JP3965268B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車において、ブレーキ液圧源からホイルシリンダに向けて液圧制御弁を介してブレーキ液を供給して制動力を発生させるとともに、ホイルシリンダから液圧制御弁を介してブレーキ液を排出させて制動力を減じる制動制御を実行するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、制動力を制御するブレーキ制御装置として種々のものが知られている。このようなブレーキ制御装置の1つとして、例えば、特開平10−278764号公報に記載されているものがある。
この従来技術は、ホイルシリンダ圧を、車両走行状態に応じた目標液圧に制御するブレーキ装置において、ホイルシリンダとマスタシリンダや制御用液圧源とを結ぶ管路に設けられた液圧制御用の電磁弁の作動頻度およびこの作動に伴って発生する騒音を低減させることを目的して成された技術である。
この技術を簡単に説明すると、コントローラが算出した目標液圧と、センサなどによって検出された実際液圧との間の偏差を求め、この偏差が大きくなる方向に変化している場合(目標液圧と実際液圧との差が小さくなる方向に変化している場合)には、偏差の方向に応じ電磁弁を増圧状態や減圧状態に制御するが、前記偏差が小さくなる方向に変化している場合には、電磁弁を液圧保持状態とする待ち制御を実行し、電磁弁の作動頻度を抑えるものである。
【0003】
さらに、この従来技術には、ホイルシリンダにおける残圧によるブレーキの引き摺り現象を防止する技術が記載されている。すなわち、目標液圧がほぼ0(大気圧)まで低下した際には、所定時間だけ電磁弁を減圧状態として、ホイルシリンダのブレーキ液を確実に排出させて残圧が残るのを防止し、これによりブレーキの引き摺りが発生するのを防止するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ブレーキ液は、低温時には粘性が高くて抵抗が大きく、高温になるにつれて粘性が低下して抵抗が小さくなるという特性を有している。
しかしながら、上述の従来技術にあっては、ブレーキの引き摺り防止として、目標液圧が0(大気圧)となったら、所定時間だけ電磁弁を減圧状態とする構成であったため、ブレーキ液が低温で粘性抵抗が高い場合には、ホイルシリンダに供給されたブレーキ液がこの所定時間の間に完全に抜けきらないという問題があった。
また、電磁弁を減圧状態とする所定時間を、低温の粘性が高い状態でも完全に抜けきれるように長くすると、通電時間が長くなるため、消費電力の増大を招いてしまう。
【0005】
本発明は、上述の従来の問題点に着目して成されたもので、制動力を自動的に制御するブレーキ制御装置において、ブレーキ液の粘性が高くなった場合でもホイルシリンダにおける残圧を確実に除去してブレーキの引き摺りが発生するのを確実に防止することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明は、ブレーキ液圧源とホイルシリンダとを結ぶ通路の途中に設けられてホイルシリンダの液圧を増圧・減圧・保持可能な電磁弁と、車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、この走行状態検出手段によって検出された車両の走行状態に基づいて前記ホイルシリンダの目標液圧を算出する目標液圧算出手段と、前記ホイルシリンダの実液圧を求める実液圧検出手段と、この実液圧検出手段で求めた実液圧が目標液圧算出手段で算出した目標液圧に一致するよう前記電磁弁を作動させる液圧制御手段と、を備えたブレーキ制御装置において、前記液圧制御手段は、前記目標液圧がホイルシリンダで制動力が発生しない圧力近傍の所定の第1圧力0しきい値となったときに前記電磁弁を減圧状態とする残圧除去制御を開始し、前記実液圧がホイルシリンダで制動力が発生しない圧力近傍の所定の第2圧力0しきい値となったときから所定時間後に前記残圧除去制御を終了することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブレーキ制御装置において、前記液圧制御手段が残圧除去制御を開始する条件を、前記目標液圧が第1圧力0しきい値となるとともに実液圧が第2圧力0しきい値となることに加えて、目標液圧変化方向が減圧方向であることを加えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のブレーキ制御装置において、前記走行状態検出手段に、車輪速を検出する車輪速センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサが含まれ、
