JPH11279254A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法

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JPH11279254A
JPH11279254A JP10098162A JP9816298A JPH11279254A JP H11279254 A JPH11279254 A JP H11279254A JP 10098162 A JP10098162 A JP 10098162A JP 9816298 A JP9816298 A JP 9816298A JP H11279254 A JPH11279254 A JP H11279254A
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polyurethane foam
rigid polyurethane
polyisocyanate
foaming agent
polyalkylene polyamine
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JP10098162A
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Miki Hasegawa
幹 長谷川
Kiyoshi Hasegawa
清志 長谷川
Takashi Muramatsu
隆司 村松
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Toho Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡剤が水、またはハイドロカーボンである
硬質ポリウレタンフォームでは、フロン系発泡剤を使用
する場合に比し、初期反応性を速くすることが困難であ
る。100%水発泡スプレー処方では、冬場初期反応性
が遅くなるとフォームの接着性劣化、収縮等の問題が生
ずる。また、シクロペンタン発泡処方では、初期反応性
が遅くなると流動性劣化等の問題が生ずる。 【解決手段】 フロン系発泡剤を含まない硬質ポリウレ
タンフォームにおいて、ポリアルキレンポリアミンを所
定の範囲以内で添加することにより、初期反応性のみを
著しく向上させることができ、その結果熱伝導率、接着
性等のフォーム性能を向上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発泡剤に水またはハ
イドロカーボンを使用し、フロン系発泡剤を全く使用し
ない硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリイソシアネート、ポリオール、発泡
剤、助剤を混合することにより得られる硬質ポリウレタ
ンフォームは、一定の時間で重合を完了するが、その反
応性は原料の配合によってまちまちであり、これを管理
する必要があることから、反応性の指標を慣例的に以下
の用語で表すことが一般的である。 クリームタイム:混合開始から計測して、反応初期に発
泡剤が沸騰あるいは反応によって混合系内でガス化し、
整泡剤によって気泡中に取り込まれて泡化することによ
り、混合系の外観がクリーム状に変化する時間をいう。 タックフリータイム:混合開始から計測して、ポリウレ
タンフォームの重合が進んだ反応終了前後の、液状から
固状に変化し接触しても指等に硬質ポリウレタンフォー
ムが付着しなくなる時間をいう。
【0003】クリームタイムを速くする従来の技術とし
ては、トリエタノールアミン、ポリアルキレンポリアミ
ン、トルエンジアミン等の脂肪族または芳香族アミン化
合物に、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを
ポリオールとして使用する方法、ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル
等に代表される、3級アミン触媒のうち初期反応性の高
いものを選択的に使用する方法、あるいはポリイソシア
ネートを変性して、例えばプレポリマーとする方法等が
一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】硬質ポリウレタンフォ
ームの初期反応性であるクリームタイムを、重合反応の
終了前後の反応性であるタックフリータイムを大きく変
化させずに、速くしたいという要求は古くから一般的で
ある。一般に触媒量を増加させることにより、クリーム
タイムは速くなるがタックフリータイムも同時に速くな
る。全体的な反応性が上がりすぎると、例えば現場発泡
スプレー工法では発泡機の原液の吐出口が固着するよう
な不都合が生じ、電気冷蔵庫への注入成形では充填不良
