JP3960526B2 - Icカード用多層シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICカードに使用される各種モジュールのボンディング用の基材及び、この基材を用いたICカード用多層シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
クレジットカード、キャッシュカード、プリペイドカード等において、従来の磁気カードに代わるものとして、記録容量が大きくセキュリティにも優れたICモジュールを搭載したICカードが開発されてきている。
【0003】
ICカードには、記録媒体の読みとり方法により接触型のものと非接触型の2種類に分けられるが、接触型方式では端末と通信する際にカードとリーダーとが接触するために、その接点が汚れたり壊されやすいという欠点がある。また、リーダーの保守にも工数を要する。一方で、非接触型方式では記録媒体とリーダーが接点を持たないため、リーダーの保守作業を含めたこれらの欠点は改善されているが、セキュリティのシステム化が万全でなく、未だに広く展開されるには至っていなかったが、一部に非接触式のICカードにおいて、定期券として実用化の動きが出始めた。
【0004】
この種のICカードを製造する方法としては、従来、ICモジュールの埋設穴をザグリ加工したり、スペーサーを挟むことで埋設スペースを確保し、この上にオーバーシートを積層/熱プレスして埋設する方法が取られてきた。しかしながら、基材シートへのザグリ加工は製造工数及び、コスト高になるという問題があった。スペーサーにより埋設スペースを設ける方法でも、スペーサーの位置合わせやその形状加工が必要であるため、工程が煩雑となっている。
【0005】
特開平3−24000号公報には、射出成形機によりカード化する提案がなされているが、これはICモジュールを固定する土台を射出成形法により成形し、ICモジュールを土台に設置固定した後に再び射出成形しカード化する方法であるが、カード化するのに2回の射出成形工程を必要とするため生産効率上好ましいとは言えない。また、射出成形時の熱や圧力によりモジュールが壊れてたり、出来上がったカードが反ったりすることがあるので、ICカードの製造において適切な方法とは言えない。
【0006】
特開平10−147087号公報では、ICモジュールを実装した基材層、ホットメルト樹脂、オーバーシートを順次積層したICカードの開示がある。ホットメルト樹脂の粘度を規定して塗布加工し、オーバーシートをラミネートし熱プレスすることでICモジュールを埋設する方法であるが、通常、ICモジュールを埋設するためにはICチップの厚みよりも厚く形成しなければカード表面は平坦とはならない。一般的にその厚みは数十〜数百ミクロン必要であるため、塗布方式では繰り返しの加工が必要となり、該明細書中に記載された様な簡便な方法とは言い難い。
【0007】
特開平11−338990号公報には、2枚のプラスチックシートの間にこれらの軟化点より低い軟化点を有するICチップ等の流動/埋設用のポリマー層を設けてICモジュールを埋設する方法の開示があるが、基材上にボンディングされるICチップ等の各種モジュールの厚みを考慮し、少なくともICチップ等の厚さの1.1倍程度のポリマー層が必要とされるが、流動ポリマー層が厚く必要とされる為、ポリマー層の流れが大きくなって浸み出しがおきるため、生産上効率が良くないという欠点がある。
【0008】
また、流動ポリマー樹脂が、基材とオーバーシートとの接着機能も兼ねる場合が想定されるが、ポリマー樹脂とICチップ等の各種モジュールをボンディングした基材との冷却時の収縮率が異なることが多いため、カードの基材とオーバーシートの間に溶融されたポリマー樹脂でICモジュールを充填し、熱プレスより表面を平滑化されたカードが冷却されると収縮率の違いにより表面に凹凸が生じてしまう問題がある。また、接着性樹脂の厚みを厚くすることはコストアップの原因にもなる。
【0009】
また、開発が進んでいる金融系のカードの中にはセキュリティーの面からICチップを内蔵するだけでなく、従来から広く用いられている磁気ストライプも併用した接触式リーダライタにより読みとりされるタイプのものがある。さらには、感熱式のリライト記録媒体をカード表面に塗布加工することもあり、ICカードの表面平滑性に対する要求は高まっている。
【0010】
これらの課題を解決するために、例えば、プラスチックシートの一方の面に接着性樹脂をコーティングや重ね合わせて熱プレスすることで積層シートを得、各種ICモジュールを配置した基材を挟み込んで加熱、加圧することで貼り合わせする方法が知られているが、この方法では、プラスチックシートや接着性樹脂がその融点やガラス転移温度等の熱的特性から常温においても粘着性の高い材料であれば、得られた積層シートをロール巻きとしたり、一定寸法にカット版として重ねた場合にはブロッキングや滑りの悪さから作業効率を損なうという問題があった。
【0011】
