JPH1078460A - 直流成分除去装置および素子定数測定装置 - Google Patents

直流成分除去装置および素子定数測定装置

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JPH1078460A
JPH1078460A JP25372496A JP25372496A JPH1078460A JP H1078460 A JPH1078460 A JP H1078460A JP 25372496 A JP25372496 A JP 25372496A JP 25372496 A JP25372496 A JP 25372496A JP H1078460 A JPH1078460 A JP H1078460A
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signal
moving average
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JP25372496A
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Hideaki Minami
秀明 南
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Hioki EE Corp
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Hioki EE Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 突発的なノイズによるディジタル演算への影
響を低減可能な直流成分除去装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】 交流信号の少なくとも1周期分を所定時
間間隔でサンプリングするサンプリング回路4,5と、
サンプリングされた交流信号をアナログ−ディジタル変
換するA/D変換回路6と、ディジタル変換された複数
の基準ディジタルデータに基づいて交流信号の平均値を
演算すると共に、交流信号から直流成分を除去した複数
の新たなディジタルデータを平均値および複数の基準デ
ィジタルデータに基づいて演算する演算部7とを備えて
いる直流成分除去装置1において、演算部7は、複数の
基準ディジタルデータの各々にそれぞれ対応させた移動
平均値データを移動平均法に従って演算し、移動平均値
データの各々から平均値を減算することによって複数の
新たなディジタルデータを演算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定素子の素子
定数を測定するLCRメータなどの素子定数測定装置、
および素子定数測定装置に好適に用いることが可能な直
流成分除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、LCRメータなどにおいて、デ
ィジタル処理によって被測定素子の素子定数(実効抵抗
分およびリアクタンス分など)を測定する場合、素子定
数測定用の交流を被測定素子に印加し、被測定素子の両
端に発生する交流電圧信号と、被測定素子に流れている
交流電流信号とを検出した後、両信号に基づいて素子定
数を演算している。この場合、検出した交流電圧信号や
交流電流信号を増幅するために演算増幅器などを一般的
に用いている。このため、演算増幅器のオフセット電圧
などの直流成分が交流信号中に含まれてしまうことがあ
り、かかる場合には、直流成分が、素子定数の演算にお
いて誤差を発生させる原因となる。したがって、素子定
数の演算に先立って、交流信号に含まれている直流成分
を除去する必要がある。
【0003】このため、出願人は、このような素子定数
測定装置に用いられる直流成分除去装置を特開平6−5
3779号公報において既に開示している。出願人の開
示した直流成分除去装置は、サンプリング回路、A/D
変換回路およびCPUを備えている。この直流成分除去
装置では、サンプリング回路が、交流電圧信号の少なく
とも1周期分を所定時間間隔でサンプリングし、A/D
変換回路が、サンプリングされた交流電圧信号をアナロ
グ−ディジタル変換することによって、N個(Nは2以
上の整数)の基準ディジタルデータを生成する。次い
で、CPUが、N個の基準ディジタルデータをすべて加
算すると共に、加算値を値Nで除算することによって交
流信号の平均値を演算した後、N個の基準ディジタルデ
ータの各々から平均値を減算することによって、交流信
号から直流成分を除去したN個の新たなディジタルデー
タを演算している。
【0004】これにより、この直流成分除去装置では、
