JP3964545B2 - 電動乗用車の緊急停止機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電動乗用車の緊急停止機構、特に、電動式車椅子に好適な緊急停止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動式車椅子は、高齢者や身体障害者等の歩行困難な人でも楽に操縦できる電動乗用車である。このために電動乗用車の操作機構は、簡便なスイング式アクセルレバーとブレーキレバーとで構成する。アクセルレバーを押し下げることで、車速を増加させることができ、アクセルレバーを放してブレーキレバーを握ることで、車両を停止させることができる。
ところで、アクセルレバーを押し下げて走行しているときに、前方に急に障害物が現れるような緊急時には、運転者は咄嗟の行動として、ブレーキレバーを握る代りに、誤操作によりアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せることがあり得る。誤操作があっても車両を緊急停止できる操作機構が求められ、この種の操作機構としては、例えば、特開平5−338475号公報「小型電動車」がある。
【0003】
上記従来の技術は、その公報の図1によれば、アクセルレバー10(番号は公報に記載されたものを引用した。以下同じ。)の握り部10aを押し下げることで、車速を増加させることができるとともに、誤操作により握り部10aを操縦ハンドルのグリップ部9へ引き寄せたときにのみ、アクセルレバー10の変位をリミットスイッチ式検出手段18で検出し、この検出信号に基づいて車両を緊急停止できるというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図9(a)〜(c)は上記従来の技術を説明するために、その公報に示す図1の一部を変えて再掲したところの、操縦ハンドルの説明図である(符号は公報に記載されたものと相違する)。
(a)は、支持ブラケット101の左右の切り欠き部102L,102Rに車幅方向に延びるロッド状の中間部103を嵌め、中間部103を左右のスプリング104L,104Rで切り欠き部102L,102Rの谷に押圧することで弾性的に支持し、中間部103の右端や左端にアクセルレバー105の握り部106L,106Rを取付けた操作機構100を示す。
【0005】
左の握り部106Lをグリップ部107へ引き寄せると、中間部103は左のスプリング104Lの引張り力に抗し、右の切り欠き部102Rを支点として傾く。中間部103(アクセルレバー105)の傾きを検出手段108が検出する。この検出信号に基づいて、車両を緊急停止させることができる。
このように、左の握り部106Lを引き寄せた場合には、アクセルレバー105は右の切り欠き部102Rを支点として傾く。すなわち、支点となる右の切り欠き部102Rから一方側に、検出手段108と左のスプリング104Lと左の握り部106Lとの、全てを配列したものである。このことに伴う作用を以下に説明する。
【0006】
(b)は上記(a)を模式的に表した図である。ここで、支点となる右の切り欠き部102Rから検出手段108までの距離をX、検出手段108から左のスプリング104Lまでの距離をY、左のスプリング104Lから左の握り部106Lの作用点までの距離をZとする。
左の握り部106Lを引き寄せる力(引寄せ力)をW10とし、このときに左のスプリング104Lを引張る力(作用力)をF10としたとき、F10は次式(11)で表すことができる。
F10=W10×(X+Y+Z)/(X+Y) ……(11)
式(11)から明らかなように、作用力F10はX+Y+Zが大きいほど大きい。作用力F10が大きいと、ばね定数の大きいスプリング104Lを使用することになる。
【0007】
(c)は上記(b)を更に模式的に表した図である。ここで、アクセルレバー105の傾きを検出手段108が検出するのに必要な検出部108aのストロークをS11とし、この時の左の握り部106Lの引寄せ操作量をS12としたとき、S12は次式(12)で表すことができる。
S12=S11×(X+Y+Z)/X ……(12)
従って、引寄せ量がS12であるときに、握り部106Lを引き寄せたことを検出手段108が検出することになる。距離Xに対して距離X+Y+Zが極めて大きいので、式(12)から明らかなように、検出部108aのストロークS11に対して、引寄せ操作量S12は極めて大きい。引寄せ操作量S12が大きいほど、握り部106Lの引き寄せ開始から引き寄せ完了までの時間がかかる。この結果、握り部106Lを引き寄せ始めてから、検出手段108が検出するまでの時間がかかる。引き寄せ開始タイミングと検出タイミングとがずれるので、操作感覚に違和感が生じ易い。しかも、大きな引寄せ量S12を見込んで、握り部106Lとグリップ部107との間の離間距離Uを設定するので、この離間距離Uが大きくなり、握り部106Lを押し下げる通常の操作性が劣る。
