JP2003306574A - 発泡性熱可塑性樹脂粒子及び発泡成形品 - Google Patents

発泡性熱可塑性樹脂粒子及び発泡成形品

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JP2003306574A JP2002188145A JP2002188145A JP2003306574A JP 2003306574 A JP2003306574 A JP 2003306574A JP 2002188145 A JP2002188145 A JP 2002188145A JP 2002188145 A JP2002188145 A JP 2002188145A JP 2003306574 A JP2003306574 A JP 2003306574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内容物の滲み出しを防ぎうる発泡成形品を製
造しうる発泡性熱可塑性樹脂粒子を提供することを課題
とする。 【解決手段】 発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面の少なく
とも1部をステアリン酸、オレイン酸もしくはパルミチ
ン酸から選ばれる脂肪酸の金属塩粒子が複数個集まった
凝集体で被覆された被覆粒子であり、凝集体が発泡性熱
可塑性樹脂粒子100重量部に対して0.1〜0.6重
量部使用され、発泡性熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と凝
集体の平均最大長が、それぞれ0.2〜2.0mm及び
0.5〜30μmであることを特徴とする被覆された発
泡性熱可塑性樹脂粒子により上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡性熱可塑性樹
脂粒子及び発泡成形品に関する。特に、本発明の発泡性
熱可塑性樹脂粒子は、発泡成形品に収納された即席麺、
フライドチキン等の油性食品、脂肪含有食品のような油
脂、コーヒー、アイスボックスの氷水等が、発泡成形品
中の発泡粒子の融着面を通して外側へ滲み出るのを防止
しうる発泡成形品の製造に好適に使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】発泡性熱可塑性樹脂粒子は、発泡剤とし
て易揮発性の脂肪族炭化水素を樹脂粒子の水性懸濁液中
で含浸せしめる方法、又は樹脂粒子に対して溶解性を有
する溶剤を少量含有する水性懸濁液中で発泡剤を含浸せ
しめる方法等により製造される。このようにして得られ
た発泡性熱可塑性樹脂粒子を予め予備発泡させて、この
予備発泡粒子を小孔を有する成形機の金型内に充填し、
加圧の水蒸気で軟化点以上に加熱して発泡成形品を得
る。
【0003】発泡成形品は、これを破断したとき各粒子
の融着状態が良好、すなわち破断面における各粒子の表
面が全く現れず、100%融着してあっても、それは面
接着ではなく、微細な毛細管が外部に開口している。例
えば、界面活性剤を含む染料水を入れると、染料水が粒
子融着面を通過して外部に滲み出してくることで外部に
開口する毛細管を確認することができる。
【0004】例えば、発泡性熱可塑性樹脂粒子の一種で
ある発泡ポリスチレン粒子を用いて通常の成形法で得ら
れたコップが正常な融着状態であっても、前述のように
界面活性剤水溶液を入れると、それが各粒子の間隙を通
過してコップの外側に滲み出してくるのが観察できる。
これらのコップはコーヒーのような飲用コップとしては
実用上なんら支障ない。しかし、油性食品類、例えばド
ーナツ、ハンバーガー、フライドチキン、マーガリン等
のサラダ油、油脂等を含有する食品を長時間保存する
と、徐々に油脂が器壁外に滲み出すため、これら食品の
容器類としては不適当であった。
【0005】また、かやく中にカレー粉を混合した即席
麺を容器に収納して保存しておくと、カレー粉の黄色色
素が容器外壁に滲み出して容器が汚染され、容器付き即
席麺としての商品価値が著しく減少する。更に、簡易ア
イスボックスにおいては、アイスボックス中の氷水が長
時間経過後には容器外側に滲み出して商品価値が低下す
る。発泡性熱可塑性樹脂粒子を用いて、油脂等の滲み出
しを防止するには、成形時の加熱条件を高温にする、あ
