JP3960000B2 - 人体検出装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室等を監視して人体の動きに転倒等異常が生じた場合には、遠隔場所に居る他者に警報を発する人体検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種人体検出装置においては、人体検出センサにより浴室等を継続的に監視して、人体の動きがあるのか否かの検出、すなわちの動きの有無を検出判断して、浴室等で人の動きがなくなった場合には、センサから信号を浴室等の報知部及び台所等の遠隔場所に設けた報知部に送り、報知部では画像、音声による警報を行うようにしてある。そしてこの人体の動きの判定の作動は人の入室により開始され、人が退室すると監視は不要となることから動きの判定を終了させていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のものでは、人体検出センサとして撮像装置を使用して、前後の画像を比較して動きが生ずれば人は浴室等に入ったものと判断すると、脱衣室にいる人の影を人体であると誤って判断し、誤検出が生じる。この誤検出を防止するため、出願人は赤外線センサを付加して併用し、入室の確実化を図ったものを既に提案した。
しかし、上記のものでは、入室時の判断は確実に行なえるが、退室時の判断においては問題があった。具体的には入浴者が浴室のドア付近で倒れた場合には、人体検出センサは動きがなくなったものと判定しかつ赤外線センサはオフを検出し、浴室から退室したものと誤判断してしまうという問題である。
【0004】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、浴室等への入室判断のみならず退室判断が正確に行える人体検出装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の人体検出装置は、監視領域を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段を有する人体検出センサと、動き量演算手段による動きの有無を判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により人体の動きの停止を検出する手段を設けたものであって、人の入室により人体の動きの判定を開始し、退室により人体の動きの判定を終了するものにおいて、排水口に水流により開閉するスイッチを設け、該スイッチの開閉に応じて人の入室及び退室を判断する手段を設けたことを特徴としている。このような特徴によれば、水流により開閉するスイッチを排水口に設け、該スイッチの開閉に応じて人の入室及び退室を判断する手段を設けたことで、人が浴室に入浴し始めると必ず湯水を使用し、このとき排出された排水は床面の排水口から排水されるので、排水による水流を検出すれば、人が入浴中であることが判断できる。また、人が浴室からいなくなると、水流が生じることはなくなり、スイッチはオフ状態を継続する。これにより、人は退室したものと判断することとしている。本発明において、好ましくは、退室判断後の一定時間内は人体の動きを判断しない動き判定停止手段を設けている。また、好ましくは、前記監視領域は、浴室の入口領域、浴槽領域、および洗場領域に分割されており、これらの分割された領域ごとに動きの有無が判定されるように構成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態を示す全体構成図である。図2は本発明の一実施形態を示す電気回路のブロック図である。図3は人体検出センサの画像検出部の1画素を構成する画像コア回路の構成を示す回路図である。図4はセンサの撮像範囲と検知範囲及び検知領域との関係を示す説明図である。図5は本発明の一実施形態を示す制御フローチャートである。図6は本発明の一実施形態を示す人体停止検出のフローチャートである。図7は人体検出センサと温水機器とリモコンとの関係を示す一実施形態の説明図である。図8は人体検出センサと温水機器とリモコンとの関係を示す他実施形態の電気制御のブロック図である。図9は一実施例を示す記憶部の拡大図である。図10の(a)は右下方へ向けて移動した物体の現画像と前画像を示す図、(b)は前画像の明暗を各画素毎に示す図、(c)は現画像の明暗を各画素毎に示す図である。図11は画像の境界に対応する画素における明暗の変化を示す差分画像を表わした図である。図12は一実施形態を示す電気回路ブロック図、図13は一実施形態を示す人体監視のフローチャートである。図14はリモコンと人体検出センサとの関係を示す電気ブロック図である。図15は他実施形態を示すリモコンと温水機器と人体検出センサとの接続関係を示す電気回路図である。図16は表示関係を示す電気ブロック図である。
【0009】
図1は本発明の一実施形態の概略を示すものであって、浴室1の内部には浴槽2及び洗場3を設けてある。4は浴室1への出入口である。5は人体センサであり、浴室1の内壁面上部に取り付けてある。具体的には、浴槽2の長手方向に接する浴室壁面の上部位置に取り付けてある。温水機器40には、該温水機器40を遠隔位置から操作する浴室に設置した風呂リモコン60及び台所に設置した台所リモコン70を接続してある。
そして人体センサ5は、本実施形態では浴室1の壁面に取り付けているが、この例に限ることなく、浴室1の天井面に取り付けても良い。
人体センサ5は、人工網膜を利用した撮像装置を有し、浴室1における人体の動きを撮像して画像処理する人体検出センサ51と、赤外線による熱検知により人体を検知する赤外線センサ52とから構成している。撮像装置は浴室等の監視領域を所定時間間隔ごとに撮像するものである。人体検出センサは浴室に限られずトイレ、洗面所等に設置してもよい。
【0010】
温水機器40とは、湯水を加熱し浴槽等に供給するための機器であり、具体的には給湯器付風呂釜、給湯器付暖房機、温水暖房機、給湯器等により構成されている。
温水機器にはガスを燃料とするもののみならず石油を燃料とするものでもよい。
温水機器40と、リモコン60、70と、人体検出センサ51との接続については、本発明の一実施形態を示す図1のものにおいては、まず温水機器40と台所リモコン70とがケーブル41により接続され、次に温水機器40と風呂リモコン60とがケーブル41で接続され、さらに温水機器40と人体検出センサ51とがケーブル41で接続されている。
そして、給湯器等を制御する前記リモコン60、70には、浴室1に入浴者がいることを知らせる液晶表示パネル等の表示手段を有しており、人体センサ5が入浴者を検知して、検知信号を出力すると、表示手段が点灯等表示するようになっている。
表示手段は上記のものに限られず、入浴者の動きが一定時間無かった場合、浴槽で寝ているかまたは倒れたと推測し、まず風呂リモコン60で警報音あるいは音声により注意を喚起し、浴室側から応答が所定時間内にない場合には、台所リモコン70において警報音あるいは音声により家族等の他者に警報報知するようにしてある。
【0011】