煩雑な回路定数の微調整を行うことなく、交流信号に含
まれている直流成分を除去することが可能になってい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、出願人の開
示した直流成分除去装置には、以下の改善すべき点があ
る。すなわち、交流電圧信号や交流電流信号を検出する
ためには、プローブなどで被測定素子と直流成分除去装
置とを接続する必要がある。このため、工場内などで素
子定数を測定しようとした場合、モータで発生するパル
ス信号やエンジンのイグニッションノイズなど突発的に
発生する高周波成分のノイズがプローブを介して交流電
圧信号や交流電流信号に重畳することがある。このよう
なときには、重畳したノイズによって交流信号の電圧値
や電流値の演算に誤差が生じてしまう。したがって、出
願人の開示した直流成分除去装置には、重畳したノイズ
に起因する演算誤差を低減することが望ましいという改
善点がある。
【0006】本発明は、かかる改善点に鑑みてなされた
ものであり、突発的なノイズによるディジタル演算への
影響を低減可能な直流成分除去装置およびこれを用いた
素子定数測定装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載の直流成分除去装置は、交流信号の少なくと
も1周期分を所定時間間隔でサンプリングするサンプリ
ング回路と、サンプリングされた交流信号をアナログ−
ディジタル変換するA/D変換回路と、ディジタル変換
された複数の基準ディジタルデータに基づいて交流信号
の平均値を演算すると共に、交流信号から直流成分を除
去した複数の新たなディジタルデータを平均値および複
数の基準ディジタルデータに基づいて演算する演算部と
を備えている直流成分除去装置において、演算部は、複
数の基準ディジタルデータの各々にそれぞれ対応させた
移動平均値データを移動平均法に従って演算し、移動平
均値データの各々から平均値を減算することによって複
数の新たなディジタルデータを演算することを特徴とす
る。
【0008】この直流成分除去装置では、演算部が、移
動平均法に従って、複数の基準ディジタルデータの各々
に対応させた移動平均値データを演算する。具体的に
は、例えば、任意の1つの基準ディジタルデータDmに
ついて移動平均値データを演算する場合を例に挙げて説
明すれば、演算部は、任意の1つの基準ディジタルデー
タDmを含んで連続するk個(値kは2以上の整数)の
基準ディジタルデータの値を加算し、加算値を値kで除
算することによって移動平均値データを演算する。これ
により、基準ディジタルデータDmに突発的なノイズが
含まれている場合であっても、そのノイズが平均化され
る。このため、例えば、交流電圧信号や交流電流信号に
基づいて素子の素子定数などを演算する場合、ノイズに
起因する演算誤差を低減することが可能になる。
【0009】請求項2記載の直流成分除去装置は、交流
信号の少なくとも1周期分を所定時間間隔でサンプリン
グするサンプリング回路と、サンプリングされた交流信
号をアナログ−ディジタル変換するA/D変換回路と、
交流信号から直流成分を除去した複数の新たなディジタ
ルデータをディジタル変換された複数の基準ディジタル
データに基づいて演算する演算部とを備えている直流成
分除去装置において、演算部は、複数の基準ディジタル
データの各々からその基準ディジタルデータの各々に対
して位相が180゜それぞれ異なる基準ディジタルデー
タを減算した減算値を値2で除算する演算と等価の演算
によって生成したデータ列を新たなディジタルデータと
することを特徴とする。なお、この場合、演算部は、基
準ディジタルデータの各々を値2で除算すると共に、除
算後のディジタルデータから、その各々の基準ディジタ
ルデータに対して位相が180゜それぞれ異なる基準デ
ィジタルデータを値2で除算したディジタルデータを減
算するなど、演算順序を適宜変えることができる。
【0010】例えば、素子の素子定数を測定する場合、
所定周期の測定用交流を素子に印加し、次いで、素子の
両端に発生する交流電圧信号、および素子に流れている
交流電流信号に基づく基準ディジタルデータを検出す
る。この際、交流電圧信号(または交流電流信号)に直
流成分が重畳していないとすれば、一般的に、任意の1
つの基準ディジタルデータから、その基準ディジタルデ
ータに対して位相が180゜異なる基準ディジタルデー
タを減算し、かつ、減算値を値2で除算すれば、その除
算値は元の任意の1つの基準ディジタルデータの値と等
しくなる。一方、突発的に交流電圧信号などに重畳する
ノイズの周波数は、測定用交流の周波数と比較して極め
て高い。したがって、任意の1つの基準ディジタルデー
タにノイズが重畳したとしても、180゜位相が異なる
他の基準ディジタルデータにもノイズが重畳されるのは
