JP3955783B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法とその発泡性スチレン系樹脂粒子 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法とその発泡性スチレン系樹脂粒子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ麺等のインスタント食品などの容器用発泡樹脂成形体、鋳造におけるフルモールド法用、各種梱包用発泡樹脂成形体、魚箱用発泡樹脂成形体、軽量盛土工法などのブロック用発泡樹脂成形体、各種OA機器、オーディオ機器、電化製品等の緩衝包装材用の原料に用いる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、およびその発泡性スチレン系樹脂粒子、ならびに該粒子を予備発泡させてなるスチレン系樹脂予備発泡粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
スチレン系発泡樹脂成形体は、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸せしめた発泡性スチレン系樹脂粒子を、水蒸気等の加熱媒体によって加熱、発泡させて予備発泡粒子とし、さらに該予備発泡粒子を、所望形状に構成された成形型のキャビティ内に充填し、水蒸気等の加熱媒体によってキャビティ内の予備発泡粒子を加熱して、樹脂粒子同士を融着せしめた後、これを冷却して型から取り出し、製品としている。
【0003】
このスチレン系発泡樹脂成形体を構成する小気泡の大きさ(セルサイズ)は、該成形体の品質特性である表面光沢、機械的強度特性、断熱性等を決めるファクターであり、このセルサイズを調整するために種々のセルサイズ調整剤が提案されている。例えば、特開平11−60785号公報には、セルサイズ調整剤と発泡剤とを含有してなるスチレン系発泡性樹脂粒子において、上記セルサイズ調整剤は、75℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱量(B)が0℃〜150℃の温度範囲の積算融解熱量(A+B)の80%を超えるポリエチレンワックスであり、かつ該セルサイズ調整剤は原料であるスチレン系単量体に対して1重量ppm以上10000重量ppm未満添加してなることを特徴とするスチレン系発泡性樹脂粒子が開示されている。
この従来技術では、ポリエチレンワックスをセルサイズ調整剤として使用することによって、内部と表面付近のセルサイズ差が小さい、すなわちセルサイズ調整されたスチレン系発泡性樹脂粒子を提供できることが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に記載されたように、セルサイズ調整剤としてポリエチレンワックスを用いたスチレン系樹脂発泡成形品は、耐油性が悪くなり、食用油が発泡成形品に接触するような用途、例えばカップ麺などのインスタント食品の容器にあっては、製品を高温状態で長期間陳列された場合、食品中の油が容器の外側に滲み出して見栄えが悪くなり、顧客に品質劣化を印象付ける不具合を生じる可能性がある。特にカレースープ味の調味料が麺とともに容器と直接接触するように包装されたカップ麺などでは、製品を高温状態で長期間陳列、保管しておくと、黄色い油が容器表面に滲み出して見栄えが極端に悪くなる問題があった。
【0005】
このような問題を未然に防ぐため、耐油性が要求される用途では、セルサイズ調整剤であるポリエチレンワックスを使用せず、発泡剤のみを樹脂粒子に含浸させた発泡性スチレン系樹脂粒子の使用が検討されている。しかし、発泡剤のみを含浸させて作製した発泡性スチレン系樹脂粒子は、製造直後に発泡使用すると気泡径が粗大化し、得られた発泡樹脂成形品は外観および機械強度が劣るものになってしまう。この気泡径の粗大化は、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造後、該粒子を涼しい場所に保管しておくこと(「熟成」と称される)が必要となる。この熟成に必要な期間、すなわち発泡時に均一な気泡が得られるまでの期間は、発泡性スチレン系樹脂粒子の製造後、カップ形状の発泡樹脂成形品用の粒子の場合には23℃で5日間程度、ブロック状発泡樹脂成形品用の粒子の場合には23℃で7日間程度を要する。このように、成形品の耐油性を改善するためにセルサイズ調整剤であるポリエチレンワックスを使用しない場合、発泡性スチレン系樹脂粒子に数日間以上の「熟成」期間が必要であり、そのために発泡樹脂成形体の製造がスムーズに行われず、熟成済みの樹脂粒子のストックがないと短期間に大量の製品を製造することができない問題があった。
