JP3367870B2 - 半導体装置樹脂封止金型及び半導体装置の樹脂封止方法 - Google Patents

半導体装置樹脂封止金型及び半導体装置の樹脂封止方法

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JP3367870B2 JP20153097A JP20153097A JP3367870B2 JP 3367870 B2 JP3367870 B2 JP 3367870B2 JP 20153097 A JP20153097 A JP 20153097A JP 20153097 A JP20153097 A JP 20153097A JP 3367870 B2 JP3367870 B2 JP 3367870B2
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置樹脂封止
金型及びその封止方法に係り、特に半導体装置の樹脂封
止工程において使用されるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置の樹脂封止工程は、通
常大気圧下で行われ作業性に優れているが、樹脂封止用
金型の残留ガス又は溶融した樹脂から発生するガスがモ
ールド材の中に気泡となって取り込まれ、不良発生の原
因となっていた。
【0003】図6に従来の半導体装置樹脂封止金型の断
面を模式的に示す。金型は一対の上型27と下型29か
ら構成され、その対向する当接面を閉じることにより内
部にキャビティー34が形成される。
【0004】あらかじめ半導体チップがダイボンド、ワ
イヤボンドされたリードフレームを用意し、金型が開い
た状態でリードフレームを上下の金型27、29の間に
置き、半導体チップがキャビティーの中央部にくるよう
に配置する。このようにして前記上下の金型を前記リー
ドフレームを挟んで閉じれば、リードフレームで支持さ
れた半導体チップがキャビティー33の中央部に固定さ
れる。
【0005】その後、樹脂タブレット32を昇温溶融
し、下型29に設けたプランジャー31を用いて溶融し
た樹脂を、33から前記キャビティー34に流入成型す
れば、半導体チップの外周を隙間なく樹脂モールドする
ことができる。しかし前述のように流入する樹脂に気泡
が混入することがあり、信頼性の低下を招くという問題
があった。
【0006】図7を用いて、大気圧で使用する従来の半
導体装置樹脂封止金型の構造をさらに詳細に説明する。
図7の左右に、従来の金型の異なる奥行きにおける断面
構造が示されている。
【0007】図7に示す従来の上型は、キャビティーブ
ロック1、キャビティーホルダー2、エジェクタホルダ
ー3、エジェクタープレート4、締結ボルト7、押し下
げピン8、サポートピン10から構成される。キャビテ
ィーブロックには溶融した樹脂を溜める33、エジェク
ターホルダー3はキャビティー中で成型された樹脂を離
型するためのエジェターピン36を備えている。なおキ
ャビティーブロックにはキャビティーとリードフレーム
との位置合わせを行うリードピンの受け穴39が形成さ
れる。
【0008】下型はキャビティーブロック11、キャビ
ティーホルダー12、エジェクタホルダー13、エジェ
クタープレート14、締結ボルト17、押し上げピン1
8、サポートピン20から構成される。キャビティーブ
ロックにはキャビティー34、エジェクターホルダー1
3はキャビティー中で成型された樹脂を離型するための
エジェターピン37を備えている。なおキャビティーブ
ロックにはキャビティーとリードフレームとの位置合わ
せを行うリードピン38が形成される。31は溶融した
樹脂を押し出すプランジャー機構である。
【0009】図7では、キャビティーが下型キャビティ
ーブロックに形成される例を示したが、図6でのべたよ
うに、キャビティーを上下のキャビティーブロックに形
成するのが一般的である。
【0010】エジェクターピン36、37は、押し下げ
ピン8と押し上げピン18とを用いて上型の2と3、及
び下型の12と13との間を密着させることにより、モ
ールド材の成型面に押し出され、これを離型させる。な
お樹脂封止に先立ちダイクリーナを用いて残留した樹脂
や微細な塵埃等が除去される。
【0011】このような従来の金型において、成形中に
樹脂の流れる面を減圧環境にできる金型の構造が提案さ
れている。樹脂封止を行う前に、上下金型の間の大気や
樹脂中に含まれるガスを十分脱気しておけば、成型品の
