JP3960420B2 - エンジン試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンが連結されるダイナモを備え、そのダイナモに連結されてたエンジンのスロットル開度とダイナモのトルクあるいは回転速度とを制御しながらエンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、エンジンの様々な特性試験、例えば近年の関心事項としては、回転速度とトルクが時々刻々と変化するトランジェントモードにおける排気ガスの出かた等の試験を行なうため、特性試験を行なおうとするエンジンを実験室等に持ち込んでベンチレーション上に据え付け、そのエンジンをダイナモに連結し、そのエンジンのスロットル開度やダイナモのトルクあるいは回転速度を、たとえば上記のトランジェントモードに適合するように変化させながら、そのエンジンの様々な特性を計測することが行なわれている。
【0003】
図5は、従来のエンジン試験装置のブロック図である。
【0004】
このエンジン試験装置1A_1にはダイナモ30が備えられており、そのダイナモ30には、測定対象のエンジン10が出力軸20を介して連結されている。またダイナモ30には、そのダイナモの動力を測定する動力計31やダイナモトルクを測定するDYトルク計32が備えられている。また、出力軸20には、軸トルクを測定する軸トルク計40が備えられている。
【0005】
ここでは、このエンジン10の慣性量をIegで表わし、ダイナモ30の慣性量をIdyで表わす。
【0006】
この図5に模式的に示すように、エンジンの回転速度上昇時および下降時は、軸トルクが、エンジンおよびダイナモが慣性量Ieg,Idyを有することと加速(減速を含む)により生じる加速度(角加速度Δω)とに起因するエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δω分およびダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δω分だけ補正される。
【0007】
また、このエンジン試験装置1A_1には、エンジン制御用のエンジン制御部100A_1とダイナモ制御用のダイナモ制御部200A_1が備えられている。これらエンジン制御部100A_1とダイナモ制御用のダイナモ制御部200A_1には、それらのいずれにも、あらかじめ定められたパターンで時間的に変化する回転速度指令値Neと軸トルク指令値Trqが入力される。
【0008】
エンジン制御部100A_1では、入力された回転速度指令値Neは、エンジンマップ記憶部101、回転速度PID制御部102、およびエンジン慣性加速度分トルク演算部103に入力される。
【0009】
エンジン慣性加速度分トルク演算部103には、エンジン10の慣性量Iegがあらかじめインプットされており、このエンジン慣性加速度分トルク演算部103では、回転速度指令値Neから角加速度Δωが求められ、その角加速度Δωにエンジン慣性量をIegが乗算されて、エンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωが求められる。
【0010】
このエンジン慣性加速度分トルク演算部103で求められたエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωは、加算器104により、エンジン制御部100A_1に入力されてきた軸トルク指令値Trqに加算されることにより軸トルク指令値が補正されて、その補正された軸トルク指令値がエンジンマップ記憶部101に入力される。
【0011】
このエンジンマップ記憶部101には、回転速度Neと軸トルクTrqとの双方とスロットル開度θとの関係を表わすエンジンマップがあらかじめ記憶されており、このエンジンマップ記憶部101に、回転速度指令値Neと、加算器104により補正された後の軸トルク指令値Trqが入力されると、エンジンマップ記憶部101からは、それら双方の入力に対応するスロットル開度制御値θ1が読み出される。
【0012】
また、回転速度PID制御部102には回転速度指令値Neのほか、計測された回転速度がフィードバック値として入力され、この回転速度PID制御部102から、回転速度フィードバック値と回転速度指令値Neとの偏差に応じたスロットル開度補正値θ2が出力される。加算器105ではエンジンマップ記憶部101から読み出されたスロットル開度制御値θ1に回転速度PID制御部102から出力されたスロットル開度補正値θ2が加算されることによりスロットル開度制御値θ1が補正され、この補正後のスロットル開度補正値によりスロットル操作機106が制御され、これによりエンジン10のスロットル開度が制御される。
【0013】
一方、ダイナモ制御部200A_1では、回転速度指令値Neは、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201に入力される。ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201にはダイナモ30の慣性量Idyがあらかじめインプットされており、このダイナモ慣性加速度分トルク演算部201では、回転速度指令値Neから角加速度Δωが求められ、その角加速度Δωにダイナモ慣性量Idyが乗算されてダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωが求められる。
【0014】
このダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ加速度分トルクIdy・Δωは、減算器202においてダイナモ制御部200A_1に入力されてきた軸トルク指令値Trqから減算されることによりその軸トルク指令値が補正されて、DYトルクPID制御部203に入力される。
【0015】
このDYトルクPID制御部203には、減算器202で補正された後の軸トルク指令値のほかに、DYトルク計32で計測されたダイナモ30のトルクを表わすトルクフィードバック値も入力され、DYトルクPID制御部203からは、ダイナモ30のトルク計測値を減算器202で補正された後の軸トルク指令値に一致させるためのトルク制御電流値Cが出力される。このトルク制御電流値Cはダイナモ電流アンプ204を経由してダイナモ30に入力され、ダイナモ30は、ダイナモ電流アンプを経由したトルク制御電流値によりそのトルクが制御される。
【0016】
ここで、エンジン10は、ダイナモ30と比べはるかに大きな無駄時間および一次遅れを有し、その点で、この図5の制御系は、その制御特性に限界を有する。
【0017】
図6は、従来のもう1つのエンジン試験装置のブロック図である。
【0018】
図5に示す制御系の場合、エンジンのスロットル開度を制御することにより回転速度が制御され、ダイナモによりトルクが制御されたが、この図6に示す制御系の場合、ダイナモで回転速度が制御され、エンジンのスロットル開度の制御によりトルクが制御される。
【0019】
この図6において、図5に示すエンジン試験装置1A_1の構成要素と同一の構成要素には図5において付した符号と同一の符号を付して示し、図5との相違点について説明する。
【0020】
この図6のエンジン試験装置1B_1のエンジン制御部100B_1には、エンジン制御部100A_1における回転速度PID制御部102に代わり、DYトルクPID制御部112と、減算器111が備えられている。
【0021】
減算器111では、入力された軸トルク指令値Trqから、ダイナモ制御部200B_1側のダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωが減算されることにより、補正された軸トルク指令値であるDYトルク指令値が求められ、このDYトルク指令値が、DYトルクPID制御部112に入力される。また、このDYトルクPID制御部112にはDYトルク計32で計測されたダイナモ30のトルクを表わすフィードバック値も入力され、DYトルクPID制御部112からは、それらの2つの入力の偏差に相当するスロットル開度補正値θ2が出力される。図5を参照して説明したように、エンジンマップ記憶部101からはスロットル開度制御値θ1が読み出され、加算器105では、エンジンマップ記憶部101から読み出されたスロットル開度制御値θ1にDYトルクPID制御部112から出力されたスロットル開度補正値θ2が加算されることで補正されたスロットル開度制御値が生成されて、スロットル操作機106に入力される。
