JP3950060B2 - 配線板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
本発明は、コンデンサを内蔵する配線板およびその製造方法に係り、特に放熱性に優れ、ICチップ実装時に、静電容量の温度依存変動が小さい配線板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、配線板では図5に示すように、電子回路を構成するコンデンサ等のチップ部品3や、ICチップ等の電子部品4を配線基板1の一方の表面上に実装し、アルミニウム等の放熱板2を配線基板1の他方の表面の全体もしくは一部に有することで配線板全体の放熱を図っている。(例えば特許文献1参照。)
また、アルミニウム基材上に陽極酸化皮膜を形成して配線板に高熱伝導性を付与するものも提案されている。(例えば特許文献2)
【0003】
【特許文献1】
特開平9−102565号公報
【特許文献2】
特開平9−266374号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の前記配線板には次のような問題があった。すなわち、コンデンサ等の一般的なチップ部品3を配線基板1の表面に載置すると、厚さ方向に突出した状態となるためコンパクトな回路の実現に対する障害となってしまう。また、コンデンサ等のチップ部品3を載置するため、配線板表面の高密度な実装が困難である。
【0005】
また、従来の配線板において、前記放熱板2の直下(図5中では直上)には厚さが0.3〜2.0mmの樹脂層、すなわち配線基板1が配設されている。そのため、電子部品4等の熱の発生源と放熱板2との間には一定の間隔がある上、配線基板1の樹脂層を形成する樹脂自体の熱伝導率は0.38W/m℃と極めて低い。そのため、放熱板2まで熱が円滑に行き届かない。
従って、放熱板2自体は熱伝導率が203.5W/m℃と比較的に高い物質そのものであっても、そのことを充分に生かしきれず配線板全体としての放熱効果は低い。
このため、基板が温度上昇して誘電率が低下した場合、静電容量を安定させることができないという問題があった。
【0006】
本発明は、従来技術が抱えていた上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、大容量のキャパシタを有し、配線板表面の高密度部品実装が可能で、かつ放熱性に優れ、静電容量の安定した配線板およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上掲の目的を実現するために鋭意研究した結果、以下の内容を要旨構成とする発明を開発した。
すなわち、本発明の配線板は、
(1) コア基板である金属基板と、この金属基板の一方の面に形成された強誘電体層と、この強誘電体層の他方の外面側に形成された導体層とから構成されている配線板であって、前記強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く前記金属基板の表面に陽極酸化皮膜が設けられ、前記金属基板および強誘電体層を貫通し、かつ前記陽極酸化皮膜によって絶縁されためっき貫通穴が形成され、前記ビアは、前記金属基板に接続され、前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層は、前記めっき貫通穴を介して前記強誘電体層の外面側に形成された導体層に電気的に接続されてなるとともに、前記金属基板と、前記強誘電体層と、前記強誘電体層の他方の外面側に形成された導体層とでコンデンサーを構成してなる配線板であることを特徴とする。
【0008】
上記(1)の配線板において、強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く金属基板の表面に、陽極酸化皮膜が設けられている
また、前記強誘電体層は、金属基板上に強誘電体ペーストを塗布し加熱処理することにより形成されることが好ましい。
【0009】
本発明の上記配線板は、金属基板をコアとし、その基板の一方の表面上に強誘電体層を有するとともに、この強誘電体層の外側の表面にはさらに導体層を形成してなるものである。
【0010】
したがって、この配線板は、金属基板、強誘電体層、導体層にてキャパシタ(コンデンサ)を構成している。このような配線板において、キャパシタを形造る強誘電体層は、金属基板上に焼結処理により形成されるため、強誘電体の集積度を高く、かつ静電容量を大きくすることができる。しかも、このキャパシタは配線板の一部をなして形成されているため、改めてキャパシタ機能を持ったチップ部品を載置する必要がない。
