JP3955389B2 - コンデンサ内蔵基板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサ内蔵基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の機器の小型化の進展により、半導体ICやその他の部品を多層配線基板上に高密度に実装する事が求められ、これに対応して多層配線基板自体にも様々な要求が寄せられている。
【0003】
多層配線基板は、ガラスエポキシ等の有機材料が主体となる有機系基板と、アルミナ等のセラミックスやガラスが主体となる無機系基板に大きく分類できる。この内、無機系基板の製造方法は、まず原料となるアルミナ等の無機粉末を、有機高分子よりなるバインダや溶媒と混合し、これをシート状に成形して、グリーンシート成形体を作製する。次に層間を接続するビア導体を形成するため、このシートに、パンチング等の方法で貫通孔を開け、この穴を、銅や銀等の導電性金属あるいはその前駆体を含むペーストで充填する。またシートの表面に、印刷等の方法で、やはり導電性金属あるいはその前駆体を含む回路パターンを形成する。こうして作製した複数のシートを積層し、まず低温での熱処理により、シートや導体に含まれる有機成分を分解消失させ、さらに高温で熱処理して、無機成分を焼結させ、内部に配線導体を有する無機多層基板とする方法が一般的である。
【0004】
この無機系多層基板は、その製造工程上多層化が容易であり、またビア導体径を小さくする事も容易である等、高密度実装に適している。また、コンデンサ等の部品は、基板と同様に無機粉体を成形、焼成して作製する事が出来るので、基板中の必要な位置に、コンデンサが内蔵されるように、焼成前のグリーンシート積層体中に、コンデンサ用誘電体と電極を形成し、これらを一回の熱処理により同時に一体焼結させてコンデンサ内蔵基板とする事により、より高密度実装に対応させる試みもなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、無機系多層基板の主構成要素である無機系絶縁体と、内蔵コンデンサ用の誘電体は、何れも無機粉末の焼結によって作製されるものではあるが、両者の組成が異なるものであるために、以下の2つの問題点がある。
【0006】
第1の問題点は、両者が接触した状態で焼成を行うため、その工程中に成分の相互拡散が生じて、それぞれの焼結性や電気特性が変化してしまい、その結果、目的とした特性のコンデンサを得る事ができないという点である。第2の問題点は、両者の焼結開始および終了温度と、焼結にともなう収縮率が一致しないと、片方だけが焼結収縮しようとする、あるいは片方だけの収縮率が大きい事によって、焼結後の基板にそりやクラックが生じたり、ひどい場合には層間剥離等で破壊してしまう点である。
【0007】
第2の問題点を克服するためには、基板用絶縁体層(以下基板層と表記)とコンデンサ用誘電体層(以下容量層と表記)の、焼結温度と収縮率をかなり厳密に一致させる必要がある。一方、第1の問題点を克服する方法として、基板層と容量層の間に、相互拡散を防ぐための障壁となる層(以下中間層と表記)を介在させる方法が提案されており、障壁用材料として特定の組成比のものを指定した特許が出願されている(特開平3−4594号公報、特開平9−92978号公報等)。しかしながら、この方法を用いると、基板層と容量層と中間層の3者の焼結温度を一致させないと、第2の問題点が生じてしまう。例えば、特開平9−92978号公報では、アルミナ耐火物やマグネシア耐火物が障壁用材料としての効果が大きい事が述べられているが、しかしながら、これらの耐火物は、基板材料として用いられているガラスセラミックスの焼結温度である875℃では全く焼結しないために、第2の問題点は克服できず、実用的な方法とは言えなかった。また、焼結しないこれらの耐火物は、機械強度の面からも、実用的とは言えなかった。
【0008】
これらの問題点のため、大容量のコンデンサを基板中に内蔵させる事は困難であり、その容量は50nF/cm2程度のものしか得られていなかった。
【0009】
本発明は、従来のコンデンサ内蔵基板およびその製造方法が有する上述した課題を考慮し、コンデンサを基板中に同時焼成で一括形成する事ができ、集積度、実装密度を向上させるコンデンサ内蔵基板およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような問題点を解決するために、請求項1の本発明は、無機系絶縁材料からなる少なくとも一層の基板層と、前記基板層に積層された誘電体層と、前記誘電体層を挟み込むことによって、前記誘電体層とともにコンデンサを形成する二層の電極層と、前記基板層と前記誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記基板層および前記誘電体層より焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からなる、第1中間層を備え、前記第1中間層は主成分として、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛のうちの少なくとも一つを含み、前記第1中間層と前記誘電体層との間に、前記第1中間層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記誘電体層と実質的に同一または類似の成分を主成分とし、副成分として、酸化鉛または酸化ビスマスを含み、前記誘電体層よりも低温で焼結する第2中間層を備えることを特徴とするコンデンサ内蔵基板である。
