JP2020055989A - クッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、クッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子 - Google Patents

クッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、クッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子 Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返し使用しても体積変化が少ないクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、それが充填剤として封入されたクッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子の提供。【解決手段】熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子からなり、前記発泡粒子が、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有し、かつ前記発泡粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:(a)全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;(b)特定の粒度分布を有することを特徴とするクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子により、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、クッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、クッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。更に詳しくは、本発明は、繰り返し使用しても体積変化が少ないクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、それが充填剤として封入されたクッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子に関する。
従来から、充填材として綿、ポリウレタンフォーム及び発泡樹脂粒子などを、布や皮などの袋体に充填したクッション体が知られている。
充填材に綿を使用したクッション体では、綿がスポンジのように圧縮され、その容積が縮小するように変形することでクッション性を発現する。
また、充填材に比較的大きな粒子径の発泡樹脂粒子を使用したクッション体では、発泡樹脂粒子が単に圧縮され、その容積が縮小するように変形することでクッション性を発現し、充填材に比較的小さな粒子径の発泡樹脂粒子を使用したクッション体では、発泡樹脂粒子が袋体内で流動(移動)することでクッション性を発現する。
例えば、本願出願人は、400〜900μmの平均粒子径と、3Nmm3/g以下の部分圧縮荷重を見掛比重で除した値とを有する、多数の発泡樹脂粒子が袋体の中に充填材として封入されたクッション体を提案している(国際公開第WO2003/032783号:特許文献1)。特許文献1では、比較的小さな粒子径の発泡樹脂粒子を使用しかつ発泡樹脂粒子に流動促進剤を含浸させることにより、発泡樹脂粒子同士が極めて小さな力で流動する、滑り易い粒子を提供し、手触りや感触が向上しかつ異音の発生を抑制したクッション体を提供している。
また、本願出願人は、伸縮性を有する袋体の中に、袋体の内容積の1.1〜3.5倍の体積の発泡樹脂粒子が充填剤として封入されたクッション体を提案している(特開2004−223002号公報:特許文献2)。特許文献2では、0.4〜1.4mmの平均粒子径を有する発泡樹脂粒子を使用し、かつ発泡樹脂粒子100重量部に対し0.4〜1.5重量部の流動促進剤を併用することにより、手触りを向上させ、異音の発生を防止すると共に、底着き感のない座り心地とクッションの変形防止を両立したクッション体を提供している。
国際公開第WO2003/032783号 特開2004−223002号公報
しかしながら、上記の先行技術のクッション体は、長期的に特定の方向から荷重を受けるために、徐々に圧縮され、大きな体積変化、所謂「ヘタリ」が生じるという課題があった。
荷重を分散させるために、充填材に比較的小さな粒子径の発泡樹脂粒子を使用し、かつ流動促進剤を併用したクッション体においても、同様に体積変化の課題があった。
このように従来は、クッション体が受ける力(荷重)を分散させために、発泡粒子をクッションの充填材として利用し、更に粒子の範囲を小さくし、流動促進剤が必要であった。
そこで、本発明は、繰り返し使用しても体積変化が少ないクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、それが充填剤として封入されたクッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供することを課題とする。
そこで、本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、発泡樹脂粒子の嵩発泡倍数及び粒度分布を規定することにより、繰り返し使用しても体積変化が少ないクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、それが充填剤として封入されたクッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供できることを意外にも見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子からなり、
前記発泡粒子が、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有し、かつ前記発泡粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
(a)全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
(b)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
(c)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
を満たす粒度分布を有することを特徴とするクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子が提供される。
また、本発明によれば、上記のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子が袋体の中に充填材として封入されたクッション体が提供される。
更に、本発明によれば、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む粒子からなり、かつ上記のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子用であることを特徴とするクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子が提供される。
また、本発明によれば、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有する発泡粒子製造用の発泡性粒子からなり、
前記発泡性粒子が、0.23〜0.92mmの平均粒子径を有し、かつ前記発泡性粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
(a’)全発泡性粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
(b’)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