極めて希である。このため、基準ディジタルデータの各
々から、その各々の基準ディジタルデータに対して位相
が180゜それぞれ異なる基準ディジタルデータを減算
した後に、値2で除算すれば、ノイズが分散されて平均
化される。この結果、例えば、交流電圧信号や交流電流
信号に基づいて素子の素子定数などを演算する場合に、
ノイズに起因する演算誤差を低減することが可能にな
る。
【0011】請求項3記載の直流成分除去装置は、請求
項2記載の直流成分除去装置において、演算部は、複数
の基準ディジタルデータの各々にそれぞれ対応させた移
動平均値データを移動平均法に従って演算し、かつ、演
算した複数の移動平均値データの各々から移動平均値デ
ータの各々に対して位相が180゜それぞれ異なる移動
平均値データを減算した減算値を値2で除算する演算と
等価の演算によって生成したデータ列を新たなディジタ
ルデータとすることを特徴とする。なお、この場合、演
算部は、演算した複数の移動平均値データの各々を値2
で除算すると共に、除算後のディジタルデータから、そ
の移動平均値データの各々に対して位相が180゜それ
ぞれ異なる移動平均値データを値2で除算したディジタ
ルデータを減算するなど、演算順序を適宜変えることが
できる。
【0012】この直流成分除去装置では、先ず移動平均
値データを生成することによって基準ディジタルデータ
に重畳しているノイズを平均化し、次いで、移動平均値
データの各々と、その移動平均値データの各々と位相が
180゜それぞれ異なる移動平均値データとに基づいて
新たなデータ列を演算することによって、さらにノイズ
を分散して平均化する。このため、例えば、交流電圧信
号や交流電流信号に基づいて素子の素子定数などを演算
する場合、ノイズに起因する演算誤差をより低減するこ
とが可能になる。
【0013】請求項4記載の素子定数測定装置は、請求
項1から3のいずれかに記載の直流成分除去装置を2つ
備え、2つの直流成分除去装置は、一方が、素子定数測
定用の交流を被測定素子に印加した際に被測定素子の両
端に発生する交流電圧信号、およびこれに含まれる直流
電圧成分をそれぞれ交流信号および直流成分として複数
の新たなディジタルデータを演算し、かつ、他方が、被
測定素子に流れている交流電流信号、およびこれに含ま
れる直流電流成分をそれぞれ交流信号および直流成分と
して複数の新たなディジタルデータを演算するように構
成され、2つの直流成分除去装置においてぞれぞれ生成
された複数の新たなディジタルデータに基づいて被測定
素子の素子定数を演算する定数演算部をさらに備えてい
ることを特徴とする。なお、2つの直流成分除去装置の
いずれか一方における演算部が定数演算部として機能す
るように構成することもできる。また、2つの直流成分
除去装置のいずれか一方における演算部が他方の演算部
および定数演算部として機能するように構成することも
できる。
【0014】この素子定数測定装置では、請求項1から
3のいずれかに記載の直流成分除去装置が、基準ディジ
タルデータに重畳しているノイズを平均化する。したが
って、定数演算部は、重畳したノイズに起因する誤差を
極めて低減することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る直流成分除去装置および素子定数測定装置をL
CRメータに適用した実施の形態について説明する。
【0016】(第1の実施形態)図1は、LCRメータ
1のブロック図を示している。同図に示すLCRメータ
1は、図外のプローブを介して入力した交流電圧信号S
V および交流電流信号SI を増幅するオペアンプ2,3
と、オペアンプ2,3の出力信号をそれぞれサンプル−
ホールドするサンプル−ホールド回路(本発明における
サンプリング回路に相当し、以下、「S/H回路」とも
いう)4,5と、S/H回路4,5によってそれぞれサ
ンプリングされたアナログ信号である交流信号をディジ
タル信号である基準ディジタルデータに変換するアナロ
グ−ディジタル変換回路(以下、「A/D変換回路」と
もいう)6と、A/D変換回路6によって変換された基
準ディジタルデータに基づいて、後述する各種の処理に
よって素子定数を演算するCPU(本発明における演算
部および定数演算部に相当する)7と、基準ディジタル
データや中間データなどを一時的に記憶するメモリ8
と、CPU7によって演算された素子定数の表示、およ
び素子定数データの装置外部への出力を行う表示・出力
回路9と、被測定素子(図示せず)に印加する定数測定
用の交流信号SACを発振して出力する発振回路10とを
備えている。なお、発振回路10は、測定対象の素子に
応じて任意の周波数の交流信号SACを出力できるように
構成されている。
【0017】次に、LCRメータ1における動作につい