前記実液圧検出手段は、前記走行状態検出手段からの入力に基づいて実液圧を算出し、かつ、車輪速センサ、加速度センサおよびスロットルセンサの検出値が所定の条件を満足した場合に実液圧が前記第2圧力0しきい値と判断することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載のブレーキ制御装置において、前記電磁弁は、パルス幅変調制御が可能な電磁弁であり、前記電磁弁を駆動するコイルと並列に、回生電流を形成する回生電流形成手段が設けられ、前記回生電流を検出する回生電流検出手段が設けられ、この回生電流検出手段によって検出された回生電流の応答波形に基づいて前記電磁弁のバルブ位置を判定するバルブ位置判定手段が設けられ、前記実液圧検出手段は、前記バルブ位置判定手段が判定したバルブ位置に基づいてホイルシリンダの実液圧を算出するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用および効果】
本発明では、液圧制御手段は、制動力を制御するにあたり、目標液圧算出手段において目標液圧を算出するとともに、実液圧検出手段によりホイルシリンダの実液圧を求め、実液圧が目標液圧に一致するように電磁弁の作動を制御する。
この制動制御において、ホイルシリンダの減圧を行って制動を解除する場合というのは、目標液圧が0(大気圧)などの制動力が発生しない液圧となるが、このような場合には、本発明では、残圧除去制御を実行して、ホイルシリンダに残圧を残さないようにしてブレーキの引き摺りが生じないようにする。
【0011】
この残圧除去制御を実行するにあたり本発明では、目標液圧が、制動力が生じない第1圧力0しきい値となるのに加え、実液圧が、同様に制動力が生じない第2圧力0しきい値となることで実行を開始し、電磁弁をその開始時点から所定時間だけ減圧状態とする。ちなみに、第1圧力0しきい値と第圧力0しきい値とは、同じ値にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0012】
したがって、検出した実液圧が0(大気圧)近傍まで低下した後、さらに所定時間だけ電磁弁を減圧状態とするから、ホイルシリンダに残圧があっても、確実に残圧を除去することができる。すなわち、目標液圧が第1圧力しきい値となってから電磁弁を所定時間減圧状態とする作動であると、ホイルシリンダの実液圧が、その時点の圧力から0(大気圧)となるまでに時間を要することから、低温などによりブレーキ液の粘性が高くなっている場合など、残圧除去が十分に成されないおそれがあるが、本発明では、実液圧が0(大気圧)近傍の第2圧力0しきい値となってから、所定時間減圧状態としているから、短時間で確実に残圧を除去することができる。
さらに、本発明では、残圧除去制御の開始条件として、単に、実液圧が第2圧力0しきい値となるだけでなく、目標液圧が第1圧力0しきい値となることも加えているため、例えば、制御方向としては増圧に向かっているのに、現在の実液圧が第2圧力0しきい値であることから、残圧除去制御を実行して、増圧を実行するのが遅れるというような不具合が発生することなく、残圧除去制御が必要なときだけに、的確に残圧除去制御を実行することができる。
【0013】
請求項2に記載の発明にあっては、残圧除去制御を実行する条件として、目標液圧変化方向が減圧方向であることを加えている。このように、増圧方向に制御が向かうことがないときに限り残圧除去制御を実行するため、残圧除去制御が上述のように増圧制御の実行を妨げるというような不具合の発生を、より確実に防止することができるという効果が得られる。
【0014】
