JP3950343B2 - フローセンサの異常検出方法及び装置 - Google Patents

フローセンサの異常検出方法及び装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フローセンサへの異物の接触や付着によるフローセンサの異常状態を検出するフローセンサの異常検出方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
雨天時にガス配管工事などを行なったりした場合、異物として水がガス配管中に混入してしまう場合がある。ガス配管中に水が混入すると、配管が腐食したり、燃焼機器が異常燃焼したりする不具合があった。
【0003】
従来、膜式メータにおいては、ガス配管中に混入した水を検出することはできなかった。もし、ガス配管中に混入した水を検出する必要がある場合は、専用の水分検出器を用いて調査する必要があった。
【0004】
また、LPガスの場合には、ガス流路中において再液化現象が発生することがあり、このような場合に、電子化ガスメータにおいては、再液化したLPガスの液体が異物となって、正常なガス流量の計量ができなくなることがあった。
【0005】
特に、フローセンサを用いたフローセンサ式ガスメータにおいては、水を含む液体等の異物によりフローセンサが正常に機能しなくなり、正常なガス流量の計量ができなくなることがあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、ガス流路中の水等の異物によるフローセンサの異常状態を検出することができるフローセンサの異常検出方法及び装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の発明は、ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出方法において、上記温度センサは、上記ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、上記ヒータの加熱にかかわらず上記一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に上記温度センサまたは上記ヒータに異物の接触または付着ありと判定することを特徴とするフローセンサの異常検出方法に存する。
【0008】
請求項1記載の発明においては、ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出方法において、温度センサは、ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、ヒータの加熱にかかわらず一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に温度センサまたはヒータに異物の接触または付着ありと判定しているので、水、液体、比較的熱容量が高い物質または比較的熱伝導率が高い物質等の異物が、温度センサまたはヒータに接触または付着した異常状態を検出することができる。また、温度センサが一対になっているので、検出感度が向上する。
【0011】
上記課題を解決するためになされた請求項記載の発明は、前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向に配置されていることを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出方法に存する。
【0012】
請求項記載の発明においては、一対の温度センサは、ヒータに対してガスの流れ方向に配置されている。
【0013】
上記課題を解決するためになされた請求項記載の発明は、前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されていることを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出方法に存する。
【0014】
請求項記載の発明においては、一対の温度センサは、ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されている。
【0015】
請求項2及び3記載の発明によれば、温度センサが一対になっているので、検出感度が向上する。
【0016】
上記課題を解決するためになされた請求項記載の発明は、ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出装置において、上記温度センサは、上記ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、上記異常検出装置は、上記ヒータの加熱にかかわらず上記一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に上記温度センサまたはヒータに異物の接触または付着ありと判定する判定手段からなることを特徴とするフローセンサの異常検出装置に存する。