【0022】
したがって、ここでは、エンジン10のスロットル開度が軸トルク指令値に応じたトルクを発生するように制御される。
【0023】
また、この図6のエンジン試験装置1B_1のダイナモ制御部200B_1には、図5のダイナモ制御部200A_1におけるDYトルクPID制御部203に代わり、回転速度PID制御部211と、トルク/電流変換器212と、電流減算器213が備えられている。
【0024】
回転速度PID制御部211には、回転速度指令値Neが入力されるとともに、回転速度の計測値が回転速度フィードバック値として入力され、回転速度PID制御部211からは、エンジンの回転速度を回転速度指令値Neに合わせるように制御する回転速度制御電流値C1が出力される。
【0025】
また、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωは、トルク/電流変換器212により、回転速度補正電流値C2に変換される。
【0026】
電流減算器213では回転速度PID制御部211から出力された回転速度制御電流値C1から、トルク/電流変換器212から出力された回転速度補正電流値C2が減算されることにより、補正された回転速度制御電流値が生成される。この補正された回転速度制御電流値はダイナモアンプ204を経由してダイナモ30に入力され、ダイナモ30は、ダイナモ電流アンプ204を経由した回転速度制御電流値により、その回転速度が制御される。
【0027】
この図6に示す制御系においても、図5の制御系の場合と同様、エンジン10の無駄時間および一次遅れが大きいことにより、制御特性の一層の高精度化が妨げられている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、従来のエンジン試験装置の場合、例えば図5を参照して説明したように、スロットル操作機でエンジンのスロットル開度を制御することによりそのエンジンの回転制御を行ないながら、ダイナモ側でトルク制御を行うなど、図5,図6のいずれの制御系の場合も両者を個別、独立に制御しており、制御系としては両者が無関係に動作している。また、一部の予測制御を用いたシステムでは、回転制御に予め学習で取得した定常的な回転速度−トルク−スロットル開度の関係から算出されるスロットル開度分によりトルク外乱に対するロバスト性を向上させているが、エンジン応答の動特性を考慮していない等の精度的な問題があった。
【0029】
そのため、例えばアイドル回転数からの発進時に、エンジン側のトルク出力に応答遅れなどがあっても、ダイナモ側はそれとは無関係に負荷をかけるため、エンジンの回転が低下してしまう。その結果、エンジン制御では余計にアクセルを開くなどして、運転の乱れを誘発し、モード追従性を悪化させる原因となっていた。
【0030】
本発明は、上記事情に鑑み、従来と比べさらに高精度な制御を行なうことによりエンジンの特性をさらに高精度に計測することのできるエンジン試験装置を提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のエンジン試験装置のうちの第1のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモのトルクとを制御しながらエンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部とを備え、
上記トルク制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、ダイナモの制御すべきトルクの基準を表わすトルク基準値を求める基準値演算部と、
基準値演算部で求められたトルク基準値とダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるようにトルク制御値を求めるフィードバック制御部と、
基準値演算部とフィードバック制御部との間に介在し、基準値演算部で求められたトルク基準値に無駄時間および遅れを与えて、無駄時間および遅れが付与されたトルク基準値をフィードバック制御部に伝える応答調整部とを備えたものであることを特徴とする。
【0032】
一般に、ダイナモトルクの出力応答の方がエンジントルクの出力応答に比べて速い(5倍から10倍)。特にディーゼルエンジンベンチではこの傾向が顕著である。そこで、上記本発明の第1のエンジン試験装置は、上記の応答調整部を備えることによりエンジン側のトルク出力と同期させるように構成し、このことにより、エンジン、ダイナモの各々の制御のタイミングのずれによるトルクの外乱を防ぐ事ができる。これにより、トルク外乱が原因のスロットルのばたつきがなくなるので、結果として回転速度制御性の向上も得られる。運転評価をそのまま実施すると補正時間分だけの低下がみこまれるが、一般的には、運転評価時に、回転速度とトルクを同期させてずらすことが許容されているので、運転評価の低下は無視できる。
【0033】
また、上記目的を達成する本発明のエンジン試験装置のうちの第2のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモのトルクとを制御しながらエンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部とを備え、
前記スロットル開度制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求める第1のフィードバック制御部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を第1のフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備え、
上記トルク制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、ダイナモの制御すべきトルクの基準を表わすトルク基準値を求める基準値演算部と、
基準値演算部で求められたトルク基準値とダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるようにトルク制御値を求める第2のフィードバック制御部とを備え、
上記スロットル開度制御値演算部が、回転速度指令値と前記エンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めてエンジン慣性加速度分トルクに所定の第1の重みを付すことにより第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を備え、そのスロットル開度制御値演算部は、回転速度指令値と、前記第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク分だけ補正されたトルク指令値とに基づいて、スロットル開度制御値を求めるものであり、
上記基準演算部が、回転速度指令値とダイナモの慣性量とに基づくダイナモ慣性加速度分トルクを求めるダイナモ慣性加速度分トルク演算部と、回転速度指令値とエンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めてエンジン慣性加速度分トルクに所定の第2の重みを付すことにより第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部とを備え、その基準値演算部は、トルク指令値と、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部で求められたダイナモ慣性加速度分トルクと、前記第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクとに基づいて、トルク基準値を求めるものであることを特徴とする。
【0034】
加減速領域では、軸トルク制御の制御性向上のためには、エンジン慣性の補正を実施する必要がある。しかしながら、従来のように、スロットル動作だけでエンジン慣性補正を実施するのでは、トルク出力が遅くなるため、加速し始めの指令によるダイナモトルク負荷が、早めにエンジンに掛かることになり、エンジンに過大な負荷を与えてしまう結果を補正することができなかった。
【0035】
