JP4470547B2 - 発泡性スチレン系樹脂粒子、およびこれを用いた予備発泡粒子、発泡成形体 - Google Patents

発泡性スチレン系樹脂粒子、およびこれを用いた予備発泡粒子、発泡成形体 Download PDF

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Description

本発明は、発泡性スチレン系樹脂粒子に関するものである。さらに詳しくは、予備発泡し、ついで成形して発泡成形体とした場合に、該発泡成形体内に収容した内容物が外部へ浸透するのを顕著に抑制することが可能な発泡性スチレン系樹脂粒子であって、さらに食品容器などの発泡成形体を連続的に成形しても金型汚染が極めて発生しにくい発泡性スチレン系樹脂粒子に関するものである。
一般に、発泡性スチレン系樹脂粒子から造られた発泡成形体は、経済性、軽量性、断熱性、強度、衛生性に優れ、食品容器、緩衝材、断熱材などに利用されている。食品容器としては、例えば、即席麺、フライドチキン、カレー、コーヒーなどの容器として好適である。
発泡性スチレン系樹脂粒子は、水蒸気や熱風などにより加熱すると、粒子内に多数の気泡が生成し、予備発泡粒子となる。この予備発泡粒子を所望の形状を有する金型内に充填し蒸気により加熱すると、上記予備発泡粒子が互いに融着し発泡成形体を得ることができる。
このようにして得られた発泡成形体では、粒子同士が融着して金型通りの形状を形作っているが、粒子同士が完全に一体化しているわけではないため、粒子融着面に微細な毛細管が存在している。そのため、例えば該発泡成形体を容器として使用する場合、収容される内容物の種類によっては、内容物の成分が容器壁に浸透し、さらには容器壁を通して外部にまで浸透してくる惧れがある。特に、収容される内容物として油脂分の多い、例えば、カレールウなどのように油脂分が30重量%以上の内容物に用いる場合、内容物の成分が容器壁に浸透し、さらには容器壁を通して外部にまで浸透してくる惧れが大きい。さらに高温下など過酷な条件下で保存、輸送する場合には浸透の惧れが顕著になる。
このような浸透を防止する方法として、アメリカ合衆国特許第4840759号明細書(特許文献1)では発泡剤にイソペンタンを用いる方法が提案されている。しかし、この方法が目的とするコーヒーを内容物とする場合は、コーヒーを注ぎ、これを飲む程度の時間においてはコーヒーの浸透を実質的に防止することが可能であるが、界面活性剤を含む水溶液のような浸透力の強い内容物の浸透を防止することは困難であった。なお、界面活性剤溶液の浸透を防止することが可能であれば、少量の油脂分を含む広範囲な内容物について、浸透を実質的に防止できることが知られており、そのため界面活性剤溶液を使用する浸透試験が浸透防止を評価する一つのテスト法として用いられている。さらに、浸透防止手段として発泡剤にイソペンタンを用いることだけでは、カレールウなどのように油脂分の多い内容物に用いる場合には、内容物の浸透を実質的に防止することは不可能であった。
また、特開昭60−26042号公報(特許文献2)では、油脂またはレギュラーコーヒーの浸透防止策として、粒子径が10μm以下に90%以上あるステアリン酸亜鉛と非イオン性セルロースエーテルとで発泡性熱可塑性樹脂粒子表面を被覆する方法が提案されている。しかし、特許文献2の実施例に示されているように発泡剤としてノルマルペンタンを含有する発泡性ポリスチレン樹脂粒子をステアリン酸亜鉛のみで被覆する方法によっては、界面活性剤溶液の浸透を実用的に抑制すること、特に油脂分を多量に含むカレールウなどの浸透を実用的に抑制することは不可能であった。また、非イオン性セルロースエーテルを併用することによりカレールウなどの浸透抑制性能はある程度向上するものの、成形時の融着性に影響を及ぼす惧れがあり、実用上実施できるレベルとは言い難かった。
さらに、特開平11−322995号公報(特許文献3)などでは、界面活性剤溶液を含む浸透力の強い内容物の浸透を防止する方法として、フッ素系高分子で発泡性スチレン系樹脂粒子表面を被覆する方法が提案されている。この方法を用いれば、界面活性剤溶液の浸透を抑制することが可能であるが、フッ素系高分子が非常に高価であるためコスト的に不利になると共に、成形時に予備発泡粒子の融着を阻害する傾向を有するため、成形条件を慎重に管理しなければ得られた成形体の機械的強度が低くなる場合が生じるという問題があった。さらに、フッ素系化合物の一部については人体蓄積性の惧れがあるとの報告があり、フードコンタクト用途に使用するには、フッ素系化合物を用いないより安全な解決法が切望されていた。
また、特開昭55−127441号公報(特許文献4)、特開昭61−157538号公報(特許文献5)、特開昭56−106930号公報(特許文献6)などでは、脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドを予備発泡時のブロッキング防止剤として発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に被覆する方法が提案されているが、容器に収容された内容物の外部への浸透を防止することは記載されていない。さらに、特許文献4においては、高級脂肪酸ビスアマイド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛以外の高級脂肪酸金属塩に加えて第4成分として高級脂肪酸が必須成分となっており、特許文献5、6においては高級脂肪酸アマイド以外の本発明では使用しない第2成分が必須成分となっている点においても本発明と異なる。
さらに、特開平5−209081号公報(特許文献7)では、予備発泡粒子の凝集化を防ぎ、粒子のふるい分け時における粒子表面の損傷を防止する成分として、従来慣用されていたステアリン酸亜鉛に代えて脂肪酸ビスアマイドを発泡性スチレン系樹脂粒子の表面に被覆する方法が提案されているが、容器に収容された内容物の外部への浸透を防止することは記載されておらず、また実際、脂肪酸ビスアマイドのみでは容器に収容された内容物の外部への浸透を防止することは困難であった。
米国特許第4840759号明細書 特開昭60−26042号公報 特開平11−322995号公報 特開昭55−127441号公報 特開昭61−157538号公報 特開昭56−106930号公報 特開平5−209081号公報
