JP4470547B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子、およびこれを用いた予備発泡粒子、発泡成形体 - Google Patents
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Description
(1)易揮発性発泡剤を含有し、スチレン系モノマーの含有量が1000ppm以下である発泡性スチレン系樹脂粒子が、該樹脂粒子100重量部に対して、下記一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び下記一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種0.01重量部以上0.5重量部以下と、脂肪酸金属塩0.2重量部以上1.0重量部以下とで被覆されており、かつ、該脂肪酸アマイド及び該脂肪酸ビスアマイドのアミン価が1以下であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
(3)一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が17である前記(2)項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(4)一般式(2)に示される炭化水素基R4の炭素数が1〜8である前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(5)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、ステアリン酸アマイド及び/又はエチレンビスステアリン酸アマイドである前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(6)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、エチレンビスステアリン酸アマイドである前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(7)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドのアミン価が0.5以下である前記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(8)脂肪酸金属塩が直接法により製造されたものである前記(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(9)脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である前記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(10)易揮発性発泡剤の含有量が3重量%以上6重量%以下である前記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(11)易揮発性発泡剤がイソペンタンを15重量%以上60重量%以下含有する前記(1)〜(10)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(12)易揮発性発泡剤がイソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上85重量%以下、ブタン及び/又はプロパン0重量%以上20重量%以下からなる前記(1)〜(11)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(13)粒子径が0.2mm以上0.6mm以下である前記(1)〜(12)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(14)前記(1)〜(13)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られる予備発泡粒子。
(15)前記(14)項に記載の予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体。
(16)発泡成形体が食品容器である前記(15)項に記載の発泡成形体。
(17)発泡成形体が食品衛生法の温湯容器規格に適合している食品容器である前記(16)項に記載の発泡成形体。
(複分解法における反応の一例)
(アミン価の測定法)
本発明におけるアミン価(全アミン価)は以下の方法で測定する。
(a)試料0.5〜2gを精秤する。この時の試料量をSgとする。
(b)中性エタノール(BCG中性)30mlを加え溶解する。
(c)0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価f)で滴定する(液の色が緑から黄色に変わったところが終点)。この時の滴定量をAmlとする。
(d)以下の式よりアミン価(全アミン価)を算出する。
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
(実施例1〜13、比較例1〜6)
攪拌機を具備した5リットル反応器に、純水1.5リットル、第三リン酸カルシウム9.7g、アルファオレフィンスルホン酸ソーダ0.15g、塩化ナトリウム1.7g、粒子径が0.2〜0.3mmのスチレン系樹脂種粒子427gを入れ、攪拌下に反応器中の分散液を90℃に昇温した。次いで、ベンゾイルパーオキサイド3.6g、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン3.0gをスチレン単量体1280gに溶解した溶液を5時間かけて反応器中に仕込みながら重合した。単量体溶液の仕込みが終了した後、直ちに120℃に昇温して3時間後重合を行った。その後、イソペンタン36重量%、ノルマルペンタン54重量%、イソブタン3重量%、ノルマルブタン7重量%からなる易揮発性発泡剤85gを系内に仕込みさらに3時間120℃で保持した後、冷却した。懸濁液を取り出し脱水・乾燥したところ、粒子径が0.3〜0.5mm、残存スチレンモノマー量が40ppm、発泡剤含有量が4.5重量%、重量平均分子量が30万の発泡性スチレン系樹脂粒子が得られた。さらに、連続成形運転による金型汚染度のテストのため、上記5リットル反応器を1500リットルの反応器にスケールアップし、同様の処方により同一の発泡性スチレン系樹脂粒子を得て連続成形に供した。
(実施例14)
易揮発性発泡剤の量を68gに変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量は3.5重量%であった。
(実施例15)
易揮発性発泡剤の量を102gに変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量は5.5重量%であった。
