JP3966429B2 - 芳香族炭化水素製造用触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は亜鉛を担持した芳香族炭化水素製造用触媒に於いて、長期間の触媒の使用による芳香族収率の低下を抑制することのできる触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を用いてパラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、亜鉛を担持した芳香族炭化水素製造用触媒では亜鉛は酸化亜鉛として担持されることが多く、反応時に発生する水素により還元されて亜鉛金属となり触媒上より飛散してしまうという問題があった。
また、特公平7−29948号公報に記載されているように、亜鉛を触媒上に、より安定に固定するために、亜鉛をスピネル構造を持つアルミン酸亜鉛にする方法もあるが、この場合、触媒中からの亜鉛の飛散は抑制されるものの、亜鉛担持の本来の目的である芳香族選択率の向上効果がなくなってしまうという問題があった。特公平7−29948号公報からも、酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛が共存していることは予想されるが、芳香族選択率の向上効果を発揮するためには酸化亜鉛が一定量以上必要であり、本発明のように特定量の酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛が共存していることが重要であるが、該公報ではその酸化亜鉛量を規定していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した通り、従来の技術においては、亜鉛を酸化亜鉛として触媒に担持した場合、反応時に発生する水素により還元されて亜鉛金属となり触媒上より飛散してしまうという問題があった。また、亜鉛を触媒にアルミン酸亜鉛の状態で担持すると、触媒中からの亜鉛の飛散は抑制されるものの、亜鉛担持の本来の目的である芳香族選択性の向上効果がなくなってしまうという問題があった。
本発明は、芳香族炭化水素製造用触媒として、パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応において、亜鉛飛散量を抑え、かつ、より高い芳香族選択性を維持することのできる触媒を提供することを課題とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定量の酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛が共存する中間細孔径ゼオライト系触媒が上記課題の解決に有効であることを見出し、本願発明を完成した。
【0005】
即ち、本発明は、(1)パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応に使用する中間細孔径ゼオライト系触媒であって、該反応使用前の時点で、該触媒100 重量%に対して酸化亜鉛1.2〜20重量%とアルミン酸亜鉛8.2〜50重量%が共存することを特徴とする中間細孔径ゼオライト系触媒。
(2)該中間細孔径ゼオライト系触媒を構成する中間細孔径ゼオライトが、Si/Al原子比が12以上のゼオライト骨格を有していることを特徴とする(1)記載の触媒。
【0006】
(3)該中間細孔径ゼオライト系触媒を構成する中間細孔径ゼオライトが、ZSM−5型ゼオライトであることを特徴とする(1)または(2)記載の触媒。
(4)該中間細孔径ゼオライト系触媒の触媒活性が500℃、大気圧下で測定したn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2sec-1以上であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の触媒。
(5)アルミナゾルと亜鉛を陽イオンとする化合物と中間細孔径ゼオライトとを混合し、乾燥後300℃以上、800℃以下の温度で焼成することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒の製造方法。
【0007】
(6)アルミナゾルと亜鉛を陽イオンとする化合物とを混合し、乾燥後300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、水蒸気処理したものと中間細孔径ゼオライトとを混合し、乾燥後さらに300℃以上、800℃以下の温度で焼成することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒の製造方法。
(7)中間細孔径ゼオライトと混合、乾燥、焼成した後、更に水蒸気処理することを特徴とする(5)又は(6)記載の触媒の製造方法。
(8)(1)〜(4)のいずれかに記載の触媒を用いて、パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する方法に関するものである。
【0008】
以下、本願発明を詳細に説明する。
本発明の中間細孔径ゼオライト系触媒を構成する「中間細孔径ゼオライト」とは、いわゆる結晶性アルミノシリケートであり、中間細孔径、すなわち、約5〜6.5オングストロームの有効細孔径を有するものが挙げられる。また、「中間細孔径ゼオライト系触媒」とは、該中間細孔径ゼオライト及びその他必要とされる他成分、例えば、酸化亜鉛、アルミン酸亜鉛等を使用して作成した触媒のことである。
【0009】
中間細孔径ゼオライトの具体例としては、例えばβ−ゼオライト、Ω−ゼオライト、Y−ゼオライト、L−ゼオライト、エリオナイト、オフレタイト、モルデナイト、フェリエライト、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−35、ZSM−38などが挙げられるが、ZSM−5、ZSM−8、ZSM−11などのZSM−5型結晶性アルミノシリケートまたはメタロシリケートが好ましい。