て、図5(a)に示す素子定数演算処理のフローチャー
トを参照して説明する。
【0018】このLCRメータ1における被測定素子の
素子定数測定の際には、先ず、発振回路10の交流信号
ACを被測定素子に印加することにより、被測定素子の
両端に発生する交流電圧信号SV と、被測定素子に流れ
ている交流電流信号SI とをプローブを介してオペアン
プ2,3にそれぞれ入力する。次いで、オペアンプ2,
3が、両交流信号SV ,SI を所定の利得で増幅してS
/H回路4,5にそれぞれ出力する。その際、オペアン
プ2,3から出力される両交流信号SV ,SIには、図
2(a),(b)にそれぞれ示すように、オペアンプ
2,3のオフセット電圧(直流成分)VO1,VO2や、突
発的な外来ノイズSN が重畳することがある。
【0019】S/H回路4,5は、それぞれ、両交流信
号SV ,SI の1周期についてN回(値Nは2以上の整
数)サンプリング(ステップ21)し、サンプリングし
たアナログ交流信号をA/D変換回路6に出力する。次
いで、A/D変換回路6がアナログ交流信号をA/D変
換して基準ディジタルデータとしてCPU7に出力す
る。
【0020】CPU7は、両交流信号SV ,SI の例え
ば1周期分についての基準ディジタルデータをメモリ8
に記憶させた後、両交流信号SV ,SI についての移動
平均値データを演算する(ステップ22)。なお、両交
流信号SV ,SI についての移動平均値データの演算処
理や後述する平均値の減算処理などは、ほぼ同じように
並行して処理されるため、以下、同一の処理については
代表して交流信号SVについての処理のみを説明する。
【0021】移動平均値データの演算処理では、CPU
7は、図3に示すように、交流信号SV の1周期分につ
いてのN個分の基準ディジタルデータ(同図の符号1〜
Nの点における交流電圧値を表すデータであって、以
下、D1、D2、D3・・・D(N−1)、DNとして
表す)の各々について、例えば、その各々の基準ディジ
タルデータを含めて連続するk個(値kは値Nよりも小
さい2以上の整数)の移動平均値を移動平均法に従って
演算する。この場合の演算式の一例を下記の式で表
す。なお、式において、「D(n)」および「X
(n)」は、N個の連続する基準ディジタルデータのう
ちの任意の1つのデータ値、およびその任意の1つのデ
ータ値に対応する移動平均値データの値をそれぞれ意味
する。なお、式では、任意の1つの基準ディジタルデ
ータを含めて前k個分の移動平均値を演算しているが、
後ろk個分でもよいし、任意の1つの基準ディジタルデ
ータを中間値として連続するk個の移動平均値を演算し
てもよい。これにより、基準ディジタルデータに含まれ
ている突発的なノイズSN の電圧が平均化された移動平
均値データが求められる。
【0022】
【数1】
【0023】次いで、CPU7は、基準ディジタルデー
タの平均値を演算すると共に、演算したN個の移動平均
値データの各々から平均値を減算する(ステップ2
3)。具体的には、CPU7は、先ず、下記の式に従
って、平均値VDCを演算する。この場合、平均値VDC
交流電圧信号に重畳されたオフセット電圧VO1(または
O2)とノイズSN の平均値との和電圧(以下、この和
電圧を「直流成分」ともいう)にほぼ等しくなる。な
お、式において、「Di」は、任意の1つの基準ディ
ジタルデータに対応する交流電圧信号SV (または交流
電流信号SI )の電圧値を意味する。
【0024】
【数2】
【0025】次に、CPU7は、下記の式に従って、
N個の移動平均値データの各々から平均値VDCを減算す
る。なお、式において「Y(n)」は、交流信号SV
から直流成分を除去したN個の新たなディジタルデータ
のうちの任意の1つのデータの値を示す。つまり、新た
なディジタルデータ列は、Y1、Y2・・・・Y(N−
1)、YN、で構成される。 Y(n)=X(n)−VDC ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・式
【0026】この結果、新たなディジタルデータは、オ
フセット電圧VO1(またはVO2)が除去され、かつ重畳
された突発的なノイズSV が平均化された、交流信号S
V (またはSI )に対応するサンプリングデータとな
る。
【0027】次いで、CPU7は、交流電圧信号SV
よび交流電流信号SI についての新たなディジタルデー
タに基づいて、素子定数の演算を実行する(ステップ2
4)。この素子定数演算処理は、種々の方法によって行
うことが可能であるが、一例として、出願人が特開平6
−51004号公報において既に開示した方法の概略を
説明する。先ず、CPU7が、2つの新たなディジタル
データに基づいて、下記の式に従って、平均有効電力