前記したごとく即席麺用カップなどの食品容器において、フッ素系化合物を用いないで、カレールウなどのように油脂分の多い内容物の浸透を実質的に防止することを可能とすると共に、次の点を課題とする。すなわち、これらの発泡性スチレン系樹脂粒子を用いて食品容器を連続的に成形すると、金型表面が黒く汚染されたり、場合によっては腐食が起こり、伝熱不良による融着不足や離型不良を引き起こすことがあった。しかし、このような金型汚染及び金型腐食を防止する有効な手段はこれまで見出されていなかった。
本発明者らは、前記従来技術の実状に鑑み鋭意研究を重ねた結果、ステアリン酸亜鉛を代表例とする脂肪酸金属塩と脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドとの組み合せで被覆した発泡性スチレン系樹脂粒子を、予備発泡しついで発泡成形して得られた食品容器などの発泡成形体は、界面活性剤溶液の浸透防止はもちろんのこと、油脂分の含有量が多くより浸透力の強い内容物の容器とし、高温下など過酷な条件下に保存、輸送した場合であっても、内容物の浸透を実質的に防止できるという全く予想だにし得なかった事実を見出した。
さらに、本発明者らは、前記浸透防止を目的として脂肪酸金属塩と脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドとの組み合せで被覆した発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡成形すると、金型汚染の程度が大きくなる傾向があるという知見を得、この金型汚染の問題を解決すべく鋭意検討した結果、被覆に使用する脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイド中に不純物として残留するアミン系化合物の量が低いものを用いること、すなわち、アミン価として1以下である脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドを用いることにより、食品容器などの発泡成形体を連続的に成形しても、金型表面が極めて汚染されにくい、場合によっては腐食されにくいことを見出した。
すなわち、本発明は、次の内容の発泡性スチレン系樹脂粒子、予備発泡粒子、発泡成形体を提供する。
(1)易揮発性発泡剤を含有し、スチレン系モノマーの含有量が1000ppm以下である発泡性スチレン系樹脂粒子が、該樹脂粒子100重量部に対して、下記一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び下記一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種0.01重量部以上0.5重量部以下と、脂肪酸金属塩0.2重量部以上1.0重量部以下とで被覆されており、かつ、該脂肪酸アマイド及び該脂肪酸ビスアマイドのアミン価が1以下であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
Figure 0004470547
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(2)一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が、7〜23である前記(1)項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(3)一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が17である前記(2)項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(4)一般式(2)に示される炭化水素基R4の炭素数が1〜8である前記(1)〜(3)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(5)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、ステアリン酸アマイド及び/又はエチレンビスステアリン酸アマイドである前記(1)〜(4)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(6)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、エチレンビスステアリン酸アマイドである前記(1)〜(5)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(7)一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドのアミン価が0.5以下である前記(1)〜(6)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(8)脂肪酸金属塩が直接法により製造されたものである前記(1)〜(7)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(9)脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である前記(1)〜(8)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(10)易揮発性発泡剤の含有量が3重量%以上6重量%以下である前記(1)〜(9)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(11)易揮発性発泡剤がイソペンタンを15重量%以上60重量%以下含有する前記(1)〜(10)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(12)易揮発性発泡剤がイソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上85重量%以下、ブタン及び/又はプロパン0重量%以上20重量%以下からなる前記(1)〜(11)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(13)粒子径が0.2mm以上0.6mm以下である前記(1)〜(12)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
(14)前記(1)〜(13)項のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られる予備発泡粒子。
(15)前記(14)項に記載の予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体。
