JP2007091781A - 発泡成形品とその製造方法及び食品包装体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 油分や色素の滲み出しを防止できる発泡成形品とその製造方法、該発泡成形品に食品等を収容し包装した食品包装体の提供。
【解決手段】 ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られた発泡成形品であって、該発泡成形品断面の発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることを特徴とする発泡成形品。
【選択図】 図1
【解決手段】 ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られた発泡成形品であって、該発泡成形品断面の発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることを特徴とする発泡成形品。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を用いて製造される発泡成形品とその製造方法及び該発泡成形品からなる容器に食品を包装した食品包装体に関する。
従来から、スチレン系樹脂粒子中に発泡剤を含浸させてなる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させて予備発泡粒子を製造し、この予備発泡粒子を成形機の成形型内に充填した上で加熱、発泡させて互いに融着一体化させて所望形状を有する発泡成形容器を製造していた。
上述のように、発泡成形容器は、予備発泡粒子自身の発泡圧力によって、予備発泡粒子が発泡してなる発泡粒子同士を熱融着一体化してなるものであるが、発泡粒子同士は、これら発泡粒子同士の接触部分において全面的に熱融着しているものではなく、部分的にしか熱融着一体化していない。
従って、発泡成形容器は、たとえ発泡粒子同士が良好な状態、即ち、発泡成形容器の断面において発泡粒子の表面同士が目視にて完全に熱融着一体化した状態であっても、発泡粒子同士の接触部分における非熱融着部分に起因する隙間が内外方向に連続することによって、目視では確認できないような微細な毛細管が発泡成形容器の内外面間に亘って貫通した状態に形成されている。
このことは、発泡成形容器内に界面活性剤を含有する染料水を入れて所定時間に亘って放置すると、発泡成形容器内の染料水が発泡粒子間にできた毛細管を通じて外部に滲み出てくる現象が生じることから確認することができる。
そして、このような発泡成形容器をコーヒーのような飲料用カップとして用いる場合には実用上において何ら支障は生じないものの、発泡成形容器内に油性食品類、例えば、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、マーガリンなどのサラダ油、油脂などを含有する食品を長期間に亘って保存しておくと、これら油性食品類に含有されていた油分が発泡成形容器に形成された毛細管を通じて外部に滲み出してくるといった問題点があった。
同様に、発泡成形容器内に、即席麺と共にカレー粉を含有するかやく類を収納して保存しておくと、カレー粉の黄色色素が発泡成形容器の毛細管を通じて発泡成形容器外面に滲み出し、商品価値が損なわれるといった問題点があった。
このような油等の外部への滲み出しを防ぎ得る発泡成形容器を得るためには、成形品容器内からの油分や水分の染み出しの直接原因である発泡成形容器の発泡粒子間に出来た毛細管を無くすことが課題である。その課題解決のために、成形時の加熱温度を上げて発泡成形容器の表面に樹脂の溶融膜を作る、あるいは、成形時の加熱温度を低くして加熱時間を延ばすことで成形品内部を充分に加熱し発泡粒間のすき間を無くす方法がある。しかしながら、溶融膜ができる成形温度まで上げると成形品容器の一部が収縮してしまうために外観は損なわれ、また、成形温度が低いと予備発泡粒子自身の発泡圧力が充分でなくなるために成形品融着が悪化し、また、生産性も劣るため工業的に有用な方法でない。
従来、容器等に使用した際に、油等の内容物の浸透を低減し得る発泡成形品の従来技術としては、例えば、特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の表面に高吸水性樹脂を被覆する技術が提案されている。
特許文献2には、発泡性熱可塑性樹脂粒子に含フッ素ブロック共重合体を被覆することが提案されている。
特開平4−272942号公報
特開平11−322995号公報
特許文献1には、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の表面に高吸水性樹脂を被覆する技術が提案されている。
特許文献2には、発泡性熱可塑性樹脂粒子に含フッ素ブロック共重合体を被覆することが提案されている。
しかしながら、前述した従来技術には、次のような問題があった。
特許文献1に記載された発泡性スチレン系樹脂粒子を用いて得られた発泡粒は、予備発泡時に高吸水性樹脂が吸湿してしまうために発泡粒にべとつきがあり、その結果、発泡粒の流動性が悪化してしまうために充填不良が発生し易いといった生産上の問題があった。
特許文献1に記載された発泡性スチレン系樹脂粒子を用いて得られた発泡粒は、予備発泡時に高吸水性樹脂が吸湿してしまうために発泡粒にべとつきがあり、その結果、発泡粒の流動性が悪化してしまうために充填不良が発生し易いといった生産上の問題があった。
また、特許文献2に記載された発泡性スチレン系樹脂粒子を用いて得られた発泡成形品は、油脂成分や界面活性剤水溶液に対する浸透防止性はあるものの、含フッ素ブロック共重合体が高価であり、また、一部のフッ素化合物について体内蓄積性が確認された報告もあり、安全性を重視する食品容器への使用には懸念されている。
本発明は、食品などに含まれた油分やカレー粉などの色素を長期間に亘って内部に保存し或いは界面活性剤などを含む液体を所定時間に亘って内部に収納した場合であっても外部に滲み出すことがなく、且つ発泡成形性、外観に優れた発泡成形品とその製造方法及び該発泡成形品からなる容器に食品を包装した食品包装体を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するため、ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られた発泡成形品であって、該発泡成形品断面の発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることを特徴とする発泡成形品を提供する。