上記第2のエンジン試験装置の場合、第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部と第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を設け、エンジン慣性加速度分トルクの一部を制御応答の速い負荷側のダイナモ電流(トルク制御電流値)から減算補正をする。この結果、加速し始めのトルク負荷を軽減することになり、結果として、回転速度、トルク双方の制御性が向上する。
【0036】
ここで、上記第2のエンジン試験装置において、基準値演算部と前記第2のフィードバック制御部との間に介在し、基準値演算部で求められたトルク基準値に無駄時間および遅れを与えて、無駄時間および遅れが付与された基準値を第2のフィードバック制御部に伝える応答調整部を備えたものであることが好ましい。
【0037】
この場合、第2のエンジン試験装置は、第1のエンジン試験装置の特徴も合わせ持つことになり、一層高精度な制御が可能となる。
【0038】
また、上記本発明のエンジン試験装置のうちの第3のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモのトルクとを制御しながらエンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部と、
回転速度指令値およびトルク指令値を、トルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングでスロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部とを備え、
上記スロットル開度制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部と、
遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるフィードバック制御部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値をフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備えたことを特徴とする。
【0039】
前述の第1のエンジン試験装置は、トルク制御部側に応答調整部を備えたものであるのに対し、上記第3のエンジン試験装置は、指令タイミング調整部を備えるとともにスロットル開度制御部側に遅れ補償部を備えたものであり、この場合、エンジントルクの応答がダイナモトルクの応答に同期するよう速められ、エンジン、ダイナモの制御のタイミングずれが防止される。
【0040】
ここで、前述の第2のエンジン試験装置において、さらに、回転速度指令値およびトルク指令値を、トルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングでスロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部を備え、スロットル開度制御部は、さらに、スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部を備え、
第1のフィードバック制御部は、遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するものであることが好ましい。
【0041】
この場合、前述の第2のエンジン試験装置が、上記の第3のエンジン試験装置の特徴を合わせ持つこととなり、一層高精度な制御が可能となる。
【0042】
以上の、第1〜第3のエンジン試験装置は、エンジンのスロットル開度を制御することによりエンジン側で回転速度を制御し、ダイナモ側でトルクを制御するタイプのエンジン試験装置であり、以下に説明する本発明のエンジン試験装置は、第1〜第3のエンジン試験装置とは逆に、エンジンのスロットル開度を制御することによりトルクを制御し、ダイナモ側で回転速度を制御するタイプのエンジン試験装置である。
【0043】
上記目的を達成する本発明のエンジン試験装置のうちの第4のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモの回転速度とを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値に基づいてダイナモの回転速度を制御する回転速度制御値を求める回転速度制御部とを備え、
上記回転速度制御部は、
回転速度指令値に無駄時間および遅れを与える応答調整部と、
応答調整部で求められた、無駄時間および遅れが付与された回転速度指令値とダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように回転速度制御値を求めるフィードバック制御部とを備えたものであることを特徴とする。
【0044】
本発明の第4のエンジン試験装置は、上述の第1のエンジン試験装置と同様に、応答調整部を備えたものであり、上述の第1のエンジン試験装置と同様に、エンジンのトルク出力とダイナモのトルク出力が同期し、エンジンとダイナモの制御のタイミングずれによるトルクの外乱を防ぐことができる。
【0045】
また、上記目的を達成する本発明のエンジン試験装置のうちの第5のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモの回転速度とを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値に基づいてダイナモの回転速度を制御する回転速度制御値を求める回転速度制御部とを備え、
上記スロットル開度制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、トルク指令値とダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求める第1のフィードバック制御部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を第1のフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備え、
上記スロットル開度制御値演算部が、回転速度指令値とエンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めてエンジン慣性加速度分トルクに所定の第1の重みを付すことにより第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を備え、そのスロットル開度制御値演算部は、回転速度指令値と、前記第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク分だけ補正されたトルク指令値とに基づいて前記スロットル開度制御値を求めるものであり、
上記回転速度制御部は、
回転速度指令値とダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように前記回転速度制御値を求める第2のフィードバック制御部と、回転速度指令値とダイナモの慣性量とに基づくダイナモ慣性加速度分トルクを求めるダイナモ慣性加速度分トルク演算部と、
回転速度指令値とエンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めてエンジン慣性加速度分トルクに所定の第2の重みを付すことにより第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部と、
第2のフィードバック制御部で求められた回転速度制御値を、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部で求められたダイナモ慣性加速度分トルクと、第2のエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクとに基づいて補正する回転速度制御値補正部とを備えたことを特徴とする。
【0046】
本発明の第5のエンジン試験装置は、上述した本発明の第2のエンジン試験装置と同様、第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部と第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を設け、エンジン慣性加速度分トルクの一部を制御応答の速い負荷側のダイナモ電流(回転速度制御電流値)から減算補正する。この結果、加速し始めのトルク負荷を軽減することになり、結果として、回転速度、トルク双方の制御性が向上する。