るいは加熱時間を延ばす必要がある。このような処理に
より油脂等の滲み出しは防止できるが、耐熱性が高くな
いため発泡粒子が溶融収縮し、商品になりうる外観美麗
な成形品が得られがたい。また、成形サイクルが長くな
ることで、生産性が劣るという問題がある。
【0006】容器中の油脂等が容器外壁に滲み出すこと
を防止するために、発泡性樹脂粒子の表面を滲み出しを
防止する添加剤で被覆する方法が提案されている。例え
ば、特開平5−140364号公報及び特開平10−2
98339号公報では、含フッ素ビニル系重合体で表面
被覆する方法、特公昭56−34172号公報では、シ
ョ糖エステルで表面被覆する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記提案は、滲み出し
を防止する点で有効な手段ではあるが十分とはいえな
い。また、含フッ素ビニル系重合体で表面被覆する方法
では、発泡粒子の静電気による成形時の充填不良や離型
不良を起こしやすいといった問題がある。更に、ショ糖
エステルで表面被覆する方法では、発泡粒子がべとつく
ため、流動性が悪く、送粒に時間がかかるという問題、
送粒管内に発泡粒子が付着して、それが後に汚れた発泡
粒子として成形品に混入するという問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面の少なくとも1部を
ステアリン酸、オレイン酸もしくはパルミチン酸から選
ばれる脂肪酸の金属塩粒子が複数個集まった凝集体で被
覆された被覆粒子であり、凝集体が発泡性熱可塑性樹脂
粒子100重量部に対して0.1〜0.6重量部使用さ
れ、発泡性熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と凝集体の平均
最大長が、それぞれ0.2〜2.0mm及び0.5〜3
0μmであることを特徴とする被覆された発泡性熱可塑
性樹脂粒子が提供される。更に本発明によれば、上記被
覆された発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡成形して得られ
る発泡成形品が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】一般に、予備発泡時のブロッキン
グ防止剤として脂肪酸金属塩を使用することが知られて
いる。この脂肪酸金属塩は、脂肪酸と金属酸化物とを反
応させ、反応物を粉砕するいわゆる直接法により生産さ
れるものを使用していた。この脂肪酸金属塩の粉砕品
は、ブロッキング防止に対して効果が期待されるもの
の、成形した容器等の外壁への内容物の滲み出しの防止
効果は充分ではなかった。これに対して、本発明の発明
者等は、脂肪酸金属塩のもつ撥水性及び撥油性をいかに
効率よく発現させるかについて鋭意検討した結果、脂肪
酸金属塩粒子の凝集体を使用することで極めて良好な滲
み出し防止効果が得られることを意外にも見出し本発明
に至った。以下、本発明を説明する。
【0010】本発明に使用される発泡性熱可塑性樹脂粒
子は、少なくとも基材樹脂と発泡剤とからなる。基材樹
脂としては、無機又は有機の発泡剤により発泡可能な樹
脂であれば特に限定されない。例えば、ポリスチレン、
耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸
共重合体、AS樹脂等のポリスチレン系樹脂、メタクリ
ル酸エステル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等
のオレフィン系単独重合体及び共重合体樹脂、ポリフェ
ニレンエーテル等の重合体、これら重合体の混合物(例
えば、ポリフェニレンエーテルとポリスチレンとの混合
樹脂)、ポリオレフィンの一部にビニル単量体がグラフ
ト共重合している複合樹脂等が挙げられる。なお、(メ
タ)アクリルとは、メタクリル又はアクリルを意味す
る。
【0011】上記基材樹脂中でも、発泡成形品の使用時
の内容物の滲み出し防止を目的として、ポリスチレン系
樹脂を使用することが特に好ましい。具体的には、スチ
レン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、t−
ブチルスチレン、クロルスチレン、ジビニルベンゼン等
のスチレン系単量体の単独重合粒子又はこれら単量体を