内部に気泡が含まれる問題を回避することができる。
【0012】減圧仕様の金型であって、金型の当接面に
Oリング40を配置した例を図8に示す。また、図9に
上下の金型が互いにはまり合う構造で、その摺動面にO
リング41を配置した例が示されている。その他の部分
は図7に説明した金型と同様であるため説明を省略す
る。
【0013】図8、図9に示す従来の半導体樹脂封止用
金型の例では、Oリング等のシールが上下金型の間に加
えられる圧力で強制的に潰されて、上下金型の当接面が
接触する強制シール方式を採用している。
【0014】Oリングは従来からシール材として多く用
いられているが、一般に圧縮させて使用するものであ
り、図8の場合には型締めの方向にOリング40を圧縮
するための力が必要になる。すなわち型締め機構として
より強力なサーボモータを必要とし、金型の当接面にO
リング40を設けるためのスペースが必要となる。
【0015】一方、排気速度を考えれば、上下の金型が
完全に当接する前に金型の当接面間に若干のギャップを
設けて内部を脱気することが望ましいが、Oリング40
を圧縮する上記の構造では、このような微妙なギャップ
の設定が困難である。
【0016】図9に示す場合には、図8のようにOリン
グ40への直接の圧縮力に対して、側面におけるOリン
グ41での滑り抵抗を考慮すれば良いので上記の問題は
緩和されるが、スペース的には図9よりも大きなシール
エリアを必要とする。また、図7に示すようなチェイス
金型(上型と下型とを一括してチェイス金型と呼ぶ)交
換方式の金型では、図9のような滑り型のOリング41
を備えた構造とすることが困難である。
【0017】なお半導体装置の樹脂封止工程において、
封止工程の前にダイクリーナを用いて樹脂の残渣や塵埃
を除去することが重要であるが、図9の滑り型のOリン
グ41を備えた構造では、一般的なダイクリーナを使用
することができない欠点がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
の減圧仕様の半導体装置樹脂封止金型及びその封止方法
において、金型の当接面にOリングを配置した構造で
は、Oリング配置のためのスペースを必要とすること、
Oリングを押し潰す強力なサーボモータを必要とするこ
と、さらに減圧速度を高めるためには当接面間の微妙な
ギャップの調整が必要となること等多くの問題点があっ
た。
【0019】また金型の側面にOリングを配置する構造
では、大きなシールエリヤを必要とし、さらに一般的な
ダイクリーナを使用することができないため樹脂封止前
に樹脂の残渣や塵埃等の除去を十分に行うことが困難に
なるという問題があった。
【0020】本発明は上記の問題点を解決すべくなされ
たもので、上下金型の一方の外周、又は前記上下金型を
保持する上下ダイセットの一方の外周にシールを設ける
ことにより、上記の問題点を解決することができる減圧
仕様の半導体装置樹脂封止金型とその封止方法を提供す
ることを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体装置樹脂
封止金型は、上下金型のいずれか一方の当接面の外周に
シールが形成された半導体樹脂封止金型であって、前記
シールは、前記上下金型の当接面が接触する前に、前記
シールの先端部の内面が他方の当接面の外周に接触する
ように形成され、かつ前記シールと前記上下金型の当接
面とで形成される空間に連結された排気用の開口部を備
、前記シールは、前記空間に連結された排気用の開口
部から排気することにより自己シール性を示すものであ
ことを特徴とする。
【0022】また本発明の半導体装置樹脂封止金型は、
上下ダイセットのいずれか一方の外周にシールが形成さ
れた半導体樹脂封止金型であって、前記シールは、前記
上下ダイセットによりそれぞれ保持された上下金型の当
接面が接触する前に、前記シールの先端部の内面が他方
のダイセットの外周に接触するように形成され、かつ前
記シールと前記上下金型の当接面とで形成される空間に
連結された排気用の開口部を備え、前記シールは、前記
空間に連結された排気用の開口部から排気することによ
り自己シール性を示すものであることを特徴とする。
【0023】前記シールは前記空間に連結された排気用
の開口部から排気することにより自己シール性を示すも
のであることを特徴とする。好ましくは前記シールの先
端部の内面が接触する前記他方の当接面の外周は、上下
金型の合わせ方向に沿って前記シールの先端部が広がる