従って、本発明の配線板によれば、配線板の表面に載置するチップ部品の点数を少なくすることができるので、基板のサイズを小さくすることができる。
【0011】
本発明の配線板は、コアとして金属基板を用い、その金属板の厚みを0.5〜2.0mmの範囲で十分に厚くすることが好ましい。
0.5mm未満では、基板から発生する熱を効率よく散熱させることができないためであり、2.0mmを超えると金属板の加工性が悪くなるとともに、配線板全体の厚みが厚くなりコンパクト化が図れないからである。
【0012】
一般に、従来のこの種のデバイスでは、温度が上昇すると、誘電体の誘電率が低下するので、コンデンサの静電容量が変動し、またコンデンサとして機能する導体の抵抗値が上昇してしまうことから、静電容量を大きくすることができなかった。
【0013】
そこで、本発明では、コンデンサを構成する金属板を十分に厚くして放熱性を改善することで、温度の上昇を抑制することとした。その結果、温度上昇による静電容量低下を抑制できるようになった。
【0014】
また、本発明の配線板において、コアとなる前記金属板の少なくとも一方の表面に形成される強誘電体層は、チタン酸バリウム等の強誘電体の粉末を分散させてペースト状にしたもの(以下、「強誘電体ペースト」とする)を金属基板の面に塗布し、その後、その塗布された強誘電体ペーストを500〜700℃で焼結してなる絶縁層から形成されることが望ましい。
【0015】
前記強誘電体層の厚さは、5〜50μm程度とすることが好ましい。
その理由は、5μm未満では十分な電気的絶縁ができないからであり、50μmを超えると静電容量が低下するからである。
【0016】
上記(1)の配線板において、前記金属板の表面のうち、強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く金属基板の表面は、有機酸による陽極酸化皮膜で被覆されている。
前記有機酸による陽極酸化皮膜は、高い絶縁破壊電圧を有しているため、かかる陽極酸化皮膜のみで絶縁層を構成することができ、樹脂絶縁層による助けを必要とせず、そのために金属板に熱が伝わりやすくなるからである。
【0017】
前記陽極酸化皮膜の厚みは、10〜100μmの範囲であることが好ましい。その理由は、10μm未満では、十分な電気的絶縁ができないためであり、100μmを超えると効果的な熱伝導性を得ることができないからである。
【0018】
前記金属基板の上に絶縁層として樹脂層を形成した基板(以下「メタルコア基板」という)では、熱伝導性が悪く、せっかく金属板を用いても、結局、樹脂基板を用いた場合と同様に、温度上昇してしまうが、本発明によれば、金属板表面の薄い陽極酸化皮膜で絶縁を確保しているため、熱伝導性に優れており、配線板内部のコンデンサ層の温度上昇を効果的に防止できる。
【0019】
また、本発明にかかるコンデンサーを内蔵する配線板の製造方法は、
(2) 絶縁層と導体層を有する配線板の製造方法において、金属基板の一方の面に、強誘電体ペーストを塗布し、焼結させて強誘電体層を形成する工程と、
前記強誘電体層形成後、その金属基板および強誘電体層を貫通する穴を形成する穴あけ工程と、
前記貫通穴形成後の金属基板に、有機酸による陽極酸化処理を施して、前記強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く前記金属基板の表面に、陽極酸化皮膜を形成する工程と、
その陽極酸化皮膜形成後の金属基板にめっき処理を施して、前記強誘電体層の表面および前記貫通穴の内壁面を含む前記陽極酸化皮膜上に導体層を形成するとともに、前記ビアと接続する部分をめっき充填して前記金属板に接続されるビアを形成する工程と、
前記導体層にパターニングを施して、前記ビアを前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層から分離させるとともに、その導体層をめっき処理された前記貫通穴を介して前記強誘電体層の表面に形成された導体層に電気的に接続させる工程と、
からなることを特徴とする。
【0020】
上記(2)に記載の製造方法においては、まず、金属板上に強誘電体ペーストを塗布し、加熱処理によって強誘電体ペーストを硬化させることにより金属板上に強誘電体層を形成する。次に、金属板および強誘電体層を貫通する穴を形成した後、金属板の表面のうち強誘電体層に覆われている部分およびビアと接続する部分を除く面に有機酸による陽極酸化皮膜を形成する。これによって、絶縁破壊電圧が高い絶縁皮膜が形成される。次いで、めっき処理にて前記強誘電体層の表面に導体層を形成し、前記貫通穴の内壁面を含んだ前記陽極酸化皮膜上に導体層を形成するとともに、前記ビアと接続する部分をめっき充填して前記金属板に接続されるビアを形成する。その後、パターニング処理を施して、前記ビアを前記陽極酸化皮膜上に形成した導体層から分離させるとともに、その導体層をめっき処理された前記貫通穴を介して前記強誘電体層の表面に形成された導体層に電気的に接続させることにより、キャパシタとして作用する配線板が製造される。