(実施例16)
易揮発性発泡剤の組成をイソペンタン20重量%、ノルマルペンタン80重量%に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
(実施例17)
易揮発性発泡剤の組成をイソペンタン18重量%、ノルマルペンタン72重量%、イソブタン3重量%、ノルマルブタン7重量%に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
(実施例18)
後重合温度を120℃から115℃に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残存スチレンモノマー量は420ppmであった。
(実施例19)
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの使用量を1.5gにし、後重合温度を120℃から115℃に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残存スチレンモノマー量は900ppmであった。
(実施例20、21、比較例7)
成形時の水蒸気での加熱時間を8.5秒に変えた以外は実施例1〜13と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子約2gをアルミニウム容器に精秤し、150℃×30分加熱した後、30分常温下で冷却して再び重量を測定した。発泡剤含有量は下記の式(5)を用いて算出した。
[〔加熱前樹脂粒子重量(g)−加熱後樹脂粒子重量(g)〕/
加熱前樹脂粒子重量(g)]×100 ……(5)
(2)残存スチレンモノマー量
被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子を塩化メチレンに溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−14B(カラム充填剤:ポリエチレングリコール、カラム温度:110℃、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、内部標準法(内部標準:シクロペンタノール)にてスチレンモノマー量を定量し、被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレンモノマー量(ppm)を算出した。
(3)融着率
カップ状発泡成形体の側壁を手で割り、破断面に存在する全ての粒子の内、発泡粒子そのものが破断している粒子の割合を百分率で表した。80%以上が合格である。
(4)表面粒子間隙
カップ状発泡成形体表面に粒子間隙がほとんどないものを◎、印刷しても色飛びがほとんどなく、実用上問題のないものを○、印刷すると色飛びが認められ使用不可能なものを×とした。
(5)界面活性剤溶液浸透試験
北広ケミカル(株)製スコアロール700コンク(ポリエチレンのエチレンオキサイド付加物)を0.1重量%、エリオクロムブラックT(和光純薬工業(株)製、2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシ−2−ナフチルアゾ)−6−ニトロ−4−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩)を0.005重量%含む界面活性剤水溶液約400gをカップ状発泡成形体に入れ、カップ外壁面に界面活性剤水溶液が浸透し、水滴が現れ始めるまでの時間を測定した。30分以上が合格である。
(6)カレー試験
油脂成分の浸透抑制効果を確認するために、カレールウ200gを発泡成形したカップに入れ、サランラップで包装し、60℃の雰囲気下に置いてカップ外壁にカレーが洩れ出すまでの時間を測定した。24時間以上が合格である。
(7)金型汚染度評価
実施例1の方法をスケールアップして製造した被覆された発泡性スチレン系樹脂粒子約300kgを実施例1と同じ方法で予備発泡し、約1週間連続的に金型でカップ状発泡成形体の成形を行い、金型表面の汚染度を評価した。評価基準は以下の通りである。
○:金型表面が薄っすらと黒ずんでいる。
Claims (17)
- 一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が、7〜23である請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が17である請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 一般式(2)に示される炭化水素基R4の炭素数が1〜8である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、ステアリン酸アマイド及び/又はエチレンビスステアリン酸アマイドである請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、エチレンビスステアリン酸アマイドである請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドのアミン価が0.5以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 脂肪酸金属塩が直接法により製造されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 易揮発性発泡剤の含有量が3重量%以上6重量%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 易揮発性発泡剤がイソペンタンを15重量%以上60重量%以下含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 易揮発性発泡剤がイソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上85重量%以下、ブタン及び/又はプロパン0重量%以上20重量%以下からなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 粒子径が0.2mm以上0.6mm以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
- 請求項1〜13のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られる予備発泡粒子。
- 請求項14に記載の予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体。
- 発泡成形体が食品容器である請求項15に記載の発泡成形体。
- 発泡成形体が食品衛生法の温湯容器規格に適合している食品容器である請求項16に記載の発泡成形体。
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