(16)発泡成形体が食品容器である前記(15)項に記載の発泡成形体。
(17)発泡成形体が食品衛生法の温湯容器規格に適合している食品容器である前記(16)項に記載の発泡成形体。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子は、易揮発性発泡剤を含有し、スチレン系モノマーの含有量が1000ppm以下である発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が、該樹脂粒子100重量部に対して、脂肪酸アマイドおよび脂肪酸ビスアマイドの少なくとも1種0.01重量部以上0.5重量部以下と、脂肪酸金属塩0.2重量部以上1.0重量部以下とで被覆されており、かつ、該脂肪酸アマイド及び該脂肪酸ビスアマイドのアミン価が1以下であるという構成のものであり、この発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、ついで成形して得られた食品容器などの発泡成形体は、即席麺、カレー、シチュー、マヨネーズ、マーガリン、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、コーヒーなどの容器に利用することによって、これら内容物の成分が容器壁に浸透し、さらには容器壁を通して外部にまで浸透してくるのを極めて効果的に防止することができ、しかも、このような食品容器を連続的に成形しても、金型汚染及び金型腐食が極めて起こりにくい。
本発明におけるスチレン系樹脂粒子は、一般に知られているスチレン系樹脂の粒状物で、スチレンを主成分とするものであり、スチレンの単独重合体でも、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチレンなどのスチレン系誘導体、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、セチルメタクリレートなどのアクリル酸およびメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニトリル、ジメチルフマレート、エチルフマレートなどの各種単量体とスチレンとの共重合体でもよい。また、ジビニルベンゼン、アルキレングリコールジメタクリレートなどの2官能性単量体を併用してもよい。本発明においては、スチレンとスチレン系誘導体を併せてスチレン系モノマーという。スチレン系樹脂としては重量平均分子量が一般に発泡ポリスチレンとして使用可能な15万〜40万、好ましくは25万〜35万であるものを使用することができる。
本発明におけるスチレン系樹脂粒子は、通常の懸濁重合法、もしくは水性懸濁液中に分散したスチレン系樹脂種粒子にスチレンなどのスチレン系単量体を添加して該種粒子に含浸させながら重合せしめるいわゆる懸濁シード重合法によって製造されたものを使用することができる。懸濁シード重合法に用いる樹脂種粒子は、(1)通常の懸濁重合法、(2)重合性単量体を規則的な振動下にノズルを通すことにより液滴群として水性媒体中に分散させ、合着および付加的な分散を生じせしめることなく重合させる方法、などによって得ることができる。後述する易揮発性発泡剤をスチレン系樹脂粒子の重合工程中に添加するか、重合工程終了後に添加することにより発泡性スチレン系樹脂粒子が得られる。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、後述する脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドならびに脂肪酸金属塩での被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)に含まれるスチレン系モノマーの量は1000ppm(重量基準)以下に抑える必要がある。発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡および成形して例えば即席麺などの容器として用いる場合は、食品衛生法に規定する温湯容器規格により容器内に残存するスチレン系モノマーの量が1000ppm以下に規定されているからである。発泡性スチレン系樹脂粒子中のスチレン系モノマー量は、好ましくは500ppm以下、さらに好ましくは200ppm以下である。500ppm以下であると、臭気が少なくなるので好ましい。発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレン系モノマー量を1000ppm以下に下げる方法としては、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−アミルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどのいわゆる高温分解型重合開始剤を重合性単量体100重量部に対して0.05重量部以上使用して、110℃以上の高温下で後重合を行う方法などが用いられる。なお、食品衛生法に規定する温湯容器規格では、スチレン系モノマーの残存量が1000ppm以下に規定されている他に、エチルベンゼンの残存量が1000ppm以下に、スチレン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ノルマルプロピルベンゼンの合計残存量が2000ppm以下に規定されている。
また、本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、後述する脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドならびに脂肪酸金属塩での被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)の粒子径は、食品容器などに用いる場合は0.2mm以上0.6mm以下の間にあることが好ましい。粒子径が0.2mm未満では易揮発性発泡剤の逸散速度が速過ぎてビーズライフが短くなり、一方0.6mmより大きいと一般的な食品容器の肉厚が2mm前後と薄いことから金型への充填性が悪くなる。粒子径が0.2〜0.6mmの範囲の粒子を得る方法としては、通常の懸濁重合法で得られた粒子を分級してもよいし、前述の懸濁シード重合法を用いてもよい。懸濁シード重合法を用いる方がより高い収率が得られるため好ましい。