のような重大な不都合が生じてしまう。タックフリータ
イムを大きく変えることなくクリームタイムのみを速く
することにより、種々の効果が期待でき例えば以下のこ
とが上げられる。 1)熱硬化性樹脂である硬質ポリウレタンフォームは、
初期の重合段階で熱を奪われると最終的な重合度が低く
なり、密度や強度等の要求されるフォーム性能が得られ
ないが、クリームタイムを速くすることにより、系を気
泡で断熱することによってこれを防ぐことができる。例
えば現場発泡スプレー工法では、予熱されていない外気
温のままの面に硬質ポリウレタンフォームを吹き付けて
発泡させるが、特に冬場の最初に吹き付けられたフォー
ムは熱を奪われやすく、クリームタイムが遅くなってフ
ォームの立ち上がりが悪くなる。その結果、硬質ポリウ
レタンフォームと面材との接着性が劣化したり、収縮し
やすくなるが、クリームタイムのみをより速くすること
によりこれを防ぐことができる。 2)クリームタイムを速くすることによって、系の放熱
が少なくなるため、反応あるいは沸騰をより促進して気
泡の生成を促進させ、より微細なマイクロセルラーフォ
ームを得ることができる。硬質ポリウレタンフォームの
気泡が微細化すると、その結果断熱性が向上し、例えば
シクロペンタン発泡電気冷蔵庫用硬質ポリウレタンフォ
ームの熱伝導率を向上させることができる。同時にクリ
ームタイムを速くすることによって、反応の初期の段階
から発泡剤を気泡中に取り込むことができるため、発泡
剤の系外への飛散を防ぐことができる。それにより、注
入成形時に硬質ポリウレタンフォームの流動性を向上さ
せることができ、硬質ポリウレタンフォームの注入量を
低減させることによって、低コスト化に寄与できる。た
だし、ここでタックフリータイムを含む全体の反応性が
速くなると、面材から受ける摩擦が増大し流動性は劣化
してしまうため、タックフリータイムを大きく変えずに
クリームタイムを速くすることが求められている。
【0005】ポリウレタンフォーム生成時の内部発熱を
受けて沸騰するタイプの発泡剤である従来のフロン系発
泡剤を主体とする限り、その沸点が低いことを最大の理
由として、前述のような一般的な方法によって、難なく
クリームタイムをコントロールすることができた。例え
ば、現場発泡スプレー用として一般に使用されている発
泡機はヒーターによって原液温度を40℃程度に加温し
ており、沸点32℃のHCFC−141bのようなフロ
ン系発泡剤を使用した系では、発泡機から吐出された原
液の温度はフロン系発泡剤の沸点以上となっていて吐出
と同時に沸騰しやすい状態となっており、クリームタイ
ムを速くすることはさほど困難ではない。また、電気冷
蔵庫の製造で一般的に使用されている高圧発泡機は、ポ
ンプによって一定体積にて100kg/cm2以上に加
圧され、小口径のオリフィスから吐出されるため、マシ
ンタンク内で20℃程度であった原液温度は吐出直前で
は25から30℃程度に上昇しており、フロン系発泡剤
は吐出後僅かな反応熱によって沸騰しやすい状態になっ
ている。
【0006】しかし、現在フロン系発泡剤のうちハイド
ロクロロフルオロカーボン(HCFC)はオゾン層を破
壊することから規制を受け、ハイドロフルオロカーボン
(HFC)は温室効果が炭酸ガスより遥かに高いため、
今後使用しない方向が望ましい状況にある。現時点で
は、今後将来にわたって使用の規制を受けない可能性が
高く性能上使用しうる発泡剤としては、水の他、ハイド
ロカーボンのうちペンタン類のみと考えられる。また、
ペンタン類の中でも引火点と蒸気熱伝導率の理由によ
り、電気冷蔵庫用硬質ウレタンフォームの発泡剤として
は、シクロペンタンが今後も使用されていくと考えられ
る。
【0007】フロン系発泡剤に対し、水はイソシアネー
トとの化学反応によって炭酸ガスを放出することによる
発泡剤であるため、例えば発泡剤を水だけにした時、前
述の現場発泡スプレーにおいて、特に冬場の低温下で熱
が奪われるような条件下では、反応が遅れクリームタイ
ムを速くすることは困難となる。ポリイソシアネートを
変性してプレポリマーとする方法も基本的には同様であ
るが、更に工程が一つ増えるためコスト増につながる難
点がある。また、シクロペンタンは、現時点で使用され
ているHCFC−141bのようなフロン系発泡剤に比
べると、沸点が49℃と高いため低温下では沸騰しにく
く、結果としてクリームタイムを速くしにくい。なお、
沸点がフロン系発泡剤のように低いハイドロカーボン
は、同時に引火性も強く実用上問題がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】イソシアネート基は、一
般にアルコール、アミン化合物等に含まれる、いわゆる
活性水素と結合することが知られている。それぞれの分
子中に複数のイソシアネート基や活性水素があれば、反