ようにテーパー角が付与されたものであることを特徴と
する。
【0024】また他方の当接面の外周には、前記他方の
当接面の周辺部を囲むように突起物が形成され、前記シ
ールの先端部の内面は前記突起物の外周に接触するよう
にすることを特徴とする。
【0025】好ましくは前記シールと前記上下金型の当
接面とで形成される空間における前記当接面の間隔は、
0.1mm以上、20mm以下であることを特徴とす
る。このようにすれば、高い排気効率を維持しつつ排気
の際のシール変形を最小限に抑制し、かつ前記シールの
摺動性と自己シール性を十分に発揮させることができ
る。
【0026】本発明の半導体装置樹脂封止金型の封止方
法は、上下金型のいずれか一方の当接面の外周にシール
を備え、上下金型の当接面を互いに近接し、前記上下金
型の当接面互いに接触する前に、前記上下金型のいず
れか一方の当接面の外周に配置されたシールの先端部を
他方の金型の外周に接触し、かつ、接触した状態でシー
ルと上下金型の当接面とで囲まれた空間を排気すること
によりさらにシールを自己シールする工程と、この自
己シールされた上下金型の当接面を互いに接触した後
、封止用樹脂を流入する工程とを備えたことを特徴と
する。
【0027】また本発明の半導体装置樹脂封止金型の封
止方法は、上下金型をそれぞれ保持する上下ダイセット
のいずれか一方の外周にシールを備え、上下金型の当接
面が互いに接触する前に、上下金型をそれぞれ保持する
上下ダイセットのいずれか一方の外周に配置されたシー
ルの先端部を他方のダイセットの外周に接触し、かつ、
接触した状態でシールと、シールと上下ダイセットの当
接面及び上下金型の当接面とで囲まれた空間を排気する
ことにより、さらに前記シールを自己シールする工程
、この自己シールにより減圧環境にされた上下金型の
当接面を互いに接触した後、封止用樹脂を流入する工程
とを備えたことを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明の
第1の実施の形態に係る半導体装置樹脂封止金型(以下
単に金型と略称する)の構造と、これを用いた封止方法
を示す断面図である。図1乃至図3は、従来の金型の説
明で使用した図7と同一方向から見たときの本発明の金
型の断面を示している。
【0029】本発明の金型は減圧環境で使用される。本
発明の趣旨は減圧環境下で樹脂封止を行うための金型の
構造とその封止方法を示すことにあるため、金型の減圧
構造とは直接関連しないキャビティ、プランジャー等を
含まない部分の断面を示している。
【0030】図1に示す金型は上型と下型とからなり、
前記上型は樹脂を流入するキャビティーを備えたキャビ
ティーブロック1、これを保持するキャビティーホルダ
ー2、キャビティー(図示せず)で成形された樹脂を離
型するためのエジェクターピン(図示せず)を支持する
エジェクターホルダー3、これを固定するエジェクター
プレート4からなる。
【0031】さらに前記上型は本発明の主要部をなすシ
ール5、これを固定するシールホルダー6を備えてい
る。7は締結ボルト、8は側面にOリング9を備えた押
し下げピンであり、前記エジェクターホルダー3をキャ
ビティホルダー2に密着させることにより、エジェクタ
ーホルダー3に固定されたエジェクターピンをキャビテ
ィー中に突き出し、樹脂モールドされた半導体装置を前
記キャビティーから離型する。押し下げピン8に設けた
Oリング9は、シール5と共に金型の減圧環境を保持す
る。10は前記押し下げ機構をサポートするサポートピ
ンである。
【0032】前記下型は上型と同様キャビティーブロッ
ク11、キャビティーホルダー12、エジェクターホル
ダー13、エジェクタープレート14からなる。前記下
型はテーパー角15を設けたシール受けテーパーブロッ
ク16を備えている。前記テーパー角は上型と下型を近
接させてシール5の先端部をシール受けに接触させ、さ
らに上型と下型とを当接させる際、前記シール5の先端
部が外側に押し広げられるように形成する。
【0033】このほか締結ボルト17、エジェクターピ
ンを押し上げる押し上げピン18、Oリング19、サポ
ートピン20を有する。なお前記下型はモールド材のタ
ブレットを溶融してキャビティ中に供給するプランジャ
ー機構を備えているが、これも本発明と直接関連しない
ので図示されていない。図1では上下の金型がまだ閉じ
ていない状態が示されている。
【0034】本第1の実施の形態の金型は、上型のキャ
ビティーホルダー2の外周にL字断面のシール5とこれ
