JP3960521B2 - 自動車用ブレーキペダル変位制御装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、自動車が前進走行中にその前方の何らかの物体に衝突(前突)して、その車体の前部が後方に向って変形したとき、この車体の前部に枢支されたブレーキペダルの回動端部側が後方に向って変位しないようにした自動車用ブレーキペダル変位制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体の前部は、従来、次のように構成されたものが多くみられる。
【0003】
即ち、車体の前部が、この車体の前部の左右各側部を構成する左右一対のフロントピラーと、車体の幅方向に延びて上記左右フロントピラーを互いに結合させるフロントカウルと、車体の幅方向、かつ、上下方向に延びてその各側縁部が上記左右各フロントピラーに結合されると共に、上縁部が上記フロントカウルに結合されるダッシュパネルと、このダッシュパネルの後方近傍の車室で、車体の幅方向に延びて上記左右フロントピラーを互いに結合させるピラーツーピラーメンバとを備えている。
【0004】
一方、自動車には、従来、特表平10−512518号公報の特に図6で示されるものがある。
【0005】
上記公報のものによれば、自動車は、車室の前端部で、上下方向に延びてその下端部が前後に回動自在となるよう上端部が車体の前部に枢支軸により枢支されるブレーキペダルと、このブレーキペダルの前方に位置して上記車体の前部に支持され上記ブレーキペダルの長手方向の中途部に連動連結されるブレーキブースターと、このブレーキブースターに油圧回路を介し連結され車輪を制動可能とするブレー本体とを備えている。
【0006】
そして、上記ブレーキペダルの後方に位置しているドライバーが、上記ブレーキ本体により車輪を制動させようとして、上記ブレーキペダルの下端部にブレーキ操作力を与えて前方回動させると、このブレーキ操作力は上記ブレーキブースターに伝達されてこのブレーキブースターで増大させられた後、上記ブレーキ本体に伝達される。すると、このブレーキ本体により上記車輪の制動が円滑になされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、ブレーキペダルよりも前側にブレーキブースターが位置しているため、上記物体への前突時には、この物体側から後方に向う衝撃力により、上記ブレーキペダルよりも先に、上記ブレーキブースターが後方に押されて後方に変位する。
【0008】
すると、上記ブレーキブースターが上記ブレーキペダルに対し相対的に接近するよう変位し、このため、上記ブレーキブースターは上記ブレーキペダルの長手方向の中途部に対し後方に向う外力を与えて、このブレーキペダルの下部側は上記枢支軸を中心として後方回動させられる。よって、このブレーキペダルの下部側が、このブレーキペダルの後方に位置するドライバーに干渉するおそれを生じる。
【0009】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、自動車の前突時に、ブレーキペダルの下部側が後方回動することを防止して、このブレーキペダルがドライバーに干渉しないようにすることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動車用ブレーキペダル変位制御装置は、次の如くである。なお、この項において各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「発明の実施の形態」の項の内容に限定解釈するものではない。
【0011】
請求項1の発明は、車体2の前部の後方近傍の車室10で、上下方向に延びてその下端部が前後に回動自在となるよう上端部が上記車体2の前部に枢支軸13により枢支されるブレーキペダル14と、上記車体2の前部に支持されて上記ブレーキペダル14の長手方向の中途部に連動連結されるブレーキブースター21とを備え、上記ブレーキペダル14の下端部に与えられるブレーキ操作力Aの大きさを上記ブレーキブースター21で増大させて出力させるようにした自動車において、