本発明の発泡成形品において、前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに飽和膨潤させた時の表層厚みが10〜50μmの範囲であることが好ましい。
本発明の発泡成形品において、ポリスチレン系樹脂のゲル分率が20〜30質量%であることが好ましい。
また本発明は、ポリスチレン系樹脂種粒子を水性媒体中に分散させた分散液を作製し、80℃〜110℃に保持した後、この分散液中にスチレン系単量体を前記種粒子100質量部に対して20〜100質量部、架橋性単量体を前記スチレン系単量体の質量に対して0.2〜1.0質量%、及び重合開始剤を含む単量体溶液を、60〜180分かけて一定割合で供給し、前記種粒子上に架橋性単量体を含むスチレン系単量体を重合させてなるポリスチレン系樹脂からなる表層を成長させると共に、前記単量体溶液の供給後に易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、次いで該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて請求項1〜3のいずれかに記載された発泡成形品を得ることを特徴とする発泡成形品の製造方法を提供する。
また本発明は、前記本発明に係る発泡成形品からなる容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなる食品包装体を提供する。
本発明の発泡成形品は、発泡粒同士がそれらの界面において強固に熱融着し一体化しているので、発泡粒子間にはほとんど空隙がなく、また熱融着界面部分には架橋性単量体とスチレン系単量体とを重合させて形成された表層が設けられているので耐油性に優れている。よって、その内部に油分を含んだ食品を長期間に亘って収納したりあるいは界面活性剤を含んだ液体を収納した場合であっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことがない。よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲み出るという問題を防ぐことができる。
更に本発明の発泡成形品は外観に優れ、表面の発泡粒子間の空隙が少ない為に表面印刷性に優れている。
更に本発明の発泡成形品は外観に優れ、表面の発泡粒子間の空隙が少ない為に表面印刷性に優れている。
本発明の発泡成形品は、ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られ、該発泡成形品断面の発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることを特徴としている。
この発泡粒子間空隙の数を測定するには、まず、発泡成形品をカミソリ刃にて1cm2の大きさにカットし、カットした断面を電子顕微鏡にて観察し、前記寸法範囲に入る空隙の数を測定し、1cm2当たりの空隙数を求める。
図1は、後述する実施例において製造した本発明に係る実施例の発泡成形品断面(図1(a))と比較例の発泡成形品断面(図1(b))を示す図であり、図中符号Aは発泡成形品断面、Bは前記の空隙である。図1からわかるように、本発明の発泡成形品は、その断面Aにおいて発泡粒子間の空隙Bの数が少なくなっている。
本発明の発泡成形品は、発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることにより、その内部に油分を含んだ食品を長期間に亘って収納したりあるいは界面活性剤を含んだ液体を収納した場合であっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことがない。よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲み出るという問題を防ぐことができる。
更に本発明の発泡成形品は外観に優れ、表面の発泡粒子間の空隙が少ない為に表面印刷性に優れている。
この空隙の数が5個/cm2を超えると、油分の滲み出しが増加してしまい、発泡成形品内に油分を含んだ食品を長期間に亘って収納したりあるいは界面活性剤を含んだ液体を収納した場合、空隙を通って油分等が外部に滲み出してしまう。
更に本発明の発泡成形品は外観に優れ、表面の発泡粒子間の空隙が少ない為に表面印刷性に優れている。
この空隙の数が5個/cm2を超えると、油分の滲み出しが増加してしまい、発泡成形品内に油分を含んだ食品を長期間に亘って収納したりあるいは界面活性剤を含んだ液体を収納した場合、空隙を通って油分等が外部に滲み出してしまう。
本発明の発泡成形品の製造原料となる発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層以外の部分を構成するポリスチレン系樹脂は、特に限定されず、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、i−プロピルスチレン、ジメチルスチレンなどのスチレン系単量体の単独重合体又はこれらの共重合体などが挙げられる。また、種粒子部分を構成するポリスチレン系樹脂は、前記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどが挙げられる。
また、前記表層を構成するポリスチレン系樹脂は、架橋性単量体を含むスチレン系単量体を重合させて形成される。前記架橋性単量体としては、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子に架橋構造を付与することができるものであれば、特に限定されず、例えば、ジビニルベンゼン、ポリエチレングルコールジメタクリレートなどのアルキレングリコールジメタクリレートなどの多官能性単量体などが挙げられ、その中でもジビニルベンゼンが好ましい。また、樹脂表層を構成するポリスチレン系樹脂は、前記架橋性単量体と前記スチレン系単量体とこのスチレン系単量体と共重合可能なビニル単量体との共重合体であってもよく、このようなビニル単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、ジメチルマレエート、ジメチルフマレート、ジエチルフマレート、エチルフマレートなどが挙げられる。すなわち、前記ビニル単量体を、スチレン系単量体、架橋性単量体及び重合開始剤を含む単量体溶液に供給してもよい。
