JP3950593B2 - 電子照射装置 - Google Patents

電子照射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3950593B2
JP3950593B2 JP24814299A JP24814299A JP3950593B2 JP 3950593 B2 JP3950593 B2 JP 3950593B2 JP 24814299 A JP24814299 A JP 24814299A JP 24814299 A JP24814299 A JP 24814299A JP 3950593 B2 JP3950593 B2 JP 3950593B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grid
filament
electrode
electron
electrons
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP24814299A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001076663A (ja
Inventor
政都 工藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Jeol Ltd
Original Assignee
Jeol Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Jeol Ltd filed Critical Jeol Ltd
Priority to JP24814299A priority Critical patent/JP3950593B2/ja
Publication of JP2001076663A publication Critical patent/JP2001076663A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3950593B2 publication Critical patent/JP3950593B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electron Sources, Ion Sources (AREA)
  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線を一次励起源とする光電子分光装置におけるサンプル帯電中和用の電子照射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線を一次励起源とする光電子分光装置において、サンプルが絶縁物の場合、サンプルから光電子が放出されるためサンプル表面が正に帯電して分析に支障をきたすことが多い。これを中和して緩和するために、低エネルギー電子を照射する手法が知られている。
【0003】
このような目的に使用される電子照射装置には、(1)照射される電子の量ができるだけ多いこと、(2)その電子エネルギーができるだけ低いこと、(3)電子がサンプル表面上の大きな領域にできるだけ均一に照射されること、などの性能が要求される。特に(3)項の性能は、X線のサンプル上での照射面積が大きい場合に重要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の光電子分光装置において帯電中和用として用いる電子照射装置では、上記条件を全て満たすものはなく、したがって十分に帯電を緩和することができず、分析に支障をきたす場合が発生している。
【0005】
本発明は、従来の光電子分光装置に用いる電子照射装置における上記問題点を解消するためになされたもので、低エネルギー電子を大量に且つ均一密度でサンプル上に照射できるようにした電子照射装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明は、メッシュからなる円筒状グリッドと、該グリッドの外周囲に配置され該グリッドに対して負電圧の印加されたフィラメントと、該フィラメントの外側に配置され該フィラメントと同電位の負電圧の印加された、前記フィラメントから発生した熱電子を前記グリッドの内部に溜め込ませるための円筒状リペラ電極と、該リペラ電極の外側に配置され正電圧の印加された、前記グリッドの内部に溜め込まれた電子を引き出すための円筒状引出電極と、該引出電極と協働して形成する電場が前記引出電極により引き出された電子をサンプルに減速させて到達させる形態となるように、前記引出電極の外側に該引出電極より突出させて配置した円筒状のアース電極とで電子照射装置を構成するものである。
【0007】
このように構成した電子照射装置においては、電子源として点光源ではなく、グリッドの内部の一定の大きさをもったポテンシャルの谷間に捕らえられ溜め込まれた電子を利用するようになっており、この溜め込まれた電子を引出電極により引き出して減速させてサンプル面に照射させ、その際、電子が逆戻りしたり発散したりすることがないような電場(電位分布)を実現するように、アース電極を配置しているので、数eV以下の低エネルギー電子を、大量に且つ均一密度でサンプル上に照射することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る電子照射装置の実施の形態を示す断面図である。図1において、1はメッシュで円筒状に作製されたグリッド、2は該グリッド1の外周に離間して環状に配置されたフィラメント、3はフィラメント2の外側に配置された円筒状のリペラ電極、4はリペラ電極3の外側へ配置された円筒状のレンズ電極兼用の引出電極、5は更に引出電極4の外側に配置された円筒状のアース電極である。そして、上記各構成部材はそれぞれインシュレータ6に保持されていて電流導入端子7に接続されるようになっている。なお、8は真空容器の取付けポート、9はサンプルを示している。