【0012】
車体2の前後方向で、上記枢支軸13を上記ブレーキブースター21よりも前側に位置させ、
【0013】
上記ブレーキペダル14に上記ブレーキブースター21を連動連結させる連動機構20を備え、この連動機構20が、上記枢支軸13よりも後側に位置して上下方向に延び、その長手方向の各端部が回動するようその長手方向の中途部が上記車体2の前部に枢支された連動バー27を備え、この連動バー27の一端部27aと上記ブレーキペダル14の長手方向の中途部とを互いに連動連結し、上記連動バー27の他端部27bと上記ブレーキブースター21とを互いに連動連結し、上記連動バー27の一端部27aよりも、上記他端部27bを前側に位置させたものである。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1の発明に加えて、上記車体2の前部が、車体2の幅方向に延びるフロントカウル4と、このフロントカウル4の下方で車体2の幅方向、かつ、上下方向に延びてその上縁部が上記フロントカウル4に固着されるダッシュパネル5とを備えた自動車において、
【0015】
上記ダッシュパネル5の上下方向の中途部に上記ブレーキペダル14の上端部を上記枢支軸13により枢支させ、上記フロントカウル4に上記ブレーキブースター21を支持させたものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記車体2の前部が、この前部の左右各側部を構成する左右一対のフロントピラー3と、車体2の幅方向、かつ、上下方向に延びて上記左右フロントピラー3に支持されるダッシュパネル5と、車体2の幅方向に延びて上記左右フロントピラー3を互いに結合させるピラーツーピラーメンバ8とを備えた自動車において、
【0017】
上記ダッシュパネル5の上下方向の中途部に上記ブレーキペダル14の上端部を上記枢支軸13により枢支させ、上記ピラーツーピラーメンバ8に上記ブレーキブースター21を支持させたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0019】
図1において、符号1はワンボックスタイプの自動車で、矢印Frはこの自動車1の前方を示している。
【0020】
上記自動車1の車体2は板金製で、この車体2の前部は、この車体2の前部の左右各側部を構成して上下方向に延びる左右一対のフロントピラー3と、これら左右フロントピラー3の間で車体2の幅方向に延びて上記左右フロントピラー3の上下方向の各中途部を互いに結合させるフロントカウル4と、車体2の幅方向、かつ、上下方向に延びてその各側縁部が上記左右各フロントピラー3に結合されると共に、上縁部が上記フロントカウル4に結合されるダッシュパネル5とを備えている。
【0021】
また、上記車体2は、上記ダッシュパネル5の下縁部から後方に向って延出するフロアパネル6と、上記フロントカウル4の上方に設置されるフロントウィンド7と、上記ダッシュパネル5の上部の後方で、車体2の幅方向に延びて上記左右フロントピラー3の上下方向の各中途部を互いに結合させる円形パイプ形状のピラーツーピラーメンバ8とを備えている。
【0022】
上記各フロントピラー3、フロントカウル4、およびピラーツーピラーメンバ8はそれぞれの長手方向の各部断面が中空の閉断面とされて、大きい強度と剛性とを有している。また、上記ダッシュパネル5は、車体2の前部の前端面を構成する前面板であり、上記フロントカウル4、ダッシュパネル5、およびフロントウィンド7の後方、かつ、上記フロアパネル6の上方における上記車体2の内部空間が車室10とされている。
【0023】
上記車体2の前部の後方近傍に位置する車室10の前端部で、上下方向に延びてその下端部が前後に回動自在となるよう上端部が車体2の前部の一部分2aに枢支軸13により枢支されるブレーキペダル14が備えられている。
【0024】