また気温の高い夏場では、上記熟成に必要な日数がさらに長期化するため、夏場の熟成期間を短縮するために、熟成する粒子を保冷庫等に保管する必要があり、大型の保冷設備の設置コスト、設置スペース、及び保冷用のエネルギーコストなどの余分な経費がかかり、製造コストが増大する問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ポリエチレンワックスを使用せず、得られる発泡樹脂成形体の耐油性を改善し、かつ発泡成形時の気泡径を均一化するために必要な発泡性スチレン系樹脂粒子の熟成期間を大幅に減少できる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法、およびその発泡性スチレン系樹脂粒子の提供を目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、スチレン系樹脂粒子を含む水性媒体に発泡剤を添加し、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記発泡剤中に、炭素数3以下の炭化水素を、該発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して1.0%〜7.5%のモル数となるように配合する発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法およびその発泡性スチレン系樹脂粒子を提供する。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法から得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、ポリエチレンワックスを使用せず、得られる発泡樹脂成形体の耐油性を改善し、かつ発泡成形時の気泡径を均一化するために必要な発泡性スチレン系樹脂粒子の熟成期間を大幅に減少でき、発泡樹脂成形体の製造がスムーズとなる。また熟成期間の短縮によって大型の保冷設備の設置コスト、設置スペース、及び保冷用のエネルギーコストなどの余分な経費を省くことができる。また、配合量が1.0%未満または7.5%を越えるモル数では、熟成期間が減少しないので、本発明の効果が期待できない。より好ましい範囲は1.0〜7.0%である。
【0008】
本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記発泡剤は、炭素数4以上の炭化水素からなる主成分と、前記炭素数3以下の炭化水素とを必須の成分として含むものが好ましい。
また、前記炭素数3以下の炭化水素は、プロパン、エタン等の飽和炭化水素、プロピレン、エチレン等の不飽和炭化水素、フッ素化エタン等のハロゲン化炭化水素からなる群から選択される1種またはそれ以上が好ましい。
さらに、前記発泡剤の主成分は、ブタン、ペンタン等の炭素数4〜6の飽和炭化水素、炭素数4〜6の不飽和炭化水素、炭素数4〜6のハロゲン化炭化水素からなる群から選択される1種またはそれ以上が好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法は、スチレン系樹脂粒子を含む水性媒体に発泡剤を添加し、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させるものである。このスチレン系樹脂粒子は、スチレン系単量体を原料として、懸濁重合法などの重合法を用い、好ましくはビーズ状(球状)に形成されたものである。上記スチレン系単量体としては、スチレン単量体、またはスチレンを主成分とする単量体混合物、すなわち、スチレン単独かまたはスチレンを主成分とし、これと少量のその他の単量体を混合した単量体混合物である。スチレン以外の「その他の単量体」としては、例えば、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロロスチレン等のスチレン系単量体、メチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート等のメタクリレート単量体、エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアクリレート系単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等の多官能性単量体等が挙げられる。
【0010】
本発明において用いる発泡剤は、発泡剤中に、炭素数3以下の炭化水素を、該発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して1.0%〜7.5%のモル数となるように配合したものであり、好ましくは該発泡剤は、炭素数4以上の炭化水素からなる主成分と、前記炭素数3以下の炭化水素とを必須の成分として含む炭化水素混合物である。