本発明において使用される易揮発性発泡剤としては、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素などが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、後述する脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドならびに脂肪酸金属塩での被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)中における易揮発性発泡剤の含有量は、好ましくは3重量%以上6重量%以下、さらに好ましくは3重量%以上5.5重量%以下、特に好ましくは3.5重量%以上5.5重量%以下、最も好ましくは4.0重量%以上5.5重量%以下である。易揮発性発泡剤の含有量が前記範囲より少ないと、成形時の融着率が低下し発泡成形体の強度が低下する傾向があり、一方前記範囲を超えると、発泡成形体の粒子間隙が多くなり表面美麗性を損なう傾向がある。これらの発泡剤は発泡性スチレン系樹脂粒子の重合工程中に添加しても良いし、重合工程終了後に添加してもよい。
本発明において、発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)に含有される易揮発性発泡剤は、イソペンタンを15重量%以上60重量%以下を含むのが好ましく、さらに好ましくは30重量%以上60重量%以下、特に好ましくは35重量%以上55重量%以下、最も好ましくは35重量%以上50重量%以下である。その場合、イソペンタン以外の易揮発性発泡剤の含有量は40重量%以上85重量%以下が好ましく、さらに好ましくは40重量%以上70重量%以下、特に好ましくは45重量%以上65重量%以下、最も好ましくは50重量%以上65重量%以下である。イソペンタンの含有量が前記範囲を下回ると、界面活性剤溶液など浸透力の強い内容物の浸透を充分に防止できない傾向があり、一方前記範囲を超えると、発泡成形体の粒子間隙が多くなり表面美麗性を損なう傾向がある。
本発明においては、易揮発性発泡剤としてイソペンタンとノルマルペンタンを併用するのが好ましく、必要に応じてさらにノルマルブタン、イソブタン、プロパンを併用してもよい。これら易揮発性発泡剤の組成は、易揮発性発泡剤全量に対して、好ましくは、イソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上85重量%以下、ノルマルブタンおよび/またはイソブタン(以下、単にブタンと略記する場合がある)、および/または、プロパン0重量%以上20重量%以下であり、さらに好ましくは、イソペンタン30重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上70重量%以下、ブタンおよび/またはプロパン0重量%以上20重量%以下、特に好ましくは、イソペンタン35重量%以上55重量%以下、ノルマルペンタン45重量%以上65重量%以下、ブタンおよび/またはプロパン0重量%以上20重量%以下、最も好ましくは、イソペンタン35重量%以上50重量%以下、ノルマルペンタン50重量%以上65重量%以下、ブタンおよび/またはプロパン0重量%以上20重量%以下である。ノルマルペンタンの含有量が前記範囲を下回ると、発泡成形体の粒子間隙が多くなり表面美麗性を損なう傾向があり、一方前記範囲を超えると、界面活性剤溶液など浸透力の強い内容物の浸透を充分に防止できない傾向がある。ブタンおよび/またはプロパンを併用すると、予備発泡して得られる予備発泡粒子のセル径が微細化する傾向があり、それにより発泡成形体の強度が向上されるため、必要により併用される。この点から、発泡成形体の強度を特に重視する場合は、易揮発性発泡剤全量に対して、イソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン38重量%以上83重量%以下、ブタンおよび/またはプロパン2重量%以上15重量%以下である易揮発性発泡剤組成が好ましい。
本発明においては、一般式(1)で示される脂肪酸アマイドおよび/または一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドが用いられる。
Figure 0004470547
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一般式(1)、(2)において、R1、R2、R3で示される飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基としては、炭素数7〜23のものが好ましく、炭素数15〜21のものがさらに好ましく、炭素数17のものが特に好ましい。R1、R2、R3で示される飽和もしくは不飽和の脂肪族炭化水素基は、ヒドロキシル基などの置換基を有していてもよい。R1−CO−基、R2−CO−基、R3−CO−基を与える脂肪酸の具体例としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オブツシル酸、カプロレイン酸、リンデル酸、ツズ酸、フィゼテリン酸、ゾーマリン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、セラコレイン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノール酸などが挙げられる。
一般式(2)において、R4で示される2価の脂肪族炭化水素基としては炭素数1〜8のものが好ましく、2価の芳香族炭化水素基としては炭素数6〜8のものが好ましい。R4で示される2価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、例えばメチレン、エチレン、トリメチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレンなどが挙げられる。R4で示される2価の芳香族炭化水素基の具体例としては、例えばフェニレン、トリレン、キシリレンなどが挙げられる。
一般式(1)で示される脂肪酸アマイドとしては、例えば、カプリル酸アマイド、カプリン酸アマイド、ラウリン酸アマイド、ミリスチン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、アラキン酸アマイド、ベヘン酸アマイド、リグノセリン酸アマイド、12−ヒドロキシステアリン酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド、リシノール酸アマイドなどが挙げられる。
