JP3955495B2 - ワンタッチ取付形水栓 - Google Patents
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、洗面台等に設けられる水栓に係り、とくにワンタッチで取付け可能な水栓に関する。
【０００２】
【従来の技術】
水栓は、洗面台等に設けられるものであるから、その取付時には洗面台の下で給水管との接続を含む作業を要し、作業性のよい構造にはなっていない。
【０００３】
図７は、従来の水栓蛇口における鶴首の取付け構造を示すものである。鶴首は、注水口１を有する鶴首本体２には、上部にはノブ３が設けられ、下部には外周面にネジを切った給水部４が設けられている。そして、給水部４が、座金５を介挿した上でナット６により図示しない洗面台に固定される。
【０００４】
この場合、座金５を差し込んでナット６を締め込む作業は、洗面台の下部で工具を使って行わなければならず、作業員は狭い空間で体を屈めて行うことになるから非常に作業性が悪い。
【０００５】
このため、取付作業が簡単に行える水栓が求められ、鶴首と、洗面台に取付けられて鶴首を支持する台座部とに分けた構成が採られるようになっている。この構成により、台座部を洗面台に取付ける作業と台座部に鶴首を取付ける作業とに分けることができ、作業性の向上がなされている。ここで、鶴首は、簡単に着脱できるワンタッチ式のものが既に提供されている。
【０００６】
ただし、水栓工事は、鶴首だけでなく、その台座を含めたものとなるから、台座の着脱も簡便に行えなければ効果が少ない。そして、台座の取付を簡単化することを考慮に入れて鶴首の着脱を簡単化するには、台座の構造、とくに鶴首を取り付ける部分の構造に大きな影響を与えずに、鶴首の着脱が簡便化されている必要がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のワンタッチ式鶴首はねじ込み方式であるから、取付けるに当って必然的に台座に回転力を与えることになり、台座がナット止め式であると、鶴首の回転力によって台座が回転してしまう。この結果、台座の構造を鶴首の取付作業時の回転力に耐え得るように特別なものにする必要が出てきて、台座構造まで含めた全体構成を変えることになる。
【０００８】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、台座の構造を特別なものとすることなく鶴首を台座に対して簡単に取付け得る水栓を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、
洗面台等の取付け対象に固定される台座部と、この台座部により支持された、給水管を取付けるための管接続部材と、前記台座部に固定される鶴首とを有するワンタッチ取付形水栓において、前記台座部は、外周に前記鶴首を固定するための複数の螺旋状溝が設けられており、前記鶴首は、その基部内周に前記螺旋状溝に係合する爪付き部材を有するものである、ことを特徴とするワンタッチ取付形水栓、
を提供するものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の一実施例における取付構造の一部、つまり鶴首側の構造を示す分解図である。この図１において、鶴首１００に、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３をボルト１１４により固定してなるものであり、爪付き部材１１３が後述する台座に係止することにより、鶴首１００が台座に固定される。
【００１１】
鶴首１００は、注水口１０１、本体１０２およびノブ１０３を有しており、本体１０２の給水部に、ワッシャ１１１、通水部材１１２および爪付き部材１１３がボルト１１４により固定される。
【００１２】