これらのことから、距離X+Y+Zを小さくしたいが、上記(a)の構成では限界があり、改良の余地がある。
【0008】
そこで本発明の目的は、誤操作によりアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたときの、操作感覚を高めるとともに、アクセルレバーを押し下げる通常の操作性をも高め、しかも、最適なばね定数のスプリングを使用した緊急停止機構を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、操作ハンドルの中央に支持板を取付け、この支持板にほぼ車体前後方向にスライド可能にスライドベースを取付け、このスライドベースに車幅方向に延びるロッドを取付け、このロッドの右端又は左端にアクセルレバーを取付け、このアクセルレバーを押し下げることで、車速を増加させることができるとともに、誤操作によりアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたときにのみスライドベースがスライドし、このスライドをスイッチ手段で検出し、この検出信号に基づいて車両を緊急停止させることのできる緊急停止機構を備えた電動乗用車であって、スライドベースの中央から左右対称に左・右の長孔又は左・右のピンを設け、これら長孔又はピンに対するピン又は長孔を支持板に設け、スライドベースを、アクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せる方向と同じ後方へ押出すスプリングを支持板に取付け、スイッチ手段を支持板の中央に取付け、前記スプリングのばね力でスライドベースを後方へ押し付けることで、該スライドベースを車体後方へスライドしない状態とし、アクセルレバーを右に取付けた場合には、該右のアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたとき右のピンを支点にしてスライドベースが右回転し、アクセルレバーを左に取付けた場合には、該左のアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたとき左のピンを支点にしてスライドベースが左回転するように構成したことを特徴とする。
【0010】
支点からスイッチ手段までの距離に対して、支点からアクセルレバーの作用点までの距離を比較的小さくできるので、アクセルレバーの引き寄せ操作量は小さい。このため、誤操作によるアクセルレバーの引き寄せ開始タイミングと、スイッチ手段の検出タイミングとは、ほとんど同一であり、操作感覚は高まる。引き寄せ操作量が小さい分、アクセルレバーと操作ハンドルとの間を狭めることによって、アクセルレバーの押し下げ操作性は高まる。さらに、支点からアクセルレバーの作用点までの距離と、支点からスプリングまでの距離とを、バランス良く設定することによって、最適なばね定数のスプリングを使用することができる。また、スプリングとスイッチ手段の両部材を支持板の中央に取付けた場合には、アクセルレバーが左右どちらにあっても、支点からアクセルレバーの作用点までの距離と、支点からスプリング並びにスイッチ手段までの距離の関係が同じなので、常に、アクセルレバーの引き寄せ操作感覚並びに押し下げ操作性を高め、最適なばね定数のスプリングを使用できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図面に基づいて以下に説明する。なお、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「下」は運転者から見た方向に従い、Frは前側、Rrは後側、Lは左側、Rは右側、CLは車幅中心を示す。また、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る電動乗用車の側面図であり、前後各2輪の4輪車形式の電動乗用車1を示す。
電動乗用車1は、車体フレーム2と、車体フレーム2のヘッドパイプ3に取付けたステアリングシャフト4と、ステアリングシャフト4の上端に連結した操作ハンドル5と、ステアリングシャフト4の下部に連結したステアリング機構6と、ステアリング機構6で操舵するべく車体フレーム2の前部に取付けた左右の前輪7,7(この図では左のみ示す。以下同じ。)と、車体フレーム2の後部に取付けた後輪駆動用モータ8と、モータ8に連結した減速機9と、減速機9に連結した差動装置11と、差動装置11に連結した左右の後輪駆動軸12,12と、後輪駆動軸12,12に連結した左右の後輪13,13と、車体フレーム2の後部に搭載したバッテリ14と、バッテリー14の上に搭載したコントローラ15と、車体フレーム2の後部上部に取付けたシート16と、車体フレーム2を覆うボディカバー20とからなる、電動式車椅子である。
