JP3955294B2 - 半導体加工装置用部材の耐食処理方法およびその処理部材 - Google Patents
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Description
・弗化物:BF3,PF3,PF5,NF3,WF3,HF
・塩化物:BCl3,PCl3,PCl5,POCl3,AsCl3,SnCl4,TiCl4,SiH2Cl2,SiCl4,HCl,Cl2
・臭化物:HBr
(1)弗素系あるいはエポキシ系などの樹脂皮膜は、優れた耐食性を発揮するものの、軟質で表面疵が付き易いため、疵部に腐食性のハロゲン化合物が滞留して環境汚染の原因となるほか、機械的強度が低いため、強度が必要な部材には適用できない。
(2)アルミニウム拡散処理を施した金属部材は、良好な耐食性を有しているものの、昨今の半導体加工装置用部材に要求される耐食性に応えられるような技術は、現在迄のところ開発されていない。
(3)ニッケルめっきや窒化処理皮膜は、無処理の金属製部材の耐食性を向上させるが、何れの皮膜も、ピンホールなどの欠陥部を有する。そのため、現状レベルの耐食性では、昨今の性能向上への要求には応えられない状況にある。
(4)昨今の半導体製品の高集積化、大容量化、高性能化の要求に対応するため、半導体加工装置内は、極限に近い清浄な環境が要求されるようになり、特に、加工装置用部材の僅かな腐食生成物の存在は、環境の汚染源となるため、一段と高い耐食性を有する表面処理皮膜の開発が求められている。
(5)現行の半導体加工装置では、前述したように、腐食性の強いハロゲン化合物である、弗化物、塩化物、臭化物などが使用されているが、弗化物に対して比較的良好な耐食性を示すAl拡散層は、HCl等の塩化物に対しては耐食性に乏しいなどの欠点がある。そのため、各種のハロゲン化合物に対しても優れた耐食性を有する部材の開発が望まれている。
(1)半導体加工装置用部材
本発明が開発対象としている半導体加工装置用部材は、金属製基材の表面に、Mg−Al合金薄膜を形成した部材である。上記金属製基材に用いることができる金属としては、炭素鋼、低合金鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼、高合金鋼を挙げることができる。
(a)溶射−熱拡散法:電気アーク、プラズマ、可燃性ガスなどの燃焼炎を熱源とする溶射法によって、金属製基材の表面にAl溶射皮膜を形成した後、これを大気中、不活性ガス中、真空中などの環境下で、650〜900℃×0.5〜5hrの熱処理を行う方法。なお、熱処理を施さなくても十分な密着性を有する溶射皮膜では、熱処理を省略することができる。
(b)蒸着法−熱拡散法:電子ビームやタングステン線の電気抵抗現象を熱源とするPVD法(例えば、真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリング法など)を用いて、金属製基材の表面にAlの薄膜を形成した後、上記(a)と同様の熱処理を行い、Al薄膜の一部またはすべてを基材中へ拡散させる方法。
(c)粉末拡散法:金属AlまたはAl−FeなどのAl合金粉末中に、Al2O3,NH4Clなどを混合して浸透剤を調合し、金属製基材を埋没させた後、Arガスを流しつつ、650〜1000℃×0.5〜10hr加熱することによって、金属製基材の表面にAlを拡散させる方法。
(d)溶融拡散法:溶融Al金属中に金属製基材を浸漬させることによって、基材の表面にAl皮膜とともにAl拡散層を形成させる方法。
被処理部材は、油脂類、指紋などの表面付着物がないことを確認した後、以下に示す弗素あるいは弗素化合物を含有する溶融塩または水溶液中に浸漬するか、弗素ガスまたは弗素化合物系ガスのガス成分と直接接触させて弗化処理する。具体的には、弗化処理には次のような薬液を使用することができる。
・溶融塩:弗化カリウム(KF)、弗化ナトリウム(NaF)、弗化リチウム(LiF)などから選ばれる1種以上の溶融塩
・水溶液:弗化アンモニウム(NH4F)、弗化カリウム(KF)、弗化水素アンモニウム(NH4HF2)、弗化水素カリウム(KHF2)、弗化水素酸(HF)、弗化水素ナトリウム(NaHF2)、弗化ナトリウム(NaF)などから選ばれる1種以上の弗化物を溶解した水溶液
・ガス成分:F(F2),HF,NF3,PF3,PF5,BF3,WF3など(これらは、室温ではガス状態で存在し、50〜60℃では、その大部分が気化している。)
