JP3948777B2 - フェノール樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂発泡体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた断熱性能を有し、かつ、圧縮強度等の機械強度に優れ、表面脆性が改善された断熱用フェノール樹脂発泡体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フェノール樹脂発泡体は、有機樹脂発泡体のなかでも、特に難燃性、耐熱性、低発煙性、寸法安定性、耐溶剤性、加工性に優れているため、各種建築材料として非常に有用なものである。
一般的に従来のフェノール樹脂発泡体は、発泡の際に気泡壁の強度が低い等の理由で、気泡壁が破壊されたりあるいは気泡径が大きくなり過ぎるという欠点を有しており、これが原因となって、発泡体の強度不足、表面脆性の悪化、更には気泡壁が破壊されていることによる独立気泡率の低下よって発泡剤が空気と置換してしまい、断熱性能が低下するなどの問題があった。
【0003】
これらの欠点を改良のために特開昭53−13669号公報ではレゾール樹脂中の水分量を極端に制限することにより、また、特公昭63−20460号公報では分子量の高い高分子量のレゾール樹脂を用いて、それぞれ発泡性混合物の高粘度化を図り、気泡壁強度を向上させ、独立気泡発泡体を得る技術が提案されているが、高粘度のため樹脂の取り扱いが難く、更にフェノール樹脂固有の脆弱性であるため、表面脆性が悪く粉化したり、表面材が剥がれやすいと言う欠点があった。
【0004】
また、樹脂の脆性を改善するためこれまでに、特開昭61−238833号公報では糖類を添加したり、特公昭62−48978号公報では、変性フェノールを用いたりして種々の添加剤を用いての改善が試みているが、いずれも充分でなく、高独立気泡率のものは得られなかった。
従って、これら従来技術では熱伝導率が高々0.020(kcal/mhr℃)程度であり、断熱材として使用されるのは、特に防火耐火が要求される分野のものに限られていた。
【0005】
フェノール樹脂発泡体を製造する一般的な方法は、フェノールとホルマリンをアルカリ性触媒により縮合して得たレゾール樹脂と、発泡剤、界面活性剤、硬化触媒、その他添加剤からなる発泡性組成物を混合、発泡、硬化させて製造している。
しかしながら、従来技術においては、発泡剤として1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンやジクロロジフルオロメタン等の比較的沸点の高いハロゲン化炭化水素が使用されていたが、これら塩素を含むクロロフルオロカーボン(以下「CFC」という。)、その代替として使用されているCFCの塩素の幾つかを水素に置換した水素化クロロフルオオロカーボン(以下「HCFC」という。)は、オゾン層を破壊するという問題からその使用が制限される様になってきたている。
【0006】
一方、オゾン層を破壊しない熱伝導率の低い発泡用ガスとしては、水素原子の1部または全部がフッ素原子で置換されたフルオロ炭化水素(以下「HFC」という。)が発泡剤として注目されてきている。中でも、工業的に容易に入手できるHFC類としては、HFC−134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、HFC−152a(1,1−ジフルオロエタン)、HFC−125(1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン)等が注目されている。しかしこれらは何れも沸点が低いために発泡時の圧力が高くなり、気泡壁が破壊されたり、気泡径が大きくなるなど理由から、従来のフェノール樹脂発泡体を製造する技術では、これらHFCを発泡剤として用いて断熱性能に優れた製品を製造するのはさらに困難なことであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このように沸点の低い発泡剤、特に室温ではガス状態である発泡剤、さらにはHFCのようにオゾン層を破壊する恐れのない発泡剤を使用するのに特に有用であり、優れた断熱性能を有し、かつ、圧縮強度等の機械強度優れ、表面脆性が改善されたフェノール樹脂発泡体を製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
一般に、発泡体の断熱性能、機械的性能はそれを構成する微細なセルの形態に大きく依存する。即ち、各セルが各々独立に存在する割合(以下「独立気泡率」という。)が大きく、且つその平均のセル径がある特定の範囲内に均一に存在することが重要である。具体的には密度が20〜70kg/m3 、独立気泡率が80%以上で、平均セル径が30〜300μmの範囲で均一に存在するとき優れた性能を発現する。
【0009】
レゾール、発泡剤、及び酸硬化触媒を含む発泡性レゾール組成物を混合機を用いて混合し、発泡、硬化してフェノール樹脂発泡体を製造するに際しては、この微細なセルはレゾールが発泡剤、及び硬化触媒と混合される際、触媒によりレゾールの架橋反応が進行し系内が発熱し、この反応熱で発泡剤が気化することにより形成される。このとき、発泡剤の種類、発泡剤の気化の進行度合い、あるいはレゾールの架橋反応の進行度合い等によってセルの形態は大きく変化する。特に発泡剤の沸点が室温以下であるとき、混合機から出たときは既に発泡が一部始まっており、これらを制御して所望のセル形態を得ることは極めて困難である。更にこの発泡体をボードのような幅方向に均一な成形体に成形加工する場合、幅方向にも均一な発泡状態、即ち微視的には均一なセル形態を保つ必要があることから、更に大きな困難を伴ってくる。本発明者らは、かかる発泡組成物の混合機内での挙動について鋭意研究した結果、混合機の構成と混合機内の温度と圧力の条件を特定の範囲に保持することにより、優れたフェノール樹脂発泡体を製造し得ることを見出し本発明を見出すに至った。
【0010】
即ち、本発明は、レゾール、発泡剤、及び酸硬化触媒を含む発泡性レゾール組成物を混合、発泡、硬化して発泡体を製造するに際して、
(a)該混合機が攪拌装置を備えたレゾールと発泡剤を混合する混合部(A)、同じく攪拌装置を備えたレゾールと発泡剤及び触媒を混合する混合部(B)及びA次いでBを経て混合された混合物を所望の形状に分配する分配部(C)から構成され、
【0011】
(b)A部の混合物の圧力(PA)がA部の温度(TA)における該発泡剤の蒸気圧より大きく、
(c)B部出口での混合物の温度(TB)と圧力(PB)が、
30℃≦TB≦70℃
Pmin ≦PB≦Pmax
Pmax :該発泡剤の温度TBにおける蒸気圧
Pmin :0.5 ×Pmax
であるフェノール樹脂発泡体の製造方法である。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は混合機の構成と混合機内の温度と圧力の条件に特徴を有するものである。
混合機は機能的に3つの部分から構成される。本発明では混合機がこの3つの機能を有していることが要件であり、従って1つの混合機の中にこれら3つの要件が含まれていてもよい。
【0013】
混合部(A)は攪拌装置を備えており、レゾールと発泡剤が混合される。攪拌装置は特に限定するものではないが、短時間に効率よく混合出来るものが好ましい。例えば内壁に多数の突起を有する円筒容器内を多数の羽根(突起)を有する回転子が回転し、羽根が突起に接触するこなく突起間を回転子の回転と共に回転する構造、いわゆるピンミキサー、ホバート型バッチミキサーまたはオークス型連続ミキサー(特公昭40−17143号公報)等を使用することが出来る。
【0014】
混合部(A)で混合された混合物は同じく攪拌装置を備えた混合部(B)に連続的に送られる。従って混合部(A)の圧力は混合部(B)よりも高く設定される。混合部(B)では混合部(A)の混合物と硬化触媒が混合される。この攪拌装置も特に限定するものではなく、混合部(A)と同じく短時間に効率よく混合出来るものが好ましい。即ち混合部(A)と同じものであってもいい。また混合部(A)の攪拌装置が混合部(B)の攪拌装置も兼ねることも出来る。例えば上記例の回転子を有する円筒容器において、前半部を混合部(A)とし、後半部を混合部(B)とすることも出来る。
【0015】
混合部A次いでBを経て混合された混合物は所望の形状に分配されるための分配部(C)に送られる。分配部(C)の構造は特に限定されるものではなく、製造するフォームの形態によって選択することが出来る。
