JP3959445B2 - スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法 - Google Patents

スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法に関する。スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルは、ドープポリアニリンの原料として有用である。
【0002】
ドープポリアニリンとは、ドープされたポリアニリンまたはドープ状態のポリアニリンをいう。
【0003】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
特開平8−120167号にはドープポリアニリンの製造方法として、5−スルホナトリウムイソフタル酸ジメチルとジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテルとから、エステル交換反応により5−スルホナトリウムイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)を製造し、これをイオン交換処理により遊離スルホン酸とした後にポリアニリンにドープする方法が記載されている。
【0004】
この方法では、5−スルホナトリウムイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)の製造において、(1)エステル交換反応の反応温度として200℃以上の高温度を要し、しかも満足できる反応率が得られないという欠点、(2)エステル交換反応においてジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテルを大過剰に使用するため、コスト的な問題から、反応終了後にジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテルを回収して再使用することが必須であるが、ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテルの沸点が高いため、回収に際しては200℃以上の高温と高真空が必要となるという欠点、(3)ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテルを回収した後に残存する反応器の内容物が、高粘性で取り扱いが極めて困難であるという欠点がある。
【0005】
さらに、エステル交換反応で得られた5−スルホナトリウムイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)をポリアニリンにドープする際には、遊離スルホン酸に変える必要があり、工程が煩雑であった。
【0006】
本発明の課題は、上記のような煩雑な工程が不要で、酸化重合するのみで容易にドープポリアニリンを形成するスルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルを、高反応率かつ容易に製造する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルを高純度で得る方法を見出した。このスルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルは、酸化剤を加えて重合するのみで、容易にドープポリアニリンを形成する。
【0008】
すなわち、本発明は、下記に示すとおりのスルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法を提供するものである。
【0009】
1.式(1)で表される5−スルホイソフタル酸と一般式(2)で表されるアルコール化合物とを、水非混和性有機溶媒の存在下で共沸脱水によりエステル化反応させて一般式(3)で表される5−スルホイソフタル酸ジエステルを得た後、一般式(4)で表されるアニリン類で中和することを特徴とする一般式(5)で表される5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法。
【0010】
【化2】
Figure 0003959445
【0011】
(式中、Rは、R1OCH2CH2OCH2CH2−を示す。R1は、水素、炭素数が1〜15のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアリールオキシアルキル基を示す。一般式(3)および一般式(5)において、それぞれ2つのRは同じであっても異なっていてもよい。R2は、炭素数が1〜4のアルキル基またはアルコキシル基を示す。nは0〜2の整数を示す。一般式(4)および一般式(5)においてnが2の場合に、それぞれ2つのR2は同じであっても異なっていてもよい。)
2.エステル化反応を70〜100℃の温度で行うことを特徴とする上記項1に記載の製造方法。
【0012】
3.一般式(2)で表されるアルコール化合物を、5−スルホイソフタル酸に対して1.9〜3.0倍モル反応させることを特徴とする上記項1または2に記載の製造方法。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明においては、エステル化反応の原料として5−スルホイソフタル酸を用いており、この5−スルホイソフタル酸のスルホン酸基が酸触媒として働くため、エステル化反応の反応速度を高め、低い温度でも反応が進行するという利点がある。
【0014】
エステル化反応の他方の原料であるアルコール化合物は、R1OCH2CH2OCH2CH2OHで表される。ここで、R1は、水素、炭素数が1〜15(好ましくは2〜12)のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアリールオキシアルキル基を示す。このアルコール化合物としては、具体的には、ジエチレングリコール−モノメチルエーテル、ジエチレングリコール−モノエチルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコール−モノビニルエーテル、ジエチレングリコール−モノメチルチオエチルエーテル、ジエチレングリコール−モノフェニルエーテル、ジエチレングリコール−モノ−p−トリルエーテル、ジエチレングリコール−モノベンジルエーテル、トリエチレングリコール−モノブチルエーテル、トリエチレングリコール−モノフェニルエーテル等が挙げられる。
【0015】
本発明のエステル化反応においては、一般式(2)で表されるアルコール化合物を、5−スルホイソフタル酸に対して1.9〜3.0倍モル仕込む。好ましくは、5−スルホイソフタル酸に対して2.0〜2.5倍モルのアルコール化合物を仕込む。アルコール化合物が1.9倍モル未満だと、生成収率が低下する傾向がある。アルコール化合物が3.0倍モルを超えると、未反応アルコール化合物が残存し、品質低下とコストアップの傾向がある。
【0016】
本発明においては、水と混和せず共沸混合物を形成する有機溶媒をエステル化反応系に存在させ、副生する水を共沸脱水により系外に除去し、エステル化反応を進行させる。留出した水/有機溶媒混合物は凝縮させて分液し、有機溶媒相を反応系に戻して再使用することができる。
【0017】
このような水非混和性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族系溶媒等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0018】
水非混和性有機溶媒の使用量は、一般式(2)で表されるアルコール化合物に対して0.5〜5.0重量倍であり、好ましくは1.0〜3.0重量倍である。水非混和性有機溶媒の使用量がこの範囲を外れると、生成収率が低下する傾向がある。