【0011】
前記炭素数3以下の炭化水素としては、プロパン、エタン等の飽和炭化水素、プロピレン、エチレン等の不飽和炭化水素、フッ素化エタン等のハロゲン化炭化水素からなる群から選択される1種またはそれ以上であり、好ましくはプロパンが用いられる。
【0012】
また前記発泡剤の主成分は、ブタン、ペンタン等の炭素数4〜6の飽和炭化水素、炭素数4〜6の不飽和炭化水素、炭素数4〜6のハロゲン化炭化水素からなる群から選択される1種またはそれ以上であり、好ましくはn−ブタン、イソブタン、n−ペンタンなどの炭素数4〜5の飽和炭化水素である。
【0013】
発泡剤を添加、含浸させる量は、スチレン系樹脂粒子に対して3〜15質量%程度とするのが好ましい。発泡剤の添加、含浸時期は、スチレン系樹脂粒子の重合途中または重合後のいずれでも良いが、スチレン系樹脂粒子の重合途中で添加する場合、単量体の重合転化率85%以上となった時点より以降に添加することが望ましい。上記のように製造された発泡性スチレン系樹脂粒子は、所望時に、加熱して予備発泡粒子とし、更に所定の形状を有する金型を用いて発泡成形体とすることができる。
【0014】
予備発泡は、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を、例えば、予備発泡装置内で、水蒸気を0.03〜0.10MPa程度の蒸気圧で圧入することにより行うことができる。圧入時間は、一般に30〜180秒である。得られた予備発泡粒子は、好ましくは常温で、一日程度放置して熟成させた後、発泡成形に供される。発泡成形は、所望の形状を有するキャビティを備えた成形型を用い、キャビティ内に前記予備発泡粒子を充填し、該キャビティ内に、例えば蒸気圧0.04〜0.25MPa程度の水蒸気を導入することによって行うことができる。得られた発泡成形体は、冷却後、成形型から取り出される。
【0015】
【実施例】
容量100リットルのオートクレーブに120gのリン酸三カルシウム(大平化学社製)と、亜硫酸水素ナトリウムをスチレン単量体に対して20質量ppm、及び過硫酸カリウムをスチレン単量体に対して2.0質量ppm加え、更に140gの過酸化ベンゾイル(純度75%)、30gのt−ブチルパーオキシベンゾエート、40kgのイオン交換水及び40kgのスチレン単量体を混合して仕込み、撹拌下で溶解及び分散させて懸濁液を形成した。
【0016】
次に、200rpmの撹拌下でスチレン単量体を90℃、6時間、さらに115℃で2時間重合反応させた。反応終了後、冷却し、オートクレーブから内容物を取り出し、遠心分離工程に付したのち、乾燥させスチレン樹脂粒子を得た。
【0017】
得られたスチレン樹脂粒子を直径0.3〜0.4mmの小粒子と直径0.6〜0.7mmの大粒子に分級し、以下のように発泡剤を含浸し、発泡成形に使用した。小粒子はカップ形発泡成形体として評価し、大粒子はブロック型発泡成形体とし評価を行った。
【0018】
(小粒子の含浸・発泡・成形)
[実施例1]
容量5リットルのオートクレーブに2000gの水、12gのピロリン酸マグネシウム及び0.3gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを仕込み、水性媒体とし、これに2000gの小粒子を加えて300rpmで撹拌した。
次いで、100℃に昇温し、この温度を維持しながら、発泡剤として5gのプロパン(コスモ石油ガス社製、商品名プロパンゴールド)と120gのペンタン(昭和シェル石油社製、商品名ノルマルペンタン)を圧入し、2時間小粒子に含浸させ、その後冷却することにより発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この時のプロパンの配合量5gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して6.41%のモル数となる配合量であった。
この発泡性スチレン樹脂粒子をオートクレーブから取り出した後、遠心分離工程に付し、乾燥させた後、23℃の恒温室に保管し、一日毎に発泡性スチレン樹脂粒子を取り出して予備発泡装置を用いて予備発泡粒子を作製した。カップ形スチレン系樹脂発泡成形品用には嵩密度100g/リットルに発泡させた。
貯蔵一日経過日毎に得られた予備発泡粒子を24時間常温で放置し熟成させ、カップ形スチレン系樹脂発泡成形品用の内容量450ml、肉厚2mmのカップ成形用金型のキャビティ内に充填し、0.22MPaの蒸気圧で7秒間加熱し、続いて冷却し、離型することによってカップ形スチレン樹脂発泡成形品を得た。
【0019】