(c’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
を満たす粒度分布を有することを特徴とするクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子が提供される。
本発明によれば、繰り返し使用しても体積変化が少ないクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子、それが充填剤として封入されたクッション体及びクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供することができる。
本発明のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子は、クッション、ソファー、椅子、ベッド、マットレス、枕、ぬいぐるみなどのクッション類に好適に用いることができる。
また、少なくとも次のいずれか1つの要件を満たす場合、より優れたクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子を提供できる。
(1)発泡粒子が、0.5〜2.8mmの平均粒子径を有し、かつ発泡粒子をJIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(d)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が40〜65質量%である
を満たす粒度分布を有する。
(2)発泡粒子が、発泡粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(e)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が65質量%以下である;及び
(f)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有する。
(3)発泡粒子が、発泡粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(g)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が33〜45質量%である;及び
(h)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有する。
また、少なくとも次のいずれか1つの要件を満たす場合、より優れたクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子製造用のクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供できる。
(4)発泡性粒子が、発泡性粒子をJIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(d’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が35〜70質量%である
を満たす粒度分布を有する。
(5)発泡性粒子が、発泡性粒子をJIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(e’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が70質量%以下である;及び
(f’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有する。
(6)発泡性粒子が、発泡性粒子をJIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
(g’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が28〜32質量%である;及び
(h’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が3質量%以下である
を満たす粒度分布を有する。
実施例1〜8及び比較例1〜3の発泡粒子の0.2〜5.2mmの粒径(mm)と質量割合x(質量%)の関係を示す図(全体図)である。 実施例1〜8及び比較例1〜3の発泡粒子の0.45〜1.95mmの粒径(mm)と質量割合x(質量%)の関係を示す図(拡大図)である。
(1)発泡粒子
本発明のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子(以下「発泡粒子」ともいう)は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子からなり、
前記発泡粒子が、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有し、かつ前記発泡粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
(a)全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
(b)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
(c)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
を満たす粒度分布を有することを特徴とする。
まず、本発明の発泡粒子の特徴である粒度分布及び嵩発泡倍数について説明し、次いでその構成材料およびその製造方法について説明する。
(1−1)粒度分布
粒度分布の条件(a)〜(h)及び平均粒子径は、発泡粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分(分級)した際の値である。
粒度分布の具体的な測定方法については、実施例において詳述する。
[条件(a)]
条件(a)は、全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しないことであり、これは、全発泡粒子の粒径範囲が5.60mm未満でかつ0.212mmを超えることを意味する。
全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しない粒子を含むと、体積変化が大きくなり、また手触りや座り心地が悪化することがある。一方、全発泡粒子が、公称目開き0.212mmの篩を通過する粒子を含むと、体積変化が大きくなり、また充填量が多くなりクッションの質量が増加することがある。
全発泡粒子は、公称目開き4.00mmの篩を通過しかつ公称目開き0.355mmの篩を通過しないことが好ましく、公称目開き2.00mmの篩を通過しかつ公称目開き0.500mmの篩を通過しないことがより好ましい。
但し、本発明の発泡粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公称目開き5.60mmの篩を通過しない粒子、公称目開き0.212mmの篩を通過する粒子を含んでいてもよい。
[条件(b)]
条件(b)は、各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合xより求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下であることであり、粒度分布がシャープ過ぎず、粒子が揃い過ぎていないことを意味する。
CV値は、下式のように、標準偏差(σ)及び平均値(μ)から求めることができる。
偏差σ2=(Σ(質量割合x−平均値μ)2)/篩の数n
標準偏差σ=√σ2
変動係数CV=標準偏差σ/平均値μ
なお、平均値μ=100/19=5.26、篩の数n=19である。
CV値が4を超えると、体積変化が大きくなることがある。
本発明の発泡粒子は、条件(c)に示すように、特異なシャープな分布を有し、CV値の下限は1.5であり、その範囲は、2.0〜3.9であることが好ましく、2.5〜3.5であることがより好ましい。
[条件(c)]
条件(c)は、粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%であることであり、粒度分布のピークの両隣の分布のいずれか一方の粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%であることを意味する。