【0021】
このようにして製造された配線板は、所定の厚み(0.5〜2.0mm)を有する金属基板をコアとしているため、配線板全体として放熱効果が高く、また陽極酸化皮膜は、絶縁破壊電圧が高く当該陽極酸化皮膜のみで絶縁層を構成することができるため、樹脂による絶縁層を形成する必要がなく、金属板に熱が伝わりやすく放熱性に優れている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0023】
ここに例示する配線板100は、図1に示す断面構造に明らかなとおり、コアとなる金属基板15と、めっきにより形成された導体層13、17と、陽極酸化皮膜14と、強誘電体層16とを有する配線板である。そして、金属基板15のいずれか一方の面(図1では上面)には陽極酸化皮膜14が形成され、さらにこの陽極酸化皮膜14の上面には導体層13が積層形成されている。また、金属基板15の他方の面(図1では下面)には強誘電体層16が形成され、さらに強誘電体層16の上面には導体層17が積層形成されている。また、配線板100にはめっき貫通穴30が形成されている。
【0024】
前記コアをなす金属基板15は、アルミニウムやその合金等の熱伝導性に優れた金属(合金を含めて)をその厚さが0.5〜2.0mm程度となるように形成され、前記強誘電体層16は、チタン酸バリウムなどの高誘電率の誘電体により形成される(厚さ:5〜50μm)。そして、金属基板15を覆う陽極酸化皮膜14は、陽極酸化処理によって形成された薄膜(厚さ:10〜100μm程度)の層である。この陽極酸化皮膜14は、金属基板15の表面のうち強誘電体層16に覆われている部分およびビアと接続する部分を除く面を覆っており、貫通穴30の内壁面にも形成されている。
【0025】
また、前記導体層13には、その一部としてランド50が形成されており、このランド50は、その直下に設けられたビア40を通じて金属基板15に電気的に接続されている。また、ランド50は、導体層13の他の部分から分離している。そして、その導体層13は、陽極酸化皮膜を介して前記金属基板15とは分離されている
【0026】
また、導体層13のうちランド50以外の部分は、めっき貫通30を通じて導体層17と導通している。従って、導体層13、17と金属基板15とは、陽極酸化皮膜14、強誘電体層16を挟んでキャパシタを構成するのである。これにより、配線板100はまた全体としてキャパシタを構成している。
【0027】
次に、本発明にかかる配線板100の製造方法を、図2に基いて説明する。
(1) 配線板100は、図2に示すようにコアとしての金属基板15を出発材料として製造される。この金属基板15は、アルミニウムまたはその合金等の熱伝導性に優れた金属から形成され、その板厚は、0.5〜2.0mm程度であることが好ましい。このため、製造時のハンドリングに充分な剛性を有する。
【0028】
(2) 次に、図2(B)に示すように、金属基板15の片面にチタン酸バリウム等の強誘電体からなる強誘電体層16を形成する。
この形成方法としては、強誘電体ペーストを金属基板15の面に塗布し、その後、その塗布された強誘電体ペーストを500〜700℃で焼結処理する。この焼結処理では、誘電体ペーストを加熱することで樹脂が硬化し、強誘電体が金属基板15に定着する。そして、樹脂の硬化とともに強誘電体の集積度が高くなる。これにより、高誘電率の強誘電体層16(焼結層)が形成される。
本発明においては、コアとなる基板が金属板15であるため、強誘電体ペーストの焼結処理時の加熱処理に耐えることができる。
【0029】
(3) 次に、図2(C)に示すように、金属基板15および強誘電体層16を貫通する貫通穴30を形成する。
前記貫通穴30は、穴径が100〜1000μmとすることが好ましい。その理由は、穴径が100μm未満の貫通穴はドリル加工が困難であり、穴径が1000μmを超える配線板全体としてコンパクト化が図れないからである。
【0030】
(4) 次に、図2(D)に示すように、金属基板15上に陽極酸化皮膜14を形成する。この陽極酸化皮膜14は、アルミニウムからなる金属基板15に対して陽極酸化処理を施すことで形成される。ここでいう陽極酸化処理とは、有機酸を主成分とする電解液にて行う処理をいう。
