JP3960438B2

JP3960438B2 - 船外機のパネル取付構造

Info

Publication number: JP3960438B2
Application number: JP07749997A
Authority: JP
Inventors: 一比古渡邊; 吾一片山
Original assignee: ヤマハマリン株式会社
Priority date: 1997-03-28
Filing date: 1997-03-28
Publication date: 2007-08-15
Anticipated expiration: 2017-03-28
Also published as: US6017254A; JPH10273096A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船外機のパネル取付構造の技術分野に属する。
【０００２】
【従来の技術】
船外機においては、エンジンの始動方式としてマニュアル始動と電気始動があり、マニュアル始動の場合には、アッパカウリングと呼ばれるカバーの前方（船体の推進方向）上部に開口部を設け、この開口部にスタータ用の紐を保持するガイドワイヤーと呼ばれるパネル部材を装着し、このパネル部材にスタータハンドルを設けている。また、電気始動の場合には、ステアリングハンドルにスタータモータを駆動するボタンスイッチを設けている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のカバー構造において、マニュアル始動と電気始動の機種の相違に応じて、カバーに開口部があるものと無いものを用意しなければならず、コストが増大するという問題を有し、これを解決するために開口部のあるカバーを電気始動の機種にも共用することが可能になれば、コストの削減が可能になる。
【０００４】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、マニュアル始動用の開口部のあるカバーを電気始動の機種にも共用することができる船外機のパネル取付構造を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項１記載の船外機のパネル取付構造は、前面に開口部３７が形成された船外機カバー１５と、エンジン１１のフライホイールカバー３５に固定されたスタータ用パネル３６とを備え、該スタータ用パネルを前記開口部に臨ませたことを特徴とし、
また、請求項２記載の発明は、上記スタータ用パネル３６及びフライホイールカバー３５に形成されたブラケット３６ａ、３５ａと、一端に嵌合部３９ａが形成され他端に係止部３９ｂが形成された固定部材３９とを備え、前記両ブラケットを前記固定部材により着脱自在に固定したことを特徴とする。なお、上記構成に付加した番号は、本発明の理解を容易にするために図面と対比させるもので、これにより本発明が何ら限定されるものではない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項１記載の船外機のパネル取付構造は、前面に開口部３８が形成された船外機カバー１５と、エンジン１１のフライホイールカバー３５に固定されたスタータスイッチを有するスタータ用パネル３６と、該スタータ用パネル３６及びフライホイールカバー３５に形成されたブラケット３６ａ、３５ａと、一端に嵌合部３９ａが形成され、該嵌合部３９ａから曲折された他端に係止部３９ｂが形成された固定部材３９とを備え、該スタータ用パネル３６を前記開口部３８に臨ませ、該固定部材３９の嵌合部３９ａをスタータ用パネル３６のブラケット３６ａの嵌合孔に嵌合し、該係止部３９ｂをボルトによりフライホイールカバー３５のブラケット３５ａおよびエンジン１１に固定し、該スタータ用パネル３６を複数の箇所でボルトによりフライホイールカバー３５に固定することを特徴とする。
以上
【０００７】
前記推進ユニット９は、ステアリングブラケット７に支持されるアッパケース１０を有し、アッパケース１０の上部にガイドエキゾースト１２が固定され、このガイドエキゾースト１２の上部にエンジン１１が取り付けられている。また、エンジン１１の下部、エンジン支持体１２及びアッパケース１０の上縁部を覆うロアカウリング１３がガイドエキゾースト１２に取り付けられ、ロアカウリング１３にエンジン１１の上部を覆うアッパカウリング１５が着脱可能に取り付けられている。また、ガイドエキゾースト１２にはアッパケース１０とロアカウリング１３との合面にスムーズなラインを作り上げるエプロンカバー１６が取り付けられ、さらに、アッパケース１０の下部にはロアケース１７が取り付けられ、全体としてケーシングを構成している。なお、１９は冷却水取入口、２０はプロペラ、２１はステアリングハンドル、２２はシフトレバーである。
【０００８】
ガイドエキゾースト１２に支持されたエンジン１１は、例えば２気筒４サイクルエンジンであり、横置き状態に配設された２つの気筒と縦置き状態に配設されたクランク軸２３を備えている。アッパケース１０及びロアケース１７内にはドライブシャフト２５が縦方向に配設され、その上端はクランク軸２３に連結され、その下端は傘歯車２６を介してプロペラシャフト２７に連結されている。ガイドエキゾースト１２にはオイルポンプ２８が配設され、またガイドエキゾースト１２の下部にはオイルパン２９が取り付けられ、このオイルパン２９を貫通するようにエンジン１１から延びる排気管３０が取り付けられている。
【０００９】
アッパケース１０及びロアケース１７内には冷却水供給管３１がドライブシャフト２５と略平行に縦方向に配設され、ドライブシャフト２５の中間部には冷却水ポンプ３２が設けられている。冷却水ポンプ３２は、冷却水取入口１９から吸入した水を冷却水供給管３１を経てエンジン１１のウオータージャケットに供給し、エンジン１１を冷却した水は、エンジン下方に落下してオイルパン２９及び排気管３０を冷却する構成になっている。