一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドは、ジアミンと脂肪酸とのジアマイドのことであり、2つのアマイド結合を形成する2つの脂肪酸は同じものでも異なるものでもよい。すなわち、一般式(2)中の脂肪族炭化水素基R2、R3は同じものでも異なるものでもよい。
一般に市販されている脂肪酸ビスアマイドは、使用されている脂肪酸の炭素数が一定ではなく分布を持つため、実質的にR2、R3が同一のビスアマイドとR2とR3が異なるジアマイドの混合物となっている。本発明で使用可能な脂肪酸ビスアマイドとしては、例えば、エチレンビスカプリル酸アマイド、エチレンビスカプリン酸アマイド、エチレンビスラウリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスイソステアリン酸アマイド、エチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アマイド、ヘキサメチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、エチレンビスオレイン酸アマイド、エチレンビスエルカ酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、メチレンビスラウリン酸アマイド、メチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスヒドロキシステアリン酸アマイド、メチレンビスオレイン酸アマイド、キシリレンビスステアリン酸アマイドなどが挙げられる。本発明においては、これらビスアマイドから選ばれる1種もしくは2種以上の混合物が使用できる。
脂肪酸アマイド及び脂肪酸ビスアマイドは、アミン系化合物と脂肪酸を直接反応させて得る場合が多く、この時原料のアミン系化合物がアマイド中に不純物として残留する。このアミンの含有量を定量的に表す指標としてアミン価(全アミン価)が一般的に用いられている。アミン価は、1級、2級、3級アミンの総量を示すもので、試料1gを中和するのに要する塩酸に当量の水酸化カリウムのmg数で表される。本発明で使用する脂肪酸アマイド及び/または脂肪酸ビスアマイドのアミン価は1以下、好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.3以下に規定される。アミン価が前期範囲を越えると、食品容器などの発泡成形体を連続的に生産する場合に成形金型表面が黒く汚染されたり、場合によっては腐食が起こり、伝熱不良による融着不良や離型不良を引き起こす傾向がある。
本発明では、脂肪酸アマイドより脂肪酸ビスアマイドを使用するのが好ましい。また、上記した脂肪酸アマイド、脂肪酸ビスアマイドの中でも、ステアリン酸アマイドおよび/またはエチレンビスステアリン酸アマイドを用いるのが好ましく、その内でもエチレンビスステアリン酸アマイドを単独で用いるのが最も好ましい。
本発明における脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドの使用量は、発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)100重量部に対して0.01重量部以上0.5重量部以下であり、好ましくは0.05重量部以上0.3重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以上0.25重量部以下である。脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドの使用量が前記範囲より少ないと、油脂を始めとした食品容器内容物の浸透を抑制する効果が小さなる傾向があり、一方前記範囲を超えると粒子同士の融着が悪化し成形サイクルが長くなる傾向がある。
本発明においては、脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドに加えて脂肪酸金属塩を併用する。脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドに加えて脂肪酸金属塩を併用することにより、油脂分の多い内容物の浸透を有効に防止できる。
脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウムなどの長鎖脂肪酸金属塩が挙げられる。これらの内で、ステアリン酸亜鉛を用いるのが特に好ましい。通常、市販されているステアリン酸亜鉛を構成する脂肪酸は、主成分となるステアリン酸と、パルミチン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などとの混合物であり、本発明におけるステアリン酸亜鉛もこのような市販品を使用することができる。
従来技術においては、ステアリン酸亜鉛を始めとする脂肪酸金属塩を予備発泡時の集塊化防止剤として使用するのは公知であるが、その使用量は発泡性スチレン系樹脂粒子100重量部に対してせいぜい0.2重量部未満であった。しかしながら本発明においては、予備発泡時の集塊化防止、金型からの離型促進に加えて、食品容器などにおける内容物の浸透防止を目的として、発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)100重量部に対して脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)を0.2重量部以上1.0重量部以下の範囲で用いることを要件とする。脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)の使用量の下限は、好ましくは0.25重量部、更に好ましくは0.3重量部、最も好ましくは0.4重量部であり、上限は、好ましくは0.8重量部、より好ましくは0.7重量部、更に好ましくは0.6重量部、特に好ましくは0.5重量部である。脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)の使用量が前記範囲を下回ると、油脂などの多い食品容器内容物の浸透防止効果が小さくなる傾向があり、一方前記範囲を超えると成形時の融着が不充分となり強度が低下する傾向がある。