【0047】
ここで、上記第5のエンジン試験装置において、トルク指令値を、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部により求められたダイナモ慣性加速度分トルクに基づいて補正するトルク指令値補正部を備え、第1のフィードバック制御部が、スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、トルク指令値補正部で補正された後のトルク指令値とダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるものであることが好ましい。
【0048】
また、上記第5のエンジン試験装置において、上記回転速度制御部はさらに、回転速度指令値に無駄時間および遅れを与える応答調整部を備え、第2のフィードバック制御部が、応答調整部で求められた、無駄時間および遅れが付与された回転速度指令値と、ダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように、回転速度制御値を求めるものであることも好ましい形態である。
【0049】
この場合、上記第5のエンジン試験装置が上記第4のエンジン試験装置の特徴を合わせ持つことになり、一層高精度の制御が可能となる。
【0050】
さらに、上記目的を達成するための本発明のエンジン試験装置のうちの第6のエンジン試験装置は、エンジンが連結されるダイナモを備え、ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度とダイナモの回転速度とを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいてエンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
回転速度指令値に基づいてダイナモの回転速度を制御する回転速度制御値を求める回転速度制御部と、
回転速度指令値およびトルク指令値を、回転速度指令値を回転速度制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングで前記スロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部とを備え、
上記スロットル開度制御部は、
回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、スロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部と、
前記遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、トルク指令値と前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるフィードバック制御部と、
スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値をフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備えたことを特徴とする。
【0051】
本発明の第6のエンジン試験装置は、上述の、本発明の第3のエンジン試験装置と同様、指令タイミング調整部と遅れ補償部とを備えたものであり、エンジントルクの応答がダイナモトルクの応答に同期するよう速められ、エンジン、ダイナモの制御のタイミングずれが防止される。
【0052】
ここで、前述の第5のエンジン試験装置において、さらに、回転速度指令値およびトルク指令値を、回転速度指令値をトルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングでスロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部を備え、
上記スロットル開度制御部は、さらに、スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部を備え、
上記第1のフィードバック制御部は、遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、トルク指令値と、ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するものスロットル開度補正値を求めるであることが好ましい。
【0053】
この場合、前述の第5のエンジン試験装置が、上記の第6のエンジン試験装置の特徴を合わせ持つことになり、一層高精度の制御が可能となる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0055】
図1は、本発明のエンジン試験装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。この図1に示す第1実施形態の説明にあたっては、前述した従来例である図5に示す構成との相違点について説明する。
【0056】
この図1に示すエンジン試験装置1A_2には、図5に示すエンジン試験装置1A_1と比べ、エンジン制御部100A_2にトルク負担率演算部121が追加されており、ダイナモ制御部200A_2に、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223が追加されている。
【0057】
図5に示す従来例としてのエンジン試験装置1A_1に、図1に示す無駄時間、1次遅れシミュレート回路224が追加された構成が本発明の第1のエンジン試験装置の一実施形態に相当し、図5に示す従来例としてのエンジン試験装置1A_1に、図1において追加された構成のうちの無駄時間、1次遅れシミュレート回路224以外の部分、すなわち、トルク負担率演算部121、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223が追加された構成が、本発明の第2のエンジン試験装置の一実施形態に相当する。すなわち、この図1に示す第1実施形態は、本発明の第1のエンジン試験装置の特徴と第2のエンジン試験装置の特徴とを合わせ持つ実施形態である。
【0058】
エンジン制御部100A_2に追加されたトルク負担率演算部121では、エンジン慣性加速度分トルク演算部103で求められたエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωに第1の重み付け計数k1が乗算されて、第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk1・Ieg・Δωが求められる。
【0059】
加算器104は、軸トルク指令値Trqに、トルク負担率演算部121で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk1・Ieg・Δωが加算されることにより、補正された軸トルク指令値が求められる。
【0060】
また、図1に示す第1実施形態のダイナモ制御部200A_2に追加された無駄時間、1次遅れシミュレート回路224は、減算器202で求められるトルク基準値に、エンジンの特性相当分だけ無駄時間および1次遅れを与えて、その無駄時間および1次遅れが与えられたトルク基準値をDYトルクPID制御部203に伝えるものである。
【0061】
この無駄時間、1次遅れシミュレート回路224を配置したことにより、ダイナモの制御値がエンジンの応答遅れ分だけ遅れてダイナモに与えられることになり、エンジンとダイナモとの双方のトルク出力が同期し、エンジン、ダイナモの各々の制御のタイミングずれが低減され、トルクの外乱が防止されることになる。
【0062】
ここで、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224にセッティングされる、無駄時間、1次遅れ時定数の各パラメータは、エンジン回転速度一定の条件下でスロットル開度をステップ動作させて、そのトルク応答波形から自動学習することにより求められる。エンジン特性は非線形性が強いので、各パラメータは、学習するエンジン回転速度、およびトルク毎に複数設けられる。
【0063】