そして、温水機器40には熱交換器及びバーナが内蔵されており、制御のための各種センサを設けてある。
また、温水機器40から浴槽2に対して給湯落し込み管46が接続配管されている。また、人体センサ5を作動させるための電源は、温水機器40の電源プラグからなる電源供給部47から導入され、温水機器40のコントローラ42部の図示しないトランスを介して降圧され低電圧化されて供給される。人体センサへの電源供給は直接家庭用の商用電源から供給するようにしてもよい。尚、人体センサ5には退室時に操作する専用スイッチ80を接続してある。人体センサ5には、温水機器40からのケーブル41を二又に分岐した分岐コネクタ43を介して後述する温度センサ、湿度センサ、開閉スイッチ等の感知部材80を接続してある。
【0012】
図2は人工網膜チップを利用した人体検出センサ51と、赤外線センサ52とからなる人体センサ5の具体構成を示したものである。
人体検出センサ51は、監視領域を所定時間間隔で撮像する撮像装置6と、撮像装置6を制御すると共に撮像画像を処理、判定等するマイクロコンピュータからなる制御装置7とその周辺部材から構成されている。
また、制御装置7と前述したリモコン60、70とは例えば後述する通信IC等の通信部53により送受信できるようにしてある。
そして、人体検出センサ51の他に赤外線センサ52を同一のケース体内に設け、その制御装置7を共用し、浴室1が暗い場合の監視の相互補填を行なうようにしてある。
【0013】
前記撮像装置6の撮像部8は、縦128×横128画素からなる解像度の画像検出部9、結像レンズ10、スキャナ11、マルチプレクサ12及びスキャナ駆動制御部13から構成されている。画像検出部9は縦32×横32画素を用いても良く、また多数の画素の一部で画像の検出処理をしても良い。画像検出部9の画素はそれぞれモノクロ256階調「レベル0(黒)〜255(白)の256階調」で表現される。
【0014】
そして、撮像部8においては、浴室内の画像は、結像レンズ10によって画像検出部9に結像される。スキャナ11は、スキャナ駆動制御部13によって駆動制御されており、スキャナ駆動制御部13は画像検出部9の各画素列を順次一定周期毎に受光状態(オン状態)となるように制御している。
受光状態となった1列の各画素から同時に出力された光電流は、マルチプレクサ12によって複数の電気信号は1つの電気信号にまとめられ、増幅器14で増幅された後、アナログ電圧として出力される。アナログデータからデジタルデータへの変換は制御装置7の変換器により行うようにしてある。
【0015】
また、画像検出部9の各画素は、図3に示すように画素コア回路17によって構成されている。画素コア回路17は受光素子18、電荷蓄積回路19、感度可変回路20から構成されており、感度可変端子21及びリセット端子22がスキャナ11に接続され、光電流出力端子23がマルチプレクサ12に接続されている。
【0016】
図2においてゲイン調整部16は、画像出力部15における画像平均値(画像の明るさ)をチェックし、画像平均値が適切な範囲から外れていれば、増幅器14によって撮像装置6のゲインを調整すると共にスキャナ駆動制御部13によって画像検出部9の蓄積時間を調整し、適正な明るさの画像が得られるように調光する。この調光は後述する分割された各検知領域毎に行ってもよい。
【0017】
人工網膜を用いた撮像装置6では、画像平均値は、画像検出部9を構成する全画素における階調(0階調(黒)〜255階調(白)の256階調)の平均値であり、0〜255の値で表わさせる。
この画像平均値は増幅器14のゲインと画像検出部9の蓄積時間によって決定される。
ここで、ゲインはカメラの絞りに相当し、蓄積時間はカメラのシャッタースピードに相当する。従って、撮像装置6の適正な画像平均値を得ようとすれば、適当なゲインに固定しておき、蓄積時間を調整すればよい。あるいは、適当な蓄積時間を固定しておき、ゲインを調整すればよい。
【0018】
そして、図2において少なくとも撮像をおこなう画像検出部9とスキャナ11とスキャナ駆動部13とゲイン調整部16とは1チップで構成されている。このチップは人工網膜チップと称される。
また、このチップの裏面位置には、制御装置7を設けてあり、この制御装置7は各種のソフトウエアを組み込んだマイクロコンピュータからなり、この内部には人体検出センサ51による検知処理を行なう検知領域を複数の領域に分割する領域分割手段24等をソフトウエアーとして組み込んである。
【0019】
具体的には、図4に示すように、制御装置7に入力された画像情報を処理するためのポイントテーブル25を複数域に分割するものである。
すなわち、人体検出センサ51による検出可能な撮像能力範囲(ポイントテーブル25全体に相当)を、まず画像処理の必要な検知領域26と、画像処理を行なわない非検知領域27とに区画している。
すなわち、撮像能力範囲のすべてを検知領域とはしていない。
これにより検出処理可能な検出処理領域のうちの一部を、実際に検知し処理するセンサ検知領域として使用することで画像の処理範囲を限定して、画像処理の速度を早めている。
さらに前記の検知領域26を、図4のように、入口領域29と洗場領域30と浴槽領域31との3つの領域に分割するようにしてある。検知領域26の分割については、この例に限られることなく、入口領域29と該入口領域29以外の領域の2つに分割してもよい。例えば、洗場領域30及び浴槽領域31を合わせて1つの領域に設定しても差しつかえない。ここに入口領域29とは、浴室の場合には浴室内であって浴室への出入口ドアの近傍に位置する領域をいう。洗場領域30とは、主として頭や体を洗う床部の領域をいい、また、浴槽領域31とは浴槽が位置している領域をさす。このように分割された領域毎に、順次画像情報が制御装置7に入力されて、各領域毎の各画素毎に検出、演算等の処理がなされるのである。
【0020】
そして、人体センサ51を構成する結像レンズ10と撮像装置6と制御装置7とは、前記赤外線センサ52と共に1つのケースに納められ、人体センサセットとして壁面等に取り付けられる。取り付け位置は浴室への出入口4を含め、浴室1全体を視野角に納めるようにすれば良い。
【0021】
そして、撮像装置6の検知出力と赤外線センサ52の検知出力はそれぞれ判定手段32へ入力される。判定手段32は撮像装置6からの出力と赤外線センサ52からの出力に基づき、浴室における入浴者の有無や入浴者の動きなどを総合的に判断するようになっている。
【0022】
人工網膜チップにより検出した画像は次のように画像処理される。
画像を制御、処理する制御装置7は、画像検出部9を構成する全画素から画像情報を一定時間毎に受信し、一定時間毎に画像情報を受け取ると、該画像情報を処理し、判定手段32により入浴者の動きを判定するのである。
【0023】
次に、撮像装置でとらえた画像から人の動きを抽出するための画像処理方法を説明する。
マイクロコンピュータで構成される制御装置7は、所定時間毎に画像情報を受け取ると、当該画像情報から入浴者の動きを所定の解析アルゴリズムに従って解析し、入浴者の動きを監視する。