を固定するシールホルダー6を有し、下型のキャビティ
ーホルダー12の外周にテーパー角15を備えたシール
受けテーパーブロック16を有することに特徴がある。
【0035】シール5は、水平部分と垂直部分を押さえ
で押さえて上型のシールホルダー6に固定される。
スカート状に下方に伸びたシール5の先端部分は、その
厚さ方向のたわみに対して十分な剛性と長さを有してい
る。シールホルダー6とシール受けテーパーブロック1
6の4つのコーナには、シール5の構成に無理を生じな
いように適度な大きさの曲率半径を設けている。
【0036】図2に示すように上下の金型の合わせ面を
近接させれば、L字型断面シール5の下部先端の内側
が、シール受けテーパーブロック16の外周のテーパー
面15と接触し、さらに両者を近接させれば、前記シー
ル5の先端はテーパー面15と接触を保ちつつこれに沿
って前記シール5の先端を広げながら滑り、シール5の
材料の適度な剛性によりシール5とテーパー面15との
密着状態が増強される。
【0037】上下の金型のキャビティーブロック1、1
1の合わせ面の間のギャップとシール5等で構成される
空間21から、別に設けた排気孔(図示せず)を通じて
内部の空気が排気される。前記空間が減圧されるに従っ
て、薄いL字型シール5は外部から大気圧によりさらに
テーパー面15に押し付けられ、気密性に優れた自己シ
ール性を示すようになる。
【0038】このように上下の金型の当接面の間に一定
のギャップを設けた状態で、樹脂封止の障害となる金型
内部の脱気を行えば、図8で説明したように当接面にO
リング40を設け、これを押し潰して上下金型の当接面
を密着させた後排気する方法に比べて、排気抵抗が小さ
いために短時間で十分な脱気を行うことができる。
【0039】排気抵抗を十分小さくするためには、前記
ギャップの大きさは大きい方が望ましいが、これが過大
となれば自己シール性に優れた薄いシール5が大気圧に
より変形し、逆に気密性に問題を生じるようになる。こ
のため、実用上最適なギャップの大きさは約1mmであ
る。シール5の材質と形状を選択すれば、ギャツプの大
きさを20mm程度まで拡大することができる。
【0040】排気抵抗の小さい空間21を通じて金型内
部の十分な脱気を行った後、図3に示すように、上下の
金型のキャビティーブロック1、11の合わせ面を当接
させ、プランジャー(図示せず)を用いて封止用樹脂を
キャビティーブロックに設けたキヤビティ(図示せず)
に流入し、半導体装置チップを樹脂封止する。
【0041】半導体チップは薄いリードフレームにダイ
ボンド、ワイヤボンドされ、キャビティブロック1、1
1は、前記リードフレーム(図示せず)を挟んで合わせ
面が当接されるので、当接状態での前記ギャップの最小
値は、リードフレームの厚さ0.1mm程度となる。
【0042】このように、上下のキャビティブロック
1、11をリードフレームを介して密着させた後に排気
すれば、排気速度はOリング等を用いた従来法と同程度
まで低下するが、本発明のシール5を具備する金型は、
このような従来同様の封止方法に対応するギャップの値
に達するまで使用することができる。
【0043】したがって、本発明が従来法に比べて優れ
た高速脱気の性能を発揮するギャップの値は0.1mm
以上、20mm以下の範囲内である。なお、図1乃至図
3においてシール5は上型に備えられ、下型にシールと
接触するテーパー部を配置したが、このような配置は金
型のダイクリーニングの便を考慮して定めたものであ
る。ダイクリーニングの方法を変更すればシール5を下
型に設け、シール受けテーパーブロック16を上型に設
けることも可能である。
【0044】次に図4に基づき本発明の第2の実施の形
態について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形
態に係る金型の断面構造を示す図である。前記第1の実
施の形態とは逆に、上型にシール受けブロック23を設
け下型にシール24を設ける構造に設計されている。図
4は第1の実施の形態の図2に対応し、上下の金型が閉
じる前の脱気状態を示している。
【0045】図4において、下型のシール24の形状は
全体を薄くしたL字構造と異なり、キャビティーホルダ
ー12に固定した厚いシール材の内周からから薄いシー
ル材が上方に伸びた形状となっている。またシール受け
ブロック23は、上型のキャビティーホルダー2から突
出し、キャビティーブロック1を取り囲むように形成さ