また、図1のエンジン試験装置1A_2のダイナモ制御部200A_2に備えられたエンジン慣性加速度分トルク演算部221には、回転速度指令値Neが入力され、このエンジン慣性加速度分トルク演算部221では、エンジン制御部100A_2に備えられたエンジン慣性加速度分トルク演算部103と同様、エンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωが求められる。また、トルク負担率演算部222では、そのエンジン慣性加速度分トルク演算部221において求められたエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωに第2の重み付け係数k2が乗算されて、第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk2・Ieg・Δωが求められる。
【0064】
ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωとトルク負担率演算部222で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk2・Ieg・Δωは、加算器223に入力されて相互に加算される。
【0065】
この加算値は減算器202に入力されて、軸トルク指令値からその加算値が減算されることにより、トルク基準値が求められる。
【0066】
ここで、エンジン制御部100A_2を構成するトルク負担率演算部121に用いられる第1の重み係数k1とダイナモ制御部200A_2を構成するトルク負担率演算部222で用いられる第2の重み係数k2は、k1+k2=1の関係を有する。さらにこれら第1、第2の重み係数k1、k2をk1+k2=1の関係を保ちながら任意に可変することができるようにすると、当該エンジン、ダイナモの特性に適合した制御が可能となる。重み付け係数k1、k2は、予め運転パターンに情報を書き込んでおき、運転パターン毎に逐次変更可能としても良い。
【0067】
このように、エンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωの一部をダイナモ制御側に負担させることのより、加速し始めのトルク負荷を軽減することができ、結果として、回転速度、トルク双方の制御性が向上する。
【0068】
この図1に示す第1実施形態は、エンジンのスロットル開度を制御することにより回転速度を制御し、ダイナモ側でトルクを制御するエンジン試験装置であり、この図1に示すエンジン試験装置1A_2は、本発明と対比し、以下の対応関係にある。
【0069】
すなわち、エンジン制御部100A_2は、本発明にいうスロットル開度制御部の一例であり、ダイナモ制御部200A_2は、本発明にいうトルク制御部の一例である。
【0070】
また、エンジン制御部100A_2のエンジン慣性加速度分トルク演算部103と、トルク負担率演算部121と、加算器104と、エンジンマップ記憶部101との組合せが、本発明にいうスロットル開度制御値演算部の一例の相当し、回転速度PID制御部102が、本発明にいう第1のフィードバック制御部の一例に相当し、加算器105が、本発明にいう、スロットル開度制御値補正部の一例に相当する。ここで、エンジン慣性加速度分トルク演算部103とトルク負担率演算部121との組合せが、本発明にいう第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部の一例に相当する。
【0071】
また、この図1のエンジン試験装置1A_2のダイナモ制御部200A_2の、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224は、本発明にいう応答調整部の一例に相当し、ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、加算器223、および減算器202の組合せが、本発明にいう基準値演算部の一例に相当する。さらに、エンジン慣性加速度分トルク演算部221とトルク負担率演算部222との組合せが、本発明にいう第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部の一例に相当する。
【0072】
また、DYトルクPID制御部203が、本発明にいう、基準値演算部で求められたトルク基準値とダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるようにトルク制御値を求めるフィードバック制御部あるいは第2のフィードバック制御部の一例に相当する。
【0073】
図2は、本発明のエンジン試験装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。この図2に示す第2実施形態の説明にあたっては、図1に示す第1実施形態との相違点について説明する。
【0074】
この第2に示すエンジン試験装置1A_3には、図1に示す無駄時間、1次遅れシミュレート回路224に代わり、エンジン制御部100A_3に、指令値先出し回路131および1次遅れ補償回路132が備えられている。図5に示す従来例の構成に、図2に示す指令値先出し回路131および1次遅れ補償回路132を加えた構成が、本発明の第3のエンジン試験装置の一実施形態に相当し、また、図1の場合と同様、図5に示す従来例の構成に、トルク負担率演算部121、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223を加えた構成が、本発明にいう第2のエンジン試験装置の一実施形態に相当する。すなわち、この図2に示す第2実施形態には、本発明の第2のエンジン試験装置の特徴と第3のエンジン試験装置の特徴を合わせ持つ実施形態である。
【0075】
指令値先出し回路131は、回転速度指令値Neおよび軸トルク指令値Trqを、ダイナモ制御部200A_3に送り込むタイミングよりも先行したタイミングでエンジン制御部100A_3に送り込むものである。先行させる時間は、エンジンの無駄時間が補正されるように設定された時間に調整されている。この指令値先出し回路131は、本発明にいう指令タイミング調整部の一例に相当する。
【0076】
また、1次遅れ補償回路132は、エンジンマップ記憶部101から読み出されたスロットル開度制御値の1次遅れを補償する回路である。この1次遅れ補償回路132により補償される1次遅れは、エンジンの1次遅れに相当する。この1次遅れ補償回路132は、本発明にいう遅れ補償部の一例に相当する。
【0077】
図1に示す第1実施形態の場合、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224を備え、ダイナモの制御をエンジンの制御に適合するように遅らせることによりトルクの同調がとられているが、図1に示す第2実施形態の場合、指令値先出し回路131および1次遅れ補償回路132によりエンジンの制御をダイナモも制御よりも進めることによりトルクの同調がとられている。具体的な実施手段は異なるが、いずれも同様の作用を成し、エンジンとダイナモとのトルクの同期をとることができる。
【0078】
図3は、本発明のエンジン試験装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。この図3に示す第3実施形態の説明にあたっては、前述した従来例である図6に示す構成との相違点について説明する。
【0079】
この図3に示すエンジン試験装置1B_2には、図6に示すエンジン試験装置1B_1と比べ、エンジン制御部100B_2にトルク負担率演算部121が追加されており、ダイナモ制御部200B_2に、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223が追加されている。
【0080】
図6に示す従来例のエンジン試験装置1B_1に、図1に示す無駄時間、1次遅れシミュレート回路224が追加された構成が本発明の第4のエンジン試験装置の一実施形態に相当し、図6に示す従来例のエンジン試験装置1B_1に、図2において追加された構成のうちの無駄時間、1次遅れシミュレート回路224以外の部分、すなわち、トルク負担率演算部121、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223を加えた構成が、本発明の第5のエンジン試験装置の実施形態に相当する。すなわち、この図3に示す第3実施形態は本発明の第4のエンジン試験装置の特徴と第5のエンジン試験装置の特徴とを合わせ持つ実施形態である。
