JP4498621B2 - 水栓蛇口 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗面台等に設けられる水栓蛇口に係り、とくに洗面台などの上方から取付け工事を行うものに関する。
【0002】
【従来の技術】
水栓蛇口を例えば洗面台に取り付けるには、洗面台に台座を固定して台座下側に給水管を固定し、上側に鶴首を取り付ける。そして、給水管を取り付ける作業は洗面台の裏側で行い、鶴首の取付けは洗面台の上側で行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、鶴首はワンタッチ取付け方式のものもあり、そのようなものを選ぶことにより取付け作業を簡単に行うことができる。これに対して、台座の取付けはきわめて作業性が悪いのが通例である。
【0004】
すなわち、台座を例えば洗面台に取り付けるには、台座を洗面台の裏側からネジ固定するようにしている。洗面台は、通常の場合、壁面に取り付けられているから洗面台の裏側は非常に狭い空間であって作業性が悪い。そのため、ネジを固定するのに相当の時間が掛かることが屡々である。その上に、台座への給水管の接続作業を行うので、洗面台の裏側での作業のために多大の時間を要する。
【0005】
本発明は上述の点を考慮してなされたもので、台座の取付けを洗面台等の上部で行い得る水栓蛇口を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明では、
洗面台などの取付け対象に固定される台座部と、この台座部下側に給水管を取り付けるための管取付け部材と、前記台座部に固定される鶴首とを有する水栓蛇口において、
前記台座部は、外周に前記鶴首を固定するための係止構造が設けられ、前記取付け対象に設けられた取付け穴に係止される環状鍔部と、円筒状をなし前記環状鍔部から吊り下げられており、内周にねじ切り加工された円筒状空間に、この円筒状空間よりもやや小径で外周にねじ切り加工された円筒状部材がねじ込まれると外部に押し出される複数の突出部材を持った移動部材とを有するものであり、前記管取付け部材は、前記円筒状部材として機能するねじ切り部分と、このねじ切り部分に連なり前記台座部における前記環状鍔部に収容されるフランジ部と、前記給水管に接続される結合部とを有するものである、
ことを特徴とする水栓蛇口、
を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る水栓蛇口の取付け作業の最終段階を示すもので、既に洗面台に取付けられた台座に対して鶴首を装着するときの様子を示している。
【0008】
すなわち、鶴首10は、例えば60度程度矢印で示すように回転させてねじ込み方式で台座に固定する構造となっており、そのために台座20には外周にネジ溝が切ってある。台座20は、その下方にある3つの突出部材が、後述するように洗面台上方からの、給水管を接続するための操作が行われると外周方向に張り出していき、洗面台の取付け穴に当接することによって、台座20が洗面台に固定される。
【0009】
このとき、図2に示すように、固定ピン(図示せず)を固定ピン穴25に挿入することで、鶴首10と台座20とが簡単に外れなくすることができる。
【0010】
台座20には、予め給水管30が固定されており、台座20の取付け時に洗面台の台座20を取り付けるための穴から挿入しておく。そして、台座20の取付け作業終了後であって鶴首10の取付け前に、給水管の下端を水道配管に接続する。
【0011】
図2は、図1と同様に、鶴首10を台座20に装着しようとする段階の様子を側面図として示したものである。鶴首10は、既に洗面台に取り付けられている台座20に対して、鶴首10の下部に設けられたフランジ11の中心位置から図示下方に延び出した挿入口12が台座20の中心位置に差し込まれ、さらに鶴首10の下方内周部に設けたネジ(図示せず)を台座20の外周に設けられたネジ溝にねじ込むように回動させて固定する。
【0012】
台座20には、既に給水管30が取り付けられているから、この給水管30の図示しない下端を水道配管に接続しておけば、鶴首10を差し込んだ段階で給水することができる。