粒子の質量割合が5質量%未満では、体積変化が大きくなることがある。一方、粒子の質量割合が45質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
粒子の質量割合は、19〜45質量%であることが好ましく、33〜45質量%であることがより好ましい。
[平均粒子径]
本発明の発泡粒子は、0.5〜2.8mmの平均粒子径を有するのが好ましい。
平均粒子径は、下式のように、上記の粒度分布測定において得られた各粒径範囲の粒子の質量割合Rn(%)と各中心粒径(mm)から求めることができる。
平均粒子径={Σ(Dn・Rn)}/100
発泡粒子の平均粒子径が、0.5mm未満では、体積変化が大きくなり、また充填量が多くなりクッションの質量が増加することがある。一方、発泡粒子の平均粒子径が2.8mmを超えると、体積変化が大きくなり、また手触りや座り心地が悪化することがある。
発泡粒子の平均粒子径は、0.7〜2.1mmであることが好ましく、0.8〜1.4mmであることがより好ましい。
[条件(d)]
本発明の発泡粒子は、次の条件:
(d)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が40〜65質量%であるを満たす粒度分布を有することが好ましい。
これは、粒度分布のピークの粒径範囲の粒子の質量割合が40〜65質量%であることを意味する。
発泡粒子が0.5〜2.8mmの平均粒子径を有しかつ条件(d)を満たす場合、特に、体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(d)の粒子の質量割合が40質量%未満では、体積変化が大きくなることがある。一方、条件(d)の粒子の質量割合が65質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
条件(d)の粒子の質量割合は、45〜60質量%であることが好ましく、50〜60質量%であることがより好ましい。
[条件(e)及び(f)]
また、本発明の発泡粒子は、次の条件:
(e)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が65質量%以下である;及び
(f)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有することが好ましい。
発泡粒子が条件(e)及び(f)を満たす場合、特に、体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(e)は、粒度分布のピークの粒径範囲の粒子の質量割合が65質量%以下であることを意味し、条件(f)は、粒度分布のピークの粒径が大きい側の粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%であることを意味する。
条件(e)の粒子の質量割合が65質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
本発明の発泡粒子は、条件(e)に示すように、特異なシャープな分布を有し、条件(d)の粒子の質量割合の下限は40質量%であり、その範囲は、45〜60質量%であることが好ましく、50〜60質量%であることがより好ましい。
条件(f)の粒子の質量割合が0.1質量%未満では、体積変化が大きくなることがある。一方、条件(f)の粒子の質量割合が10質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
条件(f)の粒子の質量割合は、0.2〜9.5質量%であることが好ましく、0.3〜9質量%であることがより好ましい。
[条件(g)及び(h)]
さらに、本発明の発泡粒子は、次の条件:
(g)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が33〜45質量%である;及び
(h)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有することが好ましい。
発泡粒子が条件(g)及び(h)を満たす場合、特に、体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(g)の粒子の質量割合が33質量%未満では、体積変化が大きくなることがある。一方、条件(g)の粒子の質量割合が45質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
条件(g)の粒子の質量割合は、34〜44質量%であることが好ましく、35〜43質量%であることがより好ましい。
条件(h)の粒子の質量割合が0.1質量%未満では、体積変化が大きくなることがある。一方、条件(h)の粒子の質量割合が10質量%を超えると、体積変化が大きくなることがある。
条件(h)の粒子の質量割合は、0.5〜9質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましい。
(1−2)嵩密度及び嵩発泡倍数
[嵩発泡倍数]
本発明の発泡粒子は、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有する。
嵩発泡倍数が20倍未満では、発泡粒子のクッション性や弾力性が無くなり、硬くなり、また低倍になるのでクッションの質量が増えて取り扱いが悪くなることがある。一方、嵩発泡倍数が60倍を超えると、発泡粒子が柔らかくなり荷重に耐えられず短い期間で体積変化し易くなることがある。
具体的には、嵩発泡倍数は、クッション体に要求される物性などを勘案して設定すればよく、例えば、25〜55倍であることが好ましく、30〜50倍であることがより好ましい。
発泡粒子の嵩発泡倍数は、下式のように、嵩密度から求めることができる。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3
[嵩密度]
したがって、本発明の発泡粒子は、1/60(0.017)g/cm3を超え1/20(0.05)g/cm3以下の嵩密度を有する。
嵩密度及び嵩発泡倍数の具体的な測定方法については、実施例において詳述する。
(1−3)発泡粒子の構成樹脂
本発明の発泡粒子を構成する熱可塑性樹脂の種類は限定されないが、例えば、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ABS樹脂、AS樹脂などを単独もしくは2種類以上混合して使用することができる。
また、樹脂製品として一旦使用されてから回収された熱可塑性樹脂の回収樹脂を使用することもできる。
上記熱可塑性樹脂の中でも、非晶性であるポリスチレン(GPPS)などのポリスチレン系樹脂が特に好適に用いられる。
ポリスチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどのスチレン系モノマーの単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられる。ポリスチレン系樹脂の中でも、スチレン単位を50質量%以上含有する樹脂が好ましい。
また、前記ポリスチレン系樹脂としては、前記スチレン系モノマーを主成分とする、前記スチレン系モノマーとこのスチレン系モノマーと共重合可能なビニルモノマーとの共重合体であってもよい。このようなビニルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどの単官能モノマーの他、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの二官能性モノマーなどが挙げられる。
また、ポリスチレン系樹脂が主成分であれば、他の樹脂を含んでもよい。他の樹脂としては、発泡成形体の耐衝撃性を向上させる樹脂として、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン三次元共重合体などのジエン系のゴム状重合体を含むゴム変性ポリスチレン系樹脂、いわゆるハイインパクトポリスチレンなどの耐衝撃性ポリスチレン系樹脂が好ましい。