【0024】
具体的には、いま図10(a)のように正方形の物体の画像(明画像)Pが位置P1から位置P2へ移動したとする。このとき、明るい画素を記号B、暗い画素を記号Dで表わせば、前画像は図10(b)で表わされ、現画像は図10(c)で表わされる。この前後の画像は、図12の画像記憶手段115により一旦記憶される。撮像された画像は順次更新され常に最新の両画像が記憶されるようになっている。そして動き量演算手段111により、分割された領域毎に前記2枚の画像が比較されて、各領域の各画素(x、y)毎に、前画像pの受光量Pp(x、y)と現画像nの受光量Pn(x、y)との差分(動き量)
D(x、y)=Pn(x、y)−Pp(x、y)
が演算され、演算結果は図11のような差分画像として得ることができる。図11の差分画像においては、差分D(x、y)が正の画素は+記号で表わし、負の画素は−記号で表わし、D(x、y)がゼロの画素は0記号で表わしている。このような差分の総和を捉えることで、動きがあるか否かを各領域毎に判定することができ、この判定は動き有無判定手段114にて行われる。動き量が生じていなければ「動き無し」と判定され、生じていれば「動き有り」と判定される。
【0025】
一方、図12において、動き有無領域検出手段112により、分割された領域毎に動きのある領域か否かを検出するようにしてある。すなわち、撮像装置6で撮像された撮像画像は、入口領域29、洗場領域30及び浴槽領域31の順に一定時間毎に制御装置7に読み込まれ、この画像データを解析することで動きのある領域を検出するようにしてある。この検出は例えば、前述した動き量の生じた領域を動きのある領域として検出すればよい。そして、動きの発生している領域が、予め特定された領域に該当するか否かを特定領域該当判定手段113により判定するようにしてある。特定領域とは、浴槽領域31又は洗場領域30を意味し、入口領域29を除く領域である。動きのある領域が特定領域か否かは、例えば信号が符合するか否かにより、あるいは他の検知領域を順次検索して特定領域以外の領域で動きがなければ特定領域に該当すると判断させている。このような検索は、動きの有無と動きのある領域の信号から、順次状態を遷移させてマイクロコンピュータ内で検索させている。また、図12において、制御装置7には、人が監視領域である浴室に入室したか否かを判断する入室判断手段121、人が監視領域である浴室から退室したか否かを判断する退室判断手段122、この退室判断後の一定時間は人体の動きを判断しないようにした動き判定停止手段123をソフトウエアとしてプログラムしてある。
【0026】
また、人体検出センサ51は感度を自動調整するための感度調整回路(図示せず)を備えており、浴室内が暗い場合には感度を高くし、浴室内が明るい場合には、感度を低くすることによって検出精度が高くなるようにしている。
【0027】
次に、浴室1に人が入室したか否かの判断について説明する。図17において、浴室の洗場3には排水口140が設けてあり、この排水口140の下部には感知部材80として水流スイッチを設けてある。具体的には、上がり湯、シャワー等による排水により、水流が生じると、可動片141に取付けた磁石142が図中上方に移動してリードスイッチ143を閉成し、スイッチをオンさせるものである。これにより、図18に示すように、人が浴室1に入り入浴を始めると、スイッチがオン(ステップS1)となり、このオン信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、同時に人体検出センサ51により動きありと判断されると(ステップS2)、入室したものと判断することとしている(ステップS3)。さらに赤外線センサ52のオン検出を加えて入室判断させるようにしてもよい。また、図19に示すように、入浴に必要な所定時間内に前記リードスイッチ143がオンしなくなった場合には(ステップS4でイエスの場合)、その信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている(ステップS6)。退室判断には人体検出センサ51による動きなし判断(ステップS5)を加えるようにしてもよく、さらに赤外線センサ52のオフ検出を加えるようにしてもよい。また、本発明には含まれないが、感知部材80として、水流スイッチに替えて、浴室1の出入口4に設けた入口ドアの開閉により開閉するスイッチを設けて、このスイッチの開閉に応じて人の入室及び退室を判断するようにしてもよい。具体的には、人が浴室1に入り始めると、ドアスイッチがオン(ステップS1)となり、このオン信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、入室したものと判断することとしている(ステップS3)。また、入浴後ドアを開きスイッチがオフした場合には(ステップS4でイエスの場合)、その信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている(ステップS6)。尚、ドアスイッチは、簡易施工できるように公知の赤外線による無線通信方式としてもよい。
【0028】
さらに、本発明には含まれないが、感知部材80として、水流スイッチに替えて、浴室1の天井あるいは壁面に温度センサを設けて、この温度センサの温度検出に応じて人の入室及び退室を判断するようにしてもよい。具体的には、人が浴室1に入り始めると、湯を使用するので浴室の温度が上昇し、この温度の変化、例えば一定温度以上の上昇を検知して、検出信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、入室したものと判断することとしている(ステップS3)。また、入浴後は浴室の温度が低下する点に着目し、一定温度以上低下した場合には、その検出信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている(ステップS6)。さらには、感知部材80として、水流スイッチに替えて、浴室1の天井あるいは壁面に湿度センサを設けて、この湿度センサの湿度検出に応じて人の入室及び退室を判断するようにしてもよい。具体的には、人が浴室1に入り始めると、湯を使用するので浴室の湿度が上昇し、この湿度の変化、例えば一定湿度以上の上昇を検知して、検出信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、入室したものと判断することとしている(ステップS3)。また、入浴後は浴室の湿度が低下する点に着目し、一定湿度以上低下した場合には、その検出信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている(ステップS6)。温度センサと湿度センサとは併用して用いればさらに効果的である。また、図示してはいないが、感知部材80として、水流スイッチに替えて、浴室1の天井あるいは壁面に光度センサを設けて、この光度センサの光度検出に応じて人の入室及び退室を判断するようにしてもよい。具体的には、人が浴室1に入り始めると、照明を点灯するので浴室の光度が上昇し、この光度の変化、例えば一定光度以上の上昇を検知して、検出信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、入室したものと判断することとしている(ステップS3)。また、入浴後は浴室の照明を消灯する点に着目し、一定光度以上低下した場合には、その検出信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている(ステップS6)。また、給湯器の水流スイッチのオン信号あるいは浴槽の水位センサによる水位変化等により、入室を判断させてもよい。