本発明の発泡成形品の製造原料となる発泡性スチレン系樹脂粒子は、該樹脂粒子をテトラヒドロフラン(以下、THFと記す。)に飽和膨潤させた時の表層厚みが10〜50μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは15〜40μmの範囲であり、更に好ましくは20〜30μmの範囲である。この表層厚みが10μm未満である場合は、発泡成形品の耐油性が低下して、油分や色素或いは界面活性剤などを含む液体が発泡成形品を通じて外部に滲出しやすくなる。一方、表層厚みが50μmを超える場合には、2次発泡性が低下して発泡粒子間の融着率が低下し、油分等の滲出しや成形品強度が低下するという問題が生じる。
前記の表層厚みの測定方法の工程としては、図2に示すように、
(1)樹脂粒子1を25℃、常圧下でTHFに浸漬して飽和膨潤化し(図2(a)参照)、
(2)次いで、飽和膨潤化した樹脂粒子2をTHFから分離し(図2(b)参照)、
(3)次いで、分離した樹脂粒子2をメチルメタクリレート(以下、MMAと記す。)中に浸漬し(図2(c)参照)、飽和膨潤化した樹脂粒子2内部のTHFをMMAで置換し(図2(d)参照)、
(4)次いで、MMAを重合せしめてポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと記す。)固化体3とし、樹脂粒子を膨潤状態で該PMMA固化体3中に固定し(図2(e)参照)、
(5)次いで、樹脂粒子の中心を通る面に沿って前記PMMA固化体3を切断し(図2(f)参照)、
(6)次いで、該切断面4を観察して樹脂粒子の表層厚さを計測すること(図2(g)参照)、によって実施することが望ましい。
(1)樹脂粒子1を25℃、常圧下でTHFに浸漬して飽和膨潤化し(図2(a)参照)、
(2)次いで、飽和膨潤化した樹脂粒子2をTHFから分離し(図2(b)参照)、
(3)次いで、分離した樹脂粒子2をメチルメタクリレート(以下、MMAと記す。)中に浸漬し(図2(c)参照)、飽和膨潤化した樹脂粒子2内部のTHFをMMAで置換し(図2(d)参照)、
(4)次いで、MMAを重合せしめてポリメチルメタクリレート(以下、PMMAと記す。)固化体3とし、樹脂粒子を膨潤状態で該PMMA固化体3中に固定し(図2(e)参照)、
(5)次いで、樹脂粒子の中心を通る面に沿って前記PMMA固化体3を切断し(図2(f)参照)、
(6)次いで、該切断面4を観察して樹脂粒子の表層厚さを計測すること(図2(g)参照)、によって実施することが望ましい。
図3は、前記測定方法によって作製したPMMA固化体3の切断面の要部拡大図であり、この図中符号5は固定された樹脂粒子の表層、6は粒子外部のPMMA相、7は粒子内部のPMMA相をそれぞれ示している。
図3に示す通り、本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子は、前記(1)〜(6)の工程を順次行って処理することで、表層5がPMMA固化体3の切断面に残り、それを拡大観察して厚みを測定することが可能である。
図3に示す通り、本発明に係る発泡性スチレン系樹脂粒子は、前記(1)〜(6)の工程を順次行って処理することで、表層5がPMMA固化体3の切断面に残り、それを拡大観察して厚みを測定することが可能である。
更に本発明では、発泡成形品を構成するポリスチレン系樹脂のゲル分率が20〜30質量%の範囲であることが好ましく、更に好ましくは20〜25重量%の範囲である。このゲル分率が20質量%未満の場合は、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層厚みが範囲内であっても、成形型内に充填された予備発泡粒子の2次発泡力が高いために、発泡成形品の表面がすぐに密着し、発泡成形品内部への蒸気の入りが悪くなるため、結果として発泡粒子間空隙の多い発泡成形品となり、油分や色素或いは界面活性剤などを含む液体が発泡成形品を通じて外部に滲み出しやすくなる。一方、ゲル分率が30質量%を超える場合は、予備発泡粒子の2次発泡力が低下しすぎてしまい、発泡成形時に予備発泡粒子同士の融着が悪くなり、得られる発泡成形品の強度が低下するばかりか、予備発泡粒子間の空隙が多くなり、成形品の内容物が染み出すという問題が発生する。
次に、本発明に係る発泡成形品の製造方法について説明する。
本発明の発泡成形品の製造原料である発泡性スチレン系樹脂粒子を製造するためには、公知の核重合法(シード重合法)を使用する。本発明で使用する種粒子としては、従来から知られているスチレン系樹脂粒子の製造方法より得られたものが使用できる。例えば、前記スチレン系単量体に架橋性単量体を加えた上で、水中にて懸濁重合させてスチレン系樹脂種粒子を製造する方法、又はスチレン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機からストランド状、又は略球状に押出して所定長さ毎に切断し、スチレン系樹脂種粒子を製造する方法などが挙げられる。尚、前記スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は発泡成形性、物性の問題から、15万〜40万が好ましく、25万〜35万がより好ましい。
本発明の発泡成形品の製造原料である発泡性スチレン系樹脂粒子を製造するためには、公知の核重合法(シード重合法)を使用する。本発明で使用する種粒子としては、従来から知られているスチレン系樹脂粒子の製造方法より得られたものが使用できる。例えば、前記スチレン系単量体に架橋性単量体を加えた上で、水中にて懸濁重合させてスチレン系樹脂種粒子を製造する方法、又はスチレン系樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機からストランド状、又は略球状に押出して所定長さ毎に切断し、スチレン系樹脂種粒子を製造する方法などが挙げられる。尚、前記スチレン系樹脂粒子の重量平均分子量は発泡成形性、物性の問題から、15万〜40万が好ましく、25万〜35万がより好ましい。
本発明の解決課題である、食品などに含まれた油分やカレー粉などの色素が外部に滲出すことを防ぐには、発泡成形品表面の耐油性を向上させることが望ましい。本発明のようなビーズ法と呼ばれる発泡成形方法で得られる発泡成形品の耐油性を向上させるには、発泡性スチレン系樹脂粒子の表層が発泡成形品の表面に露出する場合が多い為に、該樹脂粒子表面の架橋密度を高めることが必要である。更に、該発泡性スチレン系樹脂粒子に優れた発泡成形性を持たせるためは、樹脂粒子の中心部は架橋密度ができるだけ低いスチレン系樹脂からなることが好ましい。