2種以上組み合わせた共重合体粒子、メチルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、セチルメタクリレート等のアクリル
酸及びメタクリル酸のエステル、あるいはアクリロニト
リル、ジメチルフマレート、エチルフマレート、アルキ
レングリコールジメタクリレート等のスチレン系単量体
以外の単量体との共重合体粒子が挙げられる。更に、ス
チレン系樹脂とそれ以外の樹脂とを押出しブレンドして
得られた樹脂粒子であってもよい。スチレン系樹脂以外
の樹脂としては、ポリフェニルエーテル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂、ゴム成分等が挙げられる。
【0012】発泡剤としては、特に限定されず、プロパ
ン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペン
タン、シクロペンタン等の易揮発性の脂肪族炭化水素
や、フレオン11、フレオン12等のフレオン化合物、
二酸化炭素、窒素、水蒸気等の無機化合物等の常温で液
体又は気体である発泡剤が挙げられる。これ以外にも、
加熱により分解して気体を発生する分解性の発泡剤を使
用することもできる。発泡性熱可塑性樹脂粒子には、紫
外線吸収剤、増量剤、着色剤等の公知の添加剤を含んで
いてもよい。
【0013】本発明で使用される発泡性熱可塑性樹脂粒
子の平均粒径は、0.2〜2.0mmである。平均粒径
が、2.0mmより大きい場合は、容器などの金型細部
における充填が不十分となり、商品価値の低下及び漏れ
防止の低下を招くので好ましくなく、0.2mmより小
さい場合は、容器などの成形品の強度が劣るので実用上
使用が難しく、更には、発泡機、成形機の蒸気孔が目詰
まりするので好ましくない。より好ましい平均粒径は、
0.3〜1.2mmである。発泡性熱可塑性樹脂粒子の
製造方法は、特に限定されず、公知の方法により製造で
きる。例えば、発泡剤として易揮発性の脂肪族炭化水素
を水性懸濁液中に含浸せしめる方法、又は樹脂粒子に対
して溶解性を有する溶剤を少量含有する水性懸濁液中に
発泡剤と共に含浸せしめる方法等が挙げられる。発泡剤
の含有量は、熱可塑性樹脂粒子100重量部に対して、
3〜8重量部であることが好ましい。
【0014】本発明において使用される凝集体には、脂
肪酸金属塩として、オレイン酸、ステアリン酸、パルミ
チン酸の脂肪酸の金属塩(マグネシウム、カルシウム、
バリウム、アルミニウム、亜鉛等)が挙げられる。これ
らの中でもステアリン酸の金属塩が好ましく、特に、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムが好ましい。
脂肪酸金属塩粒子の形状は、特に限定されない。具体的
には、球状、棒状、鱗片状、不定形状等の種々の形状が
挙げられる。特に、鱗片状又は不定形状の脂肪酸金属塩
粒子が好ましい。本発明において鱗片状とは、鱗片の平
均最大長に対する厚みが10分の1以下の形状を意味す
る。ここで、平均最大長とは、鱗片の厚さ方向に垂直な
上下面中の最大長の平均値を意味する。
【0015】本発明では上記粒子が複数集まって凝集し
た凝集体が使用される。凝集体を構成する粒子の個数
は、5個以上であることが好ましい。5個以上とするこ
とで、それから得られる発泡成形品の内容物の滲み出し
の防止能力をより向上させることができる。また、凝集
体の平均最大長は、0.5〜30μmである。平均最大
長が、30μmより大きい場合は、該粒子の個々の表面
に凝集体が偏在して被覆されやすくなり、結果として漏
れ防止効果が低下するので好ましくなく、0.5μmよ
り小さい場合は、本発明でいう凝集体に該当しない脂肪
酸金属塩が多く存在しやすくなり、結果として漏れ防止
の効果が低下するので好ましくない。凝集体の形成方法
は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用するこ
とができるが、中でも以下で説明する複分解法が好まし
い。 (複分解法)金属塩水溶液(例えば、塩化亜鉛)とアル
カリ石鹸(例えば、ナトリウムやカリウムと脂肪酸との
塩)を反応させ、脂肪酸金属塩とアルカリ金属塩(例え
ば、塩化ナトリウム)を生成させる。反応後は静置によ
り脂肪酸金属塩層と水層に分層させ、水層を抜きとった