これらのゼオライトにはイオン交換能があり、そのゼオライトに存在するイオン種としては、例えば水素(H+)、銀(Ag+)などが好ましいが、ナトリウム(Na+)などが存在してもかまわない。
【0010】
本発明の中間細孔径ゼオライト系触媒重量に対する酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛の存在量は、該中間細孔径ゼオライト系触媒が反応に使用される前の時点で、それぞれ1.2〜20重量%、8.2〜50重量%、好ましくは酸化亜鉛1.8〜5.0重量%、アルミン酸亜鉛14〜40重量%である。酸化亜鉛が全くなく、アルミン酸亜鉛だけであるとパラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応において、亜鉛担持による芳香族選択率向上効果がない。また、酸化亜鉛が多いと芳香族選択率向上効果は長時間持続されるが、亜鉛の飛散量が多くなり、プロセス後流への亜鉛の付着、堆積による装置材料の脆化、熱交換器などの効率悪化等の悪影響が生じる。
【0011】
また、アルミン酸亜鉛はパラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応、更には、窒素で希釈した空気での触媒に付着した炭素もしくは炭化水素を燃焼除去する触媒再生行程の繰り返しによって酸化亜鉛も生じる。従って、アルミン酸亜鉛自体に芳香族選択性向上効果はないが、酸化亜鉛の補給源となり、酸化亜鉛の減少を抑制し、その結果として芳香族選択率向上効果を長時間持続させることが出来る。故に触媒に酸化亜鉛とともにアルミン酸亜鉛を共存させることは芳香族選択率向上効果維持に有効である。
【0012】
さらにアルミン酸亜鉛が存在することで、酸化亜鉛の水素還元等による飛散速度を抑制する効果もある。しかし、アルミン酸亜鉛が多すぎると、触媒の活性、強度を確保することが困難になるためアルミン酸亜鉛は50%を越えない範囲とし、さらには40%を越えない範囲が好ましい。尚、「酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛の共存」とは、例えば物理的混合、含浸後焼成するなど方法を問わず、触媒中に酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛が同時に存在している状態をいう。
【0013】
酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛の定量は、X線回折分析によってアルミン酸亜鉛と酸化亜鉛の存在を確認したうえで亜鉛の全体量を、蛍光X線分析装置(理学RIX1000)で標準物質の検量線より求め、そこから後述する酸化亜鉛の原子吸光分析結果より酸化亜鉛の量を差し引いて求めることができる。
酸化亜鉛の分析方法は、まず触媒1gを乳鉢で数百ミクロン程度にすり潰し、120℃で1時間乾燥後約0.5gを正確に計りとり200ccビーカーに入れる。そして、そこに3%塩酸水溶液150ccを加え電熱ヒーター上で80℃で2時間加熱する。その後0.2μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を原子吸光分析計(島津製作所製 島津原子吸光/フレーム分光光度計 AA−640−12型)でフレーム分析、標準添加法で酸化亜鉛の定量分析を行った。
【0014】
本発明でいう酸化亜鉛とは上記分析方法で測定されたものをいう。従って、本発明でいう酸化亜鉛は3%塩酸水溶液で触媒から溶出される亜鉛成分であり、一般的にZnOで表される酸化亜鉛の他に、不安定なアルミン酸亜鉛など、酸化亜鉛以外の成分も含まれる可能性がある。
また、アルミン酸亜鉛とは、島津製作所のXD−610等のX線回折装置で観察した場合にJCPDS 5−0669 NBS Circ.、539、Vol.II、38(1953)に示されるパターンと同一のX線回折パターンを持つものを意味する。
【0015】
本発明の中間細孔径ゼオライト系触媒の製造に用いられる中間細孔径ゼオライトは、Si/Al原子比が12以上のゼオライト骨格を有しているものが好ましい。
ここで、ゼオライト骨格のSi/Al原子比とは、29Si−NMRから求めたSi/Al原子比のことをいう。そして29Si−NMRを用いてゼオライト中のSi/Al原子比を求める方法については「実験化学講座5、NMR」、第4版(日本国丸善株式会社、1992)232〜233項に説明されている。また、触媒中のNa濃度は、触媒を1N−HCl水溶液に入れ5分間加熱後、濾過し、濾液を原子吸光分析装置(島津製作所製AA−640−12)にて分析した。
【0016】
さらに、触媒活性が500℃、大気圧下で測定したn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2sec-1以上の中間細孔径ゼオライト系触媒が好ましい。触媒の活性劣化抑制のために、中間細孔径ゼオライト系触媒に水蒸気処理を施す場合もあるが、500℃、大気圧下で測定したn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値が0.2sec-1未満であると、芳香族の生成率が低くなり、生産性が悪くなるため、n−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数が0.2sec-1以上となる範囲で水蒸気処理を施すことが好ましい。
【0017】
なお、本発明において、中間細孔径ゼオライト系触媒によるn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数(以下、「初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数」と称す)は、図1に示す装置及び中間細孔径ゼオライト系触媒を用いてn−ヘキサン分解反応を行い、用いる中間細孔径ゼオライト系触媒の体積、原料n−ヘキサン流量、及び得られる反応生成物中のn−ヘキサンの濃度から、下記のようにして求める。
【0018】
即ち、図1において、10mmφの石英反応管1中に下から石英ウール8、触媒7、ラシヒリング4の順で充填し、温度計2で測定した触媒7の温度が500℃の等温になるように温度調節用熱伝対6で温度が調整できる電気炉5にて石英反応管1を加熱し、大気圧、重量時間空間速度(WHSV)4hr-1の条件で、原料流入口3よりラシヒリング4を通じて触媒7へn−ヘキサンを供給し、n−ヘキサン供給後0.75時間から1時間の間、即ち、0.25時間、の反応生成物をコンデンサー9にて冷却した後、オイルトラップ10にて更にドライアイス・エタノール冷媒で冷却し、オイルトラップ10中に分離したオイル成分及び発生ガス捕集用バッグ11中に分離したガス成分をそれぞれ全量採取する。そして、米国、ヒューレット・パッカード社製のFID−TCDガスクロマトグラフィー(HP−5890 シリーズII)にてガス組成を、島津製作所のFIDガスクロマトグラフィー(GC−17A)にてオイル組成を分析して得られる反応生成物中のn−ヘキサン濃度を、用いる触媒の体積及び原料n−ヘキサン流量と共に下式に代入して、0.25時間の平均の、初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数を求める。
【0019】
【数1】
{ガス及びオイル採取時間0.25時間の初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数(hr-1)}=(1/θ)×ln{100/[100−(n−ヘキサン転化率)]}
式中、θ(hr)=触媒の体積(m3 )/原料n−ヘキサン流量(m3 /hr)、n−ヘキサン転化率(%)=100−反応生成物中のn−ヘキサン濃度(wt%)である。
【0020】
ここで「触媒の体積」とは、上記の測定試験において、触媒床に含まれるイナート物質(ラシヒリング、また場合によってはガラスビーズ等)の体積は含まない触媒のみの体積を意味する。本発明では、上記式で求められる初期のn−ヘキサン分解1次反応速度定数(hr-1)を、(sec-1)の単位に換算して用いる。
【0021】
本発明の触媒を用いる反応の原料である炭化水素は、パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素であって、炭素数2以上の90%留出温度が190℃以下の炭化水素である。たとえば、パラフィンとしては、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン等であり、オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン等であり、ナフテンとしては、シクロペンタン、シクロペンテン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン等が挙げられる。
【0022】
混合物としては、上記のそれぞれの混合物、あるいはナフサなどの熱分解生成物のC4留分、前記C4留分よりブタジエンまたはブタジエンとi−ブテンを除いた留分、ナフサなどの熱分解生成物のC5留分、前記C5留分からジエン類を除いた留分、熱分解ガソリン、熱分解ガソリンよりBTX抽出を行ったラフィネート、FCC分解ガス、FCC分解ガソリン、リフォメートよりBTXを抽出したラフィネート等が挙げられる。
【0023】
パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化するときの反応条件は、温度350〜600℃、圧力大気圧〜30kg/cm2 G、重量空間速度(WHSV)0.1〜50hr-1が好ましく、さらに好ましくは、温度400〜560℃、圧力大気圧〜10kg/cm2 G、WHSV0.2〜20hr-1である。
【0024】
本発明の中間細孔径ゼオライト系触媒を製造する方法としては、例えば以下に示す方法が挙げられる。
第1の触媒製造方法は、バインダーとなるアルミナのアルミナ源と亜鉛源である亜鉛を陽イオンとする化合物と中間細孔径ゼオライトに、その他必要に応じて水、及び結晶セルロース等の成型助剤を加え、混合、成型、乾燥した後、空気中で300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、さらに、酸化亜鉛が1.2重量%以上20重量%以下、アルミン酸亜鉛が8.2重量%以上50重量%以下になるよう水蒸気処理をして、アルミン酸亜鉛を生じさせ、触媒上に酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛を共存させる方法である。
【0025】
第2の触媒製造方法は、バインダーとなるアルミナのアルミナ源と亜鉛源である亜鉛を陽イオンとする化合物と必要に応じて水を加え、混合、乾燥した後、空気中で300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、さらに、水蒸気処理をし、次いで、中間細孔径ゼオライト、その他必要に応じて水、結晶性セルロース等の成型助剤を加え、混合、成型、乾燥した後、さらに空気中で300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、さらに、酸化亜鉛が1.2重量%以上20重量%以下、アルミン酸亜鉛が8.2重量%以上50重量%以下になるよう水蒸気処理をして、アルミン酸亜鉛を生じさせ、触媒上に酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛を共存させる方法である。
【0026】
第3の触媒製造方法は、酸化亜鉛粉末とアルミン酸亜鉛粉末そして、バインダーとなるアルミナのアルミナ源もしくはシリカのシリカ源と中間細孔径ゼオライトに、その他必要に応じて水、及び結晶性セルロース等の成型助剤を加え、混合、成型、乾燥した後、空気中で300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、さらに、酸化亜鉛が1.2重量%以上20重量%以下、アルミン酸亜鉛が8.2重量%以上50重量%以下になるよう水蒸気処理をして、アルミン酸亜鉛を生じさせ、触媒上に酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛を共存させる方法である。
【0027】
第4の触媒製造方法は、亜鉛を陽イオンとする化合物とアルミン酸亜鉛粉末そして、バインダーとなるアルミナのアルミナ源もしくはシリカのシリカ源と中間細孔径ゼオライトに、その他必要に応じて水、及び結晶性セルロース等の成型助剤を加え、混合、成型、乾燥した後、空気中で300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、更に、酸化亜鉛が1.2重量%以上20重量%以下、アルミン酸亜鉛が8.2重量%以上50重量%以下になるよう水蒸気処理をして、アルミン酸亜鉛を生じさせ、触媒上に酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛を共存させる方法である。
【0028】
用いられる亜鉛源としては、亜鉛を陽イオンとする化合物、即ち、亜鉛イオンを発生する化合物、例えば、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、シュウ酸亜鉛などを挙げることができる。
用いられるアルミナ源としては、ジブサイト、バイヤライト、ベーマイト、ダイアスポア、γ−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ等のアルミナからなる無水アルミナまたはアルミナの水和物、好ましくはベーマイト、γ−アルミナ等のアルミナからなる無水アルミナまたはアルミナの水和物が挙げられるが、その他に、例えば、アルミニウム塩のように加水分解または加熱分解、酸化等により、無水アルミナまたはアルミナ水和物を生成する原料を使用することもできる。
【0029】
更に、本発明ではアルミナ源として、アルミナの水和物の中でも、アルミナゾルを使用することが好ましい。アルミナゾルのような、亜鉛源と反応性がよくアルミン酸亜鉛を生成しやすいアルミナ源を使用すれば触媒の水蒸気処理工程を省略することも可能であり、より高活性の触媒を得ることができる。
ここでいうアルミナゾルとは、5mμ〜200mμのコロイドの大きさを持つアルミナ水和物で、アルミナ濃度が5〜25重量%のものであり、そして重合粒子が水中のCH3 COOH- ,NO3 - 等の陰イオンを安定剤として分散している液体である。
【0030】
本発明において触媒の原料としてアルミン酸亜鉛を使用せず、触媒の製造過程の焼成、水蒸気処理等でアルミナ源と亜鉛源を反応させてアルミン酸亜鉛を生成させようとした時にアルミン酸亜鉛の生成が不足する場合は、上記したアルミナ源、亜鉛源の中から、より反応性の良いアルミナ源、亜鉛源を使用するとよい。
触媒の焼成温度は300℃以上、800℃以下であり、好ましくは、450℃以上、650℃以下である。焼成温度が300℃以下では触媒の強度を得る事が困難であり、800℃以上の焼成温度では触媒の活性が低下してしまう。
【0031】
本発明において酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛の比率調整後、さらに触媒に含まれる中間細孔径ゼオライト前処理を目的として水蒸気処理、即ち水蒸気気流中での熱処理を行うことができる。この処理によって触媒へのコーキングが防止され、触媒の活性劣化が抑制できる。
水蒸気処理は、通常水蒸気分圧0.1〜10kg/cm2 、処理温度500〜800℃、好ましくは550〜700℃、処理時間0.1〜50時間で、水蒸気単独または窒素、空気等の希釈剤の存在下に実施する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明する。
【0033】
【実施例】
実施例1
硝酸亜鉛六水和物50gを水200gに溶かし、アルミナゾル100g(日産化学工業社製アルミナゾル520)と、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.8重量%、アルミン酸亜鉛26.5重量%であった。
【0034】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0035】
実施例2
硝酸亜鉛六水和物50gを水100gに溶かし、アルミナゾル200g(触媒化成工業社製Cataloid−AS−2)と、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.6重量%、アルミン酸亜鉛26.8重量%であった。
【0036】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0037】
実施例3
硝酸亜鉛六水和物50gを水80gに溶かし酢酸2gを加え、アルミナゾル50g(日産化学工業社製アルミナゾル520)とベーマイト10gそして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加えボールミルで2時間混合する。そして粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.9重量%、アルミン酸亜鉛26.2重量%であった。
【0038】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0039】
実施例4
硝酸亜鉛六水和物15gを水40gに溶かし、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)とアルミン酸亜鉛粉末22gそして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.8重量%、アルミン酸亜鉛25.5重量%であった。