請求項3に記載の発明では、実液圧検出手段は、車輪速センサ、加速度センサおよびスロットルセンサの検出値が所定条件を満足したときに、実液圧が第2圧力0しきい値と判断する。すなわち、車輪速変化あるいは車両の前後加速度変化により車両に制動力が発生しているか否か判断することができ、その判断した制動力からホイルシリンダの実液圧を推定することができる。つまり、車輪速変化あるいは前後加速度が増加方向にあるときや、スロットルを開いていない状態で車輪速変化あるいは前後加速度が±0であるときには、ホイルシリンダの実液圧が0近傍と判断することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明では、実液圧検出手段は、電磁弁のコイルに並列に設けられた回生電流形成回路に発生した回生電流の波形に基づいてバルブ位置を判定し、このバルブ位置に基づいてホイルシリンダの実液圧を算出する。
したがって、電磁弁が作動し、それに応じてホイルシリンダの実液圧が変化するまでに、流路抵抗などにより遅れが生じるが、本発明では、電磁弁が作動した時点で実液圧を算出することができる。よって、実液圧の算出タイミングを早くできる分だけ、残圧除去制御の制御応答性を高めることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は実施の形態のブレーキ制御装置を示す全体図である。本実施の形態のブレーキ制御装置は、ブレーキペダルBPとホイルシリンダWCとが機械的に連携していない、いわゆるブレーキバイワイヤと呼ばれる形式のものである。
【0017】
前記ホイルシリンダWCは、ブレーキ液圧源としてのポンプPならびにポンプPの吐出圧を蓄圧するアキュムレータ1に対して主通路2を介して接続されている。また、前記ホイルシリンダWCは、吸入回路3を介してポンプPの吸入側と接続されている。
なお、前記主通路2においてポンプPの近傍位置には、ブレーキ液をポンプ吐出方向にのみ流しその逆流を防ぐ吐出弁21が設けられ、一方、前記吸入回路3においてポンプPの近傍位置には、ブレーキ液をポンプ吸入方向にのみ流しその逆流を防ぐ吸入弁31が設けられている。また、前記ポンプPは、モータMにより駆動される。
【0018】
さらに、前記主通路2には、ホイルシリンダWCの液圧を制御する特許請求の範囲における電磁弁としての液圧制御弁4が設けられている。この液圧制御弁4は、増圧電磁弁41と減圧電磁弁42とを備えている。前記増圧電磁弁41は、主通路2の途中に設けられ、非通電時には主通路2を遮断し、通電時には主通路2を開いてアキュムレータ1の液圧をホイルシリンダWCに向けて供給する。前記減圧電磁弁42は、前記主通路2と吸入回路3とを結ぶドレン回路5の途中に設けられ、非通電時にはドレン回路5を遮断し、通電時にはドレン回路5を開いてホイルシリンダWCの液圧をポンプPの吸入側に逃がす。
なお、これら増圧電磁弁41ならびに減圧電磁弁42は、パルス幅変調制御(以下、これをPWM制御という)を可能な電磁弁が用いられている。
【0019】
さらに、ホイルシリンダWCの近傍にはABSユニット6が設けられている。すなわち、ABSユニット6は、制動時に車輪がロックしそうになったときに、前記液圧制御弁4とは別個にホイルシリンダWCの液圧を減圧・保持・増圧を行って、車輪がロックしない範囲で最大の制動力が得られるようにホイルシリンダ圧を制御するものであって、このABSユニット6は、主通路2において前記液圧制御弁4よりもホイルシリンダWC側の位置(これを下流位置とする)に設けられた常開のON・OFF弁からなる流入弁61と、この流入弁61と並列に設けられてホイルシリンダWCのブレーキ液が上流側に戻る流れのみを許し下流に流れるのは規制する一方弁62と、前記吸入回路3の途中に設けられた常閉のON・OFF弁からなる流出弁63と、前記吸入回路3において流出弁63よりも下流すなわちポンプPの吸入側に設けられたリザーバ64とから構成されている。したがって、上記ABSユニット6にあっては、流入弁61を閉弁するとともに流出弁63を閉弁させて減圧状態とし、流入弁61ならびに流出弁63を閉弁させて保持状態とし、流入弁61を開弁するとともに流出弁63を閉弁させて増圧状態とすることができる。
【0020】
前記モータM、液圧制御弁4およびABSユニット6の作動は、コントロールユニット7により制御される。このコントロールユニット7は、入力手段として走行状態検出手段としてのセンサ群8と接続されている。