れ、かつ突出部分にテーパーを設ける代わりに、前記突
出部の外周がシール24の内周よりもやや小さくなるよ
うに設計した。このように必ずしもシール受けブロック
23の外周にテーパー角を設けなくても、シール24の
先端部が十分な長さと弾性を備えていれば、シール材の
自己シール性を用いて気密な構造とし、樹脂封止前の高
速脱気の目的を達することができる。金型内部の十分な
脱気を行った後、上下の金型のキャビティーブロック
1、11の合わせ面を当接させ、プランジャー(図示せ
ず)により封止用樹脂を前記キャビティーブロック1、
11に設けたキヤビティ(図示せず)に流入し、半導体
装置のチップを樹脂封止することができる。
【0046】本第2の実施の形態の金型では、金型内部
の脱気が上下キャビティーブロック1、11の当接面間
の空間21のみならず、前記キャビティーブロック1、
11の両側の空間22を通じて行われるので、前記第1
の実施の形態に比べて排気抵抗がさらに低減される。図
1乃至図3に対応する参照番号を付したその他の部分の
基本機能は、前記第1の実施の形態とほぼ同様である。
【0047】次に図5に基づき本発明の第3の実施の形
態について説明する。図5は、第3の実施の形態に係る
金型の断面構造を示す図である。図5は前記第1、第2
の実施の形態の金型の説明で使用した、図1乃至図4と
同一方向から見た本発明の金型の断面構造を示してい
る。
【0048】本発明の金型は、前記第1、第2の実施の
形態と同様に減圧環境で使用されるが、本第3の実施の
形態においては、シール26とシール受けの役割を果た
すテーパー面30とが、上型27と下型29を保持する
上型ダイセット25と下型ダイセット28の外周にそれ
ぞれ形成される点が異なる。
【0049】本発明の趣旨は、前記上型及び下型ダイセ
ットの外周にに設けたシール26とテーパー面30とを
用いて、減圧環境下で樹脂封止を行うための金型の構造
とその封止方法を示すことにあるため、下型に設けたプ
ランジャ31とその上の溶融前の樹脂タブレット32、
溶融した樹脂を溜める33、及び半導体チップが樹脂モ
ールドされるキャビティー34については、簡単のた
め、従来の金型の断面構造を概念的に示す図6をそのま
ま用いた。ただし、下型ダイセット28と下型29、及
び下型29とプランジャ31との間には従来法による真
空シールが施されている。
【0050】ここに上型、下型の断面構造の詳細は、下
型に設けた真空シールの部分を除き図7に示す減圧機能
のない従来の上型及び下型の構造と同様である。図5で
は上下の金型がまだ閉じていない状態が示されている。
【0051】上下の金型27、29及びこれらを保持す
る上下のダイセット25、28及びシール26等で構成
される空間35から、別に設けた排気孔(図示せず)を
通じて内部の空気が排気される。前記空間が減圧される
に従って、シール26の先端は大気圧により、さらにテ
ーパー面30に押し付けられ、気密性に優れた自己シー
ル性を示すようになる。
【0052】このように本発明のシール26とシール受
け30を上下のダイセットの当接面の周辺に形成する構
造であっても、樹脂封止前の高速脱気の目的を達成する
ことができる。金型内部の十分な脱気を行った後、上下
の金型の合わせ面を当接させ、封止用樹脂タブレット3
2を溶融してプランジャー31によりキヤビティ34に
流入し、半導体装置のチップを樹脂封止する。
【0053】なお本第3の実施の形態において、シール
受けとしてテーパー面30を用いたが、図4のシール受
けブロック23に示したように、シール受け部分の外周
をシール26の内周よりやや小さくなるようにして、シ
ール26の先端部の弾性により、自己シール性を持たせ
るようにしても良い。
【0054】なお本発明は上記の実施の形態に限定され
ることはない。例えば第2の実施の形態において、シー
ル受けブロック23の外周にシール24の先端部を外側
に広げるようにテーパー角を設ければ、さらに円滑にシ
ール24の自己シール性を発揮させることができる。こ
の時前記シール受けブロック23の先端部分のテーパー
角は先端の薄い部分を内側にかしめることによってもほ
ぼ同様な目的を達成することができる。その他本発明の
要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することが
できる。
【0055】
【発明の効果】上述したように本発明の金型によれば、
シールと対向するシール受けとを気密性に優れた自己シ
ール性の接触とすることにより、過大な圧縮力を要する