応は一つと一つの分子で完了せず、連鎖していき重合物
を生成する。また、活性水素は結合する他の原子、また
は原子群の種類の違いにより、イソシアネート基との反
応速度が大きく変わることが知られている。 例えば、
トリエタノールアミン、エチレンジアミン、トルエンジ
アミンのようなアミン化合物にアルキレンオキサイドを
付加重合させたいわゆるアミン系ポリオールの、水酸基
の水素原子は比較的イソシアネート基との反応性が高い
ことが知られており、クリームタイムを速くしたい時に
一般によく用いられる。しかし、フロン系発泡剤を使用
していない水発泡、またはシクロペンタン発泡のような
系では、アミン系ポリオールをかなり多く添加してもク
リームタイムを必要なほど十分に速くできず、また、3
級アミン触媒を選択的に使用する方法も同様に十分に速
くできない。
【0009】ここで、イソシアネートとの反応性は、ア
ルキレンオキサイドを付加重合させた3級アミン化合物
であるアミン系ポリオールよりも、活性水素が窒素原子
と直接結びついた、1級または2級アミン化合物の方が
より高いことが予想される。本発明の発明者らは、アル
キレンオキサイドを付加重合させていない、種々の1級
または2級アミン化合物を原料中に混合し、発泡して硬
質ポリウレタンフォームを作製しその反応性を測定し
た。その結果、請求項2に記載のポリアルキレンポリア
ミンが特にタックフリータイムを大きく変えることな
く、クリームタイムを速めるのに有効で、かつ良好なフ
ォーム性能を有することを見出した。ポリアルキレンポ
リアミンのこの性質は特異的なもので、他の1級または
2級アミン化合物では、ポリアルキレンポリアミンほど
クリームタイムが速くならず、トリエタノールアミン、
ジエタノールアミン、トルエンジアミンのような1級ア
ミン化合物の添加や、ピペラジンのような2級アミン化
合物の添加は、むしろ逆効果でクリームタイムが遅くな
った。
【0010】なお、ポリアルキレンポリアミンにアルキ
レンオキサイドを付加重合させてポリオールとする技術
は周知であるが、ポリアルキレンポリアミンの活性水素
とアルキレンオキサイドとの反応性は極めて高く、当該
アルキレンオキサイド付加重合化合物中に未反応のポリ
アルキレンポリアミンが0.10%以上存在することは
ありえない。また、一般にポリオールはアルキレンオキ
サイドの付加反応終了後に、未反応のアルキレンオキサ
イド、および中和塩の吸着濾過が行われており、仮に微
量の未反応のポリアルキレンポリアミンが存在していて
もこの過程で必ず除去される。この事実から、本発明の
ポリアルキレンポリアミンを微量添加する方法は、従来
のポリアルキレンポリアミンにアルキレンオキサイドを
付加重合させてポリオールとし、それを使用する技術と
は異なった技術である。
【0011】
【発明の実施の形態】上記課題を解決する本発明の硬質
ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリイソシアネー
ト、ポリオール、発泡剤、助剤からなる組成物に微量の
ポリアルキレンポリアミンを含むことを特徴とするもの
である。原料となるポリイソシアネート、ポリオール、
は従来から市販されているものを使用することができ
る。発泡剤は一般にはトリクロロフルオロメタン(CF
C−11)、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン
(HCFC−141b)等のいわゆるフロン系発泡剤を
含むが、本発明で使用される発泡剤はフロン系発泡剤を
含まない。本発明で使用できる発泡剤としては、ポリイ
ソシアネートと水の反応によって発生する炭酸ガスと、
ペンタン類のようなハイドロカーボン(HC)に限られ
る。助剤としては、一般に市販されている通常のウレタ
ン用触媒、整泡剤、難燃剤等を使用することができる。
ポリアルキレンポリアミンはアルキレンオキサイドを付
加重合させることによって成る代表的なポリオールの原
料であるが、本発明はこのような、アルキレンオキサイ
ドを付加重合させたポリアルキレンポリアミン系ポリオ
ールとは無関係であり、単品での使用に限定される。ポ
リアルキレンポリアミンは、硬質ポリウレタンフォーム
の原料である、ポリイソシアネート、ポリオール、発泡
剤、助剤等の総重量中の含有率が、0.10%〜2.0
0%の範囲以内、望ましくは0.10%〜1.50%の
範囲以内で添加される。ポリアルキレンポリアミンは、
電動ミキサーまたはスタテイックミキサーのような周知
の方法によって、ポリオール、発泡剤、助剤等と共に、
混合しプレミックス液とすることができる。得られたプ
レミックス液は、既存の発泡機またはミキサーによっ
て、ポリイソシアネートと混合することができ、それに
よって硬質ポリウレタンフォームを製造することができ