【0019】
エステル化反応の反応温度は、70〜100℃であり、好ましくは75〜90℃である。エステル化反応時間は、短いと反応が不充分であり、長すぎると目的生成物の分解が併発して生成収率が低下するため、最適値はスケール、装置により異なるが、通常2〜20時間である。また、エステル化反応は、通常は減圧下で行われる。
【0020】
エステル化反応により、一般式(3)で表される5−スルホイソフタル酸ジエステルが生成する。この5−スルホイソフタル酸ジエステルとしては、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノメチル)、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノエチル)、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−プロピル)、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノフェニル)等が挙げられる。
【0021】
エステル化反応が終了した後に、反応系を冷却し、一般式(4)で表されるアニリン類で中和することにより、一般式(5)で表される5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルが生成する。
【0022】
アニリン類としては、アニリン、メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、ブチルアニリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジプロピルアニリン、ジブチルアニリン、メトキシアニリン、エトキシアニリン、プロポキシアニリン、ブトキシアニリン、ジメトキシアニリン、ジエトキシアニリン、ジプロポキシアニリン、ジブトキシアニリン、メチルエチルアニリン、メチルプロピルアニリン、メチルブチルアニリン、メトキシエトキシアニリン、メトキシブトキシアニリン、メチル−メトキシアニリン、エチル−メトキシアニリン、ブチル−メトキシアニリン、メチル−エトキシアニリン、メチル−ブトキシアニリン、エチル−エトキシアニリン等が挙げられる。
【0023】
本発明の中和反応においては、一般式(4)で表されるアニリン類を、反応混合物の酸分相当量に対して0.9〜2.0倍使用する。アニリン類が0.9倍未満だと、アニリン塩の安定性が悪くなる。
【0024】
中和終了後、水を添加しながら水非混和性有機溶媒を蒸留回収することにより、目的の一般式(5)で表される5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの含有液を高純度、高収率で得ることができる。水非混和性有機溶媒の蒸留回収温度は、70〜100℃であり、好ましくは75〜90℃である。水非混和性有機溶媒の蒸留回収は、通常は減圧下で行われる。
【0025】
水非混和性有機溶媒を共沸により比較的低温で回収できるので、目的物の分解を防止することができる。また、留出した水/有機溶媒混合物は相分離するために回収が容易で、有機溶媒相を分液処理して再使用することができる。
【0026】
一般式(5)で表される5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルとしては、5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノメチル)、5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノエチル)、5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノフェニル)、5−スルホ−メチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−エチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ブチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジメチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジエチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジブチルアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−メトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−エトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ブトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジメトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジエトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)、5−スルホ−ジブトキシアニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)等が挙げられる。
【0027】
以上のようにして得られた5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルを、酸化剤を用いて酸化重合させることにより、5−スルホイソフタル酸ジエステルでドープされたポリアニリンを容易に得ることができる。
【0028】
酸化剤としては、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、KMnO4、MnO2、FeCl3、K2Cr27、NaIO3等が挙げられる。中でも、過硫酸アンモニウム、過酸化水素が好ましい。
【0029】
酸化重合反応においては、酸化剤を、アニリン類に対して2当量以上使用する。好ましくは、2〜2.5当量の酸化剤を使用する。酸化剤が2当量未満だと、重合度が低下する傾向がある。
【0030】
酸化重合反応における溶媒としては、水、水混和性有機溶媒、水非混和性有機溶媒等を使用することができる。水混和性有機溶媒としては、メタノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、エチレングリコール等のグリコール類、THF等のエーテル類、アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。水非混和性有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、ジクロロメタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素等が挙げられる。これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
酸化重合反応の反応温度は、10℃以下であり、好ましくは5℃以下である。酸化重合反応の反応時間は、1〜20時間であり、好ましくは5〜15時間である。
【0032】
なお、中和終了後に、水非混和性有機溶媒を蒸留回収することなく、反応液をそのまま重合反応に用いても、ドープポリアニリンを得ることができる。
【0033】
また、重合の際にアニリンを追加することにより、アニリンとドーパントのモル比が異なる種々の重合反応条件でドープポリアニリンを得ることができる。
【0034】
