JP7422581B2 - 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子、及びビーズクッション材 - Google Patents

発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子、及びビーズクッション材 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子、及びビーズクッション材に関するものである。
発泡性ポリスチレン系粒子は安価で発泡、成形が容易であり、緩衝性能、断熱性能に優れることから、広く使用されている。
発泡性ポリスチレン系粒子の緩衝性能を利用した用途の一つとして、布製の袋などの袋体の内部にポリスチレン系発泡粒子(以下、単に発泡粒子と記載することがある)を封入したビーズクッションがあり、クッション、ソファー、枕(以下、まとめてクッションと記載することがある)などとして提供されている。ビーズクッションは、袋体内で発泡粒子が自由に動くことにより、着座時などにその衝撃を吸収し、体形に合った座面に容易に変形する。また、着座時における体圧分布の多方向への分散性が良好であることなどから座り心地に優れている。また、ビーズクッションを敷き布団として使用した場合には、褥そう防止などにも効果がみられる。
このビーズクッションを製造する際、袋体の内部に発泡粒子を充填する工程で発生する静電気が充填不良や埃の付着を引き起こすため、通常、特許文献1から3に記載されているように、帯電防止剤が使用されることが知られている。例えば、特許文献1では分子中に一つのアミノ基及び二つのヒドロキシル基を有するヒドロキシアルキルアミンをビーズクッション用の帯電防止剤として使用している。特許文献2では、帯電防止剤として主にポリエチレングリコールを使用し、帯電量の絶対値が5kV以下のクッション用発泡性ポリスチレンを提供している。特許文献3では、帯電防止剤としてカチオン系界面活性剤とノニオン系界面活性剤をポリスチレン系発泡性樹脂粒子の発泡剤含浸工程で導入することで優れた帯電防止性能を有する発泡成形体を得ている。
特開2019-73653 特開2011-74239 特開2012-214725
しかしながら、特許文献1に開示されているヒドロキシアルキルアミンは、帯電防止性能に優れるものの、帯電防止剤が高湿度下で発泡性樹脂粒子の流動性を悪化させやすいことから、湿度が高い環境ではクッション充填性を悪化させる可能性がある。また、特許文献2では、帯電防止剤が使用されているものの、その使用量が不足しているため、クッション充填性が安定化する帯電防止性能としては十分でない。さらに、特許文献3では、多量の帯電防止剤を使用しているため、吸湿による流動性悪化が生じやすく、発泡時のブロッキングも発生しやすい懸念がある。本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、発泡時のブロッキングの発生が少なく、ポリスチレン系発泡粒子とした際の帯電防止性能に優れ、かつ吸湿による流動性悪化も起こりにくい、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子、及びクッションビーズ材を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、平均粒子径が0.25mm以上0.5mm以下である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子であって、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の表面に、帯電防止剤として脂肪酸モノグリセライドを特定量含有し、ブロッキング防止剤としてステアリン酸マグネシウムを特定量含有することで、発泡時のブロッキングの発生が少なく、ポリスチレン系発泡粒子とした際の帯電防止性能に優れ、かつ吸湿による流動性悪化も起こりにくい発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得られることを見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
[1] 基材樹脂及び発泡剤を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を備え、
前記基材樹脂100重量部に対して、ステアリン酸マグネシウムが0.4重量部以上1.5重量部以下、脂肪酸モノグリセリドが0.2重量部以上0.4重量部未満、ヒドロキシアルキルアミンが0.1重量部未満、を前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の表面に含有し、平均粒子径が0.25mm以上0.50mm以下である、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[2]
平均粒子径±15%の変動幅に入る割合が90%以上である、[1]記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[3]
脂肪酸モノグリセライドがステアリン酸モノグリセライドである、[1]又は[2]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[4]
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の表面に、基材樹脂100重量部に対して0.04重量部以上0.15重量部以下のヒマシ硬化油を含有する、[1]~[3]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[5]
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の残存量が100ppm未満である、[1]~[4]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[6]