本発明者らは、脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイド中に不純物として残留するアミン系化合物の量が、アミン価として1以下である脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドを用いることにより、食品容器などの発泡成形体を連続的に成形しても成形金型表面が極めて汚染されにくいことを見出したわけであるが、本発明で使用する脂肪酸金属塩についても、脂肪酸金属塩中に不純物として残留する脂肪酸ナトリウムの含有量が0.1重量%を越えると、発泡成形体を連続的に成形した場合に成形金型表面が黒く汚染され、伝熱不良による融着不足や離型不良を引き起こす傾向を有する。よって、本発明においては、脂肪酸金属塩中に含まれる脂肪酸ナトリウムの含有量は0.1重量%以下のものが好ましく、0.08重量%以下のものがさらに好ましく、0.05重量%以下のものが特に好ましい。
従来技術よりも多量の脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)を使用する本発明においては、この脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)中に含まれる脂肪酸ナトリウムの影響を大きく受けることから、この脂肪酸ナトリウムの含有量の制御をすることは非常に好ましい結果を得る。
ここに、ステアリン酸亜鉛を始めとする脂肪酸金属塩の代表的な製法として複分解法と直接法が挙げられるが、これらのうち複分解法では一般式(3)、(4)に示す反応式で表されるように、金型汚染の原因となる脂肪酸ナトリウムが中間生成物として生成され、一部の未反応脂肪酸ナトリウムが最終製品であるステアリン酸亜鉛中に不純物として残留する。
(複分解法における反応の一例)
Figure 0004470547
Figure 0004470547
これに対し、直接法では脂肪酸(ステアリン酸)と金属酸化物(ZnO)もしくは金属水酸化物(Zn(OH)2)を直接反応させるため、製造過程において脂肪酸ナトリウムは生成されない。よって、金型汚染を抑制するためには脂肪酸ナトリウムを含有しやすい複分解法の脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)よりも、脂肪酸ナトリウムを含まない直接法の脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)を使用するのが特に好ましい。なお、複分解法の脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)であっても、脂肪酸ナトリウムの含有量を前記の範囲以下にすれば、金型汚染を抑制可能であるが、金型汚染を防ぎ、より長期の連続生産を可能にするためには、精製を行なってより脂肪酸ナトリウム含有量を低下させ、脂肪酸ナトリウム含有量がゼロである直接法の脂肪酸金属塩(好ましくはステアリン酸亜鉛)に近づけることが望ましい。
本発明で使用する脂肪酸金属塩、その代表例たるステアリン酸亜鉛に関しては、その粒子径は特に限定されるものではない。通常被覆処理が容易な点からは、平均粒子径の下限が、好ましくは7μm、更に好ましくは8μm、最も好ましくは10μmであり、上限が、好ましくは15μm、更に好ましくは13μmであるステアリン酸亜鉛が使用される。もとより、粒子径がさらに大きなものや、さらに小さいものであっても所期の効果を発揮しうる。
脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドと脂肪酸金属塩を一緒にまたは別々に発泡性スチレン系樹脂粒子とともにヘンシェルミキサーなどの混合機内で一定時間混合することにより、発泡性スチレン系樹脂粒子表面に脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドと脂肪酸金属塩を被覆させることができる。脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドと脂肪酸金属塩は、両者の混合物または両者を同時に混合機に加えて混合することにより被覆させてもよいが、脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドを被覆させた後、脂肪酸金属塩を被覆させるのが好ましい。なお、本発明においては、発泡性スチレン系樹脂粒子表面に脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイドと脂肪酸金属塩が被覆または付着などにより、何らかの形で存在する状態を被覆と表現している。
本発明では、さらに、帯電防止剤として一般に使用されるグリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、脂肪酸モノグリセライド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどの1種または2種以上の併用も可能である。その内、ポリエチレングリコールを使用するのが好ましい。
本発明においては、発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡時間を短縮するために、可塑剤として流動パラフィンを用いてもよい。特に食品容器として用いる場合、流動パラフィンは食品添加物として登録されているため、安心して使用できる。発泡性スチレン系樹脂粒子中における流動パラフィンの含有量は、発泡性スチレン系樹脂粒子(ここでは、被覆処理前の発泡性スチレン系樹脂粒子をいう)100重量部に対して0.05重量部以上1重量部以下であるのが好ましく、0.05重量部未満では予備発泡時間の短縮がほとんどみられず、1重量部を超えると成形して得られる発泡成形体の表面にべとつきが生じるため好ましくない。
本発明における発泡性スチレン系樹脂粒子の予備発泡方法は、従来公知の方法を用いることができる。例えば、回転攪拌式予備発泡装置で、水蒸気を用いて80〜110℃程度で加熱することにより、嵩密度が90〜120g/L程度の予備発泡粒を得ることができる。また、得られた予備発泡粒子を所望の形状の金型内に充填し、水蒸気などを用いて130〜145℃程度で加熱することにより発泡成形体とすることができる。
本発明の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡、ついで成形して得られた発泡成形体は、油脂を始めとした浸透力の強い内容物の浸透を実質的に抑制することが可能であるため、即席麺、カレールウを添加した即席麺、カレールウ、カレー、シチュー、マヨネーズ、マーガリン、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、コーヒーなどの食品容器として好適に利用することが可能である。特に、油脂分を多量に含み、浸透力が著しく強い食品である、カレールウを添加した即席麺、カレールウ、カレーなどの食品容器として使用した場合に、高温下など過酷な条件下で保存、輸送しても内容物が容器壁を通して外部に浸透する惧れがない。さらに、このような食品容器を連続的に成形しても、金型汚染及び金型腐食が極めて起こりにくい。