【0012】
請求項2の本発明は、前記第1中間層の厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0013】
請求項3の本発明は、前記第1中間層は、主成分として、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0015】
請求項4の本発明は、前記第1中間層は、副成分として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化鉛のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0019】
請求項5の本発明は、前記第1中間層と前記第2中間層の厚さの合計は、30μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板である。
【0020】
請求項6の本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板を製造する製造方法において、コンデンサ内蔵基板の焼成を行う前に、そのグリーン成形体の両面もしくは片面に、前記焼成が行われる焼成温度においては、実質的に焼結収縮を生じない無機組成物を主成分とする最外層を積層し、前記焼成の完了後、前記最外層の全部または一部を除去することを特徴とするコンデンサ内蔵基板の製造方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明、又は本発明に関連する発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
まず、本発明に関連する発明の一例を図面を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。図1に示すように、本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板は、無機系絶縁材料からなる基板層1a〜1dと、基板層1b、1cの間に配置された誘電体層である容量層2と、それぞれ基板層1b、1cと容量層2との間に配置され、基板層1a〜1dおよび容量層2より焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からなる中間層3a、3bと、容量層2を挟み込むことによって、容量層2とともにコンデンサを形成している電極層4a、4bと、層間または層上に配置された配線層5a〜5dと、基板層1a〜1dまたは中間層3a、3bを貫通して電極層または配線層同士を電気的に接続するビア6a〜6fとを備えている。また、中間層3a、3bは、基板層1b、1cと容量層2もしくは電極層4a、4bとが直接接しないように配置されている。なお、最外層7a、7bは、後述する製造工程において、コンデンサ内蔵基板の焼成が行われる際の、焼成温度においては、実質的に焼結収縮を生じない無機組成物を主成分とするものであり、コンデンサ内蔵基板の焼成前に、コンデンサ内蔵基板のグリーン成形体の両面もしくは片面に積層され、前記焼成の完了後、全部または一部を除去されるものである。
【0024】
次に、本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板の製造方法を図1を参照して説明する。
【0025】
まず、コンデンサ内蔵無機系多層基板の作製の材料として、以下のものを準備する。
【0026】
1.基板層グリーンシート
2.中間層グリーンシートまたはペースト
3.容量層グリーンシートまたはペースト
4.ビア用導体ペースト
5.配線およびコンデンサ電極用導体ペースト
各グリーンシートは、それぞれに用いる無機粉末と有機バインダとを十分に混合・混練してスラリーを作製し、ベースフィルム上にこのスラリーを引きのばしてシート状に形成した後、これを乾燥して作製する。各ペーストは、それぞれに用いる無機粉末と、有機バインダと溶剤とからなる有機ビヒクル成分とを十分に混合・混練して作製する。
【0027】
最初に、基板層グリーンシートの内、容量層2の最も近くに配置される基板層1b、1cとなるものに対して、その全面あるいは容量層2が位置する予定となる部位に、中間層3a、3bを、グリーンシート積層法、または印刷法により形成する。次に、各基板層1a〜1dおよび中間層3a、3bにビア孔加工を施し、ビア用導体ペーストを、グリーンシートのビア孔に充填することによって、ビア6a〜6fを形成する。次に内層配線用導体ペーストを用いて、グリーンシート上に配線パターンとして配線層5a〜5dを、また、コンデンサ用電極として電極層4a、4bを印刷により形成する。電極層4a、4bのいずれかの上にグリーンシートまたは印刷法により、容量層2を形成する。