【0081】
エンジン制御部100B_2に追加されたトルク負担率演算部121では、エンジン慣性加速度分トルク演算部103で求められたエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωに第1の重み付け係数k1が乗算されて、第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk1・Ieg・Δωが求められる。
【0082】
加算器104は、軸トルク指令値Trqに、トルク負担率演算部121で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk1・Ieg・Δωが加算されることにより、補正された軸トルク指令値が求められる。
【0083】
また、減算器111には軸トルク指令値Trqと、ダイナモ制御部200B_2に備えられているダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωとが入力されて、軸トルク指令値Trqからダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωが減算されることにより、補正された軸トルク指令値が求められる。
【0084】
また、図3に示す第3実施形態のダイナモ制御部200B_2に追加された無駄時間、1次遅れシミュレート回路224は、回転速度指令値Neに、エンジンの特性相当分だけ無駄時間および1次遅れを与えて、その無駄時間および1次遅れが与えられた回転速度指令値をDYトルクPID制御部203に伝えるものである。
【0085】
前述した図1に示す第1実施形態の場合と同様、この無駄時間、1次遅れシミュレート回路224を配置したことにより、ダイナモの制御値がエンジンの応答遅れ分だけ遅れてダイナモに与えられることになり、エンジンとダイナモとの双方のトルク出力が同期し、エンジン、ダイナモの各々の制御のタイミングずれが低減され、トルクの外乱が防がれることになる。
【0086】
また、第3のエンジン試験装置1B_2のダイナモ制御200B_2に備えられたエンジン慣性加速度分トルク演算部221には、回転速度指令値Neが入力され、このエンジン慣性加速度分トルク演算部221では、エンジン制御部100A_2に備えられたエンジン慣性加速度分トルク演算部103と同様、エンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωが求められる。また、トルク負担率演算部222では、そのエンジン慣性加速度分トルク演算部221において求められたエンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωに第2の重み係数k2が乗算されて、第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk2・Ieg・Δωが求められる。
【0087】
ダイナモ慣性加速度分トルク演算部201で求められたダイナモ慣性加速度分トルクIdy・Δωとトルク負担率演算部222で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクk2・Ieg・Δωは、加算器223に入力されて相互いに加算され、その加算値がトルク/電流変換器212で電流値に変換され、減算器213により、DYトルクPID制御部203から出力された回転速度制御電流値から減算されることにより、その回転速度制御電流値が補正される。
【0088】
ここで、エンジン制御部100B_2を構成するトルク負担率演算部121に用いられる第1の重み付け係数k1とダイナモ制御部200B_2を構成するトルク負担率演算部222で用いられる第2の重み付け係数K2は、前述の実施形態の場合と同様、k1+k2=1の関係を有し、さらにこれら第1、第2の重み係数k1、k2をk1+k2=1の関係を保ちながら任意に負担率を可変することができるようにすると、当該エンジン、ダイナモの特性にあった制御が可能となる。これらの重み付け係数k1、k2は、予め運転パターンに書き込んでおき、運転パターン毎に逐次変更可能としても良い。
【0089】
このように、エンジン慣性加速度分トルクIeg・Δωの一部をダイナモ制御側に負担させることにより、加速し始めのトルク負荷を軽減することができ、結果として、回転速度、トルク双方の制御性が向上する。
【0090】
この図3に示す第3実施形態は、エンジンのスロットル開度を制御することによりトルクを制御し、ダイナモ側で回転速度を制御するエンジン試験装置であり、この図3に示すエンジン試験装置1B_2は、本発明と対比し、以下の対応関係にある。
【0091】
すなわち、エンジン制御部100B_2は、本発明にいうスロットル開度制御部の一例であり、ダイナモ制御部200B_2は、本発明にいう回転速度制御部の一例である。
【0092】
また、エンジン制御部100B_2のエンジン慣性加速度分トルク演算部103とトルク負担率演算部121と、加算器104と、エンジンマップ記憶部101との組合せが、本発明にいうスロットル開度制御値演算部の一例の相当し、減算器111が本発明にいうトルク指令値補正部に相当し、DYトルクPID制御部112が、本発明にいう第1のフィードバック制御部の一例に相当し、加算器105が、本発明にいうスロットル開度制御値補正部の一例に相当する。ここで、エンジン慣性加速度分トルク演算部103とトルク負担率演算部121との組合せが、本発明にいう第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部の一例に相当する。
【0093】
また、この図3のエンジン試験装置1B_2のダイナモ制御部200B_2の無駄時間、1次遅れシミュレート回路224は、本発明にいう応答調整部の一例に相当し、さらに、エンジン慣性加速度分トルク演算部221とトルク負担率演算部222との組合せが、本発明にいう第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部の一例に相当する。
【0094】
また、DYトルクPID制御部203が、本発明にいう、応答調整部で求められた、無駄時間および遅れが付与された回転速度指令値とダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように回転速度制御値を求めるフィードバック制御部あるいは第2のフィードバック制御値の一例に相当する。
【0095】
また、加算器223、トルク/電流変換部212、および減算器213の組合せから、本発明にいう回転速度制御値補正部の一例に相当する。
【0096】
図4は、本発明のエンジン試験装置の第4実施形態の構成を示すブロック図である。この図4に示す第4実施形態の説明にあたっては、図3に示す第3実施形態との相違点について説明する。
【0097】
この第4に示すエンジン試験装置1B_3には、図3に示す無駄時間、1次遅れシミュレート回路224に代わり、エンジン制御部100B_3に、指令値先出し回路131および1次遅れ補償回路132が備えられている。図6に示す従来例の構成に、図4に示す指令値先出し回路131および1次遅れ補償回路132を加えた構成が、本発明の第6のエンジン試験装置の一実施形態に相当し、また、図3の場合と同様、図6に示す従来例の構成に、トルク負担率演算部121、エンジン慣性加速度分トルク演算部221、トルク負担率演算部222、および加算器223を加えた構成が、本発明にいう第5のエンジン試験装置の一実施形態に相当する。すなわち、この図4に示す第4実施形態は、本発明の第5のエンジン試験装置の特徴と第6のエンジン試験装置の特徴を合わせ持つ実施形態である。
【0098】
指令値先出し回路131は、回転速度指令値Neおよびトルク指令値Trqを、回転速度指令値Neをダイナモ制御部200B_3に送り込むタイミングよりも先行したタイミングでエンジン制御部100B_3に送り込むものである。先行させる時間は、エンジンの無駄時間が補正されるように設定された時間に調整されている。この指令値先出し回路131は、本発明にいう指令タイミング調整部の一例に相当する。
【0099】
また、1次遅れ補償回路132は、エンジンマップ記憶部101から読み出されたスロットル開度制御値の1次遅れを補償する回路である。この1次遅れ補償回路132により補償される1次遅れは、エンジンの1次遅れに相当する。この1次遅れ補償回路132は、本発明にいう遅れ補償部の一例に相当する。