【0012】
ボディカバー20は、ステアリング機構6周りを覆うフロントカバー21と、前輪7,7の上部に被せるフロントフェンダ22,22と、運転者の足を載せる低床式のステップフロア23と、ステップフロア23から後方へ延びてモータ8、減速機9、差動装置11、バッテリー14並びにコントローラ15を覆うリヤカバー24と、後輪13,13の上部に被せるリヤフェンダ25,25とからなる。図中、17はヘッドランプ、26は操作ハンドル用下部カバー、27は操作ハンドル用上部カバーである。
【0013】
図2は本発明に係る操作ハンドル周りの平面図であり、操作ハンドル用上部カバーを外した状態を示す。
操作ハンドル5は、平面視で後中央部を切欠いた横長矩形ループ状ハンドルであり、このハンドルの中央(車幅中心)CLに設けた基板31を介して、ステアリングシャフト4の上端に取付けるとともに、後部左右にグリップ32L,32Rを備え、これらのグリップ32L,32Rを想像線にて示す両手LH,RH又は片手で握って操舵するものである。
さらに操作ハンドル5は、基板31に操作機構40の支持板41を取付け、操作機構40のアクセルレバー44をループ内でグリップ32Rに沿わせて配置するとともに、アクセルレバー44を配置した側にブレーキレバー33を取付けたものである。34はキー形式のスタータスイッチ、35,35は支持板取付用ボルトである。
【0014】
図3は本発明に係る操作機構の平面図である。
操作機構40は、平面視略矩形状の支持板41と、支持板41の上にほぼ車体前後方向にスライド可能に取付けたスライドベース42と、スライドベース42に回転可能に取付けたロッド43と、ロッド43の右端又は左端に取付けたアクセルレバー44と、ロッド43の回転角を決定するストッパ45と、ロッド43をこの図に示す中立位置に自動復帰させるリターンスプリング(ねじりばね)46と、ロッド43に取付けた駆動ギヤ47と、駆動ギヤ47に噛み合う従動ギヤ48と、従動ギヤ48に連結したポテンショメータ(ボリューム)49と、スライドベース42を後方へ押出すべく支持板41に取付けた押出しスプリング(スプリング)62と、押出しスプリング62のばね力を調整する調整ボルト64と、スライドベース42のスライドを検出するべく支持板41に取付けたスイッチ手段71とを、主要な構成要素とする。
【0015】
詳しくは、スライドベース42の取付構造は、支持板41の中央CLから左右対称位置に左・右のピン51L,51Rを設け、スライドベース42の中央CLから左右対称位置に左・右の長孔52L,52Rを設け、これらの長孔52L,52Rにピン51L,51Rを嵌合することで、支持板41にスライドベース42を車体前後方向にスライド可能に取付けるようにしたものである。
スライドベース42は、水平なベース板部42aと、ベース板部42aの左右両端から起立させた支持用起立部42b,42bと、ベース板部42aの中央CLから起立させた検出用起立片部42cとからなる、鋼板プレス成形品である。支持用起立部42b,42bは、ブッシュ53,53を介して、車幅方向に延びたロッド43を回転可能に取付けるものである。
【0016】
ロッド43は、スライドベース42から車幅方向へ突出し、その突出した右端と左端とに車体前後方向に貫通したボルト孔43a,43aを開けるとともに、ボルト孔43a,43a位置の後端面に平坦なレバー取付座43b,43bを設け、右又は左のレバー取付座43b,43bにアクセルレバー44の基端44aを当ててボルト54にて取付けたものである。
アクセルレバー44は平面視L字状レバー(図2参照)であり、運転者の利き手に応じて、若しくは好みに応じて、ロッド43の右端又は左端に任意に取付けることができる。ロッド43の右端又は左端にアクセルレバー44の基端44aをボルト止めする構造なので、スライドベース42からロッド43を外すことなく、極めて簡単にアクセルレバー44の取付け位置を変えることができる。
【0017】
従動ギヤ48は、ポテンショメータ49の図示せぬ入力軸に嵌合するとともに、ギヤ間のバックラシをなくする方向に弾発する、ねじりばね55を備える。
ポテンショメータ49はスライドベース42に取付けたものであり、ロッド43の回転角、すなわち、アクセルレバー44のスイング角を検出する役割を果たす。
