JP3952388B2

JP3952388B2 - オタネ人参糖衣錠の製造方法

Info

Publication number: JP3952388B2
Application number: JP2002196866A
Authority: JP
Inventors: 冨雄瀬井
Original assignee: 株式会社アイ・ティ・ビ・エス
Priority date: 2002-07-05
Filing date: 2002-07-05
Publication date: 2007-08-01
Anticipated expiration: 2022-08-01
Also published as: JP2003040791A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
この発明はオタネ人参の果実エキス粉末を用いた糖衣錠の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来オタネ人参（高麗人参）は根の部分に薬効成分があるとされ、漢方生薬として使用されているが、果実は採種用以外は花蕾をつみとり、専ら根の発育向上に努めていた。
【０００３】
【発明により解決すべき課題】
前記のように、オタネ人参の根部には栄養成分（薬効成分）が多量にあるとされ、昔から使用されていたが、果実については全然顧みることなく、むしろ果実を採取すると、根の生長を阻害するとして、花蕾を取ることが普通であつた。
【０００４】
然し乍ら根よりも果実の方が薬効成分を多量に含有することが判明したので、有効性分を抽出しこれを服用し易いように、糖衣又はチョコレート掛けして、果実の新規な用途を開発したのである。
【０００５】
【課題を解決する為の手段】
オタネ人参の果実は、果肉と種子よりなる為に、種子を除去した後、エキスを抽出し、精製後粉末化することにより、使用し易くしてある。
【０００６】
即ちこの発明は、オタネ人参の果実の種子を除去した果肉ペーストからエキスを抽出し、これを８０℃〜９０℃で水分２０％の濃縮ペーストとし、この濃縮ペーストを真空乾燥（沸点４０℃〜６０℃）して水分５％の粉末を得た。この粉末５％（重量）と、カルシウム粉末３０％（重量）と、カフェイン粉末５％（重量）と、乳糖６０％（重量）との混合粉末に水を加えて造粒し、ついでこの粒を６０℃で水分３％まで乾燥して乾燥粒とし、この乾燥粒の外側に複数の糖衣層を設けることを特徴としたオタネ人参糖衣錠の製造方法である。
である。
【０００８】
前記製造方法より得た製品には次のような効能がある。
【０００９】
１．老化、老衰による智力・精力減退・陽萎防止に有効。
２．心臓及び脳血管系疾患の治療と予防に有効。
３．動脈硬化症・高脂血症治療に有効。
４．再生不良貧血症・狭心症に有効。
５．子供の智力・体力・発育不良代謝失調治療に有効。
６．糖尿病治療に有効。
７．夜尿症・更年期障害・冷え症の治療に有効。
８．抜け毛予防及び毛髪増加に有効。
９．体温の向上に有効。
【００１０】
この発明の果実エキス粉末を用いたチョコレート被覆品と糖衣錠との一般的成分は表１の通りである。
【００１１】
【表１】

【００１２】
この発明による果肉エキス中の有効成分は、オタネ人参の根に含まれている有効性分より多く認められた（図１、２、３参照）。
【００１３】
この発明における薬理作用の有効成分は、オタネ人参に含まれているサポニンであると認められるがその分布は表２の通りである。
【００１４】
【表２】