【0017】
請求項記載の発明においては、ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出装置において、温度センサは、ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、異常検出装置は、ヒータの加熱にかかわらず一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に温度センサまたはヒータに異物の接触または付着ありと判定する判定手段からなるので、水、液体、比較的熱容量が高い物質または比較的熱伝導率が高い物質等の異物が、温度センサまたはヒータに接触または付着した異常状態を検出することができる。また、温度センサが一対になっているので、検出感度が向上する。
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項記載の発明は、前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向に配置されていることを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出装置に存する。
【0021】
請求項記載の発明においては、一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向に配置されている。
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項記載の発明は、前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されていることを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出装置に存する。
【0023】
請求項記載の発明においては、一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されている。
【0024】
請求項5及び6記載の発明によれば、温度センサが一対になっているので、検出感度が向上する。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明のフローセンサの異常検出方法を実施する異常検出装置を組み込んだフローセンサ式ガスメータの実施の形態を示す構成図である。図1において、フローセンサ式ガスメータは、ガス流路中に配置されたフローセンサ1と、差分検出回路21と、加算器22と、スイッチ23,24と、A/Dコンバータ25と、判定手段としてのマイクロコンピュータ(以下、マイコンという)26と、警報手段としての表示部27と、メモリ28と、遮断弁29と、通報手段としての通報部30と、ヒータ駆動回路31とを備えている。
【0035】
フローセンサ1は、ガスを加熱するマイクロヒータ4と、マイクロヒータ4に対してガスの上流側に配置され、ガスの温度を検出して温度検出信号を出力する上流側温度センサとして働く上流側サーモパイル8と、マイクロヒータ4に対してガスの下流側に配置され、ガスの温度を検出して温度検出信号を出力する下流側温度センサとして働く下流側サーモパイル5と、マイクロヒータ4に対してガスの流れ方向と略直交方向に配置され、ガスの温度を検出して温度検出信号を出力する右側温度センサとして働く右側サーモパイル11と、マイクロヒータ4をはさんで右側サーモパイル11と対向する側に、マイクロヒータ4に対してガスの流れ方向と略直交方向に配置され、ガスの温度を検出して温度検出信号を出力する左側温度センサとして働く左側サーモパイル13とを備えたマイクロフローセンサである。
【0036】
差分検出回路21は、非反転入力端子にフローセンサ1の上流側サーモパイル8が接続され、反転入力端子にフローセンサ1の下流側サーモパイル5が接続された差動アンプとして働くオペアンプ32からなる。なお、上流側サーモパイル8と下流側サーモパイル5は、それぞれの起電力の同一極性側がオペアンプ32の非反転入力端子及び反転入力端子に接続される。
【0037】
加算器22は、非反転入力端子にフローセンサ1の右側サーモパイル11が接続され、反転入力端子にフローセンサ1の左側サーモパイル13が接続されたオペアンプ38からなる。なお、右側サーモパイル11と左側サーモパイル13は、それぞれの起電力の互いに反対の極性側がオペアンプ37の非反転入力端子及び反転入力端子に接続される。
【0038】
スイッチ23は、リレースイッチや電子スイッチ等からなり、マイコン26からの制御信号によって、一方がオンの時他方がオフとなるように制御される。
【0039】