成分AR を演算する。なお、式において、「YV
(i)」および「YI (i)」は、それぞれ、交流電圧
信号SV についての新たなディジタルデータによって示
される電圧値、および交流電流信号SI についての新た
なディジタルデータによって示される電流値を意味す
る。
【0028】
【数3】
【0029】次いで、CPU7は、2つの新たなディジ
タルデータに基づいて、下記の式に従って、平均無効
電力成分AX を演算する。なお、式において、「YV
(i+N/4)」および「YI (i+3N/4)」は、
それぞれ、交流電圧信号についての新たなディジタルデ
ータYV (i)に対して90゜位相が進んだ新たなディ
ジタルデータによって示される電圧値、および交流電流
信号についての新たなディジタルデータYI (i)に対
して位相が270゜進んだ新たなディジタルデータによ
って示される電流値を意味する。また、同式は、交流電
流信号SI と、その交流電流信号SI に対して位相が9
0゜ずれた交流電圧信号SV とを互いに次々と掛け合わ
せることを意味している。
【0030】
【数4】
【0031】次に、CPU7は、交流電流信号SI の実
効値の二乗に相当する値Hを下記の式に従って演算す
る。
【0032】
【数5】
【0033】次いで、CPU7は、既に演算した平均有
効電力成分AR 、平均無効電力成分AX および値Hに基
づいて、実効抵抗分(AR /H)およびリアクタンス分
(AX /H)を初めとして抵抗値、容量値、インダクタ
ンス値、コンデンサの損失係数およびクオリティなどの
各種素子定数を演算して、これらの処理を終了する。そ
の後、CPU7は、表示・出力回路9に素子定数を表示
させると共に、表示・出力回路9を介して装置外部に素
子定数データを出力する。
【0034】(第2の実施形態)第2の実施形態におけ
るLCRメータ11は、その構成要素が第1の実施形態
におけるLCRメータ1の構成要素と同一であって、素
子定数演算処理を異なった方法で行う点が相違する。し
たがって、図5(b)に示すフローチャートを参照し
て、第1の実施形態における素子定数演算処理において
異なる処理についてのみ重点的に説明する。
【0035】同図に示すように、この実施形態に係るL
CRメータ11では、CPU7が、第1の実施形態にお
いて実行した、交流信号のサンプリング処理(ステップ
21)および基準ディジタルデータDnの各々について
の移動平均値データX(n)の演算処理(ステップ2
2)を行った後、減算および除算の処理を実行する(ス
テップ25)。減算処理では、CPU7は、移動平均値
データX(n)の各々に対して、その各々の移動平均値
データX(n)とは位相が180゜それぞれ異なる移動
平均値データX(n)を減算する。つまり、図4に示す
ように、交流信号SV の1周期に対して2N個のサンプ
リングを行ったものとすれば、例えば、基準データD1
に対して位相が180゜異なる基準データは基準データ
D(1+N)であるため、一般的には、基準データDn
に対応する移動平均値データX(n)と比較して180
゜位相が異なる移動平均値データは、移動平均値データ
X(n+N)となる。この場合、直流成分が交流電圧信
号SV に重畳されていないとすれば、一般的に、下記の
式が成立する。ただし、X(n)は任意の1つの移動
平均値データとする。 X(n)=−X(n+N) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・式 したがって、除算処理によって、減算処理で生成された
ディジタルデータ列の各々を値2で除算すれば、下記の
式で表される新たな2N個のディジタルデータ(本発
明におけるN個のデータ列に相当する)が生成される。
なお、Z(n)は、新たなディジタルデータの任意の1
つによって表される値を示す。
【0036】
【数6】
【0037】この場合、突発的に交流電圧信号SV (ま
たは交流電流信号SI )に重畳するノイズSN の周波数
は測定用交流の周波数と比較して極めて高いため、任意
の1つの基準ディジタルデータにノイズSN が重畳した
としても、180゜位相が異なる他の基準ディジタルデ
ータにもノイズSN が重畳されるのは極めて希である。
したがって、生成された2N個の新たなディジタルデー
タにおいては、ノイズSV が分散されて平均化されてい
る。この結果、次いで実行される素子定数演算処理(ス
テップ24)において、新たな2N個のディジタルデー
タZV (n)やディジタルデータZI (n)に基づいて
素子の素子定数などを演算する場合に、ノイズSN に起
因する演算誤差をより低減することができる。
【0038】なお、上記第2の実施形態では、移動平均
値データX(n)の各々から、その移動平均値データの
各々に対して位相が180゜それぞれ異なる移動平均値