あるいは、他の樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体などが挙げられる。
原料となるスチレン系樹脂としては、市販されている通常のポリスチレン系樹脂、懸濁重合法などの方法で新たに作製したポリスチレン系樹脂など、再生品ではないポリスチレン系樹脂(バージンポリスチレン)などを使用できる他、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られた再生ポリスチレン系樹脂を使用することもできる。
再生ポリスチレン系樹脂としては、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体、例えば、魚箱、家電梱包用緩衝材、食品包装用トレーなどを回収し、リモネン溶解方式や加熱減容方式によって再生したポリスチレン系樹脂を用いることができる。また、使用することができる再生ポリスチレン系樹脂は、使用済みのポリスチレン系樹脂発泡成形体を再生処理して得られたもの以外にも、家電製品(例えば、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなど)や事務用機器(例えば、複写機、ファクシミリ、プリンターなど)から分別回収された非発泡のポリスチレン系樹脂成形体を粉砕し、溶融混練し、リペレットした再生ポリスチレン系樹脂を用いることができる。
また、樹脂には必要に応じて、樹脂以外に添加剤が含まれていてもよい。添加剤としては、可塑剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、展着剤、気泡調整剤、充填剤、着色剤、耐候剤、老化防止剤、滑剤、防曇剤、香料などが挙げられる。
(1−4)発泡粒子の製造方法
本発明の発泡粒子は、上記の構成樹脂材料を用いて製造された熱可塑性樹脂粒子(以下「樹脂粒子」ともいう)に、発泡剤を含浸させて発泡性熱可塑性樹脂粒子(以下「発泡性粒子」ともいう)を得、これを発泡させることにより製造することができる。
樹脂粒子は、公知の方法で製造されたものを用いることができ、例えば、(1)水性媒体、単量体及び重合開始剤をオートクレーブ内に供給し、オートクレーブ内において加熱、攪拌しながら単量体を懸濁重合させて熱可塑性樹脂粒子を製造する懸濁重合法、(2)水性媒体及び熱可塑性樹脂種粒子をオートクレーブ内に供給し、熱可塑性樹脂種粒子を水性媒体中に分散させた後、オートクレーブ内を加熱、攪拌しながら単量体を連続的に或いは断続的に供給して、熱可塑性樹脂種粒子に単量体を吸収させつつ重合開始剤の存在下にて重合させて熱可塑性樹脂粒子を製造するシード重合法などが挙げられる。なお、熱可塑性樹脂種粒子は、前記(1)の懸濁重合法により製造した後、分級して得てもよい。
上記の単量体としては、(1−3)発泡粒子の構成樹脂に記載の単量体が挙げられる。
前記懸濁重合法及びシード重合法において用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジt−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられる。これら重合開始剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
水性媒体は、水を主成分とし、アルコール、ケトン、エーテルなどの水溶性有機溶媒を少量含んでもよい。
また、前記懸濁重合法又はシード重合法においては、単量体の液滴又は熱可塑性樹脂種粒子の分散性を安定させるために懸濁安定剤を水性媒体に予め添加してもよい。
懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩などが挙げられる。難水溶性無機塩を用いる場合には、アニオン界面活性剤が通常、併用される。
アニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩などが挙げられ、アルキルベンゼンスルホン酸塩が特に好ましい。
樹脂粒子に発泡剤を含有させる方法としては、熱可塑性樹脂粒子に発泡剤を含浸させる公知の方法が挙げられる。例えば、熱可塑性樹脂粒子が水系媒体に分散したスラリーを、オートクレーブなどの耐圧容器内に入れた後、発泡剤を耐圧容器内に供給し、一定時間保持すればよい。
また、発泡性粒子は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含有する溶融樹脂を粒状に成形する溶融押出法によって製造しても構わない。
溶融押出法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
まず、熱可塑性樹脂を含む溶融樹脂に、発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を得る。得られた発泡剤含有の溶融樹脂を小孔から直接に、冷却用液体中に押し出しつつ、得られた冷却用液体中で押出物を切断するとともに、押出物を冷却用液体との接触により冷却固化する。
溶融押出法を用いることで、発泡剤が熱可塑性樹脂中に均一に分散した発泡性粒子を得ることができる。
発泡剤としては、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタンなどの脂肪族炭化水素、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)などのクロロフルオロカーボン、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、ジフルオロメタン(HFC−32)などのフルオロカーボン、各種アルコール、二酸化炭素、水、及び窒素などの物理発泡剤が挙げられ、これらの中の1種又は2種以上を併用して使用することができる。これらのうち、好ましい発泡剤としては、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタンが挙げられる。
発泡剤の含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対して1〜20質量部の範囲が好ましく、2〜15質量部の範囲がより好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂発泡粒子は、発泡性粒子同士が発泡過程において互いに合着しないように、または発泡粒子同士の帯電を防止するために、あるいは発泡粒子同士の流動を促進するために、例えば脂肪酸(ステアリン酸、ラウリル酸、パルミチン酸)との金属(マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、アルミニウム)との塩や、炭酸塩(炭酸カルシウム)、ポリエチレンワックス、ポリエチレングリコール、N−ヒドロキシエチル−N−2−ヒドロキシアルキルアミン、ステアリン酸モノグリセライドなどから選択される少なくとも1つ以上を使用してもよい。その使用量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.001〜5質量部、好ましくは0.01〜2質量部である。
懸濁重合法で樹脂粒子を製造する場合、一般に、懸濁重合の際の攪拌力(例えば、攪拌機の攪拌翼の種類やその回転数)を変化させることにより、樹脂粒子の平均粒子径や粒度分布を制御することができる。
シード重合法で樹脂粒子を製造する場合、一般に、シードの粒子径を変化させることにより、またシード重合の際の攪拌力(例えば、攪拌機の攪拌翼の種類やその回転数)を変化させることにより、樹脂粒子の平均粒子径や粒度分布を制御することができる。
発泡性粒子及び発泡粒子は、何れも、所望の粒度分布を有する粒子を得るために、製造工程において、別個に製造した粒子を混合してもよく、単一の製造工程により得られた粒子を篩分け(分級)してもよく、制御された単一の製造工程により得られた粒子をそのまま用いてもよい。
(2)発泡性粒子
上記のように、本発明のクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子(本明細書において「発泡性粒子」ともいう)は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む粒子からなり、かつ上記のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子用であることを特徴とする。
