JP3951656B2 - 注入成形金型及びこの金型を用いる成形品の製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、注入成形金型と、この金型を用いる樹脂成形品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
注入成形は、成形キャビティに必要に応じて補強繊維基材やインサート物を配置し、この成形キャビティを減圧状態にしてから、成形キャビティに液状樹脂を注入して加熱硬化させ、所定の成形品を製造する。成形キャビティは、樹脂注入路を備えた第1金型と、第1金型と協動する第2金型により構成され、型締めにより形成された成形キャビティを減圧状態にするために、次のような構造が採用されている。
【0003】
図3に示すように、第1金型1と第2金型2の合わせ面には、環状のシール部材3が位置しており、このシール部材3は成形キャビティ4を取囲んでいる。シール部材3には、空気吸引用パイプ5を装着してある。このパイプ5は、シール部材3を貫通して、その先端がシール部材3の内側の領域に開口している。注入成形に当たっては、型締めにより第1金型1と第2金型2の合せ面にシール部材3を当接させ、樹脂注入路11を閉じた状態で空気吸引用パイプ5から成形キャビティ4内の空気を吸引して、成形キャビティ4を減圧状態にする。そして、樹脂注入路11を開いて液状樹脂6を成形キャビティ4に注入し、加熱により樹脂を硬化させる。成形キャビティ4を液状樹脂で十分に満たすには、過剰に液状樹脂を注入する必要があり、余剰の樹脂は空気吸引用パイプ5まで侵入して、パイプ内で硬化する。従って、空気吸引用パイプ5は、成形の都度シール部材3から取り外して新しいものと交換している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来の注入成形では、空気吸引用パイプを成形の都度取り替える必要があり、工数がかかるばかりでなく使用済の空気吸引用パイプは廃棄物として取扱わなければならない。
本発明が解決しようとする課題は、注入成形の工数低減を図ると共に廃棄物の発生も少なくできる注入成形金型を提供することである。また、この金型を用いる樹脂成形品の製造法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る注入成形金型は、樹脂注入路を備えた第1金型と、前記第1金型と協動して成形キャビティを形成する第2金型で構成されるが、次の点に特徴を有する。
すなわち、第1金型と第2金型の合せ面には、前記成形キャビティを取囲む第1シール部材と、第1シール部材より内側に位置して前記成形キャビティを取囲む第2シール部材を備える。第1シール部材は、型締め時に第2シール部材より早く第1金型と第2金型の合せ面に当接してシール機能を発揮し、第2シール部材は、第1シール部材より遅れて第1金型と第2金型の合せ面に当接しシール機能を発揮するものである。そして、前記第1シール部材と第2シール部材で挟まれた領域に、第1金型又は第2金型に備えた空気吸引用通路が開口している。さらに、第1シール部材は、第2金型の上面に位置し、かつ、所定以上の押圧力を受けると変形ないしは後退するバックアップ部材で支持されている。
【0006】
上記金型を用いる樹脂成形品の製造は、次のように実施する。
まず、第1シール部材が第1金型と第2金型の合せ面に当接するまで型締めをする。樹脂注入路は閉じてある。これにより、第1シール部材で取囲まれた成形キャビティを含む空間が密閉される。この状態で、空気吸引用通路から成形キャビティ内の空気を吸引して、成形キャビティを減圧状態にする。さらに、第2シール部材を第1金型と第2金型の合せ面に当接させる。この操作で、第2シール部材で取囲まれた成形キャビティを含む空間が、第1シール部材で取囲まれた空間の内側で隔離された空間となる。この状態を保ちながら、樹脂注入路を開き、液状樹脂を成形キャビティに注入して成形を行なう。
【0007】
成形キャビティに注入した液状樹脂は、第2シール部材で取囲まれた空間内にとどまり、第1シール部材と第2シール部材で挟まれた領域まで流入することはない。液状樹脂が空気吸引用通路まで達することがないのは勿論であり、金型の清掃は、主として、第2シール部材で取囲まれた内側領域に対して実施すればよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1及び図2を参照しながら説明する。
上述したように、本発明に係る注入成形金型は、樹脂注入路11を備えた第1金型1と、第1金型1と協動して成形キャビティ4を形成する第2金型2で構成される。第1金型1と第2金型2の合せ面には、第1シール部材7と第2シール部材8が配置される。第1シール部材7と第2シール部材8は、それぞれ成形キャビティ4を取囲むように配置され、第2シール部材8は、第1シール部材7の内側の領域に位置する。第1シール部材7と第2シール部材8で挟まれた領域には、第1金型1又は第2金型2に備えた空気吸引用通路9が開口している(図1は、第2金型2に空気吸引用通路9を配置した状態を示している)。
【0009】
ここで、第1シール部材7は、型締めに際して、第2シール部材8より早く第1金型1と第2金型2の合せ面に当接するものである。例えば、第1シール部材7と第2シール部材8は、シリコーンゴム等のゴム状弾性体からなるリングであり、それぞれ第2金型2の合せ面に設けた凹陥溝に位置決めされる。第1シール部材7の断面径を第2シール部材8の断面径より大きく設定することにより、第1シール部材7が第2シール部材8より突出した状態とする。