例えば、不織布等の面材上に分配する場合の方式としては、
▲1▼1つあるいは複数のノズルが面材の進行方向に対して直角方向に往復運動する方式、
▲2▼ノズルがある一定間隔で全幅に渡って固定的に配置された方式、
等が適用出来る。従って、各方式に対応した分配部の構造が採用される。即ちノズルの本数に合わせて、この分配部で発泡混合物が分配される。
【0016】
図1〜4に本発明の混合機の構成例の概念図を示したが本発明はこれら例に何等限定されるものではない。
図1は1つの混合機に本発明の3つの構成要素が含まれている例を示す。
図2は分配部が混合部と導管で連結された例、図3は各々の混合部及び分配部が各々導管で連結された例、図4はノズルを含む分配部がフォーム製造時に進行方向に対し、直角に往復運動する例を各々示す。
次に、本発明の要件である各混合部の温度、圧力について説明する。
【0017】
混合部(A)の圧力(PA)は同部温度(TA)における発泡剤の蒸気圧より高く設定される。即ち、A部においては発泡剤は液化状態に保たれる。温度は特に限定はしないが、原料レゾールの粘度、続く混合部(B)の設定温度等を考慮して設定され、通常15℃〜50℃の範囲である。
混合部(B)はその出口での温度(TB)、圧力(PB)が下記範囲に設定される。
30℃≦TB≦70℃
Pmin ≦PB≦Pmax
Pmax :該発泡剤の温度TBにおける蒸気圧
Pmin :0.5 ×Pmax
即ち、同部において発泡剤は気化し、発泡が開始する。
【0018】
温度(TB)は使用するレゾール組成物の反応性、硬化触媒量、混合機内の滞留時間等により適宜設定されるが、温度(TB)が上記下限温度より低いと、レゾールが硬化触媒により架橋反応を起こす際に反応が遅くなり実用的な製造が難しくなり、一方上記上限温度より高いと反応が急激に進み、一部レゾールがゲル化し混合機を閉塞させる恐れがある。更に、実用的な生産性を考慮すれば、好ましくは40℃≦TB≦65℃である。
圧力(PB)がPminより小さいと混合機内での発泡が進み過ぎ、セル径が不均一になったり、大きくなりすぎる等の不都合が生じる。またPmaxより大きいと発泡剤気化が進まず、発泡開始が遅れる。Pminは0.5×Pmaxであるが、好ましくは0.7×Pmaxである。
【0019】
分配部(C)は混合部(B)の圧力を本発明の範囲に保持するのに重要である。即ち、この部分での圧力損失が適正値にないとB部の圧力を適正値に保つのが難しくなる。圧力損失は分配部の構造、流速、導管径、導管長さ及び混合物の粘度等により変動するが、同部での混合物の滞留時間が長すぎると、架橋反応が進み過ぎ、ゲル化したり、更には同部での閉塞が発生する恐れがあり、同部の設計はこれらの点を十分に考慮してなされるべきである。また、レゾールの粘度は温度により大きく変動するので、この部分の温度が同部の圧力損失、更には混合部(B)の圧力に大きく影響してくる。従って、分配部(C)の温度は同部の構造にもよるが、本発明では通常20℃〜50℃の範囲である。
【0020】
本発明は混合部(A)でレゾールと液体状態の発泡剤が充分に混合され、次いで混合部(B)で硬化触媒が加えられ、触媒と充分に混合されると同時に架橋反応を開始させると共に発泡を開始させるものである。即ち、発泡開始点を混合部(B)にすることで、均一に発泡を開始させ、その結果として分配部(C)で均一な分配を可能ならしめるものである。分配部で発泡が開始すると、温度、圧力のわずかな差があると各々発泡開始点が異なって、更に発泡剤の気化熱による温度低下も加わり、分配された各部での圧力損失に大きな差が生じ、結果として発泡状態、即ちセル形態に大きな差異が生じ、均一な発泡が困難になってくる。
【0021】
混合機から吐出された発泡体は公知の方法で製品化される。例えば、吐出された発泡体を所望の形状の型枠内へ注入し、この中で適当な温度/時間の条件下で、発泡・硬化を完了させる方法、あるいは連続したボードを製造するために、上下面材の間に吐出し、これを上下にコンベアを備えた連続式ダブルコンベアオーブンに送り、発泡・硬化させる方法等で製品化される。
本発明で用いるレゾールは、特に限定はしないが、通常、フェノールとホルマリンを原料にアルカリ触媒を加え、40〜100℃の範囲に加熱して合成される。このとき原料中のホルムアルデヒド(F)とフェノール(P)のモル比は1.3〜4.0、好ましくは1.5〜3.0範囲である。