【0009】
そして、このような構成の電子照射装置には、図2に示すように動作用の電源等が接続されている。すなわち、フィラメント2にはフィラメント加熱電源11が接続されており、グリッド1にはフィラメント2から発生した熱電子を効果的にグリッド側に引き込むための、数10V〜 200V程度(好ましくは 150V)の固定電源12の正端子が接続されており、グリッド1のアースに対する電位が電子の加速電圧となっている。そして、最終的にグリッド1に流れ込む電子の電流がエミッション電流と呼ばれるが、定エミッション回路を用いフィラメント2に流す加熱電流は、上記エミッション電流が一定になるようにフィードバック制御されている。
【0010】
定エミッション回路は、フィラメント2とグリッド用固定電源12の負端子との間に接続したエミッション電流検出抵抗13と、固定電源12とエミッション電流検出抵抗13との接続点を一方の入力端子に接続し、他方の入力端子には、負端子をフィラメント2に接続したエミッション電流設定電源14の正端子を接続した差動アンプ15とを備え、差動アンプ15の出力でフィラメント加熱電源11を制御するように構成されている。なお、エミッション電流検出抵抗13とフィラメント2との間にはエミッション電流モニタ用メータ16が接続されている。
【0011】
また、フィラメント2とリペラ電極3には、正端子をアースに接続した加速電圧設定電源17の負端子が接続されており、引出電極4には、負端子をアースに接続した引出電圧設定電源18の正端子が接続されている。
【0012】
次に、このように構成されている電子照射装置の動作について説明する。グリッド1の周囲に配置されたフィラメント2を通電加熱し、フィラメント2から発生した熱電子をグリッド方向に加速する。またフィラメント2の外側にはフィラメント2と同電位のリペラ電極3が配置されているため、グリッド1をすり抜けて来る電子は再びグリッド側へ押し返される。このようにして、円筒状グリッド1の内部に電子密度の高い空間(電子溜め)が生成され、これが電子源となる。この方式は、基本的にはB−Aタイプと呼ばれる真空ゲージのイオン化室と同じ動作原理のものであるが、本実施の形態においてはイオン化ではなく電子の溜めを形成することが目的になっている。電子溜めの大きさは直径10mm程度とするのが好ましい。この電子源から発生する電子線は、フィラメント形状の影響を受けることがなく均一な電子密度を有するようになるので、サンプル面上での電子照射面積が大きく、且つ電流密度が均一になる。
【0013】
電子源からの電子線は、引出電極4,リペラ電極3及びグリッド1の3者が形成する電場によって、グリッド内部に存在する電子を引き出すことにより、発生させる。引き出し部から発生した電子線に対するレンズ作用は、引出電極4とアース電極5とによって形成される電場によって実現される。これにより、数eV程度の極めて低エネルギーの電子でも、ある程度の集束性を保ったままサンプルまで到達させることができる。
【0014】
本件発明者の検討によると、作動距離(電子照射装置のアース電極の先端からサンプルまでの距離)にもよるが、 100mm程度の作動距離の場合には、引出電極4のサンプル側の端に対して10mm程度まで突出するようにアース電極5を長くすることにより、レンズ部で発生している電場がレンズ部だけにとどまらずにサンプル付近まで滲み出して行くようになり、図3に示すように、極めて低いエネルギーの電子でも、引き出された電子21はサンプル面まで到達できる。これに対し、アース電極5の長さをあまり長くすると、図4に示すように、極めてエネルギーの低い電子22はサンプル面に達することができず、引き返してしまうことになる。
【0015】
以上のように、本実施の形態によれば、円筒状グリッド1の内部に形成される電子溜めを電子源として、点光源ではなく、一定の大きさをもつポテンシャル谷間に捕らえられている電子を利用する形態とし、また高圧の印加された引出電極4、リペラ電極3及びグリッド1で形成された電場による電子の引き出し機能と、引出電極3とアース電極5とで形成される電場による電子の減速機能とをもたせ、且つアース電極5の突出長さを電子がサンプル面に到達する前に逆戻りしたり発散したりすることがないような電位分布を実現するようにし、数eV以下の低エネルギー領域でも大きな電子流が得られるように構成している。したがって、これにより数eV以下の低エネルギー電子を、大量に且つ均一密度でサンプル上に照射することができる。
【0016】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれば、照射される電子の量ができるだけ多く、その電子のエネルギーができるだけ低く、且つ電子がサンプル表面上の大きな領域にできるだけ均一に照射されるようにした電子照射装置を実現することができ、光電子分光装置で絶縁性のサンプルが正に帯電し分析に支障を来すのを有効に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電子照射装置の実施の形態を示す断面図である。
【図2】図1に示した実施の形態における各部への動作用電源の接続態様を示す回路構成図である。
【図3】図1に示した実施の形態に係る電子照射装置から引き出された電子がサンプル面に到達する態様を示す図である。
【図4】アース電極を長く形成した場合に、引き出された電子がサンプル面まで到達できず、途中で引き返してしまう態様を示す図である。
【符号の説明】
1 グリッド
2 フィラメント
3 リペラ電極
4 引出電極
5 アース電極
6 インシュレータ
7 電流導入端子
8 真空容器の取付けポート
9 サンプル
11 フィラメント加熱電源
12 グリッド用固定電源
13 エミッション電流検出抵抗
14 エミッション電流設定電源
15 差動アンプ
16 エミッション電流モニタ用メータ
17 加速電圧設定電源
18 引出電圧設定電源