このセンサ群8には、ブレーキペダルBPにおける制動操作を検出するブレーキセンサ81が設けられ、また、車輪速を検出する車輪速センサ82と、車両の前後加速度および左右加速度を検出する加速度センサ83と、スロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ84が設けられている。
【0021】
加えて、センサ群8に含まれるセンサとして、前記液圧制御弁4の各電磁弁41,42のバルブ位置を検出するバルブ位置検出手段の一部を構成する回生電流検出回路504が設けられている。
すなわち、図2に示すように、各電磁弁41,42のそれぞれに設けられているソレノイドコイル305に対して並列に、回生電流形成回路501が接続されている。この回生電流形成回路501には、電流検出用抵抗502とダイオード503とが直列に設けられ、ダイオード503は、コイル305に対する通電方向の電流が電流検出用抵抗502に流れない向きに設けられている。
【0022】
前記電流検出用抵抗502の上流と下流とには、回生電流I2を検出する回生電流検出回路504が接続されている。
すなわち、各電磁弁41,42のコイル305に対して駆動電流I1を通電させると(これはコイル305を励磁する通電であり図示の向きに流れる)、この通電をカットした時に、回生電流形成回路501に駆動電流とは逆向きの回生電流I2が流れるもので、これを回生電流検出回路504により検出する。
【0023】
図3はこれらの信号の関係を示すもので、図中(a)はコントロールユニット7の出力信号、図中(b)はコイル305を流れる駆動電流I1、図中(c)は回生電流I2を示している。この図に示すように、コントロールユニット7から出力信号が出力されると(ONの部分がデューティ信号)、コイル305にあってはON信号を出力するのに応じて電流値が高まる一方、出力信号がONからOFFに切り換わると電流値が低下する駆動電流I1が流れる。それに対して、回生電流I2は、出力信号がONからOFFに切り換わると駆動電流I1とは逆向きに流れるものであり、その電流値は、ONからOFFになった瞬間が高くそれから徐々に低下するよう変化する。なお、駆動電流I1の電流値は、コントロールユニット7からの出力信号におけるON部分のデューティ比により決定されるものであり、デューティ比を高くすれば電流値も高くなるし、デューティ比を低くすれば電流値も低くなる。
【0024】
また、この回生電流I2は、図示は省略するが各電磁弁41,42における弁体とシート面との間に生じるエアギャップの間隔に応じて変動するインダクタンス特性により波形が異なるもので、すなわち、インダクタンスLは、図4(b)に示すようにエアギャップの寸法の大小に応じて変動している。そして、同図(a)に示すようにこの寸法の変動に応じて回生電流I2の値が変動する(図中△I)とともに、回生電流I2の傾きが変化する。したがって、回生電流検出回路504で検出された回生電流I2の値あるいはその傾きにより、エアギャップ寸法、すなわち弁体の位置すなわちバルブリフト量を検出することができる。
よって、このバルブリフト量、すなわち開口面積と、開口時間すなわちデューティ比とに基づいて、ブレーキ液の流量を推定することができ、これにより実際のホイルシリンダ圧を推定することができる。
【0025】
次に、コントロールユニット7による制御内容について説明する。
本実施の形態のコントロールユニット7では、センサ群8からの入力に基づいてブレーキバイワイヤ制御、自動制動制御ならびにABS制御を実行する。
【0026】
前記ブレーキバイワイヤ制御は、運転者によるブレーキペダルBPの操作に応じてホイルシリンダWCにおいて制動力を発生させる制御である。このブレーキバイワイヤ制御にあっては、まず、ブレーキセンサ81の検出値に基づいて目標液圧PTを求め、一方、モータMを駆動させてポンプPを作動させ、この状態でホイルシリンダ圧が目標液圧PTとなるよう液圧制御弁4を作動させ、さらに、上述のように回生電流I2に基づいて実際のホイルシリンダ圧である実液圧PLを算出し、実液圧PLが目標液圧PTとなるようにフィードバック制御を行う。
【0027】