また、これを解決する方法として特開平11−328340号公報には、プラスチックフィルム/接着層で構成される積層シートの少なくともどちらか一方の面に離型フィルムを設けることを特徴とした発明の開示がある。該発明では積層シートは既に製膜を終えたプラスチックフィルムに接着層を既に公知の塗布加工や押し出しコーティングにより形成され、さらには、これも既に製膜されたポリエステルフィルムや離型材を塗布加工された紙を離型フィルムとして付与するものであるが、積層シートを得るために何度となく押し出し工程を繰り返すことが必要であり、工程が煩雑となるという問題がある。
【0012】
これらの状況から、ICカード用に好適に使用される積層体の内、プラスチック層、接着性樹脂層及び、離型層が一つの工程内で製造された多層シートの発明は未だになされていない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の問題点を解決するためのものである。即ち、本発明の目的は、出来上がったICカードの反りやヒケの発生を防ぎ、ブロッキングを起こさずに製造時の取り扱い性に優れ、また、接触式、非接触式を問わずにICカードに好適に使用できる表面平滑性を発現しうる多層シートを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、
(1) プラスチック層、接着性樹脂層、離型層の順に共押出法により積層されたことを特徴とするICカード用多層シート、
(2) 接着性樹脂層が、ポリオレフィン若しくは、ポリエステル系ホットメルト接着剤より成る(1)項記載のICカード用多層シート、
(3) 接着性樹脂層が多孔質である(1)または(2)項記載のICカード用多層シート、
(4) 離型層が、ポリオレフィン系樹脂よりなる(1)(2)または(3)項に記載のICカード用多層シート
である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、プラスチック層は接着性樹脂層と十分な接着強度が得られるもののうち、ICカードを構成する上でその性能を満足するもので、共押出が可能なものであれば特に限定するものではないが、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PBT(ポリエチレンナフタレート)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ(3ヒドロキシプチレート−3ヒドロキシバリレート)、ポリビニルアルコール、4−メチルペンテン1樹脂、環状ポリオレフィン等やこれらの共重合樹脂を用いることができる。
【0016】
本発明において使用されるプラスチック層には、接着性樹脂層と離型層とを共押出法により多層シートとした後に、後工程の加工性を向上させる目的等で、その表面に離型性を改善するためのコーティングや意匠性を施す為に印刷を行っても構わない。また、基材上に配置された各種のICモジュールを隠蔽する目的から、プラスチック層には顔料を処方したり染色を施しても差し支えない。
【0017】
プラスチック層の厚みは、特に限定するものではないが、落下時の耐衝撃性やカードへの打刻加工を考慮すると50〜500μm程度であることが好ましい。50μmよりも薄いと落下時の割れが懸念される。また、500μmより厚いと打刻加工に支障を来たす恐れがある。
【0018】
本発明において使用される接着性樹脂層には、ポリオレフィン系、若しくは、ポリエステル系ホットメルト接着剤が使用される。例えば、ポリオレフィン系ホットメルト接着剤としては、ポリエチレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体があげられる。ポリエステル系ホットメルト樹脂としては、特に限定するものではないが、飽和共重合ポリエステル系のものが好適に使用できる。また、いずれも結晶性のものが好ましい。
【0019】
接着性樹脂層の厚みは、基材との接着性及び、基材上に配置された各種のICモジュールの埋設に支障がなければ特に限定するものではないが、薄すぎた場合には、基材との接着性に支障が出るし、逆に厚くしすぎるとICカード製造の際の加熱、加圧の工程で接着剤の浸出が起き、熱盤への付着が起こる等、生産効率を低下させる原因となり好ましくないため10〜300μmに設定することがより好ましい。
【0020】
本発明の接着性樹脂層は多孔質であることがより好ましい。多孔質とする為の手法は特に限定するものではなく公知の技術を用いることができる。例えば、化学系発泡剤の添加により所望の発泡倍率としても良いし、押出時に押出機内に不活性ガスを注入することでも多孔質とできる。必要があれば、高温高圧力容器により養生処理しても差し支えない。これらの発泡剤の添加量や不活性ガスの注入量は、所望の気泡数に合わせて任意に調整ができる。吸湿性の材料を使用する場合には、乾燥状態を調節することでも気泡形成を調整でき、所望の多孔質形状を形成させることが可能である。また、接着性樹脂中に含まれる発泡性成分を押出加工条件の調整により利用することもできる。
【0021】
形成される気泡のサイズは特に限定するものではないが、その径が20μm以下であることが望ましい。これ以上に大きいと接着剤の表面に気泡が出て凹凸が生じ、接着性を損なう可能性がある。
【0022】
本発明において使用される離型層には、ポリオレフィン系若しくは、ポリエステル系樹脂が使用できる。接着性樹脂層から剥離に支障がなければ細かな限定を行うものではないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート及び、これらの共重合体が好適に使用できる。