前記有機酸としては、例えば蓚酸浴またはスルファミン酸浴が適用可能であり、その厚さは、10〜100μmの範囲の薄膜であることが好ましい。
【0031】
前記陽極酸化皮膜14は、例えば、膜厚が30μmである場合には、1000V以上という高い絶縁破壊電圧を有している。すなわち、この陽極酸化処理を行うことにより、高い絶縁破壊電圧を有する陽極酸化皮膜14が形成される。
【0032】
陽極酸化処理の具体的な方法は、例えば、特開平9−266374号公報に記載されているように、アルミニウム基材の表層部を、蓚酸浴又はスルファミン酸浴の何れかで陽極酸化処理を施すことにより、基材表面に開口孔端を有する多孔質層と該多孔質層下に位置し、前記孔が存在しないバリアー層とからなる酸化アルミニウムの絶縁皮膜を生成した。
【0033】
(5) 次いで、陽極酸化皮膜14を貫通して金属基板15の表面に達する穴40(有底穴)を形成する。その形成方法としては、陽極酸化皮膜14の形成前に金属基板15の表面上に、あらかじめレジストを形成し、そして、陽極酸化皮膜14の形成後に当該レジストを除去する。これにより、金属基板15の表面を底とする有底穴40が形成される。
【0034】
(6)上記(5)の工程で得られた基板全体に、図2(E)に示すように、金属めっき処理を施して、表裏面上にめっきからなる導体層13、17を形成する。ここでいう金属めっき処理としては、まず、無電解めっきにて所謂、薄付け導体層を形成し、引き続き、電解めっきにて厚付け導体層を形成する。
【0035】
前記無電解めっきにて形成される導体層は、無電解銅めっき等から形成されるのが好ましく、その厚さは、0.2〜1.0μmが好ましい。
また、前記電解めっきにて形成される導体層は、電解銅めっき等から形成されるのが好ましく、その厚さは、5.0〜35μmが好ましい。
従って、金属めっき処理の際に形成されるめっき層は、無電解めっきによる導体層と電解めっきによる導体層の2層により構成されている。
【0036】
また、金属めっき処理の際には、貫通穴30の壁面にもめっき形成され、めっき貫通穴が形成される。したがって、めっきにより形成された導体層13と導体層17とは、めっき貫通穴を介して接続されている。
【0037】
さらに、金属めっき処理の際には、有底穴40は銅等のめっきで充填される。したがって、めっきによって形成された導体層13と金属基板15とは有底穴40に充填された銅めっき等により接続されている。
【0038】
(7) 次に、図2(F)に示すように、必要に応じて導体層13、17のパターニングを行う。このパターニングによって銅めっき等で充填された有底穴40はビアを形成するとともに、そのビア上にランド50を形成する
上記(1)〜(7)の工程によって、強誘電体層16と、それを挟んで配設された金属基板15および導体層17とでキャパシタが形成され、導体層17は、めっき貫通穴を介して導体層13(ランド50を除く)に接続されてなる配線板100を得る。
【0039】
また、本発明の他の実施形態では、前記導体層(めっき層)13上にさらに樹脂等による絶縁層12を形成し、さらにその上に導体層11を形成してもよい。
このような配線板200には、図3に示すような2種類のビアX、Yを形成することが好ましい。ビアXは、導体層11と導体層13との間に形成され、導体層11と導体層17とを電気的に接続させるものである。
【0040】
一方、ビアYは導体層11とビアランド50との間に形成され、導体層11と金属基板15とを電気的に接続させるものである。また、配線板200では、片面に絶縁層および導体層を積層したが、図4に示す配線板300のように両面に積層した構成としてもよい。
【0041】
また、本発明のさらに他の実施形態では、金属基板15の両面に焼結層を形成してもよい。この場合には、金属基板15の両面に強誘電体からなる絶縁層が形成される。従って、配線板100は、さらに大容量のキャパシタとして作用する。
【0042】
以上説明したように、本発明の配線板100は、全体がキャパシタとして構成されており、しかもこのような構成のキャパシタの静電容量は大きく、しかもそのキャパシタが配線板と一体になっているため、表面上にチップ部品を載置する必要がなく、コンパクトな回路設計を行うことができるようになる。
【0043】
本発明の配線板においては、コアとしての金属基板15にはアルミニウム等の熱伝導性の高い金属を使用し、0.5〜2.0mm程度と十分な厚みを付与したので、コア基板15全体が放熱効果に優れ、従って、配線板100全体としての放熱効果を高くできる。