データX(n+N)を減算すると共に、その減算値を値
2で除算しているが、本発明は、これに限定されず、基
準ディジタルデータDnの各々から、その基準ディジタ
ルデータの各々に対して位相が180゜異なる基準ディ
ジタルデータを減算すると共に、その減算値を値2で除
算することによって新たなディジタルデータを演算する
構成を採用することもできる。また、上述したCPU7
の演算は、同一の演算結果が得られる範囲内で、その演
算順序を適宜変更することが可能である。
【0039】さらに、上記した2つの実施形態では、測
定用の交流の1周期分の基準ディジタルデータに基づい
て素子定数を測定しているが、本発明は、これに限定さ
れず、2周期以上の基準ディジタルデータに基づいて素
子定数を測定してもよいし、上記した減算処理(ステッ
プ25)において、位相が(180゜+2nπ)異なる
基準ディジタルデータを減算してもよい。ただし、本実
施形態における素子定数演算処理では、定数測定用の交
流信号SACの1周期分で素子定数を測定することができ
ため、極めて迅速に素子定数を測定することができる。
【0040】また、上記第2の実施形態では、移動平均
値データの演算処理(ステップ22)を行ってから減算
および除算の処理(ステップ25)を行っているが、基
準ディジタルデータについて先に減算処理および除算処
理を行った後に移動平均値データを演算することによっ
て、新たなディジタルデータ列を演算することも可能で
ある。
【0041】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の直流成分除
去装置によれば、演算部が、複数の基準ディジタルデー
タの各々にそれぞれ対応させた移動平均値データを移動
平均法に従って演算した後、移動平均値データの各々か
ら平均値を減算して複数の新たなディジタルデータを演
算することにより、基準ディジタルデータに突発的なノ
イズが含まれている場合であっても、そのノイズを平均
化することができる。これにより、例えば、交流電圧信
号や交流電流信号に基づいて素子の素子定数などを演算
する場合に、ノイズに起因する演算誤差を低減すること
ができる。
【0042】また、請求項2記載の直流成分除去装置に
よれば、演算部が、複数の基準ディジタルデータの各々
から、その基準ディジタルデータの各々に対して位相が
180゜それぞれ異なる基準ディジタルデータを減算し
た減算値を値2で除算する演算と等価の演算によって生
成したデータ列を新たなディジタルデータとすることに
より、任意の1つの基準ディジタルデータにノイズが重
畳したとしても、ノイズを分散して平均化することがで
きる。これにより、例えば、交流電圧信号や交流電流信
号に基づいて素子の素子定数などを演算する場合に、ノ
イズに起因する演算誤差を低減することができる。
【0043】さらに、請求項3記載の直流成分除去装置
によれば、演算部が、複数の基準ディジタルデータの各
々にそれぞれ対応させた移動平均値データを移動平均法
に従って演算し、かつ、演算した複数の移動平均値デー
タの各々から、その移動平均値データの各々に対して位
相が180゜それぞれ異なる移動平均値データを減算し
た減算値を値2で除算する演算と等価の演算によって生
成したデータ列を新たなディジタルデータとすることに
より、さらにノイズを分散して平均化することができ
る。これにより、例えば、交流電圧信号や交流電流信号
に基づいて素子の素子定数などを演算する場合に、ノイ
ズに起因する演算誤差をより低減することができる。
【0044】また、請求項4記載の素子定数測定装置に
よれば、2つの直流成分除去装置の一方が、交流電圧信
号およびこれに含まれる直流電圧成分をそれぞれ交流信
号および直流成分として新たなディジタルデータを演算
し、他方が、交流電流信号およびこれに含まれる直流電
流成分をそれぞれ交流信号および直流成分として新たな
ディジタルデータを演算し、かつ定数演算部が、2つの
直流成分除去装置においてぞれぞれ生成された新たなデ
ィジタルデータに基づいて被測定素子の素子定数を演算
することにより、基準ディジタルデータに重畳したノイ
ズを平均化する結果、重畳したノイズに起因する演算誤
差を極めて低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るLCRメータのブロ
ック図である。
【図2】(a)は本発明の実施の形態に係るLCRメー
タのオペアンプから出力される交流電圧信号SV の信号
波形図であり、(b)はLCRメータのオペアンプから
出力される交流電流信号SI の信号波形図である。
【図3】第1の実施形態における移動平均値データの演
算過程を説明するための交流電圧信号SV の信号波形図
である。
【図4】第2の実施形態における減算処理および除算処