重量平均分子量が22万以上30万未満である、[1]~[5]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[7]
前記発泡剤は、ペンタン及び/またはシクロヘキサンを含み、前記ペンタン及びシクロヘキサンの合計添加量は、前記基材樹脂100重量%に対して、1.5重量%以上5.0重量%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
[8]
[1]~[7]のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させてなる、ポリスチレン系発泡粒子。
[9]
嵩密度が0.018g/cm以上0.029g/cm以下である、請求項8に記載のポリスチレン系発泡粒子。
[10] [8]または[9]に記載のポリスチレン系発泡粒子からなるビーズクッション材。
本発明により、発泡時のブロッキングの発生が少なく、ポリスチレン系発泡粒子とした際の帯電防止性能に優れ、かつ吸湿による流動性悪化も起こりにくい、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子、及びクッションビーズ材が得られる。
以下、本発明の一実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態及び/又は実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態及び/又は実施例についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された学術文献及び特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を示す「A~B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は平均粒子径が0.25mm以上0.50mm以下でである。平均粒子径が0.25mm未満となると、発泡力が不足してブロッキングが発生しやすい上、発泡機の目皿につまって汚染しやすい。平均粒子径が0.50mm以上であった場合、そのポリスチレン系発泡粒子をクッションビーズにした際の感触が悪化する。また、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は平均粒子径±15%の変動幅に入る割合が90%以上であることが好ましい。平均粒子径±15%の変動幅に入る割合が90%以上であることで、発泡時の発泡倍率のばらつきが抑えられるため均一なポリスチレン系発泡粒子を得やすく、製品品質が安定しやすい。
また、本発明のポリスチレン系樹脂粒子に対しては、発泡時の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子同士の結合(ブロッキング)を防止するため、ブロッキング防止剤としてステアリン酸マグネシウムが用いられ、ステアリン酸マグネシウムの含有量は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、0.4重量部以上1.5重量部以下である。0.4重量部未満より少ないと発泡時にブロッキングが起こりやすい。また、1.5重量部を超えると、発泡粒子の空気輸送中に剥離しやすく、配管の閉塞の原因となる。ブロッキング抑制効果と剥離のバランスから0.5重量部以上1.0重量部以下が好ましく、より好ましくは0.6重量部以上0.8重量部以下である。
通常、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に使用されるブロッキング防止剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げられるが、本発明の平均粒子径においては通常よりもブロッキングが発生しやすため、少量で優れたブロッキング防止性能を有するステアリン酸マグネシウムを使用する必要がある。
本発明のポリスチレン系樹脂粒子に対しては、帯電防止剤として脂肪酸モノグリセライドが使用され、脂肪酸モノグリセライドの含有量は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して0.2重量部以上0.4重量部以下である。0.2重量部以下であると十分な帯電防止性能が得られず、0.4重量部以上であると高湿度の環境下で流動性が悪化しやすい。脂肪酸モノグリセライドの含有量はより好ましくは0.25重量部以上0.35重量部以下である。脂肪酸モノグリセライドとしては、ステアリン酸モノグリセライド、パルチミン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド、ヒドロキシステアリン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド等が挙げられ、おれらは単独で用いても良いし、2種類以上併用しても良いが、ハンドリング性からステアリン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド、ヒドロキシステアリン酸モノグリセライドが好ましく、粉体形状としやすく特にハンドリングしやすいことからステアリン酸モノグリセライドが特に好ましい。