A/Dコンバータ25は、スイッチ23を介して入力される差分検出回路21のオペアンプ32の出力電圧、または、スイッチ24を介して入力される加算器22の出力電圧をアナログ/デジタル変換する、たとえば12ビットのA/Dコンバータである。
【0040】
ヒータ駆動回路31は、そのベースに入力されるマイコン26からの制御信号でオン、オフ制御されるpnp型のスイッチングトランジスタ39からなる。スイッチングトランジスタ39のエミッタは電源+VMHに接続され、コレクタはフローセンサ1のマイクロヒータ4に接続されている。
【0041】
図2及び図3は、図1のフローセンサ1の構成図及び断面図である。図2において、フローセンサ1は、Si基板2と、ダイアフラム3と、ダイアフラム3上に形成された白金等からなるマイクロヒータ4と、マイクロヒータ4の下流側に所定の間隔でダイアフラム3上に形成された下流側サーモパイル5と、マイクロヒータ4に図示しない電源から駆動電流を供給する電源端子6A,6Bと、マイクロヒータ4の上流側に下流側サーモパイル5と同一の所定間隔でダイアフラム3上に形成された上流側サーモパイル8と、上流側サーモパイル8から出力される第1温度検出信号を出力する第1出力端子9A,9B、下流側サーモパイル5から出力される第2温度検出信号を出力する第2出力端子7A,7B、を備えている。
【0042】
また、マイクロフローセンサ1は、マイクロヒータ4に対してガスの流れ方向(図3における矢印Pから矢印Qへの方向)と略直交方向に所定の間隔で配置され、ガスの物性値を検出し、右側温度検出信号を出力する右側サーモパイル11と、この右側サーモパイル11から出力される右側温度検出信号を出力する第3出力端子12A,12Bと、マイクロヒータ4に対してガスの流れ方向と略直交方向に右側サーモパイル11と同一の所定間隔で配置され、ガスの物性値を検出し、左側温度検出信号を出力する左側サーモパイル13と、この左側サーモパイル13から出力される左側温度検出信号を出力する第4出力端子14A,14Bと、ガス温度を得るための抵抗15,16と、この抵抗15,16からのガス温度信号を出力する出力端子17A,17Bとを備える。
【0043】
上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13は、熱電対から構成されている。この熱電対は、p++−Si及びAlにより構成され、冷接点と温接点とを有し、熱を検出し、冷接点と温接点との温度差から熱起電力が発生することにより、温度検出信号を出力するようになっている。
【0044】
また、図3に示すように、Si基板2には、ダイアフラム3が形成されており、このダイアフラム3には、マイクロヒータ4、上流側サーモパイル8、下流側サーモパイル5、右側サーモパイル11及び左側サーモパイル13のそれぞれの温接点が形成されている。
【0045】
上述の構成において、図1に戻ってまず流量計測について説明する。流量計測時、マイコン26は、ヒータ駆動回路31のスイッチングトランジスタ39のベースにハイレベルの制御信号を供給してスイッチングトランジスタ39をオフさせ、マイクロヒータ4をヒータオフ状態とする。
【0046】
また、マイコン26は、スイッチ23をオンかつスイッチ24をオフとなるように制御し、オペアンプ32より出力されるヒータオフ時の上流側サーモパイル8の温度検出信号E8off及び下流側サーモパイル5の温度検出信号E5offの差分(E5off−E8off)をスイッチ23、A/Dコンバータ25を介してA/D変換したデジタルデータをサンプリングして、サンプリングデータVoff1(=E5off−E8off)を得て、メモリ28に格納する。
【0047】
次に、マイコン26は、スイッチ23をオフかつスイッチ24をオンとなるように切り換え、オペアンプ38より出力されるヒータオフ時の右側サーモパイル11の温度検出信号E11off及び左側サーモパイル13の温度検出信号E13offの第2の和(E11off+E13off)をスイッチ24、A/Dコンバータ25を介してA/D変換したデジタルデータをサンプリングして、サンプリングデータVoff2(=E11off+E13off)を得て、メモリ28に格納する。
【0048】
次に、マイコン26は、ヒータ駆動回路31のスイッチングトランジスタ39のベースにローレベルの制御信号を供給してスイッチングトランジスタ39をオンさせ、マイクロヒータ4に駆動電流を供給し、ヒータオン状態とし、ガス流路中のガスを加熱する。
【0049】
また、マイコン26は、スイッチ23をオンかつスイッチ24をオフとなるように制御し、オペアンプ32より出力されるヒータオン時の上流側サーモパイル8の温度検出信号E8on及び下流側サーモパイル5の温度検出信号E5onの差分(E5on−E8on)をスイッチ23、A/Dコンバータ25を介してA/D変換したデジタルデータをサンプリングし、サンプリングデータVon1(=E5on−E8on)を得て、メモリ28に格納する。
【0050】