【0010】
上記の注入成形金型を用いて、以下のように成形を実施する。
まず、第1シール部材7が第1金型1と第2金型2の合せ面に当接し弾性変形して合せ面に密着するまで型締めをする。この時、樹脂注入路11は閉じてあるので液状樹脂6(架橋ポリアミノアミド、エポキシ樹脂等)は流入せず、第1シール部材7で取囲まれた成形キャビティ4を含む空間が密閉される。第2シール部材8が未だ第1金型1と第2金型2の合せ面に当接していないこの状態で、空気吸引通路9から成形キャビティ4内の空気を吸引して、成形キャビティ4を減圧状態にする(図1)。尚、成形キャビティ4には、必要に応じて事前に、補強繊維基材やインサート物が配置される。
【0011】
さらに、第2シール部材8が第1金型1と第2金型2の合せ面に当接し弾性変形して合せ面に密着するまで型締めを進める。この操作により、第1シール部材7で取囲まれた内側に、成形キャビティ4を含む密閉された空間がもう一つできる。この状態を保ちながら、樹脂注入路11を開いて液状樹脂6を成形キャビティ4に注入する(図2)。加熱により液状樹脂を硬化させ、所定の成形を行なう。
【0012】
成形キャビティ4は減圧状態にあるので、液状樹脂6の注入は良好に行なわれる。成形キャビティ4を満たした後の余剰の液状樹脂は、第2シール部材8で堰き止められるので、第2シール部材8で取囲まれた空間の外側にある第1シール部材7で取囲まれた領域にまで流入することはない。液状樹脂が空気吸引用通路9まで達することがないのは勿論である。
【0013】
従って、従来の技術で実施していた空気吸引用パイプ5を成形の都度新しいものと交換するというような作業は不要であり、製造工数の低減を図ることができる。金型の清掃は、第2シール部材8で取囲まれた内側領域を主として行なえばよい。
【0014】
ここで、第2シール部材8を第1金型と第2金型の合せ面に当接させると、第1シール部材7が大きく変形する。成形の都度、この大きな変形が繰返されるので、第1シール部材7の劣化が早まりやすい。そこで、所定以上の押圧力を受けると変形ないしは後退するバックアップ部材で第1シール部材7を支持させる。これにより、第2シール部材8を第1金型と第2金型の合せ面に当接させるときに起こる第1シール部材7の変形を緩和させる。第2シール部材8が第1金型と第2金型の合せ面に当接するときには、第1シール部材7への応力が大きくなるので、その応力でバックアップ部材を変形ないしは後退させて、第1シール部材7の変形を緩和するのである。
そのほか、型締めは一度だけにし、まず、型締めにより第1シール部材7を第1金型と第2金型の合せ面に当接し、第1シール部材7で取囲まれた空間の空気を吸引し、その後、バックアップ部材で支持された第2シール部材8を進出させて、第1金型と第2金型の合せ面に当接させるようにしてもよい。
【0015】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る注入成形金型は、成形キャビティの空気を吸引するに当たって、そのために必要とする付帯作業工数を少なくすることができ、廃棄物として取扱うべき部材の発生も少なく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る注入成形金型の実施の形態を示し、成形キャビティに液状樹脂を注入する前段階の断面説明図である。
【図2】 本発明に係る注入成形金型の実施の形態を示し、成形キャビティに液状樹脂を注入する段階の断面説明図である。
【図3】 従来の注入成形金型の断面説明図である。
【符号の説明】
1は、第1金型
2は、第2金型
3は、シール部材
4は、成形キャビティ
5は、空気吸引用パイプ
6は、液状樹脂
7は、第1シール部材
8は、第2シール部材
9は、空気吸引用通路
11は、樹脂注入路
Claims (2)
- 樹脂注入路を備えた第1金型と、前記第1金型と協働して成形キャビティを形成する第2金型で構成され、
前記第1金型と第2金型の合せ面には、前記成形キャビティを取囲む第1シール部材と、第1シール部材より内側に位置して前記成形キャビティを取囲む第2シール部材を備え、
前記第1シール部材は、型締め時に第2シール部材より早く第1金型と第2金型の合せ面に当接してシール機能を発揮し、第2シール部材は、第1シール部材より遅れてシール機能を発揮するものであり、
前記第1シール部材と第2シール部材で挟まれた領域に、第1金型又は第2金型に備えた空気吸引用通路が開口し、
前記第1シール部材は、前記第2金型の上面に位置し、かつ、所定以上の押圧力を受けると変形ないしは後退するバックアップ部材で支持されていることを特徴とする注入成形金型。 - 請求項1記載の注入成形金型を用い、
まず、第1シール部材が第1金型と第2金型の合せ面に当接するまで型締めをし、樹脂注入路を閉じた状態で空気吸引用通路から成形キャビティ内の空気を吸引して、成形キャビティを減圧状態にし、
さらに第2シール部材を第1金型と第2金型の合せ面に当接し、
その後に、樹脂注入路を開いて成形キャビティに液状樹脂を注入することを特徴とする成形品の製造法。
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