【0022】
レゾール中にはその他添加物として尿素、ジシアンジアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の化合物を必要に応じて添加することも出来る。得られたレゾール組成物は発泡に際し、適正粘度に調整するために水分量が調整される。通常、水分は2〜10重量%、40℃における粘度は1000〜30000cpsの範囲に調整される。
発泡性レゾール組成物には良好なフォームを得る目的から通常界面活性剤が添加される。非イオン性界面活性剤が通常使用される。例えば、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン系界面活性剤、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの共重合体であるポリアルキレンオキサイド類、アルキレンオキサイドとひまし油の縮合物、アルキレンオキサイドとノニルフェノール、ドデシルフェノールのようなアルキルフェノールとの縮合物、更にはポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリアルコール等が挙げられる。これら界面活性剤は単独または複数を混合して使用される。
【0023】
本発明は、沸点が比較的低い発泡剤、具体的には沸点が50℃以下の発泡剤に有用である。特に室温ではガス状態であるもの、更には沸点が0℃以下の低沸点化合物には特に有用である。例えば、前述のCFC、HCFC、HFC等のフッ素系化合物、塩化メチレン等の塩素化炭化水素類、ノルマルペンタン、シクロペンタン、イソペンタン等の炭化水素類等、更には炭酸ガス等が挙げられる。フッ素系化合物は一般に熱伝導率が低いため断熱材用に好ましいがCFC類、HCFC類はオゾン層を破壊するという問題を有し、使用が制限されつつある。従って、本発明の発泡剤には、オゾン破壊係数が0で、熱伝導率の低いHFC類が推奨される。HFCとしては、炭素数1〜8のHFCが使用できるが、炭素数1〜3のHFCが好ましい。具体的には、ジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(152a)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)等が挙げられる。更に熱伝導率と工業的に容易に入手出来る等の理由から炭素数が2のものがより好ましく、その中でも、更に好ましくは1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)である。また上記発泡剤は単独あるいは2種類以上を混合して使用することもできる。
【0024】
また、発泡開始を容易に行うために窒素、ヘリウム、アルゴン、空気などの低沸点物質を発泡核として発泡剤に予め添加しておいてもよい。
また、HCFC類、HFC類を発泡剤として使用する場合には、発泡剤としての性能を改善するために、発泡助剤として、パーフルオロ炭化水素類、例えば、パーフルオロブタン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオロシクロヘプタン、パーフルオロオクタン、パーフルオロシクロオクタン等を添加することも可能であり、本発明にも好ましく適用できる。
【0025】
一方、本発明では混合部(B)で発泡を開始させることに特徴があり、即ち、本発明の方法によれば、混合部(B)で発泡剤を強制攪拌することで、発泡を促進させる効果も加わり、強制的に発泡が開始することにより、一般的に高価な上記ような発泡助剤の使用を回避することも可能である。上記のような発泡助剤の使用を避ける場合には、発泡開始を容易に行うために上記の発泡核剤を発泡剤と併用して使用することが好ましい。この場合の発泡核剤は空気、窒素が好ましく、より好ましくは窒素である。その添加量は通常発泡剤中にこれらガスを飽和させて用いるが、量的には0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜1重量%の範囲である。
【0026】
本発明の硬化触媒には無機酸、有機酸等の酸性化合物が用いられるが、通常はトルエンスルホン酸、キシレンスルホン、フェノールスルホン酸等の芳香族スルホン酸類が使用される。また、これら化合物は単独または複数混合して使用することも出来る。
また、硬化助剤として、レゾルシノール、クレゾール、サリゲニン(o−メチロールフェノール)、p−メチロールフェノールなどを添加することも出来る。更にジエチレングリコール等の溶媒に希釈して使用することも出来る。
【0027】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、実施例における各測定値は下記方法に準じて測定した値である。
平均気泡径は、JIS K6402に準じて測定したセル数を長さ当たりで換算して求めた。
密度は、JIS K7222に準じて測定した。
独立気泡率は、ASTM D2856に準じて測定した。
熱伝導率は、JIS A1412に準じて測定した。
脆性は、JIS A9511に準じて測定した。
圧縮強さは、JIS K7220に準じて、規定ひずみを0.05として測定した。
発泡剤の同定は、フェノール樹脂発泡体サンプルをピリジン中で粉砕し、発泡剤を抽出し、抽出物のガスクロマトグラフィーから同定した。必要が有れば、ガスクロマトグラフィーにより分離した成分の質量分析から確認できる。
【0028】
レゾール樹脂組成物
反応機に、37%ホルムアルデヒド5380gと99%フェノール3000gを仕込み、プロペラ回転式の撹拌機により撹拌し、温調機により反応機内部液温度を40℃に調整した。次いで、50%NaOH水溶液を39gを加え、反応液を40℃から80℃に上昇させ3時間保持した。その後、反応液を室温まで冷却し、尿素330gを添加混合した後、パラトルエンスルホン酸一水和物の50%水溶液でpHが6.5になるまで中和した。次いでこの反応液を、水分量が6重量%になるまで脱水処理した。このときの粘度は40℃において5500cpsであった。次いで、ポリシロキサン系の非イオン系界面活性剤SH−193(東レ・ダウコーニングシリコーン社製)を3.5部加え溶解し、レゾール樹脂組成物を得た。
【0029】
発泡剤
次の4種類の発泡剤を用意した。
【0054】
▲1▼HFC134a(ダイキン工業(株)製)
▲2▼HFC134a99.5重量%、窒素0.5重量%
▲3▼HFC134a96.5重量%、パーフルオロペンタン(住友3M製PF5050)3重量%、窒素0.5重量%
▲4▼HFC152a(ダイキン工業(株)製)99.5重量%、窒素0.5重量%
硬化触媒組成物
パラトルエンスルホン酸重量50%とジエチレングリコール重量50%の混合物を硬化触媒組成物とした。
【0030】
混合機
内壁に突起を有する円筒容器と突起を有する回転子から構成されたピン型ミキサー(混合機)を用いた。このミキサーは上部側面にレゾール組成物と発泡剤組成物の導入口があり、回転子が攪拌する攪拌部の中央付近の側面に硬化触媒の導入口を備えている。攪拌部以降はフォームを吐出するためのノズルにつながっている。即ち、触媒導入口までを混合部(A)、触媒導入口〜攪拌終了部を混合部(B)、攪拌終了部〜ノズルを分配部(C)の本発明の構成からなっている。分配部(C)は先端に3つのノズルを有し、混合された発泡組成物が均一に分配されるように設計されている。また混合部(A)の中央側面と混合部(B)の最下部には系内の温度と圧力が測定できるように、各センサーがセットされている。また各混合部及び分配部はそれぞれ温度調整を可能にするための温調用ジャケットを備えている。
【0031】
(実施例1〜9、比較例1〜5)
フォームの製造
前記の混合機に、同じく前記のレゾール樹脂組成物、発泡剤及び硬化触媒組成物をそれぞれ次の割合で供給した。
・レゾール組成物100g/min
・発泡剤組成物 13g/min
・硬化触媒組成物15g/min
発泡剤は前記▲1▼〜▲4▼の4種類用意しており、各々表1に示した発泡剤に切り替えることで、各発泡剤について比較した。
【0032】
ノズルから吐出したフォームは、透水性を有する不織布を敷いた内寸法が60cm×60cm×3cmの金型に厚みが均一になるように受け取られた後、同じく同不織布で上面が被覆され、同金型内にセットされた。金型は硬化反応中に発生する水分が外部に放出出来るように設計されている。次いで同金型を85℃/3時間オーブンに入れ、硬化を完了した。冷却後得られたフォームを取り出し、各物性値の測定を行った。