ことなく樹脂封止前の金型内部の脱気に必要な気密性を
維持することができる。
【0056】またシールの内周面がシール受けの外周面
に沿って可動な構造となっているので、上型、下型(こ
れらをまとめてチェイス金型と呼ぶ)の当接面が閉じる
前にある量の空間をシールとチェイス金型の間に設けて
脱気の際の排気抵抗を小さくし、脱気速度を高めること
ができる。
【0057】また、シールとシール受けとをチェイス金
型の周辺、又は上下のダイセットの周辺に設けているの
で、従来の減圧用金型の例に示されるようなスペースを
必要とせず、一般の金型からの移行も比較的簡単に行え
るという特徴がある。
【0058】なお、チェイス金型においてシールが完結
する第1、第2の実視の形態の金型構造とすれば、吸排
気孔を除いてダイセット側には特殊なシールを設ける必
要がなくなり、そのためチェイス金型の段取り性を損な
うことなく、減圧用の金型を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る半導体樹脂封
止金型の型開き状態を示す断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る半導体樹脂封
止金型の自己シール状態を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る半導体樹脂封
止金型の型閉じ状態を示す断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る半導体樹脂封
止金型の自己シール状態を示す断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る半導体樹脂封
止金型の自己シール状態を示す断面図。
【図6】従来の半導体樹脂封止金型の型開き状態を模式
的に示す断面図。
【図7】従来の半導体樹脂封止金型の型開き状態を示す
断面図。
【図8】Oリングを設けた従来の半導体樹脂封止金型の
型開き状態を示す断面図。
【図9】上下金型の嵌合面にOリングを設けた従来の半
導体樹脂封止金型の型開き状態を示す断面図。
【符号の説明】
1、11…キャビティーブロック 2、12…キャビテイーホルダー 3、13…エジェクターホルダー 4、14…エジエクタープレート 5、24、26…シール 6…シールホルダー 7、17…締結ボルト 8、18…押し下げピンと押し上げピン 9、19、…Oリング 10、20…サポートピン 15、30…テーパー面 16…シール受けテーパーブロック 21、22、35…排気空間 23…シール受けブロック 25、28…上型ダイセットと下型ダイセット 27、29…上型、下型 31…プランジャー 32…樹脂タブレット 33…溶融樹脂の溜め 34…キャビティー 36、37…エジェクターピン 38…ガイドピン 39…ガイドピンの受け穴 40、41…Oリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 英信 神奈川県川崎市川崎区駅前本町25番地1 東芝マイクロエレクトロニクス株式会 社内 (56)参考文献 特開 平6−310553(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/56 B29C 33/10 B29C 45/02 B29C 45/34 B29L 31:34

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下金型のいずれか一方の当接面の外周
    にシールが形成された半導体樹脂封止金型であって、 前記シールは、前記上下金型の当接面が接触する前に、
    前記シールの先端部の内面が他方の当接面の外周に接触
    するように形成され、 かつ前記シールと前記上下金型の当接面とで形成される
    空間に連結された排気用の開口部を備え、前記シール
    は、前記空間に連結された排気用の開口部から排気する
    ことにより自己シール性を示すものであることを特徴と
    する半導体装置樹脂封止金型。
  2. 【請求項2】 上下ダイセットのいずれか一方の外周に
    シールが形成された半導体樹脂封止金型であって、 前記シールは、前記上下ダイセットによりそれぞれ保持
    された上下金型の当接面が接触する前に、前記シールの
    先端部の内面が他方のダイセットの外周に接触するよう
    に形成され、 かつ前記シールと前記上下金型の当接面とで形成される