より具体的には、上記ブレーキペダル14の上端部は上記ダッシュパネル5の上下方向の中途部に結合されたブラケット15を介し上記車体2の一部分2aである上記ダッシュパネル5の中途部に枢支されている。また、上記ブレーキペダル14は、その上部側を構成し上下方向に長く延びてその上端部が上記ダッシュパネル5の中途部に枢支されるペダルアーム16と、上記ブレーキペダル14の下端部を構成して上記ペダルアーム16の下端部に取り付けられ、上記ブレーキペダル14の後方に位置するドライバーからの踏動操作により、前方に向ってのブレーキ操作力Aが与えられるペダル本体17とを備えている。
【0025】
上記車体2の他部分2bである上記フロントカウル4とピラーツーピラーメンバ8の各部分に対しそれぞれブラケット19により支持され、上記ブレーキペダル14のペダルアーム16の長手方向の中途部に連動機構20を介し連動連結される油圧式のブレーキブースター21と、このブレーキブースター21に油圧シリンダを含む油圧回路22を介し連結され自動車1の車輪を制動可能とするブレーキ本体23とが備えられている。
【0026】
上記車体2の前後方向で、上記車体2の一部分2aに上記ブレーキペダル14を枢支させている上記枢支軸13と上記車体2の連動機構20とは、上記ブレーキペダル14の自由状態で、上記車体2の他部分2bに支持されている上記ブレーキブースター21と上記車体2の他部分2bよりも前側、かつ、下側に位置させられている。
【0027】
上記連動機構20は、車体2の前後方向で上記ブレーキペダル14とブレーキブースター21との間に位置して上下方向に延びその各端部が前後に回動するようその長手方向の中途部が上記車体2の前部である上記ブラケット19に枢支軸26により枢支された連動バー27と、この連動バー27の一端部(下端部)27aと上記ブレーキペダル14のペダルアーム16の長手方向の中途部とを互いに連動連結させるリンク28とを備え、上記連動バー27の他端部(上端部)27bと上記ブレーキブースター21とが互いに連動連結されている。上記の場合、ブレーキペダル14の自由状態で、上記連動バー27の一端部27aよりも、上記他端部27bが前側に位置させられている。
【0028】
そして、上記ブレーキペダル14の後方に位置しているドライバーが、上記ブレーキ本体23により車輪を制動させようとして、上記ブレーキペダル14の下端部のペダル本体17にブレーキ操作力Aを与えて前方回動させると、このブレーキ操作力Aは上記連動機構20を介し上記ブレーキブースター21に伝達されてこのブレーキブースター21で増大させられた後、上記ブレーキ本体23に伝達される。すると、このブレーキ本体23により上記車輪の制動が円滑になされる。
【0029】
上記構成によれば、車体2の前後方向で、この車体2の一部分2aに上記ブレーキペダル14を枢支させている上記枢支軸13と上記車体2の一部分2aとは、上記車体2の他部分2bに支持されている上記ブレーキブースター21と上記車体2の他部分2bよりも前側、かつ、下側に位置させられている。
【0030】
このため、自動車1がその前方の物体に前突したときには、この物体側から後方に向う衝撃力Bにより、図1中一点鎖線で示すように、上記ブレーキブースター21と車体2の他部分2bとよりも先に、上記枢支軸13と車体2の一部分2aとが後方に向って押されることにより変形して後方に変位する。
【0031】
すると、上記ブレーキペダル14が上記ブレーキブースター21に対し相対的に接近するよう変位し、このため、上記ブレーキブースター21は上記連動機構20を介し上記ブレーキペダル14の長手方向の中途部に対し前方に向う外力Cを与えて、このブレーキペダル14の下部側は上記枢支軸13を中心として前方回動Dさせられる。
【0032】
よって、上記ブレーキペダル14の下部側が、このブレーキペダル14の後方に位置するドライバーに干渉するということが防止される。
【0033】
また、前記したように、車体2の前部が、車体2の幅方向に延びるフロントカウル4と、このフロントカウル4の下方で車体2の幅方向、かつ、上下方向に延びてその上縁部が上記フロントカウル4に固着されるダッシュパネル5とを備えた自動車において、
【0034】