本発明の発泡性粒子は、熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有する発泡粒子製造用の発泡性粒子からなり、
前記発泡性粒子が、0.23〜0.92mmの平均粒子径を有し、かつ前記発泡性粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
(a’)全発泡性粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
(b’)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
(c’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
を満たす粒度分布を有することを特徴とする。
粒度分布の条件(a’)〜(h’)及び平均粒子径は、発泡性粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分(分級)した際の値である。
粒度分布の具体的な測定方法については、実施例において詳述する。
[平均粒子径]
本発明の発泡性粒子は、0.23〜0.92mmの平均粒子径を有する。
平均粒子径は、発泡粒子と同様に、上記の粒度分布測定において得られた各粒径範囲の粒子の質量割合Rn(%)と各中心粒径(mm)から求めることができる。
平均粒子径={Σ(Dn・Rn)}/100
発泡性粒子の平均粒子径が、0.23mm未満では、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなり、また充填量が多くなりクッションの質量が増加することがある。一方、発泡性粒子の平均粒子径が0.92mmを超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなり、また手触りや座り心地が悪化することがある。
発泡性粒子の平均粒子径は、0.25〜0.90mmであることが好ましく、0.30〜0.85mmであることがより好ましい。
[条件(a’)]
条件(a’)は、全発泡性粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しないことであり、これは、全発泡性粒子の粒径範囲が5.60mm未満でかつ0.212mmを超えることを意味する。
全発泡性粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しない粒子を含むと、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなり、また手触りや座り心地が悪化することがある。一方、全発泡性粒子が、公称目開き0.212mmの篩を通過する粒子を含むと、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなり、また充填量が多くなりクッションの質量が増加することがある。
全発泡性粒子は、公称目開き4.00mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しないことが好ましく、公称目開き1.70mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しないことがより好ましい。
但し、本発明の発泡性粒子は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公称目開き5.60mmの篩を通過しない粒子、公称目開き0.212mmの篩を通過する粒子を含んでいてもよい。
[条件(b’)]
条件(b’)は、各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合xより求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下であることであり、粒度分布がシャープ過ぎず、粒子が揃い過ぎていないことを意味する。
CV値は、発泡粒子と同様に、標準偏差(σ)及び平均値(μ)から求めることができる。
偏差σ2=(Σ(質量割合x−平均値μ)2)/篩の数n
標準偏差σ=√σ2
変動係数CV=標準偏差σ/平均値μ
なお、平均値μ=100/19=5.26、篩の数n=19である。
CV値が4を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
本発明の発泡性粒子は、条件(c’)に示すように、特異な分布を有し、CV値の下限は1であり、その範囲は、1.5〜3.8であることが好ましく、1.8〜3.4であることがより好ましい。
[条件(c’)]
条件(c’)は、粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%であることであり、粒度分布のピークの両隣の分布のいずれか一方の粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%であることを意味する。
粒子の質量割合が5質量%未満では、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。一方、粒子の質量割合が45質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
粒子の質量割合は、6〜43質量%であることが好ましく、7〜42質量%であることがより好ましい。
[条件(d’)]
本発明の発泡性粒子は、次の条件:
(d’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が35〜70質量%である
を満たす粒度分布を有することが好ましい。
これは、粒度分布のピークの粒径範囲の粒子の質量割合が35〜70質量%であることを意味する。
発泡性粒子が0.23〜0.92mmの平均粒子径を有しかつ条件(d’)を満たす場合、特に、得られる発泡粒子の体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(d’)の粒子の質量割合が35質量%未満では、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。一方、条件(d’)の粒子の質量割合が70質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
条件(d’)の粒子の質量割合は、36〜69.5質量%であることが好ましく、37〜69.0質量%であることがより好ましい。
[条件(e’)及び(f’)]
また、本発明の発泡性粒子は、次の条件:
(e’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が70質量%以下である;及び
(f’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
を満たす粒度分布を有することが好ましい。
発泡性粒子が条件(e’)及び(f’)を満たす場合、特に、得られる発泡粒子の体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(e’)は、粒度分布のピークの粒径範囲の粒子の質量割合が70質量%以下であることを意味し、条件(f’)は、粒度分布のピークの粒径が大きい側の粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%であることを意味する。
条件(e)の粒子の質量割合が70質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
本発明の発泡粒子は、条件(e’)に示すように、特異な分布を有し、条件(d)の粒子の質量割合の下限は40.5質量%であり、その範囲は、40.8〜64質量%であることが好ましく、41〜63質量%であることがより好ましい。
条件(f’)の粒子の質量割合が0.1質量%未満では、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。一方、条件(f’)の粒子の質量割合が10質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