【0040】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0041】
実施例5
酸化亜鉛4g、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)、アルミン酸亜鉛粉末22g、水20gそして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g、結晶性セルロース2g(旭化成工業社製アビセルTG−101)を加え2時間混合する。そして粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.6重量%、アルミン酸亜鉛25.8重量%であった。
【0042】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0043】
実施例6
硝酸亜鉛六水和物20gを水50gに溶かし、アルミナゾル200g(川研ファインケミカル社製アルミナゾルー10)とSi/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.1重量%、アルミン酸亜鉛9.6重量%であった。
【0044】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例2に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0045】
実施例7
硝酸亜鉛六水和物50gを水100gに溶かし、アルミナゾル200g(触媒化成工業社製Cataloid−AS−2)を加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った後乳鉢ですりつぶし、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を22gと水50gを加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.8重量%、アルミン酸亜鉛25.3重量%であった。
【0046】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを200[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、比較例4に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0047】
比較例1
硝酸亜鉛六水和物20gを水50gに溶かし、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)と、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛16.2重量%であった。
【0048】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、酸化亜鉛だけの場合、8016Hr後に実施例1〜5と同程度の芳香族選択率を得るためには亜鉛飛散が速いため、酸化亜鉛が2倍近く必要であり、亜鉛飛散量も2倍近く多くなる。
【0049】
比較例2
硝酸亜鉛六水和物9gを水30gに溶かし、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)と、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛4.8重量%であった。
【0050】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。
【0051】
比較例3
シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)、アルミン酸亜鉛粉末31g、水20gそして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g、結晶性セルロース2g(旭化成工業社製アビセルTG−101)を加え2時間混合する。そして粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛0%、アルミン酸亜鉛34.1重量%であった。
【0052】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で1時間後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果実施例1〜6に比べ酸化亜鉛がなくアルミン酸亜鉛だけでは、はじめから芳香族選択率が低い。
【0053】
比較例4
硝酸亜鉛六水和物20gを水50gに溶かし、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)と、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛16.2重量%であった。
【0054】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを200[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表1に示した。その結果、酸化亜鉛だけの場合、8016Hr後に実施例7と同程度の芳香族選択率を得るためには亜鉛飛散が速いため、酸化亜鉛が2倍近く必要であり、亜鉛飛散量も2倍近く多くなる。
【0055】
【表1】
【0056】
比較例5
Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を[15屯/cm2 ]の圧力で圧縮し1〜2mmの板状にした後、さじで砕き、ふるいにかけて8〜20メッシュに成型する。これを反応管に60g充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で1時間スチーミング処理を行った。そして、この水蒸気処理をしたH−ZSM−5を乳鉢ですりつぶし粉末にし50gとり、硝酸亜鉛六水和物5gを水20gに溶かしたものに加え、さらに、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)を50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛6.5重量%であった。
【0057】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表2に示した。
【0058】
実施例8
Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を[15屯/cm2 ]の圧力で圧縮し1〜2mmの板状にした後、さじで砕き、ふるいにかけて8〜20メッシュに成型する。これを反応管に50g充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で1時間スチーミング処理を行った。そして、この水蒸気処理をしたH−ZSM−5を乳鉢ですりつぶし粉末にし、硝酸亜鉛六水和物6gを水20gに溶かしたものに加え、さらに、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)、アルミン酸亜鉛粉末7gを50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.3重量%、アルミン酸亜鉛9.9重量%であった。
【0059】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表2に示した。その結果、比較例5に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0060】
比較例6
酸化亜鉛2g、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)、そして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え2時間混合する。そして粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.7重量%であった。
【0061】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表2に示した。
【0062】
実施例9
酸化亜鉛2g、シリカゾル50g(日産化学工業社製スノーテックスN)、アルミン酸亜鉛粉末7g、水20gそして、Si/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え2時間混合する。そして粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.6重量%、アルミン酸亜鉛9.6重量%であった。
【0063】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表2に示した。その結果、比較例6に比べ酸化亜鉛の残留量が多く8016時間後の芳香族選択率も高くなっている。
【0064】
【表2】
【0065】
実施例10
Si/Al原子比が25のH型ZSM−5結晶性アルミノシリケート51重量%とγ−アルミナ14重量%及び硝酸亜鉛35重量%を水に溶かして、混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm,長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃,3時間乾燥後、500℃,3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0066】
次にこの触媒を固定層一段断熱型反応器に充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガス中で、圧力1Kg/cm2 ・G,温度650℃の条件下で5時間熱処理した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.7重量%、アルミン酸亜鉛21.0重量%であった。次に、本文前記記載の装置を用いて、このゼオライト成型触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を行った。圧力大気圧,温度500℃,重量時間空間速度(WHSV)4hr-1の条件で、n−ヘキサンの分解反応を0.25時間実施し、その間の平均のn−ヘキサン分解新鮮活性を下式にて求めたところ0.28であった。
【0067】
次に、表3に示すC4留分と表4に示すC5留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素比1.54)を530℃に加熱し、反応器に供給した。この反応を48時間実施する。その後再生行程として窒素で置換しながら2Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を1%に窒素で希釈したガスに切り替え20Hr再生したところで温度を500℃にして10Hr、さらに530℃に上げ10Hr再生後に窒素に切り替える。この48時間サイクルの反応、再生の行程を繰り返1年間運転を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し開始時と1年後の芳香族収率、そして合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を反応条件と共に表5に示した。
【0068】
比較例7