のち水洗により、生成した脂肪酸金属塩を洗浄し、残存
するアルカリ金属塩を遠心分離機やフィルタープレス等
で取り除き、真空乾燥、熱風乾燥等により水分を除くこ
とで脂肪酸金属塩粒子の凝集体を得ることができる。
【0016】発泡性熱可塑性樹脂粒子は、その表面が上
記凝集体で被覆されて被覆粒子となるが、発泡性熱可塑
性樹脂粒子は少なくとも1部が被覆されていればよく、
必ずしも発泡性熱可塑性樹脂粒子全面が被覆されていな
くてもよい。被覆方法は、特に限定されず、公知の方法
を使用することができる。例えばスーパーミキサー、ヘ
ンシェルミキサー、レーディゲミキサー等の混合機を用
いて、発泡性熱可塑性樹脂粒子と凝集体とを混合する方
法が挙げられる。
【0017】上記凝集体は、発泡性熱可塑性樹脂粒子1
00重量部に対して0.1〜0.6重量部使用される。
使用量が0.1重量部未満の場合、得られる発泡成形品
の内容物の滲み出しの防止能力が劣り、0.6重量部よ
り多い場合、成形時の粒子の融着が凝集体により阻害さ
れるため好ましくない。より好ましい凝集体の使用量
は、0.2〜0.5重量部である。更に、融着促進剤や
帯電防止剤を使用してもよい。これら剤は、発泡性熱可
塑性樹脂粒子内に存在させる又は表面を被覆することで
存在させることができるが、表面に存在させることが剤
の使用量をより少なくすることができるので好ましい。
【0018】融着促進剤としては、特に限定されず公知
のものを使用することができる。例えば、ラウリン酸ア
ミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、米糖油のア
ミドや硬化牛脂アミド等の天然脂肪酸をアミド化したも
の、ステアリン酸トリグリセライド、パルミチン酸トリ
グリセライド等の脂肪酸のトリグリセライド、大豆硬化
油や硬化ヒマシ油等の天然トリグリセライド等が挙げら
れる。帯電防止剤としては、特に限定されず公知のもの
を使用することができる。例えば、ポリエチレングリコ
ール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価
アルコール類が挙げられる。
【0019】融着促進剤や帯電防止剤で発泡性熱可塑性
樹脂粒子の表面を被覆する方法は、特に限定されず公知
の方法を使用することができる。例えば、上記凝集体で
発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面を被覆するのと同じ方法
が使用できる。なお、凝集体、融着促進剤及び帯電防止
剤の被覆順は特に限定されない。例えば、凝集体、融着
促進剤及び帯電防止剤の順、帯電防止剤、凝集体及び融
着促進剤の順が挙げられる。
【0020】上記被覆粒子は、公知の方法により発泡成
形することで発泡成形品とすることができる。例えば、
被覆粒子を、いったん予備発泡させて予備発泡粒子と
し、予備発泡粒子を所望の金型に入れ、発泡させること
で発泡成形品とする方法が挙げられる。予備発泡は、発
泡機内に被覆粒子を入れ、蒸気のような媒体で加熱する
ことで行うことができる。予備発泡粒子の嵩密度は、
0.015〜0.5g/cm3程度であることが好まし
い。
【0021】発泡成形品は、予備発泡粒子を成形用金型
内に充填し、金型内へ蒸気を吹き込むことで、予備発泡
粒子が加熱され、膨張するが、成形用金型によって発泡
できる空間が限定されているので、粒子が互いに密着す
ると共に融着一体化し、その結果、所望の形状で得るこ
とができる。発泡成形品の形状は、特に限定されず、種
々の形状を採ることができる。例えば、コップ状、皿
状、どんぶり状、トレー状、箱状等が挙げられる。ま
た、発泡成形品の内容物は、牛脂、大豆油、菜種油等の
植物油類、ラード、即席麺類、シチュー、マヨネーズ、
ドレッシングソース、カレールー、バター、マーガリ
ン、ホワイトソース、ヨーグルト類、アイスクリーム、
ドーナツ、ハンバーガー、フライドチキン等の油性食品
や脂肪食品、界面活性剤を含む水溶液等の場合、特に本
発明は効果を奏する。すなわち、発泡成形品を構成する
発泡粒子間より外部へ内容物(油脂、水溶液、色素等)
が浸透することを長時間にわたり抑制することができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。 実施例1 発泡剤として5.5重量部のn−ペンタンを含有する平