【0013】
図3は、台座20および給水管30を洗面台に取り付ける様子を段階的に示したものである。まず図3(a)は、洗面台の取付け穴に台座20を差し込む段階を示している。台座20は、図3(a)に示すように、洗面台の上面に配される環状鍔部21と、この環状鍔部21から3つの吊り下げ部材22により吊り下げられたほぼ円筒状の移動部材23とにより構成され、移動部材23にはこの移動部材23により揺動自在に支持された3つの突出部材24が設けられている。
【0014】
そして、洗面台の取付け穴に台座20を取り付けるには、突出部材24が取付け穴に引っ掛からないように、移動部材23を取付け穴に挿入し、環状鍔部21が洗面台の上面に当接するまで下降させる。
【0015】
次いで、台座20の環状鍔部21、さらに移動部材23の各中心位置に設けられた穴に、給水管が取り付けられた管取付け部材30を挿入する。給水管は、穴を通すのに適当な径のものを選ぶ。移動部材23は、穴の内周面にネジが切ってあり、管取付け部材30の外周に設けられたネジ切り部31bとネジ係合する。
【0016】
図3(b)は、管取付け部材30を移動部材23に対してある程度挿入した段階を示しており、フランジ部31aを図示矢印の方向に回転させていくと、管取付け部材30の外周によって移動部材23に設けられた突出部材24が外側に押し出される。さらにフランジ部31aを回転させていくと、突出部材24が外方に押し出されたまま、移動部材23が図示上方に移動していく。
【0017】
図3(c)は、移動部材23が移動し切った段階を示しており、このとき台座20が洗面台に固定される。すなわち、台座20は、洗面台の上面に環状鍔部21が当接し、取付け穴の下面に突出部材24が当接することにより、洗面台に固定される。この固定作業の最終段階では、台座20の向きを確認して6角レンチにより締め込む。台座20の向きは、鶴首の装着が適正に行えるように選ぶ。
【0018】
図4は、移動部材23および突出部材24と管取付け部材30のネジ切り部31bとの協働関係を、移動部材23を断面表示することによって示している。突出部材24は、側面形状が要の部分を上向きにした扇状をしており、移動部材23の外周近くの個所に扇の要部が支点となって揺動自在に支持されている。
【0019】
図4(a)に示すように、管取付け部材30を移動部材23の穴内に挿入する前は、突出部材24は移動部材23の外周から突出させない状態とすることができる。図4(b)は、このときの3つの突出部材24につき、その状態を移動部材23の下方から見たものであり、3つの突出部材24は移動部材23の穴内で互いに当接することができる。
【0020】
次いで、管取付け部材30のネジ切り部31bを移動部材23内にねじ込んでいくと、突出部材24は移動部材23の穴内には入ることができず、外方に押し出されて図4(c)に示すように、外側に張り出した状態となる。
【0021】
図5(a)ないし(c)は、洗面台への台座20および管取付け部材30の取付け作業につき、段階を追って示したものである。まず図5(a)は、洗面台に台座20の下部を差し込むときの状態を示している。次いで、図5(b)は、フレキシブルチューブが取り付けられた管取付け部材30を、台座20の穴に差し込む直前の状態を示している。そして、図5(c)は、管取付け部材30の取付け最終段階で、レンチWにより管取付け部材30の締め込みを行う状態を示している。この際、台座20に設けられたマークMを所定の向きにした上で、レンチによる最後の締め込みを行う。マークMが、鶴首設置時にその向きを示すものだからである。
【0022】
図6(a)、(b)は、洗面台に台座20および管取付け部材30が取り付けられた後で、鶴首10を装着する段階での、管取付け部材30の内部に設けられた止水弁の開放する様子を示したものである。
【0023】