【0023】
本発明において、基板となるプラスチックフィルムはICカードとして実際に使用される際に十分な機械的性質、加工性等を有するものであれば、特に限定されるものではない。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等から製造されるフィルムが挙げられるが、延伸し、配向固定されたポリエチレンテレフタレート(PET)またはポリエチレンナフタレート(PEN)であることが好ましく、特に2軸延伸されたPETまたはPENフィルムであることが好ましい。
【0024】
ICカード製造においては、例えばカット版で供給ロール状に巻いた多層シートを繰り出しながら連続的に製造する方法が用いられる場合がある。かかる方法によれば大量生産できるので生産性がよく、この方法によるICカードの製造が増えている。しかしながら、ICカード用多層シートをロール状に巻く際、離型層が設けられてない多層シートでは積層シート同士がブロッキングを起こし、取り扱いが困難になる。ところが本発明のように、接着層上に離型機能を有する離型フィルムが設けられていれば、積層シートをロール状に巻いても、または積層シートのシート状のものを何枚か重ねても、接着層の貼り合わせ面が基板と直接接することはないのでブロッキングが起こらない。
【0025】
本発明において、離型層の厚さについては特に制限はなく、保存方法等により適宜決定される。例えばロール状に巻いて保存する場合には、薄い方が好ましく、積み重ねて保存する場合にはある程度の厚さがあった方が好ましいと考えられる。
【0026】
本発明の接着層上に離型層を共押出したICカード用多層シートを用いてICカードを作製する場合、例えば、一定寸法で枚葉に多層シートを供給する場合には、予め離型層を剥がしておいても構わない。また、ICモジュールをボンディングした基材層に本発明の2枚の多層シートを貼り合わせる場合には、張り合わせの直前に離型層を除去してから2枚の接着層面でICチップ等を挟んで外側のプラスチックフィルム側から加熱することにより、接着層の樹脂を流動化させてICチップ等を埋め込み熱融着を行うとよい。多層シートがロール状に巻かれて保存され、貼り合わせのため巻き出される場合でも、貼り合わせ直前に多層シートから離型層が連続して剥ぎ取ることができる。
【0027】
ICチップ等は、本発明のICカード用多層シートの接着層面に直接配置されてもよいが、あらかじめプラスチックシートに配線しておいて、これを本発明のICカード用多層シート2枚の接着層面で挟んでもよい。このプラスチックシートの材料としては、上述のプラスチックフィルムの材料と同様のものを挙げることができる。
【0028】
本発明の多層シートを用いて製造される各種態様のICカードは、加熱および加圧操作が熱プレスのようなバッチ式の加圧方法でも、2本の対向する加熱された圧着ロールの間を通過させて連続的に加熱、加圧を行う方法でも製造することができるが、量産性、製造コストの点から2本の圧着ロールの間を通過させる方法で製造することが好ましい。この圧着ロールは、貼り合わせ後のICカード表面平滑性の点から硬度の高い材料から作られたものであることが好ましく、例えば、金属ロール、またはショアーD60以上の硬度高度を持つゴムロール等が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下に本発明の内容を具体的に示す為に、実施例及び、比較例を示す。
(実施例1)PETG層1(250μm)、ポリエステル系ホットメルト接着剤層2(50μm)、ポリエチレン樹脂からなる離型層3(100μm)を共押出法により積層してICカード用多層シートを作製した。尚、接着剤層にはガス発泡剤を添加し、接着剤層を多孔質とした。
【0030】
得られたシート状のICカード用多層シートを2枚一組で貼り合わせて非接触式ICカードを作製するが、貼り合わせ直前にそれぞれの多層シートから離型層を剥離し、接着層を対向させて貼り合わせた。但し、その接着層の間に線径0.10mmの銅線を5周回した、5回巻きアンテナ用ループコイルや、3mm×3mmの大きさで0.25mmの厚さのICチップ等を配置したプラスチックシートを挟み、貼り合わせ温度が120℃、貼り合わせ圧力が10kgf/cm2 、貼り合わせ速度が0.3m/分で2枚の多層シートをラミネーターで連続的に貼り合わせた。次に、この貼り合わせたシートを裁断、打ち抜きして、アンテナ用ループコイルおよびICチップが包埋されたICカードを得ることができた。
【0031】
得られたICカードについて、ICチップの埋め込み部分表面平滑性の目視判定を行った。その結果、得られたICカードにはカール、反りは認められず、良好な表面平滑性を有していることが確認できた。
【0032】
なお、アンテナ用ループコイル、ICチップ等をプラスチックシートに配置したものを用いる代わりに、多層シートに直接、ICチップ等を配置して貼り合わせたICカードも作成したところ、同様に良好な表面平滑性を示した。
【0033】