更に、本発明のポリスチレン系樹脂粒子のヒドロキシアルキルアミンの含有量は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して0.1重量部未満である必要がある。0.1重量部を超えるとヒドロキシアルキルアミンの吸湿により、高湿度環境下では発泡粒子の流動性が悪化しやすく、好ましくは0.05重量部未満、より好ましくは使用しないことである。ヒドロキシアルキルアミンとしては、N-ヒドロキシエチル-N-(2-ヒドロキシアルキル)アミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ドデシルアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)テトラデシルアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)ヘキサデシルアミン、N,N-ビス(ヒドロキシエチル)オクタデシルアミン、N-ヒドロキシエチル-N-(2-ヒドロキシテトラデシル)アミン、N-ヒドロキシエチル-N-(2-ヒドロキシヘキサデシル)アミン、N-ヒドロキシエチル-N-(2-ヒドロキシオクタデシル)アミン、N-ヒドロキシプロピル-N-(2-ヒドロキシテトラデシル)アミン、N-ヒドロキシブチル-N-(2-ヒドロキシテトラデシル)アミン、N-ヒドロキシペンチル-N-(2-ヒドロキシテトラデシル)アミン、N-ヒドロキシペンチル-N-(2-ヒドロキシヘキサデシル)アミン、N-ヒドロキシペンチル-N-(2-ヒドロキシオクタデシル)アミンが挙げられる。なお、上記脂肪酸モノグリセライドと併用しても良いが、併用する場合には少量で帯電防止効果が得られやすいことから、アルキル炭素数が14のものを主成分とするN-ヒドロキシエチル-N-(2-ヒドロキシアルキル)アミンを使用することが好ましい。
これらのブロッキング防止剤、帯電防止剤等の添付剤は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子もしくは発泡粒子の表面に存在して効果を発揮することから、重合・乾燥工程を経た発泡性ポリスチレン系発泡性樹脂粒子表面に塗布することが好ましい。塗布する方法としては、攪拌機中で添付剤とともに発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を攪拌するのが好ましく、攪拌機としてはナウターミキサー、スーパーミキサー、ユニバーサルミキサー、タンブラーミキサー、レディゲミキサーなどが用いられる。
これらのブロッキング防止剤、帯電防止剤等の添付剤が発泡性ポリスチレン系樹脂粒子から剥がれにくくするため、塗布する際に添着剤を併用することが好ましい。添着剤としては、ヒマシ硬化油、オリーブ油、菜種油、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどが挙げられ、少量で剥離抑制効果に優れることからヒマシ硬化油が好ましい。発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表面のヒマシ硬化油の含有量としては0.04重量部以上0.15重量部以下が好ましく、より好ましくは0.05重量部以上0.08重量部以下である。0.04重量部以下だと添付剤の剥離抑制効果が得られづらく、0.15重量部を超えると発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の流動性が悪化しやすくブロッキングも増加しやすい。
本発明に用いる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、基材樹脂及び発泡剤を含有している。より詳しくは、基材樹脂にに発泡剤が含浸したものである。基材樹脂には、一般的に知られているポリスチレン系樹脂粒子を用いることができる。ポリスチレン系樹脂粒子を製造する際に用いられる単量体としては、スチレン、及び、α-メチルスチレン、パラメチルスチレン、t-ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体が挙げられ、さらにスチレンと共重合が可能な成分、例えばメチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体が挙げられる。すなわち、基材樹脂としては、上述のスチレンと共重合が可能な成分を含まない重合体、若しくは、スチレンと共重合が可能な成分を1種又は2種以上使用した共重合体であってもよい。尚、スチレン中に含まれるフェニルアセチレン量は0~150ppmが好ましい。フェニルアセチレン量が150ppmを超える場合には残存スチレン量が増える傾向にあるため好ましくない。
本発明における発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、水性懸濁液中に分散したポリスチレン系樹脂種粒子にスチレン系単量体を添加して該種粒子に含浸させながら重合せしめる、いわゆる懸濁シード重合法によって製造されることが好ましい。
懸濁シード重合法に用いる樹脂種粒子は、(1)通常の懸濁重合法、(2)重合性単量体を規則的な振動下にノズルを通すことにより液滴群として水性媒体中に分散させ、合着および付加的な分散を生じせしめることなく重合させる方法、などによって得ることができる。本発明においては、樹脂種粒子の製造方法は粒度分布を狭くできる点で(2)の方が好ましい。
ポリスチレン系樹脂種粒子の量は、目的とするポリスチレン系樹脂粒子の量に対して5~60重量%であることが好ましい。5重量%未満になる場合、水性懸濁液に添加する重合性単量体が該樹脂種粒子内で重合せずに、単独で重合する割合が増える傾向にあり、60重量%を超える場合は、一回の重合工程でより多くのモノマーを重合させることが出来ずに、不経済である。
ポリスチレン系樹脂種粒子の平均粒径は0.13~0.30mmとすることが好ましい。より好ましくは0.16~0.26mm、更に好ましくは0.20~0.25mmである。平均粒径が0.13~0.30mmのポリスチレン系樹脂種粒子を用いて上記方法で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造することで、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径を0.25mm以上0.50mm以下に制御しやすくなる。