以下、必要に応じて、容量層2が電極層4a、4bで挟まれ、かつ電極層4a、4bと基板層1b、1cの間に中間層3a、3bがくるように、各ペーストを印刷するか、グリーンシートを積層することによって、図1から最外層7a、7bを除いたコンデンサ内蔵基板となるグリーン積層体が形成される。このグリーン積層体の両面あるいは片面に、最外層7a、7bとなる、絶縁シートの焼成時に焼結しない無機組成物を含んだグリーンシート、あるいは既に焼結した層、金属箔等を積層し、熱圧着して、図1に示す本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板となるグリーン積層体を得る。以上の作製順序は、必要に応じて変更、一部省略してもかまわない。得られた積層体を加熱炉内で脱バインダ処理し、その後必要に応じて配線層、電極層のメタライズ処理を施した後、焼成処理を施すことによって、本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板を得る。なお、最外層7a、7bを積層した場合は、必要に応じて最外層7a、7bの一部または全部を取り除く。
【0028】
本発明に関連する発明の一例においては、容量層2と基板層1b、1cとの間に、両者より焼結温度が高く、かつ基板層1b、1cと反応する中間層3a、3bを設けている。この中間層3a、3bは、それ自体は焼結温度が高いため、容量層2への拡散はあまり生じず、一方基板層1b、1cとは反応するために、基板層1b、1cから容量層2への拡散が妨げられ、その結果、容量層2の焼結が阻害されず、大容量のコンデンサを作製する事が可能となる。通常のセラミック基板中に、この中間層3a、3bのような焼結しにくいものを部分的に入れる事は、その部分のみ焼結収縮しにくいため、焼結体全体に反りや歪み、クラックを生じたり、その部分の機械強度が低下して層間剥離、破壊等を生じやすくなる。本発明に関連する発明の一例においては、この対策として、第一に、中間層3a、3bに、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化鉛等の副成分を添加して、中間層の機械強度、接着強度を上げること、第二に、焼成前の積層体の上下面に、焼成時に収縮を全くあるいはほとんど生じない最外層7a、7bを積層して焼結させること、を採用することにより、焼成収縮が主として面に垂直な方向に生じ、焼結温度の異なる層を入れてもクラック等が生じないようにしている。
【0029】
基板層1a〜1dとなる無機絶縁材料は特に限定されず、放熱性や強度、焼結温度、コストなどに応じて適宜決定すれば良いが、一般に広く用いられているアルミナや、ガラスセラミックスを用いる事ができる。特にガラスセラミックスは、焼成温度が900℃程度と低く、低抵抗だが低融点の銅、銀を配線材料に用いる事が出来るので望ましい。ガラスセラミックに用いられるセラミック成分としては、アルミナ、シリカ、ムライト、フォルステライト等が挙げられ、ガラスとしては、結晶化ガラス系の、例えばほう珪酸ガラス、ほう珪酸鉛系やほう珪酸カルシウム系などのほう珪酸塩系ガラスなど、非晶質ガラス系の、例えば珪酸塩ガラスやアルミノ珪酸塩ガラスなどが使用できる。
【0030】
容量層2となる無機絶縁材料は特に限定されず、基板層1a〜1dの焼成温度や必要とされる誘電率、誘電正接、温度特性などに応じて適宜決定すれば良いが、基板層1b、1cに低温焼結性のガラスセラミックスを用いた場合は、やはり低温で焼結し、かつ誘電率の大きい、Pb(Mg1/3Nb2/3)xTiy(Ni1/2W1/2)1-x-yO3等のPb系のペロブスカイト材料が有用である。より高い温度で焼成する事が可能な場合は、チタン酸バリウム等が使用できる。
【0031】
各層のグリーンシートの作製方法は特に限定はなく、例えばドクターブレード法やカレンダ法、ロールコーター法などが使用できる。またシートを保持するベースフィルムとしては、例えばポリエチレン系樹脂やポリエステル系樹脂、紙などが使用できる。さらに、基板層シートにビア孔加工を施す方法としては、例えばパンチングやドリル加工、レーザー加工などが使用できる。
【0032】
導体材料中の金属成分は特に限定されず、基板の作製方法や使用状態に応じて適宜選択すればよいが、銅、銀、金、パラジウム、白金、ニッケルもしくはそれらの合金であることが好ましく、特に銅もしくは銀が、低抵抗でありより好ましい。銅はコストや耐マイグレーション性に優れた導体材料であるが、焼成時に酸化されやすい。このため導体ペースト中の金属前駆体として酸化銅を主体に用い、焼成時にメタライズ処理して導電性の良好な金属銅とすることも可能である。
【0033】
ペーストを作製する際に使用する有機ビヒクル成分としては特に限定は無く、有機バインダとしては、例えばエチルセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル系樹脂などが使用でき、溶剤としてはテルピネオールなどのアルコール類やケトン類などが使用できる。また適宜可塑剤や界面活性剤を添加してもよい。また、ペーストの混練方法としては特に限定はなく、例えば3本ロールミルやボールミルなどが使用できる。
【0034】
積層体の熱処理の雰囲気は特に限定は無く、脱バインダ、メタライズ、焼成などの目的に応じ適宜選択でき、例えば大気、窒素、水素、水蒸気、二酸化炭素あるいはそれらの混合ガスなどが使用できる。
【0035】
なお、本発明に関連する発明の基板層は、本発明に関連する発明の一例においては、本発明に関連する発明のコンデンサを挟むように、上下各二層あるとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、本発明に関連する発明のコンデンサの下部に一層のみが備えられているとしてもよい。要するに、無機系絶縁材料からなる少なくとも一層の基板層と、前記基板層に積層された誘電体層と、前記誘電体層を挟み込むことによって、前記誘電体層とともにコンデンサを形成する二層の電極層と、前記基板層と前記誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記基板層および前記誘電体層より焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からなる、少なくとも1層以上の中間層とを備える構成であればよい。尚、後述する本発明においても同様である。
【0036】
また、本発明に関連する発明の誘電体層および中間層は、本発明に関連する発明においては、図1に示すように、各基板層の全面に配置されているとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、図2に示すように、中間層3が、基板層間1b、1c間に部分的に配置された容量層(誘電体層)2の周囲を囲い込むように、配置されているとしてもよい。要するに、本発明に関連する発明の中間層が、本発明に関連する発明の基板層と本発明に関連する発明の誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もしくは本発明に関連する発明の電極層とが直接接しないように配置されておればよい。
【0037】
(実施の形態)
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本実施の形態が上述した本発明に関連する発明の一例と異なるのは、本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板が本発明に関連する発明の中間層を備えていることに対し、本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板が本発明の第1中間層および第2中間層を備えていることである。したがって、本実施の形態において、本発明に関連する発明の一例と同様の物については、同一符号を付与し、説明を省略する。また、特に説明のないものについては、本発明に関連する発明の一例と同じとする。
【0038】
図3は、本発明の実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。図3に示すように、本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板は、無機系絶縁材料からなる基板層1a〜1dと、基板層1b、1cの間に配置された誘電体層である容量層2と、それぞれ基板層1b、1cと容量層2との間に配置され、基板層1a〜1dおよび容量層2より焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からなる第1中間層8a、8bと、それぞれ第1中間層8a、8bと容量層2との間に配置され、容量層2と実質的に同一または類似の成分を主成分とする第2中間層9a、9bと、容量層2を挟み込むことによって、容量層2とともにコンデンサを形成している電極層4a、4bと、層間または層上に配置された配線層5a〜5dと、基板層1a〜1dまたは中間層3a、3bを貫通して電極層または配線層同士を電気的に接続するビア6a〜6hとを備えている。また、第1中間層8a、8bは、基板層1b、1cと容量層2もしくは電極層4a、4bとが直接接しないように配置されており、第2中間層9a、9bは、第1中間層8a、8bと容量層2もしくは電極層4a、4bとが直接接しないように配置されている。その他の構成は、本発明に関連する発明の一例と同様である。
【0039】
次に、本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板の製造方法を説明する。本実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板の製造方法は、上述した本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板の製造方法の説明において、中間層3a、3bを第1中間層8a、8bに置き換えるのに加えて、電極層4a、4bと第1中間層8a、8bの間に第2中間層9a、9bがくるように、各ペーストを印刷するか、グリーンシートを積層するものである。
【0040】
本実施の形態における各部材の材質については、第1中間層の材質が本発明に関連する発明の一例における中間層の材質と同じであること、および、第2中間層の材質が本発明に関連する発明の一例における容量層の材質と実質的に同一または類似の成分を主成分とするものであること以外は、本発明に関連する発明の一例と同じである。
【0041】
本実施の形態においては、第2中間層を備えることにより、本発明に関連する発明の効果に加え、基板層および第1中間層の容量層への拡散の影響を、ほとんど0に出来るという効果がある。
【0042】
なお、本発明の誘電体層、第1中間層および第2中間層は、本実施の形態においては、図3に示すように、各基板層の全面に配置されているとして説明したが、これに限るものではなく、例えば、図2の中間層3のように、第1中間層および/または第2中間層が、基板層間に部分的に配置された容量層(誘電体層)の周囲を囲い込むように、配置されているとしてもよい。要するに、本発明の第1中間層が、本発明の基板層と本発明の誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もしくは本発明の電極層とが直接接しないように配置されており、本発明の第2中間層が、本発明の第1中間層と前記誘電体層との間に、前記第1中間層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置されておればよい。
【0043】
【実施例】
以下に、本発明、又は本発明に関連する発明の実施例を説明する。
【0044】
以下に説明する実施例1〜5は、上述した本発明に関連する発明の一例または本発明の実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板の具体的実施例について、各中間層の組成・厚さ等、または、最外層の有無・組成等を変化させた試料を作製して、これらのコンデンサ内蔵基板としての性能を比較したものである。各実施例の試料のうち、第1中間層のみを備えるものは、本発明に関連する発明の一例に対応するものであり、この場合、第1中間層は中間層3a、3bに対応するものである。また、第1中間層および第2中間層を備えるものについては、本発明の実施の形態に対応するものである。
【0045】
なお、本発明又は本発明に関連する発明の効果を確認するために、上記試料と合わせて、本発明の対象外である試料も作製して、上記試料とともに比較をしている。本発明又は本発明に関連する発明の対象外であるか否かの区別は、各実施例の結果を示す比較表中の「実比」欄で、本発明又は本発明に関連する発明の実施例に対応するものについては「実」と記し、本発明又は本発明に関連する発明の対象外であり、比較例として掲げたものについては「比」と記することによって、行っている。
【0046】
また、実施例1〜4においては、導体材料中の金属成分として、最も低抵抗な銅または銀を用いる場合を中心として本発明又は本発明に関連する発明の具体的実施例を示す。銅または銀は融点が低いため、無機絶縁材料としては、低温で焼結できるものである必要性があり、このため、実施例1〜4については、無機絶縁材料として、ガラス−アルミナ混合系のガラスセラミックスを選んだが、実施例5に示すように、本発明はこれに限定されるものではない。
【0047】
(実施例1)
まず銀粉末、融着用ガラス粉末にエチルセルロース系樹脂とテルピネオールを3本ロールで十分に混合、混練し、配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストを作製した。また、ガラス成分を若干増量して、同様にビア用導体ペーストを作製した。
【0048】
次に、ガラス−アルミナ混合の基板層用粉末(焼結温度900℃)と、バインダとしてブチラール系樹脂、可塑剤としてベンジルブチルフタレート、溶剤としてブチルカルビトールをボールミルで十分に混合、混練した後、脱泡し、得られたスラリーを、表面に離型処理を施したベースフィルム(ポリフェニルサルファイド)上にドクターブレード法で成形し、厚み約200μmの基板層グリーンシートを作製した。また、ガラスセラミック粉末の代わりにPb系ペロブスカイト誘電体粉末(組成比Pb1.0Ca0.03(Mg1/3Nb2/3)0.8Ti0.14(Ni1/2W1/2)0.06O3.03、焼結温度800℃)を用いて、上記と同様にしてスラリーを作製し、これよりベースフィルム(ポリフェニルサルファイド)上にドクターブレード法で、容量層グリーンシートを作製した。同様に、無機粉末を用いて、第1および第2中間層グリーンシートを作製した。表1に各中間層のグリーンシートの組成および焼結後の厚さを示す。組成欄中の例えば「MgO+1%B2O3」は、MgO を100に対してB2O3を1の割合で含む組成を表す(他の表も同様)。また、アルミナ粉末を用いて、ベースフィルム(PET)上に、本発明の最上層となる、厚み約200μmのアルミナシートを作製した。
【0049】
基板層グリーンシートの内、コンデンサ層を挟むものについては、ベースフィルムを剥がした第1中間層のみ、もしくは、第1および第2中間層のグリーンシートを積層した。次に所定箇所にφ0.2mmのビア孔をパンチングにより穿孔し、このビア孔に導体ペーストを充填した後、その表面に、必要に応じて配線用またはコンデンサ電極用導体ペーストを用いて、印刷法によりパターンを形成した。コンデンサ用電極パターンを形成した積層体上には、容量層グリーンシートを、ベースフィルムを剥がして積層し、さらに印刷法により、コンデンサ用電極と配線パターンを形成した。こうして作製した複数の積層体を、容量層がコンデンサ用電極層で挟まれ、かつコンデンサ電極と基板層の間に中間層がくるように、ベースフィルムを剥がしてお互いに積層し、さらに全体の両側をベースフィルムを剥がしたアルミナグリーンシートで挟み、80℃で熱圧着して最終的な積層体を得た。