【0029】
また図20、図21に示すように、感知部材80として、浴室ドアに設けたスイッチ144のみならず浴室1の天井あるいは壁面に光度センサ145を設けて、スイッチ144の開閉及び光度センサ145の光度検出に応じて人の入室及び退室を判断するようにしてもよい。具体的には、人が浴室1に入り始めると、ドアが開きスイッチ144がオンとなり(ステップS7)、また照明を点灯するので浴室の光度が上昇し、この光度の変化、例えば一定光度以上の上昇を検知して(ステップS8)、検出信号を人体検出センサ51側に送信し、入室判断手段121に入力され、入室したものと判断することとしている(ステップS10)。このとき人体検出センサ51の動きあり検出を判定に加えるようにしてもよい(ステップS9)。また、入浴後は浴室の照明を消灯する点に着目し、一定光度以上低下した場合であって、かつスイッチ144がオフした場合には、その両検出信号を人体検出センサ51側に送信し、退室判断手段122に入力され、これにより人は浴室から退室したものと判断することとしている。
【0030】
さらにまた、撮像装置6によって撮像した画像を画像記憶手段115に蓄積するための蓄積時間を測定する測定手段146を制御装置7にソフトウエアとして設け、図23のように浴室を撮像して蓄積時間を測定する(ステップS70)。測定時間が一定時間内の場合には(ステップS71でイエスの場合)、併せて人体検出センサ51により人の動きがあるとき(ステップS72でイエスの場合)、入室したものと判断することとしている(ステップS73)。そして、測定時間が一定時間を超えている場合には(ステップS71でノーの場合)、併せて人体検出センサ51により人の動きがないとき(ステップS74でイエスの場合)、退室したものと判断することとしている(ステップS75)。このように、撮像した画像の蓄積時間を測定する測定手段を設け、この測定手段による測定時間に応じて人の入室及び退室を判断する手段を設けたことで、測定時間が短い場合は浴室の照明が明るく人の動きがあると考えられ、入室しているものとの判断が行なえる。また、測定時間が長い場合は浴室の照明が消え、人がいないと考えられ、退室しているものとの判断が行なえる。
また図23、図24に示すものは、人体センサ5に赤外線センサを2個設け、監視領域に浴槽と洗場の検出を行なう第1赤外線センサ147及び入口部の検出を行なう第2赤外線センサ148を設けている。そして、第1赤外線センサ147がオンした場合(ステップS80)であって、かつ、第2赤外線センサ148がオンした場合(ステップS81)に、人体検出センサ51が共に動きありを検出したとき(ステップS82)、人の入室を判断するようにしてある(ステップS83)。また、第1赤外線センサ147がオフした場合(ステップS84でノーの場合)であって、かつ、第2赤外線センサ148がオフした場合(ステップS85でイエスの場合)に、人体検出センサ51が動きなしを検出したとき(ステップS86でイエスの場合)、人の退室を判断するようにしてある(ステップS87)。このように、第1赤外線センサ147によるオフ検出よりも後に第2赤外線センサ148がオフしたとき退室したものと判断する手段を設け、入口部の検出を行なう第2赤外線センサ148が最後にオフを検出すれば退室したものと判断させることにより、退室判断を確実に行なえる。なお、第1赤外線センサ147がオフの場合であって(ステップS84でイエスの場合)、人体検出センサ51が動きなしを検出したとき(ステップS88でイエスの場合)、浴室内で倒れた等異常の判断をするようになっている(ステップS89)。
【0031】
また、人体検出センサ51の取り付けは、浴室1の天井あるいは浴室壁面上部位置であり、この位置は標準的な浴室において洗場3及び浴槽2を設けた浴室内の人の動きを俯瞰できる最適位置である。人体センサ5を構成する人体検出センサ51と赤外線センサ52とは1つのケース内に収納することで、取付けし易く、点検も容易となる。
次に装置全体を構成するセンサ、リモコン等の各部材間における他の実施例の接続構成について図7を用いて説明する。
風呂リモコン60と台所リモコン70とは、有線のリモコンのケーブル41によってそれぞれ温水機器40内のコントローラの制御部90に接続されている。
【0032】
また、人体検出センサ51はケーブル41により風呂リモコン60に接続されている。この風呂リモコン60には、ケーブル41を接続するための接続用の端子85を設けてあり、人体検出センサ51を作動させるための電源をこの風呂リモコン60から供給するようになっている。
人体検出センサ51と温水機器40あるいはリモコン60、70との接続は、上記の例に限られず、図8に示されるように人体検出センサ51から通信ICを経て、温水機器40と接続する台所リモコン70から風呂リモコン60を介して接続してもよい。また通信ICを介して人体検出センサ51、台所リモコン70、風呂リモコン60及び温水機器40の順序で接続してもよい。あるいはまた、図15に示されるように、人体検出センサ51と温水機器40とは直接的に、風呂リモコン60と台所リモコン70との接続と同様に、通信ICを介して接続してもよい。さらに、トイレに設置する場合には、トイレ内に設置した人体検出センサ及びシャワー便座のリモコンをシャワー便座本体と接続し、一方居間等に設置した報知部とシャワ便座本体とを通信ICを介して接続するようにすればよい。
【0033】
そして図7において、制御部90には、温水機器40を制御する給湯器制御部91と、人体検出センサ51による異常検出信号により作動し前記各リモコン60、70に設けたスピーカ等の報知手段61、71を動作させる報知動作部92と、報知手段による報知を解除する報知解除部93とを設けてある。
なお、これら報知動作部92及び報知解除部93は、センサ側あるいはリモコン側に設けてもよい。これにより温水機器側の制御負担を少なくできる。
【0034】
また、風呂リモコン60には報知を解除するための報知解除手段62であるインターホンスイッチ、温水機器を操作するための操作用のスイッチ63、表示を行うための液晶表示板、タッチパネル等の表示手段64が設けられている。リモコンの運転スイッチにより報知解除するようにしてもよい。
また台所リモコン70には報知を解除するための報知解除手段72であるインターホンスイッチ、温水機器を操作するための操作用のスイッチ73、表示用の表示手段74が設けられている。