【００１５】
前記のように、果実には根の８倍程度も含まれている。
【００１６】
【実施例１】
オタネ人参の果実から、種子を除去した果肉ペースト１０００ｋｇをアンモニアでＰＨ８．０に調整し、これにエチルアルコール３００〜５００リットルを加えてエキスを抽出し、残渣と分離する。前記エキスを８０℃〜９０℃で２４０分間濃縮し、水分２０％の濃縮ペースト４ｋｇを得た。次に真空乾燥し（沸点４０℃〜６０℃）、水分５％のオタネ人参配糖体粉末１ｋｇ（成分７０％〜８０％（重量））を得た。
【００１７】
【参考例１】
図４に基づいて、この発明で得たエキス粉末の使用例として、チョコレートボンボン（チョコレート被覆食品）の製造方法を説明する。
【００１８】
箱１に馬鈴薯の澱粉２を深さ５０ｍｍ以上収容し、表面を平にする。ついで下面に棒状の突起３、３を並列突設した型４を、前記澱粉２の表面に押しつけて、多数の凹入部５、５を設ける。一方３．６ｋｇの砂糖に水３．６リットルを入れて加熱濃縮して砂糖液１．８リットルとし、これにオタネ人参粉末２２．７ｇ及び少量のウイスキーシロップを加えて均一に撹拌し、充填機６に入れて、そのノズル７、７から前記凹入部へ２．２７ｇ宛充填し、そのまゝ自然放冷する。約２時間で、各凹入部壁及び表面には砂糖の結晶による砂糖層８ができるので、これを取り出してチョコレートがけしてチョコレート層９を設ける（厚さ１ｍｍ位）。ついでチョコレートの軟かい間にココアパウダーをかけてココア層１０を設けるとチョコレートボンボン１１ができる。
【００１９】
前記チョコレート掛けは、従来チョコレート菓子などにより普通に行われているように、チョコレートを加熱（例えば４０℃〜５０℃）してなるチョコレート液を吹きつけ、又は幕状に流下させて、前記砂糖層８上にチョコレート層を設ける。前記における砂糖液は温度が高いと液状であるが、冷却すると、砂糖を析出するので、澱粉の凹入部へ容易に砂糖壁ができる。
【００２０】
【実施例２】
この発明で得たエキス粉末を用いた糖衣錠の製造方法を説明する。人参エキス粉末５０ｇに、カルシウム粉末３００ｇ、カフェイン粉末５０ｇ及び乳糖６００ｇに水３リットルを加えて均一に撹拌した後造粒する。ついで６０℃て６〜７時間乾燥し、水分３％とした後、直径５ｍｍで重さ１００ｍｇの大きさに打錠する。
【００２１】
前記錠粒１０ｋｇを糖衣機に入れて回転すると共に、先づ乳糖６ｋｇとコンスターチ１ｋｇを入れて８時間回転して下掛けを終了し、ついでグラニュー糖液３リットルを入れて８時間回転し、最後にシロップ３リットルを入れて８時間回転して仕上げると、次の内容の糖衣錠（芯錠粒直径５ｍｍ、重さ１００ｍｇ）ができる。
【００２２】
【発明の効果】
この発明によれば、オタネ人参の果肉エキスから、サポニンの含有量が多いエキス粉末（配糖体粉末）を効率よく製造し得る効果がある。また、エキス粉末を使用すれば、容易に有効な健康食品を得ることができる。
【００２３】
またチョコレート被覆又は糖衣錠とすることによって、携帯に便利であり所定量を定期的に服用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】オタネ人参の果肉に含まれるサポニンの量を示すグラフ。
【図２】オタネ人参の根に含まれるサポニンの量を示すグラフ。
【図３】糖衣錠（１００ｍｇ）に含まれるサポニンの量を示すグラフ。
【図４】チョコレートボンボンの製造工程を示す説明図。
【符号の説明】
１箱
２澱粉
３突起
４型
５凹入部
６充填機
７ノズル
８砂糖層
９チョコレート層
１０ココア層
１１チョコレートボンボン

Claims

オタネ人参の果実の種子を除去した果肉ペーストからエキスを抽出し、これを８０℃〜９０℃で水分２０％の濃縮ペーストとし、この濃縮ペーストを真空乾燥（沸点４０℃〜６０℃）して水分５％の粉末を得た。この粉末５％（重量）と、カルシウム粉末３０％（重量）と、カフェイン粉末５％（重量）と、乳糖６０％（重量）との混合粉末に水を加えて造粒し、ついでこの粒を６０℃で水分３％まで乾燥して乾燥粒とし、この乾燥粒の外側に複数の糖衣層を設けることを特徴としたオタネ人参糖衣錠の製造方法。