上記ダッシュパネル5の上下方向の中途部に上記ブレーキペダル14の上端部を上記枢支軸13により枢支させ、上記フロントカウル4に上記ブレーキブースター21を支持させている。
【0035】
ここで、上記ダッシュパネル5は、上記フロントカウル4に比べて前突時の上記衝撃力Bに対する強度と剛性が低いものである。このため、前突時には、上記衝撃力Bにより上記ダッシュパネル5は後方に向って大きく変形することからこのダッシュパネル5は上記ブレーキペダル14を伴って後方に大きく変位する。一方、上記フロントカウル4が後方に向って変位することはその強度と剛性により抑制され、つまり、このフロントカウル4が上記ブレーキブースター21と共に後方に変位することは抑制される。
【0036】
よって、前突時には、上記ブレーキペダル14は上記ブレーキブースター21に対し相対的により大きく接近するよう変位することから、上記ブレーキペダル14の下部側は上記ブレーキブースター21からの外力Cにより上記枢支軸13を中心としてより大きく前方回動し(矢印D)、このブレーキペダル14の下部側がドライバーに干渉するということは、より確実に防止される。
【0037】
また、前記したように、車体2の前部が、この前部の左右各側部を構成する左右一対のフロントピラー3と、車体2の幅方向、かつ、上下方向に延びて上記左右フロントピラー3に支持されるダッシュパネル5と、車体2の幅方向に延びて上記左右フロントピラー3を互いに結合させるピラーツーピラーメンバ8とを備えた自動車において、
【0038】
上記ダッシュパネル5の上下方向の中途部に上記ブレーキペダル14の上端部を上記枢支軸13により枢支させ、上記ピラーツーピラーメンバ8に上記ブレーキブースター21を支持させている。
【0039】
ここで、上記ダッシュパネル5は、上記ピラーツーピラーメンバ8に比べて前突時の上記衝撃力Bに対する強度と剛性が低いものである。このため、前突時には、上記衝撃力Bにより上記ダッシュパネル5は後方に向って大きく変形することから、このダッシュパネル5は上記ブレーキペダル14を伴って後方に大きく変位する。一方、上記ピラーツーピラーメンバ8が後方に向って変位することはその強度と剛性により抑制され、つまり、このピラーツーピラーメンバ8が上記ブレーキブースター21と共に後方に変位することは抑制される。
【0040】
よって、前突時には、上記ブレーキペダル14は上記ブレーキブースター21に対し相対的により大きく接近するよう変位することから、上記ブレーキペダル14の下部側は上記ブレーキブースター21からの外力Cにより上記枢支軸13を中心としてより大きく前方回動し(矢印D)、このブレーキペダル14の下部側がドライバーに干渉するということは、より確実に防止される。
【0041】
また、前記したように、ブレーキペダル14に上記ブレーキブースター21を連動連結させる連動機構20を備え、この連動機構20が、長手方向の各端部が回動するようその長手方向の中途部が上記車体2の前部に枢支された連動バー27を備え、この連動バー27の一端部27aと上記ブレーキペダル14の長手方向の中途部とを互いに連動連結し、上記連動バー27の他端部27bと上記ブレーキブースター21とを互いに連動連結し、上記連動バー27の一端部27aよりも、上記他端部27bを前側に位置させている。
【0042】
このため、図2において、前突時には、衝撃力Bにより上記連動バー27の一端部27aよりも先に、上記他端部27bが後方に向って押されてこの他端部27bが上記枢支軸26回りで後方回動Eさせられる。すると、これに連動して、上記一端部27aが前方回動Fさせられ、この連動バー27の一端部27aに上記リンク28を介し上記ブレーキペダル14が前方に押されて、このブレーキペダル14の下部側が前方回動Dする。
【0043】
よって、上記ブレーキペダル14の下部側が、このブレーキペダル14の後方に位置するドライバーに干渉するということはより確実に防止される。
【0044】
なお、以上は図示の例によるが、上記ブレーキブースター21はフロントカウル4とピラーツーピラーメンバ8のうち、いずれか一方にのみ支持させてもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0046】