また、平均粒子径±15%の変動幅に入る割合が90%以上の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を生産するために、ポリスチレン系樹脂種粒子の平均粒子径±15%の変動幅に入る割合は90%以上であることが好ましく、95%以上がより好ましい。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は22万以上30万未満であることが好ましい。より好ましくは23万以上28万未満である。重量平均分子量が22万より低い場合、ポリスチレン系樹脂粒子自体の機械強度が低下する上ブロッキングも発生しやすく、30万を超える場合には、発泡性が悪化しやすく、無理に発泡させたにセル膜が破れ発泡粒子のセル構造に欠陥ができやすい。
更に、本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の残存量は150ppm未満であることが好ましい。より好ましくは100ppm未満である。発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の残存量が150ppm未満であることで、特に、クッションビーズ材として使用した際に問題となる臭気を抑制することができる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法で使用する分散剤としては、一般的に用いられている分散剤、例えば、燐酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ピロリン酸マグネシウムなどの難水溶性無機塩が挙げられる。これら、難水溶性無機塩を用いる場合には、α-オレフィンスルフォン酸ソーダ、ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダなどのアニオン性界面活性剤を併用すると、分散安定性が増すので効果的である。また、難溶性無機塩は得られる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の粒子径を調節するために、重合中に1回以上追加することもある。
上記製造方法で用いられる重合開始剤は、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキシルモノカーボネート、t-ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート等があげられる。これらは、単独で用いてもよいし、2種類以上併用しても良い。
中でもベンゾイルパーオキサイドとt-ブチルパーオキシー2-エチルヘキシルモノカーボネートを併用することが重量平均分子量とスチレン単量体残存量のバランスと取りやすいため好ましい。本発明における重量平均分子量はベンゾイルパーオキサイドの総添加量と単位時間当たりの添加量を変更することで調整が可能であり、総添加量としては0.14重量以上0.228重量部以下で、ベンゾイルパーオキサイドの単位時間当たりの添加量を減少させていくか、又は一定であるのが望ましい。
本発明において使用する発泡剤としては、プロパン、イソブタン、ノルマルブタン、イソペンタン、ノルマルペンタン、ネオペンタンなど炭素数3以上5以下の炭化水素等の脂肪族炭化水素類、およびジフルオロエタン、テトラフルオロエタンなどのオゾン破壊係数がゼロであるフッ化炭化水素類などの揮発性発泡剤が挙げられる。尚、本発明においてはブタンとペンタンを併用する、もしくはブタンとシクロヘキサンを併用するのが長期的に発泡性を維持しやすく好ましい。
ブタンの添加量としてはポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは5重量部以上8重量部未満である。5重量部より少ないと所定倍率(50倍)まで発泡することができず、また発泡操作中にブタンが散逸しやすく、発泡粒子内に残るブタンが少なくなるため、発泡粒子の内圧が低下し、座屈しやすくなる。その結果、短期的にクッション性が悪化する。8重量部以上の場合は、発泡の際に倍率ばらつきが発生しやすくなるため、クッション性が悪化する。
添加するブタン組成としては、イソブタン濃度が50%以上が好ましい。イソブタン濃度が50%未満になると、発泡操作中に主にノルマルブタンが散逸しやすく、発泡粒子内に残るブタン総量が少なくなるため、発泡粒子の内圧が低下し、座屈しやすくなる。その結果、短期的にクッション性が悪化する。
ペンタン又はシクロヘキサンの添加量としてはポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは2重量部以上5重量部以下が好ましい。1.5重量未満になると長期にわたって発泡性が維持しづらくなるため品質が安定しづらい。5重量部を超える場合は、発泡速度がはやくなりすぎるため、発泡の際に倍率ばらつきが大きくなり、発泡粒子の粒度分布が悪くなる。その結果、感触、クッション性が悪化する。また、発泡操作時のブロッキングが増える傾向にある。
ペンタンを添加する際の組成としては、発泡速度を得られやすい点から、イソペンタン濃度が30%以上が好ましい。より好ましいイソペンタン濃度は50%以上である。
尚、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、可塑剤、気泡調整剤、難燃剤、難燃助剤等が使用できる。可塑剤としては、例えば、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリグリセライド、ラウリン酸トリグリセライド、ステアリン酸ジグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド等の脂肪酸グリセライド、ヤシ油、パーム油、パーム核油等の植物油、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート等の脂肪族エステル、流動パラフィン、シクロヘキサン等の有機炭化水素等があげられ、これらは併用しても何ら差し支えない。気泡調整剤としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の脂肪族ビスアマイド、ポリエチレンワックス等が挙げられる。難燃剤としては、臭素化スチレン、臭素化ブタジエン・ビニル芳香族共重合体、臭素化ノボラック樹脂アリルエーテル、臭素化ポリ(1,3-シクロアルカジエン)及び臭素化ポリ(4-ビニルフェノールアリルエーテル)などの臭素化ポリマーやポリグリセリンジブロモプロピルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール-A-ビス(2,3-ジブロモ-2-メチルプロピルエーテル)等々の低分子化合物が上げられる。難燃助剤としては、例えば、クメンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド、2,3-ジメチルー2,3-ジフェニルブタン等の高温分解型の有機物があげられる。
本発明の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は公知の方法で発泡させることが出来る。例えば、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を回転攪拌式予備発泡装置で、水蒸気を用いて80~105℃程度で加熱することにより、発泡粒子を作製することできる。80℃未満になると、発泡時間がながいため生産性が悪化する。105℃を超えると、セル膜が破れ発泡粒子のセル構造に欠陥ができやすい。
前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をクッションビーズとして使用する際の好ましい嵩密度は0.018g/cm以上0.029g/cm以下である。0.018g/cm未満の場合、発泡粒子が座屈しやすくなるため、短期間でクッション性が悪化しやすく、0.029g/cmを超えると発泡粒子が硬くなりクッション性が悪化する。
得られるポリスチレン系発泡粒子の平均気泡径は10~100μmが好ましい。この範囲であれば、発泡倍率のバラツキが小さい発泡粒子ができ、更にこの発泡粒子は座屈しにくく、長期的にクッション性を維持できる。
得られるポリスチレン系発泡体はクッションビーズ、軽量骨材用途等に使用できるが、帯電防止性能と流動性に優れることから特にクッション用途に好ましい。
以下に実施例、及び比較例を挙げるが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例、及び比較例中の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子及びポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量測定、ポリスチレン系発泡粒子の帯電量、感触評価、へたり評価(発泡粒子の座屈度)、発泡操作時のブロッキング量については以下の方法で測定した。また、「部」「%」は特に断りのない限り重量基準である。
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径の測定及び粒度分布の評価>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子画像処理方式ミリトラックJPA粒度分析計にて粒度分布と平均粒子径を測定した。
測定した粒度分布と平均粒子径に基づき、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径±15%の変動幅に入る割合を算出した。
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の重量平均分子量の測定法>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに溶解し、GPC(東ソー(株)製HLC-8020、カラム:TSKgel Super HZM-H、カラム温度:40℃、流速:0.35ml/1min.)にて測定した。
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のスチレン単量体残存量の測定法>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を塩化メチレン(内部標準シクロペンタノール)に溶解し、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC-14B、カラム:3m、充填剤:PEG-20M 25%、カラム温度:110℃、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン単量体量を定量した。
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性の評価方法>
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を100℃の蒸し器に入れ、5分間加熱することにより、ポリスチレン系発泡粒子を得た。得られたポリスチレン系発泡粒子10gを、1000cmのメスシリンダーに入れ、ポリスチレン系発泡粒子の体積(cm)を測定した。以下の式で、嵩密度(g/cm)を計算した:
嵩密度(g/cm)=10g/ポリスチレン系発泡粒子の体積(cm
得られた嵩密度を用いて、下記指標に基づき、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の発泡性を評価した。
〇:嵩密度が0.0250g/cm未満である場合
△:嵩密度が0.0250g/以上0.0300g/以下である場合
×:嵩密度が0.0300g/cmを超える場合
<発泡操作時のブロッキングの評価>
ブロッキングとは、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させてポリスチレン系発泡粒子を製造した時(発泡操作時)に、ポリスチレン系発泡粒子同士が結合した塊である。ブロッキングがクッション内に入ると感触の悪化など起こるため、ブロッキング量が多い場合においては発泡操作後に取り除く必要がある。尚、ブロッキング量の測定は以下の通りに実施した。