また、各リモコンに設けた音声報知のための報知手段61、71は、スピーカと音声ICとにより構成することを推奨する。
【0035】
さらに、報知解除手段72による報知解除がなされない場合において、緊急連絡用の特定電話番号に発信する電話発信部100を制御部90内に設けてもよい。
【0036】
図8は人体検出センサ51と各リモコン60・70、温水機器40間の通信接続関係を示す回路図の一例であり、本実施例は通信ICを使用して接続してある。
人体検出センサ51には前述した撮像装置6の他、制御装置7、通信用の通信ICからなる通信部53を設けてある。
この通信部53は、アナログ通信部55とデジタル通信部56とにより構成してある。
【0037】
風呂リモコン60には、前述した操作スイッチの他に、ドットマトリックス表示部からなる表示手段64、風呂リモコン制御部65、通信用の通信ICからなる前記同様のアナログ通信部66、デジタル通信部67を設けてある。また、風呂リモコン60には、スピーカ等61に報知用の音声IC68、PCMコーディック69を設けてある。このPCMコーディック69は、例えばADPCM、DPCMなどのPCM(pulse code modulation)方式により、音声情報や映像情報を符号化及び復号化するものである。
【0038】
また、風呂リモコン60のインターホンスイッチ62は通話ボタンの押し操作により、台所リモコン70に設けたインターホンのスピーカと通話状態とするものである。マイクロホンスイッチと兼用させてもよい。そして、インターホンには、人体の動きの停止を検出したとき、あるいは報知手段による警報を発したときに、通話ボタンの押し操作なしに、風呂と台所との通話を可能にしインターホンを通話可能に作動させるインターホン作動手段120を設けてある。このインターホン作動手段120はマイクロコンピュータ内にソフトウエアとしてプログラムされているものであって、マイクロコンピュータ自体は風呂リモコンに設けてもよく、または人体検出センサ51あるいは温水機器のコントローラ内に設けてもよい。図12のものでは人体検出センサ51の制御装置7のマイクロコンピュータにプログラムされている。風呂リモコン60のリモコンケースには、ケーブル41を接続するための接続用の端子85を設けてあり、ケーブル41により温水機器40と接続する台所リモコン70を介して風呂リモコン60を経て、人体検出センサ51に作動用の電源を供給するようになっている。
【0039】
また、前記人体検出センサ51には、後述する音声記憶部及び画像記憶部とからなるデータ記憶部54を設けてある。
図8において台所リモコン70には、前述した操作スイッチ73の他、ドットマトリックス表示部からなる表示手段74、台所リモコン制御部75、アナログ通信用の通信ICからなるアナログ通信部76、デジタル通信用の通信ICからなるデジタル通信部77を設けてある。78は音声ICでスピーカ等71に報知用のICである。79はPCMコーディックである。また、台所リモコン70のインターホンスイッチ62はその通話ボタンの押し操作により、風呂リモコン60に設けたインターホンのスピーカと通話状態となるものである。マイクロホンスイッチと兼用させてもよい。そして、前記同様に、人体の動きの停止を検出したとき、あるいは報知手段による警報を発したときに、通話ボタンの押し操作なしに、風呂と台所との通話を可能にしてインターホンを通話可能に作動させるようにしてある。
温水機器40には、前述した制御部90、給湯制御部91の他、通信用の通信ICからなるアナログ通信部95、商用電源を低電圧化するためのトランス96等を設けてある。
【0040】
そして、人体検出センサ51のアナログ通信部55及びデジタル通信部56は、風呂リモコン60のアナログ通信部66及びデジタル通信部67と接続され、該風呂リモコン60のアナログ通信部66及びデジタル通信部67は、台所リモコン70のアナログ通信部76及びデジタル通信部77を介して温水機器40のアナログ通信部95と接続されている。
これら通信部間のケーブル41線は電力重畳式の二芯ケーブルを使用し、センサ用の信号と通常の給湯制御用の制御信号と重畳して伝送するようにしておけばよい。また、人体検出センサ51には前述した感知部材80を接続してある。
【0041】
図9は人体検出センサを操作し、報知手段に報知させるため人体検出センサに設けたEEPROM等から構成したデータ記憶部54の内容を示す説明図である。
【0042】
図9において音声記憶部101は、前述したリモコンの報知手段61、71に音声を報知させるための音声データを記憶させたものである。この音声記憶部101は、少なくとも、入浴者に対して「動いて下さい」と言うメッセージで体を動かす動作の要求を報知するための音声データを記憶させた動作要求報知音声記憶部107と、入浴者の動きが停止して所定時間経過した場合に他者に「浴室を見に行って下さい」と言う警報を発するための音声データを記憶させた警報報知音声記憶部108とから構成してある。メロディを報知するようにしてもよい。また、前記動作要求報知音声記憶部107と報知手段61、71とで動作要求報知手段を構成している。
【0043】
102は画像記憶部であり、前記リモコンに設けた表示手段64、74に人体検出用の画像を表示させるための画像表示データを記憶させたものである。
この画像記憶部102は、人体検出に必要な機能を画像により表示するためのものであり、例えば人体検出の初期操作に必要な画面を表示手段に表示するための画像データを記憶させる操作用画像記憶部103、人体の動きが停止した状態を前記表示手段に表示する画像データを記憶する停止画像記憶部104、報知手段を報知させた状態を前記表示手段に表示するための画像データを記憶する報知用画像記憶部105及びその他画像を表示するために必要なデータを記憶させるその他記憶部106から構成してある。その他記憶部106には、動きのある画像を表示するため複数枚の静止画像データを記憶させてある。この動きのある画像とは、人体の実際の撮像画像ではなく、人体が動いていることを示す擬似的な画像、例えば動きのある人形のアニメーションのような画像を意味するものである。動きのある画像のみならず停止画像についても、擬人化することで、プライバシーの保護を図っている。浴室情報記憶手段109は、試運転時に人体検出に必要な浴槽、浴室情報を記憶させるためのものである。例えば、浴槽の大きさ、色彩、形状、浴室床面の色彩、壁面の色彩等の浴室情報を入力することにより、人体検出センサのしきい値等を補正して最適な状態で動きを検知するためのものである。
【0044】
なお、画像記憶部102は、本実施例では人体検出センサ51側に設けているが、この例に限られず、図16に示すように、リモコン側例えば風呂リモコン60の風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータに一体的あるいは別体的に設けてもよい。そして、風呂リモコン制御部65には、画像記憶部102のその他記憶部106から画像データを呼び出して表示手段64、74に表示するための動き画像表示手段133をプログラムしている。この動き画像表示手段133は、動き量演算手段111による動き量の検出の信号により作動するようになっている。そして、複数枚(たとえば5枚)の静止画像を一定時間間隔で順次表示手段の画面に表示させることで、残像現象により動く画像を形成することができる。