【0050】
得られた積層体を加熱炉内の大気中600℃で脱バインダ処理した後、さらに900℃にて焼成した。その後焼結体の両側のアルミナを水洗浄により除去し、内部に10個のコンデンサ(容量層は、図1、図3に示す如く一層であるが、それを挟む電極層を10対したもの)を内蔵した無機多層基板を得た。こうして得られた内蔵コンデンサの容量とその誘電正接tanδをLCRメーターにて、周波数1kHzで測定した。また基板を切断してその断面観察より、各層の厚さを測定した。容量層の厚さは10μmであった。これより、容量層の誘電率を算出した。10個のコンデンサの平均値の結果を表1に示す。なお、上述したように、表1に示す厚さは、積層時のものではなく、焼結後の値である。
【0051】
なお、表1には、比較例として、本発明の中間層を有しないもの(試料No.1)、中間層を有するがその材質が本発明の範囲とは異なるもの(試料No.2〜4)を上記と同様にして作製した結果を示す。
【0052】
【表1】
【0053】
表1より明らかなように、中間層が全くない試料No.1では、容量がほとんど得られなかった。中間層としてコンデンサと同一組成のものを用いたNo.2では、中間層の焼結温度は容量層と等しく、基板層より低くなるが、この場合も容量が極めて小さかった。Al2O3を用いたNo.3では、中間層の焼結温度は容量層や基板層より高くなるが、基板材料が多量のAl2O3をもともと含むものであるために中間層とほとんど反応しない。この場合も容量は小さかった。中間層としてBi9Ca4Nb6Ox (焼結温度900℃)を用いたNo.4では、中間層の焼結温度は容量層より高いが基板層と等しく、この場合も容量は小さかった。
【0054】
これに対して、MgOを主成分とする中間層を持つ試料No.5〜12では、誘電率900以上となった。また、tanδについては0.03以下であり、実用上問題のない値となった。MgOは焼成温度が基板層より高く、基板材料に含まれるガラスと反応するために、基板材料からの容量層への拡散が妨げられたものと推測される。
【0055】
次に、No.5〜12を比較すると、第2中間層として容量層とおなじ層を容量層側にもつNo.6,9〜12は、MgO層が容量層と隣接するNo.5,7,8に比べ、同一中間層厚さでも、より高誘電率、高容量であった。また、MgOのみで副成分を含まない第1中間層を持つNo.5,6,7は、中間層の強度が低く層間剥離を生じやすかった。この影響のためか、壊れないように慎重に扱った試料の容量を測定しても、複数作製したコンデンサの容量にバラツキが大きく、その平均値も比較的小さかった。これに対して、副成分としてSiO2 ,Al2O3,B2O3,PbOのいずれかを副成分として含む場合は、このような問題を生じにくく、バラツキも小さく、平均値としての容量、誘電率も大きかった。
【0056】
(実施例2)
本発明の第1および第2中間層を備えた場合の、第1中間層の材質の違いによる比較をおこなった結果を表2に示す。表2に示した各試料は、実施例1と同様の方法でコンデンサ内蔵基板を作製し、同様に容量、誘電率、誘電正接を測定したものである。なお、表2には、比較例として、第1中間層の材質が本発明の範囲とは異なるもの(試料No.1,3,4,6,10〜12、ただし、試料No.1は第2中間層を備えていないものである)を上記と同様にして作製した結果を示す。
【0057】
【表2】
【0058】
表2より明らかなように、中間層の合計厚は同じ25μmであっても、主成分に2価金属の酸化物を用いている試料No.2,5,7〜9が誘電率1000以上となるのに対し、3価〜6価の金属の酸化物を用いた試料No.3,4,6,10〜12と、コンデンサ層と同じ組成よりなる中間層のみを用いた試料No.1は、400以下であり、ほとんど容量が得られなかった。
【0059】
また、試料No.2,5,7〜9を比較すると特に、MgO,CaO,ZnOを用いたNo.2,5,8が誘電率3000以上となって、大容量であった。
【0060】
(実施例3)
本発明の第1および第2中間層を備えた場合の、第1および第2中間層の材質、厚さの違いによる比較をおこなった結果を表3に示す。表3に示した各試料は、実施例1と同様の方法でコンデンサ内蔵基板を作製し、同様に容量、誘電率、誘電正接を測定したものである。
【0061】
【表3】
【0062】
表1の試料No.6,9と表3の試料No.1〜3より明らかなように、第1中間層のMgOに添加するSiO2 は、増やし過ぎるとかえって誘電率が低下する傾向にあり、100%(主成分であるMgOと1対1の重量比)の添加では、かなり低誘電率となった。従って、あくまで2価金属酸化物を主成分(全体重量の51重量パーセント以上)にする事が重要である。
【0063】
次に、試料No.1と試料No.4〜6より、中間層厚は合計厚が10μmと薄くても明瞭な効果がある。しかしながら、本来不必要な層である中間層の合計厚が30μmを越える試料No.6は、望ましくない。また、第一中間層の厚さが10μmを越える試料No.5は、副成分を含むにもかかわらず、その部分の強度が低く、クラック等が生じやすくなるためか、バラツキが大きくなり、平均の容量、誘電率も若干低下した。