このブレーキバイワイヤ制御においてホイルシリンダ圧を制御するにあたり、本実施の形態では、増圧電磁弁41および減圧電磁弁42のそれぞれに対してPWM制御を行って、各電磁弁41のバルブ開度を所望の開度に制御する。この場合、ホイルシリンダ圧は、減圧電磁弁42を閉弁させた状態で増圧電磁弁41を開けば瞬時に増圧することができ、一方、増圧電磁弁41を閉弁させた状態で減圧電磁弁42を開弁させれば瞬時に減圧させることができる。また、両電磁弁41,42の開度をPWM制御により調整することで、ホイルシリンダ圧を微妙に増圧させたり減圧させたりすることができる。
【0028】
また、本実施の形態では、PWM制御を実行するにあたり、上述したように回生電流検出回路504により各電磁弁41,42のバルブリフト量を検出し、このバルブリフト量ならびに開弁時間(デューティ比)に基づいて実液圧PLを算出しているが、圧力センサを設けて実液圧PLを検出するようにしてもよいし、あるいは、加速度センサ83で得られる前後加速度と車輪速センサ82で得られる車輪速との少なくとも一方、好ましくは両方に基づいて車両の減速度を求め、この減速度とスロットルセンサ84で得られるスロットル開度から実液圧PLを算出するようにしてもよい。
【0029】
さらに、本実施の形態では、走行状態に応じて、運転者が制動操作を行っていなくても、必要に応じて自動的に制動力を発生させる自動ブレーキ制御を実行する。この自動ブレーキ制御にあっても、上記と同様に、ポンプPを作動させるとともに各電磁弁41,42に対してPWM制御を行ってホイルシリンダ圧を所望の圧力に制御する。なお、この自動ブレーキ制御の場合には、コントロールユニット7は、センサ群8から得られる走行状態、例えば車輪速の変化などに基づいて目標液圧PTを算出するものである。
なお、自動ブレーキ制御としては、前者との車間を最適に保つ車間制御において制動力が必要なときに自動的に制動力を発生させる自動制動制御や、旋回中に車両が過オーバステアや過アンダステア状態となったときに、所望輪に制動力を発生させて車両をニュートラルステア方向に戻すヨーモーメントを発生させる車両運動制御や、駆動輪がスリップしたときにこのスリップを抑制させるべく駆動輪に制動力を発生させるトルクスリップ制御などがある。
【0030】
また、前記ABS制御は、周知の制御であり、これを簡単に説明すると、車輪速センサ82からの入力に基づいて制動時の車輪ロックを判断し、車輪がロックしそうな状態になったら、ホイルシリンダ圧を減圧させて車輪ロックを回避した後、その対象となる車輪の車輪速が、車体速よりも所定値だけ低い、制動に最も有効な速度となるように適宜、減圧・保持・増圧を行うものである。
【0031】
このABS制御における減圧・保持・増圧は、減圧の場合は、流入弁61を閉弁させるとともに流出弁63を開弁させ、保持の場合は、両弁61,63を閉弁させ、増圧の場合は、流入弁61を開弁させるとともに流出弁63を閉弁させることにより行う。また、減圧の際には、ホイルシリンダWCのブレーキ液がリザーバ64逃がされるが、このリザーバ64に溜まったブレーキ液は、随時ポンプPに吸入される。
【0032】
さらに、本実施の形態にあっては、コントロールユニット7は、各電磁弁41,42に対してPWM制御を実行するブレーキバイワイヤ制御ならびに自動制動制御を行うにあたり、ホイルシリンダ圧を0(大気圧)に制御した後には、以下に説明する残圧除去制御を実行する。
【0033】
図5は残圧除去制御の流れを示すフローチャートであり、まず、ステップ101において、目標液圧PTが目標液圧0判断しきい値(第1圧力0しきい値)PZT未満となったか否か、すなわちPT<PZTであるか否か判断し、PT<PZTの場合はステップ102に進み、PT≧PZTの場合は、ステップ110に進んで通常時制御を実行する。なお、このステップ101にあっては、目標液圧PTが制動力を生じない0(大気圧)となったか否かを判断するものであるが、実際には制御応答性を確保するために、目標液圧PTが0(大気圧)となる前に判断を行うべく、0に極めて近い目標液圧0判断しきい値PZTと比較している。
また、ステップ110の通常時制御とは、上述したように目標液圧PTならびに実液圧PLを算出し、実液圧PLが目標液圧PTと一致するように液圧制御弁4を作動させる制御である。
【0034】