【００１０】
クランク軸２３の上部にはフライホイール３３が連結され、フライホイール３３を含むエンジン１１の上部を覆うフライホイールカバー３５がエンジン１１に固定されている。また、エンジン１１の前方（船体の推進方向）にはスタータスイッチを有するスタータ用パネル３６が取り付けられている。このスタータ用パネル３６は、アッパカウリング１５の前方（船体の推進方向）上部形成された開口部３７に臨むように配設されている。
【００１１】
図２〜図４は、本発明における船外機のパネル取付構造の１実施形態を示し、図２は図１のエンジン上部の一部断面を示す側面図、図３は図２の一部断面を示す平面図、図４は図２の正面図、図５は、図３のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。
【００１２】
図２及び図３において、スタータ用パネル３６の裏面には嵌合孔を有するブラケット３６ａが一体に形成され、フライホイールカバー３５にもブラケット３５ａが一体に形成されている。スタータ用パネル３６と開口部３７周囲との間にはシール部材３８が介設され、水入りを防止するようにしている。スタータ用パネル３６をフライホイールカバー３５に固定するための固定部材３９が用意されている。この固定部材３９は一端に嵌合部３９ａが形成され、この嵌合部３９ａから直角に曲折された他端に二股状の係止部３９ｂが形成されている。そして、固定部材３９の嵌合部３９ａをスタータ用パネル３６のブラケット３６ａの嵌合孔に嵌合し、係止部３９ｂをボルト４０によりフライホイールカバー３５のブラケット３５ａ及びエンジン１１に固定するようにしている。また、スタータ用パネル３６を複数の箇所でボルト４１によりフライホイールカバー３５に固定している。
【００１３】
フライホイールカバー３５には、フライホイール３３に噛合するスタータモータ（図示せず）を覆うカバー３５ｂが一体に形成され、また、フライホイールカバー３５の上面には点火タイミングを計測するための計測窓３５ｃ（図３）が開口され、計測窓３５ｃにインジケータ（針部）３５ｄが形成され、フライホイール３３の上面に形成されたタイミングマーク（図示せず）を容易に読み取りできるようにしている。また、エンジン１１の上部にはエンジンを吊り上げるためのＵ字形状のステー４２が固定されており、この状態でフライホイールカバー３５の貫通穴３５ｅ（図５）を貫通して固定されている。そして、この貫通部３５ｅからの水入りを防止するためにゴム製のシール部材４３がステー４２装着されている。このシール部材４３には中央部に切り込み４３ａ（図３）が形成されており、ステー４２の上方から挿入できるようにしている。
【００１４】
図４に示すように、スタータ用パネル３６の前面には、スタータスイッチ４５と表示ランプ４６が設けられている。従来、船外機が例えばヨット補機用として使われる場合、船外機が船体の後端から少し離れた位置に取り付けられるため、船上からスタータスイッチ４５に手が届きにくく操作性が悪く、また、表示ランプ４６の視認性も悪いという問題を有しているが、本発明によれば、アッパカウリング１５の前面上部にスタータスイッチ４５と表示ランプ４６を設けたので、操作性及び視認性に優れた船外機を提供することができる。
【００１５】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項１記載の発明によれば、マニュアル始動用の開口部のあるカバーを電気始動の機種にも共用することができる。また、マニュアル始動用のカバーは、リコイルスタータを収納するために、エンジン上方空間が広く形成されているため、この上方空間を利用して冷却用空気を効果的にエンジンに供給することができ、また、操作性及び視認性に優れ、
また、請求項２記載の発明によれば、嵌合式の固定部材によりスタータ用パネルを着脱容易にフライホイールカバーに取り付けることができ、また、スタータ用パネルを強固に保持することができるとともにスタータ用パネルとカバーとのシール性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わる船外機の１実施形態を示す側面図である。
【図２】本発明の船外機のパネル取付構造の１実施形態を示し、図１のエンジン上部の一部断面を示す側面図である。
【図３】図２の平面図である。
【図４】図２の正面図である。
【図５】図３のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。
【符号の説明】
１１…エンジン、１５…アッパカウリング（船外機カバー）
３５…フライホイールカバー、３５ａ…ブラケット
３６…スタータ用パネル、３６ａ…ブラケット、３７…開口部
３９…固定部材、３９ａ…嵌合部、３９ｂ…係止部

Claims

前面に開口部（３８）が形成された船外機カバー（１５）と、エンジン（１１）のフライホイールカバー（３５）に固定されたスタータスイッチを有するスタータ用パネル（３６）と、該スタータ用パネル（３６）及びフライホイールカバー（３５）に形成されたブラケット（３６ａ、３５ａ）と、一端に嵌合部（３９ａ）が形成され、該嵌合部（３９ａ）から曲折された他端に係止部（３９ｂ）が形成された固定部材（３９）とを備え、該スタータ用パネル（３６）を前記開口部（３８）に臨ませ、該固定部材（３９）の嵌合部（３９ａ）をスタータ用パネル（３６）のブラケット（３６ａ）の嵌合孔に嵌合し、該係止部（３９ｂ）をボルトによりフライホイールカバー（３５）のブラケット（３５ａ）およびエンジン（１１）に固定し、該スタータ用パネル（３６）を複数の箇所でボルト（４１）によりフライホイールカバー（３５）に固定することを特徴とする船外機のパネル取付構造。