【0100】
図3に示す第3実施形態の場合、無駄時間、1次遅れシミュレート回路224を備えることによりダイナモの制御をエンジンの制御に適合するように遅らせることによりトルクの同期がとられているが、図4に示す第4実施形態の場合、指令先出し回路131および1次遅れ補償回路132によりエンジンの制御をダイナモも制御よりも進めることによりトルクの同期がとられている。具体的な実施手段は異なるが、いずれも同様の作用を成し、エンジンとダイナモとのトルクの同期をとることができる。
【0101】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、従来と比べさらに高精度な制御を行なうことによりエンジンの特性をさらに高精度に計測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン試験装置の第1実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のエンジン試験装置の第2実施形態の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明のエンジン試験装置の第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明のエンジン試験装置の第4実施形態の構成を示すブロック図である。
【図5】従来のエンジン試験装置のブロック図である。
【図6】従来のもう1つのエンジン試験装置のブロック図である。
【符号の説明】
1A_1,1A_2,1A_3,1B_1,1B_2,1B_3 エンジン試験装置
100A_1,100A_2,100A_3,100B_1,100B_2,100B_3 エンジン制御部
200A_1,200A_2,200A_3,200B_1,200B_2,200B_3 ダイナモ制御部
101 エンジンマップ記憶部
102 回転速度PID制御部
103 エンジン慣性加速度分トルク演算部
104 加算器
105 加算器
106 スロットル操作機
111 減算器
121 トルク負担率演算部
131 指令値先出し回路
132 1次遅れ補償回路
201 ダイナモ慣性加速度分トルク演算部
202 減算器
203 DYトルクPID制御部
204 ダイナモ電流アンプ
211 回転速度PID制御部
212 トルク/電流変換器
221 エンジン慣性加速度分トルク演算部
222 トルク負担率演算部
223 加算器
224 無駄時間、1次遅れシミュレート回路

Claims (10)

  1. エンジンが連結されるダイナモを備え、該ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度と該ダイナモのトルクとを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記ダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部とを備え、
    前記トルク制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、前記ダイナモの制御すべきトルクの基準を表わすトルク基準値を求める基準値演算部と、
    前記基準値演算部で求められたトルク基準値と前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように前記トルク制御値を求めるフィードバック制御部と、
    前記基準値演算部と前記フィードバック制御部との間に介在し、前記基準値演算部で求められたトルク基準値に無駄時間および遅れを与えて、該無駄時間および遅れが付与されたトルク基準値を前記フィードバック制御部に伝える応答調整部とを備えたものであることを特徴とするエンジン試験装置。
  2. エンジンが連結されるダイナモを備え、該ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度と該ダイナモのトルクとを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記ダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部とを備え、
    前記スロットル開度制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記スロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求める第1のフィードバック制御部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を前記第1のフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備え、
    前記トルク制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、前記ダイナモの制御すべきトルクの基準を表わすトルク基準値を求める基準値演算部と、
    前記基準値演算部で求められたトルク基準値と前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように前記トルク制御値を求める第2のフィードバック制御部とを備え、
    前記スロットル開度制御値演算部が、回転速度指令値と前記エンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めて該エンジン慣性加速度分トルクに所定の第1の重みを付すことにより第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を備え、該スロットル開度制御値演算部は、回転速度指令値と、前記第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク分だけ補正されたトルク指令値とに基づいて、前記スロットル開度制御値を求めるものであり、
    前記基準演算部が、回転速度指令値と前記ダイナモの慣性量とに基づくダイナモ慣性加速度分トルクを求めるダイナモ慣性加速度分トルク演算部と、回転速度指令値と前記エンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めて該エンジン慣性加速度分トルクに所定の第2の重みを付すことにより第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部とを備え、該基準値演算部は、トルク指令値と、前記ダイナモ慣性加速度分トルク演算部で求められたダイナモ慣性加速度分トルクと、前記第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクとに基づいて、前記トルク基準値を求めるものであることを特徴とするエンジン試験装置。
  3. 前記基準値演算部と前記第2のフィードバック制御部との間に介在し、前記基準値演算部で求められたトルク基準値に無駄時間および遅れを与えて、該無駄時間および遅れが付与された基準値を前記第2のフィードバック制御部に伝える応答調整部を備えたものであることを特徴とする請求項2記載のエンジン試験装置。
  4. 前記エンジン試験装置は、さらに、回転速度指令値およびトルク指令値を、前記トルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングで前記スロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部を備え、
    前記スロットル開度制御部は、さらに、前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部を備え、
    前記第1のフィードバック制御部は、前記遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するものであることを特徴とする請求項2記載のエンジン試験装置。