発泡操作により得られたポリスチレン系発泡粒子全量を、編み目間隔が1cmの金網に通した。金網に残った塊の重量を測定し、以下の式でブロッキング量を計算し、下記指標に基づきて評価した。
ブロッキング量(重量%)=塊の重さ/ポリスチレン系発泡粒子全量の重さ×100
〇:ブロッキング量が0.5重量%未満、
△:ブロッキング量が0.5重量%以上1重量%以下、
×:1重量%以上。
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の添付剤の剥離量の評価>
装置 :電動篩 DY-50
網 :SUS網(目開き:355μm、42メッシュ、φ750mm)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子1kgを秤量し、電動篩の網上に広げて2分間、篩い分けを行った。その後、網を通過した粉体を回収し(但し、樹脂が混じっている場合は当該樹脂を除去し)、その重量を計量して添付剤の剥離量とした。そして、下記算出式
剥離率[重量%]=剥離量[g]/発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に添加した添付剤の全量[g]×100
に基づいて添付剤の剥離率を算出し、下記指標に基づき評価した。
〇:剥離率が2.0重量%以下である場合、
△:剥離率が2.0重量%以上5.0重量%以下である場合、
×:剥離率が5.0重量%を超えある場合。
<ポリスチレン系発泡粒子の帯電量の測定法>
発泡倍率40倍(嵩密度0.025g/cm)に発泡させたポリスチレン系発泡粒子1Lを、ポリエチレン製の袋(OK袋No.15、大倉工業株式会社製)に入れ、口を開けた状態で、23℃、湿度50%の恒温室で一晩保管する。その後、ポリエチレン製の袋の口を縛り、口を縛った状態で100回振った。その後、ポリエチレン袋の口を開け、スチレン系発泡粒子表面の帯電量を静電気測定器「シシド静電気製スタチロンDX」によって3回以上測定し、その平均値を発泡粒子の帯電量とした(測定距離30mm、電荷量測定は23℃、相対湿度50%の雰囲気下で行った)。その後、直ちにポリエチレン袋から発泡粒子を取り出し、ポリエチレン袋に静電気により残った発泡粒子の重量を測定した。そして、以下の指標に基づき評価した。
〇:帯電量の絶対値が0.3kV以下、かつ、ポリエチレン袋の発泡粒子の残量が3%以下の場合、
△:帯電量の絶対値が0.3kV以下だが、ポリエチレン袋の発泡粒子の残量が3%を超える場合、
×:帯電量の絶対値が0.3kVを超える場合。
<ポリスチレン系発泡粒子の流動性の評価>
ポリスチレン系発泡粒子1Lを網袋に入れ、湿度90%に加湿した部屋に4時間静置した。その後、湿度90%に加湿した部屋で発泡粒子1Lを口径1cm2のステンレス製漏斗(足部:上部径30mmφ、下部径15mmφ、足長45mm、口内径235mm)を通し、漏斗に残った発泡粒子の重量比率により判定した。そして、以下の指標に基づき評価した。
〇:漏斗に残った発泡粒子が10重量未満%の場合、
△:10重量%以上50重量%以下の場合、
×:50重量%を超える場合。
<クッションの触感>
ポリスチレン系発泡粒子を3.5L測定し、内容積4Lの布製袋に封入し、ビーズクッションを作製した。6人で評価を行いビーズクッションの感触を評価した。
〇:4人以上が好感触の場合、
△:2~3人が好感触の場合、
×:好感触が0~1人となる場合。
(実施例1)
<発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の製造>
(1)発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水重量85重量部、第3リン酸カルシウム0.57重量部、α―オレフィンスルフォン酸ソーダ0.00476重量部、塩化ナトリウム0.1重量部、平均粒子径が0.25mmのスチレン系樹脂種粒子(平均粒径±15%の変動幅に入る割合:98%)32重量部を仕込んだ後、攪拌を開始した。その後、開始剤として、t-ブチルパーオキシー2-エチルヘキシルモノカーボネート0.08重量部を仕込んだ。続いて、92℃まで昇温させた後、ベンゾイルパーオキサイド30%溶液0.228重量部を4時間50分(0~1時間目の追加量を0.068重量部、1~2時間目の追加量を0.057重量部、2~3時間目の追加量を0.046重量部、3~4時間目の追加量を0.034重量部、4時間~4時間50分目の追加量を0.023重量部)、スチレン単量体68重量部を5時間30分(0~1時間目の追加量を8重量部、1~2時間目の追加量を10重量部、2~3時間目の追加量を12重量部、3~4時間目の追加量を15重量部、4~5時間目の追加量を15重量部、5時間~5時間30分目の追加量を8重量部)かけて反応器中に仕込みながら重合した。その後、30分間92℃を保持した後、直ちに120℃に昇温して1時間保持した。95℃に冷却後、反応器内に、発泡剤として、ブタン6.0重量部(ノルマルブタン:イソブタン=70:30)及びペンタン4.0重量部(ノルマルペンタン:イソペンタン=50:50)を仕込み更に1時間120℃で保持した後、冷却した。室温まで冷却して、オートクレーブから重合スラリーを取り出した。取り出した重合スラリーを洗浄、脱水・乾燥することにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を得た。
(2)添加剤の塗布工程
上記で得た発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体100重量部に対して、ステアリン酸マグネシウムとしてマグネシウムステアレート[日油(株)製]を0.8重量部、ひまし硬化油[日油(株)製]を0.72重量部、及び帯電防止剤としてステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.30重量部を、スーパーミキサー[(株)川田製、SMV-20]に投入し、1000rpmで120秒間ブレンドした。その後払い出し、添付剤で被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を作製した。