【0064】
次に、第2中間層にコンデンサ層と同じ組成にPbOまたはBi2O3を10%加えて、より低温で焼結可能としたものを用いた試料No.7〜12は、これらを加えないコンデンサ層と全く同じものを用いた場合に比べて、より高誘電率、大容量となった。この理由は明らかではないが、第2中間層が早期に緻密化する事により、基板層からの拡散の効果をより小さくできるものと考えられる。また、第1中間層の主成分をMgO、CaOやZnOのみにした試料No.7〜9,12と、ZnOと他の2種を組み合わせた試料No.10,11を比べると、ZnOとMgOあるいはCaOを組み合わせる事で、より高誘電率化した。
【0065】
(実施例4)
本発明の第1および第2中間層を備えた場合の、本発明の最外層を用いて製造を行うことに関し、焼成後の基板状態および容量測定の比較をおこなった結果を表4に示す。なお、表4には、比較例として、本発明の第1中間層を有しないもの(試料No.1)についても、その焼成後の基板状態および容量測定の結果を示す。
【0066】
配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストとビア用導体ペーストについては、実施例1と同様の方法で作製した、銀系配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストとビア用導体ペーストを用いた試料(試料No.1,2,6,7,9)、銅粉末を用いて同様に作製した銅系配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストとビア用導体ペーストを用いた試料(試料No.4,5,8)、酸化銅粉末を用いて同様に作製した酸化銅系配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストとビア用導体ペーストを用いた試料(試料No.3)を作製して比較をおこなった。
【0067】
また、中間層用として、実施例1と同様の方法で、第1中間層形成用にMgOに1wt%のSiO2を加えたペーストと、第2中間層形成用にコンデンサ用誘電体に20wt%のPbOを加えたペースト、および、それぞれのペーストと同じ組成のグリーンシートを作製した。ペーストは、表4中の中間層の欄に「印刷」と記載されている試料に用い、グリーンシートは、表4中の中間層の欄に「積層」と記載されている試料に用いるものである。
【0068】
さらに、実施例1と同様の方法で、アクリル系樹脂バインダを用いて、厚み約200μmの基板層グリーンシート、容量層グリーンシートを作製した。また、表4中の最外層の欄に「アルミナ」と記載されている試料(試料No.1〜3)に本発明の最上層として用いる厚み約200μmのアルミナグリーンシートと、表4中の最外層の欄に「銅粉」と記載されている試料(試料No.4)に本発明の最上層として用いる厚み約100μmの銅グリーンシートを作製した。また、表4中の最外層の欄に「銅箔」と記載されている試料(試料No.5)に本発明の最上層として用いる厚さ50μmの表面粗化処理をした銅箔も用意した。
【0069】
これらのシートとペーストを用いて、実施例1と同様の方法で、表4に示す構成の9種類の積層体を作製した。グリーンシートを用いて中間層を設ける方法は実施例1と全く同じである。ペーストを用いる場合は、基板層グリーンシートの、容量層を挟む位置に、各ペーストを用いて印刷法により中間層を設ける。この上に電極を印刷で形成する。容量層は、表4中の容量層の欄に「積層」と記載されている試料(試料No.2,7,9)については、実施例1と同様の方法で形成し、表4中の容量層の欄に「転写」と記載されている試料(試料No.1,3〜6,8)については、シートの必要部位以外をあらかじめ除去しておき、このシートを、電極を印刷した積層体上に、ベースフィルムを上にして積層し、次にベースフィルムを剥がす事で、中間層と電極のある部位にのみ転写形成した。また、本実施例には示していないが、容量層もペースト化して、印刷で形成する方法でも形成が可能であった。なお、層厚は、焼成後第1中間層が8μm、第2中間層が17μm、容量層が6μmとなるように調整した。
【0070】
得られた積層体のうち、銀系および酸化銅系導体ペーストを含むものは、加熱炉内の大気中600℃で脱バインダ処理し、酸化銅系導体ペースト含むものは10%の水素を含む窒素中で300℃で酸化銅を還元した。銅系導体ペーストを有するものは、酸素50ppmを含む窒素中700℃で脱バインダ処理をした。焼成は、いずれの試料も窒素中で900℃で行った。その後焼結体の両側にアルミナあるいは銅を設けたものについては、アルミナは洗浄により全て、銅はエッチングにより一部を残して除去し、コンデンサ内蔵無機多層基板を得た。こうして得られた基板の外観を検査し、また内蔵コンデンサの容量をLCRメーターにて、周波数1kHzで測定した。結果を表4に示す。
【0071】
【表4】
【0072】