均粒径0.4mmの発泡性ポリスチレン樹脂粒子100
0gと、図1に示す複分解法で形成した鱗片状のステア
リン酸亜鉛の凝集体(平均最大長9.4μm)2.0g
とをスーパーミキサーに入れ、2分間撹拌して表面被覆
した。その後、硬化牛脂酸アマイド0.05g、中鎖飽
和脂肪酸トリグリセリド0.05g、ポリエチレングリ
コール0.4gをスーパーミキサーに入れ、5分間撹拌
することで、発泡性ポリスチレン樹脂粒子の表面が凝集
体で被覆された被覆粒子を得た。
【0023】この被覆粒子をバッチ型予備発泡機に入
れ、水蒸気で均一に加熱することで、かさ密度0.1g
/mlになるように発泡させて予備発泡粒子を得た。得
られた予備発泡粒子を大気中で6時間熟成・乾燥させ
た。次いで、予備発泡粒子を内容量450cc、肉厚2
mmのカップ形成用金型に充填し、0.2MPa(ゲー
ジ圧)の水蒸気で6秒間加熱し、冷却してカップを得
た。得られたカップの外壁へのカレー粉の黄色色素の滲
み出し状態及び界面活性剤水溶液の滲み出し状態を評価
した(評価法は以下に記載)。結果を表1に示す。
【0024】実施例2 凝集体を4.0g使用したこと以外は実施例1と同様に
してカップを得た。得られたカップを実施例1と同様に
して評価した。結果を表1に示す。
【0025】実施例3 鱗片状のステアリン酸亜鉛の凝集体(平均最大長9.4
μm)2.0gの代わりに複分解法で形成した鱗片状の
ステアリン酸カルシウムの凝集体(平均最大長11.0
μm)5.0gを使用したこと以外は実施例1と同様に
してカップを得た。得られたカップを実施例1と同様に
して評価した。結果を表1に示す。
【0026】実施例4 凝集体を5.0g使用し、予備発泡粒子のかさ密度が
0.033g/mlになるように予備発泡させたこと以
外は実施例1と同様にしてカップを得た。得られたカッ
プを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示
す。
【0027】実施例5 鱗片状のステアリン酸亜鉛の凝集体(平均最大長9.4
μm)2.0gの代わりに図2に示す複分解法で形成し
た不定形のステアリン酸カルシウムの凝集体(平均最大
長3.5μm)2.0gを使用したこと以外は実施例1
と同様にしてカップを得た。得られたカップを実施例1
と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0028】比較例1 鱗片状のステアリン酸亜鉛の凝集体(平均最大長9.4
μm)2.0gの代わりに図3に示すステアリン酸亜鉛
の粉砕品(平均最大長20μm)2.0gを使用したこ
と以外は実施例1と同様にしてカップを得た。得られた
カップを実施例1と同様にして評価した。結果を表1に
示す。比較例2凝集体を7.0g使用したこと以外は実
施例1と同様にしてカップを得た。得られたカップを実
施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
【0029】比較例3 凝集体を0.05g使用したこと以外は実施例1と同様
にしてカップを得た。得られたカップを実施例1と同様
にして評価した。結果を表1に示す。
【0030】比較例4 鱗片状のステアリン酸亜鉛の凝集体(平均最大長9.4
μm)2.0gの代わりに鱗片状のステアリン酸亜鉛の
凝集体(平均最大長45.0μm)3.0gを使用した
こと以外は実施例1と同様にしてカップを得た。得られ
たカップを実施例1と同様にして評価した。結果を表1
に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1中、*1〜4は以下の事項を意味す
る。 *1 カップにカレー粉を8分目まで入れ、カップをラ
ッピングした後、60℃のオーブン中に入れ、カレー粉
の黄色色素がカップ外壁に滲み出すまでの時間を測定し
評価した。評価基準は表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】*2 カップ成形品に温度23℃の界面活
性剤水溶液(エマルゲン810(花王社製)を0.1重
量%、エリオクロムブラックTを0.005重量%溶解
させた水溶液)を8分目まで入れ、温度23℃、湿度5
0%の雰囲気下で界面活性剤水溶液がカップ外壁に滲み