5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの酸化重合によって得られるドープポリアニリンは、導電性フィルム、防食塗料、帯電防止剤等として用いることができる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を、実施例によりさらに具体的に説明する。
【0036】
実施例1
反応器に、ブチルジグリコール(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチルエーテル:以下BDGと略すことがある)133g(820mmol)と5−スルホイソフタル酸100g(純度86.8%、353mmol)を加えて溶解させ、さらにクロロベンゼン266gを加えた。この溶液を、80〜86℃の温度で減圧下(210〜130mmHg)で蒸留し、留分を水とクロロベンゼンに分液させ、クロロベンゼン相を反応系に戻す操作を8時間行った。この間、留出した水量は22mlで、理論量の97%であった。この反応物をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析したところ、面積百分率で、目的のジエステル体[5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]が93%、モノエステル体が2%、不明成分が5%であった。
【0037】
反応終了後、反応物を30℃に冷却し、同温度以下でアニリン33g(353mmol)を加えて中和した。この液を75〜80℃の温度で減圧下(400〜250mmHg)で水を加えながら蒸留し、クロロベンゼンを完全に回収し、最終的に水を加えて濃度が10重量%のスルホン酸アニリン塩含有液2530gを得た。得られた含有液をHPLCで分析したところ、面積百分率で、ジエステル体[5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]が84%、モノエステル体が9%、不明成分が7%であった。含有液中に残存するBDGは4重量%であり、クロロベンゼンは検出されなかった。このスルホン酸アニリン塩含有液を分液し、有機相を脱水してKBr板に塗布し、IR測定を行った(図1参照)。
【0038】
なお、留分を分液処理し、クロロベンゼンを回収率99%で回収した。
【0039】
比較例1[エステル交換法]
反応器に、ブチルジグリコール207.8g(1250mmol)、5−スルホナトリウムイソフタル酸ジメチル27.8g(100mmol)および酢酸亜鉛0.067gを加え、210℃で8時間保温、撹拌した。留出したメタノールは6.1mlで、理論量の81%であった。この反応物をHPLCで分析したところ、面積百分率で、目的のジエステル体[5−スルホナトリウムイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]が71%、モノエステル体が20%、不明成分が7%、未反応物が2%であった。
【0040】
さらに、220℃、10mmHgで残存ブチルジグリコールを回収した。2時間で内容物が粘稠性の固体となって撹拌不能となり、回収を終了した。ブチルジグリコールの回収量は166gで、理論量の93%であった。ブチルジグリコール回収後の反応物は粘着性の飴状固体であり、取り扱いが極めて困難であった。この固体をHPLCで分析したところ、面積百分率で、ジエステル体[5−スルホナトリウムイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]が76%、モノエステル体が15%、不明成分が8%、未反応物が1%であった。残存するBDGは10重量%であった。
【0041】
この固体を水1000gに溶解し、酸型イオン交換樹脂を用いてイオン交換し、得られた遊離酸水溶液にアニリン93g(100mmol)を加えてスルホン酸アニリン塩[5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]含有液を得た。
【0042】
参考例1[酸化重合]
実施例1で得たスルホン酸アニリン塩[5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)]含有液345gを0℃に冷却し、これに、過硫酸アンモニウム14.8g(65mmol)を水45gに溶解した液を、−1℃〜−4℃に保ちながら、3.5時間かけて滴下した。滴下途中からドープされたポリアニリンが黒色の固体として析出した。さらに、−3℃〜−4℃に保ちながら、4時間撹拌した後、固体を濾取し、水洗、乾燥して、5−スルホイソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)でドープされたポリアニリン18.5gを得た。
【0043】
これを脱ドープ処理して分子量を測定した結果、数平均分子量が13,000で、重量平均分子量が176,000であった(いずれもポリスチレン換算)。
【0044】
参考例2
反応器に、アニリン15g、蒸留水270gおよび濃塩酸36gを加え、温度を0℃に保ちながら、過硫酸アンモニウム24.5gを蒸留水70gに溶解した溶液を1時間かけて滴下した後、さらに4時間撹拌した。濾別、水洗、メタノール洗浄、さらにエーテル洗浄を行った後、真空乾燥してポリアニリン12gを得た。
【0045】
これを脱ドープ処理して分子量を測定した結果、数平均分子量が12,000で、重量平均分子量が158,000であった(いずれもポリスチレン換算)。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、酸化重合するのみで容易にドープポリアニリンを形成するスルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルを、高反応率かつ容易に製造する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた5−スルホ−アニリニウム−イソフタル酸ビス(ジエチレングリコール−モノ−n−ブチル)のIRチャートである。

Claims (3)

  1. 式(1)で表される5−スルホイソフタル酸と一般式(2)で表されるアルコール化合物とを、水非混和性有機溶媒の存在下で共沸脱水によりエステル化反応させて一般式(3)で表される5−スルホイソフタル酸ジエステルを得た後、一般式(4)で表されるアニリン類で中和することを特徴とする一般式(5)で表される5−スルホアニリニウムイソフタル酸ジエステルの製造方法。
    Figure 0003959445
    (式中、Rは、R1OCH2CH2OCH2CH2−を示す。R1は、水素、炭素数が1〜15のアルキル基、アルケニル基、アルキルチオアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アリールアルキル基、アルコキシアルキル基またはアリールオキシアルキル基を示す。一般式(3)および一般式(5)において、それぞれ2つのRは同じであっても異なっていてもよい。R2は、炭素数が1〜4のアルキル基またはアルコキシル基を示す。nは0〜2の整数を示す。一般式(4)および一般式(5)においてnが2の場合に、それぞれ2つのR2は同じであっても異なっていてもよい。)
  2. エステル化反応を70〜100℃の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 一般式(2)で表されるアルコール化合物を、5−スルホイソフタル酸に対して1.9〜3.0倍モル反応させることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
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