【0033】
各実施例、比較例の混合部(A)と混合部(B)での条件と、そこで得られた樹脂発泡体の各物性値を表1にまとめた。表1の結果は、本発明の温度、圧力条件を満たしている方法で製造されたフォームが優れた性能を有することを示すものである。また、実施例の結果は窒素を発泡核剤として使用することで、より好ましい結果が得られることも示している。表1中、発泡剤組成物の項目の番号は前記の発泡剤の番号示している。
【0034】
【表1】
Figure 0003948777
【0035】
【発明の効果】
本発明は、優れた断熱性能を有し、圧縮強度等の機械強度優れ、表面脆性が改善されたフェノール樹脂発泡体の製造方法を提供するものであり、本発明によって得られた製品は建築用断熱材として好適である。また本発明はオゾン層破壊の恐れのない発泡剤を使用した製造方法をも提供するものであり、地球環境保護の点にも適合してた製品を提供しうるものである。。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの混合機に3つの構成要素が含まれている混合機の構成例を示す概念図である。
【図2】本発明の分配部が混合部と導管で連結された混合機の構成例を示す概念図である。
【図3】本発明の各々の混合部及び分配部が各々導管で連結された混合機の構成例を示す概念図である。
【図4】本発明のノズルを含む分配部がフォーム製造時に進行方向に対し、直角に往復運動する混合機の構成例を示す概念図である。
【図5】発泡剤としてのHFC134a及びHFC152aの温度−蒸気圧線図を示す図である。
【符号の説明】
1 レゾール樹脂組成物
2 発泡剤
3 硬化触媒組成物
4 フォーム
a 混合部(A)
b 混合部(B)
c 分配部(C)
d 攪拌用回転子
e フォーム吐出用ノズル
f 混合部(B)と分配部(C)を連結する導管
g 混合部(A)と混合部(B)を連結する導管
h 分配部の往復運動方向

Claims (5)

  1. レゾール、発泡剤、及び酸硬化触媒を含む発泡性レゾール組成物を混合機を用いて混合し、発泡、硬化して発泡体を製造するに際して、
    (a)該混合機が攪拌装置を備えたレゾールと発泡剤を混合する混合部(A)、同じく攪拌装置を備えたレゾールと発泡剤及び触媒を混合する混合部(B)及びA次いでBを経て混合された混合物を所望の形状に分配する分配部(C)から構成され、
    (b)A部の混合物の圧力(PA)がA部の温度(TA)における該発泡剤の蒸気圧より大きく、
    (c)B部出口での混合物の温度(TB)と圧力(PB)が、
    30℃≦TB≦70℃
    Pmin ≦PB≦Pmax
    Pmax :該発泡剤の温度TBにおける蒸気圧
    Pmin :0.5 ×Pmax
    であることを特徴とするフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  2. 発泡剤がフルオロ炭化水素であることを特徴とする請求項1記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  3. フルオロ炭化水素がジフルオロメタン(HFC32)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1−ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)の群からから選ばれた少なくとも1種類であることを特徴とする請求項2記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  4. 発泡剤が発泡核剤を0.05〜5重量%含むことを特徴とする請求項1〜3記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
  5. 発泡核剤が空気、窒素であることを特徴とする請求項4記載のフェノール樹脂発泡体の製造方法。
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