条件(f’)の粒子の質量割合は、0.1〜9質量%であることが好ましく、0.2〜8質量%であることがより好ましく、0.3〜5質量%であることがさらに好ましい。
[条件(g’)及び(h’)]
さらに、本発明の発泡性粒子は、次の条件:
(g’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が28〜32質量%である;及び
(h’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が3質量%以下である
を満たす粒度分布を有することが好ましい。
発泡粒子が条件(g’)及び(h’)を満たす場合、特に、得られる発泡粒子の体積変化が少ない、すなわちヘタリが少ないという効果が得られる。
条件(g’)の粒子の質量割合が28質量%未満では、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。一方、条件(g’)の粒子の質量割合が32質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
条件(g’)の粒子の質量割合は、28.5〜31.5質量%であることが好ましく、28.8〜31.0質量%であることがより好ましい。
条件(h’)の粒子の質量割合が3質量%を超えると、得られる発泡粒子の体積変化が大きくなることがある。
条件(h’)の粒子の質量割合は、0〜2.9質量%であることが好ましく、0〜2.8質量%であることがより好ましい。
(3)クッション体
本発明のクッション体は、本発明の発泡粒子が袋体の中に充填材として封入されて構成される。
本発明のクッション体の袋体の素材は、特に限定されず、化学繊維や絹、木綿などから出できた布などが挙げられ、特に伸縮性を有する素材が好ましい。具体的には、伸縮性を有する素材の袋体が好ましい。この伸縮性を有する素材としては、弾性を有する例えばスパンデックス(ポリウレタン弾性糸)、ポリエステルなどが最も好ましい。
上記のような伸縮性を有する素材の袋体を使用することで、クッション体の一部が圧縮された際に、充填された粒子が圧縮部位から他の部位に移動し、移動した粒子の容積を他の部位に位置する袋体が伸びて変形することで許容できるので、粒子の移動の許容範囲をより大きくすることができる。そのため、クッション体の手触り、感触を飛躍的に向上させることができる。また、加えて、発泡樹脂粒子と袋体のこれら効果の相乗により、より好感触のクッション体を提供することができる。
また、恒久的なクッション性を充足させるために、袋体からこれらの充填材が漏れ出さないように開閉可能なファスナーを二重に設けた構造とすることがより好ましい態様である。また、袋体自体を二重構造とすることも有効である。
更に、1つの大きな袋体中に、充填材が封入された袋体を複数個入れた構成としてもよい。
本発明の発泡粒子は、手のひらサイズのクッションのみならず、大型のクッション、ソファー、椅子、ベッド、マットレス、枕、ぬいぐるみなどのクッション類に好適に用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本実施例に何ら限定されるものでない。まず、実施例及び比較例中の測定方法及び評価方法について説明する。
なお、以下において「%」は「質量%」、「部」は「質量部」を意味する。
[粒度分布]
発泡粒子の粒度分布を、次のようにして測定した。
表1に示すような公称目開き5.60〜0.212mmの20段階のJIS標準篩を公称目開きの小さな篩から大きな篩を下から上に順次重ねて装着したロータップ型篩振とう機(株式会社飯田製作所社製)の最上段の篩に、秤量した約2〜50gの発泡粒子を投入し、10分間振とう(分級)処理し、各篩上に残った発泡粒子の質量を測定し、得られたデータを図表化することにより、発泡粒子の粒度分布を得た。
表1に、各篩の公称目開き、各篩間の粒径範囲および中心粒径の関係を示す。
表中、「XパスYオン」は、発泡粒子が公称目開きXmmの篩を通過し、かつ公称目開きYmmの篩を通過せず、その篩上に残ったことを意味する。
「中心粒径」は、粒径範囲を示す各篩の公称目開きの相加平均値であり、例えば、0.850mmパス0.710mmオンの粒径範囲の中心粒径は、下式のように求めた。
(0.850+0.710)/2=0.780mm
CV値は、下式のように、標準偏差(σ)及び平均値(μ)から求めることができる。
偏差σ2=(Σ(質量割合x−平均値μ)2)/篩の数n
標準偏差σ=√σ2
変動係数CV=標準偏差σ/平均値μ
なお、平均値μ=100/19=5.26、篩の数n=19である。
[嵩密度及び嵩発泡倍数]
発泡粒子の嵩密度を、JIS K6911:1995年「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に準拠して測定した。
発泡粒子の質量W(g)を小数以下2位まで秤量し、その発泡粒子を自然落下によりメスシリンダー内に充填し、充填した発泡粒子の体積V(cm3)を上記JIS規格に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいて発泡粒子の嵩密度を求めた。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
発泡粒子の嵩発泡倍数を、下式のように、嵩密度から求めた。
嵩発泡倍数=1/嵩密度(g/cm3
[ヘタリ評価]
JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下にて24時間放置した発泡粒子を、内径50mm、高さ100mmの円筒形容器に120mLを充填し、圧縮前の体積V1(mL)を測定した。その後、直径49mmの圧縮板で毎分10mmの速度にて下限点1N、上限点267Nで100回繰り返し圧縮し、圧縮後の体積V2(mL)を測定した。体積変化率(%)を次式で算出した。評価は以下の通り。尚、測定には株式会社オリエンテック製「テンシロンUCT−10T」万能試験機、ソフトブレーン株式会社製「UTPS−458C」万能試験機データ処理を用いた。
<体積変化率>
体積変化率(%)=V2/V1×100
<ヘタリ評価>
A:体積変化率が95%を超え、100%以下
B:体積変化率が90%を超え、95%以下
C:体積変化率が85%を超え、90%以下
D:体積変化率が85%以下
[手のひらサイズのクッションの圧縮試験]
JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下にて24時間放置した、伸縮性を有する素材の布生地を用いて作製した袋体に、発泡粒子18g充填した直径15cmのクッションを、内径158mm、高さ150mmの円筒形容器に入れ、5N荷重時の高さH1(mm)を測定した。その後、径106mmの圧縮板を毎分20mmの速度で、下限点2N、上限点637N(65kgf)で100回繰り返し圧縮し、再度5Nの荷重をかけて高さH2(mm)を測定した。寸法変化率を次式で算出した。評価は以下の通り。尚、測定には株式会社オリエンテック製「テンシロンUCT−10T」万能試験機、ソフトブレーン株式会社製「UTPS−458C」万能試験機データ処理を用いた。
<寸法変化率>
寸法変化率(%)=(H1−H2)/H1×100
<圧縮試験の評価>
A:寸法変化率が0%以上、10.0%未満
B:寸法変化率が10.0%以上、12.0%未満
C:寸法変化率が12.0%以上、14.0未満
D:寸法変化率が14.0%以上
[ソファーサイズのクッションの圧縮試験]
伸縮性を有する素材の布生地を用いて作製した袋体に(縦65cm、横65cm、高さ45cm)、布生地を合わせた全体質量が6kgになるように発泡粒子を充填しソファーサイズのクッションを作製した。
このクッションを縦65cm、横65cm、高さ65cmの木製ケースに入れ、ケース底面からクッション上面までの高さH3(mm)を測定した。クッション上面に65kgの重りを、座面用当て板を介して、クッションの中心に10cmの高さから4000回自然落下させ、再度、ケース底面からクッション上面までの高さH4(mm)を測定した。高さH3と高さH4の各高さは、ケース四隅での高さの平均値とした。寸法変化率を次式で算出した。評価は以下の通り。