得られた発泡成形品を剃刀で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真撮影した。その写真から気泡径の均一状態を目視にて判断し、1.0mm四方の中にある気泡数を計測した。
(a)気泡径が全体的に均一であり、(b)気泡数が130個/mm2以上あれば、成形品の外観は美麗であり、機械強度も実用上問題ないことが、過去の多くの実験結果から明らかであることから、上記の判断基準(a)及び(b)を満たした時点で発泡性スチレン樹脂粒子の熟成が完了したと判断した。表1中の「熟成日数」とは、オートクレーブから発泡性スチレン樹脂粒子を取り出した日を1日とし、熟成完了までに要した日数を記載している。
【0020】
発泡性スチレン樹脂粒子の熟成完了が確認できたものについて、カレースープの発泡成形品表面への漏れ出し状態を評価した。
この評価方法は、市販のカレー味インスタントカップ麺に使用されているカレースープ粉末200gをカップ形発泡成形品(内容量450ml、肉厚2mm)に詰め、60℃の恒温室中に24時間放置し、発泡成形品表面(容器外面側)への油分(黄色)の漏れ出し状態を評価した。表1中の「カレー漏れ」の評価は、○は漏れ発生が0〜5%未満、△は漏れ発生が5〜20%未満、×は漏れ発生が20%以上を示す。容器外面側の黄色面積を測定し、容器外面側の全面積に対する割合を算出(%表示)した。実施例1〜3及び比較例1〜3ともサンプル数n=3の平均値で評価した。
試験結果を表1に示す。
【0021】
[実施例2]
プロパンを3gにした以外は実施例1と同様にした。この時のプロパンの配合量3gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して3.95%のモル数となる配合量であった。結果を表1に示す。
【0022】
[実施例3]
プロパンを2gにした以外は実施例1と同様にした。この時のプロパンの配合量2gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して2.67%のモル数となる配合量であった。結果を表1に示す。
【0023】
[比較例1]
プロパンを7gにした以外は実施例1と同様にした。この時のプロパンの配合量7gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して8.75%のモル数となる配合量であった。結果を表1に示す。
【0024】
[比較例2]
プロパンを0.5gにした以外は実施例1と同様にした。この時のプロパンの配合量0.5gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して0.68%のモル数となる配合量であった。結果を表1に示す。
【0025】
[比較例3]
プロパンに代えて発泡剤ではないがセルサイズ調整剤であるポリエチレンワックス(特開平11−60785号参照)4gを添加した以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
【0026】
(大粒子の含浸・発泡・成形)
[実施例4]
容量5リットルのオートクレーブに2000gの水、9gのピロリン酸マグネシウム及び0.3gのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを仕込み、水性媒体とし、これに2000gの大粒子を加えて300rpmで撹拌した。
次いで、90℃に昇温し、この温度を維持しながら、発泡剤として10gのプロパン(コスモ石油ガス社製、商品名プロパンゴールド)と180gのブタン(昭和シェル石油社製、商品名ブタンシルバー)を圧入し、2時間大粒子に含浸させ、その後冷却することにより発泡性スチレン樹脂粒子を得た。この時のプロパンの配合量10gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して6.82%のモル数となる配合量であった。
この発泡性スチレン樹脂粒子をオートクレーブから取り出した後、遠心分離工程に付し、乾燥させた後、23℃の恒温室に保管し、一日毎に発泡性スチレン樹脂粒子を取り出して予備発泡装置を用いて予備発泡粒子を作製した。ブロック状スチレン系樹脂発泡成形品用には嵩密度100g/リットルに発泡させた。
貯蔵一日経過日毎に得られた予備発泡粒子を24時間常温で放置し熟成させ、ブロック状スチレン樹脂発泡成形品用の300×450×100mmのブロック成形用金型のキャビティ内に充填し、0.06MPaの蒸気圧で30秒間加熱し、続いて冷却し、離型することによってブロック状スチレン樹脂発泡成形品を得た。
【0027】
得られた発泡成形品を剃刀で切断し、切断面を走査型電子顕微鏡で観察し、写真撮影した。その写真から気泡径の均一状態を目視にて判断し、1.0mm四方の中にある気泡数を計測した。