【0045】
また、風呂リモコン制御部65には、画像記憶部102のその他記憶部106から前述した複数枚の静止画像の中から停止状態に見合った1枚の静止画像のデータを呼び出して表示手段64、74に表示するための停止画像表示手段134をプログラムしている。この停止画像表示手段134による表示は、表示の解除手段により解除される。解除手段は、例えば人体の動きの検出による検出信号を受けて解除されるようになっている。解除と同時に、動き画像を表示するようにしてもよい。
【0046】
また、停止画像表示手段134は、判定手段32による人体の停止判定の信号により作動するようになっている。風呂リモコン制御部65には、停止画像表示手段134による表示を解除して、動き画像表示手段133を作動させ、動きのある画像に切り替えるための切替手段135をプログラムしている。切替手段135は、具体的にはリモコンの運転スイッチ129操作による信号により作動するようにしてある。
【0047】
そして、人体検出の操作に際しては、予めリモコンの操作スイッチを操作して、人体検出センサ51側の操作用画像記憶部103から操作に必要な初期画面画像を表示手段64、74に呼出して表示させ、その画面から特定の画面を選択して操作を開始する。2回目からは、これらを記憶させて使用すればよい。操作と同時に、人体検出センサ51側の音声記憶部101から音声データの一部を呼出して、スピーカ等の報知手段61、71により音声で報知させる。
【0048】
次に、前述したように、入室判断がされると、図6に示されるように、人体監視のフローつまり人体停止の検出フローに入り、撮像装置6によって前述したように所定時間間隔で人体を撮像し(ステップS11)、撮像した前画像と所定時間後の現画像とを一旦制御装置7に記憶させる(ステップS12)。
【0049】
次に、制御装置7にプログラムされた動き量演算手段111により、各領域毎の各画素毎に、前画像の受光量と現画像の受光量との差分(動き量)を演算する(ステップS13)。動き量演算による人体の動きの検出により、画像記憶部102から画像データが呼び出されて、動き画像表示手段133によって表示手段64、74に動きのある画像が表示される(ステップS21)。この動きのある画像は例えば、手を動かしているアニメーション、体を上下、左右に動かしている画像により構成すればよい。 一方、前記動き有無領域検出手段112により、動きの発生している領域が検出される(ステップS14)。
【0050】
そして、これらの情報は制御装置7の判定手段32に送られる。判定手段32においては、動きの生じている領域が予め特定された領域、すなわち、浴槽領域31又は洗場領域30に該当するか否かを、特定領域該当判定手段113によって判定するのである。さらに、判定手段32においては平行して、動き有無判定手段114により動きがあるか否かを判定するのである。
【0051】
動きが生じている領域が、浴槽領域31又は洗場領域30に該当する場合(ステップS15でイエスの場合)において、かつ、動きがないと判定されたとき(ステップS16でイエスのとき)には、浴室内で入浴者が倒れたものと推定して、人の動きが停止したものと判定している(ステップS17)。
この停止判定により、次の報知警報のステップに移行するようになっている。
【0052】
また、浴槽、洗場領域において、動きがあると判定された場合(ステップS16でノーの場合)には、前記同様に撮像、演算、判定が所定時間時間毎に更新して繰り返されるのである。さらに、ステップS15において、動きが生じている領域が浴槽又は洗場領域以外の場合(ステップS15でノーの場合)であって、その後動きがないと判定された場合(ステップS18でイエスの場合)には、赤外線センサ52のオフ(ステップS19でイエスの場合)を条件に、感知部材80がオン若しくはオフ操作されることで、浴室から退出したものと判断するようにしている(ステップS20)。具体的には、スイッチ等の感知部材80により、監視領域から退室した旨の信号を人体検出センサの退室判断手段122に送信し、退室判断手段122はこの信号を受けて、退室があったものと判断するようにしてある。退室判断がなされることで、以後の人体停止の検出、すなわち、動作停止の監視は、入室判断がされない限り行なわれないようになっている。また、動きが生じている領域が浴槽又は洗場領域以外の場合(ステップ15でノーの場合)であって、その後も動きが継続しているとき(ステップS18でノーのとき)は、浴室入口付近で活動していると考えられるから、継続して監視がなされるのである。このように、入口領域で立ち止まっているときであっても、停止したものとは判断されないことにより、誤判定による警報を生じさせることがなくなるのである。
【0053】
次に、図13に示す人体監視フローについて説明する。
前述したように停止判定がなされた場合には(ステップS30)、停止判定の信号が出力されて、動きのある画像を停止すると共に停止画像表示手段134が作動して、停止状態を示す画像が表示手段64、74に表示される(ステップS30)。つまり、動き画像が停止しこれに代わって停止画像が表示されることとなる。これにより、入浴者は動き始める等の意識付けがなされ、また、家族の者は警報前に浴室の状態を把握できる。この停止画像は、前述した動きのある画像の一部を構成する1枚の静止画像を利用して構成してあり、画像を共用することで画像作成が簡素化される。また、リモコンの表示部をドットマトリックス表示とすることで、画像を共用しても、絵柄のずれが生じにくくなり、外部からの画像の確認を行いやすい。
【0054】
そして、人体検出センサ51の制御装置7に設けたタイマ手段117が停止カウントの作動を開始する(ステップS31)。このタイマ手段117は、判定手段32による停止判定の信号によりスタートし所定時間をカウントするものである。この所定時間は2段階に分かれており、第1段階の所定時間は例えば90秒、これに続く第2段階の所定時間は30秒に設定してある。所定時間はこの例に限られることなく、これ以外に任意に設定することができる。例えば、報知時点から遡って30秒前と15秒前の2段階としてもよい。
【0055】
そして、タイマ手段117と表示手段64、74との関係は、タイマ手段117は人体検出センサ51の制御手段であるマイクロコンピュータのクロック機能を利用して、通常時においては時刻をカウントしている。この時刻の表示は風呂リモコン60に設けた風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータの時刻表示手段130によって、風呂リモコン60の表示手段64に表示されている。また、風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータには、停止判定後のタイマ手段117によるカウント開始から設定時間経過後に、表示手段64にカウントの表示を行うためのカウント表示手段131を設けてある。また、風呂リモコン制御部65のマイクロコンピュータには、表示手段64の画面を、時刻表示からカウント表示に切り替える切替表示手段132を設けてある。