Si/Al原子比が25のH型ZSM−5結晶性アルミノシリケート(SiO2 /Al2 O3 モル比70)35%とシリカゾル45%(日産化学工業社製スノーテックスN)及び硝酸亜鉛20%を水に溶かして、混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm,長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃,3時間乾燥後、500℃,3時間焼成し、亜鉛を10重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0069】
次にこの触媒を固定層一段断熱型反応器に充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガス中で、圧力1Kg/cm2 ・G,温度650℃の条件下で5時間熱処理した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛9.8重量%、アルミン酸亜鉛0.0重量%であった。次に、本文前記記載の装置を用いて、このゼオライト成型触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を行った。圧力大気圧,温度500℃,重量時間空間速度(WHSV)4hr-1の条件で、n−ヘキサンの分解反応を0.25時間実施し、その間の平均のn−ヘキサン分解新鮮活性を下式にて求めたところ0.28であった。
【0070】
次に、表3に示すC4留分と表4に示すC5留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素比1.54)を530℃に加熱し、反応器に供給した。この反応を48時間実施する。その後再生行程として窒素で置換しながら2Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を1%に窒素で希釈したガスに切り替え20Hr再生したところで温度を500℃にして10Hr、さらに530℃に上げ10Hr再生後に窒素に切り替える。この48時間サイクルの反応、再生の行程を繰り返1年間運転を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し開始時と1年後の芳香族収率、そして合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を反応条件と共に表5に示した。
【0071】
比較例8
Si/Al原子比が25のH型ZSM−5結晶性アルミノシリケート35重量%とシリカゾル60重量%(日産化学工業社製スノーテックスN)及び硝酸亜鉛5%を水に溶かして、混練後、押し出し成形を実施し、直径1.6mm,長さ4〜6mmに成形した。次いで、120℃,3時間乾燥後、500℃,3時間焼成し、亜鉛を2重量%含むZSM−5ゼオライト成形触媒を得た。
【0072】
次にこの触媒を固定層一段断熱型反応器に充填し、水蒸気を40容量%含む水蒸気−窒素混合ガス中で、圧力1Kg/cm2 ・G,温度650℃の条件下で5時間熱処理した。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.7重量%、アルミン酸亜鉛0.0重量%であった。 次に、本文前記記載の装置を用いて、このゼオライト成型触媒の等温でのn−ヘキサン転化反応試験を行った。圧力大気圧,温度500℃,重量時間空間速度(WHSV)4hr-1の条件で、n−ヘキサンの分解反応を0.25時間実施し、その間の平均のn−ヘキサン分解新鮮活性を下式にて求めたところ0.28であった。
【0073】
次に、表3に示すC4留分と表4に示すC5留分を6:4(重量比)に混合した原料(不飽和炭化水素/飽和炭化水素比1.54)を530℃に加熱し、反応器に供給した。この反応を48時間実施する。その後再生行程として窒素で置換しながら2Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を1%に窒素で希釈したガスに切り替え20Hr再生したところで温度を500℃にして10Hr、さらに530℃に上げ10Hr再生後に窒素に切り替える。この48時間サイクルの反応、再生の行程を繰り返1年間運転を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し開始時と1年後の芳香族収率、そして合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を反応条件と共に表5に示した。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】
実施例11
硝酸亜鉛六水和物36gを水100gに溶かし、アルミナゾル100g(日産化学工業社製アルミナゾル520)とSi/Al原子比が25のH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.9重量%、アルミン酸亜鉛22.4重量%であった。この触媒10gを反応管に充填し、水素を20[L/Hr]流し550℃で20Hr還元する。この水素還元後の酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表6に示した。
【0078】
比較例9
硝酸亜鉛六水和物7gを水30gに溶かし、シリカゾル100g(日産化学工業社製スノーテックスN)とH−ZSM−5を50g加え50℃で加熱し2時間混合する。そして水分が減少し粘土状になった上記混合物を直径1.6mm、長さ5mmの円柱状に成型後、120℃で2時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒15gを反応管に充填し窒素気流中(6[L/Hr])純水20[g/Hr]を供給し650℃で5時間スチーミング処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.4重量%、アルミン酸亜鉛0.0重量%であった。この触媒10gを反応管に充填し、水素を20[L/Hr]流し550℃で20Hr還元する。この水素還元後の酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表6に示した。