また、得られたICカード用多層シートをロール状に巻いて保管し、このロール状の巻物2本を使用して、上記と同様に多層シートを貼り合わせた。多層シートをロール状の巻物から巻き出し、貼り合わせ直前に離型フィルムを剥がして多層シートを貼り合わせたので、多層シートの接着剤がブロッキングを起こすこともなく、多層シートの繰り出しが正常に行われ、ICカードを連続且つ、効率よく製造することができた。得られたICカードについて表面平滑性を目視判定したところ、良好な表面平滑性を示した。
【0034】
(実施例2)先の実施例1において、接着層としてポリエステル系ホットメルト接着剤層の代わりに、エチレン-酢酸ビニル共重合体系ホットメルト接着剤を用いた以外は実施例1と同様にして、共押出法により積層しICカード用多層シートを作製した。次いで得られた多層シートを2枚一組で貼り合わせて実施例1と同様にしてICカードを作製した。
【0035】
得られたICカードについて実施例1と同様に、ICチップの埋め込み部分の表面平滑性を目視にて判定を行った。その結果、得られたICカードはいずれも反りがなく、良好な表面平滑性を示していることが分かった。なお、実施例1と同様にICチップ等を直接多層シートに配置して貼り合わせたICカードも作成したところ、良好な表面平滑性を示した。
【0036】
また、実施例1と同様にロール状に巻いた多層シートの巻物2本を用いてICカードを作製したところ、実施例1と同様に接着剤によるブロッキングを起こさず、正常にシートの繰り出しが行われた。なお、得られたICカードは表面平滑性に優れていた。
【0037】
実施例1において、接着層の樹脂をポリエステル系ホットメルト接着剤層からエチレン-メタクリル酸共重合体系ホットメルト接着剤に変更した以外は実施例1と同じICカード用多層シートを作製した。得られた多層シートを2枚一組で貼り合わせて実施例1と同様にICカードを作製した。
【0038】
得られたICカードについて実施例1と同様に、ICチップの埋め込み部分表面平滑性の目視判定を行った。その結果、得られたICカードはいずれもカールせず、良好な表面平滑性を示していることが分かった。なお、実施例1と同様にICチップ等を直接多層シートに配置して貼り合わせたICカードも作成したところ、良好な表面平滑性を示した。
【0039】
また、実施例1と同様にロール状に巻いた多層シートの巻物2本を用いてICカードを作製したところ、実施例1と同様に接着層がブロッキングを起こさず、正常なシートの繰り出しが行われた。なお、得られたICカードは表面平滑性に優れていた。
【0040】
(比較例1)実施例1において、ポリエチレン樹脂からなる離型層を積層しなかった以外は実施例1と同様にしてICカード用多層シートを共押出法により作製した。得られたシート状の多層シート2枚を、接着層同士を向かい合わせにして実施例1と同様にICチップ等を埋め込みICカードをラミネーターで連続的に貼り合わせようと試みた。しかし、得られた多層シートには離型層が設けられていなかったので、多層シート同士がブロッキングを起こしフィルムの繰り出しが正常に行われず、多層シートを連続的に貼り合わせることができなかった。
【0041】
また、ここで得られた離型層が積層されてないICカード用多層シートをロール状に巻いた巻物2本を用意して、実施例1と同様に貼り合わせようと試みたが、多層シートがブロッキングを起こしフィルムの繰り出しが正常に行われず、多層シートを連続的に貼り合わせることができなかった。
【0042】
(比較例2)実施例1において、接着剤層を発泡剤等によって多孔質としなかった以外は実施例1と同様にしてICカード用多層シートを作製した。得られた多層シート2枚を接着層同士を向かい合わせにして実施例1と同様にICチップ等を埋め込み非接触式ICカードをラミネーターで連続的に貼り合わせようと試みた。しかし、得られた多層シートの接着剤層は、その中に空隙が形成されていない為に、回路材料やICチップの埋め込みの際に接着樹脂の回り込みが悪く、出来上がったICカード表面の平滑性は芳しくなかった。
【0043】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明の多層シートを使用すれば多孔質の接着層の樹脂が溶融、流動化して、より効率的にICチップ等の周囲に流れ込み凹凸を埋めるので平滑でカールのないICカードを作製することができる。また、本発明の離型層を有するICカード用多層シートを用いてICカードを作製すると、多層シート同士のブロッキングもなく連続的に多層シートを繰り出すことができる。基板上に離型層を有するICカード用多層シートを用いれば、基板から接着剤がはみ出してプレス板等を汚すこともなく、連続して貼り合わせ加工を行うことができるので、従来のカード用材料を使用した場合に比較して、生産効率よくICカードを生産することができる。

Claims (1)

  1. プラスチック層、接着性樹脂層、離型層の順に共押出法により積層され、接着性樹脂層が、ポリオレフィン若しくは、ポリエステル系ホットメルト接着剤より成る多孔質であり、形成される気泡の径が20μm以下であり、離型層がポリオレフィン系樹脂よりなることを特徴とするICカード用多層シート。
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