押出しスプリング62並びにスイッチ手段71は、支持板41の中央CLに取付けたものである。56,56は止め輪である。
【0018】
操作機構40は、支持板41と、スライドベース42と、押出しスプリング62と、調整ボルト64と、スイッチ手段71と、ピン51L,51R並びに長孔52L,52Rとの組合せ構造からなる、緊急停止機構80を備えたことを特徴とする。このような緊急停止機構80を備えたことにによって、誤操作によりアクセルレバー44を操作ハンドル5へ引き寄せたときにのみ、電動乗用車を緊急停止させることができる。
【0019】
図4は図3の4−4線断面図であり、支持板41の下段に押出しスプリング62を取付け、上段にスイッチ手段71を取付けたことを示す。
詳しくは、支持板41は水平な基板部41aと、基板部41aの中央から起立させたばね受用起立片部41bと、ばね受用起立片部41bの上端から後方へ水平に延した上部水平片部41cとからなる、鋼板プレス成形品である。スライドベース42の検出用起立片部42cは、前面にナット65を溶接し、背面をばね受用起立片部41bの前面に隣接又は当接させたものである。各起立片部41b,42cはナット65を取付けた位置に、貫通したボルト孔41d,42dを有する。
【0020】
押出しスプリング62の取付構造は、ばね受用起立片部41bの背面に、第1リテーナ61、圧縮コイルばねからなる押出しスプリング62、第2リテーナ63の順に重ね、背面から調整ボルト64を貫通し、この調整ボルト64をナット65にねじ込んだものである。これにより、押出しスプリング62は、調整ボルト64で押し付けられた状態で、ばね受用起立片部41bの背面に取付けられることになる。
スイッチ手段71は、例えば、進退可能(出没可能)な検出ロッド71aを備えたリミットスイッチであり、検出ロッド71aが検出用起立片部42cで押されて退縮した状態で、上部水平部41cの上面にビス72にて取付けたものである。
【0021】
図5は図3の5−5線断面図であり、ボルトからなるピン51R(51L)を支持板41に溶接し、カラー57を介して長孔52R(52L)に嵌合するとともに、ナット58をねじ込むことで抜け止めしたことを示す。
ところで、この図に示す中立状態において、ピン51R(51L)はカラー57を介して長孔52R(52L)の前端に当っている。このため、スライドベース42は車体後方(図の右)へスライドすることはできない。
また、この図は、駆動ギヤ47と従動ギヤ48の噛み合わせ状態を示す。41eは支持板取付用ボルト孔、49aはポテンショメータの入力軸、59はスプリングワッシャである。
【0022】
次に、上記構成の操作機構40の作用について説明する。
図6は本発明に係る操作機構の作用説明図(その1)である。
この図に示す中立状態においては、モータ8が停止しているので、図示せぬ電動乗用車も停止状態にある。
この状態から、リターンスプリング46のばね力に抗してアクセルレバー44を右手RHで押し下げると(矢印▲1▼)、アクセルレバー44がスイングするので(矢印▲2▼)、ロッド43が右回転し、駆動ギヤ47と従動ギヤ48を介してポテンショメータ49の入力軸49aが回転する。ポテンショメータ49はアクセルレバー44の押し下げ操作量、すなわち、スイング角を検出して検出信号を発する。コントローラ15はポテンショメータ49の検出信号に応じた制御信号を発して、モータ8の回転数を増加させる。この結果、電動乗用車の車速は、アクセルレバー44の押し下げ操作量に応じて増加する。
その後、アクセルレバー44から右手RHを放すと、リターンスプリング46のばね力によって、アクセルレバー44は中立位置に自動復帰する。従って、モータ8は停止する。
【0023】
図7(a),(b)は本発明に係る操作機構の作用説明図(その2)である。(a)に示す中立状態では、押出しスプリング62は調整ボルト64を介して、スライドベース42を後方へ押出している。この状態では、検出ロッド71aが検出用起立片部42cで押されるので、スイッチ手段71は検出信号を発しない。スイッチ手段71の検出信号がないので、コントローラ15はモータ8の通常の回転制御をする。左右のピン51L,51Rが長孔52L,52Rの前端に当っているので、スライドベース42は車体後方へスライドすることはない。
【0024】
この状態から、アクセルレバー44をグリップ32Rへ引き寄せると(矢印▲3▼)、矢印▲4▼方向の引寄せ力がアクセルレバー44からロッド43→スライドベース42→ナット65→調整ボルト64の経路で、押出しスプリング62に圧縮力として作用する。検出用起立片部42cは、押出しスプリング62のばね力に抗して、ばね受用起立片部41bから離れようとする(矢印▲5▼)。所定の引寄せ力に達すると、スライドベース42は右のピン51Rを支点にして右回転する(矢印▲6▼)。すなわち、スライドベース42は前方にスライドすることになる。
【0025】
この結果、(b)に示すように検出用起立片部42cは、ばね受用起立片部41bから離れるとともに、検出ロッド71aからも離れる。このため、検出ロッド71aが図示せぬスプリングによって所定ストロークだけ進出することにより、スイッチ手段71は、スライドベース42が前方へスライドしたことを検出し、検出信号を発する。コントローラ15は、スイッチ手段71の検出信号に基づいて、モータ8を緊急停止させる。従って、電動乗用車は緊急停止する。
その後、アクセルレバー44から右手RHを放すと、押出しスプリング62のばね力によって、スライドベース42、ロッド43並びにアクセルレバー44は(a)の中立位置に自動復帰する。
【0026】
このように、アクセルレバー44を操作ハンドル5へ引き寄せたときにのみスライドベース42が前方へスライドし、このスライドをスイッチ手段71で検出し、この検出信号に基づいて電動乗用車を緊急停止させることができる。従って、アクセルレバー44を押し下げ操作して電動乗用車を走行中において、前方に急に障害物が現れたような緊急時に、運転者がブレーキレバーを握る代りに、誤操作によりアクセルレバー44を操作ハンドル5へ引き寄せた場合であっても、電動乗用車を緊急停止させることができる。
【0027】
なお、左・右の長孔52L,52Rは車体前後方向に延びるストレート孔である。このストレート孔は、スライドベース42が一方のピン51L又は51Rを支点として回転した際に、他方のピン51R又は51Lが、孔内を円滑に移動可能な大きさに設定されたものである。
【0028】
次に、押出しスプリング62のばね力調整要領を、図7(a)に基づき説明する。
押出しスプリング62は、ばね受用起立片部41bの背面に調整ボルト64で押し付けられつつ、取付けられた状態にある。ナット65に対して調整ボルト64を締め込むと、押出しスプリング62を圧縮する力が増大するので、スライドベース42を後方へ押出すばね力は増す。ナット65に対して調整ボルト64を緩めると、押出しスプリング62を圧縮する力が減少するので、スライドベース42を後方へ押出すばね力は減る。このようにして、押出しスプリング62のばね力を、調整ボルト64で任意に調整することができる。
押出しスプリング62のばね力を調整することで、検出用起立片部42cをばね受用起立片部41b側に引き寄せる力が変わる。この結果、アクセルレバー44をグリップ32R側に引き寄せる力、いわゆる引寄せ力を調整することができる。従って、緊急停止信号を出力するのに必要な引寄せ力を、各運転者の握力や好みに応じて、任意に且つ容易に調整することができる。
【0029】
図8は本発明に係る緊急停止機構の作用説明図であり、緊急停止機構80を模式的に表した図である。
支持板の中央CLに押出しスプリング62並びにスイッチ手段71を取付けたので、回転支点となる右のピン51Rの右にアクセルレバー44があり、支点の左に押出しスプリング62並びにスイッチ手段71がある。このように支点の左右に、アクセルレバー44と、押出しスプリング62並びにスイッチ手段71とを振り分けた。
ここで、支点P1となる右のピン51Rから、作用点P2となる押出しスプリング62の中心並びに検出ロッド71aの中心までの距離をA、右のピン51Rからアクセルレバー44の作用点P3までの距離をBとする。アクセルレバー44を引き寄せる力(引寄せ力)をWとし、このときに押出しスプリング62を圧縮する力(作用力)をFとしたとき、Fは次式(1)で表すことができる。
F=W×B/A ……(1)
アクセルレバー44を押し下げる通常の操作では、アクセルレバー44が引き寄せられないように、引寄せ力Wを設定する。
【0030】
また、アクセルレバー44が引寄せ力Wによって傾いたこと、すなわち、スライドベース42が前方へスライドしたことを、スイッチ手段71が検出するのに必要な、検出ロッド71aのストロークをS1とし、この時のアクセルレバー44の引寄せ操作量をS2としたとき、S2は次式(2)で表すことができる。
S2=S1×B/A ……(2)
従って、引寄せ操作量がS2であるときに、アクセルレバー44を引き寄せたことをスイッチ手段71が検出する。
【0031】
従来のように、支点P1から一方側に作用点P2と作用点P3とを配列したのでは、距離Bが長くならざるを得ない。
本発明は、支点P1の左右に作用点P2と作用点P3とを振り分けたので、従来よりも距離Bを小さく設定することができる。距離Bが小さいので、上記式(2)から明らかなように、ストロークS1のときの引寄せ操作量S2は小さい。引寄せ操作量S2が小さいので、誤操作によるアクセルレバー44の引き寄せ開始から引き寄せ完了までの時間は、極めて短い。この結果、引き寄せ開始タイミングと検出タイミングとは、ほとんど同一であり、操作感覚に違和感はない。しかも、引寄せ操作量S2が小さいので、アクセルレバー44とグリップ32Rとの間の離間距離が小さくてすみ、アクセルレバー44を押し下げる通常の操作性も高まる。
【0032】
以上の説明から明らかなように、本発明は、距離Aと距離Bとをバランス良く設定することができるので、誤操作によりアクセルレバー44を引き寄せたときの操作感覚を高めることができるとともに、アクセルレバー44を押し下げる通常の操作性も高めることができ、しかも、最適なばね定数の押出しスプリング62を使用することができる。
さらに、押出しスプリング62の取付け位置を、支持板41の幅方向に適宜設定することにより、支点P1から押出しスプリング62の中心までの距離と、距離Bとの比率を設定すれば、押出しスプリング62のばね定数を一層最適な値に設定することができる。
【0033】
ところで、本発明は、ロッド43の右端又は左端にアクセルレバー44を自由に取付けることができる。アクセルレバー44をロッド43の左端に取付けた場合には、回転支点となる左のピン51Lの左にアクセルレバー44があり、支点の右に押出しスプリング62並びにスイッチ手段71がある。この場合には、左のピン51Lを支点にしてスライドベース42が左回転する。
押出しスプリング62とスイッチ手段71の両部材を、支持板41の中央に取付けた場合には、アクセルレバー44が左右どちらにあっても、距離Aと距離Bの関係は常に一定である。従って、アクセルレバー44を左に取付けたときと右に取付けたときの、どちらにおいても、アクセルレバー44を引き寄せたときの操作感覚を高め、アクセルレバー44を押し下げる通常の操作性を高め、最適なばね定数の押出しスプリング62を使用できる。
【0034】
なお、上記本発明の実施の形態において、(1)支持板41に左・右の長孔52L,52Rを設け、スライドベース42に左・右のピン51L,51Rを設けてもよい。
(2)アクセルレバー44はロッド43の右端又は左端に取付けたものであればよく、上記図3に示す着脱可能な構造の他に、一体構造であってもよい。一体構造とした場合には、ロッド43を左右反転してスライドベース42に取付ければ、アクセルレバー44も左右反転する。
(3)押出しスプリング62は、支持板41の中央CLに取付けた構成に限定されるものではなく、最適なばね定数にするために、取付け位置を適宜設定すればよい。また、押出しスプリング62は、1個に限定されるものでもない。例えば、支持板41の中央CLから左右対称に取付けた2個の押出しスプリング62で、スライドベース42を後方へ押出すようにしてもよい。さらに、押出しスプリング62は、スライドベース42を後方へ押出すものであればよい。従って、押出しスプリング62の取付け構造としては、上記図3及び図4に示すように支持板41の後部に取付ける他に、支持板41の前部に取付けてもよい。
(4)スイッチ手段71も、上記図3及び図4に示すように支持板41の後部に取付ける他に、支持板41の前部に取付けて、スライドベース42のスライドを検出するようにしてもよい。
(5)緊急停止機構80によって電動乗用車1を緊急停止させる方式としては、モータ8を停止させる他に、図示せぬブレーキ(電磁ブレーキ等)を作動させる方式であってもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1は、スライドベースの中央から左右対称に左・右の長孔又は左・右のピンを設け、これら長孔又はピンに対するピン又は長孔を支持板に設け、スライドベースを後方へ押出すスプリングを支持板に取付け、スイッチ手段を支持板の中央に取付け、アクセルレバーを右に取付けた場合には、右のピンを支点にしてスライドベースが右回転し、アクセルレバーを左に取付けた場合には、左のピンを支点にしてスライドベースが左回転するように構成したので、支点からアクセルレバーの作用点までの距離と、支点からスプリング並びにスイッチ手段までの距離とを、バランス良く設定することができる。
すなわち、支点からスイッチ手段までの距離に対して、支点からアクセルレバーの作用点までの距離を比較的小さくすることができる。この結果、アクセルレバーの引き寄せ操作量を小さくできるので、誤操作によるアクセルレバーの引き寄せ開始タイミングと、スイッチ手段の検出タイミングとが、ほとんど同一になり、操作感覚を高めることができる。しかも、引き寄せ操作量が小さい分、アクセルレバーと操作ハンドルとの間を狭めることができ、この結果、アクセルレバーの押し下げ操作性を高めることができる。
さらに、支点からアクセルレバーの作用点までの距離と、支点からスプリングまでの距離とを、バランス良く設定することによって、最適なばね定数のスプリングを使用することができる。
【0036】
また、スプリングとスイッチ手段の両部材を支持板の中央に取付けた場合には、アクセルレバーが左右どちらにあっても、支点からアクセルレバーの作用点までの距離と、支点からスプリング並びにスイッチ手段までの距離の関係が、常に一定である。従って、アクセルレバーを左に取付けたときと右に取付けたときの、どちらにおいても、アクセルレバーを引き寄せたときの操作感覚を高めることができるとともに、アクセルレバーを押し下げる通常の操作性も高めることができ、しかも、最適なばね定数のスプリングを使用できる。
さらにまた、スライドベースを後方へ押出すスプリングを支持板の中央に取付けた場合には、スプリングが1個だけですみ、部品数を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電動乗用車の側面図
【図2】本発明に係る操作ハンドル周りの平面図
【図3】本発明に係る操作機構の平面図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】本発明に係る操作機構の作用説明図(その1)
【図7】本発明に係る操作機構の作用説明図(その2)
【図8】本発明に係る緊急停止機構の作用説明図
【図9】従来の操縦ハンドルの説明図
【符号の説明】
1…電動乗用車、5…操作ハンドル、8…後輪駆動用モータ、15…コントローラ、32L,32R…グリップ、41…支持板、41b…ばね受用起立片部、41c…上部水平片部、42…スライドベース、42c…検出用起立片部、43…ロッド、44…アクセルレバー、49…ポテンショメータ、51L,51R…左・右のピン、52L,52R…左・右の長孔、57…カラー、62…スプリング(押出しスプリング)、64…調整ボルト、71…スイッチ手段、71a…検出ロッド、80…緊急停止機構、F…押出しスプリングを圧縮する力、S1…スイッチ手段の検出ロッドのストローク、S2…アクセルレバーの引寄せ量、W…アクセルレバーを引き寄せる力。
Claims (1)
- 操作ハンドルの中央に支持板を取付け、この支持板にほぼ車体前後方向にスライド可能にスライドベースを取付け、このスライドベースに車幅方向に延びるロッドを取付け、このロッドの右端又は左端にアクセルレバーを取付け、このアクセルレバーを押し下げることで、車速を増加させることができるとともに、誤操作によりアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたときにのみスライドベースがスライドし、このスライドをスイッチ手段で検出し、この検出信号に基づいて車両を緊急停止させることのできる緊急停止機構を備えた電動乗用車であって、
前記スライドベースの中央から左右対称に左・右の長孔又は左・右のピンを設け、これら長孔又はピンに対するピン又は長孔を前記支持板に設け、
スライドベースを、アクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せる方向と同じ後方へ押出すスプリングを支持板に取付け、前記スイッチ手段を支持板の中央に取付け、
前記スプリングのばね力でスライドベースを後方へ押し付けることで、該スライドベースを車体後方へスライドしない状態とし、
前記アクセルレバーを右に取付けた場合には、該右のアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたとき右のピンを支点にしてスライドベースが右回転し、
前記アクセルレバーを左に取付けた場合には、該左のアクセルレバーを操作ハンドルへ引き寄せたとき左のピンを支点にしてスライドベースが左回転するように構成したことを特徴とする電動乗用車の緊急停止機構。
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| JP21947398A JP3964545B2 (ja) | 1998-08-03 | 1998-08-03 | 電動乗用車の緊急停止機構 |
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Family Applications (1)
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-
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