理を説明するための交流電圧信号SV の信号波形図であ
る。
【図5】(a)は第1の実施形態における素子定数演算
処理のフローチャートであり、(b)は第2の実施形態
における素子定数演算処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 LCRメータ 4 サンプル−ホールド回路 5 サンプル−ホールド回路 6 A/D変換回路 7 CPU 11 LCRメータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流信号の少なくとも1周期分を所定時
    間間隔でサンプリングするサンプリング回路と、当該サ
    ンプリングされた前記交流信号をアナログ−ディジタル
    変換するA/D変換回路と、当該ディジタル変換された
    複数の基準ディジタルデータに基づいて前記交流信号の
    平均値を演算すると共に、前記交流信号から直流成分を
    除去した複数の新たなディジタルデータを前記平均値お
    よび前記複数の基準ディジタルデータに基づいて演算す
    る演算部とを備えている直流成分除去装置において、 前記演算部は、前記複数の基準ディジタルデータの各々
    にそれぞれ対応させた移動平均値データを移動平均法に
    従って演算し、当該移動平均値データの各々から前記平
    均値を減算することによって前記複数の新たなディジタ
    ルデータを演算することを特徴とする直流成分除去装
    置。
  2. 【請求項2】 交流信号の少なくとも1周期分を所定時
    間間隔でサンプリングするサンプリング回路と、当該サ
    ンプリングされた前記交流信号をアナログ−ディジタル
    変換するA/D変換回路と、前記交流信号から直流成分
    を除去した複数の新たなディジタルデータを前記ディジ
    タル変換された複数の基準ディジタルデータに基づいて
    演算する演算部とを備えている直流成分除去装置におい
    て、 前記演算部は、前記複数の基準ディジタルデータの各々
    から当該基準ディジタルデータの各々に対して位相が1
    80゜それぞれ異なる前記基準ディジタルデータを減算
    した減算値を値2で除算する演算と等価の演算によって
    生成したデータ列を前記新たなディジタルデータとする
    ことを特徴とする直流成分除去装置。
  3. 【請求項3】 前記演算部は、前記複数の基準ディジタ
    ルデータの各々にそれぞれ対応させた移動平均値データ
    を移動平均法に従って演算し、かつ、当該演算した複数
    の移動平均値データの各々から当該移動平均値データの
    各々に対して位相が180゜それぞれ異なる前記移動平
    均値データを減算した減算値を値2で除算する演算と等
    価の演算によって生成したデータ列を前記新たなディジ
    タルデータとすることを特徴とする請求項2記載の直流
    成分除去装置。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれかに記載の直流
    成分除去装置を2つ備え、 当該2つの直流成分除去装置は、一方が、素子定数測定
    用の交流を被測定素子に印加した際に当該被測定素子の
    両端に発生する交流電圧信号、およびこれに含まれる直
    流電圧成分をそれぞれ前記交流信号および前記直流成分
    として前記複数の新たなディジタルデータを演算し、か
    つ、他方が、前記被測定素子に流れている交流電流信
    号、およびこれに含まれる直流電流成分をそれぞれ前記
    交流信号および前記直流成分として前記複数の新たなデ
    ィジタルデータを演算するように構成され、 前記2つの直流成分除去装置においてぞれぞれ生成され
    た前記複数の新たなディジタルデータに基づいて前記被
    測定素子の素子定数を演算する定数演算部をさらに備え
    ていることを特徴とする素子定数測定装置。
JP25372496A 1996-09-03 1996-09-03 直流成分除去装置および素子定数測定装置 Pending JPH1078460A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013032960A (ja) * 2011-08-02 2013-02-14 Hioki Ee Corp コンデンサの絶縁抵抗測定装置およびコンデンサの絶縁抵抗測定方法
JP2018185149A (ja) * 2017-04-24 2018-11-22 日置電機株式会社 三相電力測定装置

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