そして、前記種粒子100質量部を水性媒体中に分散させた後、80℃〜110℃に保持した後、この分散液中にスチレン系単量体を20〜100質量部、架橋性単量体を前記スチレン系単量体の質量に対して0.2〜1.0質量%、及び重合開始剤を含む単量体溶液を、60〜180分かけて一定割合で供給し、前記種粒子上に架橋性単量体を含むスチレン系単量体を重合させてなるポリスチレン系樹脂からなる表層を成長させ、さらに易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造する。
本発明では前記重合工程で、架橋性単量体を添加するわけであるが、架橋性単量体はスチレン系単量体の一部もしくは全部に溶解して添加する事が望ましい。架橋性単量体とスチレン系単量体を個別に添加すると架橋構造にむらができ、均一な発泡性スチレン系樹脂粒子が得られない恐れがある。
スチレン系単量体の添加量は、種粒子100質量部に対して、20〜100質量部の範囲とする。スチレン系単量体が20質量部未満であると、出来上がった発泡性スチレン系樹脂粒子の表層厚みが薄く、充分な耐油性が発揮されない問題を生じる。また、スチレン系単量体が100質量部を超えると、必要以上に種粒子内に浸透してしまい、得られた発泡性スチレン系樹脂粒子の表層厚みが厚くなりすぎ、これにより発泡能力を損ない、粒子同士の密着が弱く、粒子間から内容物の油分の滲出しが多くなるばかりか、成形品の強度も低下するという問題を生じる。
架橋性単量体の添加量は、添加するスチレン系単量体の質量に対して0.2〜1.0質量%の範囲とする。架橋性単量体が0.2質量%未満であると、出来上がった発泡性スチレン系樹脂粒子の表層の架橋構造が足りず充分な耐油性が発揮されない問題を生じる。一方、架橋性単量体が1.0質量%を超えると、架橋しすぎてしまい、発泡能力を損ない、成形体の発泡粒子間隙が広くなり、油分の滲出しが増加する問題がある。
前記単量体溶液を添加する温度は、80〜110℃の範囲とする。この温度が80℃より低温だと重合の速度が遅くなり、スチレン系単量体はポリスチレン系樹脂粒子の内部まで染み込み易くなり、効率よく表層部で架橋が行なわれなくなる。また、110℃より高温であると、添加したスチレン系単量体が、ポリスチレン系樹脂粒子へ吸収される前に重合が進み、ポリスチレン系樹脂粒子への吸収効率が悪くなり、生産効率が悪化するので好ましくない。
前記スチレン系単量体を種粒子中に吸収させて重合させる際に用いられる重合開始剤としては、特に限定されず、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートなどの有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリルなどのアゾ化合物などが挙げられ、これらを単独で、或いは複数併用することができる。
前記重合開始剤としては、10時間の半減期を得るための分解温度が50℃以上で且つ80℃未満の重合開始剤と、10時間の半減期を得るための分解温度が80℃以上で且つ120℃以下の重合開始剤とを併用することが好ましい。なお、重合開始剤の添加量としては、スチレン系単量体100質量部に対して、0.01〜3質量部が好ましい
また、前記分散液には、スチレン系種粒子および、種粒子の分散安定性を向上させるために、懸濁安定剤や安定助剤を添加してもよい。
前記懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどの水溶性高分子や、第三リン酸カルシウム、ピロリン酸マグネシウムなどの難溶性無機化合物が挙げられる。難溶性無機化合物を用いる場合には、アニオン界面異活性剤が通常、併用される。
このようなアニオン界面活性剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩、β−テトラヒドロキシナフタレンスルホン酸塩などが挙げられる。
次に、前記核重合によって得られたスチレン系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を含浸させて、発泡性スチレン系樹脂粒子を製造する。
前記易揮発性発泡剤としては、汎用のものが用いられ、例えば、プロパン、ブタン、ペンタンなどの脂肪族炭化水素;1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1,クロロー1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、2−クロロ−1,1,1,2テトラフルオロエタン(HCFC−124)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)などのフロン系発泡剤が挙げられ、脂肪族炭化水素が好ましい。なお、易揮発性発泡剤は単独で使用されても併用されてもよい。更に、前記発泡性スチレン系樹脂粒子には、チオジプロピオン酸エステル、チオジブチル酸エステル、エチレンビスステアリン酸アミドなどの気泡調整剤、紫外線吸収剤、増量剤、着色剤などの汎用の添加剤が添加されていてもよい。
発泡性スチレン系樹脂粒子の平均粒子径は、得られる発泡成形品の用途によって調整されるが、発泡成形品が発泡成形容器であって厚みが薄い場合には、0.2〜1mmの範囲とし、好ましくは0.2〜0.8mm、更に好ましくは0.3〜0.7mmとするが、これに限定されない。
このようにして得られた発泡性スチレン系樹脂粒子は、予備発泡機で予備発泡されて予備発泡粒子とされ、得られた予備発泡粒子は発泡成形機の金型内に充填された上で加熱蒸気などの加熱媒体により発泡させられて発泡圧によって互いに熱融着一体化して所望形状を有する発泡成形品とされる。なお、予備発泡粒子の嵩密度は、0.015〜0.20g/cm3が好ましいが、これに限定されない。
また、前記発泡成形品としては種々の形態のものが挙げられるが、コップ状、どんぶり状、トレー状、箱状などの発泡成形容器が本発明の作用、効果を効果的に奏する点で好ましい。
この発泡成形容器内には、牛脂、大豆油、菜種油、しそ油、オリーブ油、ごま油、紅花油、コーン油などの植物油、ラード、即席麺、シチュー、マヨネーズ、ドレッシングソース、カレールー、バター、マーガリン、ホワイトソース、ヨーグルト類、アイスクリーム、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキンなどの油性食品や脂肪食品、界面活性剤を含む水溶液などを収納することができる。