請求項1の発明は、車体の前部の後方近傍の車室で、上下方向に延びてその下端部が前後に回動自在となるよう上端部が上記車体の前部に枢支軸により枢支されるブレーキペダルと、上記車体の前部に支持されて上記ブレーキペダルの長手方向の中途部に連動連結されるブレーキブースターとを備え、上記ブレーキペダルの下端部に与えられるブレーキ操作力の大きさを上記ブレーキブースターで増大させて出力させるようにした自動車において、
【0047】
車体の前後方向で、上記枢支軸を上記ブレーキブースターよりも前側に位置させてある。
【0048】
このため、自動車がその前方の物体に前突したときには、この物体側から後方に向う衝撃力により、上記ブレーキブースターよりも先に、上記枢支軸が後方に向って押されて後方に変位する。
【0049】
すると、上記ブレーキペダルが上記ブレーキブースターに対し相対的に接近するよう変位し、このため、上記ブレーキブースターは上記ブレーキペダルの長手方向の中途部に対し前方に向う外力を与えて、このブレーキペダルの下部側は上記枢支軸を中心として前方回動させられる。
【0050】
よって、上記ブレーキペダルの下部側が、このブレーキペダルの後方に位置するドライバーに干渉するということが防止される。
【0051】
また、上記ブレーキペダルに上記ブレーキブースターを連動連結させる連動機構を備え、この連動機構が、上記枢支軸よりも後側に位置して上下方向に延び、その長手方向の各端部が回動するようその長手方向の中途部が上記車体の前部に枢支された連動バーを備え、この連動バーの一端部と上記ブレーキペダルの長手方向の中途部とを互いに連動連結し、上記連動バーの他端部と上記ブレーキブースターとを互いに連動連結し、上記連動バーの一端部よりも、上記他端部を前側に位置させている。
【0052】
このため、前突時には、衝撃力により上記連動バーの一端部よりも先に、上記他端部が後方に向って押されてこの他端部が上記枢支軸回りで後方回動させらる。すると、これに 連動して、上記一端部が前方回動させられ、この連動バーの一端部に上記ブレーキペダルが前方に押されて、このブレーキペダルの下部側が前方回動する。
【0053】
よって、上記ブレーキペダルの下部側が、このブレーキペダルの後方に位置するドライバーに干渉するということはより確実に防止される。
【0054】
請求項2の発明は、上記車体の前部が、車体の幅方向に延びるフロントカウルと、このフロントカウルの下方で車体の幅方向、かつ、上下方向に延びてその上縁部が上記フロントカウルに固着されるダッシュパネルとを備えた自動車において、
【0055】
上記ダッシュパネルの上下方向の中途部に上記ブレーキペダルの上端部を上記枢支軸により枢支させ、上記フロントカウルに上記ブレーキブースターを支持させている。
【0056】
ここで、上記ダッシュパネルは、上記フロントカウルに比べて前突時の上記衝撃力に対する強度と剛性が低いものである。このため、前突時には、上記衝撃力により上記ダッシュパネルは後方に向って大きく変形することから、このダッシュパネルは上記ブレーキペダルを伴って後方に大きく変位する。一方、上記フロントカウルが後方に向って変位することはその強度と剛性により抑制され、つまり、このフロントカウルが上記ブレーキブースターと共に後方に変位することは抑制される。
【0057】
よって、前突時には、上記ブレーキペダルは上記ブレーキブースターに対し相対的により大きく接近するよう変位することから、上記ブレーキペダルの下部側は上記ブレーキブースターからの外力により上記枢支軸を中心としてより大きく前方回動し、このブレーキペダルの下部側がドライバーに干渉するということは、より確実に防止される。
【0058】
請求項3の発明は、上記車体の前部が、この前部の左右各側部を構成する左右一対のフロントピラーと、車体の幅方向、かつ、上下方向に延びて上記左右フロントピラーに支持されるダッシュパネルと、車体の幅方向に延びて上記左右フロントピラーを互いに結合させるピラーツーピラーメンバとを備えた自動車において、