以下、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
(アミン価の測定法)
本発明におけるアミン価(全アミン価)は以下の方法で測定する。
(a)試料0.5〜2gを精秤する。この時の試料量をSgとする。
(b)中性エタノール(BCG中性)30mlを加え溶解する。
(c)0.2mol/Lエタノール性塩酸溶液(力価f)で滴定する(液の色が緑から黄色に変わったところが終点)。この時の滴定量をAmlとする。
(d)以下の式よりアミン価(全アミン価)を算出する。
アミン価=(A×f×0.2×56.108)/S
(実施例1〜13、比較例1〜6)
攪拌機を具備した5リットル反応器に、純水1.5リットル、第三リン酸カルシウム9.7g、アルファオレフィンスルホン酸ソーダ0.15g、塩化ナトリウム1.7g、粒子径が0.2〜0.3mmのスチレン系樹脂種粒子427gを入れ、攪拌下に反応器中の分散液を90℃に昇温した。次いで、ベンゾイルパーオキサイド3.6g、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン3.0gをスチレン単量体1280gに溶解した溶液を5時間かけて反応器中に仕込みながら重合した。単量体溶液の仕込みが終了した後、直ちに120℃に昇温して3時間後重合を行った。その後、イソペンタン36重量%、ノルマルペンタン54重量%、イソブタン3重量%、ノルマルブタン7重量%からなる易揮発性発泡剤85gを系内に仕込みさらに3時間120℃で保持した後、冷却した。懸濁液を取り出し脱水・乾燥したところ、粒子径が0.3〜0.5mm、残存スチレンモノマー量が40ppm、発泡剤含有量が4.5重量%、重量平均分子量が30万の発泡性スチレン系樹脂粒子が得られた。さらに、連続成形運転による金型汚染度のテストのため、上記5リットル反応器を1500リットルの反応器にスケールアップし、同様の処方により同一の発泡性スチレン系樹脂粒子を得て連続成形に供した。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子1000g(100重量部)をヘンシェルミキサーに入れ、攪拌しながら0.1重量部のポリエチレングリコール(分子量400)、表1に示す脂肪酸アマイドおよび/または脂肪酸ビスアマイド、脂肪酸金属塩を順次加え、これら添加剤で被覆された発泡性スチレン系樹脂粒子を得た。表1に示されるステアリン酸亜鉛aは直接法品(日本油脂(株)製:ジンクステアレートGF−200、粒子径が10μmの粒子を60%含み、平均粒子径が10μmのもの)であり、ステアリン酸亜鉛bは複分解法品(日本油脂(株)製:ジンクステアレート、粒子径が10μm以下の粒子を66%含み、平均粒子径が7μmのもの)である。またステアリン酸マグネシウムは直接法品(日本油脂(株)製:マグネシウムステアレートGF−200、粒子径が10μm以下の粒子を63%含み、平均粒子径が7μmのもの)である。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子を回転攪拌式予備発泡装置に投入し、約95℃の水蒸気中で嵩密度が106g/Lになるまで約6分間発泡し、予備発泡粒子を得た。
得られた予備発泡粒子を室温で約20時間養生乾燥した後、内容積500ml、肉厚2mmのカップ状金型内に充填し、2.4kgf/cm2の水蒸気で5秒加熱し、冷却後金型よりカップ状発泡成形体を得た。
(実施例14)
易揮発性発泡剤の量を68gに変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量は3.5重量%であった。
(実施例15)
易揮発性発泡剤の量を102gに変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡剤含有量は5.5重量%であった。
(実施例16)
易揮発性発泡剤の組成をイソペンタン20重量%、ノルマルペンタン80重量%に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
(実施例17)
易揮発性発泡剤の組成をイソペンタン18重量%、ノルマルペンタン72重量%、イソブタン3重量%、ノルマルブタン7重量%に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
(実施例18)
後重合温度を120℃から115℃に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残存スチレンモノマー量は420ppmであった。
(実施例19)
1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの使用量を1.5gにし、後重合温度を120℃から115℃に変えた以外は実施例1と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。なお、この時得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の残存スチレンモノマー量は900ppmであった。
(実施例20、21、比較例7)
成形時の水蒸気での加熱時間を8.5秒に変えた以外は実施例1〜13と同様にして、カップ状発泡成形体を得た。
実施例1〜21および比較例1〜7で得られたカップ状発泡成形体について、以下のような評価を行なった。また金型汚染度の評価を行なった。結果を表に示す。
Figure 0004470547
Figure 0004470547
(1)発泡剤含有量
被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子約2gをアルミニウム容器に精秤し、150℃×30分加熱した後、30分常温下で冷却して再び重量を測定した。発泡剤含有量は下記の式(5)を用いて算出した。
発泡剤含有量(重量%)=
[〔加熱前樹脂粒子重量(g)−加熱後樹脂粒子重量(g)〕/
加熱前樹脂粒子重量(g)]×100 ……(5)
(2)残存スチレンモノマー量