次に、マイコン26は、スイッチ23をオフかつスイッチ24をオンとなるように切り換え、オペアンプ38より出力されるヒータオン時の右側サーモパイル11の温度検出信号E11on及び左側サーモパイル13の温度検出信号E13onの第1の和(E11on+E13on)をスイッチ24、A/Dコンバータ25を介してA/D変換したデジタルデータをサンプリングして、サンプリングデータVon2(=E11on+E13on)を得て、メモリ28に格納する。
【0051】
次いで、マイコン26は、上述のようにして得られたデータVon1,Von2,Voff1およびVoff2をメモリ28から読み出し、下記の演算処理を行って、ガスの流量値を算出する。
Vf={(Von1−Voff1)/(Von2−Voff2)}×パラメータ
ここで、パラメータは、ガス流路の断面積等で決まる係数である。
【0052】
次いで、マイコン26は、上述のようにして算出されたガス流量値を積算し、その積算値を、表示部27に表示させ、メモり28に格納すると共に、通報部30を介して外部(たとえば、ガス管理センター)に通報する。
【0053】
図4は、上述の通常の流量計測時の各センサ出力データと流量(ゼロから最大流量Qmaxまで)の関係を示すグラフであり、図4(A)は、マイクロヒータ4のオン時の上流側サーモパイル8の温度検出信号E8on及び下流側サーモパイル5の温度検出信号E5onの差分データVon1(=E5on−E8on)と、マイクロヒータ4のオフ時の上流側サーモパイル8の温度検出信号E8off及び下流側サーモパイル5の温度検出信号E5offの差分データVoff1(=E5off−E8off)と、(Von1−Voff1)を示す。なお、計測バイアス値は、Von1,Voff1および(Von1−Voff1)を正領域で扱うためのバイアス値である(以下、同じ)。
【0054】
また、図4(B)は、マイクロヒータ4のオン時の右側サーモパイル11の温度検出信号E11on及び左側サーモパイル13の温度検出信号E13onの第1の和データVon2(=E11on+E13on)と、マイクロヒータ4のオフ時の右側サーモパイル11の温度検出信号E11off及び左側サーモパイル13の温度検出信号E13offの第2の和データVoff2(=E11off+E13off)と、(Von2−Voff2)を示す。
【0055】
一方、マイコン26は、流量計測時に流量異常を検知した場合は、遮断弁29を遮断させると共に、異常警報を表示部27に表示させかつ通報部30を介して外部(たとえば、ガス管理センター)に通報する。
【0056】
次に、ガス流路中への異物の混入に起因するフローセンサの異常検出動作について説明する。ここでは、異物としてたとえば水が混入した場合について説明する。
【0057】
まず、差分検出回路21のオペアンプ32より出力される上流側サーモパイル8の温度検出信号及び下流側サーモパイル5の温度検出信号の差分出力データに注目すると、マイクロヒータ4のオン時でかつ流量ゼロ時には、ガス配管中に水の混入がなければ、マイクロヒータ4からの熱が、ガスの熱拡散効果によって上流側サーモパイル8と下流側サーモパイル5に同等に伝達されるので、上流側サーモパイル8の温度検出信号E8on及び下流側サーモパイル5の温度検出信号E5onの差が出ず、図4(A)に示すように、Von1およびVoff1は共に計測バイアス値となり、(Von1−Voff1)=0となる。
【0058】
一方、ガス配管中に水の混入があった場合、この水がガス流路中に配置されたマイクロフローセンサ1のマイクロヒータ4に付着すると、マイクロヒータ4がオンしてもその熱が水に奪われるため、上流側サーモパイル8及び下流側サーモパイル5の熱起電力はほとんど発生せず、温度検出信号E8onおよびE5onがほぼゼロになる。すなわち、E8on≒0,E5on≒0となり、したがって、図5(A)に示すように、ヒータオン時のVon1は上昇せずに、Voff1と同様に、流量ゼロから最大流量Qmaxまで計測バイアス値となる。その結果、(Von1−Voff1)=0となる。
【0059】
したがって、上流側サーモパイル8の温度検出信号及び下流側サーモパイル5の温度検出信号の差分出力データは、流量ゼロ時も水分混入時も共にゼロになるため、この差分出力データでは、流量ゼロなのか水混入なのかを判別することができず、その結果、水の混入を検出することができない。
【0060】
一方、加算回路22のオペアンプ38よりセンサ信号として出力される右側サーモパイル11の温度検出信号及び左側サーモパイル13の温度検出信号の加算出力に注目すると、ガス配管中に水の混入がない場合、マイクロヒータ4のオン時には流量ゼロであっても、マイクロヒータ4からの熱が、ガスの熱拡散効果によって右側サーモパイル11と左側サーモパイル13に同等に伝達されるので、ヒータオン時の第1の和Von2は、図4(B)に示すように、計測バイアス値以上の何らかの値が生じる。その結果、流量ゼロから最大流量Qmaxまで、(Von2−Voff2)は、ゼロ以上の何らかの値となる(すなわち、Von2−Voff2≠0)。