試料No.1〜3は、焼成による面内収縮率は1%以下、試料No.4は約2%、試料No.5は、ほぼ0%、試料No.6,8,9は約16%、試料No.7は約5%であった。表4より明らかなように、MgO系第一中間層を設けながら、最外層にアルミナ、あるいは銅の層を設けなかった試料No.6〜8では、設けた場合に比して、良好な焼結体を得る事が出来なかった。第一中間層を印刷法により、基板の一部の部位に設けた試料No.6では基板に凹凸が生じ、一方、第一中間層を積層により基板全体に設けた試料No.7,8では焼成終了のハンドリング時に容易に剥離した。これは、第一中間層がこの温度ではほとんど焼結収縮を示さないためと考えられる。一方、MgO系第一中間層を設けず、第2中間層のみとした試料No.9では、最外層を設けなくても基板の焼成後の状態は良好であったが、容量は得られなかった。これらに対して、最外層と第一中間層を設けた試料No.1〜5では、中間層や容量層の形成法に無関係に良好な基板が得られ、内蔵コンデンサの容量も約1μF/cm2と大きかった。
【0073】
(実施例5)
導体材料中の金属成分および無機絶縁材料について、実施例1〜4において用いられたものと違うものを用いた場合の効果について確認した結果を以下に述べる。
【0074】
実施例1と同様の方法で、タングステン系配線用およびコンデンサ電極用導体ペーストを作製した。また実施例1と同様の方法で、厚み基板層用の約200μmのアルミナ+0.1%マグネシア基板層グリーンシート(焼結温度1450℃)と、容量層用約20μmのチタン酸バリウムグリーンシート(焼結温度1450℃)と、中間層用約30μmのCaOグリーンシート(焼結温度1800℃)と、最外層用の厚み約200μmの窒化アルミニウムグリーンシートを作製した(焼結温度1800℃)。
【0075】
これらのシートとペーストを用いて、実施例1と同様の方法で積層体を作製し、水素中で900℃で脱バインダした後、1450℃で焼成して、コンデンサ内蔵基板を得た。比較のため、中間層に容量層と同じチタン酸バリウムよりなる層を設けたものも作製した。両者の内蔵コンデンサの容量をLCRメーターにて、周波数1kHzで測定したところ、前者は0.3μF/cm2であったのに対し、後者は0.01μF/cm2以下であった。この結果により、実施例1〜4において用いられたものと違うものを用いた場合の効果が確認された。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、本発明は、コンデンサを基板中に同時焼成で一括形成する事ができ、集積度、実装密度を向上させるコンデンサ内蔵基板およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。
【図2】 本発明に関連する発明の一例におけるコンデンサ内蔵基板の別の一例を示す断面模式図である。
【図3】 本発明の実施の形態におけるコンデンサ内蔵基板を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1 基板層
2 容量層
3 中間層
4 電極層
5 配線層
6 ビア
7 最外層
8 第1中間層
9 第2中間層
Claims (6)
- 無機系絶縁材料からなる少なくとも一層の基板層と、前記基板層に積層された誘電体層と、前記誘電体層を挟み込むことによって、前記誘電体層とともにコンデンサを形成する二層の電極層と、前記基板層と前記誘電体層との間に、前記基板層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記基板層および前記誘電体層より焼結温度が高く、かつ前記無機系絶縁材料と反応するセラミック系素材からなる、第1中間層を備え、前記第1中間層は主成分として、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛のうちの少なくとも一つを含み、前記第1中間層と前記誘電体層との間に、前記第1中間層と前記誘電体層もしくは前記電極層とが直接接しないように配置され、前記誘電体層と実質的に同一または類似の成分を主成分とし、副成分として、酸化鉛または酸化ビスマスを含み、前記誘電体層よりも低温で焼結する第2中間層を備えることを特徴とするコンデンサ内蔵基板。
- 前記第1中間層の厚さが10μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板。
- 前記第1中間層の主成分は、酸化マグネシウムと酸化カルシウムのいずれか一つと、酸化亜鉛とであることを特徴とする請求項1に記載のコンデンサ内蔵基板。
- 前記第1中間層は、副成分として、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化硼素、酸化鉛のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板。
- 前記第1中間層と前記第2中間層の厚さの合計は、30μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のコンデンサ内蔵基板を製造する製造方法において、コンデンサ内蔵基板の焼成を行う前に、そのグリーン成形体の両面もしくは片面に、前記焼成が行われる焼成温度においては、実質的に焼結収縮を生じない無機組成物を主成分とする最外層を積層し、前記焼成の完了後、前記最外層の全部または一部を除去することを特徴とするコンデンサ内蔵基板の製造方法。
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