【0056】
そして、図13において、停止判定後において設定時間が経過すると(ステップS40でイエスの場合)、カウント表示手段131により表示手段64、74に数値が表示される(ステップS41)。数値に代えて時間経過に応じた異なる絵図で表示してもよい。ここで、カウントは開始されているが、カウントの表示のみを、停止判定時であるカウント開始時よりも設定時間遅らせることで、入浴者にとっては、停止後すぐにカウントされることによる不安感を払拭することができる。また、後述する動作要求に応じて、動きを開始した場合にはタイマ解除されて、カウント表示自体を省略することができて、時計表示への切り替えの回数を少なくすることができる。
【0057】
さらに、動きの無い状態が第1の所定時間(90秒間)継続すると(ステップS33)、動作要求信号が人体検出センサ51側より出力され(ステップS34)、風呂リモコン60から入浴者に対して動作要求の報知がなされる(ステップS35)。この報知手順については、人体検出センサ51側の音声記憶部101の動作要求報知音声記憶部107と画像記憶部102の停止画像記憶部104から、停止した場面に対応する予め記憶させた情報を読み出して、アナログ通信部55及びデジタル通信部56を介して伝送し、リモコン部に音声で報知すると共に画像で表示する。
【0058】
この報知は具体的には、例えば「浴室での動きがありません。動いて下さい」という音声情報および文字画像によって報知するようにすればよい。浴槽内ではじっとしていると動きが止まる場合があるので、入浴者に対して動きを要請して、人体検出センサの誤警報を防ぐためである。この報知は浴槽に浸かって動きがなくなってしばらくしてから、すなわち、停止判定後であって所定時間経過後に行われる。従って、浴槽に浸かった直後に動作要求がなされることはなくなる。
【0059】
停止判定後上記所定時間内に、人体検出センサ51が人の動きを検出した場合には(ステップS32でノーの場合)、入浴者は健在であると推測でき、タイマは解除される(ステップS42)。そして同時に、人体の動きの検出による検出信号を受けて停止画像表示手段134による停止画像の表示が解除される(ステップS43)。解除されたのち、動き画像表示手段133により、動き画像を再び表示するようにしてもよい。これにより、遠隔場所に居る家族の者は停止後動き始めたことを知ることができる。
【0060】
そして、動作要求が報知された後(ステップS35)においても依然として動きのない停止状態が第2の所定時間(30秒間)継続した場合には(ステップS36、37でイエスの場合)、入浴者の異常状態と判定され、判定手段32から異常検出信号を出力し、音声記憶部101の警報報知音声記憶部108及び画像記憶部102の報知画像記憶部105から、他者に異常状態を知らせるための予め記憶させた情報を、通信部53を介して伝送し、温水機器の各リモコンの報知手段61、71に音声で警報すると共に表示手段64、74に画像で表示する(ステップS38)こととしている。
【0061】
この警報(ステップS38)は具体的には、例えば「浴室を見に行って下さい」という音声情報および文字画像によって警報するようにしてある。これにより、人体検出センサ51による人体の異常情報を浴室のみならず台所に同時に警報することができる。
【0062】
この警報信号は、通信ICからなる通信部を介して、図8のように伝送する。すなわち、人体検出センサ51に設けた音声記憶部101、画像記憶部102から、音声及び画像データを前述した信号に応じて呼び出し、アナログ及びデジタル通信部66、76を介して台所リモコン70に伝送し、台所リモコン70に設けられたスピーカ等の報知手段71及び表示手段74に報知及び表示する。画像の検出、処理は前述した各領域29、30、31毎に行っているので、報知及び表示のための応答速度を早めることとなる。
【0063】
インターホンはすでに通話可能状態となっているので、体は動かないが声を出すことのできる入浴者は、通話ボタンを押さなくても、異常状態の緊急時には声を出しさえすれば、直ちに浴室外の家族と連絡をとることができて便利なものとなる。
【0064】
図13において動作要求報知後所定時間内に、人体検出センサ51が人の動きを検出した場合には(ステップS36でノーの場合)、入浴者は健在であると推測でき、前記同様にタイマは解除される(ステップS44)。そして同時に、人体の動きの検出による検出信号を受けて停止画像表示手段134による停止画像の表示が解除される(ステップS45)。解除されたのち、動き画像を再びリモコンの表示手段64,74に表示するようにしてもよい。これにより、警報報知に至るまでの浴室内の状態を遠隔場所から把握することができる。
【0065】
そして、警報報知がなされた後は、家族の者が浴室に駆けつけ、救助を行うこととなる。報知、停止画像表示の解除は例えば、運転スイッチ129のオフ操作によって行えばよい(ステップS39)。運転スイッチオフの後、再び運転スイッチをオンし、動き量を検出することにより、動き表示ができるようにしておけばよい。
【0066】
図5はセンサの作動フローであり、まず、温水機器40の風呂リモコン60に設けた運転スイッチ129をオンとする(ステップS50でイエスの場合)。これにより、給湯器が使用できるようになると共に人体センサ5に作動用の電源が供給される。
【0067】
次に浴室内の照明器具に点灯されて撮像に必要な照度がある場合(ステップS51でイエスの場合)、人体検出センサは作動待機状態となっている。ここに作動待機状態とは、自動調光が行なわれ、前述した動き量の演算ができうる状態であり、監視領域の撮像が可能な状態であることを意味する。ここで人が入室する(ステップ52)と、入室条件に合致しているか否かが判断される(ステップS53)。入室条件に合致する場合とは、前述したように排水口に設けた水流スイッチのオン信号、ドアスイッチのオン信号、温度センサあるいは湿度センサまたは光度センサの検出信号、2つの赤外線センサの両信号等の出力を、制御装置7の入室判断手段121に入力されることで、入室判断手段121により入室条件を満たしていると判断された場合をいい、条件を満たしている場合には人の入室があったものと判断確定させることとしている(ステップS54)。
【0068】
このように、浴室への入室時に入室判断手段121により、自動的に人の入室を検出するようにしているが、この例に限られず、例えば洗面所、トイレ等に設けたスイッチにより、入室判断手段121に信号を送信して、監視領域に入ったことの判断、即ち入室判断させるようにしてもよい。
【0069】