  5. エンジンが連結されるダイナモを備え、該ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度と該ダイナモのトルクとを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記ダイナモのトルクを制御するトルク制御値を求めるトルク制御部と、
    回転速度指令値およびトルク指令値を、前記トルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングで前記スロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部を備え、
    前記スロットル開度制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記スロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部と、
    前記遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、回転速度指令値と実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるフィードバック制御部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を前記フィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備えたことを特徴とするエンジン試験装置。
  6. エンジンが連結されるダイナモを備え、該ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度と該ダイナモの回転速度とを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
    回転速度指令値に基づいて前記ダイナモの回転速度を制御する回転速度制御値を求める回転速度制御部とを備え、
    前記スロットル開度制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記スロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、トルク指令値 と前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求める第1のフィードバック制御部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を前記第1のフィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備え、
    前記スロットル開度制御値演算部が、回転速度指令値と前記エンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めて該エンジン慣性加速度分トルクに所定の第1の重みを付すことにより第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部を備え、該スロットル開度制御値演算部は、回転速度指令値と、前記第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第1の重み付けエンジン慣性加速度分トルク分だけ補正されたトルク指令値とに基づいて前記スロットル開度制御値を求めるものであり、
    前記回転速度制御部は、
    回転速度指令値と前記ダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように前記回転速度制御値を求める第2のフィードバック制御部と、
    回転速度指令値と前記ダイナモの慣性量とに基づくダイナモ慣性加速度分トルクを求めるダイナモ慣性加速度分トルク演算部と、
    回転速度指令値と前記エンジンの慣性量とに基づくエンジン慣性加速度分トルクを求めて該エンジン慣性加速度分トルクに所定の第2の重みを付すことにより第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクを求める第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルク演算部と、
    前記第2のフィードバック制御部で求められた回転速度制御値を、前記ダイナモ慣性加速度分トルク演算部で求められたダイナモ慣性加速度分トルクと、前記第2のエンジン慣性加速度分トルク演算部で求められた第2の重み付けエンジン慣性加速度分トルクとに基づいて補正する回転速度制御値補正部とを備えたことを特徴とするエンジン試験装置。
  7. トルク指令値を、前記ダイナモ慣性加速度分トルク演算部により求められたダイナモ慣性加速度分トルクに基づいて補正するトルク指令値補正部を備え、
    前記第1のフィードバック制御部は、前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を、前記トルク指令値補正部で補正された後のトルク指令値と、前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるものであることを特徴とする請求項6記載のエンジン試験装置。
  8. 前記回転速度制御部はさらに、回転速度指令値に無駄時間および遅れを与える応答調整部を備え、
    前記第のフィードバック制御部は、前記応答調整部で求められた、無駄時間および遅れが付与された回転速度指令値と、前記ダイナモの実際の回転速度を表わす回転速度計測値とが同一の値となるように、前記回転速度制御値を求めるものであることを特徴とする請求項6又は7記載のエンジン試験装置。
  9. 前記エンジン試験装置は、さらに、回転速度指令値およびトルク指令値を、該回転速度指令値を前記トルク制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングで前記スロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部を備え、
    前記スロットル開度制御部は、さらに、前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部を備え、
    前記第のフィードバック制御部は、前記遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、トルク指令値と、前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するものスロットル開度補正値を求めるものであることを特徴とする請求項6又は7記載のエンジン試験装置。
  10. エンジンが連結されるダイナモを備え、該ダイナモに連結されたエンジンのスロットル開度と該ダイナモの回転速度とを制御しながら該エンジンの特性試験を行なうエンジン試験装置において、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて前記エンジンのスロットル開度を制御するスロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御部と、
    回転速度指令値に基づいて前記ダイナモの回転速度を制御する回転速度制御値を求める回転速度制御部と、
    回転速度指令値およびトルク指令値を、該回転速度指令値を前記回転速度制御部に送り込むタイミングよりも相対的に先行したタイミングで前記スロットル開度制御部に送り込む指令タイミング調整部とを備え、
    前記スロットル開度制御部は、
    回転速度指令値とトルク指令値とに基づいて、前記スロットル開度制御値を求めるスロットル開度制御値演算部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値の遅れを補償する遅れ補償部と、
    前記遅れ補償部で遅れが補償された後のスロットル開度制御値を、トルク指令値と前記ダイナモの実際のトルクを表わすトルク計測値とが同一の値となるように補正するスロットル開度補正値を求めるフィードバック制御部と、
    前記スロットル開度制御値演算部で求められたスロットル開度制御値を前記フィードバック制御部で求められたスロットル開度補正値分だけ補正するスロットル開度制御値補正部とを備えたことを特徴とするエンジン試験装置。
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