図6(a)では、鶴首10が台座20および管取付け部材30の穴内にある程度差し込まれた段階を示しており、図6(b)では完全に差し込まれた状態を示している。まず図6(a)では、鶴首10の接続金具における当り面11と台座20の上面との間に空間があり、このとき鶴首10の接続金具の挿入口12は、管取付け部材30内に設けられた止水弁の止水弁操作棒32に接触し始める。そして、図6(b)では、鶴首10が完全に差し込まれた結果、接続金具の挿入口12によって止水弁操作棒32が押し込まれ、弁体33が下降するから弁体33の周囲が通水可能となる。これにより、蛇口から放水が行われる。
【0024】
(変形例)
上記実施例では、鶴首をねじ込む構造として示したが、バヨネット方式などの差し込んで回動する形式であってもよい。
また、鶴首を台座に係止するネジ溝は、溝幅が異なる複数の溝により構成されていて、前記鶴首が所定の向きでねじ込まれたときのみ係合するように構成されてもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明は上述のように、洗面台の上方から台座および管取付け部材の取付けを行うようにしたため、従来のように、洗面台の下等の作業性が悪い場所での設置作業を防止し、迅速簡単に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成概要を示す説明図。
【図2】図1と同様に、鶴首10を台座20に装着しようとする段階の様子を側面図として示した説明図。
【図3】図3(a),(b)および(c)は、台座20および給水管30を洗面台に取り付ける様子につき段階を追って示した説明図。
【図4】図4(a)、(b)および(c)は、移動部材23および突出部材24と管取付け部材30のネジ切り部31bとの協働関係を、移動部材23を断面表示することによって示した説明図。
【図5】図5(a)ないし(c)は、洗面台への台座20および管取付け部材30の取付け作業を段階を追って示した説明図。
【図6】図6(a)、(b)は、洗面台に台座20および管取付け部材30が取り付けられた後で、鶴首10を装着する段階での、管取付け部材30の内部に設けられた止水弁の開放する様子を示した説明図。
【符号の説明】
10 鶴首
11 フランジ
12 挿入口
20 台座
21 環状鍔部
22 吊り下げ部材
23 移動部材
24 突出部材
25 固定ピン穴
30 給水管
31a フランジ部
31b ネジ切り部
32 止水弁操作棒
33 弁体
M マーク
W レンチ

Claims (6)

  1. 洗面台などの取付け対象に固定される台座部と、この台座部下側に給水管を取り付けるための管取付け部材と、前記台座部に固定される鶴首とを有する水栓蛇口において、
    前記台座部は、外周に前記鶴首を固定するための係止構造が設けられ、前記取付け対象に設けられた取付け穴に係止される環状鍔部と、円筒状をなし前記環状鍔部から吊り下げられており、内周にねじ切り加工された円筒状空間に、この円筒状空間よりもやや小径で外周にねじ切り加工された円筒状部材がねじ込まれると外部に押し出される複数の突出部材を持った移動部材とを有するものであり、前記管取付け部材は、前記円筒状部材として機能するねじ切り部分と、このねじ切り部分に連なり前記台座部における前記環状鍔部に収容されるフランジ部と、前記給水管に接続される結合部とを有するものである、
    ことを特徴とする水栓蛇口。
  2. 請求項1記載の水栓蛇口において、
    前記係止構造は、ねじ込み固定するためのネジ溝である水栓蛇口
  3. 請求項2記載の水栓蛇口において、
    前記台座部のネジ溝は、溝幅が異なる複数の溝により構成されており、前記鶴首が所定の向きでねじ込まれたときのみ係合するように構成された水栓蛇口。
  4. 請求項1記載の水栓蛇口において、
    前記台座部の突出部材は、側面形状が扇形であってその要部を支点として揺動可能に支持されており、前記台座部の周囲に等間隔で配置されている水栓蛇口。
  5. 請求項1記載の水栓蛇口において、
    前記管取付け部材は、前記フランジ部中心位置にレンチ用穴が設けられている水栓蛇口。
  6. 請求項1記載の水栓蛇口において、
    前記管取付け部材は、前記鶴首の挿入部近くに前記鶴首が挿入されることにより開放する止水弁が設けられている水栓蛇口。
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