【0061】
一方、ガス配管中に水の混入があった場合、この水分がガス流路中に配置されたマイクロフローセンサ1のマイクロヒータ4に付着すると、マイクロヒータ4がオンしても、マイクロヒータ4の熱が、水に奪われて右側サーモパイル11と左側サーモパイル13に伝達されなくなるため、右側サーモパイル11と左側サーモパイル13において熱起電力がほとんど発生せず、温度検出信号E11onおよびE13onがほぼゼロになる。すなわち、E11on≒0,E13on≒0となり、したがって、図5(B)に示すように、ヒータオン時の第1の和Von2は、ほぼ計測バイアス値となる。その結果、流量ゼロから最大流量Qmaxまで、(Von2−Voff2)≒0となる。
【0062】
そこで、マイコン26は、センサ出力の判別値(閾値)をゼロよりわずかに大きい値に予め設定し、流量計測時、加算回路22のオペアンプ38より出力される右側サーモパイル11の温度検出信号及び左側サーモパイル13の温度検出信号の加算出力を監視し、Von2が計測バイアス値以上になっており、したがって(Von2−Voff2)が判別値以上の何らかの値となっていれば(すなわち、Von2−Voff2≠0)、マイクロヒータ4への水の付着なし(したがって、水の混入なし)、と判定する。
【0063】
一方、Von2が計測バイアス値になり、したがって(Von2−Voff2)が判別値以下となっていれば(すなわち、Von2−Voff2≦判別値)、マイコン26は、マイクロヒータ4への水の付着あり(したがって、水の混入あり)、と判定する。
【0064】
マイコン26は、上述のように水の混入ありと判定した場合、水混入警報を表示部27に表示させかつ通報部30を介して外部(たとえば、ガス管理センター)に通報すると共に、遮断弁29を遮断させる。
【0065】
次に、上述の流量計測装置の一連の動作を図6に示すフローチャートで説明する。まず、マイコン26は、流量計測のサンプリング時間になったか否かを判定し(ステップS1)、その答がイエスならば、ヒータ4をオフとし、ヒータオフ時の差分検出回路21の出力データVoff1および加算器22の出力データVoff2を計測する(ステップS2)。次いで、ヒータ4をオンとし、ヒータオン時の差分検出回路21の出力データVon1および加算器22の出力データVon2を計測する(ステップS3)。
【0066】
次いで、マイコン26は、ヒータオン時及びオフ時の差分検出回路21及び加算器22からの各出力データVoff1,Voff2,Von1,Von2に基づいて、流量値Vfを演算する(ステップS4)。
【0067】
次いで、マイコン26は、ヒータオン時の加算器22の出力データVon2を監視し、(Von2−Voff2)≦判別値となっているか否かを判定する(ステップS5)。その答がノーならば、マイコン26は、水の混入なし(マイクロヒータ4への水の付着なし)と判断し(ステップS6)、次にステップS1に戻り、次のサンプリング時間の到来を待ち受ける。
【0068】
一方、ステップS5の答がイエスならば、マイコン26は、水の混入あり(マイクロヒータ4への水の付着あり)と判断する(ステップS7)。
【0069】
次いで、マイコン26は、表示器27に水混入警報を表示させる(ステップS8)と共に通報部30を介して外部(たとえば、ガス管理センター)に通報し(ステップS8)、次いで、流量計測を停止し(ステップS9)、次いで、遮断弁30を遮断させる(ステップS10)。
【0070】
このようにして、従来のように特別に水分検出装置等を用いることなく、ガス配管中に混入した水を検出することができる。また、ガス配管中への水の混入を、使用者やガス事業者に警報したり、ガス管理センター等の外部に通報したり、ガス配管中への水の混入時にガス流路を遮断して燃焼機器機における異常燃焼を防止することができる。
【0071】
以上の通り、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれに限らず、種々の変形、応用が可能である。
【0072】
たとえば、A/Dコンバータ25は、マイクロコンピュータ26に内蔵しても良い。
【0073】
また、水混入の判定は、各サンプリング毎のデータにて実施しても良くまたは、サンプリング毎ではなく定期的(たとえば、1時間に1回)にマイコン26での水分混入判断ロジックを動作させて確認しても良い。
【0074】
また、マイコン26は、Von2−Voff2≦判別値)となっている場合に、水混入ありと判定しているが、これに代えて、Von2の値が判別値以下のほぼゼロ(すなわち、計測バイアス値を考慮に入れない場合の加算器22の出力)になっている場合に、水の混入あり、と判定しても良い。
【0075】
また、右側サーモパイル11の温度検出信号または左側サーモパイル13の温度検出信号のどちらか一方の温度検出信号のみを増幅して判別値と比較し、水混入を判定するように構成しても良い。