    空間に連結された排気用の開口部を備え、前記シール
    は、前記空間に連結された排気用の開口部から排気する
    ことにより自己シール性を示すものであることを特徴と
    する半導体装置樹脂封止金型。
  3. 【請求項3】 前記シールの先端部の内面が接触する前
    記他方の当接面の外周は、前記上下金型の合わせ方向に
    沿って前記シールの先端部が広がるようにテーパー角が
    付与されたものであることを特徴とする請求項1記載の
    半導体装置樹脂封止金型。
  4. 【請求項4】 前記シールの先端部の内面が接触する前
    記他方のダイセットの外周は、前記上下金型の合わせ方
    向に沿って前記シールの先端部が広がるようにテーパー
    角が付与されたものであることを特徴とする請求項2記
    載の半導体装置樹脂封止金型。
  5. 【請求項5】 前記他方の当接面の外周には、前記他方
    の当接面の周辺部を囲むように形成された突起物が形成
    され、前記シールの先端部の内面は前記突起物の外周に
    接触することを特徴とする請求項1記載の半導体装置樹
    脂封止金型。
  6. 【請求項6】 前記空間における前記当接面の間隔は、
    0.1mm以上、20mm以下であることを特徴とする
    請求項1、2のいずれか1つに記載の半導体装置樹脂封
    止金型。
  7. 【請求項7】 上下金型のいずれか一方の当接面の外周
    にシールを備えた半導体樹脂封止金型の封止方法であっ
    て、 前記上下金型の当接面を互いに近接し、 前記上下金型の当接面が互いに接触する前に、前記シー
    ルの先端部を他方の金型の外周に接触し、 かつ、前記接触した状態で前記シールと前記上下金型の
    当接面とで囲まれた空間を排気することにより、さらに
    前記シールを自己シールし、 前記自己シールされた前記上下金型の当接面を互いに接
    触した後に、封止用樹脂を流入することを特徴とする半
    導体装置樹脂封止金型の封止方法。
  8. 【請求項8】 上下金型をそれぞれ保持する上下ダイセ
    ットのいずれか一方の外周にシールを備えた半導体樹脂
    封止金型の封止方法であって、 前記上下金型の当接面が互いに接触する前に、前記シー
    ルの先端部を他方のダイセットの外周に接触し、 かつ、前記接触した状態で前記シールと前記上下ダイセ
    ットの当接面及び前記上下金型の当接面とで囲まれた空
    間を排気することにより、さらに前記シールを自己シー
    ルし、 前記自己シールにより減圧環境にされた前記上下金型の
    当接面を互いに接触した後に、封止用樹脂を流入するこ
    とを特徴とする半導体装置樹脂封止金型の封止方法。
  9. 【請求項9】 前記空間における前記当接面の間隔は、
    0.1mm以上、20mm以下であることを特徴とする
    請求項8、9のいずれか1つに記載の半導体装置樹脂封
    止金型の封止方法。
  10. 【請求項10】 上下金型の当接面を互いに近接し、 前記上下金型の当接面を互いに接触する前に、前記上下
    金型のいずれか一方の当接面の外周に配置されたシール
    の先端部を他方の金型の外周に接触し、 かつ、前記接触した状態で前記シールと前記上下金型の
    当接面とで囲まれた空間を排気することにより、さらに
    前記シールを自己シールする工程と、 前記自己シールされた前記上下金型の当接面を互いに接
    触した後に、封止用樹脂を流入する工程とを備えたこと
    を特徴とする半導体装置の樹脂封止方法。
  11. 【請求項11】上下金型の当接面が互いに接触する前
    に、前記上下金型をそれぞれ保持する上下ダイセットの
    いずれか一方の外周に配置されたシールの先端部を他方
    の前記ダイセットの外周に接触し、 かつ、前記接触した状態で前記シールと前記シールと前
    記上下ダイセットの当接面及び前記上下金型の当接面と
    で囲まれた空間を排気することにより、さらに前記シー
    ルを自己シールする工程と、 前記自己シールにより減圧環境にされた前記上下金型の
    当接面を互いに接触した後に、封止用樹脂を流入する工
    程とを備えたことを特徴とする半導体装置の樹脂封止方
    法。
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