<ポリスチレン系発泡粒子の製造(予備発泡工程)>
添付剤で被覆された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を回転攪拌式予備発泡装置に投入して、約100℃の水蒸気中で嵩密度が0.0250g/cmになるまで約4分間発泡してポリスチレン系発泡粒子を得た。得られたポリスチレン系発泡粒子を用いて評価を行い、その結果を表1に示す。
(実施例2)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.20重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例3)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.35重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例4)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.20重量部に変更し、更にN-ヒドロキシエチル-N-2-ヒドロキシアルキルアミン[アルキル基の炭素数C=14:(株)タナカ化学研究所製、アンチスタ80FS]を0.05重量部を使用した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、ベンゾイルパーオキサイド30%溶液(0.228重量部、4時間50分)の添加パターンを、0~1時間目の追加量を0.0025重量部、1~2時間目の追加量を0.0035重量部、2~3時間目の追加量を0.0050重量部、3~4時間目の追加量を0.0052重量部、4時間~4時間50分目の追加量を0.0066重量部へと変更し、ペンタン(ノルマルペンタン:イソペンタン=50:50)を0重量部として代わりにシクロヘキサン2.3重量部、ブタン(ノルマルブタン:イソブタン=70:30)を7.8重量部とした以外は実施例1と同様に実施し、ポリスチレン系発泡粒子を得た。
(実施例6)
添加剤の塗布工程において、マグネシウムステアレート[日油(株)製]を0.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
添加剤の塗布工程において、マグネシウムステアレート[日油(株)製]を1.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例8)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、ペンタン(ノルマルペンタン:イソペンタン=50:50)を6重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例9)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、ペンタン(ノルマルペンタン:イソペンタン=50:50)を1.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例10)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、ベンゾイルパーオキサイド30%溶液0.140重量部を4時間50分(0~1時間目の追加量0.015重量部、1~2時間目の追加量を0.022重量部、2~3時間目の追加量を0.031重量部、3~4時間前の追加量を0.032重量部、4時間~4時間50分目の追加量を0.040重量部)かけて追加と変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例11)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、ベンゾイルパーオキサイド30%溶液0.228重量部を3時間(0~1時間目の追加量を0.140重量部、1~2時間目の追加量を0.129重量部、2~3時間目の追加量を0.019重量部、3時間目以降は追加無し)かけて追加と変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例12)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、スチレン系樹脂種粒子20重量部、スチレン単量体80重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(実施例13)
特開2011-74239の実施例1に記載の方法で発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を得た。但し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を製造する際の発泡剤の種類、追加量は本明細書の実施例1と同様とした。その後の添付剤の塗布、予備発泡についても実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
(比較例1)
添加剤の塗布工程において、マグネシウムステアレート[日油(株)製]を0.3重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例2)