上述したように、被処理部材を、弗素化合物を含有した溶融塩や水溶液、ガスなどの環境に曝露すると、その表面に、MgF2 およびAlF 3 とからなる防食膜を生成する。具体的には、Mg−Al合金薄膜が表面に形成された金属製部材では、MgF2とともにAlF3を含む膜が生成する。MgF2は、化学的に安定で、水にも溶解しない。一方、AlF3は、MgF2に比較して水に溶け易く、高温での蒸気圧が高いため、水への溶出や蒸発がMgF2に優先して起こり、その結果、被処理部材の表面には、耐食性に優れたMgF2の含有量が多い皮膜が残留することとなる。Mg−Al合金薄膜では、弗化マグネシウムとともに、弗化アルミニウムも生成するが、弗化マグネシウムと共存する場合には、半導体加工装置の操業環境下においても利用可能である。
304鋼(寸法:幅30mm×長さ60mm×厚さ3.2mm)と、これに予め粉末拡散法(段落0015記載の(c)法)によってAl拡散層を形成したものを用い、それらの表面に、PVD法によってMg−Al合金薄膜を形成して試験片とし、これらの試験片に対し、弗化処理を施した後あるいは施さないで、塩化水素ガス気流中で腐食試験を行って、耐食性を比較した。
試験片の製作条件および腐食試験条件は、次の通りである。
(a)薄膜の種類:PVD法により、Mg−5mass%Al、Mg−50mass%AlおよびMg−90mass%Alの3種類の薄膜をそれぞれ50μm厚に形成した。
(b)弗化処理条件:F2ガス中(F2分圧:100hPa)で80℃×24hrの曝露を行った。
(c)腐食試験条件:塩化水素ガス(HCl)を300vol ppm含む80℃に維持したArガス気流中に24hr静置し、単位時間、単位面積当たりの腐食減量(mg/cm2)を測定した。
304鋼(寸法:幅30mm×長さ60mm×厚さ3.2mm)と、これに予め実施例1と同様にしてAl拡散層を形成した金属製基材の表面に、PVD法によって、Mg−Al合金薄膜を形成して試験片とし、これらの試験片に対し、弗化処理を施しあるいは施さずに、弗素化合物系のガスとHCl系のガスを混合した雰囲気中で腐食試験を行った。
試験片の製作条件および腐食試験条件は、次の通りである。
(a)薄膜の種類:PVD法により、Mg-5mass%Al合金の1種類の薄膜を、30μm厚で形成した。
(b)弗化処理条件:実施例1と同じ条件で行った。
(c)腐食試験条件:F2ガス:50volppm、NF3ガス:50volppm、HCl:50volppmの混合ガス中で、110℃×24hrの曝露試験を行い、腐食減量を測定した。
Claims (5)
- 炭素鋼、低合金鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼または高合金鋼からなる金属製基材の表面に、Al拡散処理を施してAl拡散層を形成し、次いで、そのAl拡散層の表面にはMg−Al合金薄膜を被覆した後、そのMg−Al金属薄膜表面を弗化処理して、MgF 2 およびAlF 3 からなる防食膜を生成させることを特徴とする半導体加工装置用部材の耐食処理方法。
- 上記Mg−Al合金薄膜は、蒸着処理で形成された、1〜50μmの厚さを有するものであることを特徴とする請求項1記載の耐食処理方法。
- 上記Mg−Al合金薄膜は、Mgを5mass%以上含有するものであることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体加工装置用部材の耐食処理方法。
- 上記弗化処理は、弗素ガスまたは弗素化合物系ガス、水溶液状態もしくは溶融塩状態の弗素化合物のいずれかに接触させることによって、上記基材表面に弗化マグネシウム防食膜を形成する処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体加工装置用部材の耐食処理方法。
- Mg−Al合金薄膜が形成された炭素鋼、低合金鋼、鋳鉄、鋳鋼、ステンレス鋼または高合金鋼からなり、表面にはAl拡散層を有する金属製基材の表面が、Mg−Al合金薄膜で被覆され、かつその薄膜表面には、MgF 2 およびAlF 3 からなる防食膜が形成されてなることを特徴とする半導体加工装置用部材。
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