前記発泡成形品は、上述のように、所定の発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡させて得られたものであるので、発泡粒子同士がそれらの界面において強固に熱融着一体化しているとともに、発泡粒子同士が熱融着している界面部分は架橋密度が高くて耐油性に優れている。
従って、油分を含んだ食品やカレー粉などの色素を含むものを長期間に亘って発泡成形品内に収納し、あるいは、界面活性剤を含む液体などを発泡成形品内に収納した場合にあっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことはなく、よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲出るという問題は解決できる。更には、外観も美麗で印刷性にも優れ、強度等にも優れた発泡成形体が得られる。
従って、油分を含んだ食品やカレー粉などの色素を含むものを長期間に亘って発泡成形品内に収納し、あるいは、界面活性剤を含む液体などを発泡成形品内に収納した場合にあっても、発泡粒子同士の熱融着界面が油分、色素あるいは界面活性剤などによって侵されるようなことはなく、よって、発泡粒子同士の熱融着界面を通じて油分や色素、界面活性剤を含んだ液体などが発泡成形品の外面に滲出るという問題は解決できる。更には、外観も美麗で印刷性にも優れ、強度等にも優れた発泡成形体が得られる。
本発明に係る食品包装体は、前記発泡成形品からなる発泡成形容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなるものである。発泡成形容器内に充填される食品の種類は、油脂を含むものであれば特に限定されないが、前述したような油脂を含んだ即席麺(かやくを含む)、シチュー、マヨネーズ、ドレッシングソース、カレールー、バター、マーガリン、ホワイトソース、ヨーグルト類、アイスクリーム、ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキンなどの油性食品、又は食用油脂と色素とを含む食品が本発明の作用、効果を効果的に奏する点で好ましい。この食品包装体の包装形態は、特に限定されず、発泡成形品の形状に応じて適宜な包装形態を選択し得る。例えば、カップ状、どんぶり状、トレー状などの発泡成形容器を用いる場合には、その容器内に食品を充填し、開口部に蓋材をシールして密封し、さらに必要に応じて全体を合成樹脂フィルム等で包装する形態とすることができる。
以下、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
[実施例1]
攪拌装置を備えた5Lのオートクレーブ内に、イオン交換水2.0L、平均粒子径が0.3mmで且つ重量平均分子量が28万のポリスチレン種粒子を1600g、ピロリン酸マグネシウムを20g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1g供給して攪拌し、分散液を作製した。
攪拌装置を備えた5Lのオートクレーブ内に、イオン交換水2.0L、平均粒子径が0.3mmで且つ重量平均分子量が28万のポリスチレン種粒子を1600g、ピロリン酸マグネシウムを20g及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを1g供給して攪拌し、分散液を作製した。
架橋性単量体としてジビニルベンゼンを1.6g、ベンゾイルパーオキサイド(10時間半減期が74℃)2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート(10時間半減期が104℃)1.0gを400gのスチレン単量体に溶解した物を加えて、ホモミキサーで攪拌して乳濁させ、スチレン溶液を作製した。
そして、前記分散液を重合温度90℃に保持し、該分散液中に、前記スチレン溶液を120分で連続的に供給した。その後90℃でさらに1時間保持した後に、125℃まで昇温して1時間保持し重合を完結させた。
その後、125℃に保持したまま、ノルマルペンタン110g、イソペンタン30gを供給して3時間に亘って保持した。その後、2時間かけて30℃まで冷却を行い、分散媒を除去、洗浄、乾燥を行い発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
得られた発泡性スチレン系樹脂粒子に対し、(1)表層厚み測定、及び(2)ゲル分率の測定を実施した。
(1)表層厚み測定
(a)得られた発泡性スチレン系樹脂粒子より、直径0.3〜0.4mmのものを選別し、1.00g精秤してTHF100mlに浸漬させる。
(b)浸漬後、25℃、大気圧条件下で24時間放置し、THFに飽和膨潤させた。
(c)24時間後、80メッシュの金網を用いて濾過し、膨潤樹脂粒子を得た。
(d)密閉可能な外径17mm、長さ105mm、容量10mlの市販の試験管中に上記の膨潤樹脂粒子を膨潤した状態で、該膨潤樹脂粒子2g、MMA3g、2,2アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.003gを加え、膨潤樹脂粒子をMMAに浸漬させた。
(e)上記のMMA浸漬物を密閉状態で40℃の恒温槽にて20時間加熱した。
(f)加熱後、冷水にて冷却し、試験管から重合途中のPMMAを変形しないように取出した。
(g)得られた重合途中のPMMAをカッターナイフにて、内部に固定された樹脂粒子の中心を通る面に沿ってスライスした。
(h)スライスしたものを70℃のオーブンにて2時間再加熱した。
(i)再加熱後、PMMA固化体内の樹脂粒子の表層厚みを電子顕微鏡にて測定した。
(j)10箇所測定した数値の平均値を表層厚み(μm)とした。
この測定の結果、実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層厚みは20μmであった。
(a)得られた発泡性スチレン系樹脂粒子より、直径0.3〜0.4mmのものを選別し、1.00g精秤してTHF100mlに浸漬させる。
(b)浸漬後、25℃、大気圧条件下で24時間放置し、THFに飽和膨潤させた。
(c)24時間後、80メッシュの金網を用いて濾過し、膨潤樹脂粒子を得た。