<寸法変化率>
寸法変化率(%)=(H3−H4)/H3×100
<圧縮試験の評価>
A:寸法変化率が0%以上、18.5%未満
B:寸法変化率が18.5%以上、20.0%未満
C:寸法変化率が20.0%以上、21.5%未満
D:寸法変化率が21.5%以上
<布生地>
手のひらサイズのクッションの圧縮試験、ソファーサイズのクッションの圧縮試験で使用した布生地は、以下のものである。
1)布生地の素材は、ポリエステル100%のものを使用した。
2)JIS K 7100:1999の記号「23/50」(温度23℃、相対湿度50%)、2級の標準雰囲気下で24時間養生した後、布生地の任意の方向に幅25mm、長さ200mmの試料をN=10個サンプリングした。
3)株式会社オリエンテック製「テンシロンUCT−10T」万能試験機、ソフトブレーン株式会社製「UTPS−458X」万能試験機データ処理を用いて、毎分速度300mmの速度で試験片を長さ方向に引張試験を行った。引張試験方法は、JIS L1096:2010(織物及び編物の生地試験方法引張強さ−JIS法のA法のカットストリップ法)に準拠した。変位原点は初荷重0.4Nを試験開始点とした。試料10個の最大点荷重の平均値は、131(N/2.5cm幅)であった。
[総合評価]
ヘタリ評価、手のひらサイズのクッションの圧縮評価、ソファーサイズのクッションの圧縮評価の各評価結果から、次の基準に基づいて、総合評価した。
A:3つの評価結果は全てA評価である。
B:3つの評価結果はA評価又はB評価からなり、B評価が1つ以上ある。
C:3つの評価結果はD評価がなく、C評価が1つ以上ある。
D:3つの評価結果の内、D評価が1つ以上ある。
(実施例1)
<スチレン系樹脂粒子の製造>
100リットルの攪拌機付オートクレーブ内にピロリン酸マグネシウム82g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2.4g、ベンゾイルパーオキサイド(純度:75%)106g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート24g、イオン交換水40kg及びスチレン単量体40kgを供給し、攪拌翼を230rpmの回転数で回転させ攪拌する事により懸濁液を調製した。
次に、攪拌翼の回転数を230rpmに維持し、前記懸濁液を攪拌しながら、オートクレーブの温度を90℃まで昇温し、90℃にて6時間50分に亘って保持し、さらに、オートクレーブ内の温度を125℃まで昇温し、125℃で2時間に亘って保持した。これによりスチレン単量体を懸濁重合した。
その後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブ内から重合物を取り出した。その重合物の洗浄、脱水を複数回に亘って繰り返し、次いで、乾燥させた後、篩分けして、質量平均分子量が30万のスチレン系樹脂粒子を得た。
<発泡性スチレン系樹脂粒子の製造>
次に、5リットルのオートクレーブにイオン交換水2kg、ピロリン酸マグネシウム12g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.3g、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート0.6g、エチレンビスステアリン酸アマイド0.8gを仕込み、水性媒体とした。この水性媒体に、上記スチレン系樹脂粒子2kgを加えて300rpmで攪拌した。
次いで、水性媒体の温度を110℃に上げ、この温度を維持しながらブタン55g及びペンタン151gを圧入し、1時間30分間含浸させ、その後冷却することで発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
その後、篩分けし、表2及び表3に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。
<スチレン系樹脂発泡粒子の製造>
得られた目的の粒度分布を示す発泡性スチレン系樹脂粒子を円筒型バッチ式発泡機に供給し、水蒸気により均一に加熱することにより、スチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られたスチレン系樹脂発泡粒子は、嵩密度0.0263g/cm3(嵩発泡倍数38倍)であった。
得られたスチレン系樹脂発泡粒子の粒度分布を測定し、前述の評価方法に基づいてクッション体としての特性を評価した。得られた結果を表6に示す。
(実施例2)
攪拌翼の回転数を200rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表3に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数38倍のスチレン系樹脂発泡粒子を実施例1と同様にして得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表6に示す。
(実施例3)
攪拌翼の回転数を235rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表3に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数38倍のスチレン系樹脂発泡粒子を実施例1と同様にして得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表6に示す。
(実施例4)
攪拌翼の回転数を250rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表3に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数38倍のスチレン系樹脂発泡粒子を実施例1と同様にして得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表6に示す。
(実施例5)
攪拌翼の回転数を65rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表4に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数58倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表7に示す。
(実施例6)
攪拌翼の回転数を220rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表4に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数31倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表7に示す。
(実施例7)
攪拌翼の回転数を180rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表4に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数35倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表7に示す。
(実施例8)
攪拌翼の回転数を190rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表4に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数36倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表7に示す。
(比較例1)
攪拌翼の回転数を225rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表5に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数38倍のスチレン系樹脂発泡粒子を実施例1と同様にして得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表8に示す。