出すまでの時間を測定し評価した。評価基準を表3に示
す。
【0035】
【表3】
【0036】*3 カップの外側面と、その反対側の外
側面から圧力をかけてカップを押しつぶして破断させ、
破断した面において発泡粒子自身が破断している割合を
測定し、評価した。評価基準を表4に示す。
【0037】
【表4】
【0038】*4 平均最大長の測定は、マルチイメー
ジアナライザー(ベックマン・コールター社製)を用い
て行なった。マルチイメージアナライザーは、凝集体が
アパチャーチューブを介してアパチャーを通過すると
き、アパチャーチューブ後方のストロボにより光線を照
射し、個々の凝集体の投影画像をCCDカメラにより撮
影する装置である。
【0039】本発明におけるマルチイメージアナライザ
ーによる凝集体の平均最大長の測定には、アパチャーの
直径が100μmのアパチャーチューブを使用し、CC
Dカメラの計測倍率が40倍のレンズを使用した。ま
た、画像処理における1画素の大きさは0.219μ
m、撮影範囲となるフレームサイズの設定値は314、
二値化レベルの設定値は200、ノイズカットの設定値
は0.5とした。撮影された1000枚の凝集体画像か
ら、個々の粒径の最大値を測定し、その測定結果を平均
することで平均最大長を算出した。なお、この測定に必
要とする電解液は、アイソトンII−PC(ベックマン
・コールター社製)を使用した。本発明におけるマルチ
イメージアナライザイーの測定設定値を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】表1から、凝集体の使用割合及び平均最大
長を本発明の範囲にすることで、融着性に優れ及び内容
物の滲み出しを防ぎうる発泡成形品を製造できる発泡性
熱可塑性樹脂粒子を提供することができる
【0042】
【発明の効果】本発明の脂肪酸金属塩粒子の凝集体で被
覆された発泡性熱可塑性樹脂粒子によれば、内容物の滲
み出しが防止された成形品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で使用した凝集体の電子顕微鏡写真で
ある。
【図2】実施例5で使用した凝集体の電子顕微鏡写真で
ある。
【図3】比較例1で使用した凝集体の電子顕微鏡写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA17 AA24 AA32 BA03 BA13 BA14 BA16 BA17 BA18 BA32 BA33 BA34 BA36 BA37 BA38 BA39 BA43 BA53 BA73 CD01 DA03 DA13 DA35 DA47 DA57 4F212 AB07 AB27 AC01 AG20 UA02 UB01 UE27 UF06 UG07 UH21

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡性熱可塑性樹脂粒子の表面の少なく
    とも1部をステアリン酸、オレイン酸もしくはパルミチ
    ン酸から選ばれる脂肪酸の金属塩粒子が複数個集まった
    凝集体で被覆された被覆粒子であり、凝集体が発泡性熱
    可塑性樹脂粒子100重量部に対して0.1〜0.6重
    量部使用され、発泡性熱可塑性樹脂粒子の平均粒径と凝
    集体の平均最大長が、それぞれ0.2〜2.0mm及び
    0.5〜30μmであることを特徴とする被覆された発
    泡性熱可塑性樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 脂肪酸金属塩粒子が、鱗片状の粒子であ
    る請求項1に記載の粒子。
  3. 【請求項3】 凝集体が、複分解法により得られたもの
    である請求項1又は2に記載の粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の被
    覆された発泡性熱可塑性樹脂粒子を発泡成形して得られ
    る発泡成形品。
JP2002188145A 2002-02-18 2002-06-27 発泡性熱可塑性樹脂粒子及び発泡成形品 Expired - Lifetime JP3983116B2 (ja)

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