Claims (1)

  1. メッシュからなる円筒状グリッドと、該グリッドの外周囲に配置され該グリッドに対して負電圧の印加されたフィラメントと、該フィラメントの外側に配置され該フィラメントと同電位の負電圧の印加された、前記フィラメントから発生した熱電子を前記グリッドの内部に溜め込ませるための円筒状リペラ電極と、該リペラ電極の外側に配置され正電圧の印加された、前記グリッドの内部に溜め込まれた電子を引き出すための円筒状引出電極と、該引出電極と協働して形成する電場が前記引出電極により引き出された電子をサンプルに減速させて到達させる形態となるように、前記引出電極の外側に該引出電極より突出させて配置した円筒状のアース電極とで構成したことを特徴とする電子照射装置。
JP24814299A 1999-09-02 1999-09-02 電子照射装置 Expired - Fee Related JP3950593B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24814299A JP3950593B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 電子照射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24814299A JP3950593B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 電子照射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001076663A JP2001076663A (ja) 2001-03-23
JP3950593B2 true JP3950593B2 (ja) 2007-08-01

Family

ID=17173859

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24814299A Expired - Fee Related JP3950593B2 (ja) 1999-09-02 1999-09-02 電子照射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3950593B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2756704B2 (ja) * 1989-06-20 1998-05-25 富士通株式会社 イオンビーム照射装置における電荷中和装置
JPH03194838A (ja) * 1989-12-22 1991-08-26 Sumitomo Metal Ind Ltd 帯電防止方法及び該方法に使用する帯電防止装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001076663A (ja) 2001-03-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10068740B2 (en) Distributed, field emission-based X-ray source for phase contrast imaging
Chang et al. Electron beam emission from a diamond-amplifier cathode
JP3616714B2 (ja) 分析機器内の絶縁試料上を所定表面電位にするための装置
Prewett et al. Characteristics of a gallium liquid metal field emission ion source
KR101547210B1 (ko) 냉전자 소스원을 이용한 이온트랩 질량분석기
JP3950593B2 (ja) 電子照射装置
US9928985B2 (en) Robust emitter for minimizing damage from ion bombardment
US20100177874A1 (en) X-ray tube and method of voltage supplying of an ion deflecting and collecting setup of an x-ray tube
Dworetsky et al. Electron bombardment ion source for low energy beams
JP2004006349A (ja) X線管のためのパルス電力印加システム及び方法
JP2817277B2 (ja) X線銃
JP3574279B2 (ja) 超高真空用真空計
RU2716825C1 (ru) Устройство и способ формирования пучков многозарядных ионов
CN214123833U (zh) 一种电子枪、x射线源、ct机
CN107026064A (zh) 一种发射电流可控的小型化非放射性电子源
JPH0518646U (ja) 電子線照射装置
JP3535402B2 (ja) イオンビーム装置
Wynter et al. Molecular beam detection using electron impact ionization
JPH0665200B2 (ja) 高速原子線源装置
JPH02288143A (ja) 低エネルギー電子発生装置
JP2550033B2 (ja) 荷電粒子引き込み機構
JPS6015247Y2 (ja) 質量分析用イオン源装置
JPH04303Y2 (ja)
JP3114583B2 (ja) 二次電子検出装置
JPH0156520B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060808

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070327

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070423

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3950593

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110427

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120427

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130427

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140427

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees