタ係数更新部22で、反響路(再生手段4から収音手段6へのエコー経路)24のインパルス応答を推定し、その推定値hb(k)を適応フィルタ係数レジスタ27に適応フィルタ係数hb(k)として転送する。
BG推定信号生成部26で、受話信号x(k)を適応フィルタ係数hb(k)で上記と同様のフィルタ処理をして、BG推定信号yb(k)を生成する。適応フィルタ係数hb(k)は適応フィルタ係数レジスタ27に格納されている。
減算部28において、収音手段6から収音された収音信号d(k)からBG推定信号yb(k)を減算して、BG誤差信号eb(k)が生成される。反響路24のインパルス応答の推定が良好に行われていれば、再生手段4よりの収音手段6に収音された反響信号と推定信号yb(k)’はほぼ等しいものとなる。
一方、FG推定信号生成部30で、受話信号x(k)をFGフィルタ係数hf(k)でフィルタ処理して、FG推定信号yf(k)を生成する。FGフィルタ係数はFGフィルタ係数レジスタ29に格納されている。そして、減算部31で、収音信号d(k)からFG推定信号yf(k)を減算して、FG誤差信号ef(k)が生成される。
BG推定信号生成部26の特性が真の反響路24の特性に近ければ(詳細は以下で述べる)、適応フィルタ係数レジスタ27中の適応フィルタ係数hb(k)をFGフィルタ係数レジスタ29に転送し、FGフィルタ係数hf(k)をその適応フィルタ係数hb(k)に更新する。
また、BG誤差信号eb(k)とFG誤差信号ef(k)とが誤差比較部38に入力される。受話信号x(k)のパワーが所定値以上であり、かつダブルトークでない状態において、誤差比較部38で、BG誤差信号eb(k)のパワーPeb(k)がFG誤差信号ef(k)のパワーPef(k)よりも小さいと判断された場合、適応フィルタ係数hb(k)は、FGフィルタ係数hf(k)と比べて、実際の反響路24のインパルス応答h(k)をより良く模擬していると考えられる。この場合、適応フィルタ係数hb(k)をFG推定信号生成部37に転送してFGフィルタ係数hf(k)を更新する。
ここでパワーとは信号の時間積分値であり、離散化された信号を扱う場合には、例えばPx(k)=Σx2 (k−i)(Σはi=0からn−1まで)のように計算される。ここでnは積分時間を表す。
そして、発話者の音声が収音手段6に収音された状態では、FG誤差信号ef(k)が受話信号x(k)の送信側に、出力される。なお、FG/BGエコーキャンセラ20の詳細については、特許文献1に記載されている。
このように、FG/BG構成とすることで、ダブルトーク時には適応フィルタ係数hb(k)が乱れ、FGフィルタ係数hf(k)への複製が起きずFGフィルタ係数hf(k)はダブルトーク前の値を保持しているので、FG誤差信号ef(k)にダブルトークによる影響が現れない。
<差分型BG/FG構成>
さらに、同時通話による適応フィルタ係数hb(k)の乱れがFGフィルタ係数hf(k)に及ぼす影響を小さくし、良好な同時通話性能を保持する手法として、FG誤差信号ef(k)をBG部に入力させることで、適応フィルタ係数hb(k)として、FGフィルタ係数hf(k)の変化分を推定する差分型FG/BGエコーキャンセラがある。
差分型FG/BGエコーキャンセラ45の機能構成例を図3に示す。BG部40はBGフィルタ係数更新部22、BG推定信号生成部26、BG減算部28、適応フィルタ係数レジスタ27、とで構成されている。またFG部50は、FGフィルタ係数レジスタ29、FG推定信号生成部30、FG減算部31とで構成されている。
BG減算部28では、FG減算部31よりのFG誤差信号ef(k)が誤差比較部38とBG減算部28とに入力される。BG減算部28で、BG推定信号生成部26よりのBG推定信号yb(k)から、FG誤差信号ef(k)を減算することにより、BG誤差信号eb(k)’が求められる。eb(k)’はBGフィルタ係数更新部22に入力される。誤差比較部38で、BG誤差信号eb(k)’のパワーPeb(k)’がFG誤差信号ef(k)のパワーPef(k)よりも小さいと判断された場合、FGフィルタ係数更新部52において、適応フィルタ係数レジスタ27中の適応フィルタ係数hb(k)を、FGフィルタ係数レジスタ29中のhf(k)と加算、もしくは重み付け加算して、その加算結果のフィルタ係数を新たなFGフィルタ係数hf(k)として更新する。なお、差分型FG/BGエコーキャンセラの詳細は、特許文献2に記載されている。
上記のように、この差分型FG/BGエコーキャンセラ構成は、BG部の適応アルゴリズムとして、適応フィルタ係数hb(k)をFGフィルタ係数hf(k)に反映するまでの間に、少ないエコー消去量さえ得られればよいという特徴がある。
"Multidelay block frequency domain adaptive filter," Jia Sien Soo and Khee K. Pang, IEEE Transaction on Acoustics, Speech, and Signal Processing, vol.38, No.2, pp.373-376(1990.2) 特許第3248551号 特許第2836277号
上記で説明した従来の差分型FG/BG型エコーキャンセラでは、適応フィルタ係数のフィルタ数が多いと、演算量が多いという問題点があった。そこで、上記の演算を時間領域でなく、周波数領域で行うということを考えた。周波数領域で動作するFG/BG型エコーキャンセラの場合、BG部40の適応フィルタ係数hb(k)をFGフィルタ係数hf(k)に加算する際に適応フィルタ係数hb(k)がある拘束条件を満たすように変換した後に加算を行う必要がある。この拘束条件とは、FG部50における周波数領域で行うフィルタ処理の結果が時間領域でフィルタ処理を行った場合の結果と一致させるというものである。
この拘束条件を満たすための具体的な処理手順としては、周波数領域にある適応フィルタ係数hを時間領域に変換し、その結果の半分以上を0で置き換えた後、再度周波数領域に変換するというものである。このことは、一般的に、適応フィルタにおいて、周波数領域で処理する場合に、適応フィルタ係数を更新する際と同様に考えられ、また、時間領域に変換した適応フィルタ係数のどの要素を0に置き換えるか等の詳細な説明は上記非特許文献1、もしくは、「”Frequency-domain and multirate adaptive filtering,” John Synk, IEEE SP magazine, January 1992」(以下、参考文献という)に記載されている。なお、FGフィルタ係数が時間領域の値である場合は、再度の周波数領域への変換は不要であり0に置き換えない係数を用いればよい。
しかし、上記のように、BG部40のBG推定信号生成部26を周波数領域で動作させる差分型FG/BG構成の場合、ダブルトークやエコーに重畳したノイズのために適応フィルタ係数hb(k)が大きく乱れた結果、拘束条件を満たす値から大きく外れた状況が継続することが考えられる。この状況では、適応フィルタ係数の個々の要素は、拘束条件を満たさないが、時間的に連続する適応フィルタ係数が互いに拘束条件を満たさない部分を打ち消しあうように、更新され、このためBG誤差信号eb(k)のレベルは小さくなる。そのため、適応フィルタ係数hb(k)をFGフィルタ係数hf(k)に加算する動作が行われるが、この際のフィルタ係数hf(k)の更新はFG誤差信号ef(k)が減少するようには必ずしもならずに、FG誤差信号ef(k)のレベルが時間とともに増加していくという問題が生じるおそれがあると考えられる。また、この問題を解決するためには、周波数領域で処理するBGフィルタ係数更新部22において、適応フィルタ係数hb(k)が拘束条件を満たすためには適応フィルタ係数hb(k)を時間領域に変換しなければならないため演算量が増加するという問題が生じる。
この発明によれば、受話信号をFGフィルタ係数でフィルタ処理して、FG推定信号を求め、収音信号から上記FG推定信号を減算して、FG誤差信号を求め、上記受話信号を適応フィルタ係数でフィルタ処理してBG推定信号を生成し、上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算して、BG誤差信号を求め、上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて、上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記適応フィルタ係数を更新し、上記適応フィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新するエコーキャンセラ装置において、上記適応フィルタ係数更新処理と上記BG推定信号生成処理と上記BG減算処理は、周波数領域で処理を行い、上記適応フィルタ係数が再初期化されてからの所定の時間経過、または上記適応フィルタ係数の上記更新の所定回数を検出して、再初期化信号を出力し、上記再初期化信号を出力されると上記適応フィルタ係数を再初期化する。
この構成によれば、拘束条件を満たす適応フィルタ係数の初期値に戻す再初期化が、所定時間間隔、又は適応フィルタ係数の更新の所定回数毎に行われるため、適応フィルタ係数hb(k)が拘束条件を満たす値から外れた状況が継続しなくなる。このため、FGフィルタ係数に対する更新がFG側誤差信号ef(k)を減少させるように行われることが多くなり、また、たとえFG側誤差信号ef(k)が増加するように1回のフィルタ係数更新が行われたとしても再初期化された適応フィルタ係数hb(k)がそれを打ち消す値になるため、FG誤差信号ef(k)が増加し続けるという問題が生じる恐れはない。また、BG部で、この手段を実行するのに要する演算は適応フィルタ係数h(k)を更新した時からの時間の計測と又は、係数更新回数の計測と適応フィルタ係数h(k)の再初期化とだけであり、演算量が増加するという問題は生じない。
以下に、この発明を実施するための最良の形態を示す。
図4にこの発明の実施例1のエコーキャンセラ120の機能構成例を示し、図5に図4中のこの発明のFG部70の機能構成例を示し、図6に図4中のBG部60の機能構成例を示し、図7に図4中のFGフィルタ係数更新部80の機能構成例を示し、この実施例1の主要な処理の流れを図8に示す。図1〜図3と同一機能構成部分には同一参照番号を付け、重複説明を省略する。以下も同様とする。
また、この発明において、少なくとも、BG部は、周波数領域で処理を行うものであり、FG部は、周波数領域、もしくは時間領域で処理を行うことができる。一般的に、時間領域で行う処理は遅延量は少ないが、演算量が多くなる。よって、FG部の処理は、状況に応じて、周波数領域で行うか、時間領域で行うかを使い分けて実施すればよい。
また、この実施例1ではBGフィルタ係数更新部90は、LMS法あるいはNLMS法を周波数領域で実行し、非特許文献1で挙げられているMDF法(MultiDelay block Frequency domain adaptive filter)もしくはUMDF法(Unconstrained MultiDelay block Frequency domain adaptive filterなどが対象とされる。以下の説明では、周波数領域での適応アルゴリズムとしては、上記MDF法を使用した場合を説明する。なお、受話信号x(k)が複数チャネルある場合についても受話信号x(k)と適応フィルタ係数h(k)の要素がチャネル分増加するだけで以下の全ての事項が適用できるため説明を略する。この実施例1では、FG部70が周波数領域で処理を行う場合を説明する。
FG部70の処理
時間領域の受話信号x(k)と収音信号d(k)が新たに得られると(図8、ステップS2)、時間領域の受話信号x(k)は再生手段4と、周波数領域変換部62に入力される。周波数領域変換部62で、周知の技術である短時間離散的フーリエ変換などで、例えば、ω1〜ωNまでのN個の周波数に対応するN個の離散周波数領域信号、x(ω1)、...、x(ωn)、...、x(ωN)に変換される。ただし、受話信号x(k)は一定周期でサンプリングされ、各サンプルがディジタル値に変換されたディジタル信号である。Nは整数とする。またjをフレーム分割時刻とし、mを周波数領域での適応フィルタ係数の番号(m=1、2、...、M)とすると、
X(m、j)=(x(ω1)、...、x(ωn)、...、x(ωN))と表すこととし、以下の説明は周波数領域の受話信号をX(m、j)として、説明する。
受話信号X(m、j)は、FG部70に入力される。FG部70は、図5に示すように、FG推定信号生成部702、FGフィルタ係数レジスタ701、FG時間領域変換部704、FG減算部706とで構成されている。受話信号X(m、j)は、FG推定信号生成部702に入力される。
また周波数領域でFGフィルタ係数レジスタ701は、FGフィルタ係数Hf(m、j)が格納され、そのFGフィルタ係数Hf(m、j)はFG推定信号生成部702に入力される。
FG推定信号生成部702では、受話信号X(m、j)をFGフィルタ係数Hf(m、j)でフィルタ処理して、FG推定信号Yf(j)を求める。具体的には、周波数領域毎に周波数領域の受話信号X(m、j)と周波数領域の適応フィルタ係数Hf(m、j)との内積を周波数毎にとることで、周波数領域のFG推定信号Yf(j)が求められる。つまり、FG推定信号生成部702で以下の式(11)が計算される。
Yf(j)=Σdiag(X(m、j))*Hf(m、j) (11)
ただし、diag(A)はAの対角行列を表し、*は行列とベクトル間の乗算を表す。
FG推定信号Yf(j)はFG時間領域変換部704に入力され、公知の技術である短時間離散的逆フーリエ変換などで、時間領域の信号yf(k)に変換され、FG減算部706に入力される。
FG減算部706では、収音信号d(k)から時間領域の上記FG推定信号yf(k)を減算して、FG誤差信号ef(k)を求める。つまり、以下の式(12)を行うことで、FG誤差信号ef(k)を求める(ステップS4)。
ef(k)=d(k)―yf(k) (12)
そして、時間領域のFG誤差信号ef(k)は図示しない通信網を通じて、遠端話者側のスピーカ、及び、BG部60に入力される。
BG部60の処理
次に、BG部60の処理の流れを説明する。BG部60は、図6のように、BGフィルタ係数更新部90、適応フィルタ係数レジスタ912、BG推定信号生成部92、BG減算部94、係数更新判定部96、BG周波数領域変換部98、とで構成されている。
受話信号X(m、j)は、BGフィルタ係数更新部90に入力される。BGフィルタ係数更新部90は、BG誤差信号Eb(j)と受話信号X(m、j)とを用いて、BG誤差信号Eb(j)のパワーが減少するように適応フィルタ係数Hb(m、j)を更新する。また、BGフィルタ係数更新部90は、パワー計算部902、乗算部904、除算部906、乗算部908、ステップサイズ選択部909、加算部910、とで構成されている。
受話信号X(m、j)は、パワー計算部902、乗算部904、推定信号生成部92、のそれぞれに入力される。パワー計算部902では、受話信号X(m、j)のパワー、つまり以下の式(13)が計算される。
Σdiag(X(m、j))diag(conj(X(m、j))) (13)
ただしconj(A)はA内のスカラーあるいはベクトル、行列の個々の要素に対して複素共役をとることを示す。
また、以下で説明するBG減算部94で求められた周波数領域のBG誤差信号Eb(j)は乗算部904に入力される。
乗算部904では、受話信号X(m、j)と、誤差信号Eb(j)が乗算され、つまり、以下の式(14)が計算される。
diag( conj(X(m、j)))*Eb(j) (14)
乗算部904の結果であるdiag( conj(X(m、j)))*Eb(j)と、パワー計算部902の結果であるΣdiag(X(m、j))diag(conj(X(m、j)))とが、除算部906に入力され、以下の式(15)が計算され、周波数領域の適応フィルタ係数の更新量であるΔHb(m、j)が求められる。
ΔHb(m、j)=
(Σ(diag(X(m、j))diag(conj(X(m、j))))−1
diag(conj(X(m、j)))*Eb(j) (15)
ΔHb(m、j)は乗算部908に入力される。
また、人手により、もしくは、図示しない制御部により、ステップサイズ選択部909において、周波数帯域のステップサイズSが選択される。ここで、Sは各周波数帯域のステップサイズを対角要素に持つ行列を意味する。選択されたステップサイズSは乗算部908に入力される。乗算部908では、ステップサイズSとΔHb(m、j)とが乗算される、つまり以下の式(16)が計算される。
S*ΔHb(m、j) (16)
この結果が加算部910に入力される。加算部910では、適応フィルタ係数レジスタ912に格納されているHb(m、j−1)がS*ΔHb(m、j)に加算される。つまり、以下の式(17)が計算され、その結果により、前回の適応フィルタ係数Hb(m、j−1)が更新される。
Hb(m、j)=Hb(m、j−1)+S*ΔHb(m、j) (17)
つまり式(13)〜(17)から、以下の式(18)で、周波数領域の適応フィルタ係数は更新される(ステップS6)。
Hb(m、j)=Hb(m、j−1)+
S(Σ(diag(X(m,j))*diag(conj(X(m,j))))−1diag(conj(X(m,j))*Eb(j)(18)
更新された適応フィルタ係数Hb(m、j)は適応フィルタ係数レジスタ912に格納される。なお、このMDF法によるフィルタ係数の更新は上記UMDF法もしくはPFDLMS法(partitioned frequency domain least mean square)に共通で、時間領域の適応アルゴリズムであるNLMS法に対応する。
更新された適応フィルタ係数Hb(m、j)と、周波数領域変換部62よりの受話信号X(m、j)と、が推定信号生成部92に入力される。
推定信号生成部92で、周波数領域毎に周波数領域の受話信号X(m、j)と周波数領域の適応フィルタ係数Hb(m、j)と内積をとることで、周波数領域のBG推定信号Yb(j)が求められる。つまり、推定信号生成部92で以下の式(19)が計算される。
Yb(j)=Σdiag(X(m、j))*Hb(m、j) (19)
BG推定信号Yb(j)はBG減算部94に入力される。
一方、FG部70よりの時間領域のFG誤差信号ef(k)がBG周波数領域変換部98に入力される。周波数領域変換部98では、時間領域のFG誤差信号ef(k)から以下の式(20)のように、周波数領域のFG誤差信号Ef(j)が求められる。
Ef(j)=F[0, 0, ..., 0, ef(k−N/2 + 1), ef(k−N/2 + 2), ..., ef(k)]^T
(20)
ここで、Fはフーリエ変換を施すことであり、Nは1フレームのサンプル数であり、(フレームシフトはN/2)、^Tは転置行列を表す。
BG減算部94で、FG誤差信号Ef(j)の各要素からBG推定信号Yb(j)の対応する要素を減算して、BG誤差信号Eb(j)を求める。BG誤差信号Eb(j)は乗算部904に入力される。このようにして、BG部60において、適応フィルタ係数Hb(m、j)が更新される。
FGフィルタ係数更新判定処理
また、BG周波数領域変換部98よりのFG誤差信号Ef(j)と、BG減算部94よりのBG誤差信号Eb(j)と、が係数更新判定部96に入力される。係数更新判定部96では、以下で説明するFGフィルタ係数更新部80によるFGフィルタ係数の更新をするか否かの判定を行う。具体的には、FG誤差信号Ef(j)の周波数ωnのパワーPEf(ωn、j)からBG誤差信号Eb(j)の周波数ωnのパワーPEb(ωn、j)を減算した値が、ある値αより大きければ、つまり、以下の式(21)を満たしていれば、係数更新判定部96では、BGフィルタ係数、つまり適応フィルタ係数Hb(m、j)の周波数ωnの要素学習が進んだと判定して、FGフィルタ係数更新部80によるFGフィルタ係数の更新を指示する。
PEf(ωn、j)−PEb(ωn、j)≧α (21)
また、この判定は、BG推定信号生成部92よりのBG推定信号Yb(j)の周波数ωnのパワーPYb(ωn、j)と、BG誤差信号Eb(j)の周波数ωnのパワーPEb(ωn、j)と、を用いて行っても良い。この場合は、PYb(ωn、j)からPEb(ωn、j)を減算した値が、ある程度の値βより大きければ、つまり、以下の式(22)を満たしていれば、上記と同様に、係数更新判定部96では、適応フィルタ係数Hb(m、j)の周波数ωnの要素の学習が進んだと判断されるので、FGフィルタ係数更新部80によるFGフィルタ係数の更新をする旨の判定を行う。適応フィルタ係数Hb(m、j)の学習が十分に進むと、BG推定信号Yb(j)は、FG誤差信号Ef(j)と近い値になる。従って、式(22)による判定でもよいことになる。
PYb(ωn、j)−PEb(ωn、j)≧β (22)
FGフィルタ係数更新処理
次に、FGフィルタ係数更新部80について説明する。FGフィルタ係数更新部80は適応フィルタ係数Hb(m、j)をFGフィルタ係数Hf(m、j)に加算し、FGフィルタ係数Hf(m、j)を更新する(ステップS8)。また、上述のように、周波数領域で、適応フィルタ係数Hb(m、j)をFGフィルタ係数Hf(m、j)に加算する際に、上記拘束条件を満たしていなければならない。この拘束条件を満たすためのFGフィルタ係数更新部80の具体的構成例を説明する。図7に示すように、この実施例では、FGフィルタ係数更新部80は時間領域変換手段802、半分0化手段804、周波数領域変換手段806、加算手段808により構成されている。なお、係数更新判定部96により、FGフィルタ係数の更新を行う旨の判定がされなかった周波数ωnの要素には0を詰めて、FGフィルタ係数更新部80のFGフィルタ係数更新処理は作動する。
まずBG部60中の適応フィルタ係数レジスタ912中の適応フィルタ係数Hb(m、j)が時間領域変換手段802に入力される。時間領域変換手段802で、適応フィルタ係数Hb(m、j)を時間領域の適応フィルタ係数hb(k)に変換する。
適応フィルタ係数hb(k)は半分0化手段804に入力される。半分0化手段804で、適応フィルタ係数hb(k)の要素の半分以上を0にする。時間領域に変換した適応フィルタ係数のどの要素を0に置き換えるかは、上記非特許文献1もしくは上記参考文献に記載されている。適応フィルタ係数hb(k)の要素の半分以上を0にされた適応フィルタ係数hb(k)’は、周波数領域変換手段806に入力され、再び、周波数領域に変換され、適応フィルタ係数Hb(m、j)’が求められる。周波数領域の適応フィルタ係数Hb(m、j)’とFGフィルタ係数レジスタ701に格納されているFGフィルタ係数Hf(m、j)とが加算手段808に入力される。
加算手段808で、Hf(m、j)の各要素とHb(m、j)’の対応要素とが加算され、FGフィルタ係数Hf(m、j)’が求められる。新たに求められたFGフィルタ係数Hf(m、j)’がFGフィルタ係数レジスタ701に格納され、FGフィルタ係数は更新される。このようにして、FG部70、BG部60、FGフィルタ係数更新部80の処理は繰り返される。
再初期化処理
また、この発明では、適応フィルタ係数Hb(m、j)が上記拘束条件を満たす値から大きく外れた状況が継続することを阻止するために、BG部60内の適応フィルタ係数Hb(m、j)を拘束条件を満たす初期値h0に戻す再初期化を行う。
図4に示すように、再初期化時期検出部100には、適応フィルタ係数Hb(m、j)が再初期化されてからの所定の時間経過を検出し、または、適応フィルタ係数Hb(m、j)の更新を所定回数行ったことを検出して、再初期化信号を出力する。
再初期化時期検出部100には、設定可能タイマ102もしくは、設定可能カウンタ104が具備されている。まず、設定可能タイマ102が具備されている場合を説明する。
再初期化時期検出部100には予め、時間閾値θがTレジスタ103に設定されている。設定可能タイマ102は、BG部60内の適応フィルタ係数レジスタ912内の適応フィルタ係数Hb(m、j)が再初期化されてからの経過時間Teを測定する(ステップS10)。経過時間Teが時間閾値θになると、つまり以下の式(23)を満たせば、設定可能タイマ102が、タイムアウト信号を出力し、設定可能タイマ102はリセットされる。このタイムアウト信号を再初期化時期検出部100は再初期化信号として出力する(ステップS12)。
Te≧θ (23)
再初期化信号は再初期化部110に入力され、再初期化部110はその入力により、BG部60中の適応フィルタ係数レジスタ912中の適応フィルタ係数Hb(m、j)の各要素を再初期化する(ステップS14)。ここで、拘束条件を満たす典型的な初期値は適応フィルタ係数Hb(m、j)の全ての要素が0のベクトルである。
また、再初期化時期検出部100に設定可能カウンタ104が具備されている場合を説明する。再初期化時期検出部100には予め回数閾値θがCレジスタ105に設定されている。BGフィルタ係数更新部90において、適応フィルタ係数Hb(m、j)の更新が行われるたびに、そのことを示す信号が設定可能カウンタ104に入力され、適応フィルタ係数Hb(m、j)の更新回数が、設定可能カウンタ104でカウントされる(ステップS10)。カウント数Tuが回数閾値θ以上になった場合、つまり、以下の式(24)を満たせば、設定可能カウンタ104からカウントオーバー信号が出力され、再初期化時期検出部100は、このカウントオーバー信号を再初期化信号として、出力する(ステップS12)。
Tu≧θ (24)
再初期化信号が出力されれば、カウント数Tuは0にリセットされる。再初期化部110の処理は上記と同様である。
適応フィルタ係数がある程度、収束するごとに、再初期化をすればよいから、BG推定信号生成部92のフィルタを時間領域処理とした場合、θやθの値はフィルタ長の数10(約20〜30)倍程度の時間、つまりフィルタ係数の更新を数10(約20〜30)回行う毎に、再初期化すればよい。
また、実施例1の変形例として、FG部70中に図5中に破線で示すようにFG時間領域変換部704の後段にFG周波数領域変換部705を設けて、上記拘束条件を満たすようにして、その出力FG推定信号Yf(j)をFG減算部706に入力し、時間領域の収音信号d(k)を周波数領域に変換するFG周波数領域変換部708(図5中に破線で示している)と周波数領域のFG誤差信号Ef(j)を時間領域に変換して上記通信網に出力する時間領域変換部710(図5中に破線で示している)を設けても良い。この場合、時間領域の収音信号d(k)は周波数領域の収音信号D(j)に変換され、FG減算部706に入力される。
FG減算部706で、周波数領域の収音信号D(j)の各要素からFG推定信号Yf(j)の対応要素を減算して、周波数領域のFG誤差信号Ef(j)が求められる。このFG誤差信号Ef(j)は図6中には破線で示すように、BG部60内のBG減算部94と係数更新判定部96に入力される。この場合はBG周波数領域変換部98は省略される。
この実施例2では、FG部70中のFG推定信号生成部702とFG減算部706は時間領域で処理を行う。また、図5、図7において、時間領域処理を行うことを同一番号にダッシュ「’」を付け、かつ括弧書きで示す。FG部70中のFG時間領域変換部704は設けられない。
この場合、受話信号x(k)は周波数領域変換部62に入力されずに、図5で破線で示すように、FG推定信号生成部702’に入力される。また、この場合、FGフィルタ係数レジスタ701’には、時間領域のFGフィルタ係数hf(k)が、格納されている。FG推定信号生成部702’では、上記式(1)において、h(k)をhf(k)に置き換えた式の左辺により、FG推定信号yf(k)が求められる。
また、この実施例2では、図7で示すようにFGフィルタ係数更新部80は、時間領域変換手段802と、加算手段808’と、で構成されている。
BG部60中の適応フィルタ係数レジスタ912に周波数領域で格納されているHb(m、j)は、時間領域変換手段802に入力され、時間領域の適応フィルタ係数hb(k)に変換され、0に置き換える処理が行われることなく、加算手段808’に入力される。係数更新判定部96がFGフィルタ係数の更新をする旨の判定を行った場合は、加算手段808’において、hf(k)とhb(k)とが加算される。加算された値hf(k)がFGフィルタ係数レジスタ701’に格納され、FGフィルタ係数は更新される。
上述においては、各フィルタ係数格納レジスタを個別に設けたが、例えば、適応フィルタ係数レジスタ912はBG推定信号生成部92、又はBGフィルタ係数更新部90内に設けても良い。FGフィルタ係数レジスタ701(701’
)も同様にFG推定信号生成部30又はFGフィルタ係数更新部22内に設けても良い。
以上の各実施形態の他、本発明であるエコーキャンセラ装置は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、エコーキャンセラ装置において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
また、この発明のエコーキャンセラ装置における処理をコンピュータによって実現する場合、エコーキャンセラ装置が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、エコーキャンセラ装置における処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(DigitalVersatileDisc)、DVD−RAM(RakdomAccessMemory)、CD−ROM(CompactDiscReadOklyMemory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magketo−Opticaldisc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(ElectrokicallyErasableakdProgrammable−ReadOklyMemory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(ApplicatiokServiceProvider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、エコーキャンセラ装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
従来技術のエコーキャンセラ10の機能構成例を示すブロック図。 従来技術のFG/BG構成のエコーキャンセラ20の機能構成例を示すブロック図。 従来技術の差分型FG/BG構成のエコーキャンセラ45の機能構成例を示すブロック図。 この発明の実施例1、実施例2のエコーキャンセラ120の機能構成例を示すブロック図。 この発明の実施例1、実施例2のFG部70の機能構成例を示すブロック図。 この発明の実施例1、実施例2のBG部60の機能構成例を示すブロック図。 この発明の実施例1、実施例2のFGフィルタ係数更新部80の機能構成例を示すブロック図。 この発明の主な処理の流れを示すフローチャート図。

Claims (8)

  1. 受話信号をFGフィルタ係数でフィルタ処理して、FG推定信号を求めるFG推定信号生成部と、
    収音信号から上記FG推定信号を減算して、FG誤差信号を求めるFG減算部と、を備えるFG部と、
    上記受話信号をBGフィルタ係数でフィルタ処理して、BG推定信号を生成するBG推定信号生成部と、
    上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算して、BG誤差信号を求めるBG減算部と、
    上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて、上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記BGフィルタ係数を更新するBGフィルタ係数更新部と、を備えるBG部と、
    記BGフィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新するFGフィルタ係数更新部と、を具備するエコーキャンセラ装置において、
    上記BGフィルタ係数更新部と上記BG推定信号生成部と上記BG減算部は、周波数領域で処理を行うものであり、
    更に、上記BGフィルタ係数が再初期化されてからの上記BGフィルタ係数の更新の回数が所定の閾値以上となったとき、再初期化信号を出力する再初期化時期検出部と、
    上記再初期化時期検出部が、上記再初期化信号を出力すると上記BGフィルタ係数を再初期化する再初期化部と、を具備することを特徴とするエコーキャンセラ装置。
  2. 請求項1記載のエコーキャンセラ装置において、
    上記FG推定信号生成部と上記FG減算部は周波数領域で処理を行うものであり、
    上記FGフィルタ係数更新部は、
    記BGフィルタ係数を時間領域に変換する時間領域変換手段と、
    上記時間領域に変換された上記BGフィルタ係数の要素の半分以上を0にする半分0化手段と、
    上記要素の半分以上を0にされた時間領域の上記BGフィルタ係数を周波数領域に変換する周波数領域変換手段と、
    上記周波数領域変換手段よりの周波数領域に変換された上記BGフィルタ係数と、上記FGフィルタ係数と、を加算する加算手段と、
    を備えることを特徴とするエコーキャンセラ装置。
  3. 請求項1記載のエコーキャンセラ装置において、
    上記FG推定信号生成部と上記FG減算部は時間領域で処理を行うものであり、
    上記FGフィルタ係数更新部は、
    記BGフィルタ係数を時間領域に変換する時間領域変換手段と、
    上記時間領域に変換されたBGフィルタ係数と、上記FGフィルタ係数と、を加算する加算手段と、
    を備えることを特徴とするエコーキャンセラ装置。
  4. FG推定信号生成手段が、受話信号をFGフィルタ係数でフィルタ処理して、FG推定信号を求めるFG推定信号生成過程と、
    FG減算手段が、収音信号から上記FG推定信号を減算して、FG誤差信号を求めるFG減算過程と、
    BG推定信号生成手段が、上記受話信号をBGフィルタ係数でフィルタ処理して、BG推定信号を生成するBG推定信号生成過程と、
    BG減算手段が、上記FG誤差信号から上記BG推定信号を減算して、BG誤差信号を求めるBG減算過程と、
    BGフィルタ係数更新手段が、上記BG誤差信号と上記受話信号とを用いて、上記BG誤差信号のパワーが減少するように上記BGフィルタ係数を更新するBGフィルタ係数更新過程と、
    FGフィルタ係数更新手段が、上記BGフィルタ係数を上記FGフィルタ係数に加算し、上記FGフィルタ係数を更新するFGフィルタ係数更新過程と、を有するエコーキャンセラ方法において、
    上記BGフィルタ係数更新過程と上記BG推定信号生成過程と上記BG減算過程は、周波数領域で処理を行う過程であり、
    更に、再初期化時期検出手段が、上記BGフィルタ係数が再初期化されてからの上記BGフィルタ係数の更新の回数が所定の閾値以上となったとき、再初期化信号を出力する再初期化時期検出過程と、
    再初期化時期検出手段が上記再初期化信号を出力すると、再初期化手段が、上記BGフィルタ係数を再初期化する再初期化過程と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ方法。
  5. 請求項4記載のエコーキャンセラ方法において、
    上記FG推定信号生成過程と上記FG減算過程は周波数領域で処理を行う過程であり、
    上記FGフィルタ係数更新過程は、
    時間領域変換手段が、上記BGフィルタ係数を時間領域に変換する時間領域変換過程と、
    半分0化手段が、上記時間領域に変換された上記BGフィルタ係数の要素の半分以上を0にする半分0化過程と、
    周波数領域変換手段が、上記要素の半分以上を0にされた上記BGフィルタ係数を周波数領域に変換する周波数領域変換過程と、
    加算過程が、上記周波数領域に変換された上記BGフィルタ係数と、上記FGフィルタ係数と、を加算する加算過程と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ方法。
  6. 請求項4に記載のエコーキャンセラ方法において、
    上記FG推定信号生成過程と上記FG減算過程は時間領域で処理を行う過程であり、
    上記FGフィルタ係数更新過程は、
    時間領域変換手段が、上記BGフィルタ係数を時間領域に変換する時間領域変換過程と、
    加算手段が、上記時間領域に変換されたBGフィルタ係数と、上記FGフィルタ係数と、を加算する加算過程と、を有することを特徴とするエコーキャンセラ方法。
  7. 請求項4〜6の何れかに記載したエコーキャンセラ方法の各過程をコンピュータに実行させるためのエコーキャンセラプログラム。
  8. 請求項7記載のエコーキャンセラプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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