添加剤の塗布工程において、マグネシウムステアレート[日油(株)製]を1.5重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例3)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.10重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例4)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0.50重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例5)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0部に変更し、N-ヒドロキシエチル-N-2-ヒドロキシアルキルアミン[アルキル基の炭素数C=14:(株)タナカ化学研究所製、アンチスタ80FS]を0.10重量部を使用した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例6)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0部に変更し、N-ヒドロキシエチル-N-2-ヒドロキシアルキルアミン[アルキル基の炭素数C=14:(株)タナカ化学研究所製、アンチスタ80FS]を0.20重量部を使用した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例7)
添加剤の塗布工程において、ステアリン酸モノグリセリド[理研ビタミン(株)製、リケマールS-100]を0部に変更し、ポリエチレングリコール:理研ビタミン(株)製、PEG200]を0.30重量部を使用した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
(比較例8)
撹拌機付属の6Lのオートクレーブに、純水重量85重量部、第3リン酸カルシウム0.57重量部、α―オレフィンスルフォン酸ソーダ0.00476重量部、塩化ナトリウム0.1重量部、平均粒子径が0.25mmのスチレン系樹脂種粒子100重量部を仕込んだ後、攪拌を開始した。95℃に昇温した後、系内にブタン6.0重量部(ノルマルブタン:イソブタン=70:30)、ペンタン4.0重量部(ノルマルペンタン:イソペンタン=50:50)を仕込み更に1時間120℃で保持した後、冷却した。室温まで冷却して、オートクレーブから重合スラリーを取り出した。取り出した重合スラリーを洗浄、脱水・乾燥することにより、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を得た。その後の添加剤の塗布工程、及び予備発泡工程については実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示す。
(比較例9)
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の製造工程において、スチレン系樹脂種粒子10重量部、スチレン単量体90重量部に変更した以外は、実施例1と同様の操作により、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、ポリスチレン系発泡粒子を得た。評価結果を表1に示す。
Figure 0007422581000001

Claims (10)

  1. 基材樹脂及び発泡剤を含有する発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体を備え、
    前記基材樹脂100重量部に対して、
    ステアリン酸マグネシウムが0.4重量部以上1.5重量部以下、
    脂肪酸モノグリセリドが0.2重量部以上0.4重量部未満、
    ヒドロキシアルキルアミンが0.1重量部未満、
    を前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の表面に含有し、
    平均粒子径が0.25mm以上0.50mm以下である、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  2. 平均粒子径±15%の変動幅に入る割合が90%以上である、請求項1記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  3. 脂肪酸モノグリセライドがステアリン酸モノグリセライドである、請求項1又は2のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  4. 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子本体の表面に、基材樹脂100重量部に対して0.04重量部以上0.15重量部以下のヒマシ硬化油を含有する、請求項1~3のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  5. 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中のスチレン単量体の残存量が100ppm未満である、請求項1~4のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  6. 重量平均分子量が22万以上30万未満である、請求項1~5のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  7. 前記発泡剤は、ペンタン及び/またはシクロヘキサンを含み、
    前記ペンタン及びシクロヘキサンの合計添加量は、前記基材樹脂100重量%に対して、1.5重量%以上5.0重量%以下である、
    請求項1~6のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡させてなる、ポリスチレン系発泡粒子。
  9. 嵩密度が0.018g/cm以上0.029g/cm以下である、請求項8に記載のポリスチレン系発泡粒子。
  10. 請求項8または9に記載のポリスチレン系発泡粒子からなるビーズクッション材。
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