【0044】
【実施例】
(実施例1)
上記(1)〜(7)の工程にしたがって、以下の条件で配線板を製造した。
厚さが0.5mmのアルミニウム基板をコアとして、その金属基板15の片面に、チタン酸バリウムを主成分とする強誘電体ペーストを塗布し、700℃、3時間の条件下で焼結させて、厚さ20μmの強誘電体層16を形成し、次いで、金属基板15および強誘電体層16を貫通する直径500μmの貫通穴を形成した後、蓚酸浴によって陽極酸化処理を行なって、厚さ30μmの陽極酸化皮膜14を形成し、さらに陽極酸化皮膜形成後の基板に無電解銅めっき、続いて電解めっき処理を行なって、厚さ25μmの導体層13、17を形成し、その後、導体層13にパターニングを行って配線板100を製造した。
【0045】
表1には、(1)金属板を設けない従来の配線板(従来例)、(2)金属板を設けたメタルコア基板(参考例)および(3)上記実施例1により製造した本発明の配線板という3種類の配線板に、それぞれICチップを実装し、電流20Aで通電した場合の温度上昇を示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003950060
【0047】
表1から分るように、20Aで2時間の通電後における各配線板の温度上昇は、従来例の配線板は55℃、参考例としてのメタルコア基板は32℃であったのに対して、本発明による配線板は12℃であり、極めて温度上昇が小さい。
【0048】
本発明の配線板によれば、コア基板としての金属基板15は、その表面有機酸による陽極酸化処理により形成した陽極酸化皮膜14により覆われ、この陽極酸化皮膜14は、膜厚が10〜100μmと非常に薄膜であるため、熱の発生源である電子部品等からコア基板15までの距離が短く、陽極酸化皮膜14は、高い絶縁破壊電圧を有しているため、陽極酸化皮膜14のみで絶縁層として利用することができる。すなわち、樹脂による絶縁層を形成する必要はない。
【0049】
従って、コア基板としての金属基板15に熱が伝わりやすく、このことにより、大容量のキャパシタを構成することができ、コンパクトな回路設計と放熱性に優れた配線板および配線板の製造方法が実現されている。
【0050】
一般にチタン酸バリウムを焼結して得られた誘電体は、温度依存性が高い特徴を持つ。本発明にかかる製造方法で、チタン酸バリウムを誘電体として焼結形成した場合の静電容量の温度特性を以下の表2に示す。
【0051】
【表2】
Figure 0003950060
【0052】
本発明にかかる配線板では、前述したとおり、放熱板を持たない配線板(従来例)および放熱板を持つメタルコア基板(参考例)と比較して、ICチップ実装時の配線板の温度上昇が小さいことが分る。
従って、誘電体の静電容量の温度依存を抑制し、安定した静電容量を確保することができる。
【0053】
このように、金属基板15の表面に絶縁層である陽極酸化皮膜14が形成されているので、金属基板15の直上に樹脂層を形成する必要がない。また、金属基板15の側面にも薄膜の陽極酸化皮膜14が形成される。すなわち、金属基板15の側面に樹脂膜を形成する必要がない。従って、配線板に発生する熱をコア基板としての金属基板15に効率良く放熱することが可能であり、結果として配線板の温度上昇を小さくすることができる。
【0054】
さらに本発明の配線板100は、コアとして金属板15を用いているため、樹脂をコア基板とした場合と比較して、配線板の反りや、ねじれが小さく、熱処理にも耐えることができる。このため、強誘電体層を形成するための焼結処理時に、基板が変形する等の不具合は少ない。
【0055】
さらに、誘電体ペーストを焼結処理することによって強誘電体をコア基板15に定着させているため、樹脂の硬化とともに強誘電体の集積度が高くなり、その結果、配線板100は大容量のキャパシタを有することができる。
【0056】
ちなみに、樹脂中にチタン酸バリウムを分散させたコンデンサフィルムの比誘電率(ε)は40であるのに対して、本発明に係る焼結処理によるコンデンサ層の比誘電率(ε)は3000であり、極めて大きな比誘電率を得ることができる。
【0057】
なお、本実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではない。したがって、本発明は、当然に、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能である。
【0058】
例えば、本実施形態の金属基板15は、アルミニウムまたはその合金に限るものではない。例えば、銅が適用可能である。