ワッシャ１１１および通水部材１１２は、爪付き部材１１３と共にボルト１１４によって鶴首１００の下部内周に固定されることにより、通水部材１１２のフランジ部１１２ａがワッシャ１１１を介して鶴首１００の給水部に固定され、接続部１１２ｂが鶴首１００と一体化する。また、爪付き部材１１３のリング状部１１３ａの外縁から垂直に下方に延びる爪付き脚部１１３ｂが、鶴首１００の下部内壁にほぼ接して配される。
【００１３】
図２は、鶴首１００に、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３をボルト１１４により固定した状態を、部分縦断面図として示したものである。
【００１４】
この図２に示すように、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３がボルト１１４によって鶴首１００に固定されることにより、鶴首１００の給水部に通水部材１１２が直結し、後に接続部１１２ｂが台座の管接続部材（図示せず）に差し込まれると通水路が形成される。
【００１５】
また、爪付き部材１１３が爪を内向きにして鶴首１００の下部内壁に接するように配されており、爪付き部材１１３に対応する構造に形成された台座に爪付き部材１１３が係合し、鶴首１００が台座に固定される。
【００１６】
図３は、鶴首１００（図１、図２に図示）を固定支持する台座２００を分解して示したものである。台座２００は、鍔状部材２０１、この管接続部材２０２、鍔状部材２０１から吊り下げられた移動部材２０３により構成される。
【００１７】
これら各要素は、洗面台４００に取付けられて、鶴首１００を支持し、かつ鶴首１００に給水経路を提供する。すなわち、鍔状部材２０１は、洗面台４００の取付穴位置の上面に載置され、その中心に設けられた穴に管接続部材２０２が挿入され、管接続部材２０２の外周に設けられたネジ山が移動部材２０３の内周に設けられたネジ溝に係合することにより、移動部材２０３を洗面台４００の下面に向けて移動させ、鍔状部材２０１と移動部材２０３との間に洗面台４００を挟み込む。
【００１８】
鍔状部材２０１は、洗面台４００に設けられた水栓取付穴の径よりも大きな外径とやや小さな内径とを有するほぼリング状に形成された本体２０１ａを有し、この本体２０１ａの外周面には、爪付き部材１１３（図１、図２）の爪が係合する螺旋状溝２０１ｂが、図示の場合、周方向の３個所に等間隔（１２０度間隔）で設けられている。
【００１９】
そして、鍔状部材２０１の内周には、管接続部材２０２の上端に設けられたフランジ部２０２ａを係止させるための段部が形成され、また吊り下げ部材２０１ｃの上部が固定されている。吊り下げ部材２０１ｃは、薄い金属板製であって、その図示下端寄り位置に移動部材２０３を移動可能に支持する長穴が明けられており、上端は鍔状部材２０１の内周に固定され、下端の長穴に移動部材２０３の外周に設けられた突起が嵌合する。
【００２０】
鍔状部材２０１に吊り下げられる移動部材２０３は、ほぼ円筒状に形成されており、内周には管接続部材２０２のネジ山と係合するネジ溝が設けられており、６角レンチ３００等の工具を用いて管接続部材２０２をねじ込むと移動部材２０３は図示上方向に、また緩める方向に管接続部材２０２を回すと移動部材２０３は図示下方向に移動する。
【００２１】
そして、移動部材２０３には、その壁面に３つの縦長の貫通孔が明けられており、この貫通孔に突出部材２０３ｂが揺動自在に取付けられている。突出部材２０３ｂは、側面形状が扇状であり、その頂点付近を支点として移動部材２０３の貫通孔に取付けられているから、移動部材２０３の外周面内、外に出没可能である。
【００２２】
突出部材２０３ｂは、図示の状態では移動部材２０３から突出した状態に描いているが、揺動自在であるから内部に押し込むことができる。他方、管接続部材２０２が移動部材２０３にねじ込まれると、突出部材２０３ｂは管接続部材２０２の外周面により外側に押し出されて移動部材２０３の外周面から突き出た状態となる。
【００２３】