る。本発明は硬質ポリウレタンフォームを得るための発
泡機またはミキサーの種類に限定されず、周知の市販の
ものが使用できる。以下実施例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0012】
【実施例】実施例1 内容積500cm3のポリエチレンカップに、東邦化学
製ポリオール100g(水酸基価380KOHmg/
g)、水2.0g、花王製3級アミン触媒TMHDA
(テトラメチルヘキサンジアミン)2.0g、日本ユニ
カー製シリコーン系整泡剤SZ−1675を1.5g、
日本ゼオン製99%純度のシクロペンタン13.0gを
仕込んだ。この中に、処方により数量が異なるポリアル
キレンポリアミンを所定量仕込み、十分均一になるよう
混合しプレミックス液とした。プレミックス液の原液温
度を20℃に合わせこの中に、あらかじめ原液温度を2
0℃に合わせた日本ポリウレタン製ポリイソシアネート
MR−200を処方により数量が異なるが所定量仕込
み、特殊機化工業製電動ミキサーによって無負荷時70
00rpmの回転速度で速やかに4秒間混合し、混合物
をあらかじめ離型シートを貼り付けた20cm角の木製
箱中に投入した。前述のクリームタイム、タックフリー
タイムを測定し、得られた硬質ポリウレタンフォームを
10分後に15cm角にカットし、見掛けの密度を測定
した。気泡径はニコン製メジャーリングマイクロスコー
プMM40にて測定し、熱伝導率は英弘精機製オートラ
ムダHC−073にて測定した。
【0013】この硬質ポリウレタンフォームのクリーム
タイムおよびフォーム性能を表1、および表2に示す。
ポリアルキレンポリアミンを含まない処方1のクリーム
タイムおよびフォーム性能を比較例とし、ポリアルキレ
ンポリアミンを添加した処方2〜8と対比してみると、
ジエチレントリアミンを原料の総量中0.10%添加し
た処方2では、クリームタイム、気泡径、熱伝導率にわ
ずかながら減少が見られる。ジエチレントリアミンを
0.20%添加した処方3は、更に大きく減少しており
はっきりとした傾向がみられる。ジエチレントリアミン
を0.39%添加した処方4は、タックフリータイムを
大きく変えることなく、クリームタイムが50%減少し
ており、気泡径は25%、熱伝導率は2%向上し、はっ
きりとクリームタイムの短縮効果が出ている。ジエチレ
ントリアミンを1.44%添加させた処方5は、やや量
が過剰な傾向を示し、混合時間4秒間の混合中に1部が
固化し始めている。ジエチレントリアミンを2.04%
添加させた処方6は、更に混合直後の反応性が速くなっ
ており混合中に全体が固化した。本実施例の混合方法は
モーター駆動のミキサーを用いているが、硬質ポリウレ
タンフォームの工業的な製造は高圧衝突攪拌機構を備え
た発泡機にて行われており、その場合の混合は殆ど瞬時
に行われる。従って混合時間4秒間の混合中に一部が固
化し始めても実用上支障はないが、クリームタイムを速
くする目的を考慮し、性能が劣化しない程度の範囲を考
えると、ポリアルキレンポリアミンの含有率の上限は、
2.00%、望ましくは1.50%と考えられる。ま
た、ポリアルキレンポリアミンの添加量の下限は、性能
上効果が表れる下限の0.10%と考えられる。また、
トリエチレンテトラミンを0.20%添加した処方7、
およびテトラエチレンペンタミンを0.20%添加した
処方8のいずれもジエチレントリアミンと同様にタック
フリータイムを大きく変えることなくクリームタイムが
短縮され、その結果フォーム性能が向上していることが
わかる。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】実施例2 実施例1と同様に500cm3のポリエチレンカップ
に、東邦化学製ポリオール100g(水酸基価350K
OHmg/g)、水4.5g、TMHDAを3.0g、
日本化学産業製オクチル酸鉛0.5g、日本ユニカー製
L−5420を1.5g、アクゾ・カシマ製PCFを1
5g仕込み、処方により数量が異なるがそれぞれ所定量
のポリアルキレンポリアミンを混合したプレミックス液
を作製した。プレミックス液の原液温度を8℃に合わ
せ、その中にあらかじめ8℃に調整したMR−200
を、処方により数量は異なるが所定量仕込み、特殊機化
工業製電動ミキサーによって無負荷時7000rpmの
回転速度で速やかに3秒間混合し、混合物をあらかじめ
離型シートを貼り付けた20cm角の木製箱中に投入し
た。前述のクリームタイム、タックフリータイムを測定
し、得られた硬質ポリウレタンフォームを10分後に1
5cm角にカットし、見掛けの密度を測定した。フォー
ムの接着強度は厚さ0.5mm、5cm角の亜鉛めっき
鋼板をフォームに自己接着させ、アルミ製ホルダーをエ
ポキシ系接着剤で接着したものを作製し、オリエンテッ