(比較例2)
攪拌翼の回転数を70rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表5に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数60倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表8に示す。
(比較例3)
攪拌翼の回転数を50rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表5に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数18倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表8に示す。
(比較例4)
攪拌翼の回転数を60rpmに維持してスチレン系樹脂粒子を得たこと以外は実施例1と同様にして、発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。その後、篩分けし、表5に示す粒度分布の発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。次に、嵩発泡倍数60倍とした以外は実施例1と同様にしてスチレン系樹脂発泡粒子を得た。得られた発泡粒子を評価した結果を表8に示す。
表6〜8の結果から、実施例1および2の発泡粒子がクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子として最も優れた物性(特性)を有し、実施例3および4の発泡粒子、実施例5〜8の発泡粒子の順に続くことがわかる。一方、比較例1〜4の発泡粒子は、クッション用熱可塑性樹脂発泡粒子として劣ることがわかる。

Claims (10)

  1. 熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡させた発泡粒子からなり、
    前記発泡粒子が、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有し、かつ前記発泡粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
    (a)全発泡粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
    (b)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
    (c)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
    を満たす粒度分布を有することを特徴とするクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子。
  2. 前記発泡粒子が、0.5〜2.8mmの平均粒子径を有し、かつ前記発泡粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (d)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が40〜65質量%である
    を満たす粒度分布を有する請求項1に記載のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子。
  3. 前記発泡粒子が、前記発泡粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (e)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が65質量%以下である;及び
    (f)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
    を満たす粒度分布を有する請求項1又は2に記載のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子。
  4. 前記発泡粒子が、前記発泡粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (g)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が33〜45質量%である;及び
    (h)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である。
    を満たす粒度分布を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子が袋体の中に充填材として封入されたクッション体。
  6. 熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む粒子からなり、かつ請求項1〜4のいずれか1つに記載のクッション用熱可塑性樹脂発泡粒子用であることを特徴とするクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  7. 熱可塑性樹脂と発泡剤とを含む、20倍以上60倍未満の嵩発泡倍数を有する発泡粒子製造用の発泡性粒子からなり、
    前記発泡性粒子が、0.23〜0.92mmの平均粒子径を有し、かつ前記発泡性粒子をJIS標準篩(JIS Z8801−1:2000規定)の公称目開き5.60〜0.212mmの20段階の篩を用いて篩分した際に、次の条件:
    (a’)全発泡性粒子が、公称目開き5.60mmの篩を通過しかつ公称目開き0.212mmの篩を通過しない;
    (b’)各隣接する段階の篩間に篩分された粒径範囲の粒子の質量割合より求めた粒度分布の変動係数(CV値)が4以下である;及び
    (c’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が5〜45質量%である
    を満たす粒度分布を有することを特徴とするクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  8. 前記発泡性粒子が、前記発泡性粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (d’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が35〜70質量%である
    を満たす粒度分布を有する請求項7に記載のクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  9. 前記発泡性粒子が、前記発泡性粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (e’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲の粒子の質量割合が70質量%以下である;及び
    (f’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が0.1〜10質量%である
    を満たす粒度分布を有する請求項7又は8に記載のクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子。
  10. 前記発泡性粒子が、前記発泡性粒子を前記JIS標準篩によって篩分した際に、次の条件:
    (g’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から1段階小さい粒径範囲又は1段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が28〜32質量%である;及び
    (h’)粒子の質量割合が最も高い粒径範囲から2段階小さい粒径範囲又は2段階大きい粒径範囲の粒子の質量割合が3質量%以下である。
    を満たす粒度分布を有する請求項7〜9のいずれか1つに記載のクッション用発泡性熱可塑性樹脂粒子。
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