(d)密閉可能な外径17mm、長さ105mm、容量10mlの市販の試験管中に上記の膨潤樹脂粒子を膨潤した状態で、該膨潤樹脂粒子2g、MMA3g、2,2アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.003gを加え、膨潤樹脂粒子をMMAに浸漬させた。
(e)上記のMMA浸漬物を密閉状態で40℃の恒温槽にて20時間加熱した。
(f)加熱後、冷水にて冷却し、試験管から重合途中のPMMAを変形しないように取出した。
(g)得られた重合途中のPMMAをカッターナイフにて、内部に固定された樹脂粒子の中心を通る面に沿ってスライスした。
(h)スライスしたものを70℃のオーブンにて2時間再加熱した。
(i)再加熱後、PMMA固化体内の樹脂粒子の表層厚みを電子顕微鏡にて測定した。
(j)10箇所測定した数値の平均値を表層厚み(μm)とした。
この測定の結果、実施例1の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の表層厚みは20μmであった。
(2)ゲル分率の測定
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を140℃のオーブンで1時間に亘って加熱し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の発泡剤を除去して測定試料を作製し、この測定試料の質量W1を測定した。次に、測定試料をトルエン100g中に浸漬させて140℃に20時間に亘って還流した後、80メッシュの金網を用いて濾過し、金網状の残渣をデシケータ内に供給して140℃で2時間に亘って−60cmHgで減圧乾燥後にデシケータで室温まで自然冷却し、乾燥残渣の質量W2を測定し、下記式より算出した。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
この測定の結果、実施例1で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のゲル分率は22.0質量%であった。
発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を140℃のオーブンで1時間に亘って加熱し、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子中の発泡剤を除去して測定試料を作製し、この測定試料の質量W1を測定した。次に、測定試料をトルエン100g中に浸漬させて140℃に20時間に亘って還流した後、80メッシュの金網を用いて濾過し、金網状の残渣をデシケータ内に供給して140℃で2時間に亘って−60cmHgで減圧乾燥後にデシケータで室温まで自然冷却し、乾燥残渣の質量W2を測定し、下記式より算出した。
ゲル分率(質量%)=100×W2/W1
この測定の結果、実施例1で得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子のゲル分率は22.0質量%であった。
更に、得られた発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形し、得られた発泡成形品に対して、(3)空隙数の測定、(4)成形品融着率の測定、及び(5)油分滲出し防止性の評価を実施した。
まず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を次の条件で発泡成形し、発泡成形容器を作製した。
発泡性スチレン系樹脂粒子1.0kgにステアリン酸亜鉛(粉砕品 平均最大長20μm)3gを高速流動型混合機内で2分間攪拌した。次にポリエチレングリコール1gを供給して、さらに2分間攪拌しステアリン酸亜鉛で被覆した。その後冷暗所で3日間保管した。
しかる後、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡機に供給して水蒸気を用いて嵩密度0.1g/cm3に予備発泡させて、予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子を常温にて1日保管し乾燥させた。
次に、前記予備発泡粒子を発泡成形機内の成形型内に供給、充填し、予備発泡粒子を0.20MPaの水蒸気を用いて6秒間に亘って加熱、発泡させて、内容積が450cm3で且つ肉厚が2mmのカップ状の発泡成形容器を得た。なおカップ状の発泡成形容器は、平面円形状の底面部の外周縁から一定高さの周壁部を上方における斜め外方に向かって突設してなるものであった。
まず、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を次の条件で発泡成形し、発泡成形容器を作製した。
発泡性スチレン系樹脂粒子1.0kgにステアリン酸亜鉛(粉砕品 平均最大長20μm)3gを高速流動型混合機内で2分間攪拌した。次にポリエチレングリコール1gを供給して、さらに2分間攪拌しステアリン酸亜鉛で被覆した。その後冷暗所で3日間保管した。
しかる後、前記発泡性スチレン系樹脂粒子を予備発泡機に供給して水蒸気を用いて嵩密度0.1g/cm3に予備発泡させて、予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子を常温にて1日保管し乾燥させた。
次に、前記予備発泡粒子を発泡成形機内の成形型内に供給、充填し、予備発泡粒子を0.20MPaの水蒸気を用いて6秒間に亘って加熱、発泡させて、内容積が450cm3で且つ肉厚が2mmのカップ状の発泡成形容器を得た。なおカップ状の発泡成形容器は、平面円形状の底面部の外周縁から一定高さの周壁部を上方における斜め外方に向かって突設してなるものであった。
(3)空隙数の測定
得られた発泡成形容器の側壁から一辺1cmの正方形をカミソリ刃にて切り出し、この切り出した試験片をさらに厚み方向にカミソリ刃で二分割し、分割面(1cm2)を電子顕微鏡にて観察し、長径100〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数を測定し、1cm2当たりの空隙数を求めた。ここでいう長径とは空隙の最大長さであり、短径とは長径と直交する空隙の最大幅を意味する。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における空隙数は、2個/cm2であった。