次に、ステップ102では、目標液圧勾配DELTPTが、OFFしきい値PZTD未満であるか否かを判断し、YESすなわちDELTPT<PZTDの場合にはステップ103に進み、NOの場合にはステップ110に進む。すなわち、このステップ102では、増圧を行おうとしている減圧を行おうとしているかを判断しているもので、目標液圧勾配DELTPTとは、目標液圧PTの変化率(勾配)を示しており、この目標液圧勾配DELTPTがOFFしきい値PZTDよりも低ければ、変化率が下向きであり減圧に向けて制御している判断してステップ103に進むものである。
【0035】
ステップ103では、算出した実液圧PLが、実液圧0判断しきい値(第2圧力0しきい値)PZTL以下であるか否か判断し、PL≦PZTLであればステップ104に進んでタイマカウントTHを1だけ加算し、PL>PZTLであればステップ108に進んで、タイマカウントTHを0にリセットする。
ステップ105では、タイマカウントTHが所定のホールド時間THmaxを越えたか否か判定し、ホールド時間THmaxを越えない範囲ではステップ109に進み、ホールド時間THmaxを越えたらステップ106に進んで、タイマカウントTHをリセットする。
【0036】
ステップ106に続くステップ107では、残圧除去処理を終了して両電磁弁41,42をデューティ比0%として閉弁させる。
一方、ステップ105あるいはステップ108から進むステップ109にあっては、残圧除去処理を実行すべく、増圧電磁弁41をデューティ比0%として完全に閉じる一方で、減圧電磁弁42をデューティ比100%として全開にする。この場合、ホイルシリンダWCのブレーキ液はポンプPにより吸入される。
【0037】
以上説明した残圧除去制御は、算出した目標液圧PTがほぼ0(大気圧)となるとともに減圧を実行しており、さらに算出した実液圧PLがほぼ0(大気圧)となったら、この時点からホールド時間THmaxが経過するまでの間、増圧電磁弁41を全閉とするとともに減圧電磁弁42を全開とするものである。
【0038】
図6はこの残圧除去制御の実行例を示すタイムチャートである。
このタイムチャートは、目標液圧PTが0となり、その後、目標液圧PTが上昇したところを示しており、目標液圧PTが目標液圧0判断しきい値PZTを下回った時点T1で、図5のフローチャートにおいてステップ101→102に進むことになり(これを図6では残除去制御フラグONと表現している)、さらに、実液圧PLが実液圧0判断しきい値PZTLを下回った時点T2で、図5のフローチャートにおいてステップ103→104と進むことになってタイマカウントTHがカウントされ始めるとともに、さらにステップ105→109の流れとなって、増圧電磁弁41が閉弁されて減圧電磁弁42が開弁される状態が形成される。したがって、この時点で、目標液圧PTが0になっているにもかかわらずホイルシリンダWCに残圧があったとしても、この残圧は確実にポンプPに吸入される。
【0039】
その後、タイマカウントTHがホールド時間THmaxとなった時点T3で、ステップ105→106→107の流れとなり両電磁弁41,42を閉弁させ、次の制動制御を待機する状態となる。なお、本実施の形態では、この時(T3とT4の間)ステップ101→102→103→104→105→106→107の流れとなっており、残圧除去制御フラグがONの状態となっている。
その後、目標液圧PTが立ち上がった時点T4で、図5のフローチャートにおいてステップ101→110の流れとなって、通常時制御に復帰し、増圧電磁弁41を開弁させてホイルシリンダ圧を立ち上げている。
【0040】
以上のように、本実施の形態では、目標液圧PTが0近傍になり、しかも目標液圧PTの向きが減圧の方向であり、さらに算出したホイルシリンダWCの実液圧PLが0となってから、所定のホールド時間THmaxだけ減圧状態を形成するようにしたため、ホイルシリンダWCにおける残圧を短時間に確実に抜くことができる。したがって、ブレーキ液の粘性抵抗が高くなっている状態でも、ホールド時間THmaxを長く設定することなしに確実に残圧を除去してブレーキの引き摺りが発生するのを防止することができるという効果が得られる。
【0041】
以上図面により実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態の構成に限定されるものではない。