入室判断されることで、監視フローつまり人体の停止検出のフローに移行する。そして浴室内で動きが有るか否かが判定され、動きがある場合(ステップS55でイエスの場合)には、退室条件に合致する場合に(ステップS56でイエスの場合)、退室判断がなされる(ステップS59)。ここに退室条件に合致する場合とは、前述したように排水口に設けた水流スイッチのオフ信号、ドアスイッチのオフ信号、温度センサあるいは湿度センサまたは光度センサの検出信号、第2赤外線センサの最後のオフ信号等の出力を、制御装置7の退室判断手段122に入力されることで、退室判断手段122により条件を満たしていると判断された場合をいい、この条件を満たすことで人の退室があったものと判断確定させることとしている(ステップS59)。
【0070】
一方、ステップS55で浴室内の動きが検出されない場合(ステップS55でノーの場合)において、動きのない状態が一定時間継続経過すると(ステップS57でイエスの場合)、人体に異常があったものと推測して動き停止の判定を行い、警報を発令することとしている(ステップS58)。
【0071】
一定時間内に再び動きが生じた場合には(ステップS57でノーの場合)、継続して動き量の演算がなされる。そして、スイッチ等がオフされた場合には(ステップS56でイエスの場合)、オフ信号が制御装置7の退室判断手段122に入力され、退室判断されることとなる(ステップS59)。この退室判断により、後続の入室判断がない限り動作停止の監視フローに入ることはない。これにより、動作停止が検出される場合は、本来警報報知が必要な場合にのみ報知表示手段に報知されることとなる。
【0072】
そして、退室の判断がなされた(ステップS59)後、監視領域内で動きが残っていた場合、例えば浴室のガラスドアを通して人体の動き量が検出された場合、動き判定停止手段123により、退室判断直後の一定時間内は動きの判断をしないようにしている(ステップS60)。一定時間とは、例えば着替えに要する時間に設定しておけばよい。これにより、ガラス越しに人体の動きが検出されて、入室判断されることを防止できる。入室していないにもかかわらず、入室判断とされて、人体停止の検出フローに移行するのを回避するためである。一定時間経過した後は、最初に戻り、入室の判断が可能となるようになっている。
【0073】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲内で各種設計変更可能である。
また、本実施形態ではシステムバスルームについて説明したが、この例に限られることなくこれ以外の既存の浴室にも設置できるものである。さらに人体検出センサはCCDカメラを使用したものであってもよい。また、人体検出センサと報知手段とを有線により接続したものを示したが、無線により接続したものであってもよい。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明は、人の入室及び退室の判断を確実に行なうことができ、動き判定の開始あるいは終了を迅速に行なわせることができる。
また本発明は、動き判定停止手段を設けることにより、一定時間内は動きの判断をすることはなくなり、入室判断に至る不具合を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態を示す全体構成図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態を示す電気回路のブロック図である。
【図3】図3は人体検出センサの画像検出部の1画素を構成する画像コア回路の構成を示す回路図である。
【図4】図4はセンサの撮像範囲と検知範囲及び検知領域との関係を示す説明図である。
【図5】図5は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】図6は本発明の人体停止検出のフローを示すフローチャートである。
【図7】図7は本発明の装置全体を示す一実施形態を示すブロック図である。
【図8】図8は通信関係を示す他実施形態を示すブロック図である。
【図9】図9は記憶部の概要を示すブロック図である。
【図10】図10の(a)は右下方へ向けて移動した物体の現画像と前画像を示す図、(b)は前画像の明暗を各画素毎に示す図、(c)は現画像の明暗を各画素毎に示す図である。
【図11】図11は画像の境界に対応する画素における明暗の変化を示す差分画像を表わした図である。
【図12】図12は一実施形態を示す電気回路ブロック図である。
【図13】図13は一実施形態を示す人体監視のフローチャートである。
【図14】図14は他実施形態を示す電気ブロック図である。
【図15】図15は本発明の他実施形態を示す電気ブロック図である。
【図16】図16は本発明の一実施形態を示す電気ブロック図である。
【図17】図17は水流スイッチの具体例を示す断面図である。
【図18】図18は本発明の一実施形態を示すフローチャートである。
【図19】図19は本発明の他実施形態を示すフローチャートである。
【図20】図20は本発明の他実施形態を示す電気ブロック図である。
【図21】 図21は参考例としての一実施形態を示すフローチャートである。
【図22】 図22は参考例としての他実施形態を示すフローチャートである。
【図23】 図23は参考例としての他実施形態を示す説明図である。
【図24】 図24は参考例としての他実施形態を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 浴室
2 浴槽
3 洗場
4 出入口
5 人体センサ
6 撮像装置
7 制御装置
24 領域分割手段
26 検知領域
29 入口領域
30 洗場領域
31 浴槽領域
32 判定手段
40 温水機器
51 人体検出センサ
60 風呂リモコン
64 表示手段
70 台所リモコン
80 感知部材
109 浴室情報記憶手段
111 動き量演算手段
121 入室判断手段
122 退室判断手段
123 動き判定停止手段
146 測定手段
147 第1赤外線センサ
148 第2赤外線センサ

Claims (3)

  1. 監視領域を所定時間間隔で撮像する撮像装置と、人体の動き量を前記所定時間間隔前後の両画像の比較により受光量の差として演算する動き量演算手段を有する人体検出センサと、動き量演算手段による動きの有無を判定する動き有無判定手段と、該動き有無判定手段により人体の動きの停止を検出する手段を設けたものであって、人の入室により人体の動きの判定を開始し、退室により人体の動きの判定を終了するものにおいて、排水口に水流により開閉するスイッチを設け、該スイッチの開閉に応じて人の入室及び退室を判断する手段を設けたことを特徴とする人体検出装置。
  2. 退室判断後の一定時間内は人体の動きを判断しない動き判定停止手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の人体検出装置。
  3. 前記監視領域は、浴室の入口領域、浴槽領域、および洗場領域に分割されており、これらの分割された領域ごとに動きの有無が判定されるように構成されている、請求項1または2に記載の人体検出装置。
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