被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子を塩化メチレンに溶解し、(株)島津製作所製ガスクロマトグラフィーGC−14B(カラム充填剤:ポリエチレングリコール、カラム温度:110℃、キャリアガス:ヘリウム)を用いて、内部標準法(内部標準:シクロペンタノール)にてスチレンモノマー量を定量し、被覆前の発泡性スチレン系樹脂粒子中に含まれる残存スチレンモノマー量(ppm)を算出した。
(3)融着率
カップ状発泡成形体の側壁を手で割り、破断面に存在する全ての粒子の内、発泡粒子そのものが破断している粒子の割合を百分率で表した。80%以上が合格である。
(4)表面粒子間隙
カップ状発泡成形体表面に粒子間隙がほとんどないものを◎、印刷しても色飛びがほとんどなく、実用上問題のないものを○、印刷すると色飛びが認められ使用不可能なものを×とした。
(5)界面活性剤溶液浸透試験
北広ケミカル(株)製スコアロール700コンク(ポリエチレンのエチレンオキサイド付加物)を0.1重量%、エリオクロムブラックT(和光純薬工業(株)製、2−ヒドロキシ−1−(1−ヒドロキシ−2−ナフチルアゾ)−6−ニトロ−4−ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩)を0.005重量%含む界面活性剤水溶液約400gをカップ状発泡成形体に入れ、カップ外壁面に界面活性剤水溶液が浸透し、水滴が現れ始めるまでの時間を測定した。30分以上が合格である。
(6)カレー試験
油脂成分の浸透抑制効果を確認するために、カレールウ200gを発泡成形したカップに入れ、サランラップで包装し、60℃の雰囲気下に置いてカップ外壁にカレーが洩れ出すまでの時間を測定した。24時間以上が合格である。
(7)金型汚染度評価
実施例1の方法をスケールアップして製造した被覆された発泡性スチレン系樹脂粒子約300kgを実施例1と同じ方法で予備発泡し、約1週間連続的に金型でカップ状発泡成形体の成形を行い、金型表面の汚染度を評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:金型表面に全く変化なし
○:金型表面が薄っすらと黒ずんでいる。
△:金型表面の約半分が真っ黒に変色している。
×:金型表面が全面的に真っ黒になっている。

Claims (17)

  1. 易揮発性発泡剤を含有し、スチレン系モノマーの含有量が1000ppm以下である発泡性スチレン系樹脂粒子が、該樹脂粒子100重量部に対して、下記一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び下記一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種0.01重量部以上0.5重量部以下と、脂肪酸金属塩0.2重量部以上1.0重量部以下とで被覆されており、かつ、該脂肪酸アマイド及び該脂肪酸ビスアマイドのアミン価が1以下であることを特徴とする発泡性スチレン系樹脂粒子。
    Figure 0004470547
    Figure 0004470547
  2. 一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が、7〜23である請求項1に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  3. 一般式(1)及び(2)に示される脂肪族炭化水素基R1、R2、R3の炭素数が17である請求項2に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  4. 一般式(2)に示される炭化水素基R4の炭素数が1〜8である請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  5. 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、ステアリン酸アマイド及び/又はエチレンビスステアリン酸アマイドである請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  6. 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドから選択される少なくとも1種が、エチレンビスステアリン酸アマイドである請求項1〜5のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  7. 一般式(1)で示される脂肪酸アマイド及び一般式(2)で示される脂肪酸ビスアマイドのアミン価が0.5以下である請求項1〜6のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  8. 脂肪酸金属塩が直接法により製造されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  9. 脂肪酸金属塩がステアリン酸亜鉛である請求項1〜8のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  10. 易揮発性発泡剤の含有量が3重量%以上6重量%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  11. 易揮発性発泡剤がイソペンタンを15重量%以上60重量%以下含有する請求項1〜10のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  12. 易揮発性発泡剤がイソペンタン15重量%以上60重量%以下、ノルマルペンタン40重量%以上85重量%以下、ブタン及び/又はプロパン0重量%以上20重量%以下からなる請求項1〜11のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  13. 粒子径が0.2mm以上0.6mm以下である請求項1〜12のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡して得られる予備発泡粒子。
  15. 請求項14に記載の予備発泡粒子を発泡成形して得られる発泡成形体。
  16. 発泡成形体が食品容器である請求項15に記載の発泡成形体。
  17. 発泡成形体が食品衛生法の温湯容器規格に適合している食品容器である請求項16に記載の発泡成形体。
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