得られた発泡成形容器の側壁から一辺1cmの正方形をカミソリ刃にて切り出し、この切り出した試験片をさらに厚み方向にカミソリ刃で二分割し、分割面(1cm2)を電子顕微鏡にて観察し、長径100〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数を測定し、1cm2当たりの空隙数を求めた。ここでいう長径とは空隙の最大長さであり、短径とは長径と直交する空隙の最大幅を意味する。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における空隙数は、2個/cm2であった。
(4)成形品融着率の測定
得られた発泡成形容器の発泡粒子間の融着率(成形品融着率)は、次の方法で測定した。
前記発泡成形容器の側壁を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子どうしの界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とした。下記の評価方法で評価した。
◎・・・融着率80%以上であり、成形品融着率が極めて良好である。
○・・・融着率50%以上、80%未満であり、成形品融着率が良好である。
×・・・融着率50%未満であり、成形品融着率が不良である。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における成形品融着率の評価は◎であった。
得られた発泡成形容器の発泡粒子間の融着率(成形品融着率)は、次の方法で測定した。
前記発泡成形容器の側壁を手で二分割し、その破断面における発泡粒子について、粒子内で破断している粒子の数(a)と粒子どうしの界面で破断している粒子の数(b)とを数え、式[(a)/((a)+(b))]×100に代入して得られた値を融着率(%)とした。下記の評価方法で評価した。
◎・・・融着率80%以上であり、成形品融着率が極めて良好である。
○・・・融着率50%以上、80%未満であり、成形品融着率が良好である。
×・・・融着率50%未満であり、成形品融着率が不良である。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における成形品融着率の評価は◎であった。
(5)油分滲出し防止性の評価
得られた発泡成形容器(内容積450cm3)内に、市販の即席麺(カレー味)に用いられている、カレー粉を含む調味料及びかやくを容器の8分目(容積360cm3)まで入れ、市販されている食品用ラップフィルムで容器全体を包装し、この包装容器を60℃に保たれたオーブンに入れて、包装容器外面にカレー油脂分が滲み出した時間を測定した。
油分滲出し防止性を下記の評価方法で評価した。
◎・・・48時間経過後、カレー油脂分の滲み出しがなく、油分滲出し防止性は極めて良好である。
○・・・24時間以上48時間未満にカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は良好である。
×・・・24時間未満でカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は不良である。
得られた発泡成形容器(内容積450cm3)内に、市販の即席麺(カレー味)に用いられている、カレー粉を含む調味料及びかやくを容器の8分目(容積360cm3)まで入れ、市販されている食品用ラップフィルムで容器全体を包装し、この包装容器を60℃に保たれたオーブンに入れて、包装容器外面にカレー油脂分が滲み出した時間を測定した。
油分滲出し防止性を下記の評価方法で評価した。
◎・・・48時間経過後、カレー油脂分の滲み出しがなく、油分滲出し防止性は極めて良好である。
○・・・24時間以上48時間未満にカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は良好である。
×・・・24時間未満でカレー油脂分の滲み出しがあり、油分滲出し防止性は不良である。
この測定の結果、実施例1の発泡成形容器における油分滲出し防止性の評価は◎であった。
これらの結果を表1に記す。
これらの結果を表1に記す。
[実施例2]
ポリスチレン種粒子を1100g、ジビニルベンゼンを3.6g、ベンゾイルパーオキサイド2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.0gを900gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を120分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ポリスチレン種粒子を1100g、ジビニルベンゼンを3.6g、ベンゾイルパーオキサイド2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.0gを900gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事、スチレン溶液を120分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例3]
ジビニルベンゼンを0.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ジビニルベンゼンを0.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例4]
ジビニルベンゼンを2.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ジビニルベンゼンを2.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例5]
スチレン溶液を60分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
スチレン溶液を60分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例6]
スチレン溶液を180分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
スチレン溶液を180分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[実施例7]
重合温度を80℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
重合温度を80℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