(a)気泡径が全体的に均一であり、(b)気泡数が80個/mm2以上あれば、成形品の外観は美麗であり、機械強度も実用上問題ないことが、過去の多くの実験結果から明らかであることから、上記の判断基準(a)及び(b)を満たした時点で発泡性スチレン樹脂粒子の熟成が完了したと判断した。表2中の「熟成日数」とは、オートクレーブから発泡性スチレン樹脂粒子を取り出した日を1日とし、熟成完了までに要した日数を記載している。
【0028】
得られたブロック状発泡成形品の気泡粗密の程度、表面伸び及び融着の度合を測定し、結果を表2に記載した。各試験項目の評価基準は次の通り。
気泡粗密:○は気泡粗密なし、△は若干気泡粗密あり、×は気泡粗密あり。
表面伸び:○は伸び良好、△は伸びがやや劣る、×は伸びが劣る。
融着:○は80%以上の融着率、△は60〜80%未満の融着率、×は60%未満の融着率。なお、融着率は、成形品の破断面に存在する全粒子の内、発泡粒子そのものが破断した粒子の割合を%で表した
【0029】
[実施例5]
プロパンを5gにした以外は実施例4と同様にした。この時のプロパンの配合量5gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して3.53%のモル数となる配合量であった。結果を表2に示す。
【0030】
[実施例6]
プロパンを2gにした以外は実施例4と同様にした。この時のプロパンの配合量2gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して1.44%のモル数となる配合量であった。結果を表2に示す。
【0031】
[比較例4]
プロパンを13gにした以外は実施例4と同様にした。この時のプロパンの配合量13gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して8.69%のモル数となる配合量であった。結果を表2に示す。
【0032】
[比較例5]
プロパンを0.5gにした以外は実施例4と同様にした。この時のプロパンの配合量0.5gは、発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して0.36%のモル数となる配合量であった。結果を表2に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0003955783
【0034】
【表2】
Figure 0003955783
【0035】
表1及び表2から分かるように、発泡剤中に、炭素数3以下の炭化水素を、該発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して1.0%〜7.5%のモル数となるように配合した本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法から得られた発泡性スチレン系樹脂粒子(実施例1〜6)は、得られる発泡樹脂成形体の耐油性を改善し、かつ発泡成形時の気泡径を均一化するために必要な発泡性スチレン系樹脂粒子の熟成期間を大幅に減少でき、発泡樹脂成形体の製造がスムーズとなる。また熟成期間の短縮によって大型の保冷設備の設置コスト、設置スペース、及び保冷用のエネルギーコストなどの余分な経費を省くことができる。
【0036】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法から得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、得られる発泡樹脂成形体の耐油性を改善し、かつ発泡成形時の気泡径を均一化するために必要な発泡性スチレン系樹脂粒子の熟成期間を大幅に減少でき、発泡樹脂成形体の製造がスムーズとなる。また熟成期間の短縮によって大型の保冷設備の設置コスト、設置スペース、及び保冷用のエネルギーコストなどの余分な経費を省くことができる。

Claims (2)

  1. スチレン系樹脂粒子を含む水性媒体に発泡剤を添加し、スチレン系樹脂粒子に発泡剤を含浸させる発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法において、前記発泡剤が、ブタンとプロパンとからなり、プロパンを、該発泡剤を構成する各成分のモル数の合計に対して1.0%〜7.5%のモル数となるように配合することを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法。
  2. 請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子の製造方法から得られた発泡性スチレン系樹脂粒子。
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