図４(a)，（b)は、台座２００を洗面台４００に取付ける過程を示したもので、図４(a)は管接続部材２０２をある程度ねじ込んだ状態を、図４(b)は完全にねじ込んだ状態をそれぞれ示している。
【００２４】
まず図４(a)では、鍔状部材２０１から管接続部材２０２の上部が少し浮き出た状態となっており、このとき管接続部材２０２の外周面下部は突出部材２０３ｂに当接しており、突出部材２０３ｂは移動部材２０３の外周面から突き出ている。この前段階として、突出部材２０３ｂを押えながら洗面台４００の取付穴に鍔状部材２０１を置いた上で、管接続部材２０２を差し込んで移動部材２０３のネジ溝にねじ込んでいく過程があり、それを経て図４(a)の状態となる。
【００２５】
そして図４(b)は、管接続部材２０２をさらにねじ込んでいき、管接続部材２０２の下端が移動部材２０３の下端から大きく突き出た状態を示している。このとき、突出部材２０３ｂは洗面台４００の取付穴の下端に当接しており、移動部材２０３は上昇できる限界位置に達している。そして、鍔状部材２０１の下面と突出部材２０３ｂの外側面との間に洗面台４００の構成材が挟持された状態となって、台座２００が洗面台４００に固定されている。
【００２６】
図５は、洗面台４００に固定された台座２００に対し、図２に示した状態の鶴首１００を装着する直前の状態を示している。この装着とは、鶴首１００の固定と鶴首１００への給水のための接続とを行うものである。
【００２７】
固定は、鶴首１００の爪付き脚部１１３ｂを鍔状部材２０１の螺旋状溝２０１ｂに係合させることにより行う。螺旋状溝２０１ｂは、図５に示すように、鍔状部材２０１の図示上面に対して斜めの部分と、この斜めの部分の先端に設けられた平行の部分とを有する。
【００２８】
このように形成された螺旋状溝２０１ｂに爪付き脚部１１３ｂを係合させるには、鶴首１００の下部を鍔状部材２０１の上面に位置合わせしてから、図示下向きに力を加えつつ時計方向に回動させる。回動角を深めると、爪付き脚部１１３ｂが螺旋状溝２０１ｂをなぞっていき、斜め部分から平行部分に到って回動停止する。これによって、鶴首１００が台座２００に固定された状態となる。
【００２９】
他方、鶴首１００を装着すると、通水部材１１２の接続部１１２ｂが図示しない管接続部材２０２の状態に嵌合し、接続部１１２ｂの外周に嵌装されたＯリングにより水密状態が得られる。
【００３０】
管接続部材２０２の下端には、図示していないが、適当な接続具を用いて給水管を接続する。
【００３１】
図６は、管接続部材２０２の内部構造および、この管接続部材２０２に給水管を接続する接続具２１０を示したものである。管接続部材２０２は、その図示右端がソケット構造になっており、接続具２１０は図示左端にそれに対応したソケット構造を有し、これにより管接続部材２０２と接続具２１０とは水密構造で接続される。接続具２１０の可撓性チューブの反対側端である図示右端も同様のソケット構造になっており、管接続部材２０２と同様のソケットを備えた給水管に接続することができる。
【００３２】
（変形例）
上記実施例では、取付対象を洗面台としているが、他の水栓を利用する設備にも同様に本発明を適用することができる。
【００３３】
また、上記実施例における複数の螺旋状溝は、それぞれの溝幅とか溝深さ等を変えることにより、鶴首が所定の向きでなければ取付できないようにすることができる。
【００３４】
【発明の効果】
本発明は上述のように、洗面台等に、外周に螺旋状溝が形成された台座を設け、鶴首には上記螺旋状溝に係合する爪付き部材を設けておくことにより、鶴首を押付けつつ軽く回動することで台座へのワンタッチ着脱ができる。しかも、台座における鶴首取付構造が、鶴首を台座に押付けながら僅かに回転させると爪付き部材が螺旋状溝をなぞっていくものであるから、台座の構造を回転防止のために特別にする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成を示す説明図。
【図２】図１の実施例を組み上げた状態を示す部分断面図。