ク製テンシロンUCT−2.5Tで測定した。
【0017】100%水発泡スプレー処方の、ポリアル
キレンポリアミン添加によるクリームタイムの短縮効果
を表3に示す。ここではポリアルキレンポリアミンを含
まない100%水発泡スプレー処方9のクリームタイム
およびフォーム性能を比較例とし、ポリアルキレンポリ
アミンを添加した処方11〜13の実施例と対比してい
る。なお、従来のフロン系発泡剤を使用した処方10
(東邦化学製ポリオール、水酸基価570KOHmg/
gを使用)のクリームタイムおよびフォーム性能を参考
に示した。ポリアルキレンポリアミンを含まない100
%水発泡スプレー処方9のクリームタイムは、従来のフ
ロン系発泡剤を使用した処方10のクリームタイムと比
して67%遅くなっているのに対し、ポリアルキレンポ
リアミンを0.34%添加した処方11〜13はいずれ
もはっきりと、フロン系発泡剤を使用した処方と同程度
までクリームタイムが短縮されており、その効果はフォ
ームの接着強度の向上に表れている。
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明により、フロン系発泡剤を使用し
ない、水、またはハイドロカーボンを発泡剤とした、硬
質ポリウレタンフォームの製造方法において、全体的な
反応性を大きく変えることなく、初期反応性を自由にコ
ントロールすることが可能となる。本発明の組成物から
得られる硬質ポリウレタンフォームは、重合反応終了前
後の反応性であるタックフリータイムを大きく変えるこ
となく、初期の反応性であるクリームタイムを速くする
ことにより、気泡径がより微細になり、その結果熱伝導
率が低減され、また、接着強度が増す等の優れたフォー
ム性能を付与させることができる。このため、環境を破
壊する物質であるフロン系発泡剤を使用せずに、発泡剤
が100%水、あるいはシクロペンタンによって製造さ
れた、実用的な硬質ポリウレタンフォームを得ることが
できる。本発明は、現在使用可能なフロン系発泡剤が今
後規制を受け使用できなくなった場合に極めて有効であ
り、種々の硬質ポリウレタンフォームに応用しうると考
えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 101:00) C08L 75:04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリイソシアネート、ポリオール、発泡
    剤、および触媒、整泡剤等の助剤を混合することによっ
    て得られる硬質ポリウレタンフォームのうち、発泡剤と
    してポリイソシアネートと水の反応によって発生する炭
    酸ガス、または、シクロペンタンのようなペンタン類を
    含むハイドロカーボン(HC)のいずれかを、1種類ま
    たは複数の組み合わせで使用し、ハイドロクロロフルオ
    ロカーボン(HCFC)類、およびハイドロフルオロカ
    ーボン(HFC)類の総称である、いわゆるフロン系発
    泡剤を全く含まない硬質ポリウレタンフォームにおい
    て、ポリイソシアネートと反応する活性水素を有する化
    合物のうち、少なくとも1種類のポリアルキレンポリア
    ミンを含むことを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォ
    ームの製造方法であって、当該ポリアルキレンポリアミ
    ンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリ
    エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペン
    タエチレンヘキサミン、ジプロピレントリアミン、トリ
    プロピレンテトラミンのいずれか1種類、または複数の
    組み合わせからなり、かつ当該ポリアルキレンポリアミ
    ンはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のア
    ルキレンオキサイドが付加重合されていないことを特徴
    とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の硬質ポ
    リウレタンフォームの製造方法であって、原料総重量に
    対する当該ポリアルキレンポリアミンの含有率が0.1
    0〜2.00%の範囲以内であり、望ましくは0.10
    〜1.50%の範囲以内であることを特徴とする硬質ポ
    リウレタンフォームの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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