JP2011074238A - 食品容器用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均粒子径300〜600μmの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において帯電防止剤0.01〜1.0wt%の存在下において0.1〜1.0wt%のステアリン酸亜鉛で粒子表面を被覆する。
【選択図】 なし
Description
食品容器の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は発泡剤としてプロパン、ブタン、ペンタン等の炭化水素を含んでいる。またポリスチレン系樹脂粒子は摩擦により帯電しやすく、静電気により炭化水素に着火、爆発する危険性を含んでいる。
一方、発泡ポリスチレン粒子は発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡する際に予備発泡時の熱により樹脂が軟化し、互いに合着してしまういわゆるブロッキングするといった問題点があった。
内容積6350リットルの攪拌機付オートクレーブ内に、第三リン酸カルシウム(大平化学社製)12.7kg、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.254kg、ベンゾイルパーオキサイド(純度75重量%)8.89kg、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート1.91kg、イオン交換水2540kg及びスチレン単量体2540kgを供給した後、攪拌羽を42rpmの回転速度にて回転させて攪拌して水性懸濁液を形成した。
次に、攪拌羽を42rpmで撹拌しながらオートクレーブ内の温度を90℃まで昇温して90℃にて6時間に亘って保持し、さらにオートクレーブ内の温度を120℃まで昇温し、120℃で2時間に亘って保持することによって、スチレン単量体を懸濁重合した。
しかる後、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却してオートクレーブ内からポリスチレン粒子を取り出して洗浄、脱水を複数回に亘って繰り返し行い、乾燥工程を経た後、ポリスチレン粒子を分級して、平均粒子径が400μmで且つ重量平均分子量が30万のポリスチレン粒子を得た。
170kgとを窒素加圧してオートクレーブ内に30分間かけて圧入し、その状態で3時間に亘って保持した。
続いて、オートクレーブ内の温度を25℃まで冷却し、オートクレーブ内から発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を取り出して洗浄、脱水を複数回に亘って繰り返し行い、乾燥行程を経た後、発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を分級して平均粒子径が400μmで且つ重量平均分子量が30万の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
57(1982)−133〔3347〕周知・慣用技術集(発泡成形)第39頁に記載の発泡層上面検出器までの容積量が350リットルである円筒型バッチ式加圧予備発泡機に1ショット当たり発泡性ポリスチレン系樹脂粒子8.3kgを供給して水蒸気により4分間加熱し嵩密度0.100g/cm3のポリスチレン系予備発泡粒子を得た。予備発泡粒子の平均粒子径は0.8mmであった。
ステアリン酸亜鉛の使用量を4.0kgとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
ステアリン酸亜鉛の使用量を1.0kgとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
ポリエチレングリコールの使用量を100gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。
ステアリン酸亜鉛の使用量を0.4kgとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。予備発泡の段階において発泡粒子が結合してしまうブロッキングが生じた。
ステアリン酸亜鉛の使用量を6.0kgとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。予備発泡機への送粒ライン内にステアリン酸亜鉛の堆積が確認された。
ポリエチレングリコールの使用量を20gとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。帯電量が−5.8kVとなり、帯電量の抑制効果が見られなかった。
ステアリン酸亜鉛をステアリン酸マグネシウムとしたこと以外は実施例1と同様にして発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を得た。帯電量が−6.8kVとなり、帯電量の抑制効果が見られなかった。
ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径を200μmとしたこと以外は実施例1と同様にした。予備発泡に段階で発泡性が低く、所望の密度の発泡粒子を得ることが出来なかった。
ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径を800μmとしたこと以外は実施例1と同様にした。嵩密度0.100g/cm3のポリスチレン系予備発泡粒子を得たが、予備発泡粒子の平均粒子径は1.8mmであった。この予備発泡粒子の平均粒子径では食品容器特有の粒子径の範囲を超えて成形された。
〔帯電量測定〕
保冷庫にて48時間に亘って保管後、内袋を開封し、静電気測定器(シムコジャパン株式会社製 FMX−003)にて発泡性ポリスチレン系樹脂粒子の帯電量を測定した。帯電量の絶対値が0.5kV以下の場合を◎、5kVの以下である場合を○、5kVを超える場合を×と評価した。
上述の要領で得られたポリスチレン系予備発泡粒子をW1g用意し、このポリスチレン予備発泡粒子を目開きが0.5cmの篩でふるい、篩上に残ったポリスチレン予備発泡粒子の重量W2を測定して、下記式に基づいて予備発泡粒子の結合度を算出し、その結果を示した。なお、1重量%以下を「○」、1重量%を超えるものを「×」と評価した。この評価をブロッキング量として示す。
予備発泡粒子の結合度(重量%)=100×W2/W1
先ず、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子を測定試料としてWg採取し、この測定試料をメスシリンダー内に自然落下させ、メスシリンダー内に落下させた測定試料の体積Vcm3をJIS K6911に準拠した見掛け密度測定器を用いて測定し、下記式に基づいてポリスチレン系樹脂予備発泡粒子の嵩密度を測定する。
嵩密度(g/cm3)=測定試料の質量(W)/測定試料の体積(V)
次に、発泡性スチレン系樹脂粒子の発泡性の評価は、以下の方法で行うことができる。すなわち、発泡性スチレン系樹脂粒子を発泡槽中でゲージ圧0.7kgf/cm2の蒸気にて加熱発泡させる。このとき、加熱時間を1、3、4、5分と変化させ、発泡粒子に収縮が発生する直前の嵩密度を測定し、最高嵩密度とした。最高嵩密度が0.1g/cm3を超えたものを○、超えなかったものを×とした。これは0.1g/cm3まで発泡しない粒子では、予備発泡時の密度を0.2g/cm3としても、成形時に2次発泡力が足らず、成形が出来ないためである。
本実施例において平均粒子径とはD50で表現される値である。具体的には、ふるい目開き4.00mm、目開き3.35mm、目開き2.80mm、目開き2.36mm、目開き2.00mm、目開き1.70mm、目開き1.40mm、目開き1.18mm、目開き1.00mm、目開き0.85mm、目開き0.71mm、目開き0.60mm、目開き0.50mm、目開き0.425mm、目開き0.355mm、目開き0.300mm、目開き0.250mm、目開き0.212mm、目開き0.180mmのJIS標準ふるいで分級し、その結果から得られた累積重量分布曲線を元にして累積重量が50%となる粒子径(メディアン径)を本実施例における平均粒子径と称する。
発泡粒子の場合、平均粒子径が0.5mm〜1.5mmの範囲内にある場合は「○」、同範囲外にある場合は「×」と評価した。
前記円筒型バッチ式加圧予備発泡機への送粒ライン内に堆積が確認されなかったものを○、同堆積が確認されたものを×と評価した。
発泡成形体の平均弦長は、ASTM D2842−69の試験方法に準拠して測定されたものをいう。具体的には、発泡成形体を略二等分となるように切断し、切断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製 商品名「S−3000N」)を用いて100倍に拡大して撮影する。撮影した画像をA4用紙に印刷し、任意の箇所に長さ60mmの直線を一本描く、この直線上に存在する気泡数から気泡の平均弦長(t)を下記式により算出する。
平均弦長t=60/(気泡数×写真の倍率)
なお、直線を描くにあたっては、できるだけ直線が気泡に点接触してしまう場合には、この気泡も気泡数に含め、更に、直線の両端部が気泡を貫通することもなく、気泡内に位置した状態となる場合には、直線の両端部が位置している気泡も気泡数に含める。更に、撮影した画像の任意の5箇所において上述と同様の要領で平均弦長を算出し、これらの平均弦長の相加平均値を発泡成形体の平均弦長とする。
Claims (4)
- 平均粒子径300〜600μmの発泡性ポリスチレン系樹脂粒子において帯電防止剤0.01〜1.0wt%の存在下において0.1〜1.0wt%のステアリン酸亜鉛が上記粒子表面に含まれ、帯電量の絶対値が5kV以下であることを特徴とする食品容器用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 帯電防止剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とする請求項1記載の食品容器用発泡性ポリスチレン系樹脂粒子。
- 請求項1記載の発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を予備発泡させ、
その予備発泡粒子が0.05g/cm3〜0.2g/cm3の範囲の嵩密度を持ち、
平均粒子径0.5〜1.5μmの食品容器用予備発泡粒子。 - 請求項3記載の予備発泡粒子を型内に充填して発泡させて得られた発泡成形体であって平均弦長が20〜200μmであることを特徴とする食品容器。
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