【0076】
また、上流側サーモパイル811の温度検出信号または左側サーモパイル13の温度検出信号の和信号またはどちらか一方の温度検出信号のみを増幅して判別値と比較し、水混入を判定するように構成しても良い。
【0077】
また、他の実施例として、異物として、水に限らず、再液化したLPガス等の液体や、金属片などの熱容量の比較的大きい物質(たとえば、測定すべきガスの数倍の熱容量を有する物質)または熱伝導率の比較的高い物質(たとえば、測定すべきガスの数倍の熱伝導率を有する物質)がフローセンサ1のマイクロヒータ4に接触または付着した場合に、異物の接触または付着あり(したがって、異物の混入有り)を判定するように構成しても良い。
【0078】
さらに他の実施例として、異物がフローセンサ1のマイクロヒータ4ではなく温度センサのいずれかに接触または付着した場合に、異物の接触または付着あり(したがって、異物の混入有り)を判定するように構成しても良い。
【0079】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、水、液体、比較的熱容量が高い物質または比較的熱伝導率が高い物質等の異物が、温度センサまたはヒータに接触または付着した異常状態を検出することができる。
【0080】
請求項1、2、3記載の発明によれば、温度センサが一対になっているので、フローセンサの異常検出の感度が向上する。
【0081】
請求項記載の発明によれば、水、液体、比較的熱容量が高い物質または比較的熱伝導率が高い物質等の異物が温度センサまたはヒータに接触または付着した異常状態を検出することができる。
【0082】
請求項4から6記載の発明によれば、温度センサが一対になっているので、検出感度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローセンサの異常検出方法を実施する異常検出装置を組み込んだフローセンサ式ガスメータの実施の形態を示す構成図である。
【図2】図1のフローセンサの構成図である。
【図3】図1のフローセンサの断面図である。
【図4】(A)および(B)は、図1における通常の流量計測時の各センサ出力データと流量の関係を示すグラフである。
【図5】(A)および(B)は、図1における水混入時の各センサ出力データと流量の関係を示すグラフである。
【図6】図1の流量計測装置の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 フローセンサ
4 マイクロヒータ(ヒータ)
5 下流側サーモパイル(下流側温度センサ)
8 上流側サーモパイル(上流側温度センサ)
11 右側サーモパイル(右側温度センサ)
13 左側サーモパイル(左側温度センサ)
21 差分検出回路
22 加算器
26 マイコン(判定手段)
27 表示部(警報手段)
28 メモリ
29 遮断弁(遮断手段)
30 通報部(通報手段)

Claims (6)

  1. ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出方法において、
    上記温度センサは、上記ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、
    上記ヒータの加熱にかかわらず上記一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に上記温度センサまたは上記ヒータに異物の接触または付着ありと判定する
    ことを特徴とするフローセンサの異常検出方法。
  2. 前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出方法。
  3. 前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出方法。
  4. ガスを加熱するヒータと、温度センサとを備えたフローセンサの異常検出装置において、
    上記温度センサは、上記ヒータに対して対称に所定の間隔を置いて配置された一対の温度センサであり、
    上記異常検出装置は、上記ヒータの加熱にかかわらず上記一対の温度センサの検出出力の和が変化しないもしくは閾値より変化が少ない場合に上記温度センサまたはヒータに異物の接触または付着ありと判定する判定手段
    からなることを特徴とするフローセンサの異常検出装置。
  5. 前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項4記載のフローセンサの異常検出装置。
  6. 前記一対の温度センサは、前記ヒータに対してガスの流れ方向と略直交方向に配置されている
    ことを特徴とする請求項記載のフローセンサの異常検出装置。
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