【図３】図１の実施例の装着対象である台座の分解説明図。
【図４】図４(a)は図３に示した台座の取付対象への取付途中の状態を示す説明図、図４(b)は取付完了時の状態を示す説明図。
【図５】図２に示した状態の鶴首を、図４(b)に示した台座に取付ける直前の状態を示す説明図。
【図６】図３ないし図５に示した管接続部材２０２の内部構造、および管接続部材に給水管を接続するための接続具を示す説明図。
【図７】従来の水栓の取付構造を示す説明図。
【符号の説明】
１ 注水口
２ 鶴首本体
３ ノブ
４ 給水部
５ 座金
６ ナット
１００ 鶴首
１０１ 注水口
１０２ 鶴首本体
１０３ ノブ
１１１ ワッシャ
１１２ 通水部材
１１２ａ フランジ部
１１２ｂ 接続部
１１３ 爪付き部材
１１３ａ リング状部
１１３ｂ 爪付き脚部
１１４ ボルト
２００ 台座
２０１ 鍔状部材
２０１ａ 本体
２０１ｂ 螺旋状溝
２０１ｃ 吊り下げ部材
２０２ 管接続部材
２０２ａ フランジ部
２０２ｂ ネジ山部
２０３ 移動部材
２０３ａ 移動部材本体
２０３ｂ 突出部材
２１０ 接続具
３００ ６角レンチ
４００ 洗面台
【産業上の利用分野】
本発明は、洗面台等に設けられる水栓に係り、とくにワンタッチで取付け可能な水栓に関する。
【０００２】
【従来の技術】
水栓は、洗面台等に設けられるものであるから、その取付時には洗面台の下で給水管との接続を含む作業を要し、作業性のよい構造にはなっていない。
【０００３】
図７は、従来の水栓蛇口における鶴首の取付け構造を示すものである。鶴首は、注水口１を有する鶴首本体２には、上部にはノブ３が設けられ、下部には外周面にネジを切った給水部４が設けられている。そして、給水部４が、座金５を介挿した上でナット６により図示しない洗面台に固定される。
【０００４】
この場合、座金５を差し込んでナット６を締め込む作業は、洗面台の下部で工具を使って行わなければならず、作業員は狭い空間で体を屈めて行うことになるから非常に作業性が悪い。
【０００５】
このため、取付作業が簡単に行える水栓が求められ、鶴首と、洗面台に取付けられて鶴首を支持する台座部とに分けた構成が採られるようになっている。この構成により、台座部を洗面台に取付ける作業と台座部に鶴首を取付ける作業とに分けることができ、作業性の向上がなされている。ここで、鶴首は、簡単に着脱できるワンタッチ式のものが既に提供されている。
【０００６】
ただし、水栓工事は、鶴首だけでなく、その台座を含めたものとなるから、台座の着脱も簡便に行えなければ効果が少ない。そして、台座の取付を簡単化することを考慮に入れて鶴首の着脱を簡単化するには、台座の構造、とくに鶴首を取り付ける部分の構造に大きな影響を与えずに、鶴首の着脱が簡便化されている必要がある。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のワンタッチ式鶴首はねじ込み方式であるから、取付けるに当って必然的に台座に回転力を与えることになり、台座がナット止め式であると、鶴首の回転力によって台座が回転してしまう。この結果、台座の構造を鶴首の取付作業時の回転力に耐え得るように特別なものにする必要が出てきて、台座構造まで含めた全体構成を変えることになる。
【０００８】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、台座の構造を特別なものとすることなく鶴首を台座に対して簡単に取付け得る水栓を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、
洗面台等の取付け対象に固定される台座部と、この台座部により支持された、給水管を取付けるための管接続部材と、前記台座部に固定される鶴首とを有するワンタッチ取付形水栓において、前記台座部は、外周に前記鶴首を固定するための複数の螺旋状溝が設けられており、前記鶴首は、その基部内周に前記螺旋状溝に係合する爪付き部材を有するものである、ことを特徴とするワンタッチ取付形水栓、
を提供するものである。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の一実施例における取付構造の一部、つまり鶴首側の構造を示す分解図である。この図１において、鶴首１００に、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３をボルト１１４により固定してなるものであり、爪付き部材１１３が後述する台座に係止することにより、鶴首１００が台座に固定される。
【００１１】
鶴首１００は、注水口１０１、本体１０２およびノブ１０３を有しており、本体１０２の給水部に、ワッシャ１１１、通水部材１１２および爪付き部材１１３がボルト１１４により固定される。
【００１２】
ワッシャ１１１および通水部材１１２は、爪付き部材１１３と共にボルト１１４によって鶴首１００の下部内周に固定されることにより、通水部材１１２のフランジ部１１２ａがワッシャ１１１を介して鶴首１００の給水部に固定され、接続部１１２ｂが鶴首１００と一体化する。また、爪付き部材１１３のリング状部１１３ａの外縁から垂直に下方に延びる爪付き脚部１１３ｂが、鶴首１００の下部内壁にほぼ接して配される。
【００１３】
図２は、鶴首１００に、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３をボルト１１４により固定した状態を、部分縦断面図として示したものである。
【００１４】
この図２に示すように、ワッシャ１１１、通水部材１１２、爪付き部材１１３がボルト１１４によって鶴首１００に固定されることにより、鶴首１００の給水部に通水部材１１２が直結し、後に接続部１１２ｂが台座の管接続部材（図示せず）に差し込まれると通水路が形成される。
【００１５】
また、爪付き部材１１３が爪を内向きにして鶴首１００の下部内壁に接するように配されており、爪付き部材１１３に対応する構造に形成された台座に爪付き部材１１３が係合し、鶴首１００が台座に固定される。
【００１６】
図３は、鶴首１００（図１、図２に図示）を固定支持する台座２００を分解して示したものである。台座２００は、鍔状部材２０１、この管接続部材２０２、鍔状部材２０１から吊り下げられた移動部材２０３により構成される。
【００１７】
これら各要素は、洗面台４００に取付けられて、鶴首１００を支持し、かつ鶴首１００に給水経路を提供する。すなわち、鍔状部材２０１は、洗面台４００の取付穴位置の上面に載置され、その中心に設けられた穴に管接続部材２０２が挿入され、管接続部材２０２の外周に設けられたネジ山が移動部材２０３の内周に設けられたネジ溝に係合することにより、移動部材２０３を洗面台４００の下面に向けて移動させ、鍔状部材２０１と移動部材２０３との間に洗面台４００を挟み込む。
【００１８】
鍔状部材２０１は、洗面台４００に設けられた水栓取付穴の径よりも大きな外径とやや小さな内径とを有するほぼリング状に形成された本体２０１ａを有し、この本体２０１ａの外周面には、爪付き部材１１３（図１、図２）の爪が係合する螺旋状溝２０１ｂが、図示の場合、周方向の３個所に等間隔（１２０度間隔）で設けられている。
【００１９】
そして、鍔状部材２０１の内周には、管接続部材２０２の上端に設けられたフランジ部２０２ａを係止させるための段部が形成され、また吊り下げ部材２０１ｃの上部が固定されている。吊り下げ部材２０１ｃは、薄い金属板製であって、その図示下端寄り位置に移動部材２０３を移動可能に支持する長穴が明けられており、上端は鍔状部材２０１の内周に固定され、下端の長穴に移動部材２０３の外周に設けられた突起が嵌合する。
【００２０】
鍔状部材２０１に吊り下げられる移動部材２０３は、ほぼ円筒状に形成されており、内周には管接続部材２０２のネジ山と係合するネジ溝が設けられており、６角レンチ３００等の工具を用いて管接続部材２０２をねじ込むと移動部材２０３は図示上方向に、また緩める方向に管接続部材２０２を回すと移動部材２０３は図示下方向に移動する。
【００２１】
そして、移動部材２０３には、その壁面に３つの縦長の貫通孔が明けられており、この貫通孔に突出部材２０３ｂが揺動自在に取付けられている。突出部材２０３ｂは、側面形状が扇状であり、その頂点付近を支点として移動部材２０３の貫通孔に取付けられているから、移動部材２０３の外周面内、外に出没可能である。
【００２２】
突出部材２０３ｂは、図示の状態では移動部材２０３から突出した状態に描いているが、揺動自在であるから内部に押し込むことができる。他方、管接続部材２０２が移動部材２０３にねじ込まれると、突出部材２０３ｂは管接続部材２０２の外周面により外側に押し出されて移動部材２０３の外周面から突き出た状態となる。
【００２３】
図４(a)，（b)は、台座２００を洗面台４００に取付ける過程を示したもので、図４(a)は管接続部材２０２をある程度ねじ込んだ状態を、図４(b)は完全にねじ込んだ状態をそれぞれ示している。
【００２４】
まず図４(a)では、鍔状部材２０１から管接続部材２０２の上部が少し浮き出た状態となっており、このとき管接続部材２０２の外周面下部は突出部材２０３ｂに当接しており、突出部材２０３ｂは移動部材２０３の外周面から突き出ている。この前段階として、突出部材２０３ｂを押えながら洗面台４００の取付穴に鍔状部材２０１を置いた上で、管接続部材２０２を差し込んで移動部材２０３のネジ溝にねじ込んでいく過程があり、それを経て図４(a)の状態となる。
【００２５】
そして図４(b)は、管接続部材２０２をさらにねじ込んでいき、管接続部材２０２の下端が移動部材２０３の下端から大きく突き出た状態を示している。このとき、突出部材２０３ｂは洗面台４００の取付穴の下端に当接しており、移動部材２０３は上昇できる限界位置に達している。そして、鍔状部材２０１の下面と突出部材２０３ｂの外側面との間に洗面台４００の構成材が挟持された状態となって、台座２００が洗面台４００に固定されている。
【００２６】
図５は、洗面台４００に固定された台座２００に対し、図２に示した状態の鶴首１００を装着する直前の状態を示している。この装着とは、鶴首１００の固定と鶴首１００への給水のための接続とを行うものである。
【００２７】
固定は、鶴首１００の爪付き脚部１１３ｂを鍔状部材２０１の螺旋状溝２０１ｂに係合させることにより行う。螺旋状溝２０１ｂは、図５に示すように、鍔状部材２０１の図示上面に対して斜めの部分と、この斜めの部分の先端に設けられた平行の部分とを有する。
【００２８】
このように形成された螺旋状溝２０１ｂに爪付き脚部１１３ｂを係合させるには、鶴首１００の下部を鍔状部材２０１の上面に位置合わせしてから、図示下向きに力を加えつつ時計方向に回動させる。回動角を深めると、爪付き脚部１１３ｂが螺旋状溝２０１ｂをなぞっていき、斜め部分から平行部分に到って回動停止する。これによって、鶴首１００が台座２００に固定された状態となる。
【００２９】
他方、鶴首１００を装着すると、通水部材１１２の接続部１１２ｂが図示しない管接続部材２０２の状態に嵌合し、接続部１１２ｂの外周に嵌装されたＯリングにより水密状態が得られる。
【００３０】
管接続部材２０２の下端には、図示していないが、適当な接続具を用いて給水管を接続する。
【００３１】
図６は、管接続部材２０２の内部構造および、この管接続部材２０２に給水管を接続する接続具２１０を示したものである。管接続部材２０２は、その図示右端がソケット構造になっており、接続具２１０は図示左端にそれに対応したソケット構造を有し、これにより管接続部材２０２と接続具２１０とは水密構造で接続される。接続具２１０の可撓性チューブの反対側端である図示右端も同様のソケット構造になっており、管接続部材２０２と同様のソケットを備えた給水管に接続することができる。
【００３２】
（変形例）
上記実施例では、取付対象を洗面台としているが、他の水栓を利用する設備にも同様に本発明を適用することができる。
【００３３】
また、上記実施例における複数の螺旋状溝は、それぞれの溝幅とか溝深さ等を変えることにより、鶴首が所定の向きでなければ取付できないようにすることができる。
【００３４】
【発明の効果】
本発明は上述のように、洗面台等に、外周に螺旋状溝が形成された台座を設け、鶴首には上記螺旋状溝に係合する爪付き部材を設けておくことにより、鶴首を押付けつつ軽く回動することで台座へのワンタッチ着脱ができる。しかも、台座における鶴首取付構造が、鶴首を台座に押付けながら僅かに回転させると爪付き部材が螺旋状溝をなぞっていくものであるから、台座の構造を回転防止のために特別にする必要はない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例の構成を示す説明図。
【図２】図１の実施例を組み上げた状態を示す部分断面図。
【図３】図１の実施例の装着対象である台座の分解説明図。
【図４】図４(a)は図３に示した台座の取付対象への取付途中の状態を示す説明図、図４(b)は取付完了時の状態を示す説明図。
【図５】図２に示した状態の鶴首を、図４(b)に示した台座に取付ける直前の状態を示す説明図。
【図６】図３ないし図５に示した管接続部材２０２の内部構造、および管接続部材に給水管を接続するための接続具を示す説明図。
【図７】従来の水栓の取付構造を示す説明図。
【符号の説明】
１ 注水口
２ 鶴首本体
３ ノブ
４ 給水部
５ 座金
６ ナット
１００ 鶴首
１０１ 注水口
１０２ 鶴首本体
１０３ ノブ
１１１ ワッシャ
１１２ 通水部材
１１２ａ フランジ部
１１２ｂ 接続部
１１３ 爪付き部材
１１３ａ リング状部
１１３ｂ 爪付き脚部
１１４ ボルト
２００ 台座
２０１ 鍔状部材
２０１ａ 本体
２０１ｂ 螺旋状溝
２０１ｃ 吊り下げ部材
２０２ 管接続部材
２０２ａ フランジ部
２０２ｂ ネジ山部
２０３ 移動部材
２０３ａ 移動部材本体
２０３ｂ 突出部材
２１０ 接続具
３００ ６角レンチ
４００ 洗面台
Claims (6)
- 洗面台等の取付け対象に固定される台座部と、この台座部により支持された、給水管を取付けるための管接続部材と、前記台座部に固定される鶴首とを有するワンタッチ取付形水栓において、
前記台座部は、外周に前記鶴首を固定するための複数の螺旋状溝が設けられており、
前記鶴首は、その基部内周に前記螺旋状溝に係合する爪付き部材を有するものである、
ことを特徴とするワンタッチ取付形水栓。 - 請求項１記載のワンタッチ取付形水栓において、
前記爪付き部材は、前記鶴首の基部内周に配され、前記台座部における前記螺旋状溝に係合する爪およびこの爪を支持する脚部を有するワンタッチ取付形水栓。 - 請求項１記載のワンタッチ取付形水栓において、
前記台座部は、
前記取付け対象に設けられた取付け穴に係止される環状鍔部と、
円筒状をなしていて前記環状鍔部から吊り下げ支持されており、内周にネジ切り加工された円筒状空間に、この円筒状空間よりもやや小径で外周にネジ切り加工された円筒状部材がねじ込まれると外部に押し出される複数の突出部材を持った移動部材と
を有するワンタッチ取付形水栓。 - 請求項１記載のワンタッチ取付形水栓において、
前記台座部のネジ溝は、溝幅が異なる複数の溝により構成されており、前記鶴首が所定の向きでねじ込まれたときのみ係合するように構成されたワンタッチ取付形水栓。 - 請求項1記載のワンタッチ取付形水栓において、
前記台座部の突出部材は、側面形状が扇形であってその扇の要部分を支点として揺動可能に支持されており、前記台座部の周囲に等間隔で配置されているワンタッチ取付形水栓。 - 請求項1記載のワンタッチ取付形水栓において、
前記台座部は、その内部の中心位置に給水管を取付けるためのフランジ付きの管接続部材が設けられているワンタッチ取付形水栓。
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