【0079】
【表6】
【0080】
実施例12
Si/Al原子比が25のアンモニウムイオン型ZSM−5結晶アルミノシリケート200gに対し、硝酸亜鉛(亜鉛金属として14g)およびアルミナゾル(Al2 O3 として50g)を加え、混練後、押し出し成型を実施し直径1.6mm、長さ4〜6mmの円柱状に成型後、120℃で4時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒20gを内径12mmの石英ガラス製反応管に充填し水蒸気を80%含む水蒸気−窒素混合ガス中で、大気圧下650℃で1時間熱処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛2.5重量%、アルミン酸亜鉛8.6重量%であった。
【0081】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを20[g/Hr]供給し530℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表7に示した。その結果、比較例10に比べ芳香族選択率が1時間後、8016時間後ともに高くなっている。
【0082】
比較例10
Si/Al原子比が25のアンモニウムイオン型ZSM−5結晶アルミノシリケート200gに対し、硝酸亜鉛(亜鉛金属として4.6g)およびアルミナゾル(Al2 O3 として50g)を加え、混練後、押し出し成型を実施し直径1.6mm、長さ4〜6mmの円柱状に成型後、120℃で4時間乾燥した後、電気炉で空気雰囲気中500℃で3時間焼成した。この触媒20gを内径12mmの石英ガラス製反応管に充填し水蒸気を80%含む水蒸気−窒素混合ガス中で、大気圧下650℃で1時間熱処理を行った。そして蛍光X線及び、塩酸で触媒を処理した後に原子吸光分析を実施した結果、触媒重量に対し酸化亜鉛1.1重量%、アルミン酸亜鉛8.1重量%であった。
【0083】
この触媒10gを反応管に充填し、常圧無希釈下でヘキサンを50[g/Hr]供給し550℃で24時間反応を行い、その後窒素20[L/Hr]で置換しながら1Hrで450℃まで降温する。そして酸素濃度を2%に窒素で希釈したガス20[L/Hr]に切り替え10Hr再生したところで温度を500℃に、15Hr後に550℃に上げ20Hr後に窒素20[L/Hr]に切り替え24時間で再生行程を終了する。この反応、再生の行程を繰り返し8016Hr実験を継続した。この触媒の反応、再生繰り返し前と実験8016Hr後でのヘキサン反応時の芳香族選択率を測定し、合わせて酸化亜鉛量、アルミン酸亜鉛量の測定結果を表7に示した。
【0084】
【表7】
【0085】
【発明の効果】
本発明の芳香族炭化水素製造用触媒は、酸化亜鉛とアルミン酸亜鉛が共存することによって触媒中の酸化亜鉛の減少が抑制され、パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応において、従来に比べ亜鉛飛散量を抑え、より高い芳香族選択性を維持できるという優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】n−ヘキサン分解1次反応速度定数を求めるために用いる反応装置の概略図。
【符号の説明】
1 石英反応管
2 温度計
3 原料流入口
4 ラシヒリング
5 電気炉
6 熱電対
7 触媒
8 石英ウール
9 コンデンサー
10 オイルトラップ
11 発生ガス補集用バック
Claims (8)
- パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する反応に使用する中間細孔径ゼオライト系触媒であって、該反応使用前の時点で、該触媒100 重量%に対して酸化亜鉛1.2〜20重量%とアルミン酸亜鉛8.2〜50重量%が共存することを特徴とする中間細孔径ゼオライト系触媒。
- 該中間細孔径ゼオライト系触媒を構成する中間細孔径ゼオライトが、Si/Al原子比が12以上のゼオライト骨格を有していることを特徴とする請求項1に記載の触媒。
- 該中間細孔径ゼオライト系触媒を構成する中間細孔径ゼオライトが、ZSM−5型ゼオライトであることを特徴とする請求項1または2記載の触媒。
- 該中間細孔径ゼオライト系触媒の触媒活性が500℃、大気圧下で測定したn−ヘキサン分解の初期の1次反応速度定数の値として0.2sec-1以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の触媒。
- アルミナゾルと亜鉛を陽イオンとする化合物と中間細孔径ゼオライトとを混合し、乾燥後300℃以上、800℃以下の温度で焼成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の製造方法。
- アルミナゾルと亜鉛を陽イオンとする化合物とを混合し、乾燥後300℃以上、800℃以下の温度で焼成し、水蒸気処理したものと中間細孔径ゼオライトとを混合し、乾燥後さらに300℃以上、800℃以下の温度で焼成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の触媒の製造方法。
- 中間細孔径ゼオライトと混合、乾燥、焼成した後、更に水蒸気処理することを特徴とする請求項5または6記載の触媒の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の触媒を用いて、パラフィン、オレフィンおよび/またはナフテンを含有する炭化水素を芳香族炭化水素に転化する方法。
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