重合温度を105℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例1]
ポリスチレン種粒子を1900g、ジビニルベンゼンを0.4g、ベンゾイルパーオキサイド0.2g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.1gを100gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ポリスチレン種粒子を1900g、ジビニルベンゼンを0.4g、ベンゾイルパーオキサイド0.2g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.1gを100gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例2]
ポリスチレン種粒子を1000g、ジビニルベンゼンを4.0g、ベンゾイルパーオキサイド2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.0gを1000gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ポリスチレン種粒子を1000g、ジビニルベンゼンを4.0g、ベンゾイルパーオキサイド2.0g及びt−ブチルパーオキシベンゾエート1.0gを1000gのスチレン単量体に溶解しスチレン溶液を作製した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例3]
ジビニルベンゼンを4.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に示す。
ジビニルベンゼンを4.8gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に示す。
[比較例4]
ジビニルベンゼンを0.4gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
ジビニルベンゼンを0.4gとしたこと以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例5]
スチレン溶液を30分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
スチレン溶液を30分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例6]
スチレン溶液を200分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
スチレン溶液を200分で供給した事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例7]
重合温度を75℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
重合温度を75℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
[比較例8]
重合温度を115℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
重合温度を115℃にした事以外は実施例1と同様の手順で行った。結果を表1に記す。
表1の結果より、本発明に係る実施例1〜8において製造した発泡成形容器は、その断面において観察される長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下と少なく、良好な成形品融着率、及び優れた油分滲出し防止性を持っていることがわかる。
一方、比較例1〜8において製造した発泡成形容器は、空隙の数が実施例よりも多く、油分滲出し防止性に劣っていた。
一方、比較例1〜8において製造した発泡成形容器は、空隙の数が実施例よりも多く、油分滲出し防止性に劣っていた。
A…発泡成形品断面、B…空隙、1,2…樹脂粒子、3…PMMA固化体、4…切断面、5…表層、6…粒子外部のPMMA相、7…粒子内部のPMMA相。
Claims (5)
- ポリスチレン系樹脂粒子の表面に、架橋性単量体とスチレン系単量体を重合させて形成された表層が設けられ、これらに易揮発性発泡剤が含浸されてなる発泡成形用の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて得られた発泡成形品であって、
該発泡成形品断面の発泡粒子間にある長径100μm〜500μm、短径10〜100μmの範囲の空隙の数が5個/cm2以下であることを特徴とする発泡成形品。 - 前記発泡性ポリスチレン系樹脂粒子をテトラヒドロフランに飽和膨潤させた時の表層厚みが10〜50μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形品。
- ポリスチレン系樹脂のゲル分率が20〜30質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡成形品。
- ポリスチレン系樹脂種粒子を水性媒体中に分散させた分散液を作製し、80℃〜110℃に保持した後、この分散液中にスチレン系単量体を前記種粒子100質量部に対して20〜100質量部、架橋性単量体を前記スチレン系単量体の質量に対して0.2〜1.0質量%、及び重合開始剤を含む単量体溶液を、60〜180分かけて一定割合で供給し、前記種粒子上に架橋性単量体を含むスチレン系単量体を重合させてなるポリスチレン系樹脂からなる表層を成長させると共に、前記単量体溶液の供給後に易揮発性発泡剤を含浸させて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を製造し、次いで該発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を発泡成形させて請求項1〜3のいずれかに記載された発泡成形品を得ることを特徴とする発泡成形品の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載された発泡成形品からなる容器内に、油性食品又は食用油脂と色素とを含む食品が包装されてなる食品包装体。
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