また、強誘電物質の強誘電体層16を構成する誘電体は、チタン酸バリウムの他に酸化チタン等も適用可能である。
さらに、陽極酸化処理に使用される有機酸は、蓚酸またはスルファミン酸の他にリン酸等も適用可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、大容量のキャパシタを有し、コンパクトな回路設計と、温度変化の少ない静電容量の安定したキャパシタを有する配線板および配線板の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の配線板の一実施形態を示す断面図である。
【図2】 本発明の配線板の製造工程を示す断面図である。
【図3】 本発明の配線板を用いた片面積層配線板を示す断面図である。
【図4】 本発明の配線板を用いた両面積層配線板を示す断面図である。
【図5】 従来の配線板を示す断面図である。
【符号の説明】
11 導体層
12 絶縁層
13 導体層(めっき層)
14 陽極酸化皮膜
15 金属基板(コア)
16 強誘電体層(焼結層)
17 導体層(めっき層)
30 貫通穴(めっき貫通
40 有底穴(ビア)
50 ランド

Claims (6)

  1. コア基板である金属基板と、この金属基板の一方の面に形成された強誘電体層と、この強誘電体層の他方の外面側に形成された導体層とから構成されている配線板であって、
    前記強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く前記金属基板の表面に陽極酸化皮膜が設けられ、前記金属基板および強誘電体層を貫通し、かつ前記陽極酸化皮膜によって絶縁されためっき貫通穴が形成され、前記ビアは、前記金属基板に接続され、前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層は、前記めっき貫通穴を介して前記強誘電体層の外面側に形成された導体層に電気的に接続されてなるとともに、前記金属基板と、前記強誘電体層と、前記強誘電体層の他方の外面側に形成された導体層とでコンデンサーを構成してなる配線板。
  2. 前記ビアおよび前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層を被覆する絶縁層と、その絶縁層に設けた上層の導体層とを有し、その上層の導体層は、前記ビアまたは前記導体層に電気的に接続されてなる他のビアを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の配線板。
  3. 前記金属基板は、アルミニウム板であることを特徴とする請求項1または2に記載の配線板。
  4. 絶縁層と導体層を有する配線板の製造方法において、
    金属基板の一方の面に、強誘電体ペーストを塗布し、焼結させて強誘電体層を形成する工程と、
    前記強誘電体層形成後、その金属基板および強誘電体層を貫通する穴を形成する穴あけ工程と、
    前記貫通穴形成後の金属基板に、有機酸による陽極酸化処理を施して、前記強誘電体層が形成されている部分およびビアと接続する部分を除く前記金属基板の表面に、陽極酸化皮膜を形成する工程と、
    その陽極酸化皮膜形成後の金属基板にめっき処理を施して、前記強誘電体層の表面および前記貫通穴の内壁面を含む前記陽極酸化皮膜上に導体層を形成するとともに、前記ビアと接続する部分をめっき充填して前記金属板に接続されるビアを形成する工程と、
    前記導体層にパターニングを施して、前記ビアを前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層から分離させるとともに、その導体層をめっき処理された前記貫通穴を介して前記強誘電体層の表面に形成された導体層に電気的に接続させる工程と、
    からなることを特徴とするコンデンサーを内蔵する配線板の製造方法。
  5. 前記ビアおよび前記陽極酸化皮膜上に形成された導体層を被覆する絶縁層を形成する工程と、
    その絶縁層に、前記ビアまたは前記導体層に電気的に接続されてなる他のビアを形成するとともに、前記絶縁層に前記他のビアと電気的に接続されてなる上層の導体層を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の配線板の製造方法。
  6. 前記金属基板は、アルミニウム板であることを特徴とする請求項4または5に記載の配線板の製造方法。
    【0001】
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