【0059】
上記ダッシュパネルの上下方向の中途部に上記ブレーキペダルの上端部を上記枢支軸により枢支させ、上記ピラーツーピラーメンバに上記ブレーキブースターを支持させている。
【0060】
ここで、上記ダッシュパネルは、上記ピラーツーピラーメンバに比べて前突時の上記衝撃力に対する強度と剛性が低いものである。このため、前突時には、上記衝撃力により上記ダッシュパネルは後方に向って大きく変形することから、このダッシュパネルは上記ブレーキペダルを伴って後方に大きく変位する。一方、上記ピラーツーピラーメンバが後方に向って変位することはその強度と剛性により抑制され、つまり、このピラーツーピラーメンバが上記ブレーキブースターと共に後方に変位することは抑制される。
【0061】
よって、前突時には、上記ブレーキペダルは上記ブレーキブースターに対し相対的により大きく接近するよう変位することから、上記ブレーキペダルの下部側は上記ブレーキブースターからの外力により上記枢支軸を中心としてより大きく前方回動し、このブレーキペダルの下部側がドライバーに干渉するということは、より確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車体の前部の側面断面図である。
【図2】 作用を示す図で、図1に相当する図である。
【符号の説明】
1 自動車
2 車体
2a 一部分
2b 他部分
3 フロントピラー
4 フロントカウル
5 ダッシュパネル
8 ピラーツーピラーメンバ
10 車室
13 枢支軸
14 ブレーキペダル
19 ブラケット
20 連動機構
21 ブレーキブースター
23 ブレーキ本体
26 枢支軸
27 連動バー
27a 一端部
27b 他部分
A ブレーキ操作力
B 衝撃力
C 外力
D 前方回動
E 後方回動
F 前方回動
Claims (3)
- 車体の前部の後方近傍の車室で、上下方向に延びてその下端部が前後に回動自在となるよう上端部が上記車体の前部に枢支軸により枢支されるブレーキペダルと、上記車体の前部に支持されて上記ブレーキペダルの長手方向の中途部に連動連結されるブレーキブースターとを備え、上記ブレーキペダルの下端部に与えられるブレーキ操作力の大きさを上記ブレーキブースターで増大させて出力させるようにした自動車において、
車体の前後方向で、上記枢支軸を上記ブレーキブースターよりも前側に位置させ、
上記ブレーキペダルに上記ブレーキブースターを連動連結させる連動機構を備え、この連動機構が、上記枢支軸よりも後側に位置して上下方向に延び、その長手方向の各端部が回動するようその長手方向の中途部が上記車体の前部に枢支された連動バーを備え、この連動バーの一端部と上記ブレーキペダルの長手方向の中途部とを互いに連動連結し、上記連動バーの他端部と上記ブレーキブースターとを互いに連動連結し、上記連動バーの一端部よりも、上記他端部を前側に位置させた自動車用ブレーキペダル変位制御装置。 - 上記車体の前部が、車体の幅方向に延びるフロントカウルと、このフロントカウルの下方で車体の幅方向、かつ、上下方向に延びてその上縁部が上記フロントカウルに固着されるダッシュパネルとを備えた自動車において、
上記ダッシュパネルの上下方向の中途部に上記ブレーキペダルの上端部を上記枢支軸により枢支させ、上記フロントカウルに上記ブレーキブースターを支持させた請求項1に記載の自動車用ブレーキペダル変位制御装置。 - 上記車体の前部が、この前部の左右各側部を構成する左右一対のフロントピラーと、車体の幅方向、かつ、上下方向に延びて上記左右フロントピラーに支持されるダッシュパネルと、車体の幅方向に延びて上記左右フロントピラーを互いに結合させるピラーツーピラーメンバとを備えた自動車において、
上記ダッシュパネルの上下方向の中途部に上記ブレーキペダルの上端部を上記枢支軸により枢支させ、上記ピラーツーピラーメンバに上記ブレーキブースターを支持させた請求項1、もしくは2に記載の自動車用ブレーキペダル変位制御装置。
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