例えば、実施の形態では、電磁弁4の他にABSユニット6を設けた例を示した。これは、ABS制御時の応答性を高くするためであるが、電磁弁4を用いてABS制御を実施することは可能であり、この場合、ABSユニット6を廃止して構成の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブレーキ制御装置を示す全体図である。
【図2】実施の形態における回生電流検出回路を示す回路図である。
【図3】実施の形態における回生電流の発生状態を示すタイムチャートである。
【図4】実施の形態における回生電流の説明図である。
【図5】実施の形態における残圧除去制御の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施の形態における残圧除去制御の実行例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 アキュムレータ
2 主通路
3 吸入回路
4 液圧制御弁
5 ドレン回路
6 ABSユニット
7 コントロールユニット
8 センサ群
21 吐出弁
31 吸入弁
41 増圧電磁弁
42 減圧電磁弁
61 流入弁
62 一方弁
63 流出弁
64 リザーバ
81 ブレーキセンサ
82 車輪速センサ
83 加速度センサ
84 スロットルセンサ
305 ソレノイドコイル
501 回生電流形成回路
502 電流検出用抵抗
503 ダイオード
504 回生電流検出回路
BP ブレーキペダル
M モータ
P ポンプ
WC ホイルシリンダ

Claims (4)

  1. ブレーキ液圧源とホイルシリンダとを結ぶ通路の途中に設けられてホイルシリンダの液圧を増圧・減圧・保持可能な電磁弁と、
    車両の走行状態を検出する走行状態検出手段と、
    この走行状態検出手段によって検出された車両の走行状態に基づいて前記ホイルシリンダの目標液圧を算出する目標液圧算出手段と、
    前記ホイルシリンダの実液圧を求める実液圧検出手段と、
    この実液圧検出手段で求めた実液圧が目標液圧算出手段で算出した目標液圧に一致するよう前記電磁弁を作動させる液圧制御手段と、
    を備えたブレーキ制御装置において、
    前記液圧制御手段は、前記目標液圧がホイルシリンダで制動力が発生しない圧力近傍の所定の第1圧力0しきい値となったときに前記電磁弁を減圧状態とする残圧除去制御を開始し、前記実液圧がホイルシリンダで制動力が発生しない圧力近傍の所定の第2圧力0しきい値となったときから所定時間後に前記残圧除去制御を終了することを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記液圧制御手段が残圧除去制御を開始する条件を、前記目標液圧が第1圧力0しきい値となるとともに実液圧が第2圧力0しきい値となることに加えて、目標液圧変化方向が減圧方向であることを加えたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記走行状態検出手段に、車輪速を検出する車輪速センサ、車両の加速度を検出する加速度センサ、スロットル開度を検出するスロットルセンサが含まれ、
    前記実液圧検出手段は、前記走行状態検出手段からの入力に基づいて実液圧を算出し、かつ、車輪速センサ、加速度センサおよびスロットルセンサの検出値が所定の条件を満足した場合に実液圧が前記第2圧力0しきい値と判断することを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記電磁弁は、パルス幅変調制御が可能な電磁弁であり、
    前記電磁弁を駆動するコイルと並列に、回生電流を形成する回生電流形成手段が設けられ、
    前記回生電流を検出する回生電流検出手段が設けられ、
    この回生電流検出手段によって検出された回生電流の応答波形に基づいて前記電磁弁のバルブ位置を判定するバルブ位置判定手段が設けられ、
    前記実液圧検出手段は、前記バルブ位置判定手段が判定したバルブ